JP5083094B2 - 給油所の相分離監視システム - Google Patents
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また、相分離を生じるおそれのないときにはサンプリング頻度を少なくすることができる。
地下タンク内の油量が減ると大気が地下タンク内に入るので、水分量が上がるおそれがある。このような場合に、濃度計測と判別を行うことにより、前記相分離が生じないように地下タンクを監視する。
すなわち、ある程度時間が経過すると結露している可能性があるのでサンプリングを行うことにより前記相分離が生じないように地下タンクを監視する。
かかる態様によれば、実際のエタノール濃度を計測した上で相分離の監視を行うことが可能になる。
かかる態様によれば、別途、ポンプを設けることにより、給油装置の標準化が容易になる。そのため、大幅なコストアップを招くおそれがない。
かかる態様によれば、相分離が生じた場合のエタノール混合ガソリンの排油が容易になる。
図1〜図4は実施例1を示す。
図1に示すように、給油所の地上には、1または複数の給油装置2が設置されており、給油所の地下には、燃料油(エタノール混合ガソリン)Oを貯留する地下タンクLが埋設されている。前記地下タンクLには、地上の外気に連通する通気管6が設けられている。
前記地下タンクLには、給油管21を介して給油装置2が接続されている。給油装置2は、地下タンクL内の燃料油Oを給油ポンプ(第1ポンプ)P1により汲み上げて車両に供給するものであり、給油装置2から汲み上げられた燃料油Oの供給量をカウントする流量計(図示せず)を備えている。給油装置2には、給油ノズル20が設けられており、該給油ノズル20を車両の燃料タンクに差し込み燃料油Oを当該車両に給油する。前記給油が行われると、給油装置2は、前記流量計によりカウントされた燃料油Oの汲上供給量を制御部3に送信する。
一方、地下タンクL内の燃料油Oを排出する場合には、第1切換弁V1を排出側に切り換えることにより、二点鎖線の矢印で示すように、地下タンクL内の燃料油Oが外部に汲み出される。
後述する所定のタイミングで、濃度計42によって検出された水分濃度Aおよびエタノール濃度Bは、たとえば、マイクロコンピュータからなる制御部3に送信される。
前記地下タンクLには、油面検知器1および水位検知器12が設けられている。
油面検知器1としては、種々の機構が考えられるが、たとえば、特開平7−63595号公報に記載された測定装置を用いた場合について、簡単に説明する。
前記制御部3は、前記油面検知信号に基づき燃料油Oの油位を算出する。
水位検知センサ13は、地下タンクLの底部に近い位置から、上方に向って一定間隔(たとえば、1mm間隔)毎に、所定の高さまで一定の間隔で前記電極が配されている。前記電極が水に浸かると水位検知センサ13が水位検知器12に検知信号を送信する。前記電極には所定の番号が付されており、水位検知器12は、当該水に浸かった電極の番号を水検知信号として制御部3に送信する。前述したように、前記電極は上下方向に一定の間隔で配置されているので、水に浸かった電極番号を水検知信号として制御部3が受信することにより、水位を検出することができる。
地下タンクL内には、市販の温度センサからなる気相温度計51および液相温度計52が設けられている。
気相温度計51は、地下タンクLの上部に取り付けられており、地下タンクL内の燃料油Oが満たされていない気相部Maの温度を計測し、当該気相温度信号を制御部3に送信する。
液相温度計52は、地下タンクLの下部に取り付けられており、地下タンクL内の燃料油Oの温度、すなわち液相部Moの温度を計測し、当該液相温度信号を制御部3に送信する。
図3に示すように、前記制御部3は、CPU31、メモリ32および計時を行う計時手段33を備えている。
CPU31は、給油制御手段31a、サンプリング判別手段31bおよび相分離判別手段31cなどの演算手段を備えている。
メモリ32には、後述する所定量V、データテーブルDT、ウエイト時間twおよびサンプル時間tが予め設定記憶される記憶部が設けられている。つまり、メモリ32には、後述する種々の測定値や時刻など種々の値が記憶される。
本システムがスタートすると、ステップS1に進み、図3のCPU31が給油装置2(図1)から給油された累積の総汲み上げ量が所定量(減量設定量)Vよりも大きいか否かの比較を行う。前記総汲み上げ量は、1つの地下タンクLについて給油装置2(図1)から給油が行われる度に制御部3に送信される前記汲上供給量を当該地下タンクLについて積算した値である。前記所定量Vとしては、地下タンクLの大きさや気候による地下タンクL内の気相部Maの上昇温度などを考慮した値であり、たとえば、100リットルや1000リットルなどの値に設定される。
CPU31は、前記総汲み上げ量と所定量Vとを比較し、前記総汲み上げ量が所定量Vを超えた場合にはステップS2に進む。一方、前記総汲み上げ量が所定量V以下の小さい場合にはステップS10に進む。
一方、気相温度TA が液相温度TL 以下の場合にはステップS1に戻る。
ステップS3では、ステップS4以降の結露予想が所定時間よりも頻繁に行われるのを防止するためにウエイト処理が行われる。
すなわち、CPU31が、前記計時手段33から現在の時刻を読み出し、当該現在時刻をメモリ32に記憶させる。メモリ32には、当該現在時刻と、前回、ステップS3において計時した前回の計時時刻とが記憶される。CPU31は、ステップS2が実行される度に、現在の時刻を現在時刻としてメモリ32に上書き保存させると共に、前回に計時した時刻(前回の現在時刻)を前回の計時時刻としてメモリ32に上書き保存させる。
ステップS4では、CPU31が図1の循環ポンプP2に運転開始信号を送信すると共に、第1切換弁V1を濃度計42側に開弁させてステップS5に進む。前記循環ポンプP2によって吸上管40から燃料油Oが汲み上げられ、第1切換弁V1を介して当該汲み上げられた燃料油Oが濃度計42に送られた後、該燃料油Oが第1戻し管43を通って地下タンクL内に戻される。
前記警報表示および警報ブザーが鳴らされると、作業員は、配送センター8に新たなエタノール混合ガソリンを当該給油所に搬送するように該配送センター8に連絡を取る。
一方、ステップS10では、CPU31が燃料油Oが所定の前記所定量(増加所定量)Vよりも増加したか否かの判別を行う。
タンクローリーにより地下タンクLに燃料油Oが供給(荷降し)された場合、地下タンクL内の燃料油Oの液面が上昇し、CPU31が油面検知器1からの液面検知信号に基づき供給後の燃料油Oの総油量を算出する。CPU31は、供給後の燃料油Oの総油量から、供給前の燃料油Oの総油量を減算し、燃料油Oの増加量を算出する。
CPU31は、当該増加量とメモリ32から読み出した所定量Vとを比較し、増加量が前記所定量V以下の場合にはステップS11に進む。一方、前記増加量が所定量Vを超える場合にはステップS12に進む。
なお、所定量Vとしては、前述したステップS1で用いる前記減量所定量と、ステップS10で用いる増加所定量とが異なる値に設定されていてもよい。
ステップS11では、CPU31がメモリ32からサンプリング時間(一定時間)tを読み出し、前回のステップS11からサンプリング時間tが経過したか否かの判別を行う。サンプリング時間tが経過している場合には、ステップS4に進む。一方、サンプリング時間tが経過していない場合にはステップS12に進む。
したがって、所定時間毎にステップS4〜S8の結露予測がなされる。
なお、サンプリング時間tと前記ステップS3で説明したウエイト時間twとの関係は、サンプリング時間t>ウエイト時間twに設定されている。
ステップS12では、CPU31が水位検知器12からの水検知信号に基づき、地下タンクL内の水位を計測し、前記水位検知器12が水を検知した場合には、ステップS13に進む。一方、水位検知器12が水を検知していない場合にはステップS1に戻る。
なお、測定誤差や許容できる範囲の所定の水位が予め設定されており、水位検知器12が水を検知した場合、前記所定の水位以上の場合にはステップS13に進み、一方、前記所定の水位よりも低い場合にはステップS1に戻る。
ステップS13では、CPU31が相分離が生じていると判断し、表示器7に「ガソリン品質を確認して下さい」という表示を行わせると共に、図示しないブザーを鳴らしてステップS14に進む。
ステップS15では、給油装置2が前記品質警報信号を受信すると、全ての給油装置2の給油ポンプP1が停止され、車両への給油が停止される。
その後、オペレータは、循環ポンプP2を運転させると共に、第1切換弁V1を排出方向に切り換えて地下タンクL内の燃料油Oを排出する。
図5に示すように、第2戻し管44、濃度計42に導入する第1流路101に開閉弁Vaを設け、排油するための第2流路102に第2切換弁V2を設けてもよい。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施例3の構成は前述した実施例1と同様であり、運用方法の異なる部分についてのみ説明する。
図8に示すフローチャートのステップS2において、図3のサンプリング判別手段31bが、メモリ32に記憶した設定温度ΔTを読み出し、気相温度TA が液相温度TL よりも設定温度ΔT以上であるか否かの判別を行う。すなわち、サンプリング判別手段31bは、気相温度TA と、液相温度TL に設定温度ΔTを加算した値との比較を行う。気相温度TA が当該加算値(液相温度TL +設定温度ΔT)以上であれば、ステップS4に進み、ステップS4以降の結露予測を行う。一方、気相温度TA が、該加算値(液相温度TL +設定温度ΔT)よりも小さい場合にはステップS1に戻る。
その他の運用は、実施例1と同様であり、同一動作に同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
2:給油装置
31b:サンプリング判別手段
31c:相分離判別手段
42:濃度計(水分濃度計測手段・エタノール濃度計測手段)
43:第1戻し管
44:第2戻し管
51:気相温度計
52:液相温度計
A:水分濃度
L:地下タンク
O:燃料油
P1:給油ポンプ
P2:循環ポンプ
t:サンプル時間(一定時間)
TL :液相温度
TA :気相温度
V1:第1切換弁
V2:第2切換弁
W:基準水分濃度
ΔT:設定温度
Claims (6)
- エタノール混合ガソリンからなる燃料油を貯留する地下タンクから給油装置により前記燃料油を汲み上げる給油所において、
前記地下タンク中の燃料油の液相温度TL を計測する液相温度計と、
前記地下タンク内の気相温度TA を計測する気相温度計と、
前記燃料油の水分濃度Aを計測する水分濃度計測手段と、
前記燃料油のエタノール濃度および前記液相温度計で計測された燃料油の液相温度TL から定まる前記燃料油において相分離を生じる基準水分濃度Wと前記計測された水分濃度Aとに基づいて、相分離の可能性を判別する相分離判別手段とを備え、
前記水分濃度計測手段を前記給油所の地下タンクの外の部分に設けると共に、
前記気相温度TA が前記液相温度TL よりも高いか否か、あるいは、気相温度TA が液相温度TL よりも所定の設定温度ΔT以上高いか否かを判別するサンプリング判別手段を設け、この判別結果に基づいて前記地下タンクから前記燃料油を汲み上げ、前記燃料油を前記水分濃度計測手段に導入してサンプリングすることで水分濃度を計測する給油所の相分離監視システム。 - 請求項1において、前回のサンプリング後の1つの地下タンクからの汲み上げ量が所定量Vよりも大きくなった場合で、かつ、高温雰囲気の場合に前記サンプリングを行うことを特徴とする給油所の相分離監視システム。
- 請求項1もしくは2において、前回のサンプリング後に一定時間tが経過した場合に、前記サンプリングを行う給油所の相分離監視システム。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記燃料油のエタノールの濃度を計測するエタノール濃度計測手段を前記給油所の地下タンクの外の部分に設けると共に、前記ポンプで汲み上げた燃料油を前記エタノール濃度計測手段に導入してエタノール濃度Bを計測し、当該計測したエタノール濃度Bに基づいて前記判別を前記判別手段が行う給油所の相分離監視システム。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポンプが前記給油装置のポンプとは別に設けられている給油所の相分離監視システム。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポンプで汲み上げた燃料油を前記水分濃度計に導入する第1の流路と排油する第2の流路とに切り換える弁を設けた給油所の相分離監視システム。
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