JP4606281B2 - 放電ランプ装置用アークチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス管両端のピンチシール部にそれぞれ封着されて、始動用希ガスとともに発光物質等を封入したガラス管中央の密閉ガラス球内にそれぞれの先端部が突出するように対向配置された一対のタングステン製電極棒を備えた放電ランプ装置用アークチューブに係り、特に、密閉ガラス球内に環境有害物質である水銀を封入しないアークチューブ(以下、水銀フリーアークチューブという)に関する。
図9は従来の放電ランプ装置であり、アークチューブ5の前端部は絶縁性ベース1の前方に突出する一本のリードサポート2によって支持され、アークチューブ5の後端部はベース1の凹部1aで支持され、アークチューブ5の後端部寄りが絶縁性ベース1の前面に固定された金属製支持部材Sによって、把持された構造となっている。
アークチューブ5から導出する前端側リード線8は、溶接によってリードサポート2に固定され、一方、後端側リード線8は、ベース1の凹部1a形成底面壁1bを貫通し、底面壁1bに設けられている端子3に、溶接により固定されている。符号Gは、アークチューブ5から発した光の中で、人体に有害な波長域の紫外線成分をカットする円筒形状の紫外線遮蔽用グローブで、アークチューブ5に溶着一体化されている。
そしてアークチューブ5は、前後一対のピンチシール部5b(一次ピンチシール部5b1、二次ピンチシール部5b2)間に電極棒6,6を対設しかつ希ガスとともに水銀や発光物質等を封入した密閉チャンバー部(密閉ガラス球)5aが形成された構造となっている。ピンチシール部5b内には、密閉チャンバー部5a内に突出する電極棒6とピンチシール部5bから導出するリード線8とを接続するモリブデン箔7が封着されており、ピンチシール部5bにおける気密性が確保されている。
即ち、電極棒6としては、耐久性に優れたタングステン製が最も望ましいが、タングステンはアークチューブを構成する石英ガラスと線膨張係数が大きく異なり、石英ガラスとのなじみも悪く気密性に劣る。したがって、タングステン製電極棒6にガラスと比較的なじみの良いモリブデン箔7を接続し、モリブデン箔7をピンチシール部5bで封着することで、ピンチシール部5bにおける気密性を確保するようになっている。なお、電極棒6とモリブデン箔7とリード線8とは、電極アッシーA1,A1’として予め一体化されている。
さらに、図10は、下記特許文献1に開示されているアークチューブを示すもので、ピンチシール部5b(5b1,5b2)における電極棒6の周りには、電極棒6を取り囲む残留圧縮歪層9や、残留圧縮歪層9とその外側のガラス層間の境界に沿って延びる境界クラック9aが形成されて、ピンチシール部5bに点灯不良等につながる縦クラック(電極棒周辺からピンチシール部の表面に向かって延びるクラック)の発生が抑制されている。すなわち、アークチューブ点・消灯時の温度差が大きく、線膨張係数が大きく異なる電極棒6とガラス層間には、点灯時に熱応力が生じる。特に、近年のアークチューブは瞬時点灯ができるように構成されており、温度上昇率が大きく、熱応力が急激に生じる。そして、この状態が繰り返されると、電極棒6を封着しているピンチシール部(ガラス層)5bの電極棒6封着位置に縦クラックが発生し、密閉チャンバ部5aの封入物質がリークし、点灯不良や寿命低下につながるおそれがあるが、電極棒6を取り囲む残留圧縮歪層9や境界クラック9aが、温度上昇に伴ってガラス層に発生する熱応力を効率よく緩和(吸収)するので、ピンチシール部(ガラス層)5bには封入物質のリークにつながる縦クラックが発生しない構造となっている。
特開2001−15067号
従来のこの種のアークチューブの密閉ガラス球5a内には、緩衝作用(適切な管電圧を維持する作用)を営む水銀が封入されている。しかし、水銀は環境有害物質であり、地球上の環境汚染をできるだけ減らそうとする社会のニーズに対して、密閉ガラス球内に水銀を封入しない水銀フリーアークチューブの開発が現在盛んに行われている。
そして、この水銀フリーアークチューブを開発する過程で、水銀入りアークチューブでは発生しにくかったピンチシール部における縦クラックの発生という新たな問題が提起された。
発明者は、この原因を考察したところ、水銀フリーアークチューブのピンチシール部では、電極棒周りに形成されている残留圧縮歪層(境界クラック)が水銀入りアークチューブの場合に比べて大きい(残留圧縮歪層や境界クラックの半径が大きい)ため、それだけピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層が薄くなって、ピンチシール部に残留圧縮歪層(境界クラック)の応力吸収限界以上の熱応力(以下、過大熱応力という)が作用した場合に、縦クラックが発生することが原因である、と考えた。
すなわち、水銀フリーアークチューブでは、水銀フリーのため低下する管電圧対策として電極棒を太くし管電流を上げることで管電力を維持するように構成されるが、ピンチシール部を成形するピンチャーの構成(ピンチシール部の横断面などの大きさ)は水銀入りアークチューブの場合と同様である。一方、ピンチシール部の内部では、電極棒が太い分、ピンチシール後の電極棒の熱収縮量が大きく、電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)も水銀入りアークチューブの場合に比べて大きい(残留圧縮歪層や境界クラックの半径が大きい)。このため、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層が水銀入りアークチューブの場合に比べ薄くなって、ピンチシール部に過大熱応力が作用した場合に、縦クラックが発生してしまうのである。
そこで、発明者は、電極棒の径が大きい水銀フリーアークチューブの場合には、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)を小さくしてやれば、それだけピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層が厚くなって、ピンチシール部に過大熱応力が作用したとしても縦クラックが発生しない、と考えた。
そして、発明者は、電極棒の真空熱処理温度と電極棒の表面組織との関係(図4)、真空熱処理しない電極棒の太さと残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさとの関係(図5)、真空熱処理しない電極棒の周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)と縦クラック発生率との関係(図6)、真空熱処理した電極棒の太さおよび真空熱処理温度とピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)との関係(図7(a))等々についての種々の実験と考察を重ねた結果、水銀フリーアークチューブの密閉ガラス球内に対向配置されるタングステン製電極棒として、真空雰囲気下1600〜2200℃で熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒を用いることが、ピンチシール部における縦クラックの発生を抑制する上で有効(図6,図7(a))であり、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)を小さくすれば、具体的には、残留圧縮歪層の大きさ(半径R)をピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とするD/4以下に形成すれば、残留圧縮歪層(境界クラック)の外側のガラス層の厚さが確保され、ピンチシール部の耐熱強度が高められ(縦クラックの発生が抑制され)て、アークチューブの寿命が延びることが確認されたので、平成16年10月14日に特許出願(特願2004−299817)を行った。
その後、発明者はさらなる実験と考察を継続した結果、水銀フリーアークチューブの密閉ガラス球内に対向配置されるタングステン製電極棒として、カリウムドープタングステン製電極棒または高純度タングステン製電極棒を用いる場合は、電極棒に予め真空熱処理を施さなくても、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)がピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とするD/4以下に形成されて、残留圧縮歪層(境界クラック)の外側のガラス層の厚さが確保され、ピンチシール部の耐熱強度が高められ(縦クラックの発生が抑制され)て、アークチューブの寿命が延びることが確認された。
さらに、カリウムドープタングステン製電極棒を真空雰囲気下1400〜2000℃で熱処理したものを用いたり、高純度タングステン製電極棒を真空雰囲気下1200〜1800℃で熱処理したものを用いた場合には、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)がさらに小さくなって、ピンチシール部の耐熱強度が一層高められ(縦クラックの発生が抑制され)て、アークチューブの寿命がさらに延びることが確認された。そこで、このたび、先の特許出願(特願2004−299817)を基礎とする国内優先権の主張を伴う特許出願を行うに至ったものである。
即ち、本発明は前記した従来技術の問題点および発明者の知見に基づいてなされたもので、その目的は、点消灯時の熱応力の変化によってピンチシール部に縦クラックが生じるおそれのない(ピンチシール部の耐熱強度が高められた)放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブにおいては、ガラス管両端のピンチシール部にそれぞれ封着されて、始動用希ガスとともに発光物質等を封入したガラス管中央の密閉ガラス球内にそれぞれの先端部が突出するように対向配置された一対のタングステン製電極棒を備え、前記ピンチシール部におけるガラス層の前記電極棒との密着面に該電極棒を取り囲む残留圧縮歪層が形成された放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブであって、
前記電極棒を直径0.3mm以上の太さのもので構成し、前記残留圧縮歪層を前記ピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とする半径R(≦D/4)の大きさに構成した。
(作用) ピンチシール直後のガラス層と電極棒間の境界には、熱応力が生じていないが、常温に戻ると、電極棒(タングステン)とガラス(石英ガラス)の境界には、両者の線膨張係数差に対応した熱応力(電極棒側には引張応力、ガラス層には圧縮応力)が作用し、ある程度の歪(電極棒には残留引張歪、ガラス層には残留圧縮歪)が生じたままの形態となる。そして、点灯時のアークチューブの温度は、ガラス管をピンチシールする時の温度以上には上昇しないので、ピンチシール部における残留圧縮歪層が広範囲にまたがって形成されている場合には、点灯によってアークチューブのピンチシール部に生じる熱応力は、電極棒の軸方向,周方向のいずれの方向においても、予め非点灯時のピンチシール部のガラス層に残留している圧縮歪を低下させるように作用する。
即ち、ピンチシール部における電極棒の周りには、予め所定厚さの残留圧縮歪層(および圧縮歪層とその外側のガラス層間に沿った境界クラック)が形成されており、この広範囲な残留圧縮歪層(および境界クラック)が、温度上昇に伴ってピンチシール部に発生する熱応力を効率よく緩和(吸収)する。換言すれば、所定の広範囲にわたって存在する残留圧縮歪層(境界クラック)によって、繰り返し発生する熱応力が分散されて、残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層側に伝達されるため、ピンチシール部において封入物質のリークにつながる縦クラックの発生が抑制されることになる。
また、水銀フリーアークチューブでは、水銀フリーのため低下する管電圧対策として電極棒を太くし管電流を上げることで管電力を維持することが望ましく、水銀入りアークチューブにおける電極棒の太さ(0.2〜0.25mm)よりも太い(太さ0.3mm以上の)電極棒が用いられている。一方、ピンチシール部を成形するピンチャーの構成(ピンチシール部の横断面などの大きさ)は水銀入りアークチューブの場合と同様である。そして、ピンチシール部の内部では、図5に示すように、電極棒が太い分、ピンチシール後の電極棒の熱収縮量が大きく、電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)も水銀入りアークチューブの場合に比べて大きい(残留圧縮歪層や境界クラックの半径が大きい)。このため、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層が水銀入りアークチューブの場合に比べ薄くなって、ピンチシール部に過大熱応力が作用した場合に、縦クラックが発生し易くなる。
しかし、図7(a)に示すように、太さ0.25〜0.4mmの電極棒(トリエーテッドタングステン製電極棒)を1600〜2200℃の範囲で真空熱処理すると、ピンチシール部(巾2.2mm)の残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下となり、また、図6に示すように、ピンチシール部(巾2.2mm)の残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下では、縦クラックの発生率が0%であることから、請求項1では、ピンチシールの際に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が例えば2.2mmの巾のピンチシール部に対し半径0.5mm以下となるように、残留圧縮歪層がピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とする半径R(≦D/4)の大きさに構成されて、ピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側に十分な厚さ(0.6mm以上の厚さ)のガラス層が形成されるように構成されている。
また、図7(b),(c)に示すように、太さ0.25〜0.4mmのカリウムドープタングステン製電極棒または高純度タングステン製電極棒の場合は、トリエーテッドタングステン製電極棒に対して施すような真空熱処理を施さなくても、ピンチシール部(巾2.2mm)における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下となるので、請求項1では、トリエーテッドタングステン製電極棒に代えて、カリウムドープタングステン製電極棒または高純度タングステン製電極棒を用いるだけで、残留圧縮歪層がピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とする半径R(≦D/4)の大きさに構成されて、ピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側に十分な厚さ(0.6mm以上の厚さ)のガラス層が形成されるように構成されている。
このため、たとえピンチシール部に過大熱応力が作用した場合であっても、ガラス層に縦クラックが発生することはない。即ち、ピンチシール部の残留圧縮歪層(境界クラック)の外側には、ピンチシール部に作用する過大熱応力に対して十分に対抗できる強度に相当する厚さのガラス層が形成されている。つまり、ピンチシール部の耐熱強度が改善されている。
また、残留圧縮歪層をピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とする半径R(≦D/4)の大きさに構成するためには、電極棒としてトリエーテッドタングステン製電極棒を用いる場合は、1600〜2200℃の範囲内の温度で電極棒を真空熱処理することが望ましいが、1600〜2200℃という高温で真空熱処理した電極棒では、その表面に吸着していた水分や酸化膜のみならず、電極棒内部の不純物(水分やガス)も除去されるので、光束、光色といった特性も改善できる。
また、請求項1においては、前記電極棒の表面組織を構成するタングステン結晶粒子の最大長さが5μm以上となるように構成した。
(作用)図4に示すように、真空熱処理温度1600℃で処理したトリエーテッドタングステン製電極棒,真空熱処理温度1400℃で処理したカリウムドープタングステン製電極棒および真空熱処理温度1200℃で処理した高純度タングステン製電極棒の表面組織の最大結晶粒子長は、それぞれ5μmで、この真空熱処理温度が高いほど最大結晶粒子長は大きくなる。また、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)は、図7(a),(b),(c)に示すように、電極棒の真空熱処理温度が高温であるほど、小さい。したがって、電極棒の表面組織を構成するタングステン結晶粒子の最大長さが5μm以上の場合は、トリエーテッドタングステン電極棒では1600℃以上の温度で、カリウムドープタングステン電極棒では1400℃以上の温度で、高純度タングステン電極棒では1200℃以上の温度でそれぞれ真空熱処理されたもので、図7(a),(b),(c)に示すように、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)は、いずれの場合も巾2.2mmのピンチシール部に対し0.5mm以下となって、ピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側には、十分な厚さ(0.6mm以上の厚さ)のガラス層が形成されて、たとえピンチシール部に過大熱応力が作用した場合であっても、ガラス層に縦クラックが発生することはない。
また、請求項1記載の電極棒としては、請求項2に示すように、真空雰囲気下1600〜2200℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒で構成したり、請求項3に示すように、真空雰囲気下1400〜2000℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理されたカリウムドープタングステン製電極棒で構成したり、請求項4に示すように、真空雰囲気下1200〜1800℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理された高純度タングステン製電極棒で構成することが望ましい。
(作用)ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)は、図7(a),(b),(c)に示すように、電極棒の真空熱処理温度が高温であるほど小さく、かつ電極棒の太さ(径)が細い(小さい)ほど小さいので、太い電極棒には高い温度で真空熱処理を行い、細い電極棒には低い温度で真空熱処理を行うことで、電極棒の太さ如何にかかわらずピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさを所定の大きさにできる。即ち、トリエーテッドタングステン製電極棒の場合は、1600〜2200℃の範囲で電極棒の太さに応じた真空熱処理の温度条件を選択することで、カリウムドープタングステン製電極棒の場合は、1400〜2000℃の範囲で電極棒の太さに応じた真空熱処理の温度条件を選択することで、高純度タングステン製電極棒の場合は、1200〜1800℃の範囲で電極棒の太さに応じた真空熱処理の温度条件を選択することで、それぞれ残留圧縮歪層(境界クラック)の周りに、ピンチシール部に作用する過大熱応力に対しても十分に対抗できるに足りる所定の厚さのガラス層を形成できる。
特に、カリウムドープタングステン製電極棒の場合は1400〜2000℃の範囲で、高純度タングステン製電極棒の場合は1200〜1800℃の範囲でそれぞれ真空熱処理を施すことで、1600〜2200℃の範囲で真空熱処理を施したトリエーテッドタングステン製電極棒の場合に比べて、図7(b),(c)に示すように、ピンチシール部(巾2.2mm)における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)がより小さくなって、ピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側により十分な厚さのガラス層が形成される。
また、カリウムドープタングステン製電極棒や高純度タングステン製電極棒の場合においても、トリエーテッドタングステン製電極棒の場合と同様に高温で真空熱処理されることで、その表面に吸着していた水分や酸化膜のみならず、電極棒内部の不純物(水分やガス)も除去されるので、光束、光色といった特性も改善できる。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブによれば、水銀入りアークチューブと比べて太い電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が小さくなる分、残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層に十分な厚さが確保されて、ピンチシール部に過大熱応力が作用しても縦クラックが発生することのない、耐熱強度が改善された放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブを提供できる。
また、水銀入りアークチューブのピンチシール部を成形するピンチャーの仕様を変更することなく、水銀フリーアークチューブのピンチシール部を成形するピンチャーとしても使用できるので、水銀フリーアークチューブの製造設備の設計がそれだけ容易となる。
また、ピンチシール部に形成された残留圧縮歪層(境界クラック)の周りには、ピンチシール部に作用する過大熱応力に対しても対抗できるに足りる十分な厚さのガラス層が形成されているので、ピンチシール部に過大熱応力が作用しても縦クラックがさらに一層発生することのない、ピンチシール部の耐熱強度に優れた放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブを提供できる。
請求項2,3,4によれば、電極棒はそれぞれ予め1600〜2200℃,1400〜2000℃,120〜1800℃という高温で真空熱処理されているので、密閉ガラス球内における不純物(水分やガス)の量は非常に僅かで、光束および光色特性が改善されている。
また、請求項2、3,4によれば、電極棒の真空熱処理の温度条件を電極棒の太さに応じて選択することで、例えば電極棒の太さに拘わらずピンチシール部の残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(外側のガラス層の厚さ)を一定にできるなど、ピンチシール部に過大熱応力が作用しても縦クラックが一層発生することのない、ピンチシール部の耐熱強度に優れた放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブを提供できる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明の一実施例である放電ランプ装置用アークチューブの縦断面図、図2は同アークチューブのピンチシール部の要部拡大断面図、図3はピンチシール部における残留圧縮歪層を含む横断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)、図4は電極棒の真空熱処理温度と電極棒表面組織の最大結晶粒子長との関係を示す図、図5は真空熱処理しない電極棒の太さと残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさとの関係および残留圧縮歪層(境界クラック)のピンチシール部の巾に対する大きさの比率を示す図、図6は真空熱処理しない電極棒の周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさと縦クラックの発生率との関係を示す図、図7は真空熱処理した電極棒の太さおよび真空熱処理温度とピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさとの関係を示す図で、(a)はトリエーテッドタングステン製電極棒の場合、(b)はカリウムドープタングステン製電極棒の場合、(b)高純度タングステン製電極棒の場合である。図8は同アークチューブの製造工程説明図で、(a),(b)は一次ピンチシール工程の説明図、(c)は発光物質等の投入工程の説明図、(d)チップオフ工程の説明図、(e)は二次ピンチシール工程の説明図である。
これらの図において、アークチューブ10の装着される放電ランプ装置は、図9に示す従来構造と同一であり、その説明は省略する。
アークチューブ10は、直線状延出部w1 の長手方向途中に球状膨出部w2 が形成された円パイプ形状の石英ガラス管Wの球状膨出部w2 寄りがピンチシールされて、放電空間を形成する楕円体形状の密閉ガラス球(密閉チャンバー部)12の両端部に横断面矩形状のピンチシール部13(一次ピンチシール部13A、二次ピンチシール部13B)が形成された構造で、密閉ガラス球12内には、放電電極を構成するタングステン製の電極棒60,60が対向配置されており、電極棒60,60はピンチシール部13(一次ピンチシール部13A、二次ピンチシール部13B)にそれぞれ封着されたモリブデン箔7,7に接続され、ピンチシール部13(13A、13B)の端部からはモリブデン箔7,7に接続されたモリブテン製リード線8,8がそれぞれ非ピンチシール部である円パイプ形状部14から外部に導出している。
このアークチューブ10の外観構造については、図10に示す従来のアークチューブ5と一見したところ変わるものではないが、密閉ガラス球12内には、始動用希ガス,主発光用金属ハロゲン化物および水銀に代わる補助金属ハロゲン化物等(以下、発光物質等という)が封入されている、いわゆる水銀フリーアークチューブとして構成されている。
また、タングステン製の電極棒60の外周面には、石英ガラスとのなじみをもたせるために、強電解研磨によって微細な凹凸が形成されるとともに、ピンチシール部13のガラス層における電極棒60に密着する領域には、ガラス管を真空にした状態でピンチシールすることで、電極棒60との密着度が特に高い所定の大きさの残留圧縮歪層16が形成されている。
さらに、残留圧縮歪層16は、図2,3に示すように、電極棒60に沿って、しかも電極棒60を取り囲むように延びており、その軸方向の長さL1は、電極棒60のみに密着するガラス層領域の軸方向長さLの約30%以上あって、電極棒60の周方向約180度以上の角度範囲θ1にわたって形成されている。
ピンチシールされた直後のガラス層15と電極棒60間の境界には、熱応力が生じていないが、常温に戻ると、電極棒(タングステン)60とガラス(石英ガラス)の境界には、両者の線膨張係数差(45×10-71/℃,5×10-71/℃)に対応した熱応力(電極棒側には引張応力、ガラス層には圧縮応力)が作用し、電極棒60には残留引張歪、ガラス層には残留圧縮歪が生じた形態となっている。
そして、ガラス層における残留圧縮歪層16が広範囲にまたがって形成されており、しかも点灯時のアークチューブ10(ピンチシール部13)の温度は、ピンチシール部13をピンチシールする時の温度以上には上昇しないので、点灯によってピンチシール部13のガラス層15に生じる熱応力は、軸方向,周方向のいずれの方向においても、ピンチシール部13のガラス層15に残留している圧縮歪を低下させるように作用する。
即ち、点灯時のピンチシール部におけるガラス層15には、この残留圧縮歪を緩和する方向の熱応力(引張熱応力)が作用する。そして、この残留圧縮歪層16における電極棒60の軸方向および周方向への広がりが小さい場合には、残留圧縮歪層16に熱応力が集中し、点灯が繰り返されることで熱応力が繰り返し作用し、ガラス層15には封止物質のリークにつながる縦クラックが発生するおそれがある。しかし、ガラス層15の電極棒60との密着面には、電極棒60との密着度の特に高い残留圧縮歪層16が、ガラス層15の電極棒60にのみ密着する領域の長さLの30%以上の長さL1(≧0.3L)で、電極棒60の周方向にθ1(≧180度)という広角度範囲にわたって形成されており、この広範囲の圧縮歪層(残留圧縮歪層)16が、温度上昇に伴ってガラス層15に発生する熱応力を効率よく緩和(吸収)する。
換言すれば、広範囲にわたって存在する残留圧縮歪層16によって、繰り返し発生する熱応力が分散されてガラス層15全体に伝達されるため、ガラス層15には封入物質のリークにつながるような縦クラックが発生しないのである。
また、残留圧縮歪層16には、電極棒60を取り囲み軸方向に円弧状(筒状)に延びる、肉眼でも観察できる境界クラック17が形成されており、点灯時における電極棒60とガラス層15の境界に作用する熱応力は、境界クラック17に沿って外側のガラス層15aと内側のガラス層15b(残留圧縮歪層16)が相対的に滑ることで、吸収されるようになっている。
即ち、点灯時には、ピンチシール部13におけるガラス層15と電極棒60間の境界に熱応力が発生するが、図2,3に拡大して示すように、電極棒60に密着一体化した境界クラック17内側のガラス層15bが、境界クラック17外側のガラス層15aに対し滑り、電極棒60とガラス層15の境界に作用する熱応力は、この境界クラック17で吸収されてしまうので、封止物質のリークにつながるような縦クラックがガラス層15に発生するおそれがない。
また、ピンチシール部13のガラス層15内に軸方向長さL1≧0.3Lで、かつθ1≧180度という大きさの残留圧縮歪層16を形成するには、後述するアークチューブ製造工程において、ガラス管(被ピンチシール部)を2000〜2300℃、好ましくは2100〜2200℃の範囲でピンチシールすることが望ましい。
また、密閉チャンバ部12に対向配置されている電極棒60は、特許文献1に開示された水銀入りアークチューブに使用されている電極棒6(直径0.25mm)に比べて直径0.3mm〜0.35mmと太いもので構成されて、管電圧の低下を管電流を上げることで補うことで管電力を維持するように構成されている。なお、タングステン製の電極棒60としては、トリエーテッドタングステン(一般にはトリタンと称呼される)製電極棒,カリウムドープタングステン製電極棒または高純度(6N)タングステン製電極棒という成分の異なる3種類があり、トリエーテッドタングステン製電極棒は、2重量%未満のトリア(ThO)を含有し、数十ppmのカリウム(K)が添加され、0.05重量%以下の不純物を含有するタングステンで構成され、カリウムドープタングステン製電極棒は、数十ppmのカリウム(K)が添加されたタングステン(99.95重量%以上のタングステン)で構成され、高純度(6N)タングステン製電極棒は、99.9999重量%以上のタングステンで構成されている。
そして、ピンチシール部13を成形するピンチャーの構成(ピンチシール部13の横断面などの大きさ)は水銀入りアークチューブの場合と同様であり、ピンチシール部13の内部では、電極棒60が太い分、ピンチシール後の電極棒60の熱収縮量が大きく、電極棒60周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)も水銀入りアークチューブの場合に比べて大きく(残留圧縮歪層や境界クラックの半径が大きく)、ピンチシール部13における残留圧縮歪層16(境界クラック17)外側のガラス層15aが水銀入りアークチューブの場合に比べ薄くなって、ピンチシール部13に過大熱応力が作用した場合に、縦クラックが発生するおそれがある。
しかし、ピンチシールの際に形成される残留圧縮歪層16(境界クラック17)の大きさ(半径)が例えば2.2mmの巾のピンチシール部に対し半径0.5mm以下となるように、電極棒60として真空雰囲気下1600〜2200℃で熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒を用いることで、ピンチシール部13(2.2mm巾)における残留圧縮歪層16(境界クラック17)の外側には、十分な厚さ(0.6mm以上の厚さ)のガラス層15aが形成されて、たとえピンチシール部13に過大熱応力が作用した場合であっても、ガラス層15aに縦クラックが発生することはない。即ち、ピンチシール部13の残留圧縮歪層16(境界クラック17)の外側には、ピンチシール部13に作用する過大熱応力に対して十分に対抗できる強度に相当する厚さのガラス層15aが形成されている。
また、電極棒60として、トリエーテッドタングステン製電極棒に代えて、カリウムドープタングステン製電極棒または高純度(6N)タングステン製電極棒を用いる場合は、真空雰囲気下1400〜2000℃で熱処理したカリウムドープタングステン製電極棒または真空雰囲気下1200〜1800℃で熱処理した高純度(6N)タングステン電極棒を用いることで、ピンチシール部13(2.2mm巾)における残留圧縮歪層16(境界クラック17)の外側には、十分な厚さ(0.7mm以上の厚さ)のガラス層15aが形成されて、たとえピンチシール部13に過大熱応力が作用した場合であっても、ガラス層15aに縦クラックが発生することはない。
また、電極棒60を構成するトリエーテッドタングステン製電極棒,カリウムドープタングステン電極棒または高純度(6N)タングステン電極棒は、いずれも高温で真空熱処理されることで、その表面に吸着していた水分や酸化膜のみならず、電極棒内部の不純物(水分やガス)も除去されるので、密閉ガラス球12内に封入される不純物としての水分やガスは極めて少なく、アークチューブにおける光束や光色といった特性が改善されたものとなっている。
以下、電極棒60の表面組織の構造と、ピンチシール部13内部の電極棒60を取り囲む残留圧縮歪層16(境界クラック17)の大きさ等について、詳細に説明する。
図4は電極棒の真空熱処理温度と電極棒表面組織の最大結晶粒子長との関係を示すが、トリエーテッドタングステン製電極棒については1600℃,2000℃,2200℃でそれぞれ真空熱処理を施し、カリウムドープタングステン製電極棒については1400℃,1600℃,1800℃,2000℃でそれぞれ真空熱処理を施し、高純度(6N)タングステン製電極棒については1200℃,1400℃,1600℃,2000℃でそれぞれ真空熱処理を施し、それぞれの電極棒の表面組織を2000倍の電子顕微鏡で観察したところ、電極棒の表面組織を構成する結晶粒子が鱗状に変化していた。そして、トリエーテッドタングステン製電極棒については、真空熱処理温度が1600℃の場合の最大結晶粒子長は5μm、真空熱処理温度が2000℃の場合の最大結晶粒子長は12μm、真空熱処理温度が2200℃の場合の最大結晶粒子長は15μmであった。また、カリウムドープタングステン製電極棒については、真空熱処理温度が1400℃の場合の最大結晶粒子長は5μm、真空熱処理温度が1600℃の場合の最大結晶粒子長は9μm、真空熱処理温度が1800℃の場合の最大結晶粒子長は24μm、真空熱処理温度が2000℃の場合の最大結晶粒子長は31μmであった。また、高純度(6N)タングステン製電極棒については、真空熱処理温度が1200℃の場合の最大結晶粒子長は5μm、真空熱処理温度が1400℃の場合の最大結晶粒子長は14μm、真空熱処理温度が1600℃の場合の最大結晶粒子長は32μm、真空熱処理温度が2000℃の場合の最大結晶粒子長は50μmであった。そして、成分の異なる3種類のタングステン製電極棒のいずれにおいても、真空熱処理温度が高いほど鱗状の結晶粒子が成長(拡大)しており、また真空熱処理温度が高いほど電極棒表面の凹凸が少なく平坦であることが確認された。
また、図7(a),(b),(c)は、真空熱処理した電極棒の太さおよび真空熱処理温度とピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさとの関係を示すが、成分の異なる3種類のタングステン製電極棒のいずれにおいても、電極棒の真空熱処理温度が高温であるほど、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)は小さいことが確認された。
これらのことから、トリエーテッドタングステン製電極棒は、1600℃〜2200℃の範囲で真空熱処理されるが、低い温度(1600℃)で真空熱処理された電極棒の表面組織では、その最大結晶粒子長が小さく(鱗模様が細かく)、すなわち凹凸が多く、ガラス層(の残留圧縮歪層)との機械的接合が強いため、ピンチシール部の電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)が大きいと考えられる。一方、高い温度(2200℃)で真空熱処理された電極棒の表面組織では、その最大結晶粒子長が大きく(鱗模様が粗く)、すなわち凹凸が少なく平坦で、ガラス層(の残留圧縮歪層)との機械的接合が弱いため、ピンチシール部の電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)が小さいと考えられる。
1400℃〜2000℃の範囲で真空熱処理されるカリウムドープタングステン製電極棒や1200℃〜1800℃の範囲で真空熱処理される高純度(6N)タングステン製電極棒についても、低い温度で真空熱処理された電極棒の表面組織では、その最大結晶粒子長が小さく(鱗模様が細かく)、すなわち凹凸が多く、ガラス層(の残留圧縮歪層)との機械的接合が強いため、ピンチシール部の電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)が大きく、高い温度で真空熱処理された電極棒の表面組織では、その最大結晶粒子長が大きく(鱗模様が粗く)、すなわち凹凸が少なく平坦で、ガラス層(の残留圧縮歪層)との機械的接合が弱いため、ピンチシール部の電極棒周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)が小さいという特性が見られる。
また、カリウムドープタングステン製電極棒や高純度(6N)タングステン製電極棒については、電極棒に前記したような真空熱処理を施すようになっているが、図7(b),(c)に示すように、ピンチシール部(巾2.2mm)における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下となって、ピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側に十分な厚さ(0.6mm以上の厚さ)のガラス層が形成されることがわかる。
また、カリウムドープタングステン製電極棒や高純度(6N)タングステン製電極棒については、前記した温度範囲の真空熱処理を施したものを用いた場合には、特に1200℃〜1800℃の範囲で真空熱処理した高純度(6N)タングステン製電極棒を用いた場合には、1600℃〜2200℃の範囲で真空熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒を用いた場合に比べて、ピンチシール部(巾2.2mm)における残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)がより小さく、それだけピンチシール部(2.2mm巾)における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側により十分な厚さのガラス層が形成されていることがわかる。
また、図5は、真空熱処理しない電極棒(トリエーテッドタングステン製電極棒)の太さと残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさとの関係および残留圧縮歪層(境界クラック)のピンチシール部巾の1/2に対する大きさの比率を示すが、電極棒が太くなると、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)も大きくなるとともに、ピンチシール部巾の1/2に対する大きさの比率も大きくなる。即ち、電極棒が太いほど、残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層の厚さは徐々に小さくなる。
図6は、真空熱処理しない電極棒(トリエーテッドタングステン製電極棒)の周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさと縦クラックの発生率との関係を示すが、巾2.2mmのピンチシール部における縦クラック発生率は、ピンチシール部に形成されている残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下では0%であるのに対し、残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mmを超えると、急激に上昇する。したがって、ピンチシール部(巾2.2mm)に縦クラックを発生させないためには、ピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下、すなわち残留圧縮歪層(境界クラック)外側のガラス層の厚さが0.6mm以上であることが望ましい。
そして、残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)が0.5mm以下となるためには、太さ0.25〜0.4mmのトリエーテッドタングステン製電極棒では、図7(a)に示すように、真空雰囲気下1600〜2200℃で熱処理することが望ましい。また、太さ0.25〜0.4mmのカリウムドープタングステン製電極棒や高純度(6N)タングステン製電極棒では、図7(b),(c)に示すように、残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)を0.5mm以下とする上ではわざわざ真空熱処理を施さなくてもよいが、表面に吸着していた水分や酸化膜のみならず、電極棒内部の不純物(水分やガス)も除去して、光束や光色といった特性を改善する上では、カリウムドープタングステン製電極棒では真空雰囲気下1400℃〜2000℃で、高純度(6N)タングステン製電極棒では真空雰囲気下1200℃〜1800℃でそれぞれ熱処理することが望ましい。
そして、本実施例では、密閉ガラス球12内に対設される電極棒60が、真空雰囲気下1600〜2200℃で熱処理した太さ0.30〜0.35mmのトリエーテッドタングステン製電極棒,真空雰囲気下1400〜2000℃で熱処理した太さ0.30〜0.35mmのカリウムドープタングステン製電極棒または真空雰囲気下1400〜2000℃で熱処理した太さ0.30〜0.35mmの高純度(6N)タングステン製電極棒で構成されるとともに、ピンチシール部(巾2.2mm)13内の電極棒60の周りに、半径0.5mm以下(ピンチシール部の巾2,2mmの略1/4以下)の大きさの残留圧縮歪層16(境界クラック17)が形成された構造で、残留圧縮歪層16(境界クラック17)の周りには、厚さ0.6mm以上(ピンチシール部の巾の略1/4以上)のガラス層5aが形成されている。このため、ピンチシール部13をピンチシールする時の温度以下の温度による熱応力が作用する時は、すでに説明したように、残留圧縮歪層16や境界クラック17において、熱応力が効率よく緩和(吸収)されることは勿論であるが、残留圧縮歪層16や境界クラック17で緩和(吸収)できなかった熱応力は、残留圧縮歪層16(境界クラック17)周りの厚さ0.6mm以上(ピンチシール部の巾の略1/4以上)の厚いガラス層5aで受け持たれて、ピンチシール部13に縦クラックが発生することはない。
次に、図1に示す水銀フリーアークチューブ10の製造工程を、図8に基づいて説明する。
まず、直線状延出部w1 の途中に球状膨出部w2 の形成されたガラス管Wを予め製造しておく。また、電極アッシーAの電極棒60を、その表面組織の最大結晶粒子長が5μm以上となるように1600℃以上の温度で真空熱処理した太さ0.3〜0.35mmのタングステン製電極棒で構成しておく。そして、図8(a)に示されるように、ガラス管Wを垂直に保持し、ガラス管Wの下方の開口端側から、電極アッシーAを挿入して所定位置に保持するとともに、ガラス管Wの上方開口端に不活性ガス(アルゴンガスまたは窒素ガス)供給ノズル40を差し込む。さらに、ガラス管Wの下端部を不活性ガス(アルゴンガスまたは窒素ガス)供給パイプ50内に挿入する。
ノズル40から供給される不活性ガスは、ピンチシール時の電極アッシーAが酸化されるのを防止するためのものである。ガス供給パイプ50から供給される不活性ガスは、ピンチシールの際、およびピンチシール後のリード線8が高温状態にある間、リード線8を不活性ガス雰囲気に保持して、リード線8の酸化を防止するものである。なお図8(a)における符号42,52は不活性ガスの充填されたガスボンベ、符号44,54はガス圧調整器、符号22はガラス管把持部材である。
そして、図8(a)に示されるように、ノズル40から不活性ガスをガラス管W内に供給しつつ、さらに、パイプ50から不活性ガスをガラス管Wの下端部に供給しつつ、直線状延出部w1 における球状膨出部w2 の近傍位置(モリブデン箔を含む位置)をバーナ24aで2100℃に加熱し、ピンチャー26aでモリブデン箔7のリード線8接続側を仮ピンチシールする。
次に、仮ピンチシールが終わると、図8(b)に示されるように、真空ポンプ(図示せず)によって、ガラス管W内を真空(400Torr以下の圧力)に保持し、バーナ24bで2100℃に加熱し、ピンチャー26bでモリブデン箔7を含む未ピンチシール部を本ピンチシールする。なお、ガラス管W内に作用させる真空度は、400Torr〜4×10-3Torrが望ましい。
これにより、一次ピンチシール部13Aでは、ガラス層15が電極アッシーAを構成する電極棒60とモリブデン箔7とリード線8に密着した状態となる。特に、本ピンチシールされた部位では、ガラス層15が電極棒60とモリブデン箔7に隙間なく密着して十分に馴染むため、ガラス層15とモリブデン箔7(電極棒60)間が強固に接合された形態となる。そして、この一次ピンチシール部13Aが冷えると、所定の大きさの残留圧縮歪層16が形成され、この残留圧縮歪層16の外周には、境界クラック17が形成される。残留圧縮歪層16(境界クラック17)の大きさは、2.2mmの巾のピンチシール部13Aに対し半径0.5mm以下の大きさに形成され、残留圧縮歪層16(境界クラック17)の外側には、0.6mm以上の厚さのガラス層が形成される。
なお、この本ピンチシール工程においても、ガラス管Wの下方開口部を不活性ガス(アルゴンガスまたは窒素ガス)雰囲気に保持することで、リード線8の酸化を防ぐことができる。
次に、図8(c)に示されるように、ガラス管Wの上方の開口端側から、球状膨出部w2 に発光物質P等を投入し、電極棒60とモリブデン箔7とリード線8が接続一体化された他の電極アッシーA’を挿入して所定位置に保持する。電極アッシーA’の電極棒60も、電極アッシーAの電極棒60と同様、その表面組織の最大結晶粒子長が5μm以上となるように1600℃以上の温度で真空熱処理した太さ0.3〜0.35mmのタングステン製電極棒で構成しておく。リード線8には、長手方向途中にガラス管Wの内径寸法より大きいW字形状の屈曲部8bが設けられており、この屈曲部8bがガラス管Wの内周面に圧接された形態となって、直線状延出部w1の長手方向所定位置に電極アッシーA’を位置決め保持することができる。
そしてガラス管W内を排気した後、図8(d)に示されるように、ガラス管W内にキセノンガスを供給しつつ、ガラス管Wの上方所定部位をチップオフすることで、ガラス管W内にリードワイヤ付電極アッシーA’を仮止めし、かつ発光物質等を封止する。符号W3は、チップオフ部を示す。
その後、図8(e)に示すように、発光物質P等が気化しないように球状膨出部w2 を液体窒素(LN2 )で冷却しながら、直線状延出部w1 における球状膨出部w2 の近傍位置(モリブデン箔を含む位置)をバーナー24で2100℃に加熱し、ピンチャー26cで二次ピンチシールして、球状膨出部w2 を密封することで、電極6,6が対設され発光物質P等が封止された密閉ガラス球12をもつ水銀フリーアークチューブができ上がる。
なお、二次ピンチシール工程では、一次ピンチシール工程の本ピンチシールのように、真空ポンプでガラス管W内を負圧にするまでもなく、ガラス管W内に封止されているキセノンガスを液化させることによりガラス管W内は負圧に保持されるので、二次ピンチシール13B部におけるガラス層の電極アッシーA’(電極棒60,モリブデン箔7,リード線8)への密着度は優れたものとなっている。
即ち、一次ピンチシール工程における本ピンチシールの場合と同様、加熱されて軟化したガラス層には、ピンチャー26cの押圧力に加えて負圧も作用するため、ガラス層が電極棒60,モリブデン箔7,リード線8に隙間なく密着して馴染み、ガラス層と電極棒60,モリブデン箔7,リード線8間は強固に接合された形態となる。このため、この二次ピンチシール部13Bが冷えると、一次ピンチシール部13Aに形成されたと同様の残留圧縮歪層16や境界クラック17が形成される。残留圧縮歪層16(境界クラック17)の大きさは、2.2mmの巾のピンチシール部13Aに対し半径0.5mm以下の大きさに形成され、残留圧縮歪層16(境界クラック17)の外側には、0.6mm以上の厚さのガラス層が形成される。
そして最後に、アークチューブの端部を所定の長さだけ切断することにより、図1に示すアークチューブ10が得られる。そして、製造されたアークチューブのピンチシール部に設けられた残留圧縮歪層16の大きさを歪計(図示せず)で測定し、圧縮残留歪層16(境界クラック17)が所定の大きさ(例えば、0.5mm)以下(圧縮残留歪層16の外側のガラス層が所定の厚さ(例えば、0.6mm)以上)であれば、合格となり、圧縮残留歪層16(境界クラック17)が所定の大きさ(例えば、0.5mm)以上(圧縮残留歪層16の外側のガラス層が所定の厚さ(例えば、0.6mm)以下)であれば、不合格となる。
なお、前記実施例では、前後端側の両方のピンチシール部13(13A,13B)におけるガラス層15の電極棒60に密着する側に所定の大きさの残留圧縮歪層16が形成され、さらに残留圧縮歪層16の外周には境界クラック17が形成された構造となっているが、残留圧縮歪層16の外周に境界クラック17が形成されていない構造であってもよい。
また、前記実施例では、ピンチシール部13におけるガラス層15の電極棒60に密着する側に形成された残留圧縮歪層16は、軸方向に所定の長さL1をもち、かつ周方向にも所定の角度θ1をもつ、として説明したが、軸方向にのみ所定の長さL1をもつ場合や、周方向にのみ所定の角度θ1をもつ場合であってもよい。
また、前記実施例では、密閉ガラス球12に対向配置されているタングステン製電極棒60として、1600〜2200℃で熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒、1400〜2000℃の範囲で真空熱処理したトリエーテッドタングステン製電極棒または1200〜1800℃の範囲で真空熱処理した高純度タングステン製電極棒のいずれかを用いた場合について説明したが、カリウムドープタングステン製電極棒または高純度(6N)タングステン製電極棒を用いる場合は、ピンチシール部における残留圧縮歪層(境界クラック)の外側に十分な厚さのガラス層が形成されることだけを考えるのであれば、真空熱処理を施さないものを用いてもよい。
本発明の一実施例である放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブの縦断面図である。 同アークチューブのピンチシール部の要部拡大断面図である。 ピンチシール部における残留圧縮歪層を含む横断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)である。 電極棒の真空熱処理温度と電極棒表面組織の最大結晶粒子長との関係を示す図である。 真空熱処理しない電極棒の太さと残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)との関係および残留圧縮歪層(境界クラック)のピンチシール部巾の1/2に対する大きさの比率を示すである。 真空熱処理しない電極棒の周りに形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)と縦クラック発生率との関係を示す図である。 真空熱処理した電極棒の太さおよび真空熱処理温度とピンチシール部に形成される残留圧縮歪層(境界クラック)の大きさ(半径)との関係を示す図で、(a)はトリエーテッドタングステン製電極棒の場合、(b)はカリウムドープタングステン製電極棒の場合、(b)高純度タングステン製電極棒の場合である。 同アークチューブの製造工程の説明図で、(a),(b)は一次ピンチシール工程の説明図、(c)は発光物質等の投入工程の説明図、(d)チップオフ工程の説明図、(e)は二次ピンチシール工程の説明図である。 従来の放電ランプ装置の縦断面図である。 従来のアークチューブの縦断面図である。
符号の説明
60 電極棒
7 モリブデン箔
8 リード線
10 アークチューブ
12 密閉ガラス球
13(13A,13B) ピンチシール部
D ピンチシール部の巾
15 ピンチシール部におけるガラス層
15a 残留圧縮歪層外側のガラス層
16 残留圧縮歪層
17 境界クラック
A,A’ 電極アッシー
L 電極棒のみに密着するガラス層領域の軸方向長さ
1 残留圧縮歪層の電極棒に沿った軸方向長さ
W アークチューブ用ガラス管
1 ガラス管の直線状延出部
2 ガラス管の球状膨出部
θ1 残留圧縮歪層の電極棒周りの周方向角度

Claims (4)

  1. ガラス管両端のピンチシール部にそれぞれ封着されて、始動用希ガスとともに発光物質等を封入したガラス管中央の密閉ガラス球内にそれぞれの先端部が突出するように対向配置された一対のタングステン製電極棒を備え、前記ピンチシール部におけるガラス層の前記電極棒との密着面に該電極棒を取り囲む残留圧縮歪層が形成された放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブであって、
    前記電極棒は、直径0.3mm以上の太さに構成され、前記残留圧縮歪層は、前記ピンチシール部の巾Dに対し電極棒を中心とする半径R(≦D/4)の大きさに形成され、前記電極棒の表面組織を構成するタングステン結晶粒子の最大長さが5μm以上であることを特徴とする放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ。
  2. 前記電極棒は、真空雰囲気下1600〜2200℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理されたトリエーテッドタングステン製電極棒で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ。
  3. 前記電極棒は、真空雰囲気下1400〜2000℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理されたカリウムドープタングステン製電極棒で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ。
  4. 前記電極棒は、真空雰囲気下1200〜1800℃の範囲であって、その太さに比例する所定温度で熱処理された高純度タングステン製電極棒で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ。
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