JP4349093B2 - シリンダブロックのボア内周面にオイルピットを加工する装置と方法 - Google Patents

シリンダブロックのボア内周面にオイルピットを加工する装置と方法 Download PDF

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本発明は、内燃機関のシリンダブロックのボア内周面にオイルピットを加工する技術に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関のシリンダブロックのボア内周面は、平滑であると同時にピストンリングとの間に油膜を形成することができるだけの量のオイルを保持できるものでなければならない。そこで、ボア内周面にオイルピットを加工する必要が存在する。
特許文献1には、シリンダブロックのボア内周面に切断砥石でオイルピットを切込むことによってオイルピットを形成する技術が公開されている。
また特許文献2には、シリンダブロックのボア内周面にナ−リングマシンによって多数オイルピット(断面はV字形状)を切込むことによってオイルピットを形成する技術が公開されている。
また、シリンダブロックのボア内周面にレーザ光を照射してオイルピットを形成する技術も知られている。
特開平10−328998号公報 特開2000−179397号公報
特許文献1や特許文献2の技術は、ボア内周面を切断ないし切削してオイルピットを加工するものであり、切粉の発生が避けられない。細かな切粉はオイルピットに捕獲されてしまい、念入りに切粉の除去作業を実施しても除去しきれないことが多い。切粉がオイルピットに捕獲されたままであると、エンジンの使用中に切粉がオイルピットから解放され、解放された切粉がピストンリングとボア内周面の間隙に入り込み、両者を傷つけてしまうことがある。また、ボア内周面を切断ないし切削してオイルピットを加工する技術では、オイルピット群を散点状に形成することが困難となる。
シリンダブロックのボア内周面にレーザ光を照射してオイルピットを形成する技術によれば、オイルピット群を散点状に形成することができる。しかしながら、オイルピットの表面は、レーザ光によって溶融した金属が急冷されて形成された高硬度金属層で形成されており、高硬度金属層がピストンリングを攻撃して磨耗させる可能性が高い。
本発明では、オイルピットの加工にあたって、切粉を発生させず、高硬度金属層を形成させない加工方法を実現する。本方法の加工技術によると、従来の技術では形成できなかったオイルピットの加工も可能となる。
本発明の加工装置は、シリンダブロックのボアの内周面にオイルピットを加工する。この加工装置は、ボアがZ軸方向に伸びた姿勢でシリンダブロックを固定する固定機構と、その固定機構に対してX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能な主軸台と、その主軸台に対してZ軸の回りに回転可能なパンチユニットと、そのパンチユニットに弾性部材を介してZ軸に垂直な方向に移動可能に弾性支持されているパンチ型を備えている。
本発明の加工装置では、主軸台が固定機構に対してZ軸方向に移動するとパンチユニットとパンチ型がボア内に侵入する。パンチユニットがZ軸の回りに回転するとパンチ型がボアの内周面に対して垂直な姿勢をとる。主軸台が固定機構に対してX軸方向とY軸方向に移動するとパンチ型の先端が弾性部材の弾性力によってボアの内周面に垂直に押し付けられる
固定機構と主軸台は、結果的にX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能であればよく、固定された主軸台に対して固定機構が3軸に移動可能であってもよいし、逆に、固定された固定機構に対して主軸台が3軸に移動可能であってもよい。あるいは、固定機構がX軸方向とY軸方向に移動可能で主軸台がZ軸方向に移動可能であってもよい。
パンチユニットパンチ型を弾性支持されている状態とは、スプリングによる弾性力によって、パンチユニットとパンチ型の一つの方向における距離が可変になっていることをいう。距離が可変な方向を付勢方向という。
シリンダブロックを固定する固定機構に対して主軸台がX軸方向とY軸方向に相対移動可能であれば、パンチ型をXY平面内で自在に移動させることができる。また、固定機構に対して主軸台がZ軸方向に相対移動可能であれば、パンチ型の付勢方向先端をボア内の軸方向の任意の位置に向けることができる。さらに、パンチユニットが主軸台に対してZ軸の回りに回転可能であると、パンチ型の付勢方向をボアの内周面に対して垂直に向けることができる。そして、固定機構に対して主軸台がX軸方向とY軸方向に相対移動可能であれば、パンチ型の付勢方向に沿ってパンチユニットをボアの内周面に向けて前進させることができる。
即ち、パンチユニットに対して弾性部材を介して弾性部材の付勢方向に移動可能に弾性支持されているパンチ型の先端がシリンダブロックのボアの内周面のオイルピット形成位置を指向するとともにパンチ型の付勢方向がボアの内周面に直交する姿勢にパンチ型とパンチユニットを位置決めする。主軸台が固定機構に対してX軸方向とY軸方向に移動すると、パンチユニット付勢方向に沿ってボアの内周面側に移動し、弾性部材の弾性力によってパンチ型の先端をボアの内周面に押し込むことが可能となる。
この方法でオイルピットを形成すると、パンチユニットとボア内周面の相対位置関係の精度が緩和され、パンチユニットとボア内周面の相対位置関係が予定のものから少々ずれていても、そのずれが弾性部材によって緩和され、ボアの内周面にほぼ予定したとおりの大きさと形状のオイルピットを形成することが可能となる。この装置や方法によると、切粉を発生させず、高硬度金属層を形成させないでオイルピット加工することが可能となる。
放射状に広がる割型を利用すると、ボアの内周面の広い範囲に一度にオイルピットを加工することができる。また、放射状に広がるパンチ型群を利用することによって、パンチ型群とボアの内周面が同軸に調整され、主軸台とボア内周面の相対位置関係の精度を緩和することができる。割型群に対してパンチ型群を弾性支持すると、主軸台とボア内周面の相対位置関係の精度をさらに緩和することができる。
この方式のオイルピット加工装置は、ボアがZ軸方向に伸びた姿勢でシリンダブロックを固定する固定機構と、その固定機構に対してX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能な主軸台と、その主軸台に取付けられているパンチユニットを備えている。
そのパンチユニットは中型と割型を備えている。中型は、先端が細くなっているテーパ状である。割型は、先細テーパ形状の中型に対応する先細テーパ形状の空間を内部に有するとともにZ軸方向に伸びる割面で少なくとも2等分されている。先細テーパ形状の中型がZ軸方向に相対的に進出すると、割型群の外周面が拡径する。この方式のオイルピット加工装置は、割型群に弾性支持されているパンチ型群を備えている
固定機構と主軸台は、結果的にX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能であればよく、固定された主軸台に対して固定機構が3軸に移動可能であってもよいし、逆に、固定された固定機構に対して主軸台が3軸に移動可能であってもよい。あるいは、固定機構がX軸方向とY軸方向に移動可能で主軸台がZ軸方向に移動可能であってもよい。
シリンダブロックを固定する固定機構に対して主軸台がX軸方向とY軸方向に相対移動可能であれば、パンチ型群の中心位置をボアと同軸に調整することができる。放射状に拡径する複数の割型群とその割型群に弾性支持されているパンチ型群の両者を縮径しておいてZ軸方向移動させれば、両者をシリンダブロックのボア内にボア内に侵入させ、両者をボアと同軸に位置決めすることができる。
パンチユニットが中型と割型を備えており、中型は先端が細くなっているテーパ状であり、割型群が、中型に対応する先細テーパ形状の空間を内部に有しており、Z軸方向に伸びる割面で少なくとも2等分されていると、先細テーパ形状の中型がZ軸方向に相対的に進出することによって、割型群の外周面は拡径する。拡径する割型群にパンチ型群が弾性支持されいれば、パンチ型群も放射状に拡径する。放射状に広がる割型群を拡径すると、弾性部材の弾性力によってパンチ型群をボアの内周面に押し込んでボアの内周面を塑性変形させることが可能となる。
この方法でオイルピットを形成すると、主軸台とボア内周面の相対位置関係の精度が緩和され、主軸台とボア内周面の相対位置関係が予定のものから少々ずれていても、そのずれが割型群とパンチ型群を弾性支持している弾性部材によって修正される。ボアの内周面にほぼ予定したとおりの大きさと形状のオイルピットを形成することが可能となる。この装置や方法によると、切粉を発生させず、高硬度金属層を形成させないでオイルピット加工することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) パンチユニットに複数個のパンチ型を取付けるとき、複数のパンチ型を同一Z軸上に揃え、パンチ型の付勢方向を全部同一に揃える。パンチ型はZ軸方向に配置し、複数のパンチ型の先端を同一Z軸上に揃える。
(形態2) 割型をZ軸方向から見て放射状に分割し、各分割型にパンチ型を弾性支持する。パンチ型の先端は割型の中心Z軸から半径方向に所定距離に揃える。
(形態3) オイルピットの1つの形態の断面形状は、2段階に拡開するV字形状であり、深いV字形状と浅いV字形状を組合せた形状である。
本発明を具現化する第1実施例を図1から図4を用いて説明する。図1は本実施例のオイルピット加工装置の側面図であり、一部断面図となっている。図2はパンチ型とオイルピットの断面形状を示した図である。図3は加工中のパンチ型のボア内周面に対する動きを説明するための図であり、図4は加工後のシリンダブロックの縦断面図である。なお、ボアの内周面は斜視している。
本実施例のオイルピット加工装置はシリンダブロックのボアの内周面に適量のオイルを保持するためのオイルピットを形成する装置である。図1に示すように、オイルピット加工装置10は、ベッド12上にX軸スライドベッド14が載置されている。X軸スライドベッド14上にはX軸テーブル16がX軸方向に移動自在に載置されている。X軸テーブル16上にY軸スライドベッド18が載置されている。Y軸スライドベッド18上にY軸テーブル20がY軸方向に移動自在に載置されている。即ち、Y軸テーブル20はX軸方向にもY軸方向にも移動する。Y軸テーブル20は図示しないチャック機構を有しており、Y軸テーブル20上に載置されるシリンダブロック22を固定する。シリンダブロック22は、ボア28の中心軸がZ軸方向となるように固定される。
ベッド12上にはコラム24も載置されている。コラム24には主軸台26が取付けられている。主軸台26は、Z軸方向に移動自在に取付けられており、Z軸を回転軸として回転する回転機構部30を有している。回転機構部30には、パンチ型34を内蔵するパンチユニット36が脱着可能に取付けられている。パンチ型34は、ばね等の弾性部材38によってZ軸に垂直な一方向に移動自在にパンチユニット36に支持されている。パンチユニット36はパンチ型34が取付けられた状態でボア28の上方からボア28内部に侵入することができる大きさである。パンチ型34の先端をボア内周面28aに押付けることによってオイルピット32を成形する。
図2の図中右側の図はパンチ型34の断面図である。パンチ型34は略円筒形状であり、一端は加工部であり、他端はパンチユニット36の弾性部材38に支持されている(図1参照)。パンチ型34の図中左端の加工部は、先端に向かって細くなる円錐形状である。図中左側の図はボア内周面28aに形成されたオイルピット32の縦断面形状を示した図である。パンチ型34をボア内周面28aに押付けることによって、ボア内周面28aにパンチ型34の先端形状と同一形状のオイルピット32が形成される。オイルピット32の縦断面形状は、ボア内周面28aに拡開するV字形状となる。
上記の構成のオイルピット加工装置10の動作とこのオイルピット加工装置10を用いたオイルピット加工方法について説明する。
まず、パンチユニット36を取付けたとき、パンチユニット36がシリンダブロック22と干渉しない位置となるまで主軸台26を上昇させておく。この状態で、パンチ型34を取付けたパンチユニット36を回転機構部30に装着する。そして、シリンダブロック22をY軸テーブル20上に載置し、チャック機構により固定する。
次に、Y軸テーブル20とX軸テーブル16を移動させ、パンチユニット36がシリンダブロック22のボア28内に挿入できる位置になるように、パンチユニット36をシリンダブロック22のボア内周面28aに対して位置決めする。なお、この位置決めは、図示しない駆動モータのパルスを検知しながら行う。なお、これに代えて、Y軸テーブル20とY軸スライドベッド18の間と、X軸スライドベッド14とY軸スライドベッド18に内蔵されたリニアスケールによって位置を検知しながら位置決めを行ってもよい。
次に、主軸台26を下降させてパンチユニット36をボア28内に挿入し、パンチ型34の先端が、成形しようとするオイルピット32の高さとなるように、パンチユニット36をシリンダブロック22のボア内周面28aに対して位置決めする。主軸台26の高さもX軸テーブル16とY軸テーブル20と同様の方法で位置決めを行う。
上記のようにパンチユニット36をボア内周面28aに対して相対的に位置決めすることによって、パンチ型34は、シリンダブロック22のボア内周面28aのオイルピット32形成位置に対向するとともに、その付勢方向がボア内周面28aに直交する姿勢に位置決めされる。
図3はボア内周面28aに対するパンチ型34の相対的な動きを模式的に示す平面図である。なお、図3では図面の明瞭化のため、パンチユニット36や弾性部材38等の図示を省略している。X軸テーブル16とY軸テーブル20のいずれか一方、あるいは同時に両方を、予め実験によって求めておいた設定量だけ移動させ、図3に示すように、パンチ型34をボア内周面28aに対して垂直に押付ける(図中矢印方向)。この動きによってボア内周面28aに所定の形状(図2参照)のオイルピット32が成形される。
オイルピット32の成形後、パンチ型34の先端をボア内周面28aに押付けた方向と逆方向にX軸テーブル16とY軸テーブル20を移動させ、パンチ型34とボア内周面28aを離す(図中矢印方向)。次に、回転機構部30の図示されない駆動モータを駆動させ、パンチ型34の先端が、次にオイルピット32を成形する位置までくるようにパンチユニット36を回転移動させる。即ち、パンチ型34の先端をボア内周面28aに沿って水平移動させる。なお、回転機構部30の駆動モータはエンコーダを備えており、位相を検知しながら回転することができる。ボア内周面28aに対してパンチ型34が垂直になるようにパンチ型34の先端を位置決めした後、上記の一連の成形動作を行ってオイルピット32を成形する。
パンチ型34は弾性部材38によって水平方向に弾性支持されているため、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差が、ボア内周面28aに対するパンチ型34の押圧に及ぼす影響は小さい。これにより、オイルピット32の形成精度は安定化する。ボア内周面28aとピストンリング(図示省略)との摺動抵抗を最小にする、最適なオイルピット32の形状(オイルピットの深さや幅等)が存在することがわかっているため、オイルピット32の形成精度を安定化することによって、ボア内周面28aとピストンリングとの摺動抵抗を低下させることが可能となる。
なお、X軸テーブル16および/またはY軸テーブル20を移動させる力がそのままパンチ型34をボア内周面28aに押付ける力になるわけではない。パンチ型34を付勢している弾性部材38によって、パンチ型34をボア内周面28aに押付ける力は、X軸テーブル16および/またはY軸テーブル20を移動させる力以下の力となる。
以上の動作を繰り返すことにより、図4に示すように、水平に伸びる破線状のオイルピット32群をボア内周面28aに全周に亘って形成する。なお、破線は複数のオイルピット32が水平に並んで構成されている。これを1段目のオイルピット32群とし、さらに、主軸台26を次に成形しようとする2段目のオイルピット32の位置まで下降させて上記の動作を繰り返すことによって、2段目のオイルピット32群が成形される。以下同様に、3段目のオイルピット32群・・・が形成される。
なお、2段目のオイルピット32群を成形するとき、図4に示すように、1段目のオイルピット32群と周方向の位置(位相)をずらして重ならないようにし、3段目のオイルピット32群を成形するとき、1段目のオイルピット32群と位相を揃えるようにする。このようにオイルピット32の位置を一段毎に交互に配置することにより、オイルをボア内周面28aの全周に亘って均一に行渡らせることができる。ただし、オイルピット32の配置についてはこれに限るものではない。
本実施例のオイルピット加工装置10によれば、パンチ型34はパンチユニット36に固定されておらず、弾性部材38によって付勢された状態となっている。パンチユニット36とボア内周面28aを近づけると、パンチ型34が弾性力でボア内周面28aに押付けられ、パンチ加工が行われる。このオイルピット加工装置10によれば、たとえパンチ型34が磨耗していたり、あるいはX軸テーブル16やY軸テーブル20の位置決めに誤差があったりしても、パンチ型34が弾性支持されているため、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差量はある程度吸収されてしまう。従って、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差を考慮することなく、高精度にオイルピット32を加工することができる。
従来のオイルピット加工装置は切削刃具を用いてオイルピットを成形していた。ボア内周面を切断ないし切削してオイルピットを加工すると、切粉の発生が避けられない。細かな切粉はオイルピットに捕獲されてしまい、念入りに切粉の除去作業を実施しても除去しきれないことが多い。切粉がオイルピットに捕獲されたままであると、エンジンの使用中に切粉がオイルピットから解放され、解放された切粉がピストンリングとボア内周面の間隙に入り込み、両者を傷つけてしまうことがある。また、ボア内周面を切断ないし切削してオイルピットを加工する技術では、オイルピット群を散点状に形成することが困難となる。さらに、切削刃具が磨耗していたり、あるいは位置決めに誤差があったりしたまま加工すると、切削刃具の磨耗量分や位置決め誤差量分だけ、オイルピット形状の精度に悪影響を及ぼすため、安定した精度でオイルピットを加工することができない。
シリンダブロックのボア内周面にレーザ光を照射してオイルピットを形成するオイルピット加工装置によれば、オイルピット群を散点状に形成することができる。しかしながら、オイルピットの表面は、レーザ光によって溶融した金属が急冷されて形成された高硬度金属層で形成されており、高硬度金属層がピストンリングを攻撃して磨耗させる可能性が高い。
本実施例のオイルピット加工装置は、ボアの内周面を塑性変形させてオイルピットを加工する。パンチ型の形状をボアの内周面に転写してオイルピットを加工する。これによれば、切削加工のように加工時に切粉が発生することもなければ、レーザ加工のように高硬度金属層が形成されることもない。さらに、隣接するオイルピットから周方向にも軸方向にも離反したオイルピットを形成することができ、本実施例で示したように散点状のオイルピット群を形成することができる。
また、従来の切削加工に用いられる切削刃具は数から数十μmの微細な切れ刃成形が必要であるため、切削刃具の製作に手間が掛り、高コストであった。しかし、本実施例のオイルピット加工装置にはパンチ型が用いられている。パンチ型の製作には微細な加工は不要であるため、容易に製作することができ、しかも低コスト化することができる。さらに、パンチ型の製作やパンチ加工は容易であるため、オイルピット形状の設計自由度は飛躍的に向上する。ボア内周面の摺動抵抗が最小となるオイルピット形状(オイルピット深さ/オイルピット幅)の最適値が存在することが確認されているため、オイルピットの成形精度の安定化は、ひいてはエンジン性能の向上につながる。
オイルピット32の縦断面形状は上記に限らない。図5〜図7に別のパンチ型44,54,64と、そのパンチ型44,54,64によってそれぞれ成形されるオイルピット42,52,62の縦断面形状を示す。
図5の図中右側の図に示すパンチ型44の先端は細い円筒形状である。このパンチ型44をボア内周面28aに押付けることによって成形されるオイルピット42の縦断面形状は、図中左側の図に示すように矩形状となる。
図6の図中右側の図に示すパンチ型54の先端は球面形状である。このパンチ型54をボア内周面28aに押付けることによって成形されるオイルピット52の縦断面形状は、図中左側の図に示すように半円形状となる。
図7の図中右側の図に示すパンチ型64の先端は先端に向かって細くなる2つの円錐を組合せた形状である。先端側の円錐の方がより細くなっている。このパンチ型64をボア内周面28aに押付けることによって成形されるオイルピット62の縦断面形状は、図中左側の図に示すように2段階に拡開する2段V形状となる。この形状については後で詳述する。
上記の点状のオイルピット42,52,62の他に、図4に示した線状のオイルピットを加工するパンチ型を図13と図14に示す。図13はパンチ型74と、そのパンチ型74によって成形されるオイルピット72の縦断面形状であり、図14は図13のXIV−XIV線断面図である。図13の図中右側の図に示すように、パンチ型74の先端は、先端に向かって上下方向に細くなる形状である。このパンチ型74をボア内周面28aに押付けることによって成形されるオイルピット72の縦断面形状は、図中左側の図に示すようにボア内周面28aに拡開するV字形状となる。また、図14の横断面図によれば、図中右側の図に示すように、パンチ型74の先端は、ボア内周面28aの曲線よりカーブが溝深さb分だけ大きい楕円弧形状である。このパンチ型74をボア内周面28aに押付けることによって成形されるオイルピット72の横断面形状は、図中左側の図に示すようにオイルピット長さa、オイルピット深さbの水平方向に長尺な楕円弧形状となる。オイルピット72はボア内周面28aに水平に伸びるオイルピット長さaの線状となる。
これらのように、パンチ型を付け替えることによって、点状や線状等の様々なオイルピットの形状を成形することが可能である。容易に、且つ安価に様々な形状のオイルピットを形成することができる。
ところで、図7に示すパンチ型64によって成形されるオイルピット62は、深いV字形状の部分62aと浅いV字形状62bを組合せた2段V形状である。ピストンリングが摺動すると、オイルは深いV字形状の部分62aに侵入しようとする。オイルピット62には浅いV字形状の部分62bが形成されており、この浅いV字形状の部分62bは深いV字形状の部分62aの面取り部分にあたる。この形状によって、ピストンリングの摺動時にオイルが深いV字形状の部分62aに侵入しやすくなり、オイルピット62内で行き場を無くしたオイルが油膜を形成する。この現象によって、ピストンリングがボア内周面28aから浮くため、摺動抵抗が低減する。従って、オイルピットの軸心を通る断面形状は、メタル接触を確実に禁止できる段付形状であることが好ましく、さらに、V字を重ねた2段V形状であることがより好ましい。
上記の段付形状のような複雑なオイルピット形状を切削加工によって高精度に成形することは難しい。また、レーザ加工では、オイルピットの軸心を通る断面形状を調整するのが困難であるため、2段V形状のような段付形状のオイルピットを加工することは非常に困難である。しかし、本実施例のオイルピット加工装置10の行うパンチ加工によれば、従来の技術では形成できなかったオイルピット形状も高精度に且つ容易に成形することができる。
本発明を具現化する第2実施例を図8と図9を用いて説明する。図8は本実施例のオイルピット加工装置の側面図の一部であり、一部断面図となっている。図9は加工後のシリンダブロックの縦断面図である。本実施例は回転機構部に取付けられるパンチユニットの形状が第1実施例と異なっている。従って、第1実施例と同様の部分についての説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、第1実施例と共通する箇所については同一の符号を付してある。
図8に示すように、本実施例のオイルピット加工装置50の回転機構部30には、4個の同形同大のパンチ型34を内蔵するパンチユニット56が脱着可能に取付けられている。各パンチ型34は、ばね等の弾性部材38によってパンチユニット56に支持されている。4個のパンチ型34は、同一Z軸上に揃えられ、パンチ型34の付勢方向を全部同一に揃えられ、平行に且つ等間隔に配置されている。パンチ型34はZ軸方向に配置され、4個のパンチ型34の先端は同一Z軸上に揃えられている。
それぞれのパンチ型34の先端間の距離は、ボア内周面28aに形成されるオイルピット32群のうち、同一位相のオイルピット32間の距離となっている。例えば、図9に示すオイルピット32群は、ボア内周面28aを一周するオイルピット32群が平行に8段形成されており、1段目と3段目と5段目と7段目(奇数段)のオイルピット32群の位相は同一であり、2段目と4段目と6段目と8段目(偶数段)のオイルピット32群の位相は同一であるが奇数段のオイルピット32群の位相とは半量分ずれている。パンチユニット56に取付けられている4個のパンチ型34のそれぞれの先端は、ボア内周面28aに対して揃っているため、第1実施例に示した方法でオイルピット加工を一度行うと4段のオイルピット32を成形することができる。そこで、それぞれのパンチ型34の先端間の距離を、奇数段(偶数段も同じ)のオイルピット32群間の距離とし、奇数段のオイルピット32群をボア内周面28aに全周に亘って成形した後、パンチ型34の位相とZ軸方向の位置(高さ)を移動させ、偶数段のオイルピット32群をボア内周面28aに全周に亘って成形する。
本実施例のオイルピット加工装置50によれば、たとえ個々のパンチ型34がそれぞれ磨耗していたり、あるいはX軸テーブル16やY軸テーブル20の位置決めに誤差があったりしても、パンチ型34が弾性支持されているため、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差量はある程度吸収されてしまう。従って、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差を考慮することなく、高精度にオイルピット32を加工することができる。一度の加工で4個のオイルピット32を均一な形状で成形することができることから、生産効率が向上する。
本発明を具現化する第3実施例を図10を用いて説明する。図10は本実施例のオイルピット加工装置の側面図の一部であり、一部断面図となっている。本実施例はパンチ型を被加工面に押付ける機構が第1実施例や第2実施例と異なっている。従って、第1実施例、第2実施例と同様の部分についての説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、第1実施例、第2実施例と共通する箇所については同一の符号を付してある。
図10に示すように、本実施例のオイルピット加工装置70の回転機構部30には、第2実施例と同様に、4個の同形同大のパンチ型34を内蔵するパンチユニット76が脱着可能に取付けられている。4個のパンチ型34は、同一Z軸上に揃えられ、平行に且つ等間隔に配置されている。パンチ型34はZ軸方向に配置され、4個のパンチ型34の先端は同一Z軸上に揃えられている。さらに、本実施例のオイルピット加工装置70は、油圧ポンプ80と、油圧ポンプ80とパンチユニット76内を連通させる油路82を有する油圧機構を備えている。油圧機構は、4個のパンチ型34の摺動を油圧制御する。パンチ型34の摺動方向や摺動長さは全部同一に揃えられている。
それぞれのパンチ型34の先端間の距離を、ボア内周面28aに形成されるオイルピット32群のうち、同一位相のオイルピット32間の距離とすることによって、図9に示すようなオイルピット32群を、第2実施例と同様の手順で同位相のオイルピット32群を一度の加工で4段ずつ成形することが可能である。
本実施例のオイルピット加工装置70によれば、4個のパンチ型34はそれぞれ油圧制御されているため、パンチ型34をボア内周面28aに押付ける力を一定化することができる。たとえ個々のパンチ型34がそれぞれ磨耗していたり、あるいはX軸テーブル16やY軸テーブル20の位置決めに誤差があったりしても、パンチ型34が油圧制御されているため、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差量はある程度吸収されてしまう。従って、パンチ型34の磨耗量や位置決め誤差を考慮することなく、常に高精度にオイルピット32を加工することができる。一度の加工で4個のオイルピット32を均一な形状で成形することができることから、生産効率が向上する。
本発明を具現化する第4実施例を図11と図12を用いて説明する。図11は本実施例のオイルピット加工装置の側面図の一部であり、一部断面図となっている。図12は割型とパンチ型の平面図である。本実施例はパンチ型をボア内周面に押付ける機構が第1実施例から第3実施例と異なっている。従って、第1実施例から第3実施例と同様の部分についての説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、第1実施例から第3実施例と共通する箇所については同一の符号を付してある。
図11に示すように、本実施例のオイルピット加工装置90は、主軸台96の下部に形成された押部96aと、中型100と、割型102と、パンチ型104と、下型106を備えている。中型100は、押部96aの真下に配設され、上方から下方に向かって徐々に細くなるテーパ形状の略円筒形状である。割型102は、中型100の外側に配設され、中空の略円筒形状をZ軸方向に放射状に8等分した形状である。そして、割型102の内周面はテーパ形状であり、割型102の内周面と中型100の外周面が面接触するように配設されている。パンチ型104は、それぞれの割型102の外周面にZ軸方向に4個ずつ同位相で等間隔に配置されている。さらに、パンチ型104の先端は割型の中心Z軸から半径方向に同一長さに揃えられている。下型106は、Y軸テーブル20上の、主軸台の押部96aと中型100の直下に配設され、扁平の円柱形状であり、上面の水平面で8個の割型102の下部を支持している。中型100と、4個のパンチ型104が取付けられた8個の割型102と、下型106はサブユニットを形成している。
上記の構成のオイルピット加工装置90の動作とこのオイルピット加工装置90を用いたオイルピット加工方法について説明する。
予め、サブユニットの中型100の下端は下型106から所定距離だけ離した状態としておく。まず、ボア28内にY軸テーブル20上のサブユニットが収容されるように、シリンダブロック22をY軸テーブル20上に載置し、チャック機構により固定する。次に、中型100の中心と主軸台96の押部96aの中心が一致するように、シリンダブロック22のX−Y平面上の位置決めを行う。
次に、主軸台96を降下させる。押部96aが中型100の上端部に当接してもなお主軸台96を降下させ、中型100を押して下方に移動させる。このとき、中型100はテーパ形状の外周面によって8個の割型102のテーパ形状の内周面を押しながら下降する。割型102の下方には下型106があるため、中型100が押した8個の割型102が、ボア28の中心に対して放射状に広がるように水平方向に移動する。割型102の外周面に取付けられたパンチ型104の先端がボア内周面28aに当接してもなお主軸台96を降下させ、パンチ型104の先端をボア内周面28aに押付ける。パンチ型104は割型102に掛る押力によってオイルピット32群を成形する。本実施例では、一度主軸台96を降下させると、4×8=32(個)のオイルピット32がボア内周面28aの全域に亘って一度に形成される。
たとえば、サブユニットの中心Z軸とボア28の中心Z軸が若干ずれていたとする。この状態でパンチ加工を行うと、ボア内周面28aに近いパンチ型104ほど深くボア内周面28aに押付けられ、ボア内周面28aから離れたパンチ型104ほど浅くボア内周面28aに押付けられることが想像されるが、実際はそうではない。中型100が割型102を移動させるのに必要な力よりも、X軸テーブル16やY軸テーブル20が移動するのに必要な力の方が大きく、さらにそれよりもパンチ型104がボア内周面28aをパンチ加工するのに必要な力の方がはるかに大きい。従って、1つの割型102に取付けられたパンチ型104が、他の割型102に取付けられたパンチ型104より早くボア内周面28aに当接しても、ボア内周面28aがパンチ型104を押し返す応力に負けてX軸テーブル16とY軸テーブル20が自動的に動く。これによって、サブユニットの中心Z軸とボア28の中心Z軸のずれが微調整され、やがて解消されて一致する。全ての割型102に取付けられたパンチ型104がボア内周面28aに当接してから均一な力で押付けられるため、全てのオイルピット32の形状を揃えることができる。
本実施例のオイルピット加工装置90によれば、中型100と割型102とパンチ型104と下型106を有する型組(サブユニット)を使用してオイルピット加工を行う。主軸台96の押部96aによって中型100を下方に押して下降させることによって、割型102の外周面に取付けられたパンチ型104がボア内周面28aに押付けられる。このとき、サブユニットの中心Z軸とボア28の中心Z軸のずれは、加工中にX軸テーブル16とY軸テーブル20が自動的に動いて微調整されて解消される。従って、パンチ型104の磨耗量や位置決め誤差を考慮することなく、高精度にオイルピット32を加工を行うことができる。
また、本実施例のオイルピット加工装置90のように、割型102に取付けるパンチ型104の位置を工夫することによって、一度のオイルピット加工によってボア内周面28aの全域に亘ってオイルピット加工を行うことができ、生産効率が飛躍的に向上する。
本実施例では、ボア内周面28aがパンチ型104を押し返す応力に負けてX軸テーブル16とY軸テーブル20が自動的に動く作用を利用し、パンチ型104の位置決め誤差を解消した。これに代えて、中型100のフローティング機構を設けておくことによって、サブユニットの中心Z軸とボア28の中心Z軸にずれがあっても、中型100が自動的に動いてずれが微調整されるため、同様の効果を得ることができる。
さらに、ばね等によってパンチ型104を割型102に弾性支持させることにより、パンチ型104の磨耗量や位置決め誤差量をより効果的に吸収することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例のオイルピット加工装置の側面図(一部断面図)。 パンチ型とオイルピットの断面形状を示した図(1)。 加工中のパンチ型のボア内周面に対する動きを説明するための図。 加工後のシリンダブロックの縦断面図。 パンチ型とオイルピットの断面形状を示した図(2)。 パンチ型とオイルピットの断面形状を示した図(3)。 パンチ型とオイルピットの断面形状を示した図(4)。 第2実施例のオイルピット加工装置の側面図(一部断面図)。 加工後のシリンダブロックの縦断面図。 第3実施例のオイルピット加工装置の側面図(一部断面図)。 第4実施例のオイルピット加工装置の側面図(一部断面図)。 割型とパンチ型の平面図。 パンチ型とオイルピットの断面形状を示した図(5)。 図13のXIV−XIV線断面図。
符号の説明
10,50,70,90:オイルピット加工装置
12:ベッド
14:X軸スライドベッド
16:X軸テーブル
18:Y軸スライドベッド
20:Y軸テーブル
22:シリンダブロック
24:コラム
26:主軸台
28:ボア、28a:ボア内周面
30:回転機構部
32,42,52,62,72:オイルピット
34,44,54,64,74:パンチ型
36,56,76:パンチユニット
38:弾性部材
50:オイルピット加工装置
70:オイルピット加工装置
80:油圧ポンプ
82:油路
96:主軸台、96a:押部
100:中型
102:割型
104:パンチ型
106:下型

Claims (4)

  1. シリンダブロックのボアの内周面にオイルピットを加工する装置であり、
    前記ボアがZ軸方向に伸びた姿勢で前記シリンダブロックを固定する固定機構と、
    前記固定機構に対してX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能な主軸台と、
    前記主軸台に対してZ軸の回りに回転可能なパンチユニットと、
    前記パンチユニットに弾性部材を介してZ軸に垂直な方向に移動可能に弾性支持されているパンチ型を備えており、
    前記主軸台が前記固定機構に対してZ軸方向に移動すると前記パンチユニットと前記パンチ型が前記ボア内に侵入し、前記パンチユニットがZ軸の回りに回転すると前記パンチ型が前記ボアの内周面に対して垂直な姿勢をとり、前記主軸台が前記固定機構に対してX軸方向とY軸方向に移動すると前記パンチ型の先端が前記弾性部材の弾性力によって前記ボアの内周面に垂直に押し付けられることを特徴とする加工装置。
  2. シリンダブロックのボアの内周面にオイルピットを加工する方法であり、
    パンチユニットに対して弾性部材を介してその弾性部材の付勢方向に移動可能に弾性支持されているパンチ型を、前記シリンダブロックの前記ボアの内周面のオイルピット形成位置に対向するとともに前記付勢方向が前記ボアの内周面に直交する姿勢に位置決めする工程と、
    前記パンチユニットを前記付勢方向に沿って前記ボアの内周面側に移動させ、前記パンチ型を弾性支持している前記弾性部材の弾性力によって前記パンチ型を前記ボアの内周面に押し込んで前記ボアの内周面を塑性変形させる工程を備えているオイルピット加工方法。
  3. シリンダブロックのボアの内周面にオイルピットを加工する装置であり、
    前記ボアがZ軸方向に伸びた姿勢で前記シリンダブロックを固定する固定機構と、
    前記固定機構に対してX軸方向とY軸方向とZ軸方向に相対移動可能な主軸台と、
    前記主軸台に取付けられているパンチユニットを備え、
    前記パンチユニットは、先細テーパ形状の中型と、その中型に対応する先細テーパ形状の空間を内部に有するとともにZ軸方向に伸びる割面で少なくとも2等分されており、先細テーパ形状の中型がZ軸方向に相対的に進出すると拡径する外周面を有する割型群を備えており、
    その割型群に弾性支持されているパンチ型群を備えていることを特徴とする加工装置。
  4. シリンダブロックのボアの内周面にオイルピットを加工する方法であり、
    放射状に拡径する複数の割型群とその割型群に弾性支持されているパンチ型群の両者を縮径した状態で前記シリンダブロックの前記ボア内に侵入させて前記ボアと同軸に位置決めする工程と、
    前記割型群を拡径することによってパンチ型群を弾性支持している弾性部材の弾性力によって前記パンチ型群を前記ボアの内周面に押し込んで前記ボアの内周面を塑性変形させる工程を備えているオイルピット加工方法
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