JP4606566B2 - 二重結合を有する化合物の製造方法 - Google Patents

二重結合を有する化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4606566B2
JP4606566B2 JP2000335887A JP2000335887A JP4606566B2 JP 4606566 B2 JP4606566 B2 JP 4606566B2 JP 2000335887 A JP2000335887 A JP 2000335887A JP 2000335887 A JP2000335887 A JP 2000335887A JP 4606566 B2 JP4606566 B2 JP 4606566B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
double bond
triple bond
reaction
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000335887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002145814A (ja
Inventor
裕 田中
慶太 谷口
強 鍛冶屋敷
孝志 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2000335887A priority Critical patent/JP4606566B2/ja
Publication of JP2002145814A publication Critical patent/JP2002145814A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4606566B2 publication Critical patent/JP4606566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重結合を有する化合物の製造方法に関する。本発明により得られる二重結合を有する化合物は、香料、ビタミン中間体などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
三重結合を有する化合物を触媒の存在下に水素添加することにより二重結合を有する化合物を製造する方法としては、例えばパラジウム含有触媒、特に鉛で被毒したパラジウム−炭酸カルシウム、すなわちリンドラー触媒を用いる方法が知られている〔エイチ・リンドラー、ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Helvetica Chimica Acta)第35巻、第446〜450頁(1952年)参照〕。
【0003】
また、三重結合を有する化合物を触媒の存在下に水素添加することにより二重結合を有する化合物を製造するに際して、過剰に水素添加された化合物の生成を抑制する物質を共存させる方法としては、▲1▼リンドラー触媒およびキノリンを用いる方法(特公昭35−12762号公報参照)、▲2▼白金、パラジウムまたはニッケル触媒およびヘキサメチレンテトラミンまたはメラミンを用いる方法(特公昭36−23317号公報参照)、▲3▼被毒しないパラジウム触媒および低級アミンまたは液体アンモニアを用いる方法(特公昭40−18284号公報参照)、▲4▼パラジウム系触媒およびトリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの単座配位が可能であるホスフィン;トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどの単座配位が可能である亜リン酸エステルなどを用いる方法(特開昭59−78126号公報参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の▲1▼、▲2▼および▲3▼の方法では、過剰に水素添加された化合物の生成を抑制する物質を三重結合を有する化合物に対して約10重量%以上と多量に使用する必要がある。また、上記▲4▼の方法では、三重結合を有する化合物に対して0.0001〜0.05重量%の有機リン化合物を使用することにより過剰に水素添加された化合物の生成を抑制することができるが、三重結合を有する化合物が二量化した化合物が無視できない程度に生成し、また二重結合を有する化合物の収率も満足し得るものではない。
【0005】
本発明の目的は、三重結合を有する化合物の二量化反応を抑制し、二重結合を有する化合物を経済的かつ高収率で工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討した結果、リンドラー触媒および多座配位が可能である有機リン化合物の存在下に三重結合を有する化合物を水素添加することにより、三重結合を有する化合物が二量化した化合物の生成が抑制され、高収率で二重結合を有する化合物を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、三重結合を有する化合物をリンドラー触媒の存在下に水素添加して二重結合を有する化合物を製造するに際し、該三重結合を有する化合物に対して0.00001〜0.1重量%の多座配位が可能である有機リン化合物を共存させることを特徴とする上記の二重結合を有する化合物の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる多座配位が可能である有機リン化合物としては、例えば多座配位が可能であるホスフィン類、亜リン酸エステル類などが挙げられるが、特に多座配位が可能であるホスフィン類が好ましい。かかる多座配位が可能であるホスフィン類としては、例えば、四座配位が可能であるトリス[2−(ジフェニルホスフィノ)エチル]ホスフィン、三座配位が可能である1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン、二座配位が可能である1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどが挙げられる。
【0009】
上記の多座配位が可能であるホスフィン類の使用量は、三重結合を有する化合物に対して0.00001〜0.1重量%の範囲に設定する必要があり、0.005〜0.02重量%の範囲が好ましい。使用量が0.1重量%を超えると十分に水素添加が行われず、未反応の三重結合が残存するようになる。また、使用量が0.00001重量%未満の場合には、さらに水素添加が進んだ飽和化合物および三重結合を有する化合物が二量化した化合物の生成量が増加する。
【0010】
リンドラー触媒は、市販されているものをそのまま使用することができる。リンドラー触媒の使用量は、三重結合を有する化合物に対して0.001〜1.0重量%の範囲が好ましく、0.01〜0.3重量%の範囲がより好ましい。
【0011】
反応温度は15〜200℃の範囲が好ましく、25〜100℃の範囲がより好ましい。水素圧は0.1〜9.8MPaの範囲が好ましく、0.1〜1.0MPaの範囲がより好ましい。
【0012】
本発明における反応は溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル;メタノール、エタノールなどのアルコール;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル;アセトンなどのケトンなどが使用されるが、これらの中でも、ヘキサン、エタノールなどの三重結合を有する化合物をよく溶解するものを使用するのが好ましい。溶媒の使用量は、三重結合を有する化合物に対して0.3〜10重量倍の範囲が好ましく、0.5〜5.0重量倍の範囲がより好ましい。
【0013】
本発明における反応は、例えば、三重結合を有する化合物、リンドラー触媒、多座配位が可能な有機リン化合物および必要に応じて溶媒をオートクレーブ中に仕込み、水素を所定の圧力になるまで導入した後、所定の反応温度で撹拌することにより行う。
【0014】
上記の反応により得られた二重結合を有する化合物の反応混合物からの単離・精製は、例えば蒸留などの方法により行うことができる。
【0015】
本発明において用いられる三重結合を有する化合物としては、三重結合を有するヒドロキシ化合物が好ましく用いられる。三重結合を有するヒドロキシ化合物としては、例えば2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、デヒドロリナロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−イン−3−オール)、3,7−ジメチル−1−オクチン−3−オール、デヒドロネロリドール(3,7,11−トリメチル−6,10−ドデカジエン−1−イン−3−オール)、 3,7,11−トリメチル−1−ドデカイン−3−オール、デヒドロイソフィトール(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカイン−3−オール)などが挙げられる。本発明は特にデヒドロリナロール、デヒドロネロリドール、デヒドロイソフィトールを水素添加してリナロール、ネロリドール、イソフィトールを製造する場合に好ましく適用される。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によりなんら限定されるものではない。
【0017】
実施例1
デヒドロイソフィトール81g、n−ヘキサン54g、リンドラー触媒(鉛で被毒した5%パラジウム−炭酸カルシウム:NEケムキャット社製)0.08gおよび1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン0.007gを内容積250mlのステンレス製オートクレーブに仕込み、反応温度70℃、水素圧0.49MPaで3時間攪拌した。反応終了後、反応混合液のガスクロマトグラフィー分析によると、デヒドロイソフィトールの転化率は99.3%であり、生成物としてイソフィトールが98.1%、ジヒドロイソフィトールが1.3%、デヒドロイソフィトールの二量体が0.6%の割合で得られた。
【0018】
実施例2
デヒドロリナロール165g、n−ヘキサン110g、実施例1で用いたものと同じリンドラー触媒0.05gおよび1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン0.02gを内容積500mlのステンレス製オートクレーブに仕込み、反応温度80℃、水素圧0.6MPaで11.5時間攪拌した。反応終了後、反応混合液のガスクロマトグラフィー分析によると、デヒドロリナロールの転化率は99.2%であり、生成物としてリナロールが98.5%、ジヒドロリナロールが0.3%、デヒドロリナロールの二量体が1.2%の割合で得られた。
【0019】
比較例1
デヒドロイソフィトール81g、n−ヘキサン54g、実施例1で用いたものと同じリンドラー触媒0.08gを内容積250mlのステンレス製オートクレーブに仕込み、反応温度70℃、水素圧0.49MPaで1時間攪拌した。反応終了後、反応混合液のガスクロマトグラフィー分析によると、デヒドロイソフィトールの転化率は99.3%であり、生成物としてイソフィトールが94.3%、ジヒドロイソフィトールが2.9%、デヒドロイソフィトールの二量体が2.8%の割合で得られた。
【0020】
比較例2
デヒドロイソフィトール81g、n−ヘキサン54g、実施例1で用いたものと同じリンドラー触媒0.08gおよびトリフェニルホスフィン0.005gを内容積250mlのステンレス製オートクレーブに仕込み、反応温度70℃、水素圧0.49MPaで2時間攪拌した。反応終了後、反応混合液のガスクロマトグラフィー分析によると、デヒドロイソフィトールの転化率は99.8%であり、生成物としてイソフィトールが96.3%、ジヒドロイソフィトールが1.8%、デヒドロイソフィトールの二量体が1.9%の割合で得られた。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、三重結合を有する化合物が二量化した化合物の生成が抑制され、二重結合を有する化合物を経済的かつ高収率で工業的に有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. 三重結合を有する化合物をリンドラー触媒の存在下に水素添加して二重結合を有する化合物を製造するに際し、該三重結合を有する化合物に対して0.00001〜0.1重量%の多座配位が可能である有機リン化合物を共存させることを特徴とする上記の二重結合を有する化合物の製造方法。
  2. 多座配位が可能である有機リン化合物が多座配位が可能であるホスフィンである請求項1記載の製造方法。
JP2000335887A 2000-11-02 2000-11-02 二重結合を有する化合物の製造方法 Expired - Lifetime JP4606566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000335887A JP4606566B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 二重結合を有する化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000335887A JP4606566B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 二重結合を有する化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002145814A JP2002145814A (ja) 2002-05-22
JP4606566B2 true JP4606566B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=18811557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000335887A Expired - Lifetime JP4606566B2 (ja) 2000-11-02 2000-11-02 二重結合を有する化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4606566B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2972012T3 (es) * 2019-05-27 2024-06-10 Dsm Ip Assets Bv Hidrogenación selectiva de alquinoles a alquenoles en presencia de un compuesto de fósforo

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01311036A (ja) * 1988-04-14 1989-12-15 Shell Internatl Res Maatschappij Bv アルカンジオールの製造方法
JPH0316928B2 (ja) * 1982-10-27 1991-03-06 Kuraray Co
WO2001074764A1 (fr) * 2000-03-30 2001-10-11 Teijin Limited Intermediaires de vitamine d et procedes de fabrication de ceux-ci
JP2002513376A (ja) * 1996-06-14 2002-05-08 ザ ペン ステイト リサーチ ファウンデイション 環式キラルホスフィン配位子を有する遷移金属錯体を触媒とする不斉合成

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0316928B2 (ja) * 1982-10-27 1991-03-06 Kuraray Co
JPH01311036A (ja) * 1988-04-14 1989-12-15 Shell Internatl Res Maatschappij Bv アルカンジオールの製造方法
JP2002513376A (ja) * 1996-06-14 2002-05-08 ザ ペン ステイト リサーチ ファウンデイション 環式キラルホスフィン配位子を有する遷移金属錯体を触媒とする不斉合成
WO2001074764A1 (fr) * 2000-03-30 2001-10-11 Teijin Limited Intermediaires de vitamine d et procedes de fabrication de ceux-ci

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002145814A (ja) 2002-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104603095B (zh) 由异蒲勒醇制备薄荷酮的方法
JP5345270B2 (ja) 接触水素化法
Sahli et al. Selective carbon–carbon bond formation: terpenylations of amines involving hydrogen transfers
Vieira et al. Synthesis of fragrance compounds from acyclic monoterpenes: Rhodium catalyzed hydroformylation and tandem hydroformylation/acetalization of linalool and β-citronellene
Clavier et al. [2+ 1] Cycloaddition Affording Methylene‐and Vinylidenecyclopropane Derivatives: A Journey around the Reactivity of Metal‐Phosphinito–Phosphinous Acid Complexes
Achonduh et al. From alkenes to alcohols by cobalt-catalyzed hydroformylation–reduction
EP0349087B1 (en) Process for the reduction of carbonyl compounds
US11267833B2 (en) Compounds and process for preparation of the same from cashew nut shell liquid (CNSL)
de Oliveira et al. Hydroformylation and one-pot hydroformylation/epoxy ring cleavage of limonene oxide: A sustainable access to biomass-based multi-functional fragrances
JP4606566B2 (ja) 二重結合を有する化合物の製造方法
JPH11236341A (ja) アルコールの製造方法
CN101209415B (zh) 用于脱氢乙酸芳樟酯加氢制备乙酸芳樟酯的催化剂
Zaccheria et al. Tuning selectivity in terpene chemistry: Selective hydrogenation versus cascade reactions over copper catalysts
JP2893869B2 (ja) 可塑剤用アルコール
JPH0316928B2 (ja)
Salvini et al. Homogeneous hydrogenation of ketones in the presence of H2Ru (CO) 2 (PPh3) 2
Bazhenov et al. Hydrogenation and skeleton rearrangements of α-pinene on heterogeneous catalysts
CN111925275A (zh) 一种柠檬醛催化加氢制备香叶醇的方法
Oliveira et al. Aggregating an olfactory group on the naturally occurring β-caryophyllene by hydroformylation
JPS5826890B2 (ja) メチル−ノニル−アセトアルデヒドの製法
CN114085133B (zh) 一种4-羟基-2,2,6-三甲基环己酮的合成方法
de Camargo Faria et al. Hydroformylation of recalcitrating biorenewable compounds containing trisubstituted double bonds
Fiaud et al. Palladium-catalyzed synthesis of substituted cyclopentadienes and indenes from allylic esters
CN111440055B (zh) 一种β-突厥酮的合成方法
Dupau Hydrogenation towards Synthetic Sandalwood Odorants in Fragrance Industry

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4606566

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term