JP4610861B2 - 現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に用いる現像装置、この現像装置を備えた画像形成装置及びこの現像装置を備えたプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真式や静電記録式等の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルト等の潜像担持体上に画像情報に対応した静電潜像を形成し、その静電潜像に対して現像装置による現像を行うことにより可視像を得る。近年では、このような現像を行うにあたり、転写性、ハーフトーンの再現性、温度及び湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を用いた二成分現像方式を利用するのが主流になっている。この二成分現像方式を利用する現像装置では、現像剤を現像剤担持体上にブラシ状に穂立ちさせて保持しつつ、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像領域に搬送する。そして、その現像領域において、そのブラシ状の現像剤を潜像担持体表面を接触させ、現像剤中のトナーを潜像担持体上の静電潜像部分に供給し、静電潜像を現像するいわゆるブラシ式現像を行う。
【0003】
このようなブラシ式現像を行う現像装置における現像剤担持体は、通常、円筒状に形成された現像スリーブと、現像スリーブ内部に固定配置される複数の磁極を備えた磁石ローラとから構成されている。この磁石ローラは、現像スリーブ表面に現像剤を穂立ちさせる磁界を形成するためのものである。この磁石ローラに対して現像スリーブが相対移動することで、現像スリーブ表面に穂立した現像剤が搬送される。現像領域において、現像スリーブ上の現像剤は、磁石ローラがもつ現像磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちする。穂立ちしてブラシ状となった現像剤は、現像スリーブの表面移動に伴って撓むようにして潜像担持体表面に接触し、静電潜像にトナーを供給する。
【0004】
このような現像装置においては、現像領域において潜像担持体と現像スリーブとの距離を近接させるほど、高い画像濃度を得やすく、またエッジ効果も少ないことが知られている。このため、潜像担持体と現像スリーブとの距離を近接させることが望ましい。しかし、この距離を近接させると、黒ベタ画像やハーフトーンのベタ画像の後端部が白く抜ける、いわゆる「後端白抜け」と呼ばれる現象が発生したり、細線再現性が悪化したりして、画質が劣化するという不具合が生じる。
【0005】
現像領域における現像スリーブの表面移動方向は、潜像担持体に連れ回る方向であり、その線速は潜像担持体の線速よりも速く設定されるのが一般的にである。この場合、磁気ブラシは潜像担持体上の静電潜像を追い越しながら摺擦するように静電潜像に対して相対移動する。すなわち、潜像担持体表面は、現像領域を通過する間に複数の磁気ブラシに順次追い越されるように摺擦される。画像後端位置に対応する潜像担持体上の静電潜像部分(潜像後端部分)に着目すると、この潜像後端部分を順次摺擦する複数の磁気ブラシは、次のようにトナー供給能力が順次小さいものになる。
【0006】
図20(a)乃至(c)は、上記現像装置において後端白抜け等の画質劣化が発生するメカニズムを説明するための説明図である。図20(a)乃至(c)は、その順に、潜像担持体である感光体ドラム20の表面に対して次第に近づいてくるブラシ状の現像剤(磁気ブラシ)の先端の動きを時系列で表示している。なお、図示の状態は、感光体ドラム20と現像スリーブとが対向する現像領域において、ちょうど非潜像部分Fと黒ベタ画像の潜像部分Gとの境界を現像している部分を示しており、感光体ドラム20の回転方向下流側には現像されたばかりのトナー像が形成されている。上記後端白抜けは、この潜像後端部分Eで発生する。ここで、感光体ドラム20は、実際には図中矢印の方向に回転しているが、上述したように現像スリーブが感光体ドラム20よりも早く移動しているため、磁気ブラシは感光体ドラム20の表面を摺擦していく。よって、図20(a)乃至(c)においては、感光体ドラム20が静止しているものとして図示を簡略化している。
【0007】
現像領域に進入した後に潜像後端部分Eを摺擦する磁気ブラシは、図20(a)に示すように、感光体ドラム20上で感光体ドラム表面移動方向上流側に位置する非潜像部分Fに対向してきたものである。そのため、この磁気ブラシの先端部分では、上記非潜像部分Fに対向していた期間に、キャリア3bの表面に付着していたトナー3aが非潜像部分Fから受ける静電力で現像スリーブ側に移動するトナードリフトが生じている。このトナードリフトは、上記非潜像部分Fに対向する期間が長いほど進行する。よつて、現像領域の感光体ドラム表面移動方向下流側で潜像後端部分Eを摺擦する磁気ブラシほど、上記非潜像部分Fに対向してきた期間が長くてトナードリフトが進行し、その先端部のキャリア3bの表面に付着するトナー3aが少なく、トナー供給能力が小さいものになる。
そして、潜像後端部分Eが現像領域を脱出するとき、この潜像後端部分Eを摺擦する磁気ブラシは、図20(b)に示すように、先端部のキャリア3bの表面にトナー3aがほとんど存在しない状態になる。このような程度までトナードリフトが進行した磁気ブラシは、トナー3aが付着していない磁気ブラシの先端部のキャリア3bの表面に、潜像後端部分Eに付着しているトナーを静電的に引きつけるものとなる。この結果、潜像後端部分Eについては、現像領域中で磁気ブラシにより一旦トナー3aが供給されても、このトナー3aが現像領域を脱出するまでに、キャリア3bの表面にトナー3aがほとんどなくなった他の磁気ブラシの先端部分に移ってしまう。これにより、後端白抜けや細線再現性の低下が生じるものと考えられる。
【0008】
本出願人は、特許文献1、特許文献2、特許文献3等において、後端白抜けや細線再現性の低下を抑制するための発明を提案している。これらの公報で提案した発明では、現像領域における法線方向磁束密度の減衰率や、現像領域で現像剤を穂立ちさせるための主磁極と隣り合う磁極との角度間隔、主磁極の半値中央角などを所定値に規定している。具体的な構成としては、例えば、上述した現像磁極を、N極からなる1つの主磁極と、この主磁極の現像スリーブの表面移動方向上流側及び下流側に近接するように配置されるS極からなる2つの補助磁極とから構成する。更に、本出願人は、現像ニップ及び磁気ブラシ密度の設定(特許文献4参照)や主磁極の半値角度幅(半値中央角ともいう。)の設定(特許文献5参照)等をして、画質改善を実現する発明も提案している。
これらの発明によれば、後端白抜け現象及び細線再現性の改善を図ることができることが確認されている。
【0009】
上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3等の現像装置(以下、「SLIC式現像装置」という。)により、後端白抜け現象及び細線再現性を改善できるのは、以下の理由によるものと考えられる。
図21(a)は、現像磁極が1つの磁極P1からなる従来の現像装置における現像領域近傍の磁力分布を示す説明図である。また、図21(b)は、その現像磁極P1により形成される磁界から磁力を受けて穂立ちした現像剤からなる磁気ブラシを現像スリーブ81の軸方向から見たときの形状を示す説明図である。
図22(a)は、現像磁極が1つの主磁極P1bと2つの補助磁極P1a,P1cからなるSLIC式現像装置における現像領域近傍の磁力分布を示す説明図である。また、図22(b)は、これらの磁極P1a,P1b,P1cにより形成される磁界から磁力を受けて穂立ちした現像剤からなる磁気ブラシを現像スリーブ81の軸方向から見たときの形状を示す説明図である。
【0010】
図21(a)及び(b)に示す従来の現像装置では、N極の現像磁極に隣り合うS極の磁極としては、現像領域に対して現像スリーブ81の表面移動方向下流側に位置する領域で現像剤を搬送するための磁界を形成する磁極P2がある。また、現像スリーブ81上に汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送するための磁界を形成する磁極P7も存在する。これらの磁極P2,P7は、現像磁極P1から比較的離れた位置に配置されるので、現像領域における磁界の磁力分布は、図21(a)に示すように、現像磁極P1から出る磁力線が現像スリーブ表面から比較的離れた位置を通るようになる。そして、現像スリーブ81上に担持されて現像領域まで搬送されてきた現像剤は、図21(b)に示すように、その磁力線に沿って穂立ちし、磁気ブラシを形成する。
【0011】
一方、図22(a)及び(b)に示すSLIC式現像装置では、N極の主磁極P1bに隣り合うS極の磁極として、2つの補助磁極P1a,P1cがある。主磁極P1bとこれらの補助磁極P1a,P1cとの距離は、図21(a)及び(b)に示した従来の現像装置における上記現像磁極とこれに隣り合う両磁極P2,P7との距離より小さい。このため、図22(a)に示すように、現像領域における磁界の磁力分布は、図21(a)に示す従来の現像装置の現像磁極による磁界の分布に比べ、主磁極P1bから出る磁力線が現像スリーブ表面に近い位置を通る。また、主磁極P1bから出る磁力線の多くが、隣り合う磁極としての2つの補助磁極P1a,P1cに向かう。これらの結果、磁気ブラシの形成に関与する現像スリーブ表面の法線方向に近い方向に向かう磁力線(以下、「穂立ち用磁力線」という。)の本数が、同じ本数の磁力線が生じる従来の現像装置に比べて少なくなる。その穂立ち用磁力線が存在する現像スリーブ81の表面移動方向における幅(穂立ち幅)も狭くなる。そのため、図21(b)と図22(b)との比較からもわかるように、現像領域に搬送されてきた現像剤の穂立ち開始位置は、従来の現像装置よりも現像領域における現像スリーブ表面移動方向の中心(以下、単に「中心」という。)に近づく。また、現像スリーブ81の表面に担持された状態で現像領域を通過する現像剤の穂立ち終了位置も、同様にして、従来の現像装置よりも現像領域の中心に近づくことになる。すなわち、現像スリーブ81上の現像剤が、従来の現像装置よりも現像領域の中心から近い地点で穂立ちを開始し、また、穂立ちを終了するようになる。この結果、現像スリーブ81上の磁気ブラシが感光体ドラム20に近接又は接触する期間が従来の現像装置よりも短くなる。これに応じて、潜像後端部分Eが感光体ドラム表面の移動で現像領域を脱出するときにこの潜像後端部分Eを摺擦する磁気ブラシが、それまで非潜像部分Fに近接又は接触していた期間も、従来の現像装置より短くなる。よって、現像領域を脱出するときに感光体ドラム20の潜像後端部分Eを摺擦する磁気ブラシのトナードリフトの進行度合いを小さくでき、従来の現像装置に比べ、後端白抜け及び細線再現性の低下を抑制することができる。
【0012】
また、上記SLIC式現像装置においては、N極の主磁極P1bに2つのS極の補助磁極P1a,P1cが近接して配置されているので、現像スリーブ81の表面からその法線方向に離れた位置での現像領域内の磁力線は、従来の現像装置に比べて疎となる。このため、現像スリーブ81の表面からその法線方向に離れた位置(例えば、従来装置における磁気ブラシの先端部分が存在する位置)での現像領域内における法線方向磁束密度は、SLIC式現像装置の方が従来の現像装置より小さくなる。したがって、SLIC式現像装置では、磁気ブラシを構成する現像剤の多くが磁束密度の高い現像スリーブ81の表面近傍に引き寄せられ、図22(b)に示すように、磁気ブラシの長さは従来の現像装置に比べて短いものとなる。
【0013】
更に、上記SLIC式現像装置を実際に使用する場合、現像領域に供給される現像剤の量は、現像領域を通過する間に穂立ちすることができる現像剤の最大量よりも少なく設定される。すなわち、SLIC式現像装置においては、本来であればもっと長い磁気ブラシを形成できるところ、現像領域に供給される現像剤の量を少なめにして磁気ブラシの長さをより短く規制する。これにより、現像スリーブ81の表面に近い磁束密度の高い領域に磁気ブラシの先端部分が位置することになり、その磁気ブラシの先端部分では、従来の現像装置における磁気ブラシの先端部分よりもブラシ密度が高いものとなる。そして、磁気ブラシが短くなった分だけ現像スリーブ81の表面と感光体ドラム20の表面との最小間隔(以下、「現像ギャップ」という。)Pgを狭くすることで、従来装置よりも現像スリーブ81の表面に近い磁束密度の高い領域に存在する密度の高いブラシ部分で感光体ドラム20を摺擦することができる。
【0014】
尚、上記SLIC式現像装置では、上述のように、現像剤の穂立ち開始位置及び現像剤の穂立ち終了位置が、従来の現像装置よりも現像領域の中心に近づくことになる。このため、図22(b)に示すように、現像領域において磁気ブラシが潜像担持体を摺擦する部分の現像スリーブ表面移動方向の幅(摺擦幅)Pnが従来の現像装置よりも狭くなる。そのため、磁気ブラシによる摺擦で感光体ドラム20上の潜像部分に供給されるトナー量は、摺擦する部分のブラシ密度が同じであれば、従来の現像装置よりも減少する。しかし、SLIC式現像装置を用いれば、上述したように、感光体ドラム20に接触する磁気ブラシの先端部分のブラシ密度を従来の現像装置よりも高くできる。よって、感光体ドラム20上の潜像部分に供給されるトナー量が従来の現像装置に比べて減るのを抑制することができる。
以上から、摺擦幅Pnが従来の現像装置よりも狭くなっても、現像領域における感光体ドラム20の線速に対する現像スリーブ81の線速比を高めるなどにより、静電潜像に供給されるトナー量を十分に確保することが可能である。よって、後端白抜けを抑制し、細線再現性を高め、かつ、画像濃度の高い高品質な画像を提供することが可能である。
【0015】
ところで、上記SLIC式現像装置においては、上述したように、現像剤は、現像領域を通過する間に、穂立ちして磁気ブラシを形成した後、穂倒れするという動きを見せる。この動きにおいて、穂倒れ状態から穂立ち状態に移行する時間、及び、穂立ち状態から穂倒れ状態に移行する時間は、従来の現像装置よりも短いものとなる。すなわち、SLIC式現像装置では、現像剤が急激に穂立ちし、また急激に穂倒れする。そのため、穂倒れ状態から穂立ち状態に移行するとき、及び、穂立ち状態から穂倒れ状態に移行するときに、磁気ブラシの先端部分には、現像スリーブ81から離れる向きに比較的大きな遠心力が働く。しかも、上述したように、静電潜像に供給されるトナー量を十分に確保すべく現像スリーブ81の表面移動速度を高めた場合には、穂立ち又は穂倒れ時の遠心力に加え、現像スリーブ81の表面移動による遠心力も働くことになる。その結果、穂立ち時及び穂倒れ時に、磁気ブラシの先端部を構成するキャリア3bが現像剤中から離脱することがある。このように離脱するキャリア3bは、その離脱時に感光体ドラム20の表面に向かう初速度をもつ。しかも、感光体ドラム20と現像スリーブ81との間に形成される現像電界や、感光体ドラム上に既に現像されたトナー像からの静電力などを受けて、感光体ドラム表面に向かう力も受ける。その結果、現像剤から離脱したキャリア3bは、感光体ドラム表面、特に非潜像部分と潜像部分との境界付近に付着する。
【0016】
キャリア3bが感光体ドラム表面に付着する場合であっても、このキャリアが穂立ち時に離脱したキャリアであれば、そのキャリアはその後にやってくる現像剤に摺擦されることで現像剤中に回収されるため、特に問題とならない。しかし、穂倒れ時に離脱したキャリア3bは、その後にやってくる現像剤に摺擦される前に、現像剤による摺擦領域を通過してしまうため、感光体ドラム表面に付着したままとなってしまう。そのため、キャリア3bが付着した感光体ドラム上の表面部分に対応する画像中に、例えばベタ画像中の白ポチが発生するなどの画質劣化を発生させるという問題が生じる。また、感光体ドラム表面をクリーニングブレードによってクリーニングする際にキャリア3bが感光体ドラム表面に押し付けられて感光体ドラム表面が傷つき、異常画像を引き起こすという問題もある。したがって、感光体ドラム表面にキャリア3bが付着する現象(以下、「キャリア付着」という。)を抑制又は防止することは極めて重要な課題である。
【0017】
しかも、近年では高画質化の要請が高まり、トナー3aの小径化が進んだことに伴って、キャリア3bの粒径も小さくなっている。その結果、キャリア3bの磁気モーメントは、その帯電量に対して相対的に小さくなっている。上述したキャリア付着は、現像剤から離脱したキャリア3bが、現像スリーブ内の磁石ローラがもつ現像磁極により形成される磁界によって現像スリーブ側に引き寄せる磁力よりも、感光体ドラム側に引きつけられる静電力が上回ったときに発生する。したがって、キャリア3bの小径化が進んだ近年では、上記キャリア付着が起きやすい状況となっている。SLIC式ではない従来の現像装置では、上述したように磁気ブラシの先端部分でトナードリフトが生じるため、その先端部分を構成するキャリアが感光体ドラム表面に対して露出する。露出したキャリアは感光体ドラム表面に向かう静電力を受けやすいため、このキャリアを現像スリーブ側に引き寄せる磁力よりも、このキャリアを感光体ドラム側に引きつけられる静電力が上回りやすく、現像剤からキャリアが離脱しやすい。一方、SLIC式現像装置では、図22(a)に示したように、主磁極P1bから出る磁力線の多くが現像スリーブ表面に近い位置を通り、穂倒れ時に磁気ブラシの先端部分が存在する領域(以下、「キャリア離脱領域」という。)では、その磁力線が疎となる。そのため、キャリア離脱領域での磁束密度は小さい。SLIC式現像装置では、トナードリフトが生じにくいため、キャリアが受ける感光体ドラム側への静電力は比較的小さいものと考えられるが、それ以上にキャリアを現像スリーブ側に引き寄せる磁力が小さくなる。そのため、SLIC式現像装置は、従来の現像装置よりも現像剤からキャリアが離脱しやすく、キャリア付着が起きやすい。
【0018】
そこで、本出願人は、特許文献6において、このようなキャリア付着を抑制し得る現像装置を提案している。この現像装置は、図22(a)及び(b)に示した主磁極P1bと、その現像スリーブ表面移動方向下流側に位置する補助磁極P1cとの間における法線方向磁束密度と接線方向磁束密度のベクトル和を85[mT]以上とすることで、上述したキャリア付着の抑制を試みている。なお、この特許文献6には明記されていないが、ここでいう法線方向磁束密度とは、現像スリーブ表面の法線方向における現像スリーブ表面上の磁束密度を意味し、接線方向磁束密度とは、現像スリーブ表面移動方向における現像スリーブ表面上の磁束密度を意味する。
【0019】
【特許文献1】
特開2000―305360号公報
【特許文献2】
特開2000―347506号公報
【特許文献3】
特開2001−5296号公報
【特許文献4】
特開2001−27849号公報
【特許文献5】
特開2001−134100号公報
【特許文献6】
特開2002−287501号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、キャリア付着を抑制することは極めて重要な課題であるため、その抑制効果を更に高めることは非常に重要である。また、上記引用文献6に係る特許出願の出願時よりも、キャリア粒径の小径化が進んだ結果、キャリア付着が更に起きやすい状況となっている。具体的には、上記引用文献6において想定していた体積平均粒径が55[μm]であるキャリアよりも、更に小径化が進み、体積平均粒径が35[μm]以下のキャリアが実現されている。よって、このような小径のキャリアに対しても十分にキャリア付着を抑制できるように、その抑制効果を高める必要も生じている。
【0021】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤中のキャリアが小径であっても、そのキャリアが潜像担持体表面に付着するのを十分に抑制することが可能な現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を表面に担持して表面移動する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を、トナーと磁性粒子を含む現像剤により現像する現像手段とを備え、該潜像担持体上のトナー像を記録材上に転位させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像手段は、上記潜像担持体と対向するように形成された開口部を有するケーシングと、該ケーシングの開口部からその表面の一部が露出するように配設され、トナーと磁性粒子を含む現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを有し、上記潜像担持体の表面と、露出した上記現像剤担持体の表面とが対向する現像領域で、該潜像担持体の表面との最近接部に配置した現像剤担持体内部の現像磁極により該現像剤担持体上の現像剤を穂立ちさせて該現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、対向する該潜像担持体の表面に該磁気ブラシを接触させて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置であり、上記現像磁極から、該現像磁極とは逆極性であって該現像磁極との配置角度幅が35[°]以下で隣り合うように現像剤担持体表面移動方向下流側に配置された他の磁極までの現像剤担持体表面上で、現像剤担持体表面法線方向における磁束密度と、該現像剤担持体表面移動方向における磁束密度とを合成したものの絶対値が、単調増加するように、上記現像装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm2]以上95[mg/cm2]以下であり、上記現像磁極により該現像領域の現像剤担持体表面外側に生じる磁束の該現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の減衰率が40[%]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm2]以上95[mg/cm2]以下であり、上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度の半分の磁束密度となる該現像剤担持体表面上の半値点を、該現像領域における該現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの該現像剤担持体の表面移動方向における半値点間の角度幅が25[°]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載画像形成装置において、上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm1とし、上記他の磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm2としたとき、下記の関係式を満たすように構成したことを特徴とするものである。
100[mT]≦Bm1≦Bm2≦160[mT]
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載画像形成装置において、上記磁性粒子として、体積平均粒径が20[μm]以上50[μm]以下であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記磁性粒子として、熱可塑性樹脂及びメラミン樹脂を架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有した樹脂コート膜を磁性体の芯材に対してコーティングしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記現像剤担持体を上記現像領域で上記潜像担持体の表面移動方向と同方向かつ該潜像担持体表面の線速よりも大きい線速で表面移動させて、該現像剤担持体上の磁気ブラシを該潜像担持体の表面に摺擦させて現像を行うことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潜像担持体表面と上記現像剤担持体表面との間の最小間隔を、0.1[mm]以上0.4[mm]以下としたことを特徴とするものである。
また、請求発明は潜像を表面に担持して表面移動する潜像担持体と、トナーと磁性粒子を含む現像剤により該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、一体になって構成さ像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッにおいて、上記現像手段は、上記潜像担持体と対向するように形成された開口部を有するケーシングと、該ケーシングの開口部からその表面の一部が露出するように配設され、トナーと磁性粒子を含む現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを有し、上記潜像担持体の表面と、露出した上記現像剤担持体の表面とが対向する現像領域で、該潜像担持体の表面との最近接部に配置した現像剤担持体内部の現像磁極により該現像剤担持体上の現像剤を穂立ちさせて該現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、対向する該潜像担持体の表面に該磁気ブラシを接触させて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置であり、上記現像磁極から、該現像磁極とは逆極性であって該現像磁極との配置角度幅が35[°]以下で隣り合うように現像剤担持体表面移動方向下流側に配置された他の磁極までの現像剤担持体表面上で、現像剤担持体表面法線方向における磁束密度と、該現像剤担持体表面移動方向における磁束密度とを合成したものの絶対値が、単調増加するように、上記現像装置を構成したことを特徴とするのである。
また、請求項10の発明は、請求項9のプロセスカートリッジにおいて、上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm 2 ]以上95[mg/cm 2 ]以下であり、上記現像磁極により該現像領域の現像剤担持体表面外側に生じる磁束の該現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の減衰率が40[%]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9のプロセスカートリッジにおいて、上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm 2 ]以上95[mg/cm 2 ]以下であり、上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度の半分の磁束密度となる該現像剤担持体表面上の半値点を、該現像領域における該現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの該現像剤担持体の表面移動方向における半値点間の角度幅が25[°]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9乃至11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm 1 とし、上記他の磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm 2 としたとき、下記の関係式を満たすように構成したことを特徴とするものである。
100[mT]≦Bm 1 ≦Bm 2 ≦160[mT]
また、請求項13の発明は、請求項9乃至12のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、上記磁性粒子として、体積平均粒径が20[μm]以上50[μm]以下であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13のプロセスカートリッジにおいて、上記磁性粒子として、熱可塑性樹脂及びメラミン樹脂を架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有した樹脂コート膜を磁性体の芯材に対してコーティングしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項9乃至14のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、上記現像剤担持体を上記現像領域で上記潜像担持体の表面移動方向と同方向かつ該潜像担持体表面の線速よりも大きい線速で表面移動させて、該現像剤担持体上の磁気ブラシを該潜像担持体の表面に摺擦させて現像を行うことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項9乃至15のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、上記潜像担持体表面と上記現像剤担持体表面との間の最小間隔を、0.1[mm]以上0.4[mm]以下としたことを特徴とするものである。
ここで、上記配置角度幅とは、上記現像磁極及び上記他の磁極により現像剤担持体の表面に発生する現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の最高値をそれぞれ示す現像剤担持体表面の各点を、現像領域における現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの、現像剤担持体表面移動方向における角度幅をいう。
【0023】
上記請求項1乃至の画像形成装置、請求項9乃至16のプロセスカートリッジは、現像領域において現像剤を穂立ちさせて潜像担持体の表面に接触する磁気ブラシを形成するための磁界を形成するための現像磁極を有する。また、現像磁極の現像剤担持体表面移動方向下流側には、現像磁極とは逆極性の他の磁極が配置角度幅35[°]以下で現像磁極に隣り合うように配置されている。そして、現像磁極から他の磁極までの現像剤担持体表面上において、現像剤担持体表面法線方向における磁束密度(法線方向磁束密度)と、現像剤担持体表面移動方向における磁束密度(接線方向磁束密度)とを合成したものの絶対値が単調増加するように構成されている。このように構成することで、キャリア付着を効果的に抑制することが可能であることが本発明者らの研究により確認されている。その詳細は後述する実験例1にて説明するが、このように単調増加していれば、上述したキャリア離脱領域に存在するキャリア(磁気ブラシの先端部分を構成するキャリア)を現像剤担持体側に引き寄せる磁力が高まるため、キャリア付着を効果的に抑制できるものと考えられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。本実施形態1の複写機は、各色ごとに潜像担持体としての感光体ドラムを備えたいわゆるタンデム型のカラー複写機であるが、これに限られるものではない。
【0025】
まず、本実施形態1に係る複写機全体の構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
【0026】
図3は、複写機本体100部分の構成を示す拡大図である。複写機本体100には、無端ベルト状の像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、図2に示すように、潜像形成手段としての露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を記録材としての転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。また、2次転写装置22の2次転写ベルト24による転写紙搬送方向下流側には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、記録材としての転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
【0027】
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18Kを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18Kの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「K」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置80及び感光体クリーニング装置63が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
【0028】
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0029】
また、上記現像装置80は、磁性粒子である磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。この現像装置80は、現像剤担持体としての現像スリーブ81の表面の一部を感光体ドラム20に対向させるための開口部が設けられたケーシング84を備えている。このケーシング84の内部には、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)が収容されている。現像スリーブ81は、表面に現像剤を担持した状態で、感光体ドラム20の回転に対して連れ回り方向に回転駆動する。ケーシング84の内部空間には、現像スリーブ81の回転軸方向に現像剤を搬送する搬送部材としての2本の搬送スクリュー82a,82bが設けられている。この2本の搬送スクリュー82a,82bは、回転軸に固定されたフィンを回転させることで、現像剤を攪拌しながら、現像スリーブ81の回転軸方向と平行な方向にに搬送する。なお、各搬送スクリュー82a,82bは、互いに逆向きに現像剤を搬送するように構成されている。2本の搬送スクリュー82a,82bの間には、現像スリーブ回転軸方向両端部で互いが連通するように仕切っている仕切り部材84aがケーシング84と一体的に形成されている。これにより、2本の搬送スクリュー82a,82bの両端部領域には、一方の搬送スクリュー82a,82bの搬送終了端部まで搬送された現像剤を他方の搬送スクリュー82b,82aの搬送開始端部まで移動させるための移動通路が形成される。よって、各搬送スクリュー82a,82bにより現像剤がその搬送終了端部まで搬送されると、その現像剤は移動通路を通って他方の搬送スクリュー82b,82a側に移動し、今度は逆向きに搬送され、内部空間内を現像剤が循環する。なお、現像装置80の構成及び動作についての詳細は後述する。
【0030】
また、上記1次転写装置62は、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20に押し当てるようにして設置されている。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態1では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、図示しないトナーリサイクル装置を通じて現像装置80へと戻され、再利用する。
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
【0031】
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置80により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0032】
次に、本実施形態1における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、図2に示した原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
【0033】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kも回転駆動する。なお、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの駆動機構の詳細は後述する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づいて、露光装置21から、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置80Y,80C,80M,80Kにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0034】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
【0035】
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。レジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙は、排出ローラ56により排紙トレイ57に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙の搬送経路を切換爪55により切り換える。そして、その転写紙は、2次転写装置22の下方に位置するシート反転装置28に送り込まれ、そこで反転し、再び2次転写部に案内される。
【0036】
次に、本発明の特徴部分である現像装置の構成及び動作について詳述する。なお、いずれの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kについても、その現像装置80Y,80C,80M,80Kの構成及び動作は同様であるので、以下、色の区別を示す記号については省略して説明する。
【0037】
図5は、本実施形態1における現像装置80を示す概略構成図である。
現像スリーブ81の内部には、複数の磁石を有する磁界発生手段としての磁石ローラ85が固定配置されており、現像スリーブ81は、この磁石ローラ85の周囲を回転駆動する。ケーシング84の内部空間A内を2本のスクリュー82a,82bによって攪拌しながら搬送循環している現像剤は、磁石ローラ85の磁界作用を受けて現像スリーブ81の表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ81の表面に磁力によって保持され、現像スリーブ81の回転に伴って搬送され、現像剤規制部材としてのドクターブレード83の先端と現像スリーブ81の表面との隙間(ドクターギャップ)によって適正な量に規制される。このドクタギャップは、現像領域に搬送される現像剤供給量に影響を与える。本実施形態1では、ドクタギャップを0.3[mm]に設定しているが、0.1[mm]以上0.4[mm]以下の範囲内であればよい。そして、本実施形態1では、ドクタギャップ近傍の磁界の強さやキャリアの飽和磁化値等の各種パラメータを調節して、現像領域への現像剤供給量を65[mg/cm]以上95[mg/cm]以下となるように設定している。ドクターギャップを通過した現像剤は、現像スリーブ81の回転に伴い、感光体ドラム20と対向する現像領域に搬送される。
【0038】
このようにして現像領域に搬送された現像剤は、磁石ローラ85による磁界の作用を受けて現像スリーブ81の表面上で穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。この現像領域では、現像スリーブ81に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。
【0039】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ81の回転に伴い、磁石ローラ85に設けられる現像剤剥離手段としての互いに隣り合う2つの同極性磁石P2,P3により形成される反発磁界により、現像スリーブ81の表面から剥離され、重力によって第1搬送スクリュー82aが搬送している現像剤内に取り込まれる。
【0040】
本実施形態1では、径が90[mm]である感光体ドラム20を、現像領域におけるドラム線速が245[mm/秒]となるように回転駆動させ、かつ、径が30[mm]である現像スリーブ81を、現像領域におけるスリーブ線速が377[mm/秒]となるように回転駆動させている。すなわち、本実施形態1では、ドラム線速に対するスリーブ線速の線速比を約1.54に設定している。
また、本実施形態1における現像ギャップは0.4[mm]に設定されている。従来の現像ギャップは、一般にキャリア粒径の10倍程度に設定されており、例えばキャリア粒径が50[μm]であれば0.65[mm]以上0.8[mm]以下程度であった。一方、本実施形態1では、従来に比べて主磁極の磁力が大きいため、キャリア粒径の30倍程度に設定することも可能である。しかし、本実施形態1であっても、現像ギャップをキャリア粒径の30倍程度よりも広くすると、所望の画像濃度を得ることが困難となる。
【0041】
次に、磁石ローラ85により形成される磁界について説明する。
本実施形態1における磁石ローラ85は、現像領域における現像剤を穂立ちさせるための磁界を形成する現像磁極としての主磁極P1bを備えている。また、この主磁極P1bに対して現像スリーブ81の表面移動方向上流側と下流側には、それぞれ補助磁極P1a,P1cが主磁極P1bに近接するように配置されている。各磁極P1a,P1b,P1cは、横断面の小さい磁石により構成されている。一般に、磁石の横断面を小さくすると磁力が弱くなるため、本実施形態1では、3つの磁極P1a,P1b,P1cを比較的磁力の強い希土類金属合金からなる磁石で構成している。希土類金属合金磁石のうち、代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石によれば、358[kJ/m]の最大エネルギー積を得ることができる。また、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石によれば、80[kJ/m]前後の最大エネルギー積を得ることができる。一般には、最大エネルギー積が36[kJ/m]前後、20[kJ/m]前後のフェライト磁石、フェライトボンド磁石等が用いられる。しかし、本実施形態1のように希土類金属合金磁石を用いれば、これらに比べて強い磁力を確保することができる。よって、横断面の小さい磁石を用いても、現像スリーブ81の表面の磁力を十分に確保することができる。
【0042】
図6は、磁石ローラ85の各磁極により現像スリーブ81の表面に発生するその表面の法線方向の磁束密度(以下、「法線方向磁束密度」という。)の分布を実線で示した円グラフである。また、図6に示す破線は、現像スリーブ81の表面からその法線方向に1[mm]離れた位置での法線方向磁束密度を示している。この円グラフを作成するために、ADS社製ガウスメーター(HGM−8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブを使用し、これらで測定した結果を円チャートレコーダにより記録した。
【0043】
本実施形態1において、法線方向磁束密度の減衰率とは、下記の数1で求められる値を意味する。このとき、数1中「X」は、現像スリーブ81の表面上に発生する法線方向磁束密度のピーク値を指し、「Y」は、現像スリーブ81の表面からその法線方向に1[mm]離れた位置での法線方向磁束密度のピーク値を指す。例を挙げると、現像スリーブ81の表面の法線方向磁束密度が100[mT]で、現像スリーブ81の表面から1[mm]離れた部分での法線方向磁束密度が80[mT]であるとき、その減衰率は20[%]となる。
【数1】
減衰率[%]={(X−Y)/X}×100
【0044】
次に、磁石ローラ85の磁極配置について説明する。
2つの補助磁極P1a,P1cは、主磁極P1bに対して現像スリーブ81の表面移動方向の上流側及び下流側に隣接する位置に設けられ、主磁極P1bとは反対極性をもつものである。本実施形態1では、2つの補助磁極P1a,P1c、現像スリーブ81上に現像剤を汲み上げるための磁界を形成する磁極P4、及び、ドクターギャップに現像スリーブ81上の現像剤を通過させるための磁界を形成する磁極P6を、N極で構成している。また、主磁極P1b、現像領域を通過した現像スリーブ81上の現像剤を剥離させるための反発磁界を形成する磁極P2,P3、上記磁極P4と同様に現像スリーブ81上に現像剤を汲み上げるための磁界を形成する磁極P5、及び、ドクターギャップを通過した現像剤を現像領域まで搬送するための磁界を形成する磁極P7を、S極で構成している。なお、これらの各磁極の極性を反対にしてもよい。また、磁石ローラ85が備える磁極の数は、適宜増減させることができる。
【0045】
上述した2つの補助磁極P1a,P1cは、主磁極P1cによる現像スリーブ81表面上の法線方向磁束密度の分布を調節するために利用される。具体的には、現像領域における現像スリーブ81表面の曲率中心軸すなわち現像スリーブ81の中心軸から見た現像スリーブ表面移動方向の半値点間の角度幅(以下、「半値角度幅」という。)を狭くするために利用される。ここで、半値角度幅とは、主磁極P1bを例に挙げると、図7に示すように、主磁極P1bにより現像スリーブ81の表面に発生する法線方向磁束密度の最高値Bm1の半分となる磁束密度を示す現像スリーブ81表面の2つの半値点を、現像スリーブ81の中心軸から見たときの現像スリーブ81の表面移動方向における角度幅θ1をいう。したがって、例えば、法線方向磁束密度の最高値が120[mT]である場合、半値角度幅θ1は、法線方向磁束密度がその半値である60[mT]となる現像スリーブ81表面の半値点を現像スリーブ81の中心軸から見たときの角度幅となる。本実施形態1では、主磁極P1bの半値角度幅θ1が25[°]以下となるように、主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cの磁気特性や配置などが設定されている。具体的には、現像磁極を構成する3つの磁極P1a,P1b,P1cの磁石における現像スリーブ表面移動方向の横断面の幅が2[mm]に設定されている。その結果、本実施形態1における主磁極P1bの半値角度幅は16[°]となる。主磁極P1bの半値角度幅が25[°]を越えると、後端白抜け等の異常画像が発生し得ることは確認されている。なお、補助磁極P1a,P1cの半値角度幅は、35[°]以下となるように設定されている。
【0046】
図8は、磁石ローラ85に設けられる主磁極P1b及び2つの補助磁極P1a,P1cの配置を示す説明図である。
本実施形態1では、主磁極P1bと各補助磁極P1a,P1cとの位置関係は、図示のように、主磁極P1bと各補助磁極P1a,P1cとの配置角度幅が35[°]以下となるように設定されている。この配置角度幅とは、主磁極P1b及び2つの補助磁極P1a,P1cにより現像スリーブ81の表面に発生する法線方向磁束密度の最高値Bm1,Bm2,Bm3をそれぞれ示す現像スリーブ81表面の各点を、現像領域における現像スリーブ81表面の曲率中心軸すなわち現像スリーブ81の中心軸から見たときの現像スリーブ表面移動方向におけるそれぞれの角度幅をいう。本実施形態1では、上述のように主磁極P1bの半値角度幅が16[°]であることから、主磁極P1bに対する各補助磁極P1a,P1cの配置角度幅を25[°]に設定している。
【0047】
更に、本実施形態1では、図8に示すように主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cにより現像スリーブ81の表面に発生する法線方向磁束密度が0[mT]となる4つの変極点のうち、現像スリーブ81の表面移動方向最上流側と最下流側に位置する2つの変極点間の角度幅を120[°]以下となるように構成されている。すなわち、2つの補助磁極P1a,P1cと、各補助磁極P1a、P1cにそれぞれ隣り合う磁極P2,P7との間に存在する変極点間の角度幅が120[°]以下となっている。
【0048】
以上のような主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cを備えた磁石ローラ85により生じる磁力線に沿って現像剤が穂立ちして、現像スリーブ81上に磁気ブラシが形成される。この磁気ブラシの中で、主磁極P1bによる磁界により形成されるブラシ部分のみが感光体ドラム20の表面に接触することになり、感光体ドラム20上の静電潜像の可視像化に寄与することになる。このとき、現像領域における磁気ブラシの長さは、約1[mm]となるように設定されている。尚、ここでいう磁気ブラシの長さは、感光体ドラム20を取り外した場合における長さであって、実際には、現像ギャップが0.4[mm]に設定されているので、現像領域における磁気ブラシの長さは、その現像ギャップに応じて短くなる。
【0049】
このように磁気ブラシの長さを短く形成できるのは、上述のように法線方向磁束密度の減衰率が大きいためである。その理由は、現像スリーブ81の表面上での法線方向磁束密度は高いが、減衰率が高いために、現像スリーブ81の表面から1[mm]離れた位置での法線方向磁束密度は急激に低くなる。このため、現像スリーブ81の表面付近の現像剤は強い磁界の作用を受けて密集するが、現像スリーブ81の表面から比較的離れたところでは磁界が弱いため現像剤が磁気ブラシを維持できないからである。また、本実施形態1では、上述したように、現像剤供給量を30[mg/cm]以上95[mg/cm]以下と少なめになるように設定している。これにより、本来であればもっと長い磁気ブラシを形成できるところ、現像剤供給量不足のため、磁気ブラシが短く規制される。そして、このように短く規制された結果、現像ギャップを0.4[mm]と設定することで、磁束密度の高い現像スリーブ81の表面付近で密集した現像剤からなるブラシ部分で感光体ドラム20の表面を摺擦することができる。尚、本実施形態1では、現像ギャップを0.4[mm]に設定しているが、これよりも短い範囲内であるのが望ましい。具体的には、0.1[mm]以上0.4[mm]以下の範囲内であればよい。この範囲内であれば、磁束密度の高い現像スリーブ81の表面付近で密集した現像剤からなるブラシ部分で感光体ドラム20の表面を摺擦することができる。
【0050】
また、本発明者らの研究の結果、主磁極P1bからその下流側に隣接する補助磁極P1cまでの、現像スリーブ表面上における法線方向磁束密度の絶対値と、現像スリーブ表面上における現像スリーブ表面移動方向の磁束密度(以下、「接線方向磁束密度」という。)の絶対値との和が単調増加するように構成すれば、本発明が課題とするキャリア付着を抑制するのに効果的であることが確認された。以下、具体的に説明する。
【0051】
〔実験例1〕
まず、本実施形態1に係る現像装置80と、この現像装置80よりも法線方向磁束密度が高い主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cを使用する現像装置とを用いて、キャリア付着の評価を行った実験例(以下、本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
なお、本実験例1では、体積平均粒径が35[μm]である小径のキャリアを用いた現像剤を使用した。また、本実験例1で用いる2つの現像装置は、主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cにより生じる磁束密度が異なる以外は同じ構成のものを用いている。
【0052】
図1は、本実施形態1に係る現像装置における、磁石ローラ85の各磁極P1a,P1b,P1c,P2〜P7により現像スリーブ81の表面に発生するその表面上の磁束密度の分布を示した円グラフである。また、図9は、本実施形態1よりも強い磁石からなる主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cを用いたときの現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフである。これらの円ブラフにおいて、細い実線は現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度を示し、破線は現像スリーブ表面上の接線方向磁束密度を示し、太い実線はこれらの法線方向磁束密度と接線方向磁束密度との和(以下、「合成磁束密度」という。)を示している。
本実施形態1に係る現像装置では、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm1は87.9[mT]であり、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm2は117.0[mT]であった。また、キャリア離脱領域に対応する現像スリーブ表面すなわち現像スリーブ表面上において法線方向磁束密度が0となる部分に生じる接線方向磁束密度Bm0は96.2[mT]であった。
一方、図9に示した比較用の現像装置では、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm1は116.3[mT]であり、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm2は117.9[mT]であった。また、キャリア離脱領域に対応する現像スリーブ表面すなわち現像スリーブ表面上において法線方向磁束密度が0となる部分に生じる接線方向磁束密度Bm0は98.9[mT]であった。
【0053】
本実験例1では、図1に示した本実施形態1に係る現像装置と、図9に示した比較用の現像装置とを用いてA3版の用紙にそれぞれベタ画像を形成した後、感光体ドラム表面上のキャリアを粘着テープで採取した。そして、この粘着テープで採取したキャリアの個数に基づいて、感光体ドラム20へのキャリア付着の評価を行った。なお、一般に、感光体ドラム表面の非潜像部分の電位(帯電電位)と、現像スリーブ表面の電位(現像電位)との差(以下、「地肌ポテンシャル」という。)が大きいほどキャリア付着が悪化することが知られている。よって、本実験例では、地肌ポテンシャルを調節して、互いに異なる6つの地肌ポテンシャルにおいてそれぞれキャリア付着数を測定した。
【0054】
図10は、本実験例1におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフである。このグラフに示すように、図1に示した本実施形態1に係る現像装置におけるキャリア付着数は、図9に示した比較用の現像装置よりも明らかに少ない。これにより、本実施形態1に係る現像装置の方が、比較用の現像装置よりもキャリア付着を抑制できていることが確認できる。
【0055】
〔実験例2〕
次に、本実施形態1に係る現像装置80と、この現像装置80よりも法線方向磁束密度が高い主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cを使用する現像装置とを用いて、キャリア付着の評価を行った実験例(以下、本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
なお、本実験例2では、上記実験例1と同様に、体積平均粒径が35[μm]である小径のキャリアを用いた現像剤を使用した。また、本実験例1で用いる2つの現像装置は、主磁極P1b及び補助磁極P1a,P1cにより生じる磁束密度が異なる以外は同じ構成のものを用いている。
【0056】
図11は、本実施形態1よりも強い磁石からなる主磁極P1bを用いたときの現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフである。図11に示した比較用の現像装置では、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm1は105.1[mT]であり、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm2は99.2[mT]であった。また、キャリア離脱領域に対応する現像スリーブ表面すなわち現像スリーブ表面上において法線方向磁束密度が0となる部分に生じる接線方向磁束密度Bm0は89.2[mT]であった。
【0057】
本実験例2では、図1に示した本実施形態1に係る現像装置と、図11に示した比較用の現像装置とを用いてA3版の用紙にそれぞれベタ画像を形成し、そのベタ画像中に存在する白ポチの個数を計測した。この白ポチは、感光体ドラム表面に付着したキャリアによって発生するものであるため、この白ポチの個数に基づいて、感光体ドラム20へのキャリア付着の評価を行った。その他の実験方法は、上記実験例1と同様である。
【0058】
図12は、本実験例2におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフである。このグラフに示すように、図1に示した本実施形態1に係る現像装置における白ポチ数は、図11に示した比較用の現像装置よりも明らかに少ない。これにより、本実施形態1に係る現像装置の方が、比較用の現像装置よりもキャリア付着を抑制できていることが確認できる。
【0059】
ここで、上述した実験例1及び実験例2における実験結果について考察する。一見すると、主磁極P1bに強い磁石が用いられている比較用の現像装置の方が、本実施形態1に係る現像装置よりもキャリアを現像スリーブ81側に拘束する磁力が強く、キャリア付着の抑制効果が高いように思われる。しかし、本発明者らの研究の結果、一般に使用される現像磁極による法線方向磁束密度の範囲内では、その法線方向磁束密度を高めてもキャリア付着の抑制効果はあまり高まらないことが判明した。そして、本発明者らは、上記実験例1や上記実験例2で説明した実験を含め、多数の実験を行ったところ、本実施形態1に係る現像装置のように、図1に示したような磁束密度の分布をもつ場合に、キャリア付着を抑制する効果が高まることを突き止めた。すなわち、主磁極P1bからその下流側に隣接する補助磁極P1cまでの、現像スリーブ表面上における法線方向磁束密度と接線方向磁束密度とを合成した合成磁束密度が単調増加するような磁束密度分布を得れば、キャリア付着を抑制するのに効果的であることが判明した。
【0060】
このように合成磁束密度が単調増加する磁束密度分布が、キャリア付着の抑制に効果的である理由は、次のように考えられる。
すなわち、キャリア付着を生じさせるキャリアは、上述したように、現像領域の中心を通過した後に穂倒れするときに働く遠心力や感光体ドラム20側に引きつける静電力等の合力が、磁石ローラ85の磁力による現像スリーブ81側への拘束力に勝ったときに現像剤から離脱したものである。したがって、図1に示した本実施形態1に係る現像装置は、図9や図11に示した比較用の現像装置に比べ、そのキャリア離脱領域における上記合力に対する上記拘束力が相対的に大きいものと考えられる。
【0061】
ここで、主磁極P1b及び下流側補助磁極P1cによって発生する磁界によって1個のキャリアに働く磁力をFとし、そのキャリアの双極子モーメント(磁気モーメント)をm(ベクトル)とし、そのキャリアが存在する位置での磁束密度をB(ベクトル)とすると、下記の数2に示す関係式が成り立つ。また、磁気モーメントmは、真空の透磁率をμ0とし、キャリアの比透磁率をμとし、キャリアの半径をdとすると、下記の数3に示す演算式から求めることができる。なお、この数3に示す演算式において、kはキャリアの粒径及びその組成で定まる定数である。
【数2】
Figure 0004610861
【数3】
Figure 0004610861
【0062】
そして、現像スリーブ81の軸方向をx方向とし、現像スリーブ表面移動方向におけるその表面の接線方向をy方向とし、現像スリーブ表面の法線方向をz方向とする。なお、y方向は現像スリーブが表面移動する向きを正とし、z方向は現像スリーブの中心軸から離れる向きを正とする。このとき、キャリアを現像スリーブ81側に拘束する拘束力となるのは、キャリアに働く磁力Fのz方向成分Fzである。そして、磁束密度Bのx方向成分Bxは0に近似できる。よって、キャリアを現像スリーブ81側に拘束する拘束力Fzは、上記数2及び上記数3に示した演算式より、下記の数4に示すとおりとなる。
【数4】
Fz ≒ k・{(By・(∂Bz/∂y)+Bz・(∂Bz/∂z)}
【0063】
上記数4に示す演算式から、上記キャリア離脱領域においてキャリアに働く拘束力Fzを求める。このキャリア離脱領域は、主磁極P1bと下流側補助磁極P1cとのちょうど真ん中の領域であって、磁気ブラシの先端部分が通過する部分である。そのため、このキャリア離脱領域では、磁力線の向きはほぼy方向に対して平行であり、磁束密度Bのz方向成分は0に近似できる。そうすると、キャリア離脱領域においてキャリアに働く拘束力Fzは、上記数4に示す演算式より、下記の数5に示すとおりとなる。
【数5】
Fz ≒ k・By・(∂Bz/∂y)
【0064】
ところで、現像領域の中心においては、磁気ブラシの本来の長さよりも現像ギャップPgの方が狭いため、磁気ブラシは短く規制された状態にある。そのため、磁気ブラシは、現像領域の中心を通過した後、現像領域の中心から離れるにつれて徐々に長くなる。したがって、磁気ブラシの先端部分は、現像領域の中心から離れるにつれて現像スリーブ表面から遠ざかることになる。したがって、磁気ブラシの先端部分を構成するキャリアに働く磁力は、現像領域の中心から離れるにつれて弱まることになる。なお、感光体ドラム20の表面も、現像領域の中心から離れるにつれて現像スリーブ表面から遠ざかるため、現像領域の中心から離れるにつれてキャリアに働く静電力も弱まることになる。しかし、この静電力の弱まる度合いは、磁気ブラシに働く磁力が弱まる度合いに比べて小さい。よって、現像領域の中心から離れるにつれて現像剤からキャリアが離脱しやすくなる。したがって、現像剤からのキャリア離脱を抑制するには、現像領域の中心から離れるほど拘束力Fzを強くする必要がある。
【0065】
上記数5に示す演算式から、キャリア離脱領域における拘束力Fzを高めるためには、キャリア離脱領域における磁束密度Bのy方向成分Byを高める必要がある。また、キャリア離脱領域において、キャリア離脱領域における磁束密度Bの絶対値は、下記の数6に示す演算式から求めることができ、その値は、そのy方向成分Byの絶対値に近似できる。そして、上述したように現像剤からのキャリア離脱を抑制するには現像領域の中心から離れるほど拘束力Fzを強くする必要があることを考慮すると、キャリア離脱領域において磁束密度Bの絶対値が現像領域の中心から離れるほど大きくなれば、現像剤からのキャリア離脱を抑制することができることになる。なお、このキャリア離脱領域は、主磁極P1bと下流側補助磁極P1cの中間点にあるため、主磁極P1bと下流側補助磁極P1cとの間において最も磁束密度Bが小さくなる箇所である。したがって、このキャリア離脱領域で磁束密度Bの絶対値が現像領域の中心から離れるほど大きくなるということは、主磁極P1bから下流側補助磁極P1cに向かって、磁束密度Bの絶対値が常に増加することを意味する。そして、磁束密度Bの絶対値は、そのx方向成分Bxが0に近似できることから、そのy方向成分Bとz方向成分Bzとを合成したものの絶対値に近似することができる。また、磁束密度Bの絶対値が常に増加するということは、y方向成分Bの絶対値とz方向成分Bzの絶対値との和が単調増加することに等しい。更に、このように単調増加するということは、現像スリーブ表面上における磁束密度のy方向成分Bの絶対値とz方向成分Bzの絶対値との和が単調増加することと同義である。したがって、主磁極P1bから下流側補助磁極P1cに向かって、現像スリーブ表面における法線方向磁束密度の絶対値と接線方向磁束密度の絶対値との和が単調増加するような磁束密度分布を得ることで、現像剤からのキャリア離脱を抑制することができ、感光体ドラム20へのキャリア付着を抑制することができるものと考えられる。
【数6】
Figure 0004610861
【0066】
なお、本発明者らの研究の結果、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度をBm1とし、下流側の補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度をBm2としたとき、下記の数7に示す関係式を満たせば、キャリア付着をより効果的に抑制することができることも判明した。
【数7】
100[mT] ≦ Bm1 ≦ Bm2 ≦ 160[mT]
【0067】
〔比較例1〕
次に、キャリアの体積平均粒径が小さくなるほどキャリア付着が起きやすくなることを確認するために行った比較実験(以下、「比較例1」という。)について説明する。本比較例1では、上述した実験例1及び実験例2で用いたキャリアよりも体積平均粒径が小さいキャリアを用いて、キャリア付着の評価を行った。具体的には、上述した実験例1及び実験例2では、体積平均粒径が35[μm]である小径のキャリアを用いたが、本比較例1では、体積平均粒径が55[μm]である小径のキャリアを用いた。そして、本比較例1では、上述した実験例2と同様に、白ポチの個数に基づいて感光体ドラム20へのキャリア付着を評価した。
【0068】
図13及び図14は、本実施形態1よりも強い磁石からなる主磁極P1bを用いたときの現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフである。なお、この円グラフから分かるように、これらの図にそれぞれ示した現像装置は、本実施形態1に係る現像装置とは異なり、合成磁束密度が単調増加する構成とはなっていない。
図13に示した比較用の現像装置では、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm1は100.2[mT]であり、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm2は95.7[mT]であった。また、キャリア離脱領域に対応する現像スリーブ表面すなわち現像スリーブ表面上において法線方向磁束密度が0となる部分に生じる接線方向磁束密度Bm0は84.1[mT]であった。
図14に示した比較用の現像装置では、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm1は94.5[mT]であり、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる最大の法線方向磁束密度Bm2は102.2[mT]であった。また、キャリア離脱領域に対応する現像スリーブ表面すなわち現像スリーブ表面上において法線方向磁束密度が0となる部分に生じる接線方向磁束密度Bm0は86.3[mT]であった。
【0069】
図15は、本比較例1におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフである。
この評価結果と、図12に示した上記実験例2における比較用の現像装置の評価結果とを比較すると、本比較例1に係る2つの現像装置の白ポチ数の方が明らかに少ない。これにより、キャリアの体積平均粒径が小さくなるほどキャリア付着が起きやすくなることが確認できる。
【0070】
また、図16は、地肌ポテンシャルを200Vと一定にし、体積平均粒径が35[μm]、50[μm]、65[μm]の3種類のキャリアを用いた現像剤により画像を形成したときの感光体ドラムに付着したキャリア付着数を測定したときの結果を示すグラフである。なお、このキャリア付着数は、上述した実験例1と同様の方法で測定したものであり、現像剤のトナー濃度を変化させて測定した。この測定結果からもわかるように、キャリアの体積平均粒径が小さくなるほどキャリア付着が起きやすくなることが確認できる。
【0071】
〔比較例2〕
次に、キャリアの体積平均粒径が小さくなるほど画像の粒状度が改善される点を確認するために行った実験(以下、「比較例2」という。)について説明する。なお、この実験では、体積平均粒径が35[μm]、50[μm]、65[μm]の3種類のキャリアを用いた現像剤によりハーフトーンドット画像を形成し、その画像の明度を変化させて粒状度を測定した。この粒状度は、値が小さいほど画像上でのドット再現性が良いことを示している。
【0072】
図17は、本比較例2における実験結果を示すグラフである。このグラフから分かるように、体積平均粒径が小さいほど画像の粒状度が小さくなる。よって、体積平均粒径が小さいほど画像の粒状度が改善されることが確認された。
特に、キャリアの体積平均粒径が50[μm]以上の場合には、明度が70〜90の領域においてハーフトーンドット画像の粒状度が0.3以上である。これに対し、キャリアの体積平均粒径を35[μm]程度まで小さくすると、その粒状度が0.1となり、キャリアの体積平均粒径が50[μm]以上の場合に比べて3倍近くも粒状度が改善される。そのため、近年においては、キャリアの小径化は避けられないものであると言える。
【0073】
このようにキャリアの体積平均粒径が大きくなると粒状度が悪化する理由は、次のように考えられる。
すなわち、キャリアの体積平均粒径が大きくなると、感光体ドラム20に接触する磁気ブラシの先端部分を構成するキャリアの数が少なくなり、磁気ブラシ先端部分で互いに隣り合うキャリアの間隔が広くなる。そのため、感光体ドラム20上の静電潜像に対する磁気ブラシによる摺擦が粗く、静電潜像に付着するトナーの量のバラツキが大きいものとなる。その結果、ドット再現性が悪く、また画質にザラツキ感のある画像が形成され、粒状度が悪くなる。
【0074】
次に、本実施形態1に用いる現像剤のキャリアについて説明する。
図18は、本実施形態1に用いるキャリアの断面図を示す模式図である。
二成分現像剤のキャリアとしては、弾力性と強い接着力とを有するコート膜であって、膜厚よりも大きい径を有する粒子を表面に含有したコート膜で被覆したものを用いることが望ましい。キャリア90の芯材としてフェライト91を用いている。このフェライトは、3×106/4π[A/m]磁場中における磁化の強さが、62×10-7×4π[Wb・m/kg]であるものである。このフェライト91の表面を、アクリル等の熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分に、帯電調整剤を含有させたコート膜92で被覆している。このコート膜92は弾力性と強い接着力を有している。さらに、コート膜92の膜厚よりも大きい径の粒子、例えばアルミナ粒子93を表面に分散している。アルミナ粒子93はコート膜92の強い接着力で保持されている。従来のキャリアは硬いコート膜を徐々に削りながら長寿命を得るという思想の基で構成されていたのに対し、図示のキャリア90はコート膜92が弾力性を有することで衝撃を吸収して膜削れを抑制する。また、膜厚よりも大きい径を有するアルミナ粒子93をキャリア90表面に分散することで、コート膜92への衝撃を阻止し、しかもスペント物のクリーニングを行なうことができる。このように、コート膜の膜削れとスペント化を抑制できるので、従来のキャリアに比べ、より長寿命化を図ることができる。これにより、長期間に渡り、トナー汲上量の安定化、すなわち品質の安定化を期待できる。
【0075】
更には、キャリア粒径を小さくして、よりドット再現性に優れた画像を形成することもできる。具体的には、キャリア粒径の大きさは、20[μm]以上50[μm]以下が望ましい。キャリア粒径を従来よりも小さく、さらに粒径をこのような範囲に設定することで、作像時の磁気ブラシの太さを均一に細くすることが可能になる。よって、より緻密なトナーの受け渡しをすることができる。また、現像スリーブ上の単一面積当たりにおける現像剤穂の密度も多くなるので、感光体上の潜像に隙間無くトナーの受け渡しが可能になる。これにより、よりドット再現性に優れた画像を形成することができる。なお、キャリア粒径が50[μm]よりも大きすぎると、同じキャリア量で比較した場合に、キャリアの総表面積が小さくなって、トナーの保有量が少なくなる。このため、トナー濃度の低下が生じる。汲み上げ量を増やして現像能力を維持することが可能であるが、トナー固着が発生しやすくなってしまう。一方、キャリア粒径が20[μm]よりも小さすぎると、マグローラによる磁力保持力が小さくなってキャリア飛散を生じ、感光体へのキャリア付着が増加してしまうので、20[μm]以上が望ましい。
【0076】
次に、本実施形態1に用いる現像剤のトナーについて説明する。
本実施形態1に用いるトナーの製造方法は特に限定されないが、粉砕法によるトナーよりも、重合法によるトナーの方が望ましい。参考までに、重合法によるトナーの製造方法の一例について説明しておく。
【0077】
基本樹脂準備→乳化→熟成→脱溶剤→アルカリ洗浄、水洗→乾燥→外添剤処理という一連の流れが製造工程の概要である。まず、酢酸エチル等の有機溶媒に、樹脂、着色剤、ワックス、帯電制御剤等を溶解させたものを基本樹脂溶液とする。そして、界面活性剤、粘度調整剤、樹脂微粒子を含有する水系媒体に、上記基本樹脂溶液とアミン類とを加えて、せん断力により分散させて、乳化状態を生起せしめる。次いで、イソシアネート基とアミン類との作用による伸長や架橋反応を促進させるべく、反応系を加熱して熟成させる。そして、例えば、系全体を徐々に昇温して、液滴中の有機溶媒を蒸発除去するなどの方法により、脱溶剤処理を行う。次に、脱溶剤によって得られたトナー粒子表面に残存している異物(界面活性剤、粘度調整剤など)を除去すべく、アルカリ洗浄処理や水洗処理を施す。そして、濾過によってトナー粒子を回収した後、乾燥させる。更に、必要に応じて、シリカ、チタニア、アルミナ等の外添剤微粒子をミキサー等によって0.1〜5.0重量部程度の量で外添する。
【0078】
より詳しい製造例について説明すると、例えば次のようになる。
まず、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付設された反応槽中にて、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690重量部と、テレフタル酸256重量部とを常圧且つ230[℃]の環境下で8時間重縮合反応させる。そして、10〜15[mmHg]まで減圧せしめて5時間反応させてから160[℃]まで冷却した後、18重量部の無水フタル酸を加えて更に2時間反応させて変性されていないポリエステル(a)を得る。
【0079】
かかるポリエステル(a)とは別に、ベースとなるポリマー1分子中に2以上の反応基を有するプレポリマーを準備する。具体的には、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800重量部と、イソフタル酸180重量部と、テレフタル酸60重量部と、ジブチルチンオキサイド2重量部とを反応槽中に入れる。そして、常圧且つ230[℃]の環境下で8時間重縮合反応させた後、10〜15[mmHg]まで減圧して脱水しながら5時間反応させる。次いで、160[℃]まで冷却してから、32重量部の無水フタル酸を加えて更に2時間反応させる。そして、80[℃]まで冷却して酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170重量部と2時間反応させて、イソシアネート基含有プレポリマー(1)を得る。
【0080】
また、ケチミン化合物も準備する。例えば、攪拌棒及び温度計の付設された反応槽中に、イソホロンジアミン30重量部とメチルエチルケトン70重量部を入れて、50[℃]で5時間反応させてケチミン化合物(2)を得る。
【0081】
上記イソシアネート基含有プレポリマー(1)15.4重量部と、上記ポリエステル(a)60重量部と、酢酸エチル78.6重量部とをビーカー内に入れて攪拌溶解する。そして、離型促進剤であるライスWAX(融点83℃)10重量部と、銅フタロシアニンブルー顔料(シアン顔料)4重量部とを入れて、TK式ホモミキサーを用いて60[℃]の環境下にて12000[rpm]の速度で攪拌して、均一に溶解、分散させる。次いで、上記ケチミン化合物(2)2.7重量部を加え溶解させて、基本樹脂溶液(3)を得る。
【0082】
イオン交換水306重量部と、リン酸カルシウム10%懸濁液265重量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部と、平均粒径0.20[μm]のスチレン/アクリル系樹脂微粒子とをビーカー内に入れて均一に溶解する。そして、60[℃]に昇温した後、TK式ホモミキサーを用いて12000[rpm]の速度で攪拌しながら、上記基本樹脂溶液(3)を投入して10分間攪拌する。次いで、得られた混合液を攪拌棒及び温度計の付設されたコルベンに500[g]移して45[℃]まで昇温した後、減圧下にてウレア化反応させながら0.5時間かけて溶剤を除去する。そして、濾別、洗浄、乾燥工程を経てから風力分級して母体粒子(4)を得る。
【0083】
上記母体粒子100重量部と、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84)0.25重量部とをQ型ミキサー(三井鉱山社製)に入れる。そして、ミキサーのタービン型羽根の周速を50[m/sec]に設定して、2分間のミキシングと1分間の休止とを5セット行う。次いで、0.5重量部の疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を添加してから、周速15[m/sec]の設定で30秒間のミキシングと1分間の休止とを5セット行って、トナー粒子を得る。そして、このトナー粒子100重量部と、疎水性シリカ0.5重量部と、疎水化酸化チタン0.5重量部とをヘンシェルミキサーにて混合して、シアントナーを得る。上述の基本樹脂溶液の組成における銅フタロシアニンブルー顔料(シアン顔料)4重量部を次のように変更すれば、他色のトナーを得ることができる。
・イエロートナー:ベンジジンイエロー顔料6重量部
・マゼンタトナー:ローダミンレーキ顔料6重量部
・ブラックトナー:カーボンブラック10重量部
【0084】
更には、トナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要である。トナーの形状は平均円形度で規定することができる。トナーの平均円形度とは、トナーの形状がどのくらい真球に近いものかを示す数値であり、真球であれば円形度が「1」となる。この平均円形度は、トナーの投影画像の面積と同じ面積をもつ円の円周長をその投影画像の周囲長で割ることで得た値を個々のトナーの円形度とし、このように得た各トナーの円形度の平均値をとったものである。トナーの平均円形度は、0.95以上0.99以下が望ましい。より好ましくは、平均円形度が0.96以上0.99以下で、円形度が0.95未満の粒子が10%以下である。なお、実験によれば平均円形度が0.95未満、特に0.93より小さいと、球形から離れた不定形のトナーとなり、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られなくなってしまう。一方、平均円形度が0.99よりも大きいと、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こしてしまう。画像面積率の低い画像を出力する場合、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはない。しかし、例えば、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合、さらには、給紙不良等で未転写の状態の画像が感光体上に残ってしまった場合、クリーニング不良が発生しやすい。このようなクリーニング不良を頻発するようになると、更には、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。よって、トナーの平均円形度が、0.95以上、0.99以下であれば、クリーニング不良を生じることなく、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成することができる。
【0085】
ここで、トナーの平均円形度は、各トナーの円形度の平均値であり、次の方法により測定したものである。各トナーの円形度の測定は、株式会社SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて行った。この測定では、まず、1級塩化ナトリウムを用いて、1[%]のNaCl水溶液を調整する。その後、このNaCl水溶液を0.45のフィルターを通して50〜100[ml]の液を得て、これに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に試料を1〜10[mg]加える。これを、超音波分散機で分散処理を1分間行い、粒子濃度を5000〜15000[個/μl]に調整し、分散液を得る。この分散液をCCDカメラで撮像し、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の円周長を、そのトナーの2次元投影画像の周囲長で割った値を、各トナーの円形度として用いた。なお、CCDの画素の精度から、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の直径(円相当径)が0.6[μm]以上であるトナーを有効なものとした。トナーの平均円形度は、各トナーの円形度を得た後、測定範囲内にある全トナーの円形度をすべて足し合わせ、それをトナー個数で割った値を用いたものである。
【0086】
更に、トナーの体積平均粒径(Dv)は4[μm]以上8[μm]以下であり、この体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が1.05以上1.30以下であるのが好ましい。より好ましくは、上記体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)のは1.10以上1.25以下がよい。このような粒径のトナーを用いることにより、トナーの粒度分布が狭くなるため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、トナー粒径面での選択現像といった現象が発生しにくいため、常時、安定した画像を形成することができる。ここで、選択現像とは、画像パターンに応じた(適した)トナー粒径を持つトナー粒子が選択的に現像される現象をいう。また、トナーリサイクルシステムを搭載している場合、転写されにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされることになるが、もともとトナーの粒度分布が狭いため、上述した作用を受けにくくなる。従って、この点からも常時、安定した画像を形成することができる。また、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0087】
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、トナーの体積平均粒子径Dvが4[μm]よりも小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させてしまう。また、これらの現象は微粉の含有率が本実施形態1の範囲より多いトナーにおいても同様である。逆に、トナーの体積平均粒子径Dvが8[μm]よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、上記体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dnの値が1.30よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。また、上記体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dnの値が1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もある。しかしながら、この場合は、細線部分を小サイズ粒子で現像し、一方、ベタ画像を大サイズ粒子を中心に現像するといったトナー粒径による機能分離ができにくくなるため、かえって好ましくない。
【0088】
上記トナーの体積平均粒径は、例えばコールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて測定することができる。この測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下、この測定装置を用いたトナー粒径の測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上乃至40.30[μm]未満の粒子を対象とした。
【0089】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様の複写機に着脱可能なプロセスカートリッジに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
図19は、本実施形態2に係るプロセスカートリッジの内部構造を示す概略構成図である。このプロセスカートリッジ500は、上記実施形態1の複写機に設けられる各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kを、複写機本体に対して着脱可能に一体構成したものである。具体的には、感光体ドラム20と、帯電装置60、現像装置80及び感光体クリーニング装置63が設けられている。これらの構成については、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。このように各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kをプロセスカートリッジ500として構成すれば、これに収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、利便性が向上する。なお、プロセスカートリッジとして一体構成する部品は、少なくとも感光体ドラム20と現像装置80とが含まれていれば、そのほかにどのような部品を含ませてもよい。
【0090】
以上、上記実施形態1の画像形成装置は、潜像を表面に担持して表面移動する感光体ドラム20としての感光体ドラム20と、この感光体ドラム20に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置21とを備えている。また、感光体ドラム20上の潜像をトナーと磁性粒子であるキャリアとを含む現像剤により現像する現像手段としての現像装置80も備えている。そして、感光体ドラム20上のトナー像を記録材としての転写紙上に転位させることで、その転写紙上に画像を形成する。上記現像装置80は、現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体としての現像スリーブ81を備えており、この現像スリーブ81は、その現像スリーブ表面移動方向における表面の一部が装置ケーシング84から露出している。この現像装置80により、露出した現像スリーブ81の表面と感光体ドラム20の表面とが対向する現像領域で、この現像領域に対向するように配置した現像磁極としての主磁極P1bにより現像スリーブ81上の現像剤を穂立ちさせてその現像スリーブ上に磁気ブラシを形成し、感光体ドラム20上の潜像を現像する。そして、この現像装置80は、主磁極P1bから、主磁極P1bとは逆極性であって主磁極P1bと隣り合うように現像スリーブ表面移動方向下流側に配置された他の磁極としての下流側補助磁極P1cまでの現像スリーブ表面上で、法線方向磁束密度Bzの絶対値と、接線方向磁束密度Byの絶対値との和が単調増加するように構成されている。このように単調増加していれば、上述したように、キャリア付着を効果的に抑制することができる。
また、上記実施形態1における現像装置80は、現像スリーブ81を現像領域で感光体ドラム20の表面移動方向と同方向かつ感光体ドラム表面の線速よりも大きい線速で表面移動させて、現像スリーブ上の磁気ブラシを感光体ドラム20の表面に摺擦させて現像を行う。そして、この現像装置80は、現像スリーブ81に担持されて現像剤規制部材としてのドクターブレード83によって規制された後に現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm2]以上95[mg/cm2]以下に設定されている。しかも、現像領域の現像スリーブ表面外側に生じる磁束の現像スリーブ表面法線方向における磁束密度の減衰率が40[%]以上であるので、磁気ブラシの長さが短く、かつ、感光体ドラム表面に接触するブラシ部分の密度を高くできる。よって、上述したように細線再現性の向上や後端白抜け現象の抑制を図ることができる。このような構成を有する現像装置は、細線再現性の向上や後端白抜け現象の抑制を図ることができる点で非常に有用であるが、上述したようにキャリア付着が起きやすいという欠点がある。しかし、この欠点は、上述したように法線方向磁束密度Bzの絶対値と接線方向磁束密度Byの絶対値との和が単調増加するように構成することで十分に解消することが可能である。よって、本実施形態1によれば、キャリア付着を十分に抑制しつつ、細線再現性の向上や後端白抜け現象の抑制を図ることができる。
なお、この現像装置80は、主磁極P1bにより現像スリーブ81の表面上に生じるその表面の法線方向における最高磁束密度の半分の磁束密度となるその表面上の半値点を、現像領域における現像スリーブ81の表面の曲率中心軸から見たときの現像スリーブ表面移動方向における半値点間の角度幅が25[°]以下に設定されている。これにより、減衰率を40[%]以上とするのと同様の効果が得られる。
また、主磁極P1bにより現像スリーブ表面上に生じる現像スリーブ表面の法線方向磁束密度の最大値Bm1と、下流側補助磁極P1cにより現像スリーブ表面上に生じる現像スリーブ表面の法線方向磁束密度の最大値Bm2とが、上記数7の関係式を満たすように構成すれば、上述したように、キャリア付着をより効果的に抑制することができる。
また、上記実施形態1では、現像剤中のキャリアとして、体積平均粒径が20[μm]以上50[μm]以下のものを用いている。よって、上述したように、よりドット再現性に優れた画像を形成することができる。このような現像装置は、ドット再現性に優れた画像を形成できる点で非常に有用であるが、このような小径のキャリアを用いる場合には上述したようにキャリア付着が起きやすいという欠点がある。しかし、この欠点は、上述したように法線方向磁束密度Bzの絶対値と接線方向磁束密度Byの絶対値との和が単調増加するように構成することで十分に解消することが可能である。よって、本実施形態1によれば、キャリア付着を十分に抑制しつつ、ドット再現性に優れた画像を形成できる。
特に、上記実施形態1では、現像剤中のキャリア90として、熱可塑性樹脂及びメラミン樹脂を架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有した樹脂コート膜92を磁性体の芯材91に対してコーティングしたものを用いている。よって、上述したように、長期間に渡り、トナー汲上量の安定化、すなわち品質の安定化を期待できる。
また、上記実施形態1においては、感光体ドラム20表面と現像スリーブ81の表面との間の最小間隔である現像キャップPgを、0.1[mm]以上0.4[mm]以下としている。このように現像キャップPgを狭い範囲とすることで、上述したように画像品質を向上させることができる。また、磁石ローラ85によって生じる磁束密度は、全ての成分について現像スリーブ81表面から離れるにつれて減衰していく。そのため、磁気ブラシの高さが高くなるほど、その先端部分キャリアが受ける現像スリーブ側に向かう磁力が弱まることになる。よって、現像キャップPgを0.1[mm]以上0.4[mm]以下という狭いものとすることで、磁気ブラシの高さを制限できる結果、キャリア付着の抑制にも有効に働く。
また、上記実施形態2のプロセスカートリッジ500は、上記実施形態1の複写機の本体に対して着脱可能であって、少なくとも、感光体ドラム20と現像装置80とが一体になって構成されてので、利便性が向上する。
【0091】
なお、上述した実施形態1及び実施形態2では、いわゆるタンデム型のカラー複写機について説明したが、これとは異なる構成を有する画像形成装置にも本発明を適用することができる。例えば、感光体ドラム上に形成したトナー像を転写紙に直接転写するモノクロの画像形成装置にも適用することができる。また、本実施形態では、画像形成装置として複写機を例に挙げたが、プリンタやファクシミリなど他の画像形成装置にも適用ことができる。
【0092】
【発明の効果】
発明によれば、現像剤中のキャリアが小径であっても、そのキャリアが潜像担持体表面に付着するのを十分に抑制することが可能であるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る複写機の現像装置に設けられる磁石ローラの各磁極により現像スリーブ表面に発生するその表面上の磁束密度の分布を示した円グラフ。
【図2】同複写機全体の概略構成図。
【図3】同複写機本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。
【図5】同現像装置を示す概略構成図。
【図6】同現像装置の現像スリーブ表面に発生するその表面の法線方向磁束密度の分布を実線で示し、現像スリーブ表面からその法線方向に1[mm]離れた位置での法線方向磁束密度を波線で示した円グラフ。
【図7】現像領域における現像スリーブ表面の曲率中心軸から見た現像スリーブ表面移動方向の半値角度幅を説明するための説明図。
【図8】同現像装置における磁石ローラに設けられる主磁極及び2つの補助磁極の配置を示す説明図。
【図9】実験例1において、実施形態1の現像装置よりも強い磁石からなる主磁極及び補助磁極を用いた比較用の現像装置の現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフ。
【図10】実験例1におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフ。
【図11】実験例2において、実施形態1の現像装置よりも強い磁石からなる主磁極を用いた比較用の現像装置の現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフ。
【図12】実験例2におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフ。
【図13】比較例1において、実施形態1の現像装置よりも強い磁石からなる主磁極を用いた比較用の現像装置の現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフ。
【図14】比較例1において、実施形態1の現像装置よりも強い磁石からなる主磁極を用いた比較用の他の現像装置の現像スリーブ表面での磁束密度の分布を示した円グラフ。
【図15】比較例1におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフ。
【図16】比較例1において、地肌ポテンシャルを一定にし、体積平均粒径が異なる3種類のキャリアを用いた現像剤により画像を形成したときの感光体ドラムに付着したキャリア付着数を測定したときの結果を示すグラフ。
【図17】比較例2におけるキャリア付着の評価結果を示すグラフ。
【図18】実施形態1に用いるキャリアの断面図を示す模式図。
【図19】実施形態2に係るプロセスカートリッジの内部構造を示す概略構成図。
【図20】(a)乃至(c)は、後端白抜け等の画質劣化が発生するメカニズムを説明するための説明図。
【図21】(a)は、現像磁極が1つの磁極からなる従来の現像装置における現像領域近傍の磁力分布を示す説明図。(b)は、その現像磁極により形成される磁界から磁力を受けて穂立ちした現像剤からなる磁気ブラシを現像スリーブの軸方向から見たときの形状を示す説明図。
【図22】(a)は、現像磁極が1つの主磁極と2つの補助磁極からなるSLIC式現像装置における現像領域近傍の磁力分布を示す説明図。
(b)は、これらの3つの磁極により形成される磁界から磁力を受けて穂立ちした現像剤からなる磁気ブラシを現像スリーブの軸方向から見たときの形状を示す説明図。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト
18Y,18C,18M,18K 画像形成ユニット
20Y,20C,20M,20K 感光体ドラム
21 露光装置
60 帯電装置
63 感光体クリーニング装置
80Y,80C,80M,80K 現像装置
81 現像スリーブ
83 ドクターブレード
85 磁石ローラ
90 キャリア
91 芯材
92 樹脂コート膜
93 アルミナ粒子
500 プロセスカートリッジ

Claims (16)

  1. 潜像を表面に担持して表面移動する潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を、トナーと磁性粒子を含む現像剤により現像する現像手段とを備え、該潜像担持体上のトナー像を記録材上に転位させることで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記現像手段は、上記潜像担持体と対向するように形成された開口部を有するケーシングと、該ケーシングの開口部からその表面の一部が露出するように配設され、トナーと磁性粒子を含む現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを有し、上記潜像担持体の表面と、露出した上記現像剤担持体の表面とが対向する現像領域で、該潜像担持体の表面との最近接部に配置した現像剤担持体内部の現像磁極により該現像剤担持体上の現像剤を穂立ちさせて該現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、対向する該潜像担持体の表面に該磁気ブラシを接触させて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置であり
    上記現像磁極から、該現像磁極とは逆極性であって該現像磁極との配置角度幅が35[°]以下で隣り合うように現像剤担持体表面移動方向下流側に配置された他の磁極までの現像剤担持体表面上で、現像剤担持体表面法線方向における磁束密度と、該現像剤担持体表面移動方向における磁束密度とを合成したものの絶対値が、単調増加するように、上記現像装置を構成したことを特徴とする画像形成装置
    上記配置角度幅とは、上記現像磁極及び上記他の磁極により現像剤担持体の表面に発生する現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の最高値をそれぞれ示す現像剤担持体表面の各点を、現像領域における現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの、現像剤担持体表面移動方向における角度幅をいう。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm2]以上95[mg/cm2]以下であり、
    上記現像磁極により該現像領域の現像剤担持体表面外側に生じる磁束の該現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の減衰率が40[%]以上であることを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm2]以上95[mg/cm2]以下であり、
    上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度の半分の磁束密度となる該現像剤担持体表面上の半値点を、該現像領域における該現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの該現像剤担持体の表面移動方向における半値点間の角度幅が25[°]以下であることを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載画像形成装置において、
    上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm1とし、上記他の磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm2としたとき、下記の関係式を満たすように構成したことを特徴とする画像形成装置
    100[mT] ≦ Bm1 ≦ Bm2 ≦ 160[mT]
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載画像形成装置において、
    上記磁性粒子として、体積平均粒径が20[μm]以上50[μm]以下であるものを用いたことを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記磁性粒子として、熱可塑性樹脂及びメラミン樹脂を架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有した樹脂コート膜を磁性体の芯材に対してコーティングしたものを用いたことを特徴とする画像形成装置
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記現像剤担持体を上記現像領域で上記潜像担持体の表面移動方向と同方向かつ該潜像担持体表面の線速よりも大きい線速で表面移動させて、該現像剤担持体上の磁気ブラシを該潜像担持体の表面に摺擦させて現像を行うことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体表面と上記現像剤担持体表面との間の最小間隔を、0.1[mm]以上0.4[mm]以下としたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 潜像を表面に担持して表面移動する潜像担持体と、トナーと磁性粒子を含む現像剤により該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、一体になって構成され画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像手段は、上記潜像担持体と対向するように形成された開口部を有するケーシングと、該ケーシングの開口部からその表面の一部が露出するように配設され、トナーと磁性粒子を含む現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを有し、上記潜像担持体の表面と、露出した上記現像剤担持体の表面とが対向する現像領域で、該潜像担持体の表面との最近接部に配置した現像剤担持体内部の現像磁極により該現像剤担持体上の現像剤を穂立ちさせて該現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、対向する該潜像担持体の表面に該磁気ブラシを接触させて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置であり、
    上記現像磁極から、該現像磁極とは逆極性であって該現像磁極との配置角度幅が35[°]以下で隣り合うように現像剤担持体表面移動方向下流側に配置された他の磁極までの現像剤担持体表面上で、現像剤担持体表面法線方向における磁束密度と、該現像剤担持体表面移動方向における磁束密度とを合成したものの絶対値が、単調増加するように、上記現像装置を構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
    上記配置角度幅とは、上記現像磁極及び上記他の磁極により現像剤担持体の表面に発生する現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の最高値をそれぞれ示す現像剤担持体表面の各点を、現像領域における現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの、現像剤担持体表面移動方向における角度幅をいう。
  10. 請求項9のプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm 2 ]以上95[mg/cm 2 ]以下であり、
    上記現像磁極により該現像領域の現像剤担持体表面外側に生じる磁束の該現像剤担持体表面法線方向における磁束密度の減衰率が40[%]以上であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項9のプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像剤担持体に担持されて現像剤規制部材によって規制された後に上記現像領域に搬送される現像剤の量が65[mg/cm 2 ]以上95[mg/cm 2 ]以下であり、
    上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度の半分の磁束密度となる該現像剤担持体表面上の半値点を、該現像領域における該現像剤担持体表面の曲率中心軸から見たときの該現像剤担持体の表面移動方向における半値点間の角度幅が25[°]以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm 1 とし、上記他の磁極により現像剤担持体表面上に生じる該現像剤担持体表面の法線方向における最高磁束密度をBm 2 としたとき、下記の関係式を満たすように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
    100[mT] ≦ Bm 1 ≦ Bm 2 ≦ 160[mT]
  13. 請求項9乃至12のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    上記磁性粒子として、体積平均粒径が20[μm]以上50[μm]以下であるものを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 請求項13のプロセスカートリッジにおいて、
    上記磁性粒子として、熱可塑性樹脂及びメラミン樹脂を架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有した樹脂コート膜を磁性体の芯材に対してコーティングしたものを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 請求項9乃至14のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像剤担持体を上記現像領域で上記潜像担持体の表面移動方向と同方向かつ該潜像担持体表面の線速よりも大きい線速で表面移動させて、該現像剤担持体上の磁気ブラシを該潜像担持体の表面に摺擦させて現像を行うことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 請求項9乃至15のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    上記潜像担持体表面と上記現像剤担持体表面との間の最小間隔を、0.1[mm]以上0.4[mm]以下としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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