JP4605728B2 - ワークピースを破面分割する方法および装置 - Google Patents

ワークピースを破面分割する方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、順次軸方向に配列された1以上の環状ワークピースセクションを備えるワークピースを破面で分割する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸方向に順次配列された1以上の環状ワークピースを備えているワークピースを破面分割する方法がDE 197 04 131 A1から知られている。この方法は、以下のステップを包含している。最初は、環状ワークピースセクションによって形成される孔内にそれぞれ2つの直径方向に対向する破面切り欠きを作り出すステップであり、これは通常この目的のために特別に設けられた機械加工ステーションにおいて行われる。破面の切り欠きが作り出されると、ワークピースは機械加工ステーションから除去され、特別なクランプおよびサポート設備に移送されて、そこで実際の破面分割のために配置される。環状ワークピースセクションによって形成された孔にエキスパンダ手段が軸方向に導かれて少なくとも1つの環状ワークピースセクションの破面分割のために伸ばされる前に、除去と配置との間でワークピースをある時間留めてもよく、または留めなければならない。DE 197 04 131 A1に開示されているこの方法を実行する装置は、ワークピースを配置するためのクランプおよびサポート設備と、環状ワークピースセクションによって形成された孔に挿入され、軸方向に伸ばされるエキスパンダ手段とを備えている。
【0003】
匹敵する方法および装置が、さらにWO 95/28248、EP 0 167 320 B1および米国特許4,684,267のそれぞれに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワークピースを破面分割する方法、ならびにそのような方法に適した、ワークピースを破面分割する装置を提供するという技術的な目的に基づいている。その装置により、ワークピースの機械加工はさらにできるだけ簡単にかつ効果的に合理化され、装置の製造における技術的な複雑さを減少させることができる。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるワークピースを破面分割する方法および装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的な目的は、クレーム1に記載した特徴を有する本発明による方法によって達成される。
軸方向に順次配列された1以上の環状ワークピースセクションを有するワークピースを破面分割するこの方法は、ワークピースを破面分割するために配置するステップと、少なくとも1つのエキスパンダ手段を各環状ワークピースセクションによって形成される少なくとも1つの孔に軸方向に挿入するステップと、エキスパンダ手段の軸方向での挿入中および/または挿入後に、少なくとも1つの孔に少なくとも1つの破面切り欠きを作り出すステップと、エキスパンダ手段を伸ばして少なくとも1つの環状ワークピースセクションを破面分割するステップとを包含する。
【0007】
好ましくは、破面切り欠きの作製は、本発明による装置の説明に関連して以下で詳細に述べているように分断手段によってなされる。この構成における破面きり欠きの作製は、各環状ワークピースセクションによって形成される孔の1つの軸方向の側部のみから、および軸方向の両側部の両方で実現され得る。本発明による方法において2つのエキスパンダ手段を用いると、各環状ワークピースセクションによって形成された1以上の孔に2つの対向する軸方向の側部からエキスパンダ手段を挿入することができる。
【0008】
本発明による方法では、少なくとも1つの破面切り欠きが、エキスパンダ手段の挿入中および/あるいは挿入後(直後)ではあるが実際の破面分割よりも先に、破面分割のために準備されて既に配置されているワークピースで直接作り出される。破面切り欠きの一部のみを挿入中に形成し、エキスパンダ手段が部分的にまたは完全に挿入されたら他の部分を作製することも考えられるが、破面切り欠きは、好ましくは、エキスパンダ手段の挿入中または挿入後のどちらかに仕上げ加工される。
【0009】
前もって実行されるべきであり、この目的のためのみに機械加工ステーションを使用可能にする少なくとも1つの破面切り欠きの作製におけるさらなるステップは、先行技術では必要とされているようが、本発明による方法ではなくすことができ、したがって、ワークピースを機械加工ステーションから除去するステップ、破面分割のために用いられるクランプおよびサポート設備内にワークピースを移動し、再度締めて固定するステップもなくすことができる。これはまた、歯面切り欠きの作製と実際の破面分割との間の時間ワークピースを外部に留めておく必要もなくす。
【0010】
破面分割工程を含むワークピースの機械加工は、非常に促進され、簡単にされる。本発明による方法によれば、比較的簡単かつ効果的な方法および手段で、ワークピースの機械加工をかなり合理化することが可能となり、装置の作製における技術的な複雑さを減少させる。本発明による方法は、例えば、
a) 単一の環状ワークピースセクションを有する単一のワークピース
b) 単一の環状ワークピースセクションを有するいくつかの単一ワークピースが軸方向に配列された一続きのもの
c) 軸方向に順次配列されたいくつかの環状ワークピースセクションを有する1以上のワークピース
d) a)からc)の組み合わせ
のいずれについても適用可能である。
【0011】
本発明による方法のさらなる有利な態様は、対応する従属請求項2〜9から読みとられる。
【0012】
本発明の基礎をなす目的は、さらに請求項10に記載されている特徴を有する本発明による装置によって達成される。
軸方向に順次配列された1以上の環状ワークピースセクションを有するワークピースを破面分割するこの装置は、ワークピースを破面分割するために配置する少なくとも1つのクランプおよびサポート設備と、各環状ワークピースセクションによって形成される少なくとも1つの孔への軸方向の挿入、ならびにそこでの伸長のための少なくとも1つのエキスパンダ手段と、エキスパンダ手段の実質的に周縁部に配置されており、エキスパンダ手段の軸方向における動きに連動する少なくとも1つの分断手段であって、エキスパンダ手段の軸方向の挿入中および/または挿入後に孔の少なくとも1つにおいて少なくとも1つの破面切り欠きを作り出す少なくとも1つの分断手段とを備えている。
【0013】
分断手段(破面切り欠きを作製する機能については、ワークピースの実際のは面分割のための手段と混同されるべきでない)は、好ましくは、少なくとも1つの幾何形状が定義された切断エッジを有する分断手段である。しかし、本発明は、このタイプの分断手段のみに制限されるものではないことを理解されたい。分断手段は、定義されていない切断エッジ(例えば、グラインディングツール)を備えてもよいし、熱的、化学的または電気化学的な材料除去に基づいて、例えば、スパーク浸食手段やレーザ切断手段等の範囲で、分断動作が行われるような分断手段として構成されてもよく、それによって、個々の分断手段のタイプはの組み合わせは同様に考えることができる。
【0014】
この構成において、少なくとも1つの破面切り欠きを作製するのに必要とされる分断手段の分断効果は、分断手段が配置されているエキスパンダ手段の挿入中に、軸方向の挿入運動、あるいは分断手段、エキスパンダ手段およびワークピースの間の組み合わされた相対的な動きによって生成される、例えば分断手段と破面切り欠きが開けられるべき孔との相対的な動きによって得ることができる。しかしながら、エキスパンダ手段の挿入後に破面切り欠きを作製する際には、孔に対するエキスパンダ手段の位置は、好ましくは、一定のままであり、分断手段と対応するワークピース表面および/または静止しているエキスパンダ手段との間の相対的な動きが実現されるに過ぎない。しかし、どちらの場合も、孔のワークピース表面に対して分断手段を前進させることで、実質的に軸挿入方向に平行にだけではなく、それに対して角度をなして伸びる構成要素を含むことができる。
【0015】
本発明の考え方においては分断手段はエキスパンダ手段とは独立して駆動され、および/または前進させられるが、上述したように分断手段はエキスパンダ手段上に配置されているので、エキスパンダ手段は、便宜上、分断手段を駆動し、および/または前進させる手段として機能してもよい。
【0016】
本発明による装置は、本発明による方法に関連して始めに既に述べられた利点を提供する。分断手段をエキスパンダ手段上に配置することによって、エキスパンダ手段は、それをある程度まで分断手段の機能的構成要素として機能させて、分断手段に関連して、破面切り欠きを作製する他に分けられて必要とされる機械加工ステーションの付加的な機能を引き継ぐことによって有利な二重の機能をさらに有することになる。したがって本発明による装置は、一種の組み合わされた破面切り欠き/分割ツールが備えられている。
【0017】
本発明による装置のさらに有利な態様は、対応する従属請求項11〜19から読みとられる。
【0018】
付加的な態様およびそのさらなる利点を含む本発明の好ましい実施態様を以下、図面を参照しながら説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下の説明および図面においては、同様の部分および構成要素は、さらなる差別化が必要でない限りは、退屈な反復を避けるために同様の参照符号で示す。
【0020】
図1を参照すると、軸方向に順次配列されたいくつかの環状ワークピースセクション4を備えるように構成されたワークピース2を破面分割する、本発明による装置の概略断面図が描かれている。機械加工されるべきワークピース2は、軸方向に順次配列された5つの一体的に構成された以下でベアリングキャップ4と称する環状ワークピースセクション4を備えるハウジングブロック2であると仮定する。環状ワークピースセクション4は、軸方向の配列において互いに離されている5つの孔6を取り囲んでおり、クランクシャフト、カムシャフト等を搭載するのに用いられ、共通の搭載軸Aを有している。ベアリングキャップ4は、マクロ構造化されたインターロックが、既定の破面で残りのハウジングブロック2から分けられる各ベアリングキャップ4に固有のマテリアル面で実現されるように、破面分割によって残りのハウジングブロック2から離されるべきである。その結果、各ベアリングキャップとそれに関連するハウジングブロックセクションとの間で正確なマッチングペアリングが得られる。
【0021】
装置は、クランプおよびサポート設備8を備えており、それによってハウジングブロック2は破面分割のために配置される。クランプおよびサポート設備8は、静止している下側ワークピースマウント10、ならびにスライド12を介して搭載軸Aに対して直角に進むワークピースカウンターマウント14を有している。ワークピースカウンターマウント14は、搭載軸Aに対して直角に前進されることができるベアリングキャップサポート16等を有している。ワークピースカウンターマウント14をおよびベアリングキャップサポート16を前進させることは、二重矢印で図中に示されている。整理された図示のために、水力、電気機械式または他の適切なポジショナを特徴とし得る対応する前進機構は、図示されていない。
【0022】
装置は、孔6に軸方向に搭載軸Aに沿って挿入され得る細長い伸長あるいはフラクチャリングマンドレル18を有するエキスパンダ手段をさらに備えている。このエキスパンダ手段は、二重矢印で図示されている破面分割力を生成するために伸ばされることができる。本例におけるフラクチャリングマンドレル18の長さは、それが挿入状態でハウジングブロックの全ての孔6を通って伸びるように寸法決めされている。フラクチャリングマンドレル18は、以下に詳細に述べるような2つのフラクチャリングマンドレルハーフを備えている。
【0023】
今度は図2を参照すると、フラクチャリングマンドレル18のさらなる詳細を示す、図1に示す装置に設けられた第1の実施形態によるエキスパンダ手段の概略側面図が描かれている。フラクチャリングマンドレル18の前側の端部20は、孔6へのフラクチャリングマンドレル18の挿入を容易にすべく、わずかに円錐状に形成されている。フラクチャリングマンドレル18の外周は、実質的に円形である。フラクチャリングマンドレル18の外径は、孔6の内径よりもわずかに小さい。第1のフラクチャリングマンドレルハーフ18.2は、その長手方向に連続して形成されているのに対して、第2のフラクチャリングマンドレルハーフ18.4は、軸方向に互いから離されて第1のフラクチャリングマンドレルハーフ18.2によって配置されるガイド片22を有している。それぞれの場合において、隣接するガイド片22の間には、外側の輪郭が実質的に半円形状である可動式フラクチャリングセグメント24が挿入される。各フラクチャリングセグメント24は、その配置および機能において各ベアリングキャップ4に割り当てられている。ゆえにこの場合には全部で5つのフラクチャリングセグメント24が設けられている。フラクチャリングセグメント24は、共通して、2つのフラクチャリングマンドレルハーフ18.2、18.4の間を通る細長いフラクチャリングセグメント発動素子26によって第1のフラクチャリングマンドレルハーフ18.2に対して半径方向に、すなわち(図2に破線で示されている)搭載軸Aに対して垂直に動かされ得、フラクチャリングマンドレル18の伸長効果と各ベアリングキャップ4での破砕力を得る。
【0024】
ハウジングブロック12から離れているフラクチャリングマンドレル18の端部は、前進/発動素子28(図1参照)に接続されており、前進/発動素子28によって、フラクチャリングマンドレル18は搭載軸方向に進むスライド30を介して孔6に軸方向に挿入され得、破面分割の完了時には引き抜かれ得る。この前進/発動素子28およびフラクチャリングマンドレル18の移動動作は図1に二重矢印で示されている。前進/発動素子28のこれらの動きの駆動手段は、整理された図示のために示されてはいない。しかしながら、これらは、水力式、電気機械式あるいは他の適切な駆動手段であってよい。前進/発動素子28は、フラクチャリングセグメント発動素子26と協働するアクチュエータ32をさらに備えている。アクチュエータ32は、各フラクチャリングセグメント24における正確に規定された破砕力を保証するように力感知手段34に連結されている。
【0025】
図2から明らかであるように、本発明による装置は、エキスパンダ手段、すなわちこの場合には、フラクチャリングマンドレル18の実質的に周縁部に配置され、軸方向Aにおいてエキスパンダ手段の運動と連動する分断手段36をさらに備えている。この分断手段36は、フラクチャリングマンドレル18の軸方向における挿入中に、ハウジングブロック2の全5つの孔6において、2つの直径方向に対向する破面切り欠き38を作り出す。
【0026】
作り出されるべき破面切り欠き38の位置は、図1に示されているハウジングブロック2のベアリングキャップ部の概略断面図を描いている図4から明らかである。図2、3および4は異なるスケールであることに留意されたい。
【0027】
本実施形態では、分断手段36はブローチ手段36として形成されており、軸挿入方向に対してフラクチャリングマンドレル18の前の部分に配置された2つのブローチ40を備えている。これらのブローチ40は、この配置および作り出される破面切り欠き38の径の程度にしたがって、フラクチャリングマンドレル18の周縁部で直径方向に対向するように配置されており、それらの切断エッジ分だけ、フラクチャリングマンドレル18の周縁部をわずかに越えて伸びている。これは、図2に示されているフラクチャリングマンドレルの概略正面図を示している図3において特に明らかである。
【0028】
ある応用では2つのブローチ40は長手方向において千鳥状に配置され得るが、これらは、フラクチャリングマンドレル18の長手方向、つまり搭載軸Aの方向に対して、正確に対向するように配置されている。各切断エッジの幾何形状は、作り出されるべき破面切り欠き38の幾何形状に適合される。
【0029】
また、ブローチ40は、使い捨て挿入物のように素早く変えられるツールとして構成されており、それぞれは、磨り減ったとき、壊れたとき、あるいはメンテナンスを必要とするときに交換を容易にするように、フラクチャリングマンドレル18の前側の端部でツールマウント42に解放可能に、あるいは局所的に堅くとめられている。この場合、ツールマウントは、ブローチ40用の凹部44、クランプ片46およびボルト締め設備48を備えており、ボルト締め設備48によって、クランプ片46はブローチ40に接触するように付勢され、フラクチャリングマンドレル18上にしっかりととめられる。
【0030】
上述した構成の結果、フラクチャリングマンドレル18はブローチ手段36とともに、結合型ブローチ/破砕ツールを形成し、これに関連してブローチ40用のツールマウントおよびプランジャーとして同時に機能する。
【0031】
今度は、ワークピースを破面分割するための上述した本発明による装置を実現する本発明による方法を説明する。
【0032】
最初に、機械加工されるべきワークピース、すなわち、前述したように軸方向に順次並べられた5つの環状の一体化されたベアリングキャップ4を備えているハウジングブロック2が、クランプおよびサポート設備8によって、破面分割のために配置される。この目的で、ハウジングブロック2は、最初のうちは、静止している下側のワークピースマウント10上に、そのベアリングキャップ4から離れている面で配置されている。この後、ワークピースカウンターマウント14およびベアリングキャップサポート16は、ハウジングブロック2がその後の機械加工プロセスのためにきちんと確実に締め付けられて固定され、ベアリングキャップ4がフラクチャリング中に回転して外れることのないように、前進される。
【0033】
続いて、まだ伸びていない状態にあるフラクチャリングマンドレル18は、スライド30上を進む前進/発動素子28によって、図1において右側に示されているベアリングキャップ4から始まって、軸方向Aにおいてベアリングキャップ4のそれぞれによって囲まれている孔6に挿入される。フラクチャリングマンドレル18の前側の端部に固定されて配置されているブローチ手段36のために、フラクチャリングマンドレル18、ならびにブローチ手段またはブローチ40は、互いに対していかなる動きもなく配置される。したがって、穴をあける工程に必要とされるワークピース2とブローチ40との間の相対的な動きが、本例示的実施形態の場合には、フラクチャリングマンドレル18自体の軸方向の動きによって生み出される。こうして、半径方向にわずかに突き出しているブローチ40によって、2つの直径方向に対向している破面切り欠き38が、フラクチャリングマンドレル18の挿入中に各孔6の内周表面6.2に開けられる。フラクチャリングマンドレル18が孔6を通って軸方向に前進しつづけられる間、破面切り欠き38は、全5つの孔6のそれぞれが2つの破面切り欠き38を有するようになるまで、次々とそれぞれの孔6で作り出される。完全に挿入された状態では、フラクチャリングマンドレル18は図1に示したように位置決めされており、フラクチャリングセグメント24のそれぞれは、それぞれの場合においてあてられるベアリングキャップ4の孔6内に正確に配置される。
【0034】
続いて、フラクチャリングセグメント24がアクチュエータ32およびフラクチャリングセグメント発動素子26によって伸ばされ、力感知手段34を通じて制御される破面分割力がベアリングキャップ4に働く。ベアリングキャップ4において限界のストレスが得られたら、ベアリングキャップ4は、設計された破面の位置として働き、それゆえに既定の破面を規定する破面切り欠き38から始まって、実質的に同時に残りのハウジングブロック2から分離される。この点において、エキスパンダ手段またはフラクチャリングマンドレル18の構成に応じて、ベアリングキャップ4を順次分割することができ、これは分離すべき多くのワークピースセクションが含まれているとき、ならびに/あるいは破面分割力を低く維持する必要があるときに特に適している。
【0035】
ベアリングキャップ4を破面分割した後、フラクチャリングセグメント24はその開始位置に引き戻され、その後にベアリングキャップサポート16が戻され、フラクチャリングマンドレル18がワークピース2から撤収され、最後に、ワークピースカウンターマウント14が引き込まれる。そして機械加工されたハウジングブロック2は除去され、装置は、この方法の新しいサイクルの新たなハウジングブロック2を構成要素とする。
【0036】
今度は図5を参照すると、図1に示されている装置において用いられるエキスパンダ手段50の第2の実施形態の大幅に簡略化した概略断面図が描かれている。このエキスパンダ手段50もまた、ベアリングキャップ4の孔6に対して半径方向に互いに対して移動可能な2つのフラクチャリングマンドレル50.2および50.4を有するスプリットフラクチャリングマンドレル50の形に構成されている。図2に示す例とは異なり、このフラクチャリングマンドレル50のブローチ手段36はそれに対して移動可能に配置されており、フラクチャリングマンドレルハーフ50.2および50.4の間を長手方向に伸びている。ブローチ手段36は、フラクチャリングマンドレル50の断面でみると2つの隣接するフラクチャリングマンドレルハーフ50.2および50.4の間をフラクチャリングマンドレルの全長を実質的に越えて伸びている2つの直径方向に対向した指型のブローチ52を備えている。これらは、それぞれ、軸方向A(図1参照)において反復運動可能である。
【0037】
フラクチャリングマンドレル50の外側に面しており、ゆえに各ワークピース孔6の内周表面6.2に面しているブローチ52の側部には、切断エッジ54が設けられている。切断エッジ54の幾何形状は、作り出されるべき破面切り欠き38の幾何形状に適応されている。フラクチャリングマンドレル50の内側に面しているブローチ52の背面56は、フラクチャリングマンドレルハーフ50.2および50.4によって形成される溝型のブローチガイド58内を導かれる。ブローチガイド58は、ハウジングブロック2の各ベアリングキャップ4に対して同一の、ブローチ52の背面56上の対応する傾斜縦部材に一致している傾斜縦部材60を備えている。開始位置において、ブローチガイド58およびブローチ52の2つの傾斜縦部材60、60は、ブローチ52の切断エッジ54がフラクチャリングマンドレル50の半径方向の周を越えて突き出さないように、互いの上に配置されている。しかしながら、ブローチ52が発動機構(図示せず)を介して軸方向に動かされると、各ブローチ52は、切断エッジ54がフラクチャリングマンドレル50の周を越えて半径方向に伸ばされるように(図5に破線で示している)、同時に傾斜縦部材60、60上をわずかに、かつ均一に、半径方向に外側に通過し、有効となる。
【0038】
1つのこのようなフラクチャリングマンドレル50を備えている本発明による装置では、本発明による方法が、フラクチャリングマンドレル50の挿入後(直後)に破面切り欠き38が各孔6内に作り出されるように実現される。この目的では、上述したフラクチャリングマンドレル50は、まず、図1に示すようにそれに対応する位置に達するまで全ての孔6を完全に通る。挿入後、両方のブローチ52は発動機構によって軸方向において同時に動かされ、連続した軸方向の動き(もちろん一方のブローチ52を先にアクチュエートし、次に他方ということも可能であるが)の結果として、実質的に同時に、ブローチ52の切断エッジ54が、全ての孔6のそれぞれにおける2つの破面切り欠き38を開けるように半径方向に外側に伸びる。この工程において、ブローチ手段の間、またはブローチ52とワークピース2との間の相対的な動きだけでなく、ブローチ手段またはブローチ52とフラクチャリングマンドレル50との間の相対的な動きもある。破面切り欠き38が作り出されると、ブローチ52は、それらの撤収位置に引き込められ、上述した方法および手段で破面分割されたベアリングキャップ4、および続いてフラクチャリングマンドレル50は除去される。
【0039】
本発明は、上述した例示的な実施形態に限定されるものではなく、それらは一般的な発明の要点を説明するために用いられるに過ぎないことを理解されたい。代わりに、本発明の装置は、意図される保護の範囲から離れることなく、上述した実施形態とは異なる実施形態を推定してもよい。この点において、装置および方法は、より具体的には、クレームされている個々の特徴の組み合わせと同様に、例示的な実施形態において述べられている詳細を表す特徴を備えていてもよい。上述しTフラクチャリングマンドレル設計の代わりに、いくつかの他の適したエキスパンダ手段を用いることができるのはもちろんであり、また挿入中にエキスパンダ手段および分断手段を互いに対して移動させることも可能である。また、発明の範囲から離れることなく上述した例から組み合わせが得られる。本発明による装置は、オープンループ制御手段および/またはクローズドループ制御手段を備えていてもよい。
【0040】
クレーム、明細書および図面の中の参照符号は、単に発明のよりよい理解のために用いられるものであり、意図される保護の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0041】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば**ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるワークピースを破面分割する装置の大幅に簡略化した概略断面図である。
【図2】 第1の実施形態における図1に示す装置に設けられるエキスパンダ手段の概略側面図である。
【図3】 図2に示すエキスパンダ手段の概略正面図である。
【図4】 図1に示すハウジングブロックのベアリングキャップ部を貫通する概略断面図である。
【図5】 第2の実施形態における図1に示す装置で用いられるエキスパンダ手段を貫通する大幅に簡略化された概略断面図である。
【符号の説明】
2 ワークピース/ハウジングブロック
4 環状ワークピースセクション/ベアリングキャップ
6 4における孔
6.2 6の内周表面
8 クランプおよびサポート設備
9 8のワークピースマウント
12 8のスライド
14 8のワークピースカウンターマウント
16 8のベアリングキャップサポート
18 エキスパンダ手段/フラクチャリングマンドレル
18.2 第1のフラクチャリングマンドレルハーフ
18.4 第2のフラクチャリングマンドレルハーフ
20 18の前側端部
22 18のガイド片
24 18のフラクチャリングセグメント
26 フラクチャリングセグメント発動素子
28 前進/発動素子
30 28のスライド
32 アクチュエータ
34 力感知手段
36 分断手段/ブローチ手段
38 4または6における破面切り欠き
40 36のブローチ
42 ツールマウント
44 42の凹部
46 42のクランプ片
48 42のボルト締め設備
50 エキスパンダ手段/フラクチャリングマンドレル
50.2 フラクチャリングマンドレルハーフ
50.4 フラクチャリングマンドレルハーフ
52 指型ブローチ
54 52の切断エッジ
56 52の背面
58 溝型ブローチガイド
60 52および58の傾斜縦部材
A 搭載軸/軸方向

Claims (20)

  1. 軸方向に順次配列された複数の環状ワークピースセクション(4)を有するワークピース(2)を破面分割する方法であって、
    前記ワークピース(2)を破面分割するために配置する(8;10,14,16)ステップと、
    孔(6)に対して半径方向に移動可能である複数のフラクチャリングセグメント(24)が設けられている伸長マンドレルを備えるエキスパンダ手段(18;50)を、前記複数の環状ワークピースセクション(4)によって形成される複数の孔(6)に軸方向に挿入するステップと、
    前記エキスパンダ手段(18;50)の軸方向での挿入中に、前記エキスパンダ手段の実質的に周縁部に配置されており前記エキスパンダ手段の軸方向の挿入動作に伴って孔(6)に対して軸方向に挿入且つ移動可能である分断手段(36,40;52,54)を用いて、前記複数の孔(6)の各々に少なくとも1つの破面切り欠き(38)を作り出す(36,40;52,54)ステップと、
    前記エキスパンダ手段の軸方向の挿入後に、前記複数のフラクチャリングセグメント(24)を孔(6)に対して半径方向に動かして、前記複数の環状ワークピースセクション(4)を破面分割するステップと、
    を包含することを特徴とする、方法。
  2. 前記複数の環状ワークピースセクション(4)の前記複数の孔(6)の破面切り欠き(38)は次々と作り出されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エキスパンダ手段(18)および前記分断手段(36;40)は、軸方向の挿入中は互いに対していかなる相対的な動きもないように配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記エキスパンダ手段(50)および前記分断手段(52,54)は、挿入中に互いに対して動かされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記複数の環状ワークピースセクション(4)は実質的に同時に破面分割されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記複数の環状ワークピースセクション(4)は次々と破面分割されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記伸長マンドレル(18;50)には、孔(6)に対して半径方向に互いに対して移動可能である2つの伸長マンドレルハーフ(50.2、50.4)が設けられており、
    前記複数のフラクチャリングセグメント(24)の各々は、前記エキスパンダ手段の軸方向の挿入後において前記複数の環状ワークピースセクション(4)の各々に割り当てられるように配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ワークピース(2)を静止しているマウント(10)の上に固定して配置することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 軸方向に順次配列された複数の環状ワークピースセクション(4)を有するワークピース(2)を破面分割する装置であって、
    前記ワークピース(2)を破面分割するために配置するクランプおよびサポート設備(8;10,14,16)と、
    孔(6)に対して半径方向に移動可能である複数のフラクチャリングセグメント(24)が設けられている伸長マンドレルを備え、前記複数の環状ワークピースセクション(4)によって形成される複数の孔(6)への軸方向の挿入が可能であり、挿入後に前記複数の環状ワークピースセクション(4)を破面分割するために前記複数のフラクチャリングセグメント(24)を孔(6)に対して半径方向に動かすエキスパンダ手段(18;50)と、
    前記エキスパンダ手段(18;50)の実質的に周縁部に配置されており、前記エキスパンダ手段(18;50)の軸方向の挿入動作に伴って孔(6)に対して軸方向に挿入且つ移動可能である分断手段(36,40;52,54)であって、前記エキスパンダ手段(18;50)の軸方向(A)の挿入中に前記複数の孔(6)の各々に少なくとも1つの破面切り欠き(38)を作り出す分断手段(36,40;52,54)と、
    を備えていることを特徴とする、装置。
  10. 前記分断手段(36,40)は、前記エキスパンダ手段(18)の軸方向挿入方向(A)に対する前記エキスパンダ手段(18)の前側の部分上に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  11. 前記分断手段(52、54)は、前記エキスパンダ手段(50)の長手方向に伸びていることを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記分断手段(36)は、少なくとも1つの分断ツール(40;52、54)を備えていることを特徴とする、請求項9から11のいずれか1つに記載の装置。
  13. 前記分断手段(36)は、直径方向に互いに対向して配置された2つの分断ツール(40;52、54)を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  14. 前記少なくとも1つの分断ツール(40)は、前記エキスパンダ手段(18)に設けられたツールマウント(42、44、46、48)に堅く配置されていることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つの分断ツール(40;52)は、素早く変えられる分断ツールであることを特徴とする、請求項12から14のいずれか1つに記載の装置。
  16. 前記分断手段は、ブローチ手段(36)であり、
    前記少なくとも1つの分断ツールは、ブローチ(40;52、54)であることを特徴とする、請求項12から15のいずれか1つに記載の装置。
  17. 前記分断手段(36)および/またはその分断ツール(52)は、前記エキスパンダ手段(18)に対して移動可能に構成されていることを特徴とする、請求項9から16のいずれか1つに記載の装置。
  18. 前記伸長マンドレル(18;50)には、孔(6)に対して半径方向に互いに対して移動可能である2つの伸長マンドレルハーフ(50.2、50.4)が設けられており、
    前記複数のフラクチャリングセグメント(24)の各々は、前記エキスパンダ手段の軸方向の挿入後において前記複数の環状ワークピースセクション(4)の各々に割り当てられるように配置されていることを特徴とする、請求項9から17のいずれか1つに記載の装置。
  19. 前記分断手段(52)は、前記2つの伸長マンドレルハーフ(50.2、50.4)の間を長手方向に伸びていることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
  20. 前記クランプおよびサポート設備は、前記ワークピース(2)を静止しているマウント(10)の上に固定して配置することを特徴とする、請求項9から19のいずれか1つに記載の装置。
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