〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる表示装置の駆動回路である、データ信号線ドライバ31の構成を示すブロック図である。データ信号線ドライバ31は、図2に示すように、液晶表示装置(表示装置)1のデータ信号線SL1・SL2・・・・を駆動するデータ信号線ドライバである。
(液晶表示装置1)
液晶表示装置1は画素の点順次かつ交流駆動を行うアクティブマトリクス型の液晶表示装置であり、マトリクス状に配された画素PIXを有する表示部2と、各画素PIXを駆動するデータ信号線ドライバ31および走査信号線ドライバ4と、制御回路5と、データ信号線SL1・SL2・…および走査信号線GL1・GL2・…とを備えている。そして、制御回路5が各画素PIXの表示状態を示すビデオ信号VIDEOを生成し、このビデオ信号VIDEOに基づいて画像が表示されるようになっている。
各画素PIXは、相互に交差するm本の走査信号線GL1〜GLmおよびn本のデータ信号線SL1〜SLnによって区画されて成るマトリクス状の各領域にそれぞれ配置される。そして、データ信号線ドライバ31および走査信号線ドライバ4が、制御回路5から入力されるVIDEO信号を、データ信号線SL1〜SLnおよび走査信号線GL1〜GLmを介して各画素PIXに順次書き込んでいくことで画像表示を行う。
図3は、j番目の走査信号線GLjおよびi番目のデータ信号線SLjによって区画される領域に配置する画素PIXの構成を示している。なお、各画素PIXの構成は同様である。
この図に示すように、画素PIXは、スイッチング用トランジスタ(電界効果トランジスタ)SWと、画素容量Cpとからなる。画素容量Cpは、液晶容量Clcと、必要に応じて付加される補助容量Csとから構成されている。
スイッチング用トランジスタSWは、ゲートが走査信号線GLに接続され、ソースがデータ信号線SLに接続され、ドレインが画素容量Cp(液晶容量Clcおよび補助容量Cs)に接続されている。なお、画素容量Cpの他方の電極は、全画素PIXに共通の共通電極線に接続されている。
したがって、走査信号線GLが選択されると、スイッチング用トランジスタSWが導通し、データ信号線SLに印加された電圧が画素容量Cpに印加される。一方、走査信号線GLの選択期間が終了して、スイッチング用トランジスタSWが遮断されている間、画素容量Cpは該遮断時の電圧を保持し続ける。ここで、液晶の透過率または反射率は、液晶容量Clcに印加される電圧によって変化する。したがって、走査信号線GLを選択し、データ信号線SLへビデオ信号VIDEOに応じた電圧を印加することで、画素PIXの表示状態を、ビデオ信号VIDEOに合わせて変化させることができる。
制御回路5は、クロック信号(正転クロック信号)SCKおよびその反転信号(反転クロック信号)SCKB、スタートパルスSSPおよびその反転信号SSPB、およびビデオ信号VIDEOを生成してデータ信号線ドライバ31へ向けて出力する。また、制御回路5は、データ信号線ドライバ31へ予備充電電位PVIDを供給する。さらに制御回路5は、クロック信号GCK、スタートパルスGSP、および信号GPSを生成して走査信号線ドライバ4へ向けて出力する。
データ信号線ドライバ31は、シフトレジスタ31aとサンプリング部31bと重なり防止部31cとレベルシフタLSとを備えている。
ここで、データ信号線ドライバ31には、各画素PIXへの映像信号であるビデオ信号VIDEOが時分割で伝送されている。そして、データ信号線ドライバ31は、タイミング信号となるクロック信号SCK・SCKBと、スタートパルスSSPBをレベルシフタLSによって所定の電圧に変換した信号SSPB’とに基づいたタイミングで、ビデオ信号VIDEOから、各画素PIXへの映像データを抽出する。具体的には、シフトレジスタ31aが、クロック信号SCKのオンタイミングに同期してスタートパルスSSPB’を順次シフトすることによって、クロック信号SCKの半周期ずつタイミングが異なる出力信号S1〜Snを生成し、サンプリング部31bが、その各出力信号S1〜Snが示すタイミングでVIDEO信号をサンプリングして、各データ信号線SL1〜SLnへ出力する。
走査信号線ドライバ4は、シフトレジスタ4aを備えている。このシフトレジスタ4aには、クロック信GCK、スタートパルスGSP、信号GPSが入力される。そして、シフトレジスタ4aが、クロック信号GCKに同期してスタートパルスGSPを順次シフトすることによって、所定の間隔ずつタイミングが異なる走査信号を各走査信号線GL1〜GLmへ線順次に出力する。これにより、各画素PIXに、ビデオ信号VIDEOが順次書き込まれ、画像表示が行われる。
なお、表示部2と、データ信号線ドライバ31およびゲートドライバ4を含む周辺回路とは、製造時の手間と配線容量と配線抵抗とを削減するために、同一基板上にモノシリックに形成されている。また、より多くの画素PIXを集積し、表示面積を拡大するために、表示部2、データ信号線ドライバ31、および走査信号線ドライバ4は、ガラス基板上に形成された多結晶シリコン薄膜トランジスタから構成されている。さらに、通常のガラス基板(歪み点が600度以下のガラス基板)を用いても、歪み点以上のプロセスに起因するソリやタワミが発生しないように、上記多結晶薄膜シリコントランジスタは、600度以下のプロセス温度で製造される。
(データ信号線ドライバ31)
図1に示したように、データ信号線ドライバ31は、シフトレジスタ31aとサンプリング部31bと重なり防止部31cとレベルシフタLSとを備えている。
(シフトレジスタ31a)
シフトレジスタ31aは、複数段のセット・リセット型のフリップフロップ(パルス生成手段)SR(SR1・SR2・…・SRn+2)からなる。また、各フリップフロップSRは、クロック信号が入力されるCK端子・CKB端子と、セット信号が入力されるCINB端子と、リセット信号が入力されるRB端子と、プリチャージ用の信号(予備充電用パルス)PO(PO1・PO2・…・POn)を出力するPO端子と、サンプリング用の信号(タイミングパルス)QB(QB1・QB2・…・QBn)を出力するQB端子とを備えている。
奇数段目のフリップフロップSR1・SR3・…では、CK端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力され、CKB端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力される。また、偶数段目のフリップフロップSR2・SR4・…では、CK端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力され、CKB端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力される。
また、1段目のフリップフロップSR1のCINB端子には、セット信号として、レベルシフタLSの出力信号SSPB’が入力される。2段目以降のフリップフロップSR2・SR3・…・SRn+2のCINB端子には、各フリップフロップの前段のフリップフロップから出力されたサンプリング用の信号(タイミングパルス)QB1・QB2・…・QBn+1が入力される。
また、1段目からn段目までのフリップフロップSR1・SR2・…・SRnにおけるRB端子には、各フリップフロップの2段後ろのフリップフロップからの出力信号QB3・QB4・…・QBn+2がリセット信号として入力される。また、n+1段目のフリップフロップSRn+1におけるRB端子にはn+2段目のフリップフロップSRn+2の出力信号QBn+2が入力され、n+2番目のフリップフロップSRn+2におけるRB端子には、自身の出力信号QBn+2が入力される。
また、1段目からn段目までのフリップフロップSR1・SR2・…・SRnにおけるPO端子は、重なり防止部31cにおける各段に対応する遅延回路Pd(Pd1・Pd2・…・Pdn)に接続されており、このPO端子からプリチャージ用の信号(予備充電用パルス)POが出力される。
(フリップフロップSR)
図4は、各フリップフロップSRの構成を示すブロック図である。この図に示すように、各フリップフロップSRは、レベルシフタ制御回路CN、レベルシフタLS1、セット・リセット型のフリップフロップSR−FF、インバータI1、インバータI2を備えている。
(レベルシフタ制御回路CN)
図5は、レベルシフタ制御回路(制御回路)CNの構成を示すブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路CNは、2つの入力端子IN1・IN2と出力端子CNOUTとを備えたノア(NOR)回路NR1からなる。入力端子IN1には、フリップフロップSR−FFの出力信号Qが入力される。入力端子IN2には、各フリップフロップSRにおけるCINB端子への入力信号が入力される。そして、出力端子CNOUTから、レベルシフタLS1におけるENA端子および各フリップフロップSRにおけるPO端子に、出力信号CNOが出力される。
(レベルシフタLS1)
図6は、レベルシフタLS1の一構成例を示すブロック図である。このレベルシフタLS1は、大略的に、クロック信号SCK,SCKBをレベルシフトする昇圧・降圧部21と、前記クロック信号SCK,SCKBの供給が不要な停止期間に、前記昇圧・降圧部21への電力供給を遮断する電力供給制御部22と、停止期間中、前記昇圧・降圧部21とクロック信号SCK,SCKBが伝送される信号線とを遮断する入力制御部23,24と、前記停止期間中、前記昇圧・降圧部21の入力スイッチング素子(P11,P12)を遮断する入力信号制御部25,26と、停止期間中、昇圧・降圧部21の出力を所定の値に維持する出力安定部27とを備えて構成されている。
前記昇圧・降圧部21は、入力段の差動入力対であり、前記入力スイッチング素子となるソースが互いに接続されたP型のMOSトランジスタP11,P12と、両トランジスタP11,P12のソースへ所定の電流を供給する定電流源Icと、カレントミラー回路を構成し、前記トランジスタP11,P12のドレインにそれぞれ接続されて能動負荷となるN型のMOSトランジスタN13,N14と、差動入力対の出力を増幅するCMOS構造のトランジスタP15,N16とを備えて構成される。この図6の構成は、トランジスタP12側の入力CKを出力LSOUTから正転出力する奇数番目のフリップフロップSR1・SR3・…に備えられるレベルシフタLS1の例を示しているけれども、偶数番目のフリップフロップSR2・SR4・…に備えられるレベルシフタLS1の場合は、クロック信号SCK,SCKBの入力が相互に振り替えて構成される。
前記トランジスタP11のゲートには、前記入力制御部24を構成するN型のMOSトランジスタN31を介してクロック信号SCKBが入力され、トランジスタP12のゲートには、前記入力制御部23を構成するN型のMOSトランジスタN33を介してクロック信号SCKが入力される。また、前記トランジスタP11のゲートは、前記入力信号制御部26を構成するP型のMOSトランジスタP32を介してハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインにプルアップされるようになっており、同様に前記トランジスタP12のゲートは、前記入力信号制御部25を構成するP型のMOSトランジスタP34を介してハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインにプルアップされるようになっている。そして前記トランジスタN31,N33,P32,P34のゲートには、共通にENA端子に入力されたレベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNO(イネーブル信号ENA)が与えられる。
したがって、レベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOがアクティブのハイレベルとなると、前記トランジスタN31,N33を介してトランジスタP11,P12へのクロック信号SCKB,SCKの入力が許容されるとともに、トランジスタP32,P34は遮断している。これに対して、レベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOが非アクティブのローレベルとなると、前記トランジスタN31,N33は遮断し、クロック信号SCKB,SCKの入力が阻止されるとともに、トランジスタP32,P34が導通し、トランジスタP11,P12のゲートがハイレベルVddにプルアップされて、入力段の該トランジスタP11,P12は、確実にオフする。
一方、前記トランジスタN13,N14のゲートは、互いに接続されるとともに、トランジスタP11,N13のドレインに接続されている。これに対して、互いに接続されたトランジスタP12,N14のドレインは出力端となり、前記トランジスタP15,N16のゲートに接続される。トランジスタN13,N14のソースは、前記電力供給制御部22を構成するN型のMOSトランジスタN21を介して、ローレベルVssdの駆動電圧の電源ラインに接続されている。前記MOSトランジスタN21のゲートには、レベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOが与えられる。
したがって、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOがアクティブのハイレベルとなると、前記トランジスタN21を介して前記昇圧・降圧部21へ電源供給が行われ、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOが非アクティブのローレベルとなると、前記昇圧・降圧部21への電源供給は停止される。
また、前記出力安定部27は、停止期間における該レベルシフタLS1の出力信号LSOUTをローレベルVssdの駆動電圧レベルに安定させる回路であり、ゲートにレベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOが与えられ、前記トランジスタP15,N16のゲートを前記ハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインにプルアップ接続するP型のMOSトランジスタP41から構成されている。
上述のように構成されるレベルシフタLS1では、レベルシフタ制御回路CNの出力信号が動作を示している場合(ハイレベル)、トランジスタN21,N31,N33が導通し、トランジスタP32,P34,P41が遮断する。この状態では、定電流源Icからの電流は、トランジスタP11,N13、あるいはトランジスタP12,N14を介した後、さらにトランジスタN21を介して流れる。また、両トランジスタP12,P11のゲートには、クロック信号SCK,SCKBが印加される。この結果、両トランジスタP11,P12のゲートには、それぞれのゲート−ソース間電圧の比率に応じた量の電流が流れる。一方、トランジスタN13,N14は、能動負荷として働くので、トランジスタP12,N14の接続点の電圧は、前記クロック信号SCK,SCKBの電圧レベル差に応じた電圧となる。当該電圧は、トランジスタP15,N16で電力増幅された後、出力信号OUTとして出力される。
前記昇圧・降圧部21は、クロック信号SCK,SCKBによって入力段のトランジスタP12,P11の導通/遮断を切り替える構成、すなわち電圧駆動型とは異なり、動作中、入力段のトランジスタP12,P11が常時導通する電流駆動型であり、上述のように両トランジスタP12,P11のゲート−ソース間電圧の比率に応じて定電流源Icからの電流を分流することによって、前記クロック信号SCK,SCKBの振幅が入力段のトランジスタP12,P11の閾値よりも低い場合であっても、何ら支障なく、クロック信号SCK,SCKBをレベルシフトできる。
この結果、レベルシフタLS1は、ENA端子にレベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOでアクティブのハイレベルが印加されると、クロック信号SCK,SCKBの振幅が駆動電圧のハイ側とロー側との差(Vcc=Vdd−Vssd、たとえば15V程度)より低い場合(たとえば、前記映像信号の生成回路からの5V程度)でも、振幅が前記差Vccにまで昇圧・降圧された出力信号LSOUTを出力する。
これとは逆に、レベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOが動作停止を示す非アクティブのローレベルの場合、定電流源Icから、トランジスタP11,N13、あるいはトランジスタP12,N14を介して流れようとする電流は、トランジスタN21によって遮断される。したがって、当該電流に起因する消費電力を削減できる。
また、この状態では、各入力制御部23,24のトランジスタN33,N31が遮断する。したがって、クロック信号SCK,SCKBを伝送する信号線と、入力段の各トランジスタP12,P11のゲートとが切り離される。また、停止中は、各入力信号制御部25,26のトランジスタP34,P32が導通するので、前記両トランジスタP11,P12のゲート電圧はいずれもハイレベルの駆動電圧Vddにプルアップされ、両トランジスタP11,P12は遮断する。これによって、トランジスタN21を遮断する場合と同様に、定電流源Icが出力する電流分だけ、消費電力を低減できる。
しかしながら、この状態では、両トランジスタP11,P12へ電流が供給されないので、両トランジスタP11,P12は差動入力対として動作することができず、出力端、すなわちトランジスタP12,N14のドレイン同士の接続点の電位が決定できなくなる。そこで、前記イネーブル信号ENAが動作停止を示している場合には、さらに出力安定部27のトランジスタP41が導通する。この結果、前記出力端、すなわちトランジスタP15,N16のゲート電位は、ハイレベルの駆動電圧Vddにプルアップされ、トランジスタN16が導通し、出力信号LSOUTはローレベルとなる。
こうして、レベルシフタ制御回路CNからの出力信号CNOが動作停止を示している期間、レベルシフタLS1の出力信号LSOUTは、クロック信号SCK,SCKBに拘わらず、ローレベルに保たれる。
(フリップフロップSR−FF)
図7は、フリップフロップSR−FFの一構成例を示すブロック図である。この図に示すように、フリップフロップSR−FFは、ハイレベルの駆動電圧Vddの電源ラインとローレベルの駆動電圧Vssdの電源ラインとの間に、P型のMOSトランジスタP1およびN型のMOSトランジスタN2,N3が互いに直列に接続されている。
そして、トランジスタP1,N3のゲートは、そのフリップフロップSR−FFにおけるセット入力端子であるSB端子に接続されており、レベルシフタLS1の出力信号LSOがインバータI1によって反転された、ローアクティブの信号SBが与えられる。
また、トランジスタN2のゲートは、そのフリップフロップSR−FFにおけるリセット入力端子であるR端子に接続されており、各フリップフロップSRにおけるRB端子に入力された2段後ろのフリップフロップSRの出力信号QBがインバータI2によって反転された、ハイアクティブの信号Rが与えられる。さらに、互いに接続された前記トランジスタP1,N2のドレイン電位は、インバータINV1で反転されて前記反転出力信号QBとなり、もう1段のインバータINV2で正転されて正転出力信号Qとなる。
一方、電源ライン間にはまた、P型のMOSトランジスタP4,P5およびN型のMOSトランジスタN6,N7が互いに直列に接続されている。トランジスタP5,N6のドレインは前記インバータINV1の入力に接続されており、両トランジスタP5,N6のゲートにはそのインバータINV1による反転出力信号QBが帰還されている。
さらに、前記トランジスタP4のゲートは、そのフリップフロップSR−FFにおけるリセット入力端子であるR端子に接続されており、信号Rが与えられる。また、前記トランジスタN7のゲートは、そのフリップフロップSR−FFにおけるセット入力端子に接続されており、信号SBが与えられる。
したがって、フリップフロップSR−FFでは、図8に示すように、リセット信号Rが非アクティブ(ローレベル)である間に、セット信号SBがアクティブ(ローレベル)に変化すると、前記トランジスタP1が導通して、インバータINV1の入力をハイレベルに変化させる。これによって、正転出力信号Qはハイレベルに、反転出力信号QBはローレベルへと変化する。この状態では、リセット信号RおよびインバータINV1の反転出力信号QBによって、トランジスタP4,P5が導通し、インバータINV1の入力が前記ハイレベルに保持される。また、リセット信号RおよびインバータINV1の反転出力信号QBによって、トランジスタN2,N6が遮断し、セット信号SBが非アクティブ(ハイレベル)に変化しても、インバータINV1の入力はハイレベルに保持され、正転出力信号Qはハイレベルに、反転出力信号QBはローレベルのまま保持される。
その後、リセット信号Rがアクティブ(ハイレベル)になると、トランジスタP4が遮断し、トランジスタN2が導通する。ここで、セット信号SBが非アクティブ(ハイレベル)のままなので、トランジスタP1は遮断し、トランジスタN3が導通する。したがって、インバータINV1の入力がローレベルに駆動され、正転出力信号Qがローレベル、反転出力信号QBはハイレベルへと変化する。こうして、前記ローアクティブのセット信号SBでローアクティブの反転出力信号QBをセットし、ハイアクティブのリセット信号Rで前記反転出力信号QBをリセットするセット・リセット型のフリップフロップを実現することができる。
(フリップフロップSRの動作)
図9は、奇数段目のフリップフロップSR1・SR3・…のタイミングチャートである。なお、偶数段目のフリップフロップSR2・SR4・…については、図9における各信号が、クロック信号SCKに対して半周期分だけずれて動作する。すなわち、偶数段目のフリップフロップSR2・SR4・…は、図1に示したように、CK端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力され、CKB端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力されている。このため、奇数段目のフリップフロップとは、クロック信号の1クロック分(半周期分)だけずれた動作をする。
図9に示すように、レベルシフタ制御回路CNに入力される信号CINBがロー(Low)レベルのなった時、その瞬間における同じ段のフリップフロップSR内のフリップフロップSR−FFの出力Qは非アクティブのローレベルを出力している。このため、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOはハイ(High)レベルとなる。
この、ハイレベルの信号CNOはレベルシフタLS1のENA端子に入力される。そして、レベルシフタLS1はENA端子にハイレベルが入力されると、レベルシフタ動作が可能な状態となり、入力信号SCKをレベルシフトした信号が出力信号LSOとして出力される。
ここで、ENA端子に入力される信号(レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNO)がハイレベルになった時点では、クロック信号SCKはローレベルなので、レベルシフタLS1の出力信号LSOはローレベルのままとなる。そして、クロック信号SCKが約1クロック分後(クロック信号SCKの約半周期後)にハイレベルになると、レベルシフタLS1の出力信号LSOはハイレベルに切り変わる。
このハイレベルのレベルシフタLS1の出力信号LSOは、インバータI1を通ってローレベルになり、フリップフロップSR−FFの入力端子SBに入力される。
フリップフロップSR−FFの入力端子SBにローレベルが入力されると、SR−FFがセットされてアクティブとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号Qはハイレベルに、出力信号QBはローレベルになる。
ここで、フリップフロップSR−FFの出力信号Qはレベルシフタ制御回路CNに入力(フィードバック)されているので、出力信号Qがハイレベルになった瞬間に、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOがローレベルになる。
出力信号CNOのローレベルがレベルシフタLS1の端子ENAに入力されると、レベルシフタLS1は非動作状態となる。レベルシフタLS1が非動作状態になると、レベルシフタLS1の出力信号LSOはローレベルになる。出力信号LSOがローレベルになっても、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは、リセット端子Rにハイレベルが入力されるまで、アクティブレベル(出力信号Qはハイレベル、出力信号QBはローレベル)を出力し続ける。
なお、フリップフロップSR−FFのリセット端子Rには、そのフリップフロップSR−FFが備えられるフリップフロップSRの2段後ろのフリップフロップSRの出力信号QBが、インバータI2によって反転されて入力される。したがって、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは、図9に示すように、アクティブになった後、クロック信号SCKが2クロック分(クロック信号SCKの1周期)が入力されたときに、非アクティブにリセットされる。
また、レベルシフタ制御回路CNの入力端子IN2に入力される入力信号CINBは、前段のフリップフロップSRの出力信号QBなので、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBがアクティブになった後、クロック信号SCKが1クロック分(クロック信号SCKの半周期)が入力されたときに、ハイレベルとなる。
したがって、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBがアクティブレベルから非アクティブレベルに戻った時には、入力端子IN2に入力される入力信号CINBはすでにハイレベルとなっているので、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOはローレベルのままになる。これにより、レベルシフタLS1は非動作状態となるので、レベルシフタLS1の出力信号LSOはローレベルのままである。このため、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは非アクティブレベル(出力信号Qはローレベル、出力信号QBはハイレベル)に確実に保持される。
また、図9のタイミングチャートに示したレベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOは、先行プリチャージ用のパルス(プリチャージ信号)PO(PO1・PO2・…・POn)として、重なり防止部31cにおける自分の段の遅延回路Pd(Pd1・Pd2・…・Pdn)へと入力される。
上記したように、フリップフロップSRでは、出力信号Qがレベルシフタ制御回路CNにフィードバックされており、出力信号QBがアクティブ(ローレベル)になるより前に、レベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOがハイレベルになるようになっている。したがって、このレベルシフタ制御回路CNの出力信号CNOをプリチャージ用の信号POとして用いることにより、サンプリング用パルスとなるQBに先行してプリチャージを行うことができる。
図10は、各フリップフロップSR1・SR2・…・SRnの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
この図に示すように、1段目のフリップフロップSR1では、CINB端子に入力されるレベルシフタLSの出力信号SSPB’がハイレベルからローレベルになると、PO端子からの出力信号PO1がハイレベルになる。そして、クロック信号SCKがローレベルからハイレベルになると、QB端子からの出力信号QB1がハイレベルからローレベルに切り替わる。また、出力信号Q1は、上記したように、レベルシフタ制御回路CNにフィードバックされており、出力信号QB1がローレベル(出力信号Q1がハイレベル)になると、PO端子からの出力信号PO1はローレベルとなる。
また、フリップフロップSR1の出力信号QB1は、2段目のフリップフロップSR2のCINB端子に入力されているので、出力信号QB1がローレベルになると、2段目のフリップフロップSR2における端子POからの出力信号PO2はハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベル(クロック信号SCKBがハイレベル)になると、QB端子からの出力信号QB2がハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、PO端子からの出力信号PO2はローレベルとなる。
また、フリップフロップSR2の出力信号QB2は、3段目のフリップフロップSR3のCINB端子に入力されているので、出力信号QB2がローレベルになると、3段目のフリップフロップSR3におけるPO端子からの出力信号PO3はハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベルからハイレベルになると、QB端子からの出力信号QB3がハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、PO端子からの出力信号PO3はローレベルとなる。ここで、3段目のフリップフロップSR3の出力信号QB3は、1段目のフリップフロップSR1のRB端子に入力されているので、3段目のフリップフロップSR3の出力信号QB3がローレベルに切り替わると、1段目のフリップフロップSR1の出力信号QB1はハイレベルにリセットされる。
以降のフリップフロップSRについても、n段目のフリップフロップSRnの出力信号QBnが、ローレベルになった後、n+2段目のフリップフロップSRn+2の出力信号QBn+2がローレベルになることによってハイレベルにリセットされるまで、同様の動作が行われる。ここで、n+1段目およびn+2段目のフリップフロップは、n−1段目およびn−2段目のフリップフロップの出力信号QBn−1・QBnをリセットするタイミングを出力するためのダミー回路として機能する。
(重なり防止部31c)
図9および図10に示したように、各フリップフロップSRからのプリチャージ用の出力信号POのアクティブ期間(ハイレベル期間)と、サンプリング用の出力信号QBのアクティブ期間(ローレベル期間)とは、一部重なる期間がある。このため、各フリップフロップSRの出力信号POおよび出力信号QBをそのまま用いて、各ソースバスラインのプリチャージおよびサンプリングを行うと、ビデオ信号VIDEOの配線と予備充電電位PVIDを供給する配線がソースバスラインを介してショート(短絡)してしまう。
そこで、データ信号線ドライバ31には、各フリップフロップSRの出力信号POおよび出力信号QBが互いに重なることを防止するための、重なり防止部31cが設けられている。
重なり防止部31cは、遅延(ディレイ)回路Pd(Pd1・Pd2・…・Pdn)およびバッファ回路Pb(Pb1・Pb2・…・Pbn)(遅延手段)と、重なり除去回路(重なり除去手段)であるノア(NOR)回路NOR(NOR1・NOR2・…・NORn)とを備えている。
図11は、遅延回路Pdの構成を示すブロック図である。この図に示すように、遅延回路Pdは、入力信号inを、インバータ回路invを介して反転させた後2つに分岐し、一方の信号Bはそのままノア回路norに入力させ、他方の信号Aは、信号を遅延させるために複数の縦続接続されたインバータ回路を通した後ノア回路norに入力させる構成である。図12のタイミングチャートに示すように、遅延回路Pdの出力信号outは、入力信号inのパルスの立ち下がり(後端)はそのままに、パルスの立ち上がり(前端)だけを遅らせることができる。
遅延回路Pdは、シフトレジスタ31aにおける各フリップフロップSR1・SR2・…・SRnの端子POに接続された各予備充電用パルスPSMP(PSMP1・PSMP2・…・PSMPn)の出力ラインそれぞれに対して備えられている。なお、遅延回路Pd1・Pd2・…の出力は順に、出力信号DO1・DO2・…であり、それぞれ対応するバッファ回路Pb1・Pb2・…に入力される。
各バッファ回路Pbは、入力信号を電流増幅する回路であって、例えば、図13に示すように、複数(この図では4つ)のインバータ回路が縦続接続されたバッファである。バッファ回路Pb1・Pb2・…の出力は順に、出力信号(予備充電用パルス)PSMP1・PSMP2・…であり、それぞれサンプリング部31bに入力される。
また、バッファ回路Pbの出力信号PSMP(PSMP1・PSMP2・…・PSMPn)は、それぞれノア回路NOR1・NOR2・…・NORnにおける一方の入力端子にも入力される。そして、各ノア回路NOR1・NOR2・…・NORnにおける他方の入力端子には、シフトレジスタ31aにおける各フリップフロップSR1・SR2・…・SRnの出力信号QB1・QB2・…・QBnがそれぞれ入力される。
ノア回路NOR1・NOR2・…・NORnの出力は順に、出力信号NOUT1・NOUT2・…・NOUTnであり、それぞれ対応するバッファ回路Sb1・Sb2・…・Sbnに入力される。そして、バッファ回路Sb1・Sb2・…・Sbnの出力は順に、サンプリング用の信号(タイミングパルス)SMP1・SMP2・…・SMPnとしてサンプリング部31bに入力される。
図14は、重なり防止部31cのタイミングチャートである。この図に示すように、1段目のフリップフロップSR1における端子POからの出力信号PO1は、遅延回路Pd1及びバッファ回路Pb1によって遅延され、出力信号PSMP1として出力される。
この出力信号PSMP1はNOR回路NOR1の一方の入力端子に入力される。また、NOR回路NOR1の他方の入力端子には、1段目のフリップフロップSR1における端子QBからの出力信号QB1が入力される。したがって、バッファ回路Pb1の出力信号PSMP1とフリップフロップSR1における端子QBからの出力信号QB1とが共にローレベルとなった場合に、NOR回路NOR1の出力信号NOUT1がハイレベルとなり、それ以外の場合には出力信号NOUT1はローレベルとなる。
これにより、NOR回路NOR1からは、1段目のフリップフロップSR1からの出力信号QBにおける、バッファ回路Pb1の出力信号PSMP1との重なり部分(図11の斜線部参照)が除去されて反転された、出力信号NOUT1が出力される。
そして、このNOR回路NOR1の出力信号NOUT1は、バッファ回路Sb1に入力され、遅延されて出力信号SMP1としてサンプリング部31bに出力される。
これにより、図14に示すように、1段目のフリップフロップSR1の出力信号QB1におけるアクティブ期間(ローレベル期間)は、NOR回路NOR1によってプリチャージ(予備充電)用の信号PSMP1におけるアクティブ期間(ハイレベル期間)との重なり部分を除去されて非アクティブ期間(ローレベル期間)とされ、さらに反転されて信号NOUT1とされた後、さらに、バッファ回路Sb1によって遅延されて出力され、サンプリング用の信号SMP1とされる。したがって、プリチャージ用の信号PSMP1のアクティブ期間とサンプリング用の信号SMP1のアクティブ期間とは、重なることがない。
各フリップフロップSRについても同様に、プリチャージ用の信号PSMP(PSMP1・PSMP2・…)のアクティブ期間と、サンプリング用の信号SMP(SMP1・SMP2・…)のアクティブ期間との重なり部分が除去される。
このように、重なり除去回路(重なり防止部)31cは、各フリップフロップSRの出力信号QBのアクティブ期間から、予備充電用パルスPSMPのアクティブ期間との重なり部分を除去し、サンプリング部31bへと入力されるタイミングパルスSMPを生成する。これにより、予備充電用パルスPSMPの後端(立ち下がり)とタイミングパルスSMPの前端(立ち上がり)とが同期するようなフリップフロップの出力を利用したとしても、予備充電用パルスPSMPの後端とタイミングパルスSMPの前端とが重なることを確実に防止できる。したがって、ビデオ信号VIDEOと予備充電電位PVIDとがデータ信号線SL(SL1・SL2・…・SKn)上で衝突するといった事態の招来を確実に回避することができる。
ところで、i段目(iは1〜nの整数)のフリップフロップSRiの出力信号QBiは、アクティブ期間(ローレベル)になった後、i+2段目のフリップフロップSRi+2の出力信号QBi+2のローレベルが、フリップフロップSRiのRB端子に入力されたときにリセットされて非アクティブ期間(ハイレベル)となる。このため、図14に示すように、フリップフロップSRi+2の出力信号QBi+2の前端(立ち下がり)と、フリップフロップSRiの出力信号QBiの後端(立ち上がり)とは、ほぼ同時、またはわずかに重なる期間がある。
一方、異なるデータ信号線(ソースバスライン)についてのサンプリング用の信号(タイミングパルス)SMP同士が重なると、異なるデータ信号線について同じビデオ信号VIDEOを共有してしまうことになり、画面にノイズが乗るといった不具合が生じる。
これに対して、データ信号線ドライバ31では、各フリップフロップSRの出力信号QBのアクティブ期間は、NOR回路NORによって、プリチャージ用の信号PSMPのアクティブ期間との重なり期間を除去される。ここで、プリチャージ用の信号PSMPは、各フリップフロップSRの出力信号POが、遅延回路Pdおよびバッファ回路Pbによって遅延されたものであり、この遅延量(遅延時間)は、i段目のフリップフロップSRiの出力信号QBiのアクティブ期間と、i+2段目のフリップフロップSRi+2の出力信号QBi+2のアクティブ期間との重なり期間(重なり時間)よりも長い。
したがって、i番目のデータ信号線SLiに対するサンプリング用の信号SMPiと、そのi+2番目のデータ信号線SLi+2に対するサンプリング用の信号SMPi+2との重なり期間を確実に除去できる。例えば、図14に示したように、1番目のデータ信号線SL1に対するサンプリング用の信号SMP1と、その3番目のデータ信号線SL3に対するサンプリング用の信号SMP3とは、互いのアクティブ期間が重なることはない。これにより、サンプリング用の信号(タイミングパルス)SMP同士の重なりをも回避することができるので、画質の低下を確実に防止できる。
(サンプリング部31b)
図15は、サンプリング部31bの一構成例を示す回路図である。この図に示すように、サンプリング部(書き込み回路、予備充電回路)31bは、インバータIP(Ip1・Ip2・…・IPn)およびスイッチ(第2スイッチ)SWp(SWp1・SWp2・…・SWpn)によって構成される予備充電回路と、インバータIs(Is1・Is2・…・Isn)およびスイッチ(第2スイッチ)SWs(SWs1・SWs2・…・SWsn)によって構成される書き込み回路とを備えている。
スイッチSWsは、入力信号がゲート(第1制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタ(TFT)および入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ(TFT)からなるアナログスイッチである。
インバータIsは、入力されるサンプリング用信号SMPを反転し、対応するスイッチSWsにおけるPチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する。(インバータIsは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Sbの機能の一部を持つと考えてよい)なお、上記各スイッチSWsの入力信号である各サンプリング用信号SMPは、上記した重なり防止部31cにおける各バッファ回路Sbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWsは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWsにおけるチャネル経路の一端には、外部から供給されるアナログのビデオ信号(書き込み信号)VIDEOがそれぞれ共通に入力される。
スイッチSWpは、入力信号がゲート(第2制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタおよびその入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタからなるアナログスイッチである。
インバータIpは、入力されるプリチャージ用信号PSMPを反転し、PチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する。(インバータIpは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Pbの機能の一部を持つと考えてよい)。なお、上記各スイッチSWpの入力信号である各プリチャージ用信号PSMPは、上記した重なり防止部31cにおける各バッファ回路Pbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWpは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWpにおけるチャネル経路の一端には、外部から印加される予備充電電位PVIDが共通に入力される。
また、各スイッチSWsにおけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWpにおけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SL(SL1・SL2・…SLn)に接続されている。
これにより、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)になることで、スイッチSWpiは導通し(以下、スイッチが導通する或いは非導通になると表現する)、予備充電電位PVIDがデータ信号線SLiに印加され、データ信号線SLiと、選択されている画素の容量とが予備充電される。ここで、上記したように、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)の期間については、サンプリング用信号SMPiは、重なり防止部31cによって確実に非アクティブとなっている。したがって、スイッチSWsiは確実に非導通であり、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLi上で衝突することはない。
そして、サンプリング用信号SMPiがアクティブ(ハイレベル)になると、スイッチSWsiが導通する。これにより、データ信号線SLiにはビデオ信号VIDEOが供給され、データ信号線SLiおよび画素容量が所定の電圧に充電される。すなわち、ビデオ信号VIDEOのサンプリングが行われ、上記所定周期中の各データ信号線が順次サンプリングの期間となるサンプリング実効期間(書き込み実効期間)が開始される。このとき、プリチャージ用信号PSMPiは確実に非アクティブになっているため、スイッチSWpiは非導通となっており、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLi上で衝突することはない。
このようにして、データ信号線SLiの予備充電を行った後に当該データ信号線SLiにビデオ信号VIDEOを供給するという動作を順次繰り返し、点順次でサンプリングが行われていく。ここで、前後する各サンプリングの期間はクロック信号SCK・SCKBの半周期分ずつ重複している。この場合、各サンプリングの期間におけるタイミングパルスの立ち下がり(後端)時の画素容量及びデータ信号線の充電電位でサンプリング電位が決定される。
以上のように、データ信号線ドライバ31では、各フリップフロップSRiにおける自分の段の信号を用いて、その段に対応するデータ信号線および画素容量の予備充電を行う。このため、従来例とは異なり、シフトレジスタの最初の段にダミー段を必要としない。したがって、データ信号線ドライバ31のサイズおよびその周りを引き回す配線領域のサイズを小型化し、パネル外形サイズを縮小するとともに、パネル外形サイズに対する表示領域のサイズの比率を大きくことができる。
また、データ信号線ドライバ31では、遅延回路Pdからの出力信号DO1・DO2・…は、予備充電用パルスを電流増幅するためのバッファ回路Pbにて遅延を受けるので、最終的な予備充電用パルスであるバッファ回路Pbより出力された出力信号PSMPのアクティブ期間の後端は、フリップフロップSRからの出力信号QBのアクティブ期間の前端と重なりあっている。このため、NOR回路NOR1・NOR2・…において、タイミングパルスSMPにおけるアクティブ期間の前端のうち、予備充電用パルスのアクティブ期間との重なり部分を確実に除去することができる。
また、遅延回路Pdは、信号の後端の遅延を極力少ないように設計されてはいるが、信号は回路を通過する限り必ず遅延を生じる。このため、バッファ回路Pbで生じる信号の遅延に加えて、遅延回路Pdで生じる信号の後端の遅延も、予備充電用パルスとタイミングパルスとの重なり、および、タイミングパルス同士の重なり除去に貢献していると言える。
なお、NOR回路NORに入力される予備充電用パルスPSMPのフリップフロップSRからの出力信号POに対する遅延量が、タイミングパルスSMPの前端を除去することでタイミングパルスSMP同士の重なりを防止できるほどに十分でない場合には、遅延回路Pdの前やバッファ回路Pbの前に遅延用のインバータ回路を追加したり、バッファ回路Pbからの出力信号PSMPがNOR回路NORへと入力される出力ラインに遅延用のインバータ回路を追加したりしてもよい。
また、予備充電用パルスPSMPやタイミングパルスSMPの前端と、他のデータ信号線に対するタイミングパルスSMPの後端とが重なると、表示に対する影響が大きい。これはつまり、これらのパルスの前端は、スイッチSWpあるいはSWsの導通を意味し、これらスイッチSWp・SWsの導通時は、データ信号線SLがまだ十分には充電されていないことから、スイッチSWp・SWsの導通の瞬間、データ信号線SLとの間で容量を持つところや接続しているところに大きな電位変動を引き起こすためである。したがって、上記遅延回路Pdは、予備充電用パルスPSMP同士の重なりを防ぐといった機能に加えて、予備充電用パルスPSMPの前端とタイミングパルスSMPの後端との重なりを防ぐといった機能も有している。
さらに、データ信号線ドライバ31では、予備充電用パルスPSMPは、各フリップフロップSR1・SR2・…の出力信号PO1・PO2・…におけるアクティブ期間のそれぞれの前端を遅らせたものなので、予備充電用パルスPSMP同士が重なり合うことがない。これにより、同時に充電することを想定していないデータ信号線SLまでもが予備充電電位PVIDに接続されてしまい、予備充電電源が駆動能力不足となるような事態の招来を確実に回避することができる。したがって、上記した構成であれば、データ信号線SLを1本ずつ確実に予備充電していくことができる。
また、先に述べたサンプリング実効期間は、1本目のデータ信号線SL1サンプリングが開始された後、最終のデータ信号線SLnにおけるサンプリングが終了するまでの期間である。そして、この期間中にサンプリング中でないデータ信号線に行う予備充電は、各フリップフロップSRの前段のフリップフロップSRからの出力信号QB(またはスタートパルスSSPの反転増幅信号SSPB’)と自身の出力信号Qとによって生成される各フリップフロップSRの出力信号POが、遅延回路Pdおよびバッファ回路Pbを介してサンプリング部31bに出力され、サンプリング部31bにおけるスイッチSWpの制御端子が充電されてスイッチSWpが導通することにより行われる。
すなわち、各フリップフロップSRiでは、前段のフリップフロップSRi−1の出力信号QBがアクティブ期間(またはスタートパルスSSPがアクティブレベルの期間)であり、自身の出力信号Qiが非アクティブ期間の場合に、プリチャージのための出力信号POのアクティブレベルを出力する。そして、このアクティブレベルの信号POが遅延回路Pdおよびバッファ回路Pbを介してサンプリング部31bに出力されることで、データ信号線SLiを線順次で予備充電することができる。
また、このときに、サンプリングのタイミングパルスSMPが供給される系統と、予備充電を行わせる信号PSMPが供給される系統とは分離されるので、スイッチSWsの制御信号回路とSWpの制御信号回路とが共用されることはない。これにより、予備充電に伴ってデータ信号線SLに流れる大きな電流が、スイッチSWpの容量性の制御端子を介して、そのときに書き込みを行っているデータ信号線SLのビデオ信号VIDEOの電位を揺動させてしまうことを回避することができる。
(変形例)
(サンプリング部31bの変形例)
なお、本実施形態では、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMP(1組の予備充電パルスの出力ラインおよびタイミングパルスの出力ライン)に対して、データ信号線(信号供給線)が1本備えられた構成の液晶表示装置について説明したが、これに限るものではない。
例えば、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMPに対して、R,G,Bの3色にそれぞれ対応するデータ信号線を備える構成としてもよい。この場合、サンプリング部31bを、例えば図16に示すサンプリング部31b’に置き換えればよい。
図16に示すサンプリング部(書き込み回路、予備充電回路)31b’は、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMPを、R(赤),G(緑),B(青)にそれぞれ対応する3本のデータ信号線の充電に用いる(例えば3つの画素の表示に用いる)、相展開なしの場合の構成例を示している。
サンプリング部(書き込み回路、予備充電回路)31b’は、インバータIp(Ip1・Ip2・・…IPn)、スイッチSWpr(SWpr1・SWpr2・…・SWprn)、スイッチSWpg(SWpg1・SWpg2・…・SWpgn)、スイッチSWpb(SWpb1・SWpb2・…・SWpbn)によって構成される予備充電回路と、インバータIs(Is1・Is2・…・Isn)、スイッチSWsr(SWsr1・SWsr2・…・SWsrn)、スイッチSWsg(SWsg1・SWsg2・…・SWsgn)、スイッチSWsb(SWsb1・SWsb2・…・SWsbn)によって構成される書き込み回路とを備えている。
スイッチSWsr、スイッチSWsg、スイッチSWsbは、入力信号がゲート(第1制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタ(TFT)および入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ(TFT)からなるアナログスイッチである。
インバータIsは、入力されるサンプリング用信号SMPを反転し、対応する各スイッチSWsr,SWsg,SWsbにおけるPチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する(インバータIsは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Sbの機能の一部を持つと考えてよい。)。なお、上記各スイッチSWsr,SWsg,SWsbの入力信号であるサンプリング用信号SMPは、上記した重なり防止部31cにおけるバッファ回路Sbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWsr,SWsg,SWsbは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWsr,SWsg,SWsbにおけるチャネル経路の一端には、外部から供給されるアナログのビデオ信号(書き込み信号)VIDEO(VIDEO(R),VIDEO(G),VIDEO(B))がそれぞれ入力される。すなわち、スイッチSWsr1・SWsr2・…SWsrnにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(R)が共通に入力され、スイッチSWsg1・SWsg2・…SWsgnにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(G)が共通に入力され、スイッチSWsb1・SWsb2・…SWsbnにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(B)が共通に入力される。
スイッチSWpr、スイッチSWpg、スイッチSWpbは、入力信号がゲート(第2制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタおよびその入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタからなるアナログスイッチである。
インバータIpは、入力されるプリチャージ用信号PSMPを反転し、PチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する(インバータIpは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Pbの機能の一部を持つと考えてよい。)。なお、上記各スイッチSWpr,SWpg,SWpbの入力信号であるプリチャージ用信号PSMPは、上記した重なり防止部31cにおけるバッファ回路Pbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWpr,SWpg,SWpbは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWpr,SWpg,SWpbにおけるチャネル経路の一端には、外部から印加される予備充電電位PVIDが共通に入力される。
また、各スイッチSWpr(SWpr1・SWpr2・…SWprn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsr(SWsr1・SWsr2・…SWsrn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLr(SLr1・SLr2・…SLrn)にそれぞれ接続されている。同様に、各スイッチSWpg(SWpg1・SWpg2・…SWpgn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsg(SWsg1・SWsg2・…SWsgn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLg(SLg1・SLg2・…SLgn)にそれぞれ接続されている。また、各スイッチSWpb(SWpb1・SWpb2・…SWpbn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsb(SWsb1・SWsb2・…SWsbn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLb(SLb1・SLb2・…SLbn)にそれぞれ接続されている。
これにより、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)になることで、スイッチSWpri,SWpgi,SWpbiは導通し、予備充電電位PVIDがデータ信号線SLri,SLgi,SLbiに印加され、データ信号線SLri,SLgi,SLbiと、選択されている画素の容量とが予備充電される。ここで、上記したように、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)の期間については、サンプリング用信号SMPiは、重なり防止部31cによって確実に非アクティブとなっている。したがって、スイッチSWsri,SWsgi,SWsbiは確実に非導通であり、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLri,SLgi,SLbi上で衝突することはない。
そして、サンプリング用信号SMPiがアクティブ(ハイレベル)になると、スイッチSWsri,SWsgi,SWsbiが導通する。これにより、データ信号線SLri,SLgi,SLbi上にはビデオ信号VIDEO(VIDEO(R),VIDEO(G),VIDEO(B))が供給され、データ信号線SLri,SLgi、SLbiおよび各画素容量が所定の電圧に充電される。すなわち、ビデオ信号VIDEOのサンプリングが行われ、上記所定周期中の各データ信号線が順次サンプリングの期間となるサンプリング実効期間(書き込み実効期間)が開始される。このとき、プリチャージ用信号PSMPiは確実に非アクティブになっているため、スイッチSWpiは非導通となっており、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLri,SLgi、SLbi上で衝突することはない。
このようにして、データ信号線SLri,SLgi、SLbiの予備充電を行った後に当該各データ信号線にビデオ信号VIDEOを供給するという動作を順次繰り返し、点順次でサンプリングが行われていく。
このように、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMPに対して、R,G,Bの3色にそれぞれ対応するデータ信号線を備える構成では、R,G,Bに対応するそれぞれのビデオ信号配線が、シフトレジスタ31aのまわりを周回することになる。したがって、本実施形態にかかるデータ信号線ドライバ31では、ダミー回路が不要となることにより、パネル外形サイズを効果的に縮小できる。
また、例えば、R,G,Bの3色からなる相を複数相備え、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMPに対して、各相における各色のビデオ信号線にそれぞれ対応するデータ信号線を備える構成としてもよい。この場合には、サンプリング部31bを、例えば図17に示すサンプリング部31b’’に置き換えればよい。
図17に示すサンプリング部(書き込み回路、予備充電回路)31b’’は、R(赤),G(緑),B(青)からなる相を2相備え、1組のプリチャージ用信号PSMPおよびサンプリング用信号SMPを、計6本のデータ信号線の充電に用いる(例えば計6個の画素の表示に用いる)、相展開なしの場合の構成例を示している。
サンプリング部(書き込み回路、予備充電回路)31b’’は、インバータIp(Ip1・Ip2・…・IPn)、スイッチSWpra(SWpra1・SWpra2・…・SWpran)、スイッチSWprb(SWprb1・SWprb2・…・SWprbn)、スイッチSWpga(SWpga1・SWpga2・…・SWpgan)、スイッチSWpgb(SWpgb1・SWpgb2・…・SWpgbn)、スイッチSWpba(SWpba1・SWpba2・…・SWpban)、スイッチSWpbb(SWpbb1・SWpbb2・…・SWpbbn)によって構成される予備充電回路と、インバータIs(Is1・Is2・…・Isn)、スイッチSWsra(SWsra1・SWsra2・…・SWsran)、スイッチSWsrb(SWsrb1・SWsrb2・…・SWsrbn)、スイッチSWsga(SWsga1・SWsga2・…・SWsgan)、スイッチSWsgb(SWsgb1・SWsgb2・…・SWsgbn)、スイッチSWsba(SWsba1・SWsba2・…・SWsban)、スイッチSWsbb(SWsbb1・SWsbb2・…・SWsbbn)によって構成される書き込み回路とを備えている。
スイッチSWsra、SWsrb、SWsga、SWsgb、SWsba、SWsbbは、入力信号がゲート(第1制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタ(TFT)および入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ(TFT)からなるアナログスイッチである。
インバータIsは、入力されるサンプリング用信号SMPを反転し、対応する各スイッチSWsra、SWsrb、SWsga、SWsgb、SWsba、SWsbbにおけるPチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する(インバータIsは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Sbの機能の一部を持つと考えてよい。)。なお、上記各スイッチSWsra、SWsrb、SWsga、SWsgb、SWsba、SWsbbの入力信号であるサンプリング用信号SMPは、上記した重なり防止部31cにおけるバッファ回路Sbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWsra、SWsrb、SWsga、SWsgb、SWsba、SWsbbは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWsra、SWsrb、SWsga、SWsgb、SWsba、SWsbbにおけるチャネル経路の一端には、外部から供給されるアナログのビデオ信号(書き込み信号)VIDEO(VIDEO(Ra),VIDEO(Rb),VIDEO(Ga),VIDEO(Gb),VIDEO(Ba),VIDEO(Bb))がそれぞれ入力される。すなわち、スイッチSWsraにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Ra)が共通に入力され、スイッチSWsrbにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Rb)が共通に入力される。また、スイッチSWsgaにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Ga)が共通に入力され、スイッチSWsgbにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Gb)が共通に入力される。また、スイッチSWsbaにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Ba)が共通に入力され、スイッチSWsbbにおけるチャネル経路の一端にはビデオ信号VIDEO(Bb)が共通に入力される。
スイッチSWpra、SWprb、スイッチSWpga、スイッチSWpgb、スイッチSWpba、スイッチSWpbbは、入力信号がゲート(第2制御端子)に直接入力されるNチャネルMOSトランジスタおよびその入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタからなるアナログスイッチである。
インバータIpは、入力されるプリチャージ用信号PSMPを反転し、PチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する(インバータIpは、上記入力信号を反転させ且つ重なり防止部31cにおけるバッファ回路Pbの機能の一部を持つと考えてよい。)。なお、上記各スイッチSWpra,SWprb,SWpga,SWpgb,SWpba,SWpbbの入力信号であるプリチャージ用信号PSMPは、上記した重なり防止部31cにおけるバッファ回路Pbの出力信号である。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSWpra,SWprb,SWpga,SWpgb,SWpba,SWpbbは、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各スイッチSWpra,SWprb,SWpga,SWpgb,SWpba,SWpbbにおけるチャネル経路の一端には、外部から印加される予備充電電位PVIDが共通に入力される。
また、各スイッチSWpra(SWpra1・SWpra2・…SWpran)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsra(SWsra1・SWsra2・…SWsran)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLra(SLra1・SLra2・…SLran)にそれぞれ接続されている。同様に、各スイッチSWprb(SWprb1・SWprb2・…SWprbn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsrb(SWsrb1・SWsrb2・…SWsrbn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLrb(SLrb1・SLrb2・…SLrbn)にそれぞれ接続されている。
また、各スイッチSWpga(SWpga1・SWpga2・…SWpgan)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsga(SWsga1・SWsga2・…SWsgan)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLga(SLga1・SLga2・…SLgan)にそれぞれ接続されている。また、各スイッチSWpgb(SWpgb1・SWpgb2・…SWpgbn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsgb(SWsgb1・SWsgb2・…SWsgbn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLgb(SLgb1・SLgb2・…SLgbn)にそれぞれ接続されている。
また、各スイッチSWpba(SWpba1・SWpba2・…SWpban)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsba(SWsba1・SWsba2・…SWsban)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLba(SLba1・SLba2・…SLban)にそれぞれ接続されている。また、各スイッチSWpbb(SWpbb1・SWpbb2・…SWpbbn)におけるチャネル経路の他端と、各スイッチSWsbb(SWsbb1・SWsbb2・…SWsbbn)におけるチャネル経路の他端とは、液晶表示パネルに設けられたデータ信号線(信号供給線)SLbb(SLbb1・SLbb2・…SLbbn)にそれぞれ接続されている。
これにより、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)になることで、スイッチSWprai,SWprbi,SWpgai,SWpgbi,SWpbai,
SWpbbiは導通し、予備充電電位PVIDがデータ信号線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbiに印加され、データ信号線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbiと、選択されている画素の容量とが予備充電される。
ここで、上記したように、プリチャージ用信号PSMPiがアクティブ(ハイレベル)の期間については、サンプリング用信号SMPiは、重なり防止部31cによって確実に非アクティブとなっている。したがって、スイッチSWsrai,SWsrbi,SWsgai,SWsgbi,SWsbai、SWsbbiは確実に非導通であり、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbi上で衝突することはない。
そして、サンプリング用信号SMPiがアクティブ(ハイレベル)になると、スイッチSWsrai,SWsrbi,SWsgai,SWsgbi,SWsbai,SWsbbiが導通する。これにより、データ信号線線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbi上にはビデオ信号VIDEO(VIDEO(Ra),VIDEO(Rb),VIDEO(Ga),VIDEO(Gb),VIDEO(Ba),VIDEO(Bb))が供給され、データ信号線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbiおよび各画素容量が所定の電圧に充電される。すなわち、ビデオ信号VIDEOのサンプリングが行われ、上記所定周期中の各データ信号線が順次サンプリングの期間となるサンプリング実効期間(書き込み実効期間)が開始される。このとき、プリチャージ用信号PSMPiは確実に非アクティブになっているため、スイッチSWpiは非導通となっており、予備充電電位PVIDとビデオ信号VIDEOとがデータ信号線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbi上で衝突することはない。
このようにして、データ信号線線SLrai,SLrbi,SLgai,SLgbi,SLbai,SLbbiの予備充電を行った後に当該各データ信号線にビデオ信号VIDEOを供給するという動作を順次繰り返し、点順次でサンプリングが行われていく。
このように、ビデオ信号が多相展開されている構成の場合には、より多くのビデオ信号配線がシフトレジスタ31aのまわりを周回することになる。このため、本実施形態にかかるデータ信号線ドライバ31では、ダミー回路が不要となることにより、ビデオ信号が多相展開されている構成において、パネル外形サイズを特に効果的に縮小できる。
(フリップフロップSRの変形例1)
本実施形態では、シフトレジスタ31aは、複数段のセット・リセット型のフリップフロップSRからなるものとして説明したが、これに限るものではない。
例えば、上記フリップフロップSR(SR1・SR2・…SRn+2)に代えて、図18に示すような、特許文献8に記載のゲーティング回路およびフリップフロップからなるシフトレジスタブロックSRB(SRB1・SRB2・…・SRBn+2)を用いてもよい。なお、図18では、特許文献8におけるフリップフロップの構成を便宜上変更している。
この図に示すように、シフトレジスタブロックSRBは、制御回路CN、ゲーティング回路GC、フリップフロップF、インバータI50からなる。また、シフトレジスタブロックSRBは、フリップフロップSRと同様、CK端子、CKB端子、CINB端子、RB端子と、PO端子と、QB端子とを備えている。そして、上記各端子には、フリップフロップSRと同様の信号が入出力される。
制御回路CNの構成は、上記したレベルシフタ制御回路CNと同様である。制御回路CNの入力端子IN1はCINB端子に接続されており、制御回路CNの入力端子IN2はQ端子に接続されている。これにより、入力端子IN2には、フリップフロップFの出力信号Qが入力される。また、制御回路CNの出力端子CNOUTは、PO端子およびインバータI50の入力端子に接続されている。
ゲーティング回路GCは、トランジスタP51,N50,N51,N52を備えている。フリップフロップFは、トランジスタP52,P53,P54,N53,N54を備えている。なお、トランジスタP51〜P54はPチャネル型のMOSトランジスタであり、トランジスタN50〜N54はNチャネル型のMOSトランジスタである。
トランジスタP51とN51とは電源VDDとクロック入力端子CKとの間に直列に接続されている。トランジスタN50は、トランジスタP51とN51との接続点と電源VSSとの間に接続されている。トランジスタP51,N50のゲートは、インバータI50の出力端子に接続されている。これにより、トランジスタP51,N50のゲートには、制御回路CNの出力信号(出力信号PO)が反転された信号であるイネーブル信号ENABが与えられる。トランジスタP51のゲートはローアクティブである。
トランジスタP52とN52とは電源VDDとクロック入力端子CKBとの間に直列に接続されており、その接続点がゲーティング回路GCの出力端子となっている。トランジスタN52のゲートは、トランジスタN51のゲートに接続されており、これらゲートはトランジスタN51のドレインに接続されている。トランジスタP52のゲートはローアクティブであって、RB端子への入力信号が与えられる。
トランジスタP53とN53とは、電源VDDと電源VSSとの間に直列に接続されている。トランジスタP54とN54とは電源VDDと電源VSSとの間に直列に接続されている。トランジスタP53のゲートとトランジスタN53のゲートとは互いに接続されており、その接続点はトランジスタP54とN54との接続点に接続されている。トランジスタP54のゲートとトランジスタN54のゲートとは互いに接続されており、その接続点はトランジスタP53とN53との接続点およびゲーティング回路GCの出力端子に接続されているとともに、フリップフロップFの反転出力端子QBとなっている。トランジスタP54とN54との接続点はフリップフロップFの正転出力端子Qとなっている。
次に、上記の構成のシフトレジスタブロックSRの動作を、図19に示すタイミングチャートを用いて説明する。図19は、1段目〜n+2段目までのシフトレジスタブロックSRBのうち、奇数段目のシフトレジスタブロックSRBにおける各信号の波形を示している。なお、偶数段目のシフトレジスタブロックSRBについては、各信号の波形が、クロック信号SCK・SCKBの1クロック分(半周期分)ずれたものとなる。すなわち、図19におけるクロック信号SCKを、その反転信号SCKBに置き換えたものとなる。
入力信号CINBがハイレベルであるとき、フリップフロップFの正転出力信号Qが予め非アクティブのローレベルとなっていることから、制御回路CNの出力信号(出力信号PO)はローレベルとなる。この、ローレベルの信号がインバータI50によって反転されてハイレベルの信号となり、ゲーティング回路GCのイネーブル端子ENABにイネーブル信号ENABとして入力される。
ゲーティング回路GCは、イネーブル信号ENABがローレベルである期間に動作が可能な状態となる。動作が可能な状態ではクロック信号SCKがレベルシフトされてフリップフロップFへ出力される。
入力信号CINBがローレベルになると、フリップフロップFの正転出力信号Qが予め非アクティブのローレベルとなっていることから、制御回路CNの出力信号(出力信号PO)はハイレベルとなる。したがって、ゲーティング回路GCにおけるイネーブル端子ENABには、インバータI50を介してローレベルの信号が入力される。
イネーブル端子ENABにローレベルの信号が入力された最初の時点では、クロック信号SCKがローレベル、クロック信号SCKBがハイレベルであるため、フリップフロップFの反転出力信号QBはハイレベルのままである。
そして、クロック信号SCKの1パルス分の長さの後(クロック信号SCKの2分の1周期後)にクロック信号SCKがハイレベル、クロック信号SCKBがローレベルになるので、フリップフロップFの出力信号Qはハイレベル、反転出力信号QBはローレベルとなる。
出力信号Qは制御回路CNの入力端子IN1に入力されているので、出力信号Qがハイレベルになるタイミングから制御回路CNでの遅延時間分だけ経過したタイミングで、制御回路CNの出力信号(出力信号PO)がローレベルになる。また、ゲーティング回路GCに入力されるイネーブル信号ENABがハイレベルになる。
ゲーティング回路GCのイネーブル端子ENABにハイレベルの信号が入力されると、ゲーティング回路GCは非動作状態となる。
ゲーティング回路GCが非動作状態になると、その出力信号はローレベルになるが、フリップフロップFの出力信号Qおよび反転出力信号QBは、リセット端子RBにローレベルの信号が入力されるまで、アクティブレベル(出力信号Qはハイレベル、反転出力信号QB1はローレベル)を維持する。その後、これら出力信号Qおよび反転出力信号QBは、リセット端子RBに入力される信号がローレベルになるタイミングで、非アクティブ(出力信号Qはローレベル、反転出力信号QBはハイレベル)となる。なお、リセット端子RBには、2段後のシフトレジスタブロックSRに備えられるフリップフロップFの反転出力信号QBが入力される。
このように、シフトレジスタブロックSRBを用いる構成においても、フリップフロップSRを用いる場合と略同様の出力信号PO,Q,QBが得られる。したがって、データ信号線ドライバ31は、フリップフロップSRを用いる場合と略同様に動作する。
なお、シフトレジスタブロックSRBを用いる場合であっても、従来の技術では、プリチャージ用の信号を生成するために、2段以上前のシフトレジスタブロックの出力信号、または1段以上前のシフトレジスタブロックの出力信号とスターとパルスSSPとをもちいる必要があった。したがって、1本目または1・2本目のデータ信号線をプリチャージするためには、ダミー回路(ダミーのシフトレジスタブロック)を設ける必要があった。
これに対して、上記の構成によれば、各シフトレジスタブロックSRBが、自身の出力信号を用いてプリチャージ用の信号POを生成するので、このようなダミー回路が不要となる。したがって、データ信号線ドライバ31のサイズおよびその周りを引き回す配線領域のサイズを小型化し、パネル外形サイズを縮小するとともに、パネル外形サイズに対する表示領域のサイズの比率を大きくことができる。
また、ゲーティング回路GCに入力されるクロック信号SCK・SCKBの振幅が電源電圧の振幅より小さい場合には、ゲーティング回路GCにおいて定常的に流れる電流が生じる。図19のイネーブル信号ENABを見ると、ゲーティング回路GCの動作期間(イネーブル信号ENABのローレベル期間)が、クロック信号SCKの約1パルス長(クロック信号SCKの約2分の1周期)となることが分かる。このイネーブル信号ENABの非アクティブとなるタイミングを決める上記遅延時間は、主に制御回路CN内での遅延時間によるものである。従来の構成の場合、入力信号CINBがアクティブの期間(クロック信号SCKの約2パルス長(クロック信号SCKの約1周期))、定常的に流れる電流を生じるが、この例の場合は、ゲーティング回路GCに定常的に流れる電流を削減することができる。
また、ゲーティング回路GCやフリップフロップF、制御回路CNには信号処理の遅延時間がある。ゲーティング回路GCは入力されたクロック信号SCK・SCKBをレベルシフトした信号を少し遅延して出力するが、ゲーティング回路GCから信号が出力された後、出力信号Qは少し遅延して出力されるとともに反転出力信号QBは遅延せずに出力され、反転出力信号QBの出力タイミングから少し遅延して、制御回路CNの出力信号であるPO端子への出力信号POがローレベルとなり、イネーブル信号ENABがハイレベルとなる。したがって、ゲーティング回路GCから信号が出力された後、イネーブル信号ENABがハイレベルとなるまでの遅延時間としては制御回路CNにおける遅延時間が支配的となる。
フリップフロップFの出力信号Qのパルスが確保できる状態となったならばゲーティング回路GCのそれ以上の動作が不要になるという基本的な考え方によれば、反転出力信号QBのパルス開始から少し時間が経過した時点でイネーブル信号ENABを非アクティブとすれば、出力信号Qのパルス開始を得られる状態となった後に確実にゲーティング回路GCの動作を停止させることができる。そのためには、制御回路CNで遅延時間が得られさえすればよい。
また、ゲーティング回路GCが信号を出力してからフリップフロップFが反転出力信号QBを出力するまでの遅延がないので、制御回路CNで遅延時間が得られさえすればよいという条件は、ゲーティング回路GCの動作時間を最小限とする考え方にも適合する。
なお、出力信号QBは次のシフトレジスタブロックSRBの入力信号CINBとなるので、前記遅延分は次のシフトレジスタブロックSRBにおけるイネーブル信号ENABがアクティブとなるタイミングの遅延をもたらし、イネーブル信号ENABのパルス幅は約1パルス長(クロック信号SCKの約2分の1周期)となる。
(フリップフロップSRの変形例2)
また、図4に示したフリップフロップSR(SR1・SR2・…SRn+2)に代えて、図32に示すような、フリップフロップSR_100(SR_1001・SR_1002・・・・SR_100n+2を用いてもよい。図32は、各フリップフロップSR_100の構成を示すブロック図である。この図に示すように、各フリップフロップSRは、レベルシフタ制御回路CN_100、レベルシフタLS_100、セット・リセット型のフリップフロップSR−FF、インバータI1、インバータI2,インバータI3を備えている。なお、フリップフロップSR−FFの構成は図4に示したものと同様である。
(レベルシフタ制御回路CN_100)
図33は、レベルシフタ制御回路(制御回路)CN_100の構成を示すブロック図である。この図に示すように、レベルシフタ制御回路CN_100は、2つの入力端子IN1・IN2、インバータICN、スイッチSWCN、PチャネルMOSトランジスタ(TFT)PCN2、出力端子CNOUTBを備えている。なお、スイッチSWCNは、NチャネルMOSトランジスタ(TFT)NCNおよびPチャネルMOSトランジスタ(TFT)PCN1からなるアナログスイッチである。
入力端子IN1には、フリップフロップSR−FFの出力信号Qが入力される。入力端子IN2には、各フリップフロップSR_100におけるCINB端子への入力信号が入力される。
入力端子IN1は、PチャネルMOSトランジスタPCN1のゲートに接続されている。また、入力端子IN1は、インバータICNを介してNチャネルMOSトランジスタNCNのゲートおよびPチャネルMOSトランジスタPCN2のゲートにも接続されている。
入力端子IN2は、PチャネルMOSトランジスタPCN1のソースおよびNチャネルMOSトランジスタNCNのソースに接続されている。また、PチャネルMOSトランジスタPCN1のドレインおよびNチャネルMOSトランジスタNCNのドレインは、出力端子CNOUTBに接続されている。
また、PチャネルMOSトランジスタPCN2のソースは、ハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインに接続されており、ドレインは出力端子CNOUTBに接続されている。
これにより、入力端子IN1への入力信号(すなわち、フリップフロップSR−FFの出力信号Q)および入力端子IN2への入力信号(すなわち、各フリップフロップSR_100におけるCINB端子への入力信号)の少なくとも一方がハイレベルの場合には、出力端子CNOUTBからの出力信号CNOB100はハイレベルとなる。そして、入力端子IN1への入力信号および入力端子IN2への入力信号がともにローレベルの場合には、出力端子CNOUTBからの出力信号CNOB100はローレベルとなる。
なお、図32に示したように、出力端子CNOUTBからの出力信号CNOB100は、レベルシフタLS_100のENAB端子にそのまま入力され、かつ、各フリップフロップSR_100のPO端子にインバータI3によって反転されてから出力されるようになっている。
(レベルシフタLS_100)
図34は、レベルシフタLS_100の構成例を示すブロック図である。このレベルシフタLS_100は、大略的に、クロック信号SCK,SCKBをレベルシフトする昇圧・降圧部121と、クロック信号SCK,SCKBの供給が不要な停止期間に昇圧・降圧部21への電力供給を遮断する電力供給制御部122と、停止期間中に昇圧・降圧部21とクロック信号SCK,SCKBが伝送される信号線とを遮断する入力制御部123,124と、停止期間中に昇圧・降圧部121の入力スイッチング素子(NLS2,NLS3)を遮断する入力信号制御部125,126と、停止期間中に昇圧・降圧部121の出力を所定の値に維持する出力安定部127とを備えて構成されている。
昇圧・降圧部121は、入力段の差動入力対であり、上記の入力スイッチング素子となる、ソースが互いに接続されたN型のMOSトランジスタNLS2,NLS3と、両トランジスタNLS2,NLS3にソースとローレベルVssdの駆動電圧の電源ラインとの間に接続された定電流源Icと、カレントミラー回路を構成し、トランジスタNLS2,NLS3のドレインにそれぞれ接続されて能動負荷となるP型のMOSトランジスタPLS3,PLS4と、差動入力対の出力を増幅するCMOS構造のトランジスタPLS7,NLS5とを備えて構成される。なお、この図34の構成は、トランジスタNLS3側の入力CKを出力LSOUTから正転出力する奇数番目のフリップフロップSR_1001・SR_1003・…に備えられるレベルシフタLS1の例を示している。偶数番目のフリップフロップSR_1002・SR_1004・…に備えられるレベルシフタLS_100の場合は、クロック信号SCK,SCKBの入力が相互に振り替えて構成される。
トランジスタNLS2のゲートには、前記入力制御部124を構成するP型のMOSトランジスタPLS1を介してクロック信号SCKBが入力され、トランジスタNLS3のゲートには、前記入力制御部123を構成するP型のMOSトランジスタPLS6を介してクロック信号SCKが入力される。また、トランジスタNLS2のゲートは、前記入力信号制御部126を構成するN型のMOSトランジスタNLS1を介してローレベルVssdの駆動電圧の電源ラインにプルダウンされるようになっており、同様にトランジスタNLS3のゲートは、前記入力信号制御部125を構成するN型のMOSトランジスタNLS4を介してローレベルVssdの駆動電圧の電源ラインにプルダウンされるようになっている。そして前記トランジスタPLS1,PLS6,NLS1,NLS4のゲートには、ENAB端子に入力されたレベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100(イネーブル信号ENAB100)が与えられる。
したがって、レベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100がアクティブのローレベルとなると、前記トランジスタPLS1,PLS6を介してトランジスタNLS2,NLS3へのクロック信号SCKB,SCKの入力が許容されるとともに、トランジスタNLS1,NLS4は遮断する。これに対して、レベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100が非アクティブのハイレベルとなると、前記トランジスタPLS1,PLS6が遮断してクロック信号SCKB,SCKの入力が阻止されるとともに、トランジスタNLS1,NLS4が導通してトランジスタNLS2,NLS3のゲートがローレベルVssdにプルダウンされて、入力段の該トランジスタNLS2,NLS3は、確実にオフする。
一方、前記トランジスタPLS3,PLS4のゲートは互いに接続されるとともに、トランジスタPLS3およびトランジスタNLS2のドレインに接続されている。これに対して、互いに接続されたトランジスタPLS4およびトランジスタNLS3のドレインは出力端となり、前記トランジスタPLS7,NLS5のゲートに接続される。トランジスタPLS3,PLS4のソースは、前記電力供給制御部122を構成するP型のMOSトランジスタPLS2を介して、ハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインに接続されている。MOSトランジスタPLS2のゲートには、レベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100が与えられる。
したがって、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100がアクティブのローレベルとなると、トランジスタPLS2を介して昇圧・降圧部121へ電源供給が行われ、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100が非アクティブのハイレベルとなると、昇圧・降圧部121への電源供給は停止される。
また、出力安定部127は、停止期間における該レベルシフタLS_100の出力信号LSOUTをローレベルVssdの駆動電圧レベルに安定させる回路であり、インバータILSとP型のMOSトランジスタPLS5から構成されている。インバータILSは、ENAB端子とトランジスタPLS5のゲートとの間に備えられている。したがって、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100がインバータILSによって反転されてトランジスタPLS5のゲートに与えられる。これにより、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100がハイレベルのときに、MOSトランジスタPLS5がトランジスタPLS7,NLS5のゲートをハイレベルVddの駆動電圧の電源ラインにプルアップ接続するようになっている。
上述のように構成されるレベルシフタLS_100では、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号がローレベルの場合、トランジスタPLS1,PLS2,PLS6が導通し、トランジスタNLS1,NLS4,PLS5が遮断する。この状態では、トランジスタPLS2を介して供給される電流が、PLS3およびNLS2、あるいはPLS4およびNLS3を通り、定電流源Icを介して流れる。また、両トランジスタNLS3,NLS2のゲートには、クロック信号SCK,SCKBがそれぞれ印加される。この結果、両トランジスタNLS2,NLS3のゲートには、それぞれのゲート−ソース間電圧の比率に応じた量の電流が流れる。一方、トランジスタPLS3,PLS4は、能動負荷として働くので、トランジスタPLS4,NLS3の接続点の電圧は、前記クロック信号SCK,SCKBの電圧レベル差に応じた電圧となる。当該電圧は、トランジスタPLS7,NLS5で電力増幅された後、出力端子LSOUTから出力信号LSO100として出力される。
前記昇圧・降圧部121は、クロック信号SCK,SCKBによって入力段のトランジスタPLS3,PLS4の導通/遮断を切り替える構成、すなわち電圧駆動型とは異なり、動作中、入力段のトランジスタPLS4,PLS3が常時導通する電流駆動型であり、上述のように両トランジスタPLS4,PLS3のゲート−ソース間電圧の比率に応じて定電流を分流することによって、前記クロック信号SCK,SCKBの振幅が入力段のトランジスタNLS3,NLS2の閾値よりも低い場合であっても、何ら支障なく、クロック信号SCK,SCKBをレベルシフトできる。
この結果、レベルシフタLS_100は、ENAB端子にレベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100でアクティブのローレベルが印加されると、クロック信号SCK,SCKBの振幅が駆動電圧のハイ側とロー側との差(Vcc=Vdd−Vssd、たとえば15V程度)より低い場合(たとえば、前記映像信号の生成回路からの5V程度)でも、振幅が前記差Vccにまで昇圧・降圧された出力信号LSO100を出力する。
これとは逆に、レベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100が動作停止を示す非アクティブのハイレベルの場合、トランジスタPLS3,NLS2、あるいはトランジスタPLS4,NLS3を介して流れようとする電流は、トランジスタPLS2によって遮断される。したがって、当該電流に起因する消費電力を削減できる。
また、この状態では、各入力制御部123,124のトランジスタPLS6,PLS1が遮断する。したがって、クロック信号SCK,SCKBを伝送する信号線と、入力段の各トランジスタNLS2,NLS3のゲートとが切り離される。また、停止中は、各入力信号制御部125,126のトランジスタNLS4,NLS1が導通するので、前記両トランジスタNLS2,NLS3のゲート電圧はいずれもローレベルの駆動電圧Vssdにプルダウンされ、両トランジスタNLS2,NLS3は遮断する。これによって、トランジスタPLS2を遮断する場合と同様に、定電流源Icが出力する電流分だけ、消費電力を低減できる。
しかしながら、この状態では、両トランジスタNLS2,NLS3へ電流が供給されないので、両トランジスタNLS2,NLS3は差動入力対として動作することができず、出力端、すなわちトランジスタPLS4,NLS3のドレイン同士の接続点の電位が決定できなくなる。そこで、前記イネーブル信号ENABが動作停止を示している場合には、さらに出力安定部127のトランジスタPLS5が導通する。この結果、前記出力端、すなわちトランジスタPLS7,NLS5のゲート電位は、ハイレベルの駆動電圧Vddにプルアップされ、トランジスタNLS5が導通し、出力信号LSO100はローレベルとなる。
こうして、レベルシフタ制御回路CN_100からの出力信号CNOB100が動作停止を示している期間、レベルシフタLS_100の出力信号LSO100は、クロック信号SCK,SCKB拘わらず、ローレベルに保たれる。
(フリップフロップSR_100の動作)
図35は、奇数段目のフリップフロップSR_1001・SR_1003・…のタイミングチャートである。なお、偶数段目のフリップフロップSR_1002・SR_1004・…については、図35における各信号が、クロック信号SCKに対して半周期分だけずれて動作する。すなわち、偶数段目のフリップフロップSR_1002・SR_1004・…は、図1に示したように、CK端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力され、CKB端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力されている。このため、奇数段目のフリップフロップとは、クロック信号の1クロック分(半周期分)だけずれた動作をする。
図35に示すように、レベルシフタ制御回路CN_100に入力される信号CINBがロー(Low)レベルになった時、その瞬間における同じ段のフリップフロップSR_100内のフリップフロップSR−FFの出力Qは非アクティブのローレベルを出力している。このため、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100はローレベルとなる。
この、ローレベルの信号CNOB100は、レベルシフタLS_100のENAB端子に入力される。そして、レベルシフタLS_100は、ENAB端子にローレベルが入力されると、レベルシフタ動作が可能な状態となり、入力信号SCKをレベルシフトした信号が出力信号LSO100として出力される。このように、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100の立ち下がりがクロック信号SCKの立ち上がりをレベルシフトし、出力信号LSO100として出力する。
ここで、ENAB端子に入力される信号(レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNO)がローレベルになった時点では、クロック信号SCKはローレベルなので、レベルシフタLS_100の出力信号LSO100はローレベルのままとなる。そして、クロック信号SCKが約1クロック分後(クロック信号SCKの約半周期後)にハイレベルになると、レベルシフタLS_100の出力信号LSO100はハイレベルに切り変わる。
このハイレベルのレベルシフタLS_100の出力信号LSO100は、インバータI1を通ってローレベルになり、フリップフロップSR−FFの入力端子SBに入力される。
フリップフロップSR−FFの入力端子SBにローレベルが入力されると、SR−FFがセットされてアクティブとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号Qはハイレベルに、出力信号QBはローレベルになる。
ここで、フリップフロップSR−FFの出力信号Qはレベルシフタ制御回路CN_100に入力(フィードバック)されているので、出力信号Qがハイレベルになった瞬間に、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100がハイレベルになる。
出力信号CNOB100のハイレベルがレベルシフタLS_100の端子ENABに入力されると、レベルシフタLS_100は非動作状態となる。レベルシフタLS_100が非動作状態になると、レベルシフタLS_100の出力信号LSO100はローレベルになる。出力信号LSO100がローレベルになっても、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは、リセット端子Rにハイレベルが入力されるまで、アクティブレベル(出力信号Qはハイレベル、出力信号QBはローレベル)を出力し続ける。
なお、フリップフロップSR−FFのリセット端子Rには、そのフリップフロップSR−FFが備えられるフリップフロップSRの2段後ろのフリップフロップSRの出力信号QBが、インバータI2によって反転されて入力される。したがって、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは、図35に示すように、アクティブになった後、クロック信号SCKが2クロック分(クロック信号SCKの1周期)が入力されたときに、非アクティブにリセットされる。
また、レベルシフタ制御回路CN_100の入力端子IN2に入力される入力信号CINBは、前段のフリップフロップSRの出力信号QBなので、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBがアクティブになった後、クロック信号SCKが1クロック分(クロック信号SCKの半周期)が入力されたときに、ハイレベルとなる。
したがって、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBがアクティブレベルから非アクティブレベルに戻った時には、入力端子IN2に入力される入力信号CINBはすでにハイレベルとなっているので、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100はハイレベルのままになる。これにより、レベルシフタLS_100は非動作状態となるので、レベルシフタLS_100の出力信号LSO100はローレベルのままである。このため、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBは非アクティブレベル(出力信号Qはローレベル、出力信号QBはハイレベル)に確実に保持される。
また、図35のタイミングチャートに示したレベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100は、先行プリチャージ用のパルス(プリチャージ信号)PO(PO1・PO2・…・POn)として、重なり防止部31cにおける自分の段の遅延回路Pd(Pd1・Pd2・…・Pdn)へと入力される。
上記したように、フリップフロップSR_100では、出力信号Qがレベルシフタ制御回路CN_100にフィードバックされており、出力信号QBがアクティブ(ローレベル)になるより前に、レベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100がローレベルになるようになっている。したがって、このレベルシフタ制御回路CN_100の出力信号CNOB100をプリチャージ用の信号POとして用いることにより、サンプリング用パルスとなるQBに先行してプリチャージを行うことができる。
このように、図4に示したフリップフロップSRに代えて、図32に示したフリップフロップSR_100を用いる場合でも、フリップフロップSRを用いる場合と略同様の動作を行うことができる。
なお、フリップフロップSRのレベルシフタ制御回路CNはNOR回路(ロジック回路)NR1を用いていたのに対して、フリップフロップSR_100のレベルシフタ制御回路CN_100はスイッチ(スイッチ回路)SWCNを用いている。このため、パルスがスイッチ回路を通過するときの遅延量の方が、当該パルスがロジック回路を通過するときの遅延量よりも小さい場合には、シフトレジスタを高速動作させることができる。
なお、CNOB100の遅延量が大きい場合には、クロック信号SCKの立ち上がりを拾えなくなる。その場合には、クロック信号SCKの立ち上がり(偶数段目では立ち下がり)のタイミングで順次シフトしていくことができなくなって、正常なタイミングでシフトレジスタが動作しなくなる。このため、フリップフロップSRを用いるか、あるいはフリップフロップSR_100を用いるかは、レベルシフタ制御回路における出力信号の遅延量に応じて決定することが好ましい。
また、本実施形態では、表示部2とデータ信号線ドライバ31と走査信号線ドライバ4とがモノシリックに形成された液晶表示装置1について説明したが、これに限るものではなく、各ドライバ31,4と表示部2とが別々の基板に形成されていてもかまわない。
また、本実施形態では、データ信号線ドライバ31を、液晶表示装置1に備える場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、有機EL表示装置など、配線容量を充電する必要のある表示装置であればどのような表示装置に適用してもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、特に断らない限り、実施形態1で用いた部材および信号の符号と同一の符号は、同一の機能を有し、同様の変形(構成変更)が可能な部材および信号の符号として扱い、その説明を省略する。
(データ信号線ドライバ41)
図20は、本実施形態にかかるデータ信号線ドライバ41の構成を示すブロック図である。データ信号線ドライバ41は、実施形態1にかかる液晶表示装置1において、データ信号線ドライバ31に代えて備えられる。
この図に示すように、データ信号線ドライバ41は、レベルシフタLSと、シフトレジスタ41aと、サンプリング部31bと、重なり防止部31cとを備えている。レベルシフタLS、サンプリング部31b、重なり防止部31cは、実施形態1と同様の構成である。
(シフトレジスタ41a)
シフトレジスタ41aは、複数段のセット・リセット型のフリップフロップSRFF(SRFFd1・SRFFd2・SRFF1・SRFF2・…・SRFFn・SRFFd3・SRFFd4)を備えており、シフト方向をSRFFd1からSRFFd4へ向かう順方向と、SRFFd4からSRFFd1へ向かう逆方向とに切り替えることができる、双方向シフトレジスタである。
各フリップフロップSRFFは、CK端子、CKB端子、セット信号が入力されるCINB1端子・CINB2端子、リセット信号が入力されるRB1端子・RB2端子、サンプリング用の信号QB(QB1・QB2・…・QBn)を出力するQB端子、プリチャージ用の信号PO(PO1・PO2・…・POn)を出力するPO端子、シフト方向を制御するための信号(スキャン切り替え用の信号)SCが入力されるSC端子(図示せず)を備えている。なお、スキャン切り替え用の信号SCは、液晶表示装置1の制御回路5から出力される。
奇数段目のフリップフロップSRFFd1・SRFF1・SRFF3・…では、CK端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力され、CKB端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力される。また、偶数段目のフリップフロップSRFFd2・SRFFd4・…では、CK端子に反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力され、CKB端子に正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力される。
また、1段目のフリップフロップSRFF1のCINB1端子、および、最終段のフリップフロップSRFFd4のCINB2端子には、セット信号として、レベルシフタLSの出力信号SSPB’が入力される。2段目以降のフリップフロップSRFFd2・SRFFd1・…・SRFFd3・SRFFd4のCINB1端子は、各フリップフロップの前段のフリップフロップにおけるQB端子に接続されている。
一方、1段目のフリップフロップSRFFd1から最終段の前段のフリップフロップSRFFd3までのフリップフロップにおけるCINB2端子は、各フリップフロップの次段のフリップフロップにおけるQB端子に接続されている。
また、1段目のフリップフロップSRFFd1からn+2段目のフリップフロップSRFFnまでのフリップフロップにおけるRB1端子には、各フリップフロップの2段後ろのフリップフロップからの出力信号QB1・QB2・…・QBd4が入力される。また、最終段の前段のフリップフロップSRFFd3におけるRB1端子には最終段のフリップフロップSRFFd4の出力信号QBd4が入力され、最終段のフリップフロップSRFFd4におけるRB1端子には、自身の出力信号QBd4が入力される。
一方、1段目のフリップフロップSRFFd1におけるRB2端子には、自身の出力信号QBd1が入力される。また、2段目のフリップフロップSRFFd2におけるRB2端子には、1段目のフリップフロップSRFFd1の出力信号QBd1が入力される。そして、3段目のフリップフロップSRFF1から最終段のフリップフロップSRFFd4までの各フリップフロップにおけるRB2端子には、各フリップフロップの2段前の出力信号QB(QBd1・QBd2・QB1・…・QBn)が入力される。
また、3段目からn+2段目までのフリップフロップSR1・SR2・…・SRnにおけるPO端子は、重なり防止部31cにおける各段に対応する遅延回路Pd(Pd1・Pd2・…・Pdn)に接続されている。
(フリップフロップSRFF)
図21は、各フリップフロップSRFF(SRFFd1・SRFFd2・SRFF1・…・SRFFd4)の構成例を示すブロック図である。
この図に示すように、各フリップフロップSRFFは、レベルシフト制御回路CN、レベルシフタLS1、セット・リセット型のフリップフロップSR−FF、セレクターSELa、セレクターSELb、インバータI1、インバータI2を備えている。
レベルシフト制御回路CN、レベルシフタLS1、フリップフロップSR−FFの構成は、実施形態1における各回路と同様の構成である。
セレクターSELaは入力端子SI1・SI2と出力端子SOを備えている。セレクターSELaの入力端子SI1はフリップフロップSRFFのCINB1端子に接続され、入力端子SI2はフリップフロップSRFFのCINB2端子に接続されている。また、セレクターSELaの出力端子SOはレベルシフタ制御回路CNの入力端子IN2に接続されている。また、セレクターSELaには、スキャン切り替え用の信号SCが与えられる。
セレクターSELbはセレクターSELaと同様の構成からなり、入力端子SI1・SI2と出力端子SOを備えている。セレクターSELbの入力端子SI1はフリップフロップSRFFのRB1端子に接続され、入力端子SI2はフリップフロップSRFFのRB2端子に接続されている。また、セレクターSELbの出力端子SOはインバータI2の入力端子に接続され、インバータI2の出力端子はフリップフロップSR−FFのR端子に接続されている。また、セレクターSELbには、スキャン切り替え用の信号SCが与えられる。
図22は、セレクターSELaおよびセレクターSELbの構成例を示すブロック図である。この図に示すように、セレクターSELa・SELbは、インバータSinvと、スイッチSsw1、Ssw2を備えている。
スイッチSsw1・Ssw2は、入力信号がゲートに直接入力されるNチャネルMOSトランジスタ(TFT)および入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ(TFT)からなるアナログスイッチである。
インバータSinvは、セレクターSELa・SELbに入力されるスキャン切り替え用の信号SCを反転し、スイッチSW1・SW2におけるPチャネルMOSトランジスタのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、各スイッチSsw1・Ssw2は、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。
スイッチSsw1におけるチャネル経路の一端には、入力信号SI1が入力される。スイッチSsw1におけるチャネル経路の一端には、入力信号SI2が入力される。スイッチSsw1におけるチャネル経路の他端とスイッチSsw2におけるチャネル経路の他端とは共に接続され、出力端子SOとなる。
このような構成からなるセレクターSELa・SELbでは、スキャン切り替え用の信号SCが順方向のスキャンを示すハイレベルの場合、スイッチSsw1の各トランジスタが導通し、スイッチSsw2の各トランジスタが非導通となるので、出力端子SOからは、入力端子SI1に入力された信号が出力信号a・bとして出力される。
また、スキャン切り替え用の信号SCが逆方向のスキャンを示すローレベルの場合、スイッチSsw1の各トランジスタが非導通となり、スイッチSsw2の各トランジスタが導通するので、出力端子SOからは、入力端子SI2に入力された信号が出力信号a・bとして出力される。
次に、シフトレジスタ41aの動作について説明する。まず、シフト方向が順方向(正スキャン)の場合について説明する。図23は、シフト方向が順方向の場合の、各フリップフロップSRFFにおけるタイミングチャートである。
この場合、スキャン切り替え用の信号SCは正スキャンを示すハイレベルなので、セレクターSELaからはCINB1端子に入力された信号CINB1が出力信号aとして出力され、セレクターSELbからはRB1端子に入力された信号RB1が出力信号bとして出力される。
フリップフロップSRFFのCINB1端子に入力される信号CINB1がローレベルになると、セレクターSELaの出力信号aがローレベルとなり、実施形態1で説明したように、レベルシフタ制御回路CNの出力信号はハイレベルとなる。したがって、PO端子から出力されるプリチャージ用の信号POはハイレベルとなる。
その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、レベルシフタLS1の出力信号LSOがハイレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号がアクティブレベル(信号Qがハイレベル、信号QBがローレベル)となる。ここで、SR−FFの出力信号Qは、レベルシフタ制御回路CNの入力端子IN1に入力されているので、出力信号Qがハイレベルになると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号(出力信号PO)はローレベルとなり、レベルシフタLS1の出力信号LSOはローレベルとなる。
その後、フリップフロップSRFFのRB1端子に入力される信号RB1、すなわち2段後ろのフリップフロップSRFFの出力信号QB(ただし、フリップフロップSRFFd3・SRFFd4ではフリップフロップSRFFd4の出力信号QBd4)がローレベルになると、セレクターSELbの出力信号bがローレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBはリセットされて非アクティブレベル(信号Qがローレベル、信号QBがハイレベル)となる。
図24は、シフト方向が順方向の場合の、データ信号線ドライバ41のタイミングチャートである。
この図に示すように、フリップフロップSRFFd1では、レベルシフタLSから出力された、スタートパルスSSPBに基づく信号SSPB’がローレベルになると、PO端子から出力するプリチャージ用の信号POd1がハイレベルとなる。その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、サンプリング用の出力信号QBd1がローレベルとなる。また、出力信号Qd1がレベルシフタ制御回路CNにフィードバックされているので、出力信号QBd1がローレベル(出力信号Qd1がハイレベル)になると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号POd1はローレベルとなる。そして、2段後ろのフリップフロップSRFF1の出力信号QB1がローレベルになると、フリップフロップSRFFd1の出力信号QBd1はハイレベルにリセットされる。
また、フリップフロップSRFFd1の出力信号QBd1は、2段目のフリップフロップSRFFd2に入力されているので、出力信号QBd1がローレベルになると、2段目のフリップフロップSRFFd2におけるレベルシフタ制御回路CNの出力信号POd2はハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベル(クロック信号SCKBがハイレベル)になると、QB端子からの出力信号QBd2がハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、レベルシフタ制御回路CNの出力信号POd2はローレベルとなる。その後、2段後ろのフリップフロップSRFF2の出力信号QB2がローレベルになると、フリップフロップSRFFd2の出力信号QBd2はハイレベルにリセットされる。
また、フリップフロップSRFFd2の出力信号QBd2は、3段目のフリップフロップSRFF1に入力されているので、出力信号QBd2がローレベルになると、3段目のフリップフロップSRFF1におけるPO端子からの出力信号PO1はハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベルからハイレベルになると、QB端子からの出力信号QB1がハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、PO端子からの出力信号PO1はローレベルとなる。ここで、3段目のフリップフロップSRFF1の出力信号QB1は、1段目のフリップフロップSRFFd1のRB端子に入力されているので、3段目のフリップフロップSRFF1の出力信号QB1がローレベルに切り替わると、1段目のフリップフロップSRFFd1の出力信号QBd1はハイレベルにリセットされる。
以降のフリップフロップSRFFについても、各段のフリップフロップSRFFの出力信号QBが、ローレベルになった後、その2段後ろのフリップフロップSRの出力信号QBがローレベルになることによってハイレベルにリセットされるまで、同様の動作が行われる。なお、フリップフロップSRFFd3・SRFFd4は、フリップフロップSRFFn−1・SRFFnの出力信号QBn−1・QBnをリセットするタイミングを出力するためのダミー回路として機能する。
このように、データ信号線ドライバ41では、シフト方向が順方向(正スキャン)の場合、各フリップフロップSRFFk(kは1〜nの整数)における自分の段の信号を用いて、その段に対応するデータ信号線および画素容量の予備充電を行う。また、2段後ろのフリップフロップSRFFk+2の出力信号を用いて、フリップフロップSR−FFkの出力信号Qk・QBkをリセットし、サンプリング期間を終了させる。
次に、シフト方向が逆方向(逆スキャン)の場合について説明する。図25は、シフト方向が逆方向の場合の、各フリップフロップSRFFにおけるタイミングチャートである。
この場合、スキャン切り替え用の信号SCは逆スキャンを示すローレベルなので、セレクターSELaからはCINB2端子に入力された信号CINB2が出力信号aとして出力され、セレクターSELbからはRB2端子に入力された信号RB2が出力信号bとして出力される。
フリップフロップSRFFのCINB2端子に入力される信号CINB2がローレベルになると、セレクターSELaの出力信号aがローレベルとなり、実施形態1で説明したように、レベルシフタ制御回路CNの出力信号はハイレベルとなる。したがって、PO端子から出力されるプリチャージ用の信号POはハイレベルとなる。
その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、レベルシフタLS1の出力信号LSOがハイレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号がアクティブレベル(信号Qがハイレベル、信号QBがローレベル)となる。ここで、SR−FFの出力信号Qは、レベルシフタ制御回路CNの入力端子IN1に入力されているので、出力信号Qがハイレベルになると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号(出力信号PO)はローレベルとなり、レベルシフタLS1の出力信号LSOはローレベルとなる。
その後、フリップフロップSRFFのRB2端子に入力される信号RB2、すなわちシフト方向(逆スキャン方向)に沿って2段後ろのフリップフロップの出力信号QB(ただし、フリップフロップSRFFd2・SRFFd1ではフリップフロップSRFFd1の出力信号QBd1)がローレベルになると、セレクターSELbの出力信号bがローレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBはリセットされて非アクティブレベル(信号Qがローレベル、信号QBがハイレベル)となる。
図26は、シフト方向が逆方向の場合の、データ信号線ドライバ41のタイミングチャートである。
この図に示すように、フリップフロップSRFFd4では、レベルシフタLSから出力された、スタートパルスSSPBに基づく信号SSPB’がローレベルになると、PO端子から出力するサンプリング用の信号POd4がハイレベルとなる。その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、サンプリング用の出力信号QBd4がローレベルとなる。また、出力信号Qd4がレベルシフタ制御回路CNにフィードバックされているので、出力信号QBd4がローレベル(出力信号Qd4がハイレベル)になると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号POd4はローレベルとなる。そして、シフト方向に沿って2段後ろとなるフリップフロップSRFFnの出力信号QBnがローレベルになると、フリップフロップSRFFd4の出力信号QBd4はハイレベルにリセットされる。
また、フリップフロップSRFFd4の出力信号QBd4は、次段(シフト方向に沿って2段目)のフリップフロップSRFFd3に入力されているので、出力信号QBd4がローレベルになると、フリップフロップSRFFd3におけるレベルシフタ制御回路CNの出力信号POd3はハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベル(クロック信号SCKBがハイレベル)になると、QB端子からの出力信号QBd3がハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、レベルシフタ制御回路CNの出力信号POd3はローレベルとなる。その後、次々段(シフト方向に沿って2段後ろ)のフリップフロップSRFFn−1の出力信号QBn−1がローレベルになると、フリップフロップSRFFd3の出力信号QBd3はハイレベルにリセットされる。
また、フリップフロップSRFFd3の出力信号QBd3は、次段(シフト方向に沿って3段目)のフリップフロップSRFFnに入力されているので、出力信号QBd3がローレベルになると、フリップフロップSRFFnにおけるPO端子からの出力信号POnはハイレベルになる。その後、クロック信号SCKがローレベルからハイレベルになると、QB端子からの出力信号QBnがハイレベルからローレベルに切り替わる。そして、これにより、PO端子からの出力信号POnはローレベルとなる。ここで、フリップフロップSRFFnの出力信号QBnは、フリップフロップSRFFd4のRB2端子に入力されているので、フリップフロップSRFFnの出力信号QBnがローレベルに切り替わると、フリップフロップSRFFd4の出力信号QBd4はハイレベルにリセットされる。
以降のシフト方向に沿ったフリップフロップSRFFについても、各段のフリップフロップSRFFの出力信号QBが、ローレベルになった後、シフト方向に沿ってその2段後ろのフリップフロップSRの出力信号QBがローレベルになることによってハイレベルにリセットされるまで、同様の動作が行われる。なお、フリップフロップSRFFd2・SRFFd1は、フリップフロップSRFF2・SRFF1の出力信号QB2・QB1をリセットするタイミングを出力するためのダミー回路として機能する。
このように、データ信号線ドライバ41では、シフト方向が逆方向(逆スキャン)の場合、各フリップフロップSRFFkにおける自分の段の信号を用いて、その段に対応するデータ信号線および画素容量の予備充電を行う。そして、シフト方向(逆スキャン方向)に沿って2段後ろのフリップフロップSRFFk−2の出力信号を用いて、フリップフロップSR−FFkの出力信号Qk・QBkをリセットし、サンプリング期間を終了させる。
したがって、データ信号線ドライバ41では、シフト方向がいずれの方向であっても、各フリップフロップSRFFにおける自分の段の信号を用いて、その段に対応するデータ信号線および画素容量の予備充電を行うことができる。また、シフト方向に沿って2段後ろのフリップフロップSRFFの出力信号を用いて、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBをリセットし、サンプリング期間を終了させることができる。
以上のように、データ信号線ドライバ41では、各フリップフロップSRFFにおける自分の段の信号を用いて、その段に対応するデータ信号線および画素容量の予備充電を行う。したがって、例えば上記した特許文献3のように、双方向シフトレジスタのシフト方向に応じてプリチャージ回路駆動信号の出力段を選択するためのプリチャージ信号切替回路を備える必要がない。
特許文献3の技術では、上記プリチャージ信号切替回路に、2段前の出力段からのプリチャージ回路駆動信号と、2段後ろの出力段からのプリチャージ回路駆動信号とが入力される。したがって、プリチャージ信号切替回路の占有面積、および配線の引き回し面積が増大し、駆動回路の大型化を招いてしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態にかかるデータ信号線ドライバ41では、このようなプリチャージ信号切替回路、および、2段前の出力段からのプリチャージ回路駆動信号と2段後ろの出力段からのプリチャージ回路駆動信号とを上記プリチャージ信号切替回路に入力するための配線が不要になる。
したがって、データ信号線ドライバ41の構成を簡略化するとともに、データ信号線ドライバ41のサイズおよびその周りを引き回す配線領域のサイズを小型化することができる。これにより、パネル外形サイズを縮小するとともに、パネル外形サイズに対する表示領域のサイズの比率を大きくことができる。
(変形例)
(フリップフロップSRFFの変形例)
本実施形態では、シフトレジスタ41aは、複数段のセット・リセット型のフリップフロップSRFFからなるものとして説明したが、これに限るものではない。
例えば、上記フリップフロップSRFF(SRFFd1・SRFFd2・SRFF1・…SRFFd4)に代えて、図27に示すような、シフトレジスタ回路SRC(SRCd1・SRCd2・SRC1・SRC2・…・SRCd4)を用いてもよい。
この図に示すように、シフトレジスタ回路SRCは、フリップフロップSRFFにおけるレベルシフタLS1を、スイッチ回路ASWに置き換え、CKB端子を非接続(Non−connection)とした構成である。
スイッチ回路ASWは、インバータIaswと、入力信号がゲートに直接入力されるNチャネルMOSトランジスタ(TFT)NTaswと、入力信号が反転された信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ(TFT)PTaswとからなる。
インバータIaswは、制御回路CNの出力信号(出力信号PO)を反転し、PチャネルMOSトランジスタPTaswのゲートの持つ容量を十分に充放電が可能な能力を持たせながらゲートに入力する。なお、制御回路CNの構成は上記したレベルシフタ制御回路の構成と同様である。
また、インバータIaswの出力はN型のMOSトランジスタN55のゲートに入力されている。トランジスタN55のソースはロー側の電源Vssdに接続され、ドレインはインバータI1の入力端子に接続されている。
各MOSトランジスタのゲートは容量性の制御端子であり、ゲートの充電電圧に応じて導通と非導通とが切り換わる。各MOSトランジスタにおけるチャネル経路の一端は、CK端子に接続されている。なお、奇数段のシフトレジスタ回路SRCd1・SRC1・SRC3・…におけるCK端子には正転クロック信号(クロック信号)SCKが入力され、偶数段のシフトレジスタ回路SRCd2・SRC2・SRC4・…におけるCK端子には反転クロック信号(クロック信号)SCKBが入力される。
また、各MOSトランジスタにおけるチャネル経路の他端は、インバータI1の入力端子に接続されている。これにより、スイッチ回路ASWの出力信号ASWがインバータI1に入力される。
図28は、シフト方向が順方向(正スキャン)の場合の、各シフトレジスタ回路SRCにおけるタイミングチャートである。
この場合、スキャン切り替え用の信号SCは正スキャンを示すハイレベルなので、セレクターSELaからはCINB1端子に入力された信号CINB1が出力信号aとして出力され、セレクターSELbからはRB1端子に入力された信号RB1が出力信号bとして出力される。
シフトレジスタ回路SRCのCINB1端子に入力される信号CINB1がローレベルになると、セレクターSELaの出力信号aがローレベルとなり、制御回路CNの出力信号はハイレベルとなる。したがって、PO端子から出力されるプリチャージ用の号POはハイレベルとなる。
また、制御回路CNの出力信号がハイレベルになると、スイッチ回路ASWにおける各MOSトランジスタPTasw・NTaswは導通する。
したがって、その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、スイッチ回路ASWの出力信号ASWはハイレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号がアクティブレベル(信号Qがハイレベル、信号QBがローレベル)となる。ここで、SR−FFの出力信号Qは、レベルシフタ制御回路CNの入力端子IN1に入力されているので、出力信号Qがハイレベルになると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号はローレベルとなり、スイッチ回路ASWにおける各MOSトランジスタPTasw・NTaswは非導通となる。この時、インバータIaswはローレベルになっているので、トランジスタN55はオンされ、出力信号ASWはローレベルにプルダウンされる。
その後、シフトレジスタ回路SRCのRB1端子に入力される信号RB1、すなわち2段後ろのシフトレジスタ回路SRCの出力信号QB(ただし、フシフトレジスタ回路SRCd3・SRCd4ではフリップフロップSRCd4の出力信号QBd4)がローレベルになると、セレクターSELbの出力信号bがローレベルとなり、シフトレジスタ回路SRCの出力信号Q・QBはリセットされて非アクティブレベル(信号Qがローレベル、信号QBがハイレベル)となる。
図29は、シフト方向が逆方向(逆スキャン)の場合の、各シフトレジスタ回路SRCにおけるタイミングチャートである。
この場合、スキャン切り替え用の信号SCは逆スキャンを示すローレベルなので、セレクターSELbからはCINB2端子に入力された信号CINB2が出力信号aとして出力され、セレクターSELbからはRB2端子に入力された信号RB2が出力信号bとして出力される。
シフトレジスタ回路SRCのCINB2端子に入力される信号CINB2がローレベルになると、セレクターSELaの出力信号aがローレベルとなり、制御回路CNの出力信号はハイレベルとなる。したがって、PO端子から出力されるプリチャージ用の信号POはハイレベルとなる。
また、制御回路CNの出力信号がハイレベルになると、スイッチ回路ASWにおける各MOSトランジスタPTasw・NTaswは導通する。
したがって、その後、クロック信号SCKがハイレベルになると、スイッチ回路ASWの出力信号ASWはハイレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号がアクティブレベル(信号Qがハイレベル、信号QBがローレベル)となる。ここで、SR−FFの出力信号Qは、レベルシフタ制御回路CNの入力端子IN1に入力されているので、出力信号Qがハイレベルになると、レベルシフタ制御回路CNの出力信号はローレベルとなり、スイッチ回路ASWにおける各MOSトランジスタPTasw・NTaswは非導通となる。この時、インバータIaswはローレベルになっているので、トランジスタN55はオンされ、出力信号ASWはローレベルにプルダウンされる。
その後、シフトレジスタ回路SRCのRB2端子に入力される信号RB2、すなわちシフト方向(逆スキャン方向)に沿って2段後ろのシフトレジスタ回路の出力信号QB(ただし、シフトレジスタ回路SRCd2・SRCd1ではシフトレジスタ回路SRCd1の出力信号QBd1)がローレベルになると、セレクターSELbの出力信号bがローレベルとなり、フリップフロップSR−FFの出力信号Q・QBはリセットされて非アクティブレベル(信号Qがローレベル、信号QBがハイレベル)となる。
したがって、データ信号線ドライバ41は、図27に示すようなシフトレジスタ回路SRCを用いる場合にも、上記したフリップフロップSRFFを用いる場合と略同様に動作する。
また、上記の説明では、シフトレジスタ回路SRCを双方向シフトレジスタ41aに備える場合について説明したが、これに限らず、例えば実施形態1のシフトレジスタ31aに備えてもよい。この場合には、セレクターSELaを省略してレベルシフタ制御回路CN(この場合、レベルシフタ制御回路でなく制御回路となるが、回路構成は同一である。)のIN2端子とCINB1端子(CINB端子)とを接続し、セレクターSELbを省略してインバータI2の入力端子とRB1端子(RB端子)とを接続すればよい。
また、表示部2とデータ信号線ドライバ41と走査信号線ドライバ4とは、同一基板上にモノシリックに形成されていてもよく、あるいは、それぞれ別々の基板上に形成されていてもよい。
また、本実施形態では、データ信号線ドライバ41を、液晶表示装置1に備える場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、有機EL表示装置など、配線容量を充電する必要のある表示装置であればどのような表示装置に適用してもよい。
以上のように、本発明の表示装置の駆動回路は、表示装置に設けられた複数の信号供給線のそれぞれに対して第1スイッチを備え、上記各信号供給線に対する書き込み信号の書き込みを上記各第1スイッチの導通により行う書き込み回路と、上記第1のスイッチを導通させるためのタイミングパルスを生成するパルス生成手段を複数段備え、上記各信号供給線に対するタイミングパルスを順次出力するシフトレジスタと、上記信号供給線のそれぞれに対して第2スイッチを備え、上記各信号供給線への予備充電を上記各第2スイッチの導通により行う予備充電回路とが設けられた表示装置の駆動回路において、上記各パルス生成手段は、それぞれの前段の上記パルス生成手段から出力される上記タイミングパルスを入力され、当該タイミングパルスが上記第1スイッチを導通させるアクティブレベルになった後、上記各パルス生成手段自身がアクティブレベルの上記タイミングパルスを出力するまでの期間中に、上記各パルス生成手段自身が出力するタイミングパルスに基づいて書き込みを行う上記信号供給線に対応する上記第2スイッチを導通させて当該信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスを出力することを特徴としている。
上記の構成によれば、上記各パルス生成手段は、自身が出力するタイミングパルスに基づいて書き込みを行う上記信号供給線に対応する上記第2スイッチを導通させて当該信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスを出力する。これにより、従来必要であった、初段の上記パルス生成手段もしくは初段および2段目のパルス生成手段が出力するタイミングパルスに基づいて書き込みを行う上記信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスを出力するためのダミー回路を設ける必要がなくなる。したがって、予備充電回路を内部に備えた表示装置の駆動回路の面積、および上記駆動回路の周囲に引き回す配線の面積を小型化することができる。
また、上記タイミングパルスの各出力ラインには、当該出力ラインに供される上記タイミングパルスのアクティブレベルのうち、当該タイミングパルスにて書き込みを行う上記信号供給線を予備充電するための上記予備充電用パルスが上記第2スイッチを導通させる上記予備充電用パルスのアクティブレベルとの重なり部分を除去する、重なり防止手段を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記タイミングパルスの各出力ラインに設けられた重なり防止手段が、各出力ラインに供される上記タイミングパルスのアクティブレベル期間のうち、当該タイミングパルスにて書き込みを行う信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスのアクティブレベル期間との重なり部分を除去する。したがって、例えば、予備充電用パルスのアクティブレベル期間の後端とタイミングパルスのアクティブレベル期間の前端とが同期するようなフリップフロップの出力を利用したとしても、予備充電用パルスのアクティブレベル期間とタイミングパルスのアクティブレベル期間とが重なることはなく、各信号供給線にそれぞれ設けられた対をなすサンプリング用の第1スイッチと予備充電用の第2スイッチとが、同時に導通することを確実に防止することができる。このため、書き込み信号と予備充電電位とが信号供給線上で衝突するといった事態の招来を確実に回避することができる。
また、上記各パルス生成手段から出力された予備充電用パルスを遅延させて上記各第2スイッチおよび上記各重なり防止手段に出力する遅延手段をさらに備え、上記重なり防止手段は、上記タイミングパルスのアクティブレベルのうち、上記遅延手段の出力する予備充電用パルスのアクティブレベルとの重なり部分を除去する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記重なり防止手段は、上記タイミングパルスのアクティブ期間のうち、上記遅延手段の出力する予備充電用パルスのアクティブ期間との重なり部分を除去する。したがって、上記タイミングパルスのアクティブ期間の前端が削られる量が大きくなるので、上記タイミングパルス同士の重なりを防止することができる。なお、タイミングパルス同士が重なると、ビデオ信号線に電位の揺れを生じるため、表示の均一性が低下するなどして画像品位を損なうこととなるが、上記のようにタイミングパルス同士の重なりを防止することにより、表示の均一性の低下を防止することができる。
また、上記各パルス生成手段は、当該各パルス生成手段よりも所定段数だけ後段のパルス生成手段の出力する上記タイミングパルスがアクティブレベルになった場合に、自身の出力する上記タイミングパルスを、上記第1スイッチを非導通とする非アクティブレベルとし、上記遅延手段による上記予備充電用パルスの遅延時間が、上記各パルス生成手段に対して所定段数だけ後段のパルス生成手段の出力する上記タイミングパルスがアクティブレベルになった後、上記各パルス生成手段の出力する上記タイミングパルスが非アクティブレベルになるまでの時間よりも長い構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記各パルス生成手段の出力するタイミングパルスのアクティブレベルと、当該各パルス生成手段に対して所定段数だけ後段のパルス生成手段の出力するタイミングパルスのアクティブレベルとの重なり部分を確実に除去することができる。したがって、表示の均一性の低下を確実に防止することができる。
また、上記各パルス生成手段は、上記タイミングパルスを出力するセット・リセット型のフリップフロップと、上記フリップフロップのセット信号を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、当該制御手段が備えられるパルス生成手段の前段のパルス生成手段の出力する上記タイミングパルスがアクティブレベルであって、当該制御手段が備えられるパルス生成手段の出力するタイミングパルスが非アクティブレベルである場合に、クロック信号またはクロック信号を変圧した信号を上記フリップフロップのセット信号とし、上記フリップフロップは、当該フリップフロップが備えられるパルス生成手段よりも所定段数だけ後段のパルス生成手段の出力するタイミングパルスをリセット信号とする構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記制御手段は、当該制御手段が備えられるパルス生成手段の前段の信号線選択手段の出力するタイミングパルスがアクティブレベルであって、当該制御手段が備えられるパルス生成手段の出力するタイミングパルスが非アクティブレベルである場合に、クロック信号またはクロック信号を変圧した信号を上記フリップフロップのセット信号とする。したがって、上記各パルス生成手段の前段のパルス生成手段に対応する信号供給線が書き込まれている期間であって、上記各パルス生成手段に対応する信号供給線に書き込みを開始する前の期間に、上記各パルス生成手段に対応する信号供給線を適切に予備充電することができる。
また、奇数段目の上記パルス生成手段では、正転クロック信号または反転クロック信号のいずれか一方の信号を上記クロック信号として用い、偶数段目の上記パルス生成手段では、上記クロック信号として他方の信号を用いる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記クロック信号の振幅が小さくても、レベルシフトが必要な場合に、正転クロック信号と反転クロック信号を用いることができるので、安定してレベルシフトすることが可能となる。
また、上記シフトレジスタは、上記複数段のパルス生成手段がタイミングパルスを順次出力するシフト方向を切り替え可能な双方向シフトレジスタであり、上記各パルス生成手段は、当該各パルス生成手段に対して上記シフト方向の前段となるパルス生成手段の出力するタイミングパルスを選択して上記制御手段に入力する第1セレクター手段と、当該各パルス生成手段に対して所定段数だけ上記シフト方向の後段となるパルス生成手段の出力するタイミングパルスを選択して上記フリップフロップにリセット信号として入力する第2セレクター手段とを備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、双方向シフトレジスタを備え、上記信号線に順次に書き込む方向を切り替え可能な表示装置の駆動回路において、例えば特許文献3の電気光学装置の駆動回路に備えられるような、予備充電する信号線を選択するためのプリチャージ信号切替回路を設ける必要がなくなる。したがって、表示装置の駆動回路のサイズを小さくできる。
また、上記各タイミングパルスの出力ラインの数と、上記各予備充電用パルスの出力ラインの数と、上記信号供給線の数とが対応しており、上記各第2スイッチを順次に導通させるとともに、上記各第1スイッチの導通期間が当該各第1スイッチの導通によって書き込みを行う信号供給線に対応する上記第2スイッチの導通期間と重ならないように、上記各第1スイッチを順次に導通させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、従来必要であった、初段の上記パルス生成手段、もしくは、初段および2段目のパルス生成手段が出力するタイミングパルスに基づいて書き込みを行う上記信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスを出力するためのダミー回路を設ける必要がなくなる。したがって、予備充電回路を内部に備えた表示装置の駆動回路の面積、および上記駆動回路の周囲に引き回す配線の面積を小型化することができる。
また、上記各タイミングパルスの出力ラインの数と、上記各予備充電用パルスの出力ラインの数と、上記信号供給線の所定本数を1単位とするグループ数とが対応しており、上記各第2スイッチを上記グループ内で同時かつ上記グループごとに順次に導通させるとともに、上記第1スイッチの導通期間が上記第2スイッチの導通期間と重ならないように、上記各第1スイッチを上記グループ内で同時かつ上記グループごとに順次に導通させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記各パルス生成手段の出力するタイミングパルスにより信号供給線を複数本ずつ順次に書き込みを行う、いわゆる多点同時駆動方式の駆動回路、あるいは相展開方式の駆動回路において、初段の上記パルス生成手段、もしくは、初段および2段目のパルス生成手段が出力するタイミングパルスに基づいて書き込みを行う上記信号供給線を予備充電するための予備充電用パルスを出力するためのダミー回路を設ける必要がなくなる。したがって、表示装置の駆動回路のサイズを小さくできる。なお、多点同時駆動方式の駆動回路や相展開方式の駆動回路では、駆動回路の周りを引き回す配線数が多いので、駆動回路のサイズを小さくすることにより、その駆動回路が備えられる表示装置における非表示領域の面積を特に効果的に削減できる。
また、本発明の表示装置は、複数の画素と、上記画素に対応して設けられる複数の信号供給線としてのデータ信号線および複数の信号供給線としての走査信号線と、書き込み信号としてのビデオ信号を上記データ信号線および上記画素に書き込むデータ信号線ドライバと、上記ビデオ信号を書き込む画素を選択するために上記走査信号線に書き込み信号としての走査信号を書き込む走査信号線ドライバとを備えた表示装置であって、上記したいずれかの表示装置の駆動回路を、上記データ信号線ドライバとして備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、表示装置の駆動回路のサイズを小さくすることができるので、表示部における額縁面積、すなわち非表示領域の面積を小さくし、表示エリアの広い表示装置を実現できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。すなわち、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。