JP4609677B2 - タンクローリ - Google Patents
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Description
油槽所においては、各給油所の注文に応じて、各ハッチに所定種類の燃料油を荷積みしている。そして給油所において、給油伝票に基づいて、各ハッチ内の燃料油を地下タンクへ荷卸している。
近年、配送の効率化及び交通渋滞の問題から、油槽所へ注文しても、注文した油種が注文量だけ直ちに入荷するとは限らない状況が生じている。また、夜間配送の場合には、緊急の注文は受け付けられないことがある。これに対して、給油所では、地下タンク内の燃料油が少しでも少なくなると油槽所へ発注するようになった。
その結果、1キロリットルの注文や、2キロリットルの注文ではあるが1キロリットルづつ2個の別々の地下タンクへ荷卸する注文が、存在する様になった。
そのため、ハッチを満タンまで荷積みし、一箇所で、例えば1キロリットルづつの荷卸(ハッチの全充填量よりも少ない量の荷卸)をする、いわゆる「尺割」荷卸が行われている。
しかし、既存のタンクローリでは、ハッチ内に液面計が設けられておらず、検尺棒で液位を計測している。そして、タンクローリの停車位置が傾斜している場合や、夜間においては、検尺棒を用いて正確な尺割荷卸を行うことは困難である。
また、既存のタンクローリ(ハッチ内に液面計が設けられていないタンクローリ)のハッチ内に液面計を新たに設けることは、従来技術では困難である。
しかし、係る技術(特許文献1)では、ハッチ内に液面計が設けられていない既存のタンクローリでは正確な尺割荷卸が困難である、という上述の問題を解消することは出来ない。
(1) 既存のタンクローリにも必ず設けられている検尺棒保護管(5)に液量計測手段(例えば、圧力センサ27、28)が設けられているので、既存のタンクローリにおけるハッチの改造が最小限で済み、既存のタンクローリが容易に本発明のタンクローリとなる。
(2) 車載制御装置(32)に接続されている液量計測手段(例えば、圧力センサ27、28)により、ハッチ(3)内の液位及び残留液量が迅速且つ正確に求められるので、正確な尺割荷卸ができる。
(3) 液量計測手段(例えば、圧力センサ27、28)を検尺棒保護管に固定しているので、マンホールから挿入されるローディングアームが接触した場合や、液流が液量計測手段に衝突した場合等において、液量計測手段が破損することが防止される。
(4) 液量計測手段として圧力センサをハッチ内に設け、圧力センサの圧力信号から液量を演算する手段を車載制御装置に設ければ(請求項2)、既存のタンクローリにおけるハッチの改造が最小限で済み、既存のタンクローリでも正確な尺割荷卸ができるようになる。
(5) 液センサをハッチ内に設け、液センサの液無信号を受けて補正値を演算し、補正値で液位を補正して液量を演算する様に構成すれば、圧力センサをハッチ内に設けた場合に(請求項2)、荷卸の度に圧力センサの補正(較正)を行うことが出来て、常に正確な液量が得られ、常に正確な尺割荷卸ができる。
図1は、実施形態に係るタンクローリで荷卸をしている状態を、模式図として示している。図1において、タンクローリ1のタンク2は、複数のハッチ3a、3b、3c・・・に区画されている。各ハッチ3には、マンホール4と検尺棒保護管5が設けられている。
マンホール4には、荷積み時にローディングアームが挿入される。そして検尺棒保護管5には、油量を計測する検尺棒6が挿入されている。
図示の実施形態では、検尺棒6の断面形状は三角形であるが、断面円形の検尺棒を用いても良い。
荷卸管8の先端には、吐出弁9を介して、カップリング10が設けられている。そしてカップリング10には、信号線11のコネクタ12が設けられている。
地下タンク14a、14b、14c・・・の各々における注油管15a、15b、15c・・・の先端には、カップリング16a、16b、16c・・・が設けられている。そして、各カップリング16の近傍には、タンクキー17a、17b、17c・・・が取り付けられている。ここで、タンクキー17(17a、17b、17c・・・)には、地下タンク14の番号及び油種等が、外部から視認できない状態で記録されている。
ここで、カップリング22にはコネクタ24が設けられ、カップリング23にはタンクセンサ25が設けられている。そして、タンクセンサ25はコネクタ24に信号線26で接続されている。
圧力センサ27、28及び液センサ29は、信号線30に接続されている。そして、信号線30は、マンホール4を介して、ハッチ3の外へ導出されている。
ここで、圧力センサ27、28、液センサ29、信号線30が固定手段31によって検尺棒保護管5に固定されているため、マンホール4から挿入されるローディングアームが接触して破損してしまうことや、液流により信号線30が絡まってしまうことが防止される。
図1において、車載制御装置32には、キーボード33、表示器34、報知器35等が設けられている。
液位−液量データ記憶手段37は、各ハッチ3の液位と液量の関係(図5参照)を記憶している。また、荷卸データ記憶手段39は、図6で示す荷卸伝票38と同様な荷卸データを記憶している。
なお、荷卸データ記憶手段39に記憶されている荷卸データは、油槽所で燃料油を積みこんだ際に(荷卸データ記憶手段39に)記憶されるように構成されている。
液位演算手段41は、圧力センサ27、28の圧力信号及び後述の補正値記憶手段40に記憶されている補正値から、液位を演算する様に構成されている。
液量演算手段42は、液位演算手段41で演算された液位と、液位−液量データ記憶手段37の液位−液量データから、液量を演算する様に構成されている。
油槽所でタンクローリの1つのハッチに油が荷積(供給)された直後における当該ハッチの液位h0(ハッチ底部から液面までの距離)は常に一定であり、その際における圧力センサ28で計測された圧力と圧力センサ27で計測された圧力との圧力差をΔP0とする。
油槽所で荷積された直後の圧力差ΔP0と液位h0とは対応しており、液位を計測しようとする際の圧力差ΔPxと液位hxとも対応しているので、下式が成立する。
ΔP0:ΔPx=h0:hx
∴ hx=(ΔPx/ΔP0)・h0 ・・・・(1)
この様にして液位hxを求めれば、液位hxを求める度毎に油の密度を求める必要がない。
荷卸量記憶手段43は、キーボード33で設定された荷卸量を記憶する様に構成されている。
荷卸量判断手段44は、荷卸量記憶手段43に記憶された荷卸量と、液量演算手段42で演算された荷卸量とが一致すると、荷卸終了信号を出力する様に構成されている。
荷卸可否判断手段45は、荷卸データ記憶手段39に記憶されている荷卸データと、タンクセンサ25から入力したタンクデータと、キーボード33から入力した荷卸データとに基いて、荷卸の可否を判断し、荷卸可否信号を出力する様に構成されている。
底弁駆動手段46は、荷卸可否判断手段45の荷卸可信号及びキーボード33の荷卸信号を受けて底弁7を開き、荷卸量判断手段44の荷卸終了信号を受けて底弁7を閉じる様に構成されている。
報知器駆動手段47は、荷卸可否判断手段45の荷卸否信号又は荷卸量判断手段44の荷卸終了信号を受けて、報知器35を作動させる様に構成されている。
表示器駆動手段48は、液量演算手段42で演算された流量を荷卸量として、表示器34に表示する様に構成されている。
補正値演算手段50は、圧力センサ27、28の圧力信号の差から、補正値を演算する様に構成されている。ここで、圧力センサ27、28の圧力信号は、液センサ29が液無信号となった場合にゲイト49を介して伝達される。
そして補正値記憶手段40は、補正値演算手段50で演算された補正値を記憶する様に構成されている。
その様な場合には、補正値演算手段50が補正値を演算し、補正値記憶手段40に記憶する。そして、液位演算手段41は、荷卸中に入力する圧力センサ27、28の圧力信号を、補正値記憶手段40に記憶された補正値で補正し、以って、正確な液位を演算する様に構成されている。
油槽所においては、各給油所から受けた注文に基いて、タンクローリ1の各ハッチ3へ燃料油を荷積みする。係る荷積みは、荷卸データとして、荷卸データ記憶手段39に記憶される。
そして、タンクローリ1の運転者は、図6で示すような荷卸伝票38を受け取って、出車する。
係る荷卸にあたっては、荷卸伝票38に基づいて、タンクローリ1の荷卸管8のカップリング10に、荷降ろしホース21のカップリング22を接続する。
次に、荷降ろしホース21のカップリング23を、1番地下タンク14aの注油管15aのカップリング16aへ接続する。
そして、カップリング16a近傍に取り付けられているタンクキー17aを、荷卸ホース21のタンクセンサ25に接続する。
検知されたタンクデータ(油種信号、タンク番号信号等)は、信号線26、コネクタ24、12、信号線11を介して、車載制御装置32の制御部36ヘ入力される(ステップST1)。
前記3種類のデータが一致している場合には(ステップST3がYes)、表示器34に「荷卸可」が表示される(ステップST4)。そして、キーボード33から荷卸信号が入力されたか否かが判断される(ステップST5)。
キーボード33から荷卸信号を入力すると(ステップST5がYes)、底弁駆動手段46は底弁7aを開く(ステップST6)。そして、吐出弁9を開けば、1番ハッチ3a内の燃料油は、底弁7a、荷卸管8、吐出弁9、荷卸ホース21、注油管15aを介して1番地下タンク14a内へ荷卸される。
ステップST7が「Yes」であれば、液位演算手段41は、圧力センサ27、28の差圧ΔPからハッチ内の液位を演算する。その際に、補正値記憶手段40に補正値が記憶されていれば、当該補正値により圧力センサ27、28の差圧ΔPを補正して、正確なハッチ内の液位を求める。差圧ΔPの補正については、後述する。
液量演算手段42は、液位−液量データ記憶手段37に記憶されている液位−液量データに基いて、液位から液量を演算する。そして表示器駆動手段48は、表示器34に荷卸量として表示する(ステップST8)。
荷卸量判断手段44により、(液量演算手段42で)演算された液量が、(荷卸量記憶手段43に)記憶されている荷卸量に到達したと判断されたならば(ステップST9がYes)、底弁7aを閉じ、報知器駆動手段47は報知器35を作動して報知する(ステップST10)。
そして、吐出弁9を閉じた後(ステップST10の後)、タンクキー17aをタンクセンサ25から抜き、カップリング16a、23を外す。
ここで、荷卸を終了せず、他の地下タンク14への荷卸を行うのであれば(ステップST16がNo)、ステップST1に戻り、上述したと同様の手順で、別の地下タンク14へ荷卸をおこなう。
タンクキー17bをタンクセンサ25へ挿入すると、2番地下タンク14bのタンクデータ、例えば、油種が「ハイオク」で、タンク番号信号が「2」である旨等が、タンクセンサ25で検知される。そして、検知されたタンクデータ(油種信号「ハイオク」及びタンク番号信号「2」等)は、車載制御装置32の制御部36ヘ入力される(ステップST1)。
ステップST3では、タンクセンサ25から入力されたタンクデータ、キーボード33から入力された荷卸データ、荷卸データ記憶手段39に記憶されている荷卸データの3種類のデータが一致しているか否かを、荷卸可否判断手段45で判断する。
キーボード33から荷卸信号を入力すると(ステップST5)、底弁7aが開き(ステップST6)、吐出弁9を開けば、2番ハッチ3b内の燃料油は底弁7b、荷卸管8、吐出弁9、荷卸ホース21、注油管15bを介して、2番地下タンク14b内へ荷卸される。
全量荷卸においても、液位演算手段41は、圧力センサ27、28の信号から差圧ΔPを求め、差圧ΔPから液位を演算する。必要であれば、補正値記憶手段40に記憶されている補正値で差圧ΔPを補正して、より正確な液位を演算する。差圧ΔPの補正の詳細については、後述する。
液量演算手段42は、液位−液量データ記憶手段37に記憶されている液位−液量データに基いて、液位演算手段41で求めた液位から液量を演算し、表示器34に表示する(ステップST12)。
ステップST14では、吐出管8内の燃料油が地下タンク14bへ流入するのに必要な一定時間が経過したか否かが判定され、当該一定時間が経過すると(ステップST14がYes)、底弁7bを閉じ、報知器35が作動する(ステップST15)。
図示の実施形態によれば、全量荷卸の場合も、荷卸中は荷卸量が表示器34に表示され、荷卸終了は報知器35で報知されるので、荷卸作業が正確且つスムーズに行われる。
報知器35が作動した後、吐出弁9を閉じて荷卸ホース21を外し、上述したと同様の作業を経て別の地下タンク14へ荷卸をおこなう(ステップST16)。
図8のステップST21では、ハッチ3(図7を参照して説明した例では、尺割荷卸が為されたハッチ3aと、全量荷卸が為されたハッチ3b)が空になったか否かを判定する。係る判定は、例えばフロートスイッチで構成されている液センサ29で行われる。
全量荷卸(ステップST7がNo:ST12〜ST15)において、ハッチ3bが空になると、上述した様に、液センサ29が液無信号を出力する(ステップST13がYesの状態)。
図示はされていないが、尺割荷卸(ステップST7がYes:ST8〜ST10)においても、設定量の燃料油が荷卸された段階(ステップST9がYesとなった段階)で、ハッチ3aが空になれば、ハッチ3aに設けられた液センサ29が液無信号を出力する。
そして、圧力センサ27、28の圧力信号における電流値が同一でない場合には、センサ個々の微妙な特性の違いその他の理由により、圧力センサ27、28が、圧力に対応した正確な電流値の信号を発生しておらず、結果として誤差が出てしまう。
係る場合において、補正値演算手段50により、圧力センサ27、28の圧力信号における電流値の差異をゼロとする様に、補正値を決定する(ステップST23)。
そして、ステップST24に進む。
油槽所で燃料油が充填され(ステップST24がYes)、荷卸する給油所に到着し、車載制御装置32に電源を入れると、液センサ29から液無信号が出力されないため、圧力センサ27、28の圧力信号の電流値に、ステップST23で求めた補正値を適用して、正確な圧力差ΔPを演算する(ステップST25)。
圧力差ΔPの演算で用いられた補正値は、補正値記憶手段40に更新記憶される(ステップST26)。
図8を参照して説明した圧力センサ27、28の較正を行えば、ハッチ3の各々が空になる毎に、各ハッチに設けられた圧力センサ27、28の圧力信号の電流値が補正されて、更新される。その結果、圧力センサ27、28の圧力信号は常に正確な数値となり、係る圧力信号から求められた圧力差ΔPと、液位と、液量は、常に正確に演算されるのである。
2・・・タンク
3・・・ハッチ
4・・・マンホール
5・・・検尺棒保護管
6・・・検尺棒
7・・・底弁
8・・・荷卸管
9・・・吐出弁
10、16、22、23・・・カップリング
11、19、26、30・・・信号線
12、24・・・コネクタ
13・・・給油所
14・・・地下タンク
15・・・注油管
17・・・タンクキー
18・・・油面計
20・・・屋外表示器
21・・・荷卸ホース
25・・・タンクセンサ
27、28・・・圧力センサ
29・・・液センサ
31・・・固定手段
32・・・車載制御装置
33・・・キーボード
34・・・表示器
35・・・報知器
36・・・制御部
37・・・液位−液量データ記憶手段
38・・・荷卸伝票
39・・・荷卸データ記憶手段
40・・・補正値記憶手段
41・・・液位演算手段
42・・・液量演算手段
43・・・荷卸量記憶手段
44・・・荷卸量判断手段
45・・・荷卸可否判断手段
46・・・底弁駆動手段
47・・・報知器駆動手段
48・・・表示器駆動手段
49・・・ゲイト
50・・・補正値演算手段
Claims (1)
- ハッチ(3)内に垂直方向へ延在する検尺棒保護管(5)を備え、該検尺棒保護管(5)に液量計測手段が設けられたタンクローリにおいて、該液量計測手段は前記検尺棒保護管(5)の上部及び下部に固定された圧力センサ(27、28)と前記検尺棒保護管(5)の下部に設けられた液センサ(29)とにより構成され、それらの圧力センサ(27、28)と液センサ(29)とは車載制御装置(32)に接続され、前記車載制御装置(32)には液量を求めるべき際の液位(hx)を圧力信号から演算する液位演算手段(41)と、液位から液量を演算する液量演算手段(42)と、各ハッチ(3)の液位と液量の関係を記憶している液位−液量データ記憶手段(37)と、補正値演算手段(50)と、補正値記憶手段(40)とが設けられ、液位演算手段(41)は、荷積み直後における液位(h0)及びハッチ(3)内における上部及び下部の圧力差(ΔP0)と液量を求めるべき際のハッチ(3)内における上部及び下部の圧力差(ΔPx)とから液量を求めるべき際の液位(hx)を式hx=(ΔPx/ΔP0)・h0から演算する機能を有し、前記液量演算手段(42)は液位演算手段(41)で演算した液量を求めるべき際の液位(hx)と、液位−液量データ記憶手段(37)に記憶された各ハッチ(3)の液位と液量の関係とにより、液量を決定する機能を有し、さらに車載制御装置(32)は前記液センサ(29)からの信号でハッチ(3)が空であれば、前記の上下の圧力センサ(27、28)の圧力信号が補正値演算手段(50)に入力されて圧力信号の電流値が計測され、両圧力センサ(27、28)の電流値が同一でない場合は補正値演算手段(50)により両圧力センサ(27、28)の圧力信号の電流値の差異がゼロになるように補正値を決定し、ハッチ(3)に新たに燃料油が充満されると両圧力センサ(27、28)の圧力信号の電流値に前記の補正値を適用して正確な圧力差(ΔP)を演算し、その圧力差(ΔP)の演算で用いられた補正値が補正値記憶手段(40)に更新記憶される機能を有することを特徴とするタンクローリ。
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