JP4609694B2 - 光学材料用樹脂の製造方法、光学材料用樹脂及びプラスチックレンズ - Google Patents

光学材料用樹脂の製造方法、光学材料用樹脂及びプラスチックレンズ Download PDF

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Description

本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、レンチキュラーシート、フィルター等に使用される光学材料用樹脂の製造方法、その製造方法によって製造された光学材料用樹脂及びその樹脂を用いたプラスチックレンズに関する。
プラスチック材料は、軽量かつ強度に優れることから、光学材料用樹脂として従来の無機ガラス材料等に替わり、プラスチックレンズやプリズムなどの各種用途に広く使用されている。中でも、プラスチックレンズは、従来のガラスレンズに比べ軽量で割れにくく、また染色が容易であることから、近年視力矯正用レンズおよびサングラスをはじめ、カメラレンズや光学素子等に広く普及している。光学材料、特に眼鏡レンズに要求される性能は、低比重に加えるに、光学性能としては高屈折率と高アッベ数であり、物理的性質としては高耐熱性と高強度である。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減し、高耐熱性及び高強度は二次加工を容易にするとともに安全性等の観点から重要である。これらの要求を満たすべく近年様々なプラスチックレンズ用素材が開発されるようになってきており、高屈折率の新規な透明プラスチックレンズを開発する試みが多数なされている。
さらに、このようなプラスチックレンズに紫外線吸収能を付与し、紫外線による障害から目等を保護するものが提案され、紫外線吸収能を付与するために、プラスチックレンズ用樹脂材料自体に紫外線吸収能を有するものを使用したり、プラスチックレンズ用樹脂材料に紫外線吸収剤を添加したりすることが行われている。しかし、これらのプラスチックレンズでは、プラスチックレンズ用樹脂材料や紫外線吸収剤自体の色(黄色)により、プラスチックレンズが黄色化することが多い。このような場合にプラスチックレンズ用樹脂材料自体に黄色さを打ち消すような青色または紫色の染料を添加することでプラスチックレンズの透明感を維持するブルーイング方法がある。例えば、プラスチックレンズの主原料となる重合単量体の一部に青色または紫色の染料を添加し攪拌することによって、染料を重合単量体に分散又は溶解させて調製したブルーイングマスターバッチを作製し、これをプラスチックレンズ原料中に添加するというブルーイングマスターバッチ方式が一般的に行われている。ブルーイングマスターバッチを作製する方法は、染料の添加量がごく微量で秤量が困難な場合に用いられる。
例えば、以下に示す特許文献1には、ウレタン系樹脂レンズを製造する際にこのブルーイングマスターバッチ方式を使用した製造方法が提案されている。
現在、高屈折率なプラスチック眼鏡レンズ素材として広く普及しているものにウレタン系プラスチックレンズとエピスルフィド系プラスチックレンズ等が挙げられる。以下に示す特許文献2では、高屈折率と高アッベ数のバランスに優れる光学材料として、分子内に1個以上のジスルフィド結合(S−S)を有し、且つエポキシ基及び/又はチオエポキシ基を有する化合物が提案されている。また、以下に示す特許文献3、4では、ポリイソシアネート化合物と、ポリチオール化合物等の活性水素基を有する化合物との反応により得られる、チオウレタン構造を有するプラスチックレンズが提案されている。また、特許文献5では、分子内に2個以上のメルカプト基を有する化合物が提案されている。
特開平9−133801号公報 特開平11−322930号公報 特公平4−58489号公報 特開平5−148340号公報 特開2001−342252
しかしながら、これらの樹脂材料に用いられている重合単量体は高屈折率を得ようと樹脂設計されてきているが、それと共に重合単量体の粘度が上昇することが多い。この問題点として、前記ブルーイングマスターバッチを調製する際に使用する重合単量体の粘度が上昇すると、染料の攪拌が困難になったり、染料が重合単量体に分散又は溶解し難くなることが挙げられる。特に粘度420mPa・s/25℃以上の重合単量体では、粘度が高すぎて攪拌が非常に困難であり、染料が重合単量体に分散又は溶解するまでに時間がかかってしまっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、生産性良くかつ効率的に製造することができるマスターバッチを用いた光学材料用樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、かかる光学材料用樹脂の製造方法によって製造された光学材料用樹脂を提供することを目的とする。
更に、本発明は、その光学材料用樹脂を用いたプラスチックレンズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、(A)一分子中に2個以上のメルカプト基を有し、粘度が420mPa・s/25℃以上の第1重合単量体、(B)一分子中にメルカプト基と反応する2個以上の第2官能基を有する第2重合単量体、(C)メルカプト基を有し、粘度が400mPa・s/25℃以下で、かつ前記第1重合単量体と異なる化合物を溶媒として添加剤を分散又は溶解させたマスターバッチ、を混合した重合性組成物を重合させることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
本発明の光学材料用樹脂の製造方法は、マスターバッチを調製するための溶媒として、重合単量体の一方を用いるのではなく、一方の重合単量体と同じ官能基を有する化合物を用いている。これによって、粘度の高い重合単量体の代わりに粘度の低い化合物を選択してマスターバッチの溶媒として用いることができ、添加剤を溶媒に分散又は溶解させることが容易になった。この場合、一方の重合単量体と同じ官能基を有する化合物を用いていることと、マスターバッチの配合量が微量であるため、得られる光学材料用樹脂に影響はない。
本発明は、前記第2官能基がイソシアネート基であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
本発明は、前記第1重合単量体が、一般式
R−(SCHSH)
(但し、式中Rは芳香環を除く有機残基を示し、nは1以上の整数を示す。)
で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有する化合物であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
かかる分子内に2個以上のメルカプト基を有する化合物は、高屈折率、耐熱性、耐衝撃性に優れ、プラスチックレンズの素材として好適であるが、粘度が非常に高い。そのため、マスターバッチの溶媒としては適さず、重合単量体と別の化合物をマスターバッチの溶媒として用いる本発明の方法に適している。
本発明は、前記マスターバッチの溶媒としての化合物の粘度が250mPa・s/25℃以下であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
粘度が250mPa・s/25℃以下の化合物をマスターバッチの溶媒として用いることにより、添加剤の溶媒への分散又は溶解が更に容易になる。
本発明は、前記マスターバッチにおける添加剤の濃度が100〜100000ppmの範囲であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
マスターバッチにおける添加剤の濃度が低すぎると、マスターバッチの配合量が多くなり過ぎるため、重合単量体と異なる溶媒を用いることによる得られる重合体への物性への悪影響が表れるおそれがあり、一方、添加剤の濃度が高すぎると添加剤を分散又は溶解させることが困難になり、生産性が悪くなる。
本発明は、前記添加剤が、ブルーイング用染料であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法を提供する。
ブルーイング用染料の添加量は極めて微量であるため、秤量が困難であり、マスターバッチ方式による添加法が適している。
以下、本発明の光学材料用樹脂の製造方法、光学材料用樹脂及びプラスチックレンズの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の光学材料用樹脂の製造方法は、(A)成分の一分子中に2個以上の反応性の第1官能基を有する第1重合単量体と(B)成分の一分子中に第1官能基と反応する2個以上の第2官能基を有する第2重合単量体とを混合して重合性組成物を調製し、この重合性組成物を重合反応させる際に、(C)成分として、(A)成分の第1重合単量体と(B)成分の第2重合単量体と異なる化合物を溶媒として添加剤を分散又は溶解させたマスターバッチを配合することに特徴がある。
(A)成分の第1重合単量体の第1官能基としては、例えば水酸基(−OH)、チオール基(−SH)、アミノ基(−NH)、イミノ基(=NH)、カルボキシル基(−COOH)等の活性水素を有する官能基を例示することができる。(A)成分の第1重合単量体は、これらの活性水素を有する官能基を一分子中に2個以上有する必要がある。
活性水素を有する官能基を2個以上有する化合物としては、例えば2個以上の水酸基を有するポリオール、2個以上のチオール基を有するポリチオール、または1分子中に水酸基とチオール基を各々1個以上有する化合物を代表的に挙げることができる。これらのポリオール、ポリチオール、1分子中に水酸基とチオール基を各々1個以上有する化合物は一般的に粘度が高く、粘度が420mPa・s/25℃以上である場合には、粘度が高すぎて添加剤を分散又は溶解させることが困難になるため、本発明の低粘度の溶媒を用いるマスターバッチ方式を採用することが好ましい。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロール、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール等の脂肪族ポリオール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、テトラブロムビスフェノールA等の芳香族ポリオール、ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス−(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサンなどの硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。
また、ポリチオールとしては、特に制限されないが、例えば下記式(1)で示される4−メルカプトメチル−3,6−ジチオ−1,8−オクタンジチオール、下記式(2)で示されるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、及び下記一般式(3)で示されるテトラチオールを例示することができる。
Figure 0004609694
ちなみに、上記(2)式で示されるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)の粘度は、430mPa・s/25℃と高粘度である。
この一般式(3)で示されるテトラチオールの具体例としては、例えば次のような構造式の化合物(A)〜(G)を挙げることができる。
Figure 0004609694
その他のポリチオールとしては、例えば、ジ(2−メルカプトエチル)エーテル、1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトアセテート)、1,2−ジメルカプトベンゼン、4−メチル−1,2−ジメルカプトベンゼン、3,6−ジクロロ−1,2−ジメルカプトベンゼン、3,4,5,6−テトラクロロ−1,2−ジメルカプトベンゼン、O−キシリレンジチオール、m−キシリレンジチオール、p−キシリレンジチオール、及び1,3,5−トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、ポリチオールとして、次の一般式(4)で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物を好ましく用いることができる。このポリチオール化合物を用いて得られた樹脂は、高屈折率、耐衝撃性、耐熱性に優れるが、一般的に高粘度である。
R−(SCHSH)・・・(4)
上記式(4)中、Rは芳香環を除く有機残基を表す。この有機残基としては、直鎖状若しくは分岐状の脂肪族、脂環族、複素環、又は鎖中に硫黄原子を有する直鎖状若しくは分岐状の脂肪族、脂環族若しくは複素環から選ばれる一種以上を挙げることができる。また、式中nは1以上の整数であり、メルカプトメチルチオ基は一分子内に1個以上、好ましくは2個以上有することが必要である。また、メルカプトメチルチオ基以外のメルカプト基を有していてもよい。
一般式(4)で表されるポリチオール化合物の具体例としては、1,2,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、3,3−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3,7−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチル−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、3−メルカプトメチルチオ−1,5−ジメルカプト−2−チアペンタン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,4,8,11−テトラメルカプト−2,6,10−トリチアウンデカン、1,4,9,12−テトラメルカプト−2,6,7,11−テトラチアドデカン、2,3−ジチア−1,4−ブタンジチオール、2,3,5,6−テトラチア−1,7−ヘプタンジチオール、2,3,5,6,8,9−ヘキサチア−1,10−デカンジチオール、4,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチオラン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−1,3−ジチエタン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等のポリチオール化合物が挙げられ、それぞれの1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンを好ましく用いることができる。1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンの粘度は1000mPa・s/25℃であり、非常に高粘度である。
また、1分子中に水酸基とチオール基を各々1個以上有する化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチルートリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられる。
(B)成分の第1官能基と反応する一分子中に2個以上の第2官能基を有する第2重合単量体の第2官能基としては、エポキシ基、チオエポキシ基、イソシアネート、イソチオシアネート基を例示することができる。このような官能基は、第1重合単量体の活性水素と付加反応することにより、高分子化することができる。
チオエポキシ基を持つ化合物の具体例としては、既存のエポキシ化合物のエポキシ基の一部あるいは全部の酸素を硫黄で置き換えることによって得られるチオエポキシ化合物等が挙げられる。また、プラスチックレンズの高屈折率化のためには、チオエポキシ基以外にも硫黄原子を含有する化合物がより好ましい。具体例としては、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン等の鎖状脂肪族チオエポキシ化合物、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2、3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン等の芳香族チオエポキシ化合物、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン等の脂環属のチオエポキシ化合物を挙げることができる。
また、エポキシ基及び/又はチオエポキシ基を有する高屈折率用の化合物として、分子内に1つ以上のジスルフィド結合(S−S)を有する化合物を例示することができる。このような化合物としては、例えば、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィドやビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドなどの分子内に1つのジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物、ビス(2,3−エピチオプロピルジチオ)メタン、ビス(2,3−エピチオプロピルジチオ)エタン、ビス(6,7−エピチオ−3,4−ジチアヘプタン)スルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルジチオメチル)、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルジチオメチル)ベンゼン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルジチオメチル)−2−(2,3−エピチオプロピルジチオエチルチオ)−4−チアヘキサン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルジチオ)プロパンなどの分子内に2つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物が挙げられる。
また、イソ(チオ)シアネート基を有する化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、ビス(イソシアネートメチル)スルフィド等の含硫黄脂肪族ポリイソシアネート化合物、2−イソシアネートフェニル−4−イソシアネートフェニルスルフィド等の芳香族スルフィド系ポリイソシアネート化合物、ビス(4−イソシアネートフェニル)ジスルフィド等の芳香族ジスルフィド系ポリイソシアネート化合物、2,5−ジイソシアネートテトラヒドロチオフェン等の含硫黄脂環族ポリイソシアネート化合物、1,2−ジイソチオシアネートベンゼン等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物、1,2−ジイソチオシアネートエタン等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物、チオビス(3−イソチオシアネートプロパン)等の含硫黄脂肪族ポリイソチオシアネート化合物等を例示することができる。
本発明の光学材料用樹脂の製造方法の特徴である(C)成分のマスターバッチは、光学材料用樹脂に微量配合する添加剤を溶媒に分散又は溶解したものである。本発明においては、マスターバッチの溶媒として、上記の例えば−OH、−SH、−NH、−NH、−COOH等の活性水素を有する第1官能基又は活性水素と付加反応するエポキシ基、チオエポキシ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基から選ばれる第2官能基を有する化合物を用いる。本発明においては、マスターバッチの溶媒として用いる化合物は、重合単量体を構成する化合物と同じ官能基を有するが異なる化合物を用いる。重合単量体を構成する化合物と異なる化合物をマスターバッチの溶媒として用いることにより、粘度の低い溶媒を選択することが可能となる。活性水素を有する第1官能基を有する化合物と活性水素と付加反応する第2官能基を有する化合物のいずれかをマスターバッチの溶媒として用いることができる。但し、第2官能基を有する化合物は、粘度が低いものの不安定であり、作製したマスターバッチのポットライフが短くなるため、第1官能基を有する化合物をマスターバッチの溶媒として用いることが好ましい。
マスターバッチの溶媒として用いられる活性水素を有する官能基を分子内に有する化合物としては、重合単量体の重合反応を阻害しないように、一分子内に活性水素を有する官能基を2個以上有することが好ましい。また、粘度は、400mPa・s/25℃以下、特に250mPa・s/25℃以下の低粘度のものが好ましい。
具体的には、上述した2個以上の−OH基を有するポリオール、2個以上の−SH基を有するポリチオール、又は1分子中に水酸基とチオール基を各々1個以上有する化合物の中から、低粘度のものを選択して用いることができる。好ましい例としては、例えば、一般式(3)で示されるテトラチオールの具体例を示した(A)〜(C)の4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン(粘度210mPa・s/25℃)、上記式(1)で示される4−メルカトメチル−3、6−ジチア−1、8−オクタンジチオール(粘度47mPa・s/25℃)等が挙げられる。
添加剤としては、マスターバッチを用いる目的が、配合量が微量で正確な秤量が困難な添加剤を正確な量で添加することであるため、光学材料用樹脂に微量配合されるブルーイング用染料、重合触媒、内部離型剤、光安定剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
ブルーイング用染料は、プラスチックレンズ用樹脂材料自体に添加することにより黄色さを打ち消し、プラスチックレンズの透明感を維持するような青色または紫色の染料である。ブルーイング用染料としては、特に制限はないが、油溶染料、中でもアントラキノンバイオレット系油溶染料、またはアントラキノンブルー系油溶染料が好ましい。これらの油溶染料の具体例としては、C.I.ソルベント バイオレット 13、C.I.ソルベントバイオレット 14、C.I.ソルベント ブルー 11、C.I.ソルベントブルー12等が挙げられる。
また、これらのブルー、バイオレット系の染料と同時に、赤、オレンジ系の染料を併用することによって、プラスチックレンズの色調の微調整を行うことができる。赤、オレンジ系の染料としては、特に制限はないが、具体例としては、C.I.ソルベント レッド 111、C.I.ソルベント レッド179、C.I.ソルベント オレンジ 60等が挙げられる。
本発明で用いられるマスターバッチ中の染料等の添加剤の濃度は特に制限されないが、溶媒中に100ppm以上の濃度が好ましく、300〜100000ppmの範囲が特に好ましい。100ppm未満の濃度ではマスターバッチにおける添加剤の濃度が薄いため、例えばプラスチックレンズの黄色さを低減するためにプラスチックレンズ原料中にブルーイングマスターバッチを大量に添加しなければならず、そのためにプラスチックレンズの持つ本来の諸物性、例えば、屈折率や耐熱性等に影響を及ぼす可能性がある。また、100000ppmを超えて添加剤を添加すると、マスターバッチにおける添加剤の濃度が濃すぎるため、染料等の添加剤を均一に分散又は溶解させるのが困難になってしまう。
プラスチックレンズ用モノマーに対するブルーイング用染料の好ましい添加量は、染料の添加量が0.01ppm〜10ppm、より好ましくは0.1ppm〜5ppmの範囲である。0.01ppm未満の添加量では、プラスチックレンズの黄色さを低減する効果は非常に小さく、染料無添加のプラスチックレンズに対して、優位差が見られない。また、10ppmを越えて添加すると、プラスチックレンズの色調が青色、または紫色になり過ぎて、無色透明というよりも、染色したカラーレンズの様な色調になってしまう。
本発明の光学材料用樹脂の製造方法は、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を混合して重合性組成物を調製することができる。この重合性組成物を調製する際に、上記成分以外に、紫外線吸収剤を配合することができる。
紫外線吸収剤としては、(A)成分の重合単量体と(B)成分の重合単量体との相溶性に優れる紫外線吸収剤であれば、どの紫外線吸収剤も使用可能であり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ニッケル塩系などをあげることができる。なかでも、ベンゾトリアゾール系は、原料モノマーに対する溶解性が良好であり、紫外線吸収能力が高く、しかも化合物単体での色が淡色か白色でレンズが着色しにくいという特徴を備えているため、好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ・tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、1.6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ヘキサン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等を例示することができる。また、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性官能基を有する反応型紫外線吸収剤、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを使用することもできる。
紫外線吸収剤の配合量は、原料モノマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。紫外線吸収剤をこのような量でモノマー中に溶解させることにより、得られる光学材料用樹脂の色相が若干黄みを帯びる。そのため、青色又は紫色のブルーイング用染料を分散又は溶解させたブルーイングマスターバッチを調製して使用することにより、光学材料用樹脂の持つ諸特性を損なうことなく無色透明な光学材料用樹脂を製造することができる。
また、重合性組成物には、重合触媒を配合することが好ましい。(チオ)エポキシ基用の重合触媒としては特に制限はないが、具体例としては、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、トリジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン、エチルメチルイミダゾール等のイミダゾール類などが挙げられる。イソシアネートやイソチオシアネートの重合触媒の具体例としては、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ジブチル錫ジクロライド、ジメチル錫ジクロライド等が挙げられる。
また、重合性組成物には、重合触媒以外に、必要に応じて光安定剤、酸化防止剤等を混合することができる。光安定剤または酸化防止剤の具体例としては、ヒンダートアミン系光安定剤、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。これらの成分を配合することにより、プラスチックレンズの耐候性を向上させることが可能である。これらの成分の添加も、必要によりマスターバッチ方式を採用することができる。
上記成分を配合した重合性組成物の重合硬化は、特に制限されないが、プラスチックレンズを製造する場合は通常、注型重合が用いられる。対向配置した2枚の円形のガラス型の側面を粘着テープやガスケットで固定すると共に、ガラス型間の隙間を封止したモールドを組み立て、このモールドに重合性組成物を充填し、熱エネルギー又は光エネルギーにより重合硬化させてプラスチックレンズを得ることができる。
本発明によるプラスチックレンズを、矯正用レンズやファッションレンズとして用いる場合には、光線透過率を高め、表面反射によるちらつきを防止するために、反射防止膜を施すことが好ましく、さらに、レンズ基材と反射防止膜の密着性を高めるためや、表面の傷防止のためにハードコート層を設けることが特に好ましい。
ハードコート層の好ましい例としては、下記(イ)および(ロ)を主成分とするコーティング組成物を塗布し硬化させた物が挙げられる。
(イ)少なくとも一種以上の反応基を有するシラン化合物の一種以上。
(ロ)酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化アルミニウム等の無機酸化物微粒子、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニア、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化スズ、酸化タングステンのうちの2つ以上を用いた複合無機酸化物微粒子。
(ロ)の成分は、ハードコートの屈折率を調整し、かつ、硬度を高めるのに有効な成分であり、単独または混合して用いることができる。しかし、(ロ)の成分だけでは成膜性が悪く、(イ)の成分を併用する事によって透明で強靭な膜が得られる。(イ)の成分は、そのまま使用することも可能であるが加水分解して使用する方が膜の耐水性や硬度を向上させることができることから好ましい。
ハードコート層の厚さは、通常0.2μm〜10μm程度が好ましく、より好ましくは、1μm〜3μm程度である。また、本発明では、レンズ生地とハードコート層の間にプライマー層を設ける様なハードコートも使用できる。このプライマー層は、レンズ生地とハードコート層の密着性をより向上させたり、ハードコート処理後のレンズの耐衝撃性を向上させる効果がある。
矯正用レンズとしての使用では、前述のごとくハードコート層表面に反射防止膜を施すことによって、光学性能がさらにアップする。反射防止膜としては、屈折率の異なる薄膜を積層して得られる多層膜であり、反射率の低減されるものであれば、無機物でも有機物でも可能である。しかし、表面の硬度や干渉縞の防止を重視するためには、無機物からなる単層または多層の反射防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無機物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、フッ化マグネシウム等の酸化物あるいはフッ化物が挙げられ、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリング等のいわゆるPVD法によって施す事ができる。
実施例および比較例で使用する物質の略称は以下の通りである。
略称 : 物質名
A−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(粘度430mPa・s/25℃)
A−2:1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンを主成分とするポリチオール化合物(粘度1000mPa・s/25℃)
B−1:m−キシレンジイソシアネート
C−1:4−メルカトメチル−3、6−ジチア−1、8−オクタンジチオール(粘度47mPa・s/25℃)
C−2:4,8or4,7or5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン(粘度210mPa・s/25℃)
C−3:ポリチオール化合物とそのオリゴマーから成るポリチオール化合物(粘度350mPa・s/25℃)
(実施例1)
染料として、商品名 Diaresin Blue J(三菱化成工業株式会社製)(粉末)1.0gを、粘度47mPa・s/25℃のC−1中に分散又は溶解させて青色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が容易に行え、さらに30分程度の攪拌で、色ムラのない、均一で安定したブルーイングマスターバッチを調製することができた。
また、プラスチックレンズ原料として、A−1を56.5重量部、B−1を43.5重量部、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ化成工業製)を1.2重量部、内部離型剤としてゼレックUN(Stepan社製)を0.1重量部添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に分散又は溶解させたプラスチックレンズ原料中に、調製したブルーイングマスターバッチを500ppmの濃度(全体として0.5ppm)で添加し、その後、触媒としてジブチル錫ジクロライドを80ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とした。ついでこの組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30min脱気を行った。この原料を、2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で30℃から120℃まで24時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。その後、型よりレンズを取り外し、120℃で1時間加熱してアニール処理を行った。
このようにして製造したプラスチックレンズは、屈折率ne=1.60で、高い透明感を有しており、色ムラも無く、良好な品質を有していた。
(実施例2)
染料として、商品名 Diaresin Blue J(三菱化成工業株式会社製)(粉末)1.0gを、粘度210mPa・s/25℃のC−2中に分散又は溶解させて青色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が容易に行え、さらに30分程度の攪拌で、色ムラのない、均一で安定したブルーイングマスターバッチを調製することができた。
また、実施例1で使用したプラスチックレンズ原料中に、C−2で調整したブルーイングマスターバッチを500ppmの濃度(全体として0.5ppm)で添加し、実施例1と同様にプラスチックレンズを製造したところ、屈折率ne=1.60で、高い透明感を有しており、色ムラも無く、良好な品質を有していた。
(実施例3)
染料として、商品名 Diaresin Blue J(三菱化成工業株式会社製)(粉末)1.0gを、粘度350mPa・s/25℃のC−3中に分散又は溶解させて青色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が比較的容易に行え、さらに1時間程度の攪拌で、色ムラのない、均一で安定したブルーイングマスターバッチを調製することができた。
また、実施例1で使用したプラスチックレンズ原料中に、C−3で調整したブルーイングマスターバッチを500ppmの濃度(全体として0.55ppm)で添加し、実施例1と同様にプラスチックレンズを製造したところ、屈折率ne=1.60で、高い透明感を有しており、色ムラも無く、良好な品質を有していた。
(実施例4)
染料として、商品名OPLAS VIOLET 732 (オリエント化学工業株式会社)(粉末)1.0gを、粘度47mPa・s/25℃のC−1中に分散又は溶解させて紫色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が容易に行え、さらに30分程度の攪拌で、色ムラのない、均一で安定したブルーイングマスターバッチを調製することができた。
また、プラスチックレンズ原料として、A−2を55.6重量部、B−1を44.4重量部、紫外線吸収剤として、SEESORB 701(シプロ化成工業製)を1.2重量部、内部離型剤として、ゼレックUN(Stepan社製)を0.1重量部添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に溶解させた。このプラスチックレンズ原料中に、調製したブルーイングマスターバッチを1000ppmの濃度(全体として1ppm)で添加し、その後、触媒としてジブチル錫ジクロライドを150ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とした。ついでこの組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30min脱気を行った。この原料を、2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で25℃から120℃まで24時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。その後、型よりレンズを取り外し、120℃で2時間加熱してアニール処理を行った。
このようにして製造したプラスチックレンズは、屈折率ne=1.70で、高い透明感を有しており、色ムラも無く、良好な品質を有していた。
(実施例5)
染料として、商品名 Diaresin Blue J(三菱化成工業株式会社製)(粉末)1.0gを、粘度210mPa・s/25℃のC−2中に分散又は溶解させて青色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が容易に行え、さらに30分程度の攪拌で、色ムラのない、均一で安定したブルーイングマスターバッチを調製することができた。
また、プラスチックレンズ原料として、A−2を55.7重量部、B−1を44.3重量部、紫外線吸収剤として、SEESORB 701(シプロ化成工業製)を1.2重量部、内部離型剤として、ゼレックUN(Stepan社製)を0.1重量部添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に溶解させた。このプラスチックレンズ原料中に、調製したブルーイングマスターバッチを1000ppmの濃度(全体として1ppm)で添加し、その後、触媒としてジブチル錫ジクロライドを150ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とした。ついでこの組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30min脱気を行った。この原料を、2枚のガラス型を用いて、粘着テープで保持した鋳型中に注入し、大気重合炉中で25℃から120℃まで24時間かけて昇温を行い、重合硬化させた。その後、型よりレンズを取り外し、120℃で2時間加熱してアニール処理を行った。
このようにして製造したプラスチックレンズは、屈折率ne=1.70で、高い透明感を有しており、色ムラも無く、良好な品質を有していた。
(比較例1)
実施例1で使用したプラスチックレンズ原料である、粘度430mPa・s/25℃のA−1の一部を取り出し、それにDiaresin Blue J(三菱化成工業株式会社製)(粉末)1.0gを添加し、分散又は溶解させて青色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、攪拌が非常に困難であり、1kgよりも少量の200g程度に分けなければ攪拌が出来なかった。さらに3h程度攪拌しなければ色ムラのない均一で安定したブルーイングマスターバッチを作成することができなかった。
(比較例2)
実施例2で使用したプラスチックレンズ原料である、粘度1000mPa・s/25℃のA−2の一部を取り出し、それにOPLAS VIOLET 732 (オリエント化学工業株式会社)(粉末)1.0gを添加し、分散又は溶解させて紫色染料の1000ppmブルーイングマスターバッチを1kg調製しようと試みたところ、比較例1よりもさらに攪拌が困難であり、通常の撹拌方法では色ムラなく均一に分散又は溶解させることができず、ブルーイングマスターバッチを作製することは不可能であった。また、ブルーイングマスターバッチの調合量を100gに減らして、再度、調整を試みたが、1kgの時と同様に撹拌は困難であり、通常の撹拌方法では、色ムラなく均一に分散又は溶解させることはできず、ブルーイングマスターバッチの作製は不可能であった。
本発明の光学材料用樹脂の製造方法は、光学材料用樹脂の持つ諸特性を損なうことなく無色透明な光学材料用樹脂を生産性良く且つ効率的に製造しうるため、プラスチックレンズ等の製造に利用することができる。
本発明の光学材料用樹脂は、プラスチックレンズ等の原料として利用することができる。
本発明のプラスチックレンズは、例えば眼鏡レンズとして利用することができる。

Claims (6)

  1. (A)一分子中に2個以上のメルカプト基を有し、粘度が420mPa・s/25℃以上の第1重合単量体、
    (B)一分子中にメルカプト基と反応する2個以上の第2官能基を有する第2重合単量体、
    (C)メルカプト基を有し、粘度が400mPa・s/25℃以下で、かつ前記第1重合単量体と異なる化合物を溶媒として添加剤を分散又は溶解させたマスターバッチ、
    を混合した重合性組成物を重合させることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
  2. 請求項1記載の光学材料用樹脂の製造方法において、
    前記第2官能基が、イソシアネート基であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
  3. 請求項1叉は2記載の光学材料用樹脂の製造方法において、
    前記第1重合単量体が、一般式
    R−(SCHSH)
    (但し、式中Rは芳香環を除く有機残基を示し、nは1以上の整数を示す。)
    で表される分子内に2個以上のメルカプト基を有する化合物であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の光学材料用樹脂の製造方法において、
    前記マスターバッチの溶媒としての化合物の粘度が250mPa・s/25℃以下であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の光学材料用樹脂の製造方法において、
    前記マスターバッチにおける添加剤の濃度が100〜100000ppmの範囲であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の光学材料用樹脂の製造方法において、
    前記添加剤が、ブルーイング用染料であることを特徴とする光学材料用樹脂の製造方法。
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