JP4610648B2 - 有機ヒ素含有化合物およびそれを含む腫瘍の成長を抑制する組成物 - Google Patents

有機ヒ素含有化合物およびそれを含む腫瘍の成長を抑制する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、精製され、かつ単離された有機ヒ素含有化合物、およびそれを含む腫瘍の成長を抑制する組成物に関する。より特定すれば、本発明は、ヒ素結合リポプロテイン、およびそれを含む腫瘍の成長を抑制する組成物に関する。この組成物は、食用および飲食用組成物として利用可能である。
大型魚類の加工工程からは大量の残滓が排出され、その有効利用が盛んに研究されている。カツオについては、鰹節、なまり節、缶詰の加工工程で排出される残滓の中で、その生殖腺が、容易に固体選別および単離分別され、しかも脂質含量が多いためにその中に含まれるリン脂質を標的にした研究が盛んに行われている。
リン脂質のなかでも、n−3系およびn−6系多価不飽和脂肪酸系列は、重要な生理機能を有するリン脂質であることが知られている。そしてカツオの生殖腺は、多量のリン脂質、特にドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいる。
平塚による非特許文献1および石原による非特許文献2は、トリグリセリドを含むカツオ精巣の総脂質がMethA(マウス線維芽細胞)腫瘍に対して抗腫瘍作用を示すことを報告した。
非特許文献3は、海洋産マクロライドのいくつかが、細胞骨格タンパク質であるアクチンに作用する制癌作用機構を有することを記載している。
その一方、特定の海産物、例えば、ヒジキが、多量の無機ヒ素を含有することが知られている(非特許文献4)。
碧水(静岡県水産試験場広報誌)、カツオ生殖腺脂質の特性とその機能性、第106号(2004年、4月) −JMOA−第4回水産油脂技術懇話会記録、「カツオ生殖腺脂質の生理機能性」−その健康への役割−、石原賢司(平成16年11月5日講演)、財団法人日本水産油脂協会 末長聖武、木越英夫、「アクチンに作用する海洋産抗腫瘍性物質アプリロニンAの生物有機化学」、化学と生物、vol.45、611−618頁(2007) 小川梨絵等、「海草中のヒ素含有量と食品としての安全性について」、愛媛大学教育学部紀要、第53巻、1号、131−136頁(2006)
日本人の約3人に1人が癌で死亡するといわれている。癌免疫療法の基礎研究および新規抗癌剤の開発が急速に展開され、多くの臨床試験が行われている。その成果によって、癌遺伝子や癌抑制遺伝子の変異に基づいた個体毎に適合させた医療が実現されると予測されるまでに至っている。癌の治療法としては、抗癌剤を用いた化学療法が主流であり、代表的な抗癌剤には、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アルカロイドなどの植物由来抗癌物質、抗癌抗生物質、ホルモン類などがある。これら抗癌剤の制癌作用機構は明らかにされてはいるものの、死亡原因の第1位を占める癌を制圧するためには新たな作用機構に基づく抗腫瘍物質の探索および発見が求められている。新たな作用機構に基づく抗腫瘍物質は、既存の抗癌剤に対する癌細胞の耐性化現象をも解消し得る。本発明は、新たな供給源から新たな抗癌剤を提供することを目的とする。
本発明者は、カツオ精巣の総脂質中に多量のヒ素が含有される(100〜700μg/g)ことを見出し、有機ヒ素含有化合物を精製かつ単離して、本発明を完成するに至った。本発明者の知る限り、リン脂質中の有機ヒ素含有化合物を首尾良く分離精製した報告はない。本発明者らは、カツオ精巣の総脂質のうちリン脂質を分画し、それに伴うヒ素の含有量を追跡することによって有機ヒ素含有化合物を首尾良く精製および単離し、その性状、構造などを解明する試験を行い、この有機ヒ素含有化合物が、抗腫瘍作用を示す本体であることを明らかにして本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の項目に関し得る。
(項目1)腫瘍の成長を抑制する組成物であって、n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−水(4:1:1.5:2)の展開溶媒を用いた薄層クロマトグラフィーにおいてRf値=0.18±0.02を示す有機ヒ素含有化合物を含有する、組成物。
(項目2)上記有機ヒ素含有化合物が、リン脂質、ヒ素および少なくとも4つのアミノ酸を含むペプチドを含み、以下の物性:
乳白色の結晶;
水、メタノール、70%エタノールに可溶性、エタノールに不溶性;
ニンヒドリン試薬によって紫青色を呈する;および
分子量5000以下;を有するヒ素結合性リポプロテインである、項目1に記載の組成物。
(項目3)上記有機ヒ素含有化合物が、魚介類または魚介類の組織のエタノール抽出物をシクロヘキサンとベンゼンとの混合液に溶解する工程、得られた溶液にアセトンを添加する工程、得られた沈殿物をエーテルとエタノールの混合液で抽出する工程を含む方法によって得られる、項目1または2に記載の組成物。
(項目4)上記方法が、上記抽出する工程で得られた抽出物を、シリカゲルとフロリジルとを含む複合カラムクロマトグラフィーに供する工程をさらに含む、項目3に記載の組成物。
(項目5)上記魚介類または魚介類の組織が、カツオ精巣およびヒジキからなる群から選択される、項目3または4のいずれか1項に記載の組成物。
(項目6)上記少なくとも4つのアミノ酸が、アルギニン、リジン、グリシン、およびアスパラギン酸である、項目2に記載の組成物。
(項目7)アガリクスの熱水抽出粉末をさらに含有する、項目1〜6のいずれか1項に記載の組成物であって、有機ヒ素含有化合物と協同して腫瘍の成長を強く抑制する組成物。
(項目8)上記腫瘍が神経芽細胞腫である、項目1〜7に記載の組成物。
(項目9)以下の物性:
乳白色の結晶;
水、メタノール、70%エタノールに可溶性、エタノールに不溶性;
ニンヒドリン試薬によって紫青色を呈する;
n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−水(4:1:1.5:2)の展開溶媒を用いた薄層クロマトグラフィーにおけるRf値=0.18±0.02;および
分子量5000以下、を有するヒ素結合リポプロテイン。
本発明によって、リン脂質とともに精製および単離される有機ヒ素含有化合物が提供される。本発明によって、新たな作用機序を有する抗腫瘍物質のリード化合物の候補物質として有機ヒ素含有化合物が提供される。
本発明の方法によれば、まず、カツオ、ヒジキなどの魚介類、藻類、またはその組織、例えば、カツオの精巣(白子)などから、通常の方法により、リン脂質を、エタノール抽出物の濃縮固形分として得られる総脂質として得る。なお、上記の魚介類、またはその組織は、例示であり、それらに限定される意図はなく、好ましくは、リン脂質を多量に含有する任意の魚類の精巣、卵巣が用いられ得る。例えば、サケ、マグロなど中、大型回遊魚の白子が好適に用いられ得る。
得られた濃縮固形分を、シクロヘキサンとベンゼンの混合液の最少量で溶解し、得られた溶液にアセトンを添加して生成する沈殿物を、例えば、3,500rpm、5分間の遠心分離によって回収する。得られた上清液は濃縮して再び濃縮固形分を得、上記の操作を繰り返し、高濃度の有機ヒ素含有化合物を含むグリセロリン脂質(以下リン脂質という)を沈殿物として、そして有機ヒ素含有化合物の含有量が少ない上清液(溶液部)を得る。
このリン脂質は、腫瘍の成長を抑制する化合物を含む組成物として用いることができる。本発明の有機ヒ素含有化合物は、このリン脂質を、さらに液液分配、クロマトグラフィー分離法に供することによって精製、かつ単離され得る。
本明細書で用いられる用語「リン脂質」は、グリセロリン脂質を意味する用語として用いられ、グリセロリン脂質は、当該技術分野で用いられるように、グリセロリン酸を骨格としてもつリン脂質の総称であって、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジルイノシトール、イノシールリン脂質、カルジオピリン、ホスファチジル酸、リゾリン脂質などを含む。
本明細書で用いられる用語「有機ヒ素含有化合物」は、例えば、魚介類、またはその組織中に含まれるリン脂質とともに分画され、精製され、そして単離され、そしてヒ素を含む化合物をいう。
本明細書で用いられる用語「ヒ素結合性リポプロテイン」は、上記「有機ヒ素含有化合物」に包含され、ヒ素、リン脂質およびペプチドまたはタンパク質を含み、そして薄層クロマトグラフィーで所定の溶媒で展開した場合に、ニンヒドリン反応によって単一のスポットとして検出され、加水分解されて少なくとも4つのアミノ酸を遊離するように複合体化されている物質をいう。従って、上記「ヒ素結合性リポプロテイン」は、少なくとも4つのアミノ酸を含み得る。
上記有機ヒ素含有化合物は、魚介類または魚介類の組織のエタノール抽出物をシクロヘキサンとベンゼンとの混合液に溶解する工程、得られた溶液にアセトンを添加する工程、得られた沈殿物をエーテルとエタノールの混合液で抽出する工程を含む方法によって得られ得る。
上記「ヒ素結合性リポプロテイン」は、上記抽出する工程で得られた抽出物を、シリカゲルとフロリジルとを含む複合カラムクロマトグラフィーに供する工程によって得られ得る。
例えば、カツオ精巣リン脂質中には後述の表1に記載される例で示されるように100ppm〜700ppmのAsが含まれている(なお、本明細書において、ヒ素濃度について言及するとき、特に指定されなければ、原子吸光法またはジエチルジチオカルバミン酸銀法(DDTCAg比色法)でAsとして測定される濃度を示す。)。本発明の有機ヒ素含有化合物は、当該分野で周知のFolch溶媒分画法に準拠した方法を利用することによって分画される(なお、本明細書において、用いられる溶媒の比率または%について言及するとき、特に指定されなければ、示される比率は容積比または容量%を示す)。
本発明の有機ヒ素含有化合物は、代表的には、以下のようにして得られる。
すなわち、まず最初に、カツオ精巣よりエタノール可溶性画分を分画して、その分画液を加温減圧下にエタノールを留去して得た濃縮残留物を総脂質として得る。得られる総脂質約4gを10%ベンゼン−90%シクロヘキサン約100mLに溶かして不透明赤褐色の溶液を得る。この溶液に合計240mLのアセトンを少量ずつ注加すると沈殿が生じる。この混合液を冷蔵庫中で1.5時間放冷後遠心分離して赤褐色の沈殿物(アセトン不溶物)と帯黄白色の溶液を得る。次いでこの帯黄白色の溶液を加温減圧下に濃縮すると淡褐色の濃縮残留物(アセトン可溶物)が得られる。本発明の有機ヒ素含有化合物は、このアセトン不溶物から得られ得る。
得られたアセトン不溶物を、例えばエタノールに溶かすと、エタノール可溶部と不溶部にわかれる。このエタノール可溶部を分取後減圧濃縮して、その濃縮物をエーテルーエタノール(1:5)混液に溶解し、その溶解液のみを分取して得る。この溶解液を減圧濃縮して千数百ppm以上のヒ素を含む濃縮残留物が得られる。この高濃度のヒ素を含む濃縮残留物を、フロリジルPR−シリカゲルC200による複合カラムクロマトグラフィー処理を行って、ヒ素結合性リポプロテインが単離され得る。カラム分配液としては、例えば、第1液としてメタノール−水−氷酢酸(24:4:4)を用いて不要物を除去し、そして第2液としてメタノールを用いて有機ヒ素化合物を複合カラムから離脱して単離し得る。
本明細書で用いられるとき、用語「アガリクス」は、担子菌類ハラタケ科に属するきのこであって、学名「カワリハラタケ・ブラゼイ・ムリル Agaricus blazei Murill」を意味する。本明細書で用いられるとき、用語「アガリクス」は、乾燥アガリクス茸を熱水抽出し、その溶液をスプレードライによって粉末化したものをいう。
(本発明の有機ヒ素含有化合物を含む組成物)
上記のように精製、かつ単離された有機ヒ素含有化合物は、単独または他の薬剤もしくは食品素材と組み合わせて摂取され得る。
上記のように精製、かつ単離された有機ヒ素含有化合物またはその製薬上許容される塩は、そのまま単独で、あるいは種々の薬学的に受容可能なキャリアとともに医薬製剤の製造に用いられ得る。また、それら医薬製剤は、動物および人に使用される。
上記のように精製、かつ単離された有機ヒ素含有化合物は、代表的には、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、および水など)とともに経口的に摂取される組成物として処方され得る。
しかし、投与経路は、治療に際し最も効果的な投与経路によるのが好ましく、経口的に摂取される他、例えば、直腸内、口腔内、皮下、筋肉内、静脈内、塗布などの経皮、粉末やエアロゾルなどの噴霧剤による経肺などの非経口的経路によっても摂取され得る。
本発明の組成物の処方および投与の詳細は、例えば、当該分野における教科書「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES」(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の記載に従って行なわれ得る。
経口投与のための有機ヒ素含有化合物は、摂取に適した投与形態で当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物として処方され得る。このようなキャリアは、得られる組成物が、患者による摂取に適した、錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物などに処方されることを可能とする。
上記薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に公知であって、例えば、以下のものが挙げられる:リンゲル溶液、ハンクス溶液、または緩衝化生理食塩水などの緩衝液;ゴマ油などの脂肪酸、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル;ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトールなどの糖類;トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモなどの植物由来デンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;アラビアゴム、トラガカントゴムなどのゴム;ゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質;架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩など。
投与形態としては、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤などがある。経口投与に適当な、例えば乳剤およびシロップ剤のような液体調製物は、水、ショ糖、ソルビット、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤などは、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性製剤からなる。例えば、注射剤の場合、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
局所製剤は、活性化合物を1種もしくはそれ以上の媒質、例えば鉱油、石油、多価アルコールなどまたは局所医薬製剤に使用される他の基剤中に溶解または懸濁させて調製する。腸内投与のための製剤は、通常の担体、例えばカカオ脂、水素化脂肪、水素化脂肪カルボン酸などを用いて調製し、座剤として提供される。
本発明では、非経口剤においても、経口剤で例示したグリコール類、油類、フレーバー類、防腐剤(抗酸化剤を含む)、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
本発明の組成物は、有機ヒ素含有化合物を、腫瘍の成長を抑制するに有効な量で含む。当業者は、「腫瘍の成長を抑制するに有効な量」を十分に理解および認識する。「腫瘍の成長を抑制するに有効な量」は、まず、細胞培養によるインビトロアッセイまたは適切な動物モデルによって評価され得る。次に、このような情報を用いて、ヒトにおける摂取に有用な量を決定し得る。「腫瘍の成長を抑制するに有効な量」は、例えば、本明細書に記載されるMeth−A(神経芽細胞)を移植したマウスを用いるアッセイ系を用いて決定され得る。
実際に摂取される有機ヒ素含有化合物の量は、適用される個体の健康状態などに依存し、所望の効果が達成されるように最適化され得る。薬学的または栄養学的に有効な量を決定することは、当業者にとっては慣用的な手順である。
上記の有機ヒ素含有化合物は、その機能を発揮するに十分な量で、選択された1種またはそれ以上の食品素材と混合され得る。選択された1種またはそれ以上の食品素材は、当業者に公知の形態、通常粉末形態で、上記有機ヒ素含有化合物と混合される。そしてこれらは、用途または好みに応じて、液状の食品として供することができる。あるいはハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状もしくは、飴状などの形状に成形され得る。
上記有機ヒ素含有化合物は、Meth−A(神経芽細胞)を移植したマウスにおける腫瘍の増殖を抑制する。本明細書に開示される手法またはプロトコールの指針を参照すれば、腫瘍に対する上記有機ヒ素含有化合物の有効性は容易に実証され得る。すなわち、上記有機ヒ素含有化合物の濃度を変えて含有する食餌が、マウスにおける腫瘍の増殖の抑制を測定することにより容易に実証し得る。
本発明の有機ヒ素含有化合物もしくはその製薬上許容される塩の有効用量および投与回数は、投与形態、患者の年令、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常、投与量は、1日当たり0.01〜1000mg/人、好ましくは0.1〜50mg/人であり、投与回数は、1日1回または分割して投与するのが好ましい。
本発明の有機ヒ素含有化合物は、種々の腫瘍の成長を抑制し得る。本明細書で用いられる用語「腫瘍」は、当該技術分野で通常用いられるように、その発生組織母組織により、上皮性および非上皮性に大別される。前者は扁平上皮および腺上皮の腫瘍であり、後者は結合組織・血管・造血組織・筋組織・神経組織の腫瘍である。
本発明の有機ヒ素含有化合物は、代表的には、神経芽細胞腫の成長を抑制するために用いられ得る。神経芽細胞腫は、当該分野で周知のように、主に、乳児と小児の縦隔および腹膜後腔部(代表的には副腎を伴う)により頻繁に生じ、肝臓、肺、リンパ節、頭蓋腔、骨格への広範な転移が一般的にみられる腫瘍である。従って、本発明の有機ヒ素含有化合物は、代表的には、肝臓、肺、リンパ節、頭蓋腔、または骨格の腫瘍の増殖を抑制するために用いられ得る。さらに、本発明の有機ヒ素含有化合物は、その他の脳、脾臓、腎臓、小腸、膵臓、血液細胞、結腸、胃、胸部、子宮、前立腺、精巣、卵巣、中枢神経系、皮膚、頭頸部、食道などの腫瘍の増殖をを抑制するために用いられ得る。
その他に本発明の有機ヒ素含有化合物が、適用可能な疾患は、腫瘍のほか、炎症性疾患(アレルギー性疾患(アレルギー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎など)、関節リウマチ、アナフィラキシーなど)、動脈硬化症、血管系・循環器系疾患、免疫系疾患、細胞増殖性疾患、感染症等を含む。例えば乾癬、肺線維症、糸球体腎炎、癌、アテローム性硬化症、および抗血管形成(例えば、腫瘍成長、糖尿病性網膜症)を含む。具体的には、たとえば、本発明の有機ヒ素含有化合物は、脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎、髄膜炎、炎症性多発性ニューロパチー、神経炎、涙腺炎、眼窩炎、結膜炎(アレルギー性結膜炎、春季角結膜炎など)、角膜炎、網脈絡膜瘢痕、眼内炎、球後視神経炎、網膜症、緑内障、蜂窩織炎、外耳炎、軟骨膜炎、中耳炎、耳管炎、乳突起炎、鼓膜炎、迷路炎、歯髄炎、歯周炎、唾液腺炎、口内炎、舌炎、甲状腺炎、心膜炎、心内膜炎、心筋炎、高血圧症、心不全、動脈硬化(アテローム粥状硬化症など)、再狭窄、虚血再還流障害、血栓症(心筋梗塞、脳梗塞、など)、肥満症、血管炎、脈管炎、多発性動脈炎、リンパ節炎、リンパ腫、ホジキン病、好酸球性疾患(好酸球増多症、肺好酸球症、肺アスペルギルス症など)、炎症性または閉塞性気道疾患(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、肺炎、喉頭炎、喉頭気管炎、気管支炎、喘息、急性肺障害、急性呼吸促拍症候群、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患など)、胸膜炎、塵肺症、中皮腫、食道炎、胃空腸潰瘍、胃炎、十二指腸炎、食物アレルギー、敗血症、肝炎、肝線維症、肝硬変、胆嚢炎、膵炎、腹膜炎、糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病)、炎症性またはアレルギー性皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(アレルギー性接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎など)、乾癬、蕁麻疹、光アレルギー性反応、円形脱毛症など)、皮膚肥厚性障害(皮膚好酸球性肉芽腫など)、皮膚多発性筋炎、皮下脂肪組織炎、甲状腺機能亢進症、サルコイドーシス、自己免疫性血液疾患(溶血性貧血、突発性血小板減少性紫斑病など)、(全身性)紅斑性狼瘡、再発性多発性軟骨炎、多軟髄炎、スクレロドーマ(sclerodoma)、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重筋無力症、スチーブンス−ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、内分泌眼病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺臓炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ぶどう膜炎、乾性角結膜炎,間質性肺線維症、虹彩毛様体炎、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、全身性硬化症、全身性結合組織疾患(シェーグレン症候群、ベーチェット病、びまん性筋膜炎など)、間質性筋炎、炎症性多発性関節障害、炎症性関節炎、関節リウマチ、変形性関節症,滑膜炎、滑液包炎、腱鞘炎、慢性多発性骨髄炎、腎炎症候群、尿細管間質性腎炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣炎、精巣上体炎、卵管炎、卵巣炎、子宮頚部炎、女性骨盤炎症、外陰腟炎症、臓器移植拒絶、骨髄移植拒絶、移植片対宿主病等の疾患の予防および/または治療剤あるいは熱傷、外傷性炎症を含み得る。
これらの疾患に対する本発明の有機ヒ素含有化合物の有効性、投与形態、投与経路、投与量は、本明細書の記載および当該技術分野で周知の技法を参考に、容易に確認および決定され得る。
本発明はまた、本発明の有機ヒ素含有化合物を含む医薬組成物を製造するシステム、装置、キットにも関する。そのようなシステム、装置、キットの構成要件は、当該分野において公知のものを利用することができ、当業者は適宜設計することができることが理解される。
本発明はまた、本発明の有機ヒ素含有化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を使用するシステム、装置、キットにも関する。そのようなシステム、装置、キットの構成要件は、当該分野において公知のものを利用することができ、当業者は適宜設計することができることが理解される。
本発明の有機ヒ素含有化合物は、医薬としての有用性を備えた化合物である。ここで、医薬としての有用性としては、代謝安定性がよい点、薬物代謝酵素の誘導も少ない点、他の薬剤を代謝する薬物代謝酵素の阻害も小さい点、経口吸収性の高い化合物である点、薬物の溶解度が高い点、クリアランスが小さい点、または、半減期が薬効を発現するために十分長い点などが含まれる。
(実施例1)
50gの細切したカツオ精巣(白子)(鰹節製造業者で分別後のものを取得した)に150〜200mLのエタノールを添加し、温湯中(約60℃)に置き撹拌機で緩く撹拌して抽出液を得、その全量を分取した。その後、新たに同量のエタノールを添加して同じ操作を繰り返し2度目の抽出液を得た。得られた抽出液を先の抽出液と合わせた。得られた全抽出液を減圧下で加温してエタノールを除去し、得られた乾燥物を総脂質として得た。
得られた総脂質中には、原子吸光法で測定すると、後述の表1に示されるように、100ppm〜800ppmのヒ素がAsとして検出された。
得られた総脂質の4gに100mLのn−ヘキサンを添加し、不透明の赤褐色の溶液を得た。この溶液に、合計240mLのアセトンを少量ずつ添加すると沈殿が生じた。得られた混合液を冷蔵庫中で1.5時間放冷後3,700rpmで5分間遠心分離して赤褐色の沈殿物と帯黄白色の上清液とを得た。得られた帯黄白色の上清液を減圧下加温して濃縮し淡褐色の濃縮残留物を得た。上記赤褐色の沈殿物と淡褐色の濃縮残留物について、原子吸光法で測定すると、それぞれ505.7μg/gおよび107.1μg/gのヒ素を含有していた(ヒ素含有比率で表すと、82.5%:17.5%。表1(後述)を参照のこと)。
得られた淡褐色の濃縮残留物にn−ヘキサンを添加してn−ヘキサン溶液とし、上記と同様にアセトン添加、放冷、および遠心分離を繰り返して得た上清液の濃縮残留物を得た。この濃縮残留物は、82.0μg/gのヒ素を含有していた。従って、この操作によって約23%のヒ素含有成分がアセトン不溶画分に移行した。
これらの結果から、総脂質にn−ヘキサンを添加し、さらにアセトンを少量ずつ添加することにより、ヒ素含有量が高い画分を沈殿物として、ヒ素含有量がより低い画分を上澄液として分画できることがわかった。これらの画分は、有機溶媒であるn−ヘキサンに可溶性で、エタノールにも可溶性であることから、有機ヒ素含有化合物であると推定された。
(実施例2)
有機ヒ素含有化合物の分画比率を高めることを試みた。上記実施例1と同様に得られた総脂質の4gを100mLのn−ヘキサンに溶解し、電離度を高めるためにエタノールをそれぞれ10%、20%および40%添加した混合液を調製した。それぞれの混合液の50mLに2gの総脂質をさらに添加して溶解した後、実施例1と同様に160mLのアセトンを少量ずつ添加し、得られた混合液を冷蔵庫中で1.5時間放冷後3,700rpmで5分間遠心分離して沈殿物と上清液とを得た。
第1回目の分離操作によって得られる沈殿物および上清液(濃縮物)中のヒ素含有量(ppm)とその含有比率を表1に示す。
表1.カツオ白子エタノール抽出物の溶媒処理による有機ヒ素化合物の分画

溶媒 沈殿物 上清濃縮物
ヘキサン、次いでアセトン 505.7(82.5%) 107.1(17.5%)
ヘキサン、次いでアセトン、さらにヘキサン、次いでアセトン 82.0
10%エタノール/ヘキサン、次いでアセトン 436.3(63.7%) 249.0(36.3%)
20%エタノール/ヘキサン、次いでアセトン 500.4(49.4%) 342.5(40.6%)
40%エタノール/ヘキサン、次いでアセトン 278.7(50.1%) 277.0(49.9%)
シクロヘキサン、次いでアセトン 797.2(85.2%) 137.9(14.8%)
ベンゼン、次いでアセトン 731.6(80.4%) 177.8(19.6%)
10%ベンゼン/90%シクロヘキサン、次いでアセトン 810.7(87.2%) 118.9(12.8%)
( )内の数字はヒ素含有比率を表す。
表1に示される、実施例1における結果と実施例2における結果を比較すると、アセトン沈殿物として回収されるヒ素含有画分は、総脂質の抽出に用いたヘキサンの電離度を高めると減少することから、このアセトン沈殿物として回収されるヒ素含有画分には、有機性の高いヒ素含有化合物が含まれることが明らかとなった。
(実施例3)
シクロヘキサン、ベンゼン、および10%ベンゼン−90%シクロヘキサン混合溶液の各々100mLに、実施例1と同様に得られた総脂質の4gをそれぞれ溶解した。得られた各脂質溶液に510mLのアセトンを少量づつ添加すると沈殿を生じた。これら沈殿を生じた各脂質溶液を冷蔵庫中で1.5時間放置した後、2,500rpmで5分間遠心分離して沈殿物と上清液とを得た。実施例2と同様に、得られた沈殿物と、上清濃縮物について実施例1および2と同様に原子吸光法でヒ素含有量を測定した。その結果は、ヒ素含有量および含有比率として表1に示されている。
表1に示される結果から明らかなように、10%ベンゼン−90%シクロヘキサン混合溶媒で抽出した場合に、最も多くの、アセトン沈殿物として回収されるヒ素含有画分が得られた。
(実施例4)
非特許文献1および非特許文献2は、カツオ白子から抽出したリン脂質画分はマウスの腹腔に移植したMethAに対して抗腫瘍活性を示すことを報告している。しかし、その有効成分は特定されていない。これに対し、本発明者は、上記のようにカツオ精巣リン脂質が、ヒ素を高い含有率で含むことを見出した。
この実施例では、このヒ素をターゲットにして、ヒ素含有率の低いリン脂質を作り、その一方で、高い含有率で含まれるヒ素を含む成分の単離を行い、その化学特性を明らかにするための研究を行った。
すなわち、カツオ精巣リン脂質中には表1に示すように100ppm〜700ppmのAsを含有していた。そこで、カツオ精巣リン脂質とカツオ精巣リン脂質中よりヒ素を除去したリン脂質を作成し、MethAを移植したマウスに対する抗腫瘍活性を試験したところ、カツオ精巣リン脂質は抗腫瘍活性を示すのに対し、ヒ素を除去したカツオ精巣リン脂質では抗腫瘍活性を示さないことを見出した(結果は示さず)。
カツオ精巣リン脂質中よりヒ素を除去する方法はFolch溶媒分画法に準拠して行った。すなわち、実施例1と同様に、まず、カツオ精巣よりエタノール可溶性画分を分画して、その分画液を加温減圧下にエタノールを留去して得た濃縮残留物を総脂質として得た。
実施例3と同様に、得られた総脂質4gを10%ベンゼン−90%シクロヘキサン100mLに溶かして不透明赤褐色の溶液を得た。この溶液に合計240mLのアセトンを少量ずつ添加すると沈殿が生じた。この混合液を冷蔵庫中で1.5時間放冷後遠心分離して赤褐色の沈殿物(アセトン不溶物)と帯黄白色の溶液を得た。次いでこの帯黄白色の溶液を加温減圧下で濃縮し、淡褐色の濃縮残留物(アセトン可溶物)を得た。
アセトン不溶物とアセトン可溶物のヒ素を原子吸光法で測定するとそれぞれ810.7μg/gと118.9μg/g含有していた。この値をヒ素含有比率でみると87.2と12.8%になった(表1)。この操作を繰り返して高ヒ素含有画分と低ヒ素含有画分とに分別できるので、それぞれをマウスによる抗腫瘍作用試験に供した。
次いで、高濃度ヒ素含有脂質を分取し、性状、構造等を明らかにするために、アセトン不溶物をエタノールに溶かすと、エタノール可溶部と不溶部にわかれた。このエタノール可溶部を分取後減圧濃縮して、その濃縮物をエーテルーエタノール(1:5)混液に溶解し、その溶解液のみを分取して得た。この溶解液を減圧濃縮して千数百ppm以上のヒ素を含む濃縮残留物を得た。
この高濃度のヒ素を含む濃縮残留物は引き続いてクロロホルムーメタノール(95:5)混液で処理したが、有効なヒ素の分離分割は出来なかったので、後述の実施例8に記載されるように、フロリジル−シリカゲルC200を組み合わせた複合カラムクロマトグラフィー処理を行って目的物を単離した。カラム分配液は、後述の実施例8に記載されるように、第1液としてメタノール−水−氷酢酸によって不要物を除去し、第2液としてメタノールによって有機ヒ素含有化合物を単離した。
(実施例5)
実施例3で記載されたように、10%ベンゼン−90%シクロヘキサン混合溶液で総脂質を抽出後、アセトン上清液として回収されるヒ素含有画分の濃縮物(本明細書では以後アセトン可溶リン脂質という)55gを、10%エタノール−90%アセトン混合液200mLに溶解した。
これとは別に、1kgのワコーゲルC200(和光純薬工業社製)を110℃で17時間活性化し、デシケーター中で放冷した後、n−ヘキサンに添加して懸濁してよく撹拌した。この懸濁液に、上記のアセトン可溶リン脂質溶液を注いでよく撹拌した。撹拌を止めこの懸濁液を約30分放置して上清液(溶媒層)を分取した。
得られた溶媒相を減圧濃縮し、得られた残留物について上記と同じシリカゲル処理を繰り返し、得られた溶媒相を減圧濃縮して再び残留物を得た。この残留物には、ジエチルジチオカルバミン酸銀法(以下、DDTCAg比色法(535nm))で測定すると5〜7.9ppmのヒ素が含まれていた(以下、「低濃度ヒ素脂質」という)。
この残留物について、後述のように、3週齢のマウス雌10匹を用いた、MethA (神経芽細胞)に対する抗腫瘍作用を調べたが、有意に抗腫瘍効果は確認できなかった(結果は示さない)。
一方、溶剤を除去されたシリカゲルC200には高濃度ヒ素含有脂質が含まれていたので、これを合計1Lエタノールを使って抽出した。このエタノール抽出溶液の減圧濃縮残留物を高濃度ヒ素含有脂質試料として利用した。
得られたこの減圧濃縮物を、実施例3で得られた総脂質の10%ベンゼン−90%シクロヘキサン混合溶液による抽出物のアセトン沈殿物と合わせ、高濃度ヒ素含有脂質画分とした(以後本明細書では、アセトン不溶物(A)と称する)。
50gのアセトン不溶物(A)に、100mLのエタノールを添加して混合した。得られた懸濁液を3,500rpmで7分間遠心分離し、赤褐色の上清液(以後、本明細書ではエタノール溶液(B)という)と、沈殿物(以後本明細書ではエタノール不溶物(D)という)とに分けた。エタノール溶液(B)は、減圧濃縮して濃縮残留物(C)を得た。
得られた各試料について、ヒ素含量はDDTCAg比色法(535nm)で測定し、またリン含量はモリブデンブルー比色法(740nm)で測定した結果を表2に示す。なお、表中「脂質」は、画分中の乾燥固形分重量である。
表2
試料 ヒ素 リン 脂質
濃縮残留物(C) 1312ppm 1.46% 27.68g
エタノール不溶物(D) 127.29ppm 0.97% −
(実施例6)
実施例5で得られた濃縮残留物(C)に、10mLのクロロホルム−メタノール(99:1)混合液を添加し、混合し、静置したところ、約3容量%に相当する粘稠な不溶物(E)と上清液(クロロホルム−メタノール(99:1)混合液(F))が得られた。
不溶物(E)にエタノールを添加し、混合し、静置したところ、黄白色の沈殿物が生成したので、3,700rpmで10分間遠心分離し、溶液部(G)と沈殿物とに分けた。得られた黄白色の沈殿物に5mLの蒸留水を添加して溶解した。
DDTCAg比色法(535nm)でヒ素含有量を測定したところ、溶液部(G)は、642.4ppmのヒ素を含み、そして沈殿物の水溶液は、62.7ppmのヒ素を含んでいたが粘稠物中のヒ素は溶液部(G)の極小量が付着したものと判断された。
(実施例7)
上記クロロホルム−メタノール(99:1)混合液(F)を、TLC(プレート;キーゼルゲル60(メルク社製)、展開溶媒;n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−蒸留水=4:1:1.5:2)展開した。展開したTLCを、種々の呈色液(プリムリン試液、オルシノール硫酸、硫酸試液)で発色し、さらにUV照射してを確認したところ、8〜9成分のスポットを確認した。これら各スポットを別々に掻き取り、メタノールで抽出してヒ素含有量を測定した。その結果、Rf=0.18±0.02のスポットに高い濃度のヒ素が検出された。このスポットは、0.4%のニンビドリン溶液を噴霧した場合、その他のスポットが赤褐色〜赤紫色を呈したのに対し、薄い紫色を呈し、しかも呈色までに少し時間を要することが特徴であった。このRf=0.18±0.02ので検出される物質は、高い濃度のヒ素を含有するとともに、ニンヒドリンとも反応することからアミノ基を含むことが明らかになった。
(実施例8)
フロリジルPR(和光純薬工業社製)およびワコーゲルC200(和光純薬工業社製)をそれぞれ110℃で20時間以上活性化した。その後、n−ヘキサンを溶媒として用い、クロマト管(直径1cm)に、最初1gのフロリジルPRを、次いで4gのC200を層積した。これに、千数百ppmのヒ素を含む、実施例5で得られた濃縮残留物(C)約0.4gを約0.8mLのメタノール溶液として装填し、次いでメタノール−蒸留水−氷酢酸(6:1:1)混液24mLで展開し、ヒ素含有物質以外の物質を流去した。引き続いて、メタノール30mLで展開し、目的のTLCで1スポットからなる有機ヒ素含有化合物画分を得た。この有機ヒ素含有化合物画分は、TLC(展開溶媒;n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−蒸留水(4:1:1.5:2))により、Rf=0.18の単一スポットとして展開される物質であることが確認された(図1)。このスポットを掻き取り、メタノールで抽出してヒ素含量を測定した結果、111.3ppmのヒ素が検出された。この有機ヒ素化合物画分を凍結乾燥すると、乳白色の結晶が得られた。この結晶は、水および70%エタノールに可溶性であったが、100%エタノールには不溶性であった。
(実施例9)
実施例8と同じ方法で得られた凍結乾燥前の有機ヒ素含有化合物画分を、乾固するまで濃縮し、2mLの4N−HClを添加し、8時間沸騰させて塩酸分解を行った。得られた塩酸分解液をアンモニアで中和した後、TLC(展開溶媒;n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−蒸留水(4:1:1.5:2))で展開したところ、アルギニンなどのニンヒドリンによる呈色スポットが得られた。従って、この有機ヒ素化合物は、ヒ素を分子内に含むポリペプチド構造を有する化合物であることが判明した。アミノ酸自動分析器(機種:JLC−500/V(日本電子製)、カラム:LCR−6、φ4mm×120mm(日本電子製)、移動相:クエン酸リチウム緩衝液、反応液:ニンヒドリン試薬(和光純薬工業))によって上記の中和した塩酸分解液を分析したところ、アルギニン、リジン、グリシン、およびアスパラギン酸が含まれていることが確認された。
上記有機ヒ素化合物画分の10%メタノール−90%蒸留水2mLを、amicon cetnricon plus−20(ミリポア社、UFC2BBC02)に装填し、3000rpmで20分間遠心分離したところ、分子量5000以下の画分に移行した。
(実施例10)
英国食品規格庁(Food Standards Agency:FSA)は、乾燥ヒジキが有機ヒ素化合物を多く含むので、摂食を控えるよう勧告している。乾燥ヒジキを、カツオ精巣と同様に上記のように処理して、以下に記載のように、TLCによって、カツオ精巣中に含まれるのと同一の有機ヒ素含有化合物が含まれることを確認した。
乾燥ヒジキ83gを小型ミキサー(パナソニック社製、MK−61M)で粉砕した。得られた粉末から、実施例3および5と同じ方法で有機ヒ素化合物を精製分離し、実施例8と同じ方法で薄層クロマトグラフィー(TLC)分析を行って有機ヒ素化合物を同定し、TLC分析で得られたスポットを掻き取りによって集め0.6mLのメタノールで抽出してヒ素含量を測定したところ0.054ppmのヒ素を検出した。
(実施例11)
実施例5において得られた「低濃度ヒ素脂質」の12gを、10%ベンゼン-90%シクロヘキサン混合溶液215mLに溶解した後、アセトン750mLを添加した。得られた混合液を冷蔵庫中で1.5時間放冷後、遠心分離して赤褐色の沈殿物と帯黄白色の上清溶液を得た。この帯黄白色の上清溶液を加温減圧下で濃縮して、淡褐色のアセトン可溶リン脂質(H)を得た。このアセトン可溶リン脂質(H)について、再び上記の10%ベンゼン-90%シクロヘキサン混合溶液とアセトン処理を繰り返し、有機ヒ素化合物含量の少ない溶液部を集めた。溶液部は濃縮して濃縮残留物(以下「ヒ素脱離脂質」という)を得る。「ヒ素脱離脂質」のヒ素含有量は0.05〜0.5ppmの範囲内であった。
この「ヒ素脱離脂質」に実施例7で集めたメタノール溶液を添加した「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素含有量、819.1ppm)と「ヒ素脱離脂質」を抗腫瘍試験に供した。
方法1
BALB/cマウス雌3週齢10匹からなる各群を、基本食飼料(増田理化社製)にアガリクス(乾燥アガリクス茸を熱水抽出し、その溶液をスプレードライによって粉末化したもの)、「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素含有量、819.1ppm)およびアガリクス+「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素高含有量、819.1ppm)を各1.0%混合した飼料で2週間飼育した。
2週間目に各群のマウスにMeth-A(神経芽細胞)を腹部皮下に移植し、移植後21日目の各群のマウスの固形がんのサイズおよびがん重量を測定してアガリクス、「高濃度有機ヒ素脂質」、およびアガリクス+「高濃度有機ヒ素脂質」の抗腫瘍効果を観察した。
その結果を図1に示す。アガリクス、「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素含有量、819.1ppm)の腫瘍重量はそれぞれコントロールの60%と49%に縮少し、アガリクス、「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素含有量、819.1ppm)はそれぞれ固形がんのサイズと重量を有意に抑制し、そして特にアガリクス+「高濃度有機ヒ素脂質」(ヒ素含有量、819.1ppm)の腫瘍重量は14%にまで減少し、それぞれの単独効果より相乗的に抗腫瘍作用を示すことが明らかになった。(図2)この事実は新しい知見である。
方法2
高濃度のヒ素化合物がMeth−A(神経芽細胞)に対する抗腫瘍効果を示すことを明らかにするために、上述のヒ素高含有のカツオ精巣総脂質から得られた「ヒ素脱離脂質」を方法1に準じて試験した。
すなわち、BALB/cマウス雌3週齢10匹からなる各群を、基本食飼料にアガリクス、「ヒ素脱離脂質」およびアガリクス+「ヒ素脱離脂質」を各1.5%混合した飼料で2週間飼育した。
2週間目に各群のマウスにMeth−A(神経芽細胞)を腹部皮下に移植し、移植後21日目の各群のマウスの固形がんのサイズおよびがん重量を測定してアガリクスと「ヒ素脱離脂質」およびアガリクス+「ヒ素脱離脂質」の抗腫瘍効果を観察した。
その結果、アガリクスは固形がんのサイズと重量を有意に抑制したが、「ヒ素脱離脂質」の抗腫瘍作用は認められなかった。したがって、アガリクス+「ヒ素脱離脂質」の抗腫瘍効果も低値であった(図3)。
方法1と方法2の結果から、高濃度の有機ヒ素含有化合物がMeth−A(神経芽細胞)に対する抗腫瘍効果を示すことが明らかになった。
このことから、アガリクス製剤にカツオ精巣総脂質またはカツオ精巣総脂質から実施例3に示す方法によって得られたアセトン不溶物、実施例5に示す方法によって得られたエタノール抽出溶液の減圧濃縮残留物(C)および実施例6に示す方法によって得られたクロロホルム−メタノール抽出溶液(F)の減圧濃縮残留物を添加して抗腫瘍効果の高い飲食用および薬用組成物を製造できる。
(実施例12 製剤例1 錠剤)
常法により次の組成からなる錠剤を製造する。
本発明の有機ヒ素含有化合物 10mg
乳 糖 60mg
馬鈴薯でんぷん 30mg
ポリビニルアルコール 2mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
タール色素 微量。
(実施例13 製剤例2 散剤)
常法により次の組成からなる散剤を製造する。
本発明の有機ヒ素含有化合物 15mg
乳 糖 280mg。
(実施例14 製剤例3 シロップ剤)
常法により次の組成からなるシロップ剤を製造する。
本発明の有機ヒ素含有化合物 500mg
精製白糖 40 g
p−ヒドロキシ安息香酸エチル 40mg
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg
チョコフレーバー 0.1cc
これに水を加えて全量100ccとする。
(実施例15 食品例)
常法により次の組成からなる食品を製造する。
本発明の有機ヒ素含有化合物 200mg
精製白糖 40 g
適宜の粉状の食品 40 g
チョコフレーバー 0.1cc
これに水を加えて全量100ccとする。
食用および飲食用組成物として利用可能である、新規有機ヒ素含有化合物が提供される。
図1は、実施例8に記載される、本願発明による有機ヒ素含有化合物が単一スポットとして精製かつ単離されたことを示す、展開後の薄層クロマトグラフィー(TLC)を示す図である。図1の右端の矢印で示されるのが有機ヒ素含有化合物である。 図2は、実施例11に記載される、抗腫瘍試験の結果を示すグラフであり、縦軸は腫瘍重量を、横軸は試験群:左からそれぞれ、対照群、アガリクス群、有機ヒ素含有化合物(高濃度ヒ素脂質)群、アガリクス+有機ヒ素含有化合物(高濃度ヒ素脂質)群における結果を示す。 図3は、実施例11に記載される、抗腫瘍試験の結果を示すグラフであり、縦軸は腫瘍重量を、横軸は試験群:左からそれぞれ、対照群、アガリクス群、ヒ素離脱脂質群、アガリクス+ヒ素離脱脂質群における結果を示す。

Claims (3)

  1. 以下の物性:
    乳白色の結晶;
    水、メタノール、70%エタノールに可溶性、エタノールに不溶性;
    ニンヒドリン試薬によって紫青色を呈する;
    n−ブタノール−氷酢酸−エタノール−水(4:1:1.5:2)の展開溶媒を用いた薄層クロマトグラフィーにおけるRf値=0.18±0.02;および
    分子量5000以下、を有するヒ素結合リポプロテインであって、
    カツオ精巣のエタノール抽出物をシクロヘキサンとベンゼンとの混合液に溶解する工程、得られた溶液にアセトンを添加する工程、得られた沈殿物をエーテルとエタノールの混合液で抽出する工程、および該抽出する工程で得られた抽出物を、シリカゲルとフロリジルとを含む複合カラムクロマトグラフィーに供する工程を含む方法によって得られる、ヒ素結合リポプロテイン。
  2. リン脂質、ヒ素および少なくとも4つのアミノ酸を含む、請求項に記載のヒ素結合リポプロテイン。
  3. 前記少なくとも4つのアミノ酸が、アルギニン、リジン、グリシン、およびアスパラギン酸である、請求項のいずれか1項に記載のヒ素結合リポプロテイン。
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