JP4606670B2 - 個装吸収性物品およびその個装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封性を高め吸収性物品を衛生的に保つとともに、封止用接着剤の塗布位置を容易に設定できるようにした個装吸収性物品およびその個装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば生理用ナプキンは、製造されたナプキンを3つ折りまたは四つ折りとし、各種フィルムシートよりなる個装袋に一つづつ包装した形態で提供されている。使用者がこのナプキンを使用する場合には、個装袋を開封して中からナプキンを取出し、ナプキンの非肌当接面側に形成された粘着層をショーツ等の内面に貼着するようにして装着する。従来、個装状態にある生理用ナプキンにおいては、ナプキンの非肌当接面側に塗布された粘着層を保護するために、前記個装袋とは別に、離型処理された剥離紙を接着させている。
【0003】
しかし、個装袋からナプキンを取出した際に、前記剥離紙を廃棄処分しなければならず、この剥離紙の処理が面倒であったり、便器に廃棄したため便器が詰まることがあるなどの問題があった。そこで、最近は前記個装袋の内面に直接、離型処理を行い、剥離紙を省略した個装構造が多く採用されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ナプキンを衛生的に保つために前記包装袋の開封端部をホットメルト接着剤等により止着し密封する場合、個装袋の内面全面に亘って離型処理が成されていると、前記ホットメルト接着剤の接着力が小さくなり、保管中に僅かの力で容易に開封してしまうことがありナプキンを衛生的に保つことが出来なくなるなどの問題が発生した。
【0005】
一方で、前記個装袋において、生理用ナプキンの粘着層に対応する領域(包装材の内方側領域)にのみ離型処理を施すことが一部で行われている。この場合には、個装袋の開封端部に離型処理が成されていないため、ホットメルト接着剤の接着力が弱まることがないけれども、ライン中における包装工程でナプキンの粘着層と包装材の離型処理部とを精度良く合わせなければならず、位相合わせ制御が煩雑になるなどの問題がある。
【0006】
そこで本発明の第1の課題は、個装袋の開封端部における接着力を低下させないとともに、包装材の離型処理部分と吸収性物品の粘着層部分との位相合わせを不要とできる個装吸収性物品を提供することにある。
【0007】
第2の課題は、個装材の開封端を封止するためのホットメルト接着剤の塗布位置を容易に制御できるようにした個装吸収性物品を提供することにある。
【0008】
第3の課題は、個装材の開封端を封止するためのホットメルト接着剤の塗布位置を容易かつ正確に制御しながら効率よく吸収性物品を個装できるようにした個装方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、非肌当接面側に粘着層が形成された吸収性物品と、内面側に離型処理が施され、前記粘着層に直に接着されるとともに、前記吸収性物品を個装する包装材とからなり、前記包装材を長手方向に折り畳み開封端部を接着剤により封止してなる個装吸収性物品において、
前記包装材は、開封側端縁部分に所定幅でかつ包装材の全幅に亘る非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、前記非離型処理部が接着剤により封止されていることを特徴とする個装吸収性物品が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明では、包装材の開封側端縁部分に所定幅で非離型処理を形成し、基本的に残部はすべて離型処理部とした。したがって、封止用接着剤を前記非離型処理に接着させることにより接着剤の接着力が低下することがなく、吸収性物品を衛生的に保つことが可能になる。また、非離型処理部は開封端縁がわに所定幅で形成された部分のみであるため、後述の個装方法を採用することにより、吸収性物品を配置する範囲はライン方向に沿って連続的に離型処理が施されているため、包装材の離型処理部分と吸収性物品の粘着層部分との位相ズレが全く問題とならない。
【0011】
請求項2に係る本発明として、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするための特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0012】
請求項3に係る本発明として、前記包装材の内面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため非離型処理部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0013】
請求項4に係る本発明として、前記包装材の外面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため非離型処理対応部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0014】
請求項5に係る本発明として、前記包装材の外面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため離型処理対応部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0015】
上記請求項2〜5記載の発明に従って、特定処理を施すことにより、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能となるため、個装材の開封端を封止するためのホットメルト接着剤の塗布位置を容易に制御できるようになる。
【0016】
請求項6に係る本発明として、前記非離型処理部の幅は5〜25mmである請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0017】
請求項7に係る本発明として、長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、包装材の開封端を封止するための封止用接着剤を塗布するとともに、包装材ウエブと吸収性物品とを折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項1記載の個装吸収性物品を得るための個装方法が提供される。
【0018】
請求項8に係る本発明として、長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、かつ請求項2〜5記載の特定処理が成された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、前記包装材ウエブの前記特定処理が成された部分を肉眼または機械的に検出することにより包装材の開封端を封止するための封止用接着剤をライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、包装材ウエブと吸収性物品とを折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項2〜6いずれかに記載の個装吸収性物品を得るための個装方法が提供される。
【0019】
請求項9に係る本発明として、長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、かつ請求項2〜5記載の特定処理が成された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、包装材ウエブおよび吸収性物品の折り畳み途中で、包装材ウエブの折り畳み済み外面部分に包装材の開封端を封止するための封止用接着剤を、前記包装材ウエブの前記特定処理が成された部分を肉眼または機械的に検出することによりライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、包装材ウエブと吸収性物品とを最終まで折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項2〜6いずれかに記載の個装吸収性物品を得るための個装方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0021】
図1は本発明に係る個装吸収性物品Nの斜視図、図2は折り畳み(個装)要領を示す図、図3は吸収性物品1の裏面図、図4は包装材2の内面図である。
【0022】
個装吸収性物品Nは、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品1と、この吸収性物品1を個別包装している包装材2とからなる。なお、符号3は開封端部の封止のために補助的に設けた粘着型ファスナーテープであり、省略してもよい。
【0023】
前記吸収性物品1の非肌当接面(外面)には、図3に示されるように、適宜のパターンで粘着層4,4…が設けられ、装着時に前記粘着層4,4…がショーツに粘着し吸収性物品1が位置ズレするのを防止するようになっている。同図では、幅方向に沿って多数のライン状に粘着層4,4…を形成したが、たとえば長手方向に沿って複数のライン状に設けてよいし、矩形状パターンを前部、中間部および後部に夫々設けるようにしてもよい。
【0024】
前記吸収性物品1は、通常、不透液性バックシートと、透液性トップシートとの間に吸収体を介在させた構造を成し、非肌当接面側となる前記不透液性バックシートの外面側に前記粘着層4,4…が設けられる。前記接着層4,4…を形成する接着剤としては、スチレン系ポリマー、粘着付与剤、可塑剤のいずれかが主成分であるものが使用される。前記スチレン系ポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち一種のみを使用しても、二種以上のポリマーブレンドであってもよい。この中でも、熱安定性が良好であるという点で、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、前記粘着付与剤および可塑剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、粘着付与剤では、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、前記可塑剤では、例えば、リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等モノマー可塑剤の他、ビニル重合体やポリエステルのようなポリマー可塑剤が挙げられる。前記粘着層4,4…の形成に当たっては、後述の個装方法で示されるように、はじめに包装材2の内面側に所定パターンで粘着剤を塗工し、その後に吸収性物品1の非肌当接面に重ね合わせた際に、不透液性バックシートに転写させるようにしてもよいし、吸収性物品1の不透液性バックシート面に直接塗工するようにしてもよい。
【0025】
一方、包装材2は、図2に示されるように、長方形状を成すシート状部材が用いられる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリエステル、ポリビニルアルコール等のフィルムや、不織布、紙、ポリラミ不織布などが使用される。印刷によるデザインを重視するのであればフィルムが好ましく、風合いやソフト感などを重視するのであれば不織布や紙などが好ましい。
【0026】
前記包装材2の内面側(吸収性物品側の面)には、開封側端縁部分に所定幅でかつ包装材2の全幅に亘る非離型処理部2Aが形成されるとともに、その他の全領域2B(斜線領域)に離型処理が施されている。前記非離型処理部2Aは開封端部がホットメルト接着剤等の接着剤により接着される部分で、前記離型処理部2Bは図5に示されるように、個装に際し、前記吸収性物品1の少なくとも粘着層4,4…が剥離可能に粘着される領域部分である。前記非離型処理部2Aの幅寸法Sとしては、5mm〜25mm、好ましくは7〜15mmとするのが望ましい。幅寸法Sが5mm未満の場合は、ホットメルト接着剤が包装材2から外れる可能性があり不良品が発生する可能性が高くなる。前記幅寸法Sが25mmを超える場合には、結果として包装材2の面積が大きくなりコスト的に好ましくないものとなる。
【0027】
前記離型処理は、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、または四フッ化エチレン系樹脂などの剥離処理液を塗工するかスプレー塗布するなどの方法で表面に薄い皮膜を形成するようにする。
【0028】
前記吸収性物品1を包装材2により包装するには、先ず図5に示されるように、非剥離処理部2Aの領域に掛からないように、吸収性物品1を包装材2の内面に配置する。なお、この場合に吸収性物品1の外面に形成された粘着層4,4…はすべて包装材2によって覆われる必要があるが、開封端側を折り畳んだ際に、最初に折り畳まれた包装材2部分の上面に重なるならば、図示されるように開封端とは反対側の端縁から吸収性物品1が突出していても構わない。
【0029】
次に、図2に示されるように、包装材2の非離型処理部2Aの部分に幅方向に沿ってホットメルト接着剤等の封止用接着剤5を例えば線状に塗工し、ほぼ吸収性物品を3等分する非開封端寄り側の折り線位置7で包装材2と共に吸収性物品1を内面側に折り畳み、次いでほぼ吸収性物品を3等分する開封端寄り側の折り線位置8で折り畳み、前記封止用接着剤5を先に折り畳んだ部分の包装材2上面に接着し開封端を封止する。また、両側縁部2a、2bはヒートシールなどによって封止される。
【0030】
前記個装のための折り畳み及び開封端の封止や両側縁部のシールなどは製造ラインの後工程において機械的に行われる。これについては後述するとして、前記開封端を封止するための封止用接着剤5の塗布位置を容易に設定可能とするため、本発明では前記包装材2の非離型処理部2Aと離型処理部2Bとの境界を簡単に識別可能とするための加工が幾つかの態様で成されている。その第1の加工方法は、前記包装材2の内面側において、非離型処理部2Aと離型処理部2Bとの境界を肉眼または機械的に識別可能とするため、前記非離型処理部分2Aに特定処理、例えば着色印刷や蛍光顔料塗布等の処理を行うようにする。着色印刷については、カメラによって撮影した映像を画像処理することによって容易に非離型処理部2Aと離型処理部2Bとの境界部を特定することができ、蛍光顔料の場合には紫外線照射などによって境界部を特定することができる。肉眼および機械的のどちらでも識別できる点からすれば着色印刷の方が好ましい。
【0031】
第2の加工方法としては、前記包装材2の外面側において、非離型処理部2Aと離型処理部2Bとの境界を肉眼または機械的に識別可能とするため、非離型処理対応部分に特定処理を施す。更に第3の加工方法として、前記包装材2の外面側において、非離型処理部2Aと離型処理部2Bとの境界を肉眼または機械的に識別可能とするため、離型処理対応部分に特定処理を行う、などの方法が採られる。これら3つの方法に共通しているのは、離型処理部2Bには直接、着色印刷や蛍光顔料の塗工等の特定処理を行わないことである。例えば、離型処理部2Bを離型処理するための加工液に顔料などの着色材を混入する場合には、混入された顔料により剥離性が低下するようになり、吸収性物品1の不透液性バックシートに伸びや破れが生じることがある。なお、前記第1,2の方法が相対的に面積の小さい非離型処理部2Aに特定処理を施すため、印刷や蛍光顔料塗布に掛かる費用を低減できる点で望ましい。また、包装材2の外面側において、非離型処理部2Aと離型処理部2Bの両方に色や模様等の異なる印刷を施し、境界部を認識可能とすることもできる。
【0032】
吸収性物品1を製造ライン中で個装するための第1の方法は、図6に示されるように、一方面側の側縁部分にライン方向(長手方向)に連続する非離型処理部2Aが存在し、その他のほぼ全領域が離型処理されるとともに、前記要領によって特定処理が成された包装材ウエブ10をライン方向に送りながら、包装材ウエブ10の離型処理面に対しズレ止め用粘着剤4をコーター11により所定のパターンにより塗工した後、本ラインに供給する。一方、組立工程を経て製品となった吸収性物品1,1…が長手方向をライン直交方向に向けて配向されるとともに、所定間隔で搬送され、前記包装材ウエブ10上に重ね合わせられる。そして、包装材2の非離型処理部2A等に成された特定処理部分を肉眼または機械的に検出することにより、包装材2の開封端を封止するための封止用接着剤をコーター12のライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、折り機13により包装材ウエブ10と吸収性物品1とを折り畳んで止着し、シーラー14により吸収性物品1,1間で包装材ウエブ10をヒートシールし、このヒートシール部分をカッター15により切断し個々の吸収性物品1,1…に分割する。
【0033】
次いで第2の方法は、図8に示されるように、ほぼ吸収性物品を3等分する非開封端寄り側の折り線位置7で包装材2と共に吸収性物品1を内面側に折り畳んだ際、この折り畳んだ包装材2の上面に封止用接着剤5を塗工するようにするものである。具体的には、一方面側の側縁部分にライン方向(長手方向)に連続する非離型処理部2Aが存在し、その他のほぼ全領域が離型処理されるとともに、前記要領によって特定処理が成された包装材ウエブ1をライン方向に送りながら、包装材ウエブ10の離型処理面に対しズレ止め用粘着剤4をコーター11により所定のパターンにより塗工した後、本ラインに供給する。一方、組立工程を経て製品となった吸収性物品1,1…が長手方向をライン直交方向に向けて配向されるとともに、所定間隔で搬送され、前記包装材ウエブ10上に重ね合わせられる。そして、折り機13により包装材2および吸収性物品1の非開封端側の約1/3部分を折り畳んだ後、この折り畳んだ包装材ウエブ10の上面部分に、包装材2の非離型処理部2A等に成された特定処理部分を肉眼または機械的に検出することにより、包装材2の開封端を封止するための封止用接着剤をコーター12のライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、更に折り機13により包装材2および吸収性物品1の開封端側の約1/3部分を折り畳んで止着し、その後にシーラー14により吸収性物品1,1間で包装材ウエブ10をヒートシールし、このヒートシール部分をカッター15により切断し個々の吸収性物品1,1…に分割する。
【0034】
なお、前記包装材ウエブ10に対する離型処理は、ライン中で例えば前記ズレ止め用粘着剤の塗布工程前の工程で行って良いし、別途、予め包装材ウエブの製造加工時に所定の部位、すなわち一方がわ側縁部に一定幅で非離型処理部を残して離型処理を行っておき、包装に際し包装材ロール体を吸収性物品の製造ラインにセットしてもよい。
【0035】
ところで、前記包装材ウエブ10は、図9に示されるように、生産効率を上げるために、複数条分の包装材ウエブ10をカバーできるように包装材原反20を幅広で製造し、所定位置で長手方向に沿って切断する場合もある。かかる場合には、カット位置が微妙にずれたため、離型処理部2Bの非開封端側に僅かの幅で非離型処理部2Aが存在したり、非離型処理部2Aの開封端縁に僅かの幅で離型処理部2Bが存在したりすることがあるが、これらの包装材2の形態も本発明に包含されるものである。
【0036】
【発明の効果】
以上詳説のとおり請求項1記載の本発明によれば、封止接着剤により止着される個装材の開封端部には離型処理を行っていないため、接着剤の接着力が低下することがなく、吸収性物品を衛生的に保つことが可能になるとともに、包装材の一方がわ側縁部を残して他の部分には全面に離型処理を施しているため、個装に当たり、包装材の離型処理部分と吸収性物品の粘着層部分との位相合わせを不要とできる。
【0037】
請求項2〜7記載の本発明によれば、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能としたため、個装材の開封端を封止するためのホットメルト接着剤の塗布位置を容易に制御できるようになる。
【0038】
請求項8,9記載の本発明によれば、個装材の開封端を封止するためのホットメルト接着剤の塗布位置を容易かつ正確に制御しながら効率よく吸収性物品を個装できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る個装吸収性物品Nの斜視図である。
【図2】折り畳み(個装)要領図である。
【図3】吸収性物品1の裏面図である。
【図4】包装材2の内面図である。
【図5】包装材2と吸収性物品1との重ね合わせ状態図である。
【図6】ラインにおける個装要領を示す概略図(その1)である。
【図7】ラインにおける個装要領を示す概略図(その2)である。
【図8】他の封止用接着剤塗布態様を示した折り畳み(個装)要領図である。
【図9】複数の包装材ウエブ10を得るための包装材原反20への離型処理態様及び切断位置を示す図である。
【符号の説明】
1…吸収性物品、2…包装材、3…ファスナーテープ、4…粘着層、5…封止用接着剤、N…個装吸収性物品

Claims (9)

  1. 非肌当接面側に粘着層が形成された吸収性物品と、内面側に離型処理が施され、前記粘着層に直に接着されるとともに、前記吸収性物品を個装する包装材とからなり、前記包装材を長手方向に折り畳み開封端部を接着剤により封止してなる個装吸収性物品において、
    前記包装材は、開封側端縁部分に所定幅でかつ包装材の全幅に亘る非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、前記非離型処理部が接着剤により封止されていることを特徴とする個装吸収性物品。
  2. 非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするための特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品。
  3. 前記包装材の内面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため非離型処理部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品。
  4. 前記包装材の外面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため非離型処理対応部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品。
  5. 前記包装材の外面側において、非離型処理部と離型処理部との境界を肉眼または機械的に識別可能とするため離型処理対応部分に特定処理が成されている請求項1記載の個装吸収性物品。
  6. 前記非離型処理部の幅は5〜25mmである請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品。
  7. 長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、包装材の開封端を封止するための封止用接着剤を塗布するとともに、包装材ウエブと吸収性物品とを折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項1記載の個装吸収性物品を得るための個装方法。
  8. 長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、かつ請求項2〜5記載の特定処理が成された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、前記包装材ウエブの前記特定処理が成された部分を肉眼または機械的に検出することにより包装材の開封端を封止するための封止用接着剤をライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、包装材ウエブと吸収性物品とを折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項2〜6いずれかに記載の個装吸収性物品を得るための個装方法。
  9. 長手方向をライン直交方向に配向しかつ所定間隔で吸収性物品群をライン搬送するとともに、一方面側の端縁部分に所定幅でライン方向に対して平行に連続する非離型処理部が形成されるとともに、その他のほぼ全領域に離型処理が施され、かつ請求項2〜5記載の特定処理が成された包装材ウエブを吸収性物品搬送ラインに供給し、前記包装材ウエブの離型処理面を吸収性物品の非肌当接面側に重ね合わせ、包装材ウエブおよび吸収性物品の折り畳み途中で、包装材ウエブの折り畳み済み外面部分に包装材の開封端を封止するための封止用接着剤を、前記包装材ウエブの前記特定処理が成された部分を肉眼または機械的に検出することによりライン幅方向位置を調整しながら塗布した後、包装材ウエブと吸収性物品とを最終まで折り畳み、吸収性物品間で包装材ウエブをヒートシールし、このヒートシール部分で個々の吸収性物品に切断することを特徴とする前記請求項2〜6いずれかに記載の個装吸収性物品を得るための個装方法。
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