JP2001006617A - アークチューブおよびその製造方法 - Google Patents
アークチューブおよびその製造方法Info
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Abstract
発生を防止することにより長寿命化を図ることができる
アークチューブを提供する。 【解決手段】 アークチューブ本体20の発光管部20
a両側のピンチシール部20b1、20b2にピンチシ
ールされたタングステン電極26A、26Bの外周表面
26Aa、26Baの平均粗さを3μm以下に設定す
る。これにより、タングステン電極26A、26Bがピ
ンチシール部20b1、20b2にピンチシールされた
とき両者が微小凹凸で噛み合った状態となるようにし、
従来のようにピンチシール部20b1、20b2のタン
グステン電極26A、26Bとの接合面近傍領域に極め
て大きな圧縮応力が残らないようにする。そして、残留
圧縮応力によりアークチューブ本体20にクラックが生
じても、このクラックを接合面近傍領域に限定された局
所的なものとし、アークチューブ本体20の表面に達す
るような大きなものにならないようにする。
Description
の光源として用いられるアークチューブおよびその製造
方法に関するものである。
とから、近年では車両用前照灯等の光源としても多く用
いられるようになってきている。
ブは、一般に、図5に示すように、放電空間102を形
成する発光管部104aの両側にピンチシール部104
bが形成されてなる石英ガラス製のアークチューブ本体
104と、放電空間102へ先端部を突出させるように
して各ピンチシール部104bにピンチシールされた1
対のタングステン電極106とを備えた構成となってい
る。
期の放電特性が得られるようにするため、各タングステ
ン電極106に電解研磨を施してその表面の平滑化を図
るようにしている。
チューブ本体104にリークが発生してしまうのを防止
する観点からは、このように単に放電特性確保のための
電解研磨を施した程度ではタングステン電極106の表
面の平滑性がまだ十分でないことが、発明者らの実験に
より明らかになった。
にある程度以上の粗さが残っていると、このタングステ
ン電極106がピンチシール部104bにピンチシール
されたとき、図6に示すように、タングステン電極10
6とピンチシール部104bとが大きな凹凸で噛み合っ
た状態となるので、ピンチシール部104bにおけるタ
ングステン電極106との接合面近傍領域に極めて大き
な圧縮応力が残ってしまう。そしてこの残留圧縮応力に
より、アークチューブの使用中にアークチューブ本体1
04に大きなクラックが生じ、最終的には放電空間10
2と外部空間との間にリークが発生するに至る。このた
め従来のアークチューブは比較的寿命が短いものとなっ
ているという問題がある。
たものであって、アークチューブ本体のクラックによる
リーク発生を防止することにより長寿命化を図ることが
できるアークチューブおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
ン電極の表面の平滑性を従来よりも高めることにより、
上記目的達成を図るようにしたものである。
は、放電空間を形成する発光管部の両側にピンチシール
部が形成されてなる石英ガラス製のアークチューブ本体
と、上記放電空間へ先端部を突出させるようにして上記
各ピンチシール部にピンチシールされた1対のタングス
テン電極と、を備えてなるアークチューブにおいて、上
記各タングステン電極の表面の平均粗さが、3μm以下
に設定されている、ことを特徴とするものである。
造方法は、放電空間を形成する発光管部の両側にピンチ
シール部が形成されてなる石英ガラス製のアークチュー
ブ本体と、上記放電空間へ先端部を突出させるようにし
て上記各ピンチシール部にピンチシールされた1対のタ
ングステン電極と、を備えてなるアークチューブを製造
する方法であって、表面の平均粗さが3μm以下に設定
されたタングステン電極を石英ガラス管のピンチシール
予定部に挿入配置し、該ピンチシール予定部を2000
℃以上に加熱した状態で該ピンチシール予定部をピンチ
シールすることにより上記各ピンチシール部を形成す
る、ことを特徴とするものである。
タングステンを主成分とするものものであれば、純粋な
タングステン製のものであってもよいし、その他の成分
が添加されたものであってもよい。
チシール部にピンチシールされる部分の表面を含むもの
であれば、必ずしも表面全域である必要はない。
係るアークチューブは、そのアークチューブ本体の発光
管部両側に形成されたピンチシール部に、発光管部の放
電空間へ先端部を突出させるようにして1対のタングス
テン電極がピンチシールされているが、各タングステン
電極は、その表面の平均粗さが3μm以下と極めて表面
平滑性に優れているので、次のような作用効果を得るこ
とができる。
ル部にピンチシールされたとき、両者は微小凹凸で噛み
合った状態となるので、従来のようにピンチシール部の
タングステン電極との接合面近傍領域に極めて大きな圧
縮応力が残ってしまうことはない。
ーブの使用中にアークチューブ本体にクラックが生じて
も、このクラックは接合面近傍領域に限定された局所的
なものとなり、アークチューブ本体の表面に達するよう
な大きなものとはならないので、放電空間と外部空間と
の間にリークが発生するのを防止することができる。
ブは、アークチューブ本体のクラックによるリーク発生
を防止することによりその長寿命化を図ることができ
る。
造方法は、アークチューブ本体の発光管部両側に形成さ
れたピンチシール部に、発光管部の放電空間へ先端部を
突出させるようにして1対のタングステン電極がピンチ
シールされたアークチューブを製造する際、表面の平均
粗さが3μm以下に設定されたタングステン電極を石英
ガラス管のピンチシール予定部に挿入配置し、該ピンチ
シール予定部を2000℃以上に加熱した状態で該ピン
チシール予定部をピンチシールすることにより上記各ピ
ンチシール部を形成するようになっているので、次のよ
うな作用効果を得ることができる。
ル部にピンチシールされたとき、両者は微小凹凸で噛み
合った状態となるので、従来のようにピンチシール部の
タングステン電極との接合面近傍領域に極めて大きな圧
縮応力が残ってしまうことはない。
ーブの使用中にアークチューブ本体にクラックが生じて
も、このクラックは接合面近傍領域に限定された局所的
なものとなり、アークチューブ本体の表面に達するよう
な大きなものとはならないので、放電空間と外部空間と
の間にリークが発生するのを防止することができる。
上の高温で加熱してピンチシールを行うことにより、タ
ングステン電極とピンチシール部との接合強度が高まる
ので、ピンチシール部のタングステン電極との接合面近
傍領域に広い範囲にわたって小さな圧縮応力が略均等に
残ることとなる。
ーブの使用中に生じるアークチューブ本体のクラック
は、接合面近傍領域に略均一に分布したものとなり、そ
れ以外の領域へのクラックの波及が効果的に阻止される
ので、放電空間と外部空間との間にリークが発生するの
を一層確実に防止することができる。
ブの製造方法を採用することにより、アークチューブの
一層の長寿命化を図ることができる。
実施の形態について説明する。
クチューブが組み込まれた放電バルブ10を示す側断面
図であり、図2は、そのII部拡大図である。
10は車両用前照灯に装着される光源バルブであって、
前後方向に延びるアークチューブユニット12と、この
アークチューブユニット12の後端部を固定支持する絶
縁プラグユニット14とを備えてなっている。
ューブ16と、このアークチューブ16を囲むシュラウ
ドチューブ18とが、一体的に形成されてなっている。
工してなるアークチューブ本体20と、このアークチュ
ーブ本体20内に埋設された前後1対の電極アッシー2
2A、22Bとからなっている。
球状の発光管部20aが形成されるとともにその前後両
側にピンチシール部20b1、20b2が形成されてな
っている。発光管部20aの内部には前後方向に延びる
略楕円球状の放電空間24が形成されており、この放電
空間24には水銀とキセノンガスと金属ハロゲン化物と
が封入されている。
タングステン電極26A、26Bとリード線28A、2
8Bとがモリブデン箔30A、30Bを介して連結固定
されてなり、各ピンチシール部20b1、20b2にお
いてアークチューブ本体20にピンチシールされてい
る。その際、各モリブデン箔30A、30Bはすべてピ
ンチシール部20b1、20b2内に埋設されている
が、各タングステン電極26A、26Bは、その先端部
が前後両側から互いに対向するようにして放電空間24
内に突出している。
リエーテッドタングステン(酸化トリウムが数%ドープ
されたタングステン)を母材として構成されている。こ
れら各タングステン電極26A、26Bの外周表面26
Aa、26Baには強電解研磨が施されており、これに
より外周表面26Aa、26Baの中心線平均粗さRa
は3μm以下(ただし、カットオフ値λc=0.8m
m、評価長さln=4mm)に設定されている。また、
各タングステン電極26A、26Bの先端面26Ab、
26Bbにはバレル研磨が施されており、該先端面26
Ab、26BbのコーナRは、良好な放電特性が得られ
るようにするため、0.04〜0.06mm程度に設定
されている。
電バルブ10を何度か点消灯させた後におけるタングス
テン電極26Bとピンチシール部20b2との接合面の
様子を示す図である。なお、もう一方のタングステン電
極26Aとピンチシール部20b1との接合面について
も同様である。
平均粗さRaが3μm以下に設定されているので、タン
グステン電極26Bがピンチシール部20b2にピンチ
シールされたとき、両者は微小凹凸で噛み合った状態と
なる。このため、従来のようにピンチシール部のタング
ステン電極との接合面近傍領域に極めて大きな圧縮応力
が残ってしまうことはない。
ューブ16の使用中にアークチューブ本体20にクラッ
クが生じても、このクラックは接合面近傍領域に限定さ
れた局所的なものとなる。すなわち、図2に示す破線領
域Aにおいて石英ガラスが細かく砕けるようなクラック
が発生し、ピンチシール部20b2には2点鎖線で示す
ようなミラー状の界面が形成される。このため、アーク
チューブ本体20の表面に達するような大きなクラック
が生じることはなく、これにより放電空間24と外部空
間との間にリークが発生するのを防止することができ
る。
ラス管20´のピンチシール予定部20b2´にピンチ
シールするピンチシール工程を示す図である。
20aが形成されたアークチューブ本体20となるべき
石英ガラス管20´の下方から電極アッシー22Bを所
定位置まで挿入した状態で、ピンチシール予定部20b
2´の下端部をバーナ2で加熱し、同図(b)に示すよ
うに、仮ピンチャ4で該下端部に電極アッシー22Bを
仮ピンチシールする。
ール予定部20b2´をバーナ6で2000℃以上(好
ましくは2100〜2200℃)に加熱し、この状態
で、同図(d)に示すように、本ピンチャ8でピンチシ
ール予定部20b2´に電極アッシー22Bを本ピンチ
シールし、これによりピンチシール部20b2を形成す
る。
シール予定部20b2´を2000℃以上の高温で加熱
してピンチシールを行うことにより、電極アッシー22
Bのタングステン電極26Bとピンチシール部20b2
との接合強度が高まるので、ピンチシール部20b2の
タングステン電極26Bとの接合面近傍領域に広い範囲
にわたって小さな圧縮応力が略均等に残ることとなる。
ーブ16の使用中に生じるアークチューブ本体20のク
ラックは、接合面近傍領域に略均一に分布したものとな
り、上記ミラー状の界面が容易に形成され、それ以外の
領域へのクラックの波及が効果的に阻止されるので、放
電空間24と外部空間との間にリークが発生するのを一
層確実に防止することができる。
面粗さ(中心線平均粗さ)Raとアークチューブの寿命
(平均寿命Tcおよび初期欠陥発生時間B3 )との関係
を示す表であり、表2は、本ピンチシールの際のピンチ
シール予定部の加熱温度tとアークチューブの寿命(平
均寿命Tcおよび初期欠陥発生時間B3)との関係を示
す表である。
3μm以下に設定することにより、略2000時間以上
の平均寿命を実現することができる。また、表2から明
らかなように、本ピンチシールの際のピンチシール予定
部の加熱温度tを2000℃以上に設定することによ
り、略2000時間以上の平均寿命を実現することがで
きる。
は、サンプル全体の63.2%がNG(不灯)になるま
での時間である。また、初期欠陥発生時間B3 は、サン
プル全体の3%がNG(不灯)になるまでの時間であ
り、平均寿命Tcと併用して考察することにより寿命の
バラツキを知ることができる。
ークチューブ16においては、そのアークチューブ本体
20の発光管部20a両側のピンチシール部20b1、
20b2にピンチシールされた各タングステン電極26
A、26Bが、その外周表面26Aa、26Baの中心
線平均粗さRaが3μm以下と極めて表面平滑性に優れ
ているので、該タングステン電極26A、26Bがピン
チシール部20b1、20b2にピンチシールされたと
き両者は微小凹凸で噛み合った状態となり、従来のよう
にピンチシール部20b1、20b2のタングステン電
極26A、26Bとの接合面近傍領域に極めて大きな圧
縮応力が残ってしまうことはない。
ーブ16の使用中にアークチューブ本体20にクラック
が生じても、このクラックは接合面近傍領域に限定され
た局所的なものとなり、アークチューブ本体20の表面
に達するような大きなものとはならないので、放電空間
24と外部空間との間にリークが発生するのを防止する
ことができ、これによりアークチューブ16の長寿命化
を図ることができる。
管20´のピンチシール予定部20b2´を2000℃
以上に加熱した状態でピンチシールを行うことによりピ
ンチシール部20b2を形成するようになっているの
で、タングステン電極26Bとピンチシール部20b2
との接合強度が高まり、これによりピンチシール部20
b2におけるタングステン電極26Bとの接合面近傍領
域の広い範囲にわたって小さな圧縮応力が略均等に残
る。このことは、ピンチシール部20b1におけるタン
グステン電極26Aとの接合面近傍領域においても同様
である。
ーブ16の使用中に生じるアークチューブ本体20のク
ラックは、接合面近傍領域に略均一に分布したものとな
り、それ以外の領域へのクラックの波及が効果的に阻止
されるので、放電空間24と外部空間との間にリークが
発生するのを一層確実に防止することができ、これによ
りアークチューブ16の長寿命化を図ることができる。
に示す仮ピンチシールに先立って行われるバーナ2によ
るピンチシール予定部20b2´の下端部の加熱(同図
(a)参照)に関しては、タングステン電極26Bとピ
ンチシール部20b2との接合強度に直接関係しないの
で、その加熱温度に言及していないが、本ピンチシール
と同様に2000℃以上に設定するようにしてもよいこ
とはもちろんである。
テン電極26A、26Bの外周表面26Aa、26Ba
の中心線平均粗さRaを3μm以下に設定するととも
に、本ピンチシールの際のピンチシール予定部20b2
´の加熱温度を2000℃以上に設定した場合について
説明したが、表1および2から明らかなように、例え
ば、上記中心線平均粗さRaを2μm以下に設定すると
ともに上記加熱温度を2100℃以上に設定することが
アークチューブ16の長寿命化を図る上でより好まし
い。
が、車両用前照灯に装着される放電バルブ10のアーク
チューブ16である場合について説明したが、これ以外
の用途に用いられるものであってもよいことはもちろん
である。
組み込まれた放電バルブを示す側断面図
ル予定部にピンチシールするピンチシール工程を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 放電空間を形成する発光管部の両側にピ
ンチシール部が形成されてなる石英ガラス製のアークチ
ューブ本体と、上記放電空間へ先端部を突出させるよう
にして上記各ピンチシール部にピンチシールされた1対
のタングステン電極と、を備えてなるアークチューブに
おいて、 上記各タングステン電極の表面の平均粗さが、3μm以
下に設定されている、ことを特徴とするアークチュー
ブ。 - 【請求項2】 放電空間を形成する発光管部の両側にピ
ンチシール部が形成されてなる石英ガラス製のアークチ
ューブ本体と、上記放電空間へ先端部を突出させるよう
にして上記各ピンチシール部にピンチシールされた1対
のタングステン電極と、を備えてなるアークチューブを
製造する方法であって、 表面の平均粗さが3μm以下に設定されたタングステン
電極を石英ガラス管のピンチシール予定部に挿入配置
し、該ピンチシール予定部を2000℃以上に加熱した
状態で該ピンチシール予定部をピンチシールすることに
より上記各ピンチシール部を形成する、ことを特徴とす
るアークチューブの製造方法。
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