JP4609003B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4609003B2
JP4609003B2 JP2004250907A JP2004250907A JP4609003B2 JP 4609003 B2 JP4609003 B2 JP 4609003B2 JP 2004250907 A JP2004250907 A JP 2004250907A JP 2004250907 A JP2004250907 A JP 2004250907A JP 4609003 B2 JP4609003 B2 JP 4609003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seed crystal
silicon carbide
carbide single
crystal
single crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004250907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006062936A (ja
Inventor
雅夫 永久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004250907A priority Critical patent/JP4609003B2/ja
Publication of JP2006062936A publication Critical patent/JP2006062936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4609003B2 publication Critical patent/JP4609003B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、炭化珪素単結晶の結晶成長に用いられる炭化珪素単結晶の製造装置に関するものである。
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。このような炭化珪素単結晶を成長させるためには、一般に昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる方法が用いられる。この昇華法は、黒鉛製のルツボ内に炭化珪素原料を入れておくとともに、この原料と対向するように種結晶を配置する。そして、原料部を2200〜2400℃に加熱して原料ガスを発生(原料を昇華)させ、原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶に再結晶化させることで炭化珪素単結晶を成長させるものである。
このような昇華法を用いた炭化珪素単結晶の製造装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。以下、この特許文献1に記載された炭化珪素単結晶の製造装置について図11を参照して説明する。
図11に示すように、この炭化珪素単結晶の製造装置は、黒鉛製の反応容器(ルツボ)100、および反応容器100の蓋体としても機能する黒鉛製の種結晶載置部101を備えて構成されている。そして、この反応容器100内に原料となる炭化珪素(SiC)粉末102を所定量入れるとともに、例えば炭水化物と耐熱性微粒子と溶媒とからなる種結晶固定剤103を介して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶104を上記種結晶載置部101に取り付ける。そして、この反応容器100を上述の温度に加熱して、上記SiC粉末102から原料ガスを発生させ、これにより上記種結晶104に炭化珪素単結晶105を成長させる。
特開平11−171691号公報
ところで、上記種結晶載置部101および種結晶104は、それぞれ異なる熱膨張係数を有する。このため、反応容器100が加熱されて上記種結晶載置部101および種結晶104が熱膨張すると、図12に示すように、両者の熱膨張差(同図12で実線の矢印で示す)によってこれらの界面に熱応力が働くこととなる。そして、このような熱応力が働くと、炭化珪素単結晶105の成長に伴い、その結晶格子にひずみが誘発されて結晶欠陥を招いたり、炭化珪素単結晶105に割れ(クラック)が発生したりすることがある。また、上記種結晶固定剤103の接着力が熱応力に負けて、上記種結晶104が落下することもある。
こうした問題から、従来は、塑性変形可能なカーボンシートを上記種結晶載置部101と種結晶104との間に介在させ、これらの界面に発生する熱応力をそのカーボンシートの変形に換えて吸収する方法なども提案されている。しかし、カーボンシートの引っ張り材料強度は、大口径、且つ長尺の炭化珪素単結晶の成長に耐え得るほど高くないことから、大口径、且つ長尺の炭化珪素単結晶を成長させようとすると、やはり、カーボンシートから上記種結晶104が脱落してしまうおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その目的は、成長させようとする炭化珪素単結晶のサイズによることなく、種結晶に働く熱応力の影響を好適に抑えて、結晶欠陥等のない高品質な炭化珪素単結晶を成長させることのできる炭化珪素単結晶の製造装置を提供することにある。
また、上記目的を達成するため、請求項に記載の発明では、反応容器内に保持される種結晶に原料ガスを付与して前記種結晶から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、前記種結晶として、同種結晶の裏面に突部が形成されたものを用い、この突部に装着された線材によって前記種結晶を吊り下げるかたちで保持する構成とした。
上記構成によれば、種結晶を何らかの保持部材と結合させて保持するという従来技術と異なり、種結晶の裏面に形成された突部が上記線材により吊り下げられて、当該種結晶が保持されるため、結晶欠陥等の原因となる熱応力が種結晶に働くことがない。したがって、高品質な炭化珪素単結晶を製造することができるようになる。
なお、請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、例えば請求項に記載の発明によるように、前記線材を、前記反応容器の上方に設けられる巻き上げ機構に接続することにより、上記反応容器内における上記種結晶の位置を調整することができるようになり、長尺な炭化珪素単結晶の製造に対応し易くなる。
また、請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、例えば請求項に記載の発明によるように、前記種結晶として、前記突部が前記種結晶の裏面の中心部に形成されたものを用いることにより、上記線材による上記種結晶の保持を安定して行うことができる。
また、請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、例えば請求項に記載の発明によるように、前記種結晶として、前記突部を複数備えるものを用いることにより、上記線材により保持する種結晶の安定化を図ることができるようになる。
なお、請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、例えば請求項に記載の発明によるように、前記種結晶として、前記複数の突部が、それら突部の数と同数の頂点からなる正多角形の各頂点に配置されるとともに、この正多角形の中心が当該種結晶の重心と一致する態様で前記種結晶の裏面から突出形成されたものを用いることにより、炭化珪素単結晶が成長される面の水平出しを容易に行うことができるようになり、より高品質な炭化珪素単結晶を成長させることができるようになる。
また、請求項のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、例えば請求項に記載の発明によるように、前記種結晶として、その裏面が当該種結晶の昇華を防止する保護膜により被覆されたものを用いることにより、上記反応容器を加熱して炭化珪素単結晶を成長させる際、種結晶までもが昇華してしまうことを好適に防止できるようになる。
(第1の参考例
以下、本発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の実施の形態の説明に先立ち、その参考例について図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本参考例の炭化珪素単結晶の製造装置を示すものである。この図1に示すように、この炭化珪素単結晶の製造装置は、例えば黒鉛製の反応容器10と、炭化珪素単結晶を成長させる種結晶20を上記反応容器10の蓋体10aに形成された孔11を介して保持する保持棒30およびワイヤ31とを備えて構成されている。
図2は、種結晶の保持態様を示すものである。この図2に示すように、種結晶20は、円板形状の炭化珪素単結晶基板により構成されており、裏面20aの中心部に円柱形状の凹部21を備えて構成されている。この凹部21は、例えばレーザ加工、放電加工、研削加工等によって除去加工されて形成される。なお、本参考例では、例えば、直径「2インチ」、厚さ「10mm」の大きさからなる種結晶20に対して、直径「10mm」、深さ「5mm」の大きさからなる凹部21が形成されている。なお、種結晶20は、この大きさに限られるものではなく、また、上記凹部21に関しても、種結晶20の裏面20a全体の面積よりも小さいものであれば、他の大きさのものを採用することができる。
また、上記種結晶20を保持する保持棒30は円柱形状からなり、加熱される反応容器10内の温度に耐え得る材料として、例えばカーボンにより構成されている。なお、この保持棒30の材料としては、カーボン以外に、タングステン、タンタル等の高融点金属材料を用いることもできる。この保持棒30は、上記凹部21の径よりも若干小さい径からなり、接着剤Sにより上記凹部21に嵌め込まれて結合される。これにより、保持棒30は、上記種結晶20の裏面20a全体の面積よりも小さい面積で上記凹部21の底面および側面と結合される。また、保持棒30は、孔32を備えて構成されており、この孔32に装着された例えばカーボン繊維からなる上記ワイヤ31により吊り下げられている。なお、反応容器10内の温度に耐え得る高融点材料からなる線材であれば、上記ワイヤ31に代えて採用することができる。そして、上記ワイヤ31は、反応容器10の上方に設けられた図示しない巻き上げ機構と接続されており、上記種結晶20が反応容器10内において上下方向において調整されるようになっている。
また、上記種結晶20の裏面20aは、上記保持棒30と結合される凹部21を除いて、例えばカーボン接着剤からなる保護膜22により被覆されている。この保護膜22は、反応容器10を加熱して炭化珪素単結晶を成長させる際、種結晶20自身までもが昇華してしまうことを防止するためのものである。なお、この保護膜22としては、高温環境下においても安定して緻密な膜を形成するものであれば他の材料を採用することもできる。
ところで、本参考例では、上述したように上記種結晶20の裏面20a全体の面積よりも小さい面積で上記保持棒30を上記種結晶20と結合することとしている。ここで、その結合面積とその結合面にかかる引っ張り応力との関係について説明する。
図3は、種結晶および保持棒の結合面積比率と、これらの結合面にかかる引っ張り応力との関係を示すものである。なお、結合面積比率とは、種結晶20の裏面20a全体の面積に対する上記保持棒30と種結晶20との結合面積の比率を表すものである。そして、この図3では、成長させた炭化珪素単結晶の長さが50mmのときの上記結合面積比率と、上記結合面にかかる引っ張り応力との関係を示している。
この図3に示すように、上記種結晶20と保持棒30との結合面にかかる引っ張り応力は、上記保持棒30と種結晶20との結合面積が小さくなるほど大きくなり、引っ張り応力が0.2MPaを上回ると、種結晶20が保持棒30から剥離して落下してしまう。このため、上記保持棒30により種結晶20を保持するにあたっては、こうした種結晶20の落下を防止するため、上記引っ張り応力が0.2MPaを上回ることのない結合面積比率、すなわち、結合面積比率を1%以上に設定することが望ましいこととなる。
次に、上記構成からなる炭化珪素単結晶の製造装置を用いて炭化珪素単結晶を製造する場合について説明する。
まず、上記保持棒30を上記種結晶20と結合させる。この種結晶20と保持棒30との結合は、上記種結晶20に形成された凹部21に接着剤Sを塗布し、この接着剤Sの塗布された凹部21に上記保持棒30を嵌め込み結合させる。そして、上記反応容器10内に原料となるSiC粉末40を所定量入れて、図1に示すように、SiC粉末40と対向するように上記種結晶20を反応容器10内に吊り下げる。
次いで、反応容器10を加熱してSiC粉末40を2200〜2400℃に加熱し、珪素Si及び炭素Cを含有する原料ガスを発生させる。そして、このSiC粉末40より数十〜数百℃低温にした種結晶20に再結晶化させることで、炭化珪素単結晶を成長させる。なお、こうした炭化珪素単結晶の成長は、上記巻き上げ機構により上記種結晶20の位置が適宜調整されて行われる。
以上説明した参考例によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)種結晶20の裏面20a全体の面積よりも小さい面積で上記保持棒30を種結晶20と結合して、同種結晶20を反応容器10内に保持することとした。このため、種結晶20と保持棒30との結合面積に依存する熱応力の影響が好適に抑えられることとなる。したがって、結晶欠陥等のない高品質な炭化珪素単結晶を製造することができるようになる。
(2)上記種結晶20の裏面20a全体の面積の1%以上の面積で上記保持棒30を種結晶20の裏面20aと結合することとした。このため、種結晶20と保持棒30との間に発生する熱応力を好適に抑制しつつも、上記種結晶20の落下等なく同種結晶20を保持することができる。
(3)種結晶20の裏面20aに凹部21を形成し、この凹部21に保持棒30を結合する構成とした。このため、種結晶20と保持棒30との結合が、平面ではなく、凹部21の側面とも結合される立体的態様で結合されるため、種結晶20が強固に保持されるようになる。
(4)保持棒30を種結晶20の裏面20aの中心部に結合することとしたため、種結晶20の保持を安定して行うことができるようになる。
なお、上記参考例は以下のように変更して実施することもできる。
・上記参考例では、種結晶20の凹部21と保持棒30との結合を接着剤Sにより行うこととしたが、例えばピン等を用いて機械的にこれらを結合するなど、他の構造をもって上記種結晶20と保持棒30とを結合してもよい。この場合も従来に比べて熱応力は好適に抑えられるため、上記参考例と同等の効果を得ることができる。
(第2の参考例
次に、炭化珪素単結晶の製造装置の第2の参考例について、図4および図5を参照して説明する。なお、種結晶を保持する保持部材以外の構造は上記第1の参考例と同様の構成からなるため、上記第1の参考例と同じ要素については、その詳細な説明は割愛する。
図4は、本参考例における種結晶の保持態様について示し、先の図2に対応して示すものである。この図4に示すように、本参考例の炭化珪素単結晶の製造装置では、上記第1の参考例で用いられた保持棒30を3つ備えて構成されている。そして、これら3つの保持棒30が種結晶50に形成された3つの凹部51に結合されて、同種結晶50が反応容器10内において保持される。
また、種結晶50の裏面50aは、上記3つの凹部51の形成された部分を除いて例えばカーボン接着剤からなる保護膜52により被覆されている。この保護膜22は、反応容器10を加熱して炭化珪素単結晶を成長させる際、種結晶50自身までもが昇華してしまうことを防止するためのものである。なお、この保護膜52としては、高温環境下においても安定して緻密な膜を形成するものであれば他の材料を採用することもできる。
図5は、図4に示すA−A線の方向からみた種結晶および保持棒を模式的に示すものである。この図5に示すように、上記3つの保持棒30は、正三角形の各頂点に配置されて、この正三角形の中心が上記種結晶50の重心Gと一致する態様で上記種結晶50の裏面50aと結合されている。そして、種結晶50と結合された各保持棒30は、孔32に装着されたワイヤ31により吊り下げられている。このワイヤ31は、図示しない巻き上げ機構に接続されており、反応容器10内において上記種結晶50の位置が調整される。
以上説明した参考例によれば、上記第1の参考例の効果(1)〜(3)に加えて、以下に列記する効果が得られるようになる。
(5)3つの保持棒30により種結晶50を保持する構成としたため、1つの保持棒30で保持する場合に比べて、保持する種結晶50の安定化を図ることができる。
(6)3つの保持棒30を、正三角形の各頂点に配置するとともに、この正三角形の中心が上記種結晶50の重心Gと一致する態様で上記種結晶50の裏面50aと結合した。このため、炭化珪素単結晶が成長される上記種結晶50の面の水平出しを容易に行うことができるようになり、より高品質な炭化珪素単結晶を成長させることができるようになる。
なお、上記参考例は以下のように変更して実施することもできる。
・上記参考例では、3つの保持棒30を備える場合について示したが、保持棒30の数は3つ以外の複数であってもよい。この場合、上記参考例と同様に、それら保持棒30の数と同数の正多角形の各頂点に配置するとともに、この正多角形の中心が上記種結晶50の重心Gと一致する態様で上記種結晶50の裏面50aと結合することにより、炭化珪素単結晶を成長させる面の水平出しを容易に行うことができるようになる。
・上記参考例では、複数の保持棒30を、それらと同数の正多角形の各頂点に配置するとともに、この正多角形の中心が上記種結晶50の重心Gと一致する態様で上記種結晶50の裏面50aと結合することとしたが、熱応力の影響を抑えるという目的を達成するうえでは、複数の保持棒30の配置態様は他のものを採用することもできる。
(第3の参考例
次に、炭化珪素単結晶の製造装置の第3の参考例について、図6を参照して説明する。なお、種結晶を保持する保持部材以外の構造は上記第1の参考例とほぼ同様の構成からなるため、上記第1の参考例と同じ要素については、その詳細な説明は割愛する。
図6は、本参考例における炭化珪素単結晶の製造装置の全体構造を示し、先の図1に対応して示すものである。この図6に示すように、本参考例では、上記第1の参考例と同じ種結晶20を用い、この種結晶20を一本の棒状部材からなる保持棒60により保持することとしている。上記保持棒60は、その一端が上記種結晶20の凹部21に結合されるとともに、他端が上記反応容器10の上方に設けられた図示しない種結晶保持機構に直接接続されており、この種結晶保持機構により上記反応容器10内における種結晶20の位置が回転・上下方向において調整される。なお、この保持棒60は、加熱される反応容器10内の温度に耐えうる高融点材料として、例えばカーボン、タングステン、タンタル等により構成される。
以上説明した参考例によれば、上記第1の参考例の効果(1)〜(3)に加えて、以下に列記する効果が得られるようになる。
(7)種結晶20の保持を一本の棒状部材からなる保持棒60により行うこととしたため、ワイヤ等の線材により吊り下げて種結晶20を保持する場合に比べて、種結晶20の保持を安定して行うことができるようになり、高品質な炭化珪素単結晶の製造に寄与することとなる。
なお、上記参考例は以下のように変更して実施することもできる。
・上記参考例では、種結晶20を保持する保持棒60を反応容器10の上方に設けられる図示しない種結晶保持機構に接続することとしたが、例えば図7に示すように、上記保持棒60を反応容器10の上部に直接取り付けて上記種結晶20を保持するようにしてもよい。詳しくは、この保持棒60の上端部に雄ねじ部61を形成するとともに、上記反応容器10の上部に雌ねじ部10bを形成して、これらを結合させる構造とする。この構成とした場合も、上記参考例と同等の効果を得ることができる。
(実施の形態)
次に、本発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の一実施の形態について、図8を参照して説明する。なお、種結晶を保持する構造以外は上記第1の参考例と同様の構成からなるため、上記第1の参考例と同じ要素については、その詳細な説明は割愛する。
図8は、本実施の形態における種結晶の保持態様を示し、先の図2に対応して示すものである。この図8に示すように、本実施の形態では、裏面70aの中心部に円柱形状の突部71の形成された種結晶70を用いている。上記突部71には孔71aが形成されており、この孔71aに装着されたワイヤ72によって上記種結晶70が反応容器10内に吊り下げられて保持される。なお、このワイヤ72は、図示しない巻き上げ機構に接続されており、この巻き上げ機構により上記種結晶70の位置が調整される。
また、種結晶70の裏面70aは、同種結晶70の昇華を防止すべく、例えばカーボン接着剤からなる保護膜73により被覆されている。なお、この保護膜73は、高温環境下においても安定して緻密な膜を形成するものであれば、カーボン接着剤以外のものを採用することもできる。
以上説明した実施の形態によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(8)種結晶70の裏面70aに突部71を形成し、この突部71の孔71aに装着されるワイヤ72によって種結晶70が吊り下げられて保持される構造とした。このため、結晶欠陥等の原因となる熱応力が上記種結晶70にかかることがなくなり、高品質な炭化珪素単結晶を製造することができるようになる。
(9)種結晶70の裏面70aの中心部に突部71を形成するため、ワイヤ72による上記種結晶70の保持を安定して行うことができるようになる。
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、裏面70aに突部71が形成された種結晶70を用い、この突部71に形成された孔71aにワイヤ72を装着して上記種結晶70を吊り下げる構造としたが、例えば図9に示すように、突部71の途中に溝部71bを形成し、この溝部71bにワイヤ72を括り付けて種結晶70を保持するようにしてもよい。また、突部71をかぎ状に形成して、上記ワイヤ72を引っ掛けて吊り下げる構造としてもよい。また、単なる突部71に上記ワイヤ72を縛り付けるだけの構造でもよい。いずれの構造を採用した場合であれ、上記実施の形態と同等の効果を得ることができる。
・上記実施の形態では、裏面70aの中心部に突部71が形成された種結晶70を用いることとしたが、例えば上記突部71が複数形成された種結晶を用いてもよい。この構成を採用した場合、これら複数の突部71によって上記種結晶70が安定した状態で保持されるようになる。また、このように複数の突部71を備える構成とする場合、これら複数の突部71を、それらと同数の頂点からなる正多角形の頂点に配置するとともに、この正多角形の中心が種結晶70の重心と一致する態様で上記種結晶70の裏面70aから突出形成することにより、炭化珪素単結晶が成長される面の水平出しを容易に行うことができるようになる。このため、より高品質の炭化珪素単結晶を成長させることに寄与することができるようになる。
その他、上記各参考例及び実施の形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。
・上記各参考例及び実施の形態では、種結晶に凹部や突部を形成し、これらに保持棒やワイヤを取り付けるなどして種結晶に働く熱応力を抑えることとしたが、例えば図10に示すように、単なる円板状からなる種結晶80を用い、この裏面80a全体の面積よりも小さい面積で上記保持棒30を結合するだけの構成としてもよい。なお、上記各参考例及び実施の形態と同様、種結晶80の裏面80aは、上記保持棒30と結合される面を除いて、例えばカーボン接着剤からなる保護膜81により被覆される構成とする。この構成の場合、上記保持棒30と種結晶80とが平面的に結合されるため、上記凹部21において保持棒30が立体的に結合される上記第1および第2の参考例に比べて、その保持力において劣るものの、種結晶80と保持棒30との結合面積は抑えられるため、熱応力を抑えて高品質な炭化珪素単結晶を製造するという目的は十分達成される。
・上記各参考例及び実施の形態では、炭化珪素単結晶を成長させる方法として、SiC粉末40を加熱して原料ガスを発生させる昇華法(改良レーリー法)を用いる場合について示したが、原料ガスをシランやプロパンなどのガスにより供給する方法を用いる場合でも、本発明は同様に適用することができる。
この発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の第1の参考例についてその全体構造を示す断面図。 参考例の炭化珪素単結晶の製造装置における種結晶の保持態様について示す断面図。 種結晶と保持部材との結合面積比率と結合面にかかる引っ張り応力との関係を示すグラフ。 この発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の第2の参考例における種結晶の保持態様について示す断面図。 図4に示すA−A線の方向からみた種結晶および保持部材を模式的に示す平面図。 この発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の第3の参考例についてその全体構造を示す断面図。 参考例の変形例について炭化珪素単結晶の製造装置の全体構造を示す断面図。 この発明にかかる炭化珪素単結晶の製造装置の一実施の形態における種結晶の保持態様について示す断面図。 同実施の形態の変形例について種結晶の保持態様を示す断面図。 上記各参考例及び実施の形態の変形例について種結晶の保持態様を示す断面図。 従来の炭化珪素単結晶の製造装置についてその全体構造を示す断面図。 種結晶と種結晶載置部との界面に発生する熱応力について示す図。
符号の説明
10…反応容器、10a…蓋体、10b…雌ねじ部11…孔、20…種結晶、20a…裏面、21…凹部、22…保護膜、30…保持棒、31…ワイヤ、32…孔、40…SiC粉末、50…種結晶、50a…裏面、51…凹部、52…保護膜、60…保持棒、61…雄ねじ部、70…種結晶、70a…裏面、71…突部、71a…孔、71b…溝部、72…ワイヤ、73…保護膜、80…種結晶、80a…裏面、81…保護膜、S…接着剤。

Claims (6)

  1. 反応容器内に保持される種結晶に原料ガスを付与して前記種結晶から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記種結晶として、同種結晶の裏面に突部が形成されたものを用い、この突部に装着された線材によって前記種結晶が吊り下げられるかたちで保持される
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記線材は、前記反応容器の上方に設けられる巻き上げ機構に接続されてなる
    請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記種結晶として、前記突部が前記種結晶の裏面の中心部に形成されたものを用いる
    請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記種結晶として、前記突部を複数備えるものを用いる
    請求項またはに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記種結晶として、前記複数の突部が、それら突部の数と同数の頂点からなる正多角形の各頂点に配置されるとともに、この正多角形の中心が当該種結晶の重心と一致する態様で前記種結晶の裏面から突出形成されたものを用いる
    請求項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記種結晶として、その裏面が当該種結晶の昇華を防止する保護膜により被覆されたものを用いる
    請求項のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
JP2004250907A 2004-08-30 2004-08-30 炭化珪素単結晶の製造装置 Expired - Lifetime JP4609003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004250907A JP4609003B2 (ja) 2004-08-30 2004-08-30 炭化珪素単結晶の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004250907A JP4609003B2 (ja) 2004-08-30 2004-08-30 炭化珪素単結晶の製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006062936A JP2006062936A (ja) 2006-03-09
JP4609003B2 true JP4609003B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=36109732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004250907A Expired - Lifetime JP4609003B2 (ja) 2004-08-30 2004-08-30 炭化珪素単結晶の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4609003B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102057083B (zh) 2009-07-21 2013-09-11 丰田自动车株式会社 使用熔液法的单晶生长用籽晶轴
JP2015030659A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 三菱電機株式会社 単結晶の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11314998A (ja) * 1998-05-01 1999-11-16 Nippon Steel Corp シリコン単結晶の引き上げ装置およびこれを用いた引き上げ方法
JP2002201097A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Denso Corp 炭化珪素単結晶の製造方法、製造装置および炭化珪素単結晶成長用基板と単結晶の加熱処理方法
JP2003511337A (ja) * 1999-10-08 2003-03-25 クリー インコーポレイテッド 炭化珪素結晶を成長させる方法及びその装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11314998A (ja) * 1998-05-01 1999-11-16 Nippon Steel Corp シリコン単結晶の引き上げ装置およびこれを用いた引き上げ方法
JP2003511337A (ja) * 1999-10-08 2003-03-25 クリー インコーポレイテッド 炭化珪素結晶を成長させる方法及びその装置
JP2002201097A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Denso Corp 炭化珪素単結晶の製造方法、製造装置および炭化珪素単結晶成長用基板と単結晶の加熱処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006062936A (ja) 2006-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2508655B1 (en) Method of producing silicon carbide monocrystals
JP2002201097A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法、製造装置および炭化珪素単結晶成長用基板と単結晶の加熱処理方法
JP4569957B2 (ja) 多結晶半導体製造用ルツボ及び多結晶半導体製造方法
US20180171506A1 (en) Seed crystal holder, crystal growing device, and crystal growing method
US6723166B2 (en) Seed crystal holder with lateral mount for an SiC seed crystal
WO2015182246A1 (ja) 炭化珪素インゴットの製造方法、炭化珪素種基板および炭化珪素基板
JP4219800B2 (ja) SiC単結晶の製造方法
JP6293135B2 (ja) ウエハキャリアおよびこれを用いたエピタキシャル成長装置
WO2016072077A1 (ja) 芯線ホルダ及びシリコンの製造方法
JP7346995B2 (ja) SiC単結晶インゴットの製造方法
JP2021102533A (ja) SiC単結晶の製造方法
JP4609003B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造装置
JP5517123B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶とその製造方法および製造装置
JP7113658B2 (ja) 遮蔽部材及びそれを備えた単結晶成長装置
KR20160058351A (ko) 잉곳 제조 장치
JP4967925B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造装置
JP5333315B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法
EP1538242A1 (en) Heater for crystal formation, apparatus for forming crystal and method for forming crystal
JP2014031291A (ja) 単結晶サファイアインゴット及び坩堝
KR101464561B1 (ko) 사파이어 잉곳 성장장치 및 이에 이용되는 로드 히터
WO2016163157A1 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP4626291B2 (ja) 単結晶引上げ装置
KR101640314B1 (ko) 잉곳 제조 장치
JP6143019B2 (ja) ウェーハ載置用サセプタの製造方法及びウェーハ載置用サセプタ
JP2007076974A (ja) シリコン単結晶引上用ルツボ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100927

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4609003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250