JP4612447B2 - 真空脱炭精錬の大気リーク防止方法 - Google Patents

真空脱炭精錬の大気リーク防止方法 Download PDF

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本発明は、浸漬管の内部を減圧して溶鋼の真空脱炭精錬を行う際に、この浸漬管の下部に配設された耐火物内の空気を、浸漬管の外部へ排気することで、この空気が溶鋼内へ混入することを抑制する真空脱炭精錬の大気リーク防止方法に関する。
従来、真空脱炭精錬は、芯金の周囲に耐火物が配設された浸漬管の下端部を鍋内の溶鋼に浸漬させ、この浸漬管の内部を減圧すると共に、溶鋼を撹拌しながら行っている。
この浸漬管の耐火物には、例えば、気孔、レンガ目地、又は亀裂が多数存在するため、浸漬管内の気圧(真空)と鍋内湯面近傍の大気圧との圧力差により、精錬中に耐火物を通じて浸漬管内に空気がリークしてくる。この浸漬管内は、圧力差に応じて溶鋼が吸い上げられているが、鍋内の湯面高さより上方である浸漬管内は負圧領域であるので、この範囲では溶鋼内に空気が直接侵入して窒素ピックアップ(含有窒素量の増加)の原因となりうる。特に、耐火物の劣化が激しくなるほど、溶鋼中の窒素量の上昇傾向が顕著になり、高純鋼を安定的に製造する上での課題となっている。
そこで、特許文献1には、浸漬管の鉄皮外周の周方向に複数の孔をあけ、これを吸引室で覆い、耐火物内の空気を排気配管と強制排気装置を介して強制排気する方法が提案されている。
また、特許文献2には、芯金先端を開孔して、浸漬管の先端部の耐火物内から空気を吸引する方法が開示されている。
特開2000−212639号公報 特開平1−147016号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法を使用する場合、耐火物自体の通気抵抗により、浸漬管の周方向及び高さ方向に空気を均一に吸引できないため、耐火物内の空気を十分な量排気できない。このため、排気配管の設置位置近傍の空気が極僅かに排気されるのみで、窒素ピックアップの防止効果を得ることが困難である。
一方、特許文献2に開示された方法は、空気の吸引を、浸漬管の周方向にある程度均一に行うことが可能である。しかし、この方法では、真空脱炭精錬の際に通常行っている芯金の冷却、即ち芯金内部を中空の密閉空間にして大流量の冷却空気を吹き込み、芯金の温度が高くても800℃以下程度になるように行う内部冷却を実施できない。このため、真空脱炭精錬の際には、芯金が溶鋼の熱を受けて1200℃以上に上昇し、強度低下と熱膨張による芯金の変形により、耐火物の亀裂又はレンガ目地の開きを促進する。従って、空気のリーク量が逆に増加し、窒素ピックアップ量が大幅に増えることとなる。また、浸漬管の耐火物の寿命も大きく低下するので、補修コストと設備稼働率の面からも現実的でない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、耐火物内の空気の吸引効率を従来よりも向上させ、溶鋼中への窒素の混入を抑制して、低窒素鋼、更には極低窒素鋼の製造を容易にする真空脱炭精錬の大気リーク防止方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法は、芯金の(内外を含む表面を覆う)周囲に耐火物が配設された浸漬管の下端部を鍋内の溶鋼に浸漬させ、該浸漬管の内部を減圧して溶鋼の真空脱炭精錬を行う際に、前記浸漬管の外部から内部へ流入する空気が溶鋼内へ混入することを抑制する大気リーク防止方法において、
前記浸漬管の前記芯金内側に配設される前記耐火物と前記芯金との間、又は前記芯金内側に配設される前記耐火物の内部で、かつ前記浸漬管外の溶鋼湯面と該浸漬管内の溶鋼湯面の範囲に通気路を設けて、該通気路内を減圧する。
ここで、耐火物としては、定形又は不定形のいずれの耐火物であってもよい。
また、本発明に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法において、前記通気路は、前記浸漬管の高さ方向に、少なくとも前記浸漬管外の溶鋼湯面より40cm高い位置から、該浸漬管内の溶鋼湯面から60cm低い位置まで連続して設けられ、しかも前記浸漬管の周方向に、前記芯金内側に配設される前記耐火物の厚みの1.2倍以下の間隔で複数個設けられていることが好ましい。
ここで、浸漬管の高さ方向に設ける通気路は、例えば、それぞれ単独にその内部を減圧することも、また隣り合う通気路を連通し、まとめてその内部を減圧することも可能である。
本発明に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法において、前記通気路内の減圧は、前記真空脱炭精錬の末期に行うことが好ましい。
ここで、真空脱炭精錬の末期とは、例えば、溶鋼の脱炭比率が75%以上の領域を意味する。
請求項1〜3記載の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法は、浸漬管の芯金内側に配設される耐火物と芯金との間、又はこの耐火物の内部に通気路を設け、この通気路内を減圧するので、真空脱炭精錬時に浸漬管の外部から内部へ流入した空気を、耐火物自体の通気抵抗を抑制しながら通気路側へ吸引できる。これにより、真空脱炭精錬時における溶鋼への空気の混入を抑制し、例えば、極低窒素鋼の窒素量の上限値を超えないように精錬できるので、脱炭処理した溶鋼を再処理することなく、極低窒素鋼を安定に製造することが可能となる。また、低窒素鋼においても、窒素起因による脱ガス処理時間の延長をなくすことができるので、処理時間の短縮による低窒素鋼の高効率な製造が可能となる。
特に、請求項2記載の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法は、通気路の形成位置を適正な位置に規定するので、耐火物内の空気を略均一に吸引でき、溶鋼への空気の混入を更に抑制できる。
請求項3記載の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法は、通気路内の減圧を、溶鋼中の炭素濃度が低下する真空脱炭精錬の末期に行うので、例えば、通気路内の減圧を必要以上に長時間行うことなく的確に実施でき、しかも空気排気の効果をより顕著に得ることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法の説明図、(B)は同真空脱炭精錬の大気リーク防止方法に使用する浸漬管下端部の部分側断面図、図2(A)は同浸漬管の部分平断面図、(B)は従来例に係る浸漬管の部分平断面図、図3は浸漬管に形成した通気路の高さ方向形成位置と脱窒率との関係を示す説明図、図4は浸漬管に形成した通気路の周方向の形成間隔指標と脱窒率との関係を示す説明図である。
図1、図2(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法は、芯金10の外側下部の表面及び内側表面を覆う周囲に耐火物11が配設された浸漬管12の下端部を鍋13内の溶鋼14に浸漬させ、この浸漬管12の内部を減圧して溶鋼14の真空脱炭精錬を行う際に、浸漬管12の外部から内部へ流入する空気が、浸漬管12内に吸い上げられた溶鋼14内へ混入することを抑制する方法であり、浸漬管12の芯金10内側に配設される耐火物(以下、内側耐火物15という)と芯金10との間に通気路16を設けて、この通気路16内を減圧する方法である。
まず、本発明の一実施の形態に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法を使用する浸漬管12について説明した後、真空脱炭精錬の大気リーク防止方法について説明する。
図1(A)、(B)に示すように、浸漬管12は、略円筒状となった芯金10と、この芯金10の内側全体及び芯金10の下部外周(鍋13内の溶鋼14が接触する部分)にそれぞれ配設された耐火物11とを有している。この耐火物11のうち、芯金10内側に配設される内側耐火物15は、芯金10と所定の隙間(例えば、10mm以上50mm以下程度)を開けて定形耐火物(例えば、耐火レンガ)を配置し、この隙間に不定形耐火物を流し込むことで構成することも、また、芯金10内側に予め配置された型枠内に不定形耐火物を流し込んで構成することも可能である。
浸漬管12の上部(下流側端部)には、真空排気装置(図示しない)が設けられ、真空脱炭精錬の際に浸漬管12内部を減圧可能な構成となっている。
浸漬管12を構成する芯金10と内側耐火物15との間には、内側耐火物15内の空気を吸引するための通気路16が設けられている。この通気路16の形状は、例えば、断面矩形、断面多角形、断面円形、又は断面楕円形となっており、その最大内幅が、例えば、10mm以上40mm以下程度である。なお、通気路16は、芯金10に形成した吸引口17に浸漬管12の外部から取付けられた吸引配管18に連通し、この吸引配管18に取付けた真空排気装置(図示しない)によって通気路16内を減圧する。
この通気路16の形成に際しては、定形性を有して燃え易い可燃材(例えば、発泡スチロール:気泡を含ませて成形したポリスチレン)を、形成する通気路16の形状に成形して芯金10内側に配置し、その周囲を不定形耐火物で覆った後に、可燃材を燃焼させ焼失させて形成することも、また、芯金10と定形耐火物との間で形成される隙間をそのまま通気路として使用することも可能である。
通気路16は、管内湯面(浸漬管12内の溶鋼14湯面)の位置から、鍋内湯面(浸漬管12外の溶鋼14湯面)の位置までの領域に設ければよいが、最低限必要な設置位置は、以下のことに基づいて設定する。
図1(B)に示すように、真空脱炭精錬中は、浸漬管12内に吸い上げられた溶鋼14の溶鋼圧が、以下の式で示される。
Ps=Pi+ρgL
ここで、Ps:溶鋼圧(Pa)、Pi:浸漬管内圧(Pa)、ρ:溶鋼密度(kg/m3 )、g:重力加速度(9.8m/s2 )、L:溶鋼の管内湯面からの深さ(m)
このように、溶鋼圧が鍋内湯面と同じ高さで大気圧と同じになるように、浸漬管12内の溶鋼14の吸い上げ高さが決まっている。一方で、内側耐火物15背面圧(Pb)が浸漬管内圧(Pi)より大きい場合、その圧力差(ΔP=Pb−Pi)を駆動力として、内側耐火物15背面から浸漬管12内の溶鋼14へ向けて空気の流れが生じる。この圧力差は、鍋内湯面と管内湯面の中間位置(図1(B)のL0位置)で最も大きくなるため、この部分で溶鋼14内へ多量の空気侵入が起こり易い。なお、管内湯面上にも空気は流れ出るが、その流量は溶鋼14内へ侵入する空気量と比較して多くなく、しかもこの空気は溶鋼14内に直接侵入しないため、溶鋼14内への窒素の歩留りは小さい。
従って、内側耐火物15内の空気を鍋内湯面と内湯面のある範囲で吸引すること、即ちこの範囲に通気路16を設けることが、溶鋼14の吸窒抑制の効果発揮に必要である。
そこで、まず、通気路の高さ方向の形成位置について、図3を参照しながら説明する。
ここで、浸漬管の通気路は、1辺が25mmの断面正方形の発泡スチロールを、芯金内側に配設される耐火レンガ背面と芯金との間の約30mmの不定形目地材(不定形耐火物)の中に埋め込んだ後、この発泡スチロールを燃焼させることで形成した。なお、浸漬管の外部に取付けた吸引配管は50φのものであり、その本数は12本である。
また、通気路を、浸漬管の周方向に10cm以上40cm以下の所定ピッチで、浸漬管の高さ方向に200mm以上900mm以下の範囲で設け、しかも通気路下端の鍋内湯面からの距離(L1 )及び通気路上端の管内湯面からの距離(L2 )の条件を種々変えた(図1(B)参照)。
そして、脱ガス期の最初に、吸引配管に設けたバルブをあけ、脱ガス期の終了で閉じる操作を行って、浸漬管の耐火物内のガス吸引を行い、窒素の挙動を評価した。
なお、評価は以下の式を用いて求められる脱窒率に基づいて行った。
(脱窒率)=Δ[N]/[N]i×100(%)
Δ[N]=[N]−[N]i
[N]:脱ガス処理後の溶鋼中の窒素量
[N]i:脱ガス処理前の溶鋼中の窒素量
上記式より、脱窒率が負の値で、しかもその絶対値が大きくなれば、溶鋼中の窒素量がそれだけ少ないことになる。
図3では、脱窒率≦−30%:◎(脱窒が最も良好)、−30%<脱窒率≦−10%:○(脱窒が良好)、−10%<脱窒率≦10%:△(脱窒がやや不良)、10%<脱窒率:×(脱窒が不良)とした。
図3から明らかなように、通気路上端の管内湯面からの距離、及び通気路下端の鍋内湯面からの距離を、所定の範囲に規定することにより、溶鋼の吸窒抑制効果に顕著な差があることが分かった。
このことから、通気路16の設置位置を、脱窒を良好に実施できる位置、即ち浸漬管12の高さ方向に、少なくとも鍋内湯面より40cm高い位置から、管内湯面から60cm低い位置まで連続して設ける。また、脱窒を更に良好に実施するため、通気路を、浸漬管の高さ方向に、鍋内湯面の位置以上で、管内湯面から20cm低い位置まで連続して設けることが好ましい。
次に、浸漬管の周方向に設ける隣り合う通気路の間隔について、図4を参照しながら説明する。
図2(B)に示すように、従来の浸漬管の内側耐火物19内の吸引ガスの流れは、芯金20に接続された吸引配管21の吸引口から離れるほど、内側耐火物19の通気抵抗によりガス吸引の効果が妨げられている。このため、図2(A)に示すように、内側耐火物15背面であって、浸漬管12の周方向に間隔をあけて高さ方向に伸びる複数の通気路16を設置することで、内側耐火物15内の空気を、内側耐火物15内全体から均一かつ短時間で効率的に排気する必要がある。なお、排気促進のための通気路16は、内側耐火物15の通気抵抗を考慮すると、内側耐火物15の厚みに応じてその形成ピッチ(形成間隔)を決める必要がある。
そこで、内側耐火物15の厚みに対する浸漬管12周方向の通気路16の形成ピッチを周方向間隔指標とし、脱窒率を評価した。
(周方向間隔指標)=(通気路の形成ピッチ)/(耐火物の厚み)
なお、脱窒率は、前記した脱窒率と同様に求められるものであるため、脱窒率が負の値で、しかもその絶対値が大きくなれば、溶鋼14中の窒素量がそれだけ少ないことになる。
また、通気路は、その上端位置を管内湯面から−20cm(20cm低い位置)とし、下端位置を鍋内湯面と同じとしている。
図4から明らかなように、周方向間隔指標が1.2以下の場合に、脱窒率の向上がみられた。
このことから、通気路16を、浸漬管12の周方向に、内側耐火物15の厚みの1.2倍以下(好ましくは、1.0倍以下)の間隔で複数個設ける。
なお、図4に示すように、周方向間隔指標が小さくなるに伴って、即ち通気路の形成ピッチが小さくなるに伴って、脱窒率の向上がみられるが、通気路の形成ピッチが小さくなり過ぎると、耐火物の強度が不足して内側耐火物が破壊する可能性がある。このため、周方向間隔指標の最小値は、耐火物強度と施行法にもよるが、内側耐火物15の厚みの1/4以上、好ましくは1/3以上を確保するのが望ましい。
図2(A)に示すように、この複数本の通気路16のうち、隣り合う複数本(ここでは3本)の通気路16は、浸漬管12の周方向に形成される連通路22で連通されている。この中心に位置する通気路16の背面側には、吸引配管18の吸引口17が設けられているので、各通気路16へ吸引した空気を、吸引配管18を介して浸漬管12の外部へ排気できる。なお、隣り合う通気路を接続する連通路は、通気路と同様に内側耐火物内の空気を吸引する機能も有している。
この連通路は、通気路の長さに応じて、浸漬管の高さ方向に1本又は複数本設けることが可能であり、通気路と同様の方法で形成できる。
また、吸引配管は、1本の通気路にそれぞれ設けることも、また2本の通気路又は4本以上の通気路を連通路で接続して設けることも可能である。
次に、本発明の一実施の形態に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法について説明する。
まず、図1(A)、(B)に示すように、浸漬管12の下端部を鍋13内の溶鋼14に浸漬させ、この浸漬管12の内部を減圧すると共に、溶鋼14を撹拌しながら、真空脱炭精錬を行い、更に内側耐火物15からの空気の排気を行う。
ここで、脱炭中の内側耐火物15内の空気の吸引排気を行うタイミングについて、脱炭の初期、中期、及び末期における溶鋼の各脱窒率を表1に示す。
Figure 0004612447
なお、表1に示す各脱炭比率は、以下の式で定義されるものである。
(脱炭比率C)=([C]i−[C])/([C]i−[C]e)×100(%)
[C]i:脱ガス処理前C濃度(ppm)
[C]e:脱ガス処理後C濃度(ppm)
[C]:処理中におけるC濃度(ppm)
表1から明らかなように、溶鋼中の炭素濃度が高く、しかも脱炭が盛んな初期には、発生するCOガスの気泡による脱窒素速度が窒素の溶鋼中への溶解速度よりも勝るため、溶鋼の窒素ピックアップ速度は低位である。しかし、脱炭速度が低下する中期以降は、脱窒素速度の低下と浸漬管12の内圧低下による空気のリーク量の増加により、溶鋼の窒素ピックアップが増加する。
従って、この時期、即ち脱炭比率≧75%の真空脱炭精錬の末期に、通気路16内の減圧を行うことが、脱窒に顕著な効果がある。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、浸漬管の芯金内側に配設される内側耐火物と芯金との間に通気路を設けた場合について説明したが、内側耐火物の内部に通気路を設けることも可能である。この場合、通気路は、芯金内側に予め配置された型枠内に可燃材を配置した後、不定形耐火物を流し込んで構成することも、また定形耐火物を予め穿孔して構成することも可能である。
(A)は本発明の一実施の形態に係る真空脱炭精錬の大気リーク防止方法の説明図、(B)は同真空脱炭精錬の大気リーク防止方法に使用する浸漬管下端部の部分側断面図である。 (A)は同浸漬管の部分平断面図、(B)は従来例に係る浸漬管の部分平断面図である。 浸漬管に形成した通気路の高さ方向形成位置と脱窒率との関係を示す説明図である。 浸漬管に形成した通気路の周方向の形成間隔指標と脱窒率との関係を示す説明図である。
符号の説明
10:芯金、11:耐火物、12:浸漬管、13:鍋、14:溶鋼、15:内側耐火物、16:通気路、17:吸引口、18:吸引配管、19:内側耐火物、20:芯金、21:吸引配管、22:連通路

Claims (3)

  1. 芯金の周囲に耐火物が配設された浸漬管の下端部を鍋内の溶鋼に浸漬させ、該浸漬管の内部を減圧して溶鋼の真空脱炭精錬を行う際に、前記浸漬管の外部から内部へ流入する空気が溶鋼内へ混入することを抑制する大気リーク防止方法において、
    前記浸漬管の前記芯金内側に配設される前記耐火物と前記芯金との間、又は前記芯金内側に配設される前記耐火物の内部で、かつ前記浸漬管外の溶鋼湯面と該浸漬管内の溶鋼湯面の範囲に通気路を設けて、該通気路内を減圧することを特徴とする真空脱炭精錬の大気リーク防止方法。
  2. 請求項1記載の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法において、前記通気路は、前記浸漬管の高さ方向に、少なくとも前記浸漬管外の溶鋼湯面より40cm高い位置から、該浸漬管内の溶鋼湯面から60cm低い位置まで連続して設けられ、しかも前記浸漬管の周方向に、前記芯金内側に配設される前記耐火物の厚みの1.2倍以下の間隔で複数個設けられていることを特徴とする真空脱炭精錬の大気リーク防止方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の真空脱炭精錬の大気リーク防止方法において、前記通気路内の減圧は、前記真空脱炭精錬の末期に行うことを特徴とする真空脱炭精錬の大気リーク防止方法。
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