JP6091474B2 - ワークの表面加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの表面加工方法に関する。
ベルト式の無段変速機のプーリ(プライマリプーリ、セカンダリプーリ)は、フランジ状のシーブ部を軸部に備える固定円錐板と、フランジ状のシーブ部を円筒状の基部に備える可動円錐板とを、同軸上で互いに組み付けた基本構成を有している。
可動円錐板は、当該可動円錐板の円筒状の基部を固定円錐板の軸部に外挿して、固定円錐板に組み付けられており、この状態において、可動円錐板と固定円錐板とは、共通の回転軸回りの相対回転が規制された状態で、回転軸の軸方向に相対移動可能に組み付けられている。
可動円錐板のシーブ部と固定円錐板のシーブ部の互いの対向部には、回転軸に対して所定角度傾斜したシーブ面が設けられており、可動円錐板のシーブ部と固定円錐板のシーブ部との間には、無段変速機の金属製のベルトが巻き掛けられるV字状の溝(以下、「V溝」という)が形成されている。
車両用のベルト式無段変速機では、可動円錐板を回転軸の軸方向に移動させて、V溝の幅を変更することで、プライマリプーリとセカンダリプーリにおけるベルトの巻き掛け半径を変更するようになっており、これら可動円錐板と固定円錐板のシーブ面には、ベルトとの間の摩擦力の調整を目的とした溝が設けられている。
特許文献1には、シーブ面に溝を加工する方法が開示されている。
特開平02−030437号公報
特許文献1では、(1)溝が加工される前のシーブ面を有する可動円錐板または固定円錐板(以下、ワークという)を回転軸回りに回転させながら、溝切削用の工具を、回転軸の軸方向からシーブ面に押し当てたのち、工具の位置を、回転軸の軸方向と径方向に変位させて、回転軸の軸方向から見て、回転軸を中心とする同心状の溝をシーブ面に複数切削する切削工程と、(2)溝が形成されたシーブ面の表面を研削して、シーブ面に圧縮残留応力を生じさせる研磨工程とを経て、シーブ面に溝を形成している。
しかし、特許文献1の方法では、溝が加工される前のシーブ面の形状を整えるために、切削工程の前にシーブ面の表面を所定の切り込み深さで切削する面加工工程が必要である。この面加工工程では、切削工程で形成される溝よりも深い切り込み深さでシーブ面を切削するため、切削工程で使用される溝加工用の工具よりも刃先の大きな別の工具を用いて切削する必要がある。
そのため、面加工工程ののち、面加工用の工具を溝加工用の工具に交換する手間が必要であるとともに、交換後に溝加工用の工具の位置調整を行う必要があった。
また、溝加工用の工具は、面加工用の工具より刃先が細いものが使用されるため、溝加工用の工具は、面加工用の工具よりも工具寿命が短く、工具の摩耗量を定期的に測定する必要があった。
そこで、工具の交換や摩耗量の測定、工具の位置調整を頻繁に行う必要なく、より簡単にシーブ面の加工を行えるようにすることが求められている。
本発明は、ワークを回転軸回りに回転させながら、切削用の工具を前記回転軸の軸方向から前記ワークの表面に押し当てたのち、前記工具の位置を、前記回転軸の軸方向と径方向に変位させて、前記ワークの表面を切削するワークの表面加工方法であって、
前記工具を切削前のワークの表面に押し当てたのち、前記工具を、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さの位置で保持した状態で、前記回転軸の径方向に第1の速度で変位させて、前記ワークの表面を、前記工具の第1の弾性変形に応じた分だけ、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さよりも浅く切削する面加工工程と、
前記面加工工程ののち、前記工具を、前記切削前の前記ワークの表面を基準とした前記所定の切り込み深さの位置で保持した状態で、前記回転軸の径方向に前記第1の速度よりも速い第2の速度で変位させて、前記ワークの表面を、前記工具の前記第1の弾性変形よりも小さい第2の弾性変形に応じた分だけ、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さよりも浅く切削して溝を形成する溝加工工程と、を備える構成のワークの表面加工方法とした。
本発明によれば、ワークの表面に工具を押し当てると、工具は、ワークの表面から作用する反力で弾性的に変形する。ワークの表面に工具を押し当てる際の工具の位置を、面加工工程と溝加工工程の両方において、切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さの位置に設定すると、溝加工工程で工具に作用する反力の方が、面加工工程で削られたワークの厚みの分だけ、面加工工程で工具に作用する反力よりも小さくなる。
そうすると、溝加工工程で工具に作用する反力が小さくなる結果、溝加工工程での工具の弾性変形量が小さくなるので、溝加工工程では、ワーク表面に対する工具の切り込み深さが、工具の弾性変形量が小さくなった分だけ、面加工工程のときよりも深くなる。
ここで、溝加工工程では、切削前のワーク表面を基準とした工具の切り込み深さは面加工工程のときよりも深くなるものの、溝加工工程で切削される前のワーク表面は、既に面加工工程で所定の深さで切削されているので、溝加工工程では、工具の刃先の先端部分でワーク表面を浅く切削することになる。
よって、面加工工程と溝加工工程における工具の弾性変形量の違いを利用して、同一の工具で面加工と溝加工とを行うことができるので、面加工と溝加工とで別の工具を用いる場合よりも、工具の交換や摩耗量の測定、工具の位置調整を頻繁に行う必要なく、溝の切削を行える。
実施の形態にかかるワークの表面加工方法を説明する図である。 実施の形態にかかるワークの表面加工方法の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態に係るシーブ面の加工状態を説明する要部断面図である。
以下、実施の形態にかかるワークの表面加工方法を、車両用のベルト式無段変速機を構成するプーリの固定円錐板のシーブ面の加工に適用する場合を例に挙げて説明する。
図1は、固定円錐板の表面加工方法を説明する図であり、(a)は、シーブ面141の加工装置での加工対象であるワーク10(固定円錐板)とバイト20(工具)との配置を説明する図であり、(b)は、(a)におけるA−A方向から見たワーク10の正面図であって、シーブ面141に形成される溝1412を説明する図である。
図1の(a)に示すように、固定円錐板(以下、「ワーク10」と表記する)は、中心軸X1に沿って延びる軸部12の長手方向における途中位置に、円錐形状のシーブ部14が設けられた基本形状を有しており、中心軸X1の軸方向におけるシーブ部14の一方の面は、中心軸X1に対して所定角度傾斜したシーブ面141となっている。
このシーブ面141の加工に用いられる加工装置(旋盤)は、軸部12の長手方向の一端を回転可能に支持する回転センタ3と、軸部12の長手方向の他端を把持すると共にワーク10を中心軸X1回りに回転させるチャック装置2と、シーブ面141の表面加工に用いられる工具(以下、「バイト20」と表記する)と、を有している。
この旋盤によりシーブ面141を切削する際には、ワーク10を中心軸X1回りに回転させた状態で、バイト20に設けたチップ22(刃)を、中心軸X1の軸方向から、シーブ面141に押し当てたのち、チップ22のシーブ面141との接触位置を、中心軸X1の径方向に変位させることで、シーブ面141を研削するようになっている。
バイト20は、図1の(a)および(b)に示すように、四角柱形状の基部21を有しており、この基部21の長手方向における一端部(先端部)には、ワーク10を切削するためのチップ22(刃)が取り付けられており、他端部は、図示しないバイト20の駆動機構に連結されている。
実施の形態では、バイト20には鋼材などが用いられ、チップ22にはCBNや超硬合金などが用いられる。
チップ22のノーズ221は、先端がR形状となっている。これにより、切削の際にノーズ221がシーブ面141に衝突した場合でも、ノーズ221が欠け難くなっている。
バイト20は、図示しない駆動機構により、中心軸X1の軸方向(図中矢印X方向)と径方向(図中矢印Y方向)に移動可能となっており、シーブ面141の表面を切削する際には、図示しない駆動機構により、チップ22のノーズ221の位置が、切削前のシーブ面141の位置を基準とした所定の切り込み深さhaの位置(図3の(a)参照)で保持された状態で、中心軸X1の径方向に変位するように制御されるようになっている。
実施の形態では、ワーク10を中心軸X1回りに一定速度Vで回転させている状態で、チップ22のノーズ221を、ワーク10のシーブ面141の外径側の初期位置(以下、「加工開始位置P1」と表記する)に、中心軸X1の軸方向から押し当てたのち、ノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141の位置を基準とした所定の切り込み深さhaの位置(図3の(a)参照)で保持しつつ、内径側(中心軸X1側)の所定位置(以下、「加工終了位置P2」と表記する)まで変位させることで、中心軸X1の軸方向から見て、シーブ面141を、全面に亘ってまたは螺旋状に切削するようになっている。
そして、ノーズ221が、加工終了位置P2に到達した時点で、ノーズ221をシーブ面141から離す方向に移動させてシーブ面141の切削を終了するようになっている。
次に、ワーク10の表面加工方法を説明する。
図2は、ワーク10の表面加工方法の流れを説明するフローチャートである。
図3は、シーブ面141の加工過程を説明する断面図であり、(a)は、切削前のシーブ面141と、バイト20が備えるチップ22のノーズ221との位置関係を説明する図であって、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaを説明する図である。図3の(b)は、シーブ面141をチップ22のノーズ221で切削している状態を説明する図であって、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaと、実際の切り込み深さh1との関係を説明する図であり、(c)は、シーブ加工面1411の切削により溝1412を形成している状態を説明する図であって、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaと、実際の切り込み深さh2との関係を説明する図である。
実施の形態に係るワーク10の表面加工方法は、浸炭焼入れ工程(ステップ101)、面加工工程(ステップ102)、溝加工工程(ステップ103)、溝深さ測定工程(ステップ104)、フィルムラッピング加工工程(ステップ105)の順番で実施される。
初めに、ステップ101の浸炭焼入れ工程では、ワーク10の浸炭焼入れ焼き戻しにより、シーブ面141の表面を硬化させる。シーブ面141には、金属製のベルトが巻き掛けられるので、ベルトとの間の摩擦によるシーブ面141の摩耗を抑えるためである。
図3の(b)に示すように、ステップ102の面加工工程では、ワーク10を中心軸X1回りに一定速度Vで回転させている状態で、チップ22のノーズ221を、中心軸X1の軸方向からシーブ面141の加工開始位置P1に押し当てたのち、ノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaの位置で保持した状態で、内径側(回転軸X1側)の加工終了位置P2まで、所定の変位速度(第1の送り速度s1)で変位させる。
これにより、切削前のシーブ面141が削られて、シーブ加工面1411が表面に露出する。
この面加工工程では、切削前のシーブ面141をチップ22で切削する際に、基部21の先端に設けられたチップ22がシーブ面141に押しつけられるが、この際に、基部21のチップ22が取り付けられた一端側には、チップ22をシーブ面141に押し付ける応力に対する反力R1がシーブ面141から作用しており、この反力R1は、ワーク10に対するチップ22の押し付け方向に対して反対の方向に作用している。
ここで、チップ22が取り付けられた基部21の基端側は、図示しない駆動機構側の部材で片持ち支持されているので、チップ22が取り付けられた基部21の一端側は、シーブ面141から作用する反力R1で、シーブ面141から離れる方向に弾性的に変位する。
そのため、面加工工程では、チップ22のノーズ221の位置が、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaとなるように設定されているものの(図3の(b)の破線参照)、実際には、ノーズ221の切り込み深さが、予定されていた切り込み深さhaよりも、基部21の一端側の弾性変形(第1の弾性変形)に相当する厚みhbだけ浅くなるので、実際の切り込み深さh1は、図3の(b)の実線で示すように、目標として設定されていた切り込み深さhaよりも浅くなる(h1=ha−hb)。
よって、面加工工程においてチップ22のノーズ221が実際にシーブ面141を切削する深さは、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaの位置よりも、弾性変形に起因する深さhb分だけ浅い位置となる。
ここで、実施の形態では、ノーズ221の第1の送り速度s1は、ノーズ221の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの1回の変位により、シーブ面141の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの全面を、ノーズ221により隙間無く切削できる速度に設定されている。
なお、面加工工程においてシーブ面141をチップ22で切削する回数は、1回だけに限定されるものではなく、ノーズ221の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの複数回の変位により、シーブ面141の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの全面を、ノーズ221により隙間無く切削するようにしても良い。
図3の(c)に示すように、ステップ103の溝加工工程では、ワーク10を中心軸X1回りに一定速度Vで回転させている状態で、バイト20のノーズ221を、中心軸X1の軸方向からシーブ加工面1411の加工開始位置P1に押し当てたのち、ノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaの位置で保持した状態で、内径側(回転軸X1)の加工終了位置P2まで、所定の変位速度(第2の送り速度s2)で変位させる。
ここで、この溝加工工程では、面加工工程での切削に用いられたバイト20を、シーブ加工面1411の切削にそのまま用いている。
さらに、この溝加工工程では、ノーズ221を加工開始位置P1から加工終了位置P2まで変位させるときの変位速度(第2の送り速度s2)を、面加工工程でのノーズ221の変位速度(第1の送り速度s1)よりも速くすることで(s2>s1)、面加工工程の結果得られたシーブ加工面1411が、径方向に間隔を開けてノーズ221により削られるようにしている。
これにより、ノーズ221の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの1回の変位により、シーブ加工面1411に、中心軸X1の軸方向から見て螺旋状を成す溝1412を形成している。
なお、溝加工工程においてシーブ加工面1411をチップ22で切削する回数は、1回だけに限定されるものではなく、ノーズ221の加工開始位置P1から加工終了位置P2までの複数回の変位により、シーブ加工面1411に、中心軸X1の軸方向から見て螺旋状を成す溝1412を形成するようにしても良い。
ここで、本願発明者は、シーブ面141とシーブ加工面1411を、先端にチップ22が取付られたバイト20で切削する際の基部21の弾性変形に着目して、同一のチップ22を用いて、面加工工程でのシーブ面141の全面に亘る切削と、溝加工工程でのシーブ加工面1411への溝の切削とを行えるようにしている。
具体的には、本願発明者らは、(1)溝加工工程においてシーブ加工面1411を切削する際にも、チップ22が設けられた基部21の一端側に弾性変形が生じること、(2)溝加工工程においてシーブ加工面1411を切削する際のノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaとなるように設定すると、面加工工程で削られた分だけ、シーブ加工面1411からチップ22のノーズ221に作用する反力R2が小さくなること、(3)チップ22のノーズ221に作用する反力R2が小さくなると、その分だけ、チップ22が設けられた基部21の一端側の弾性変形量が少なくなるので、シーブ加工面1411に対するノーズ221の実際の切り込み深さが、弾性変形量が小さくなった分だけ面加工工程のときよりも深くなること、に着目し、
溝加工工程におけるバイト20の回転軸X1の径方向の第2の送り速度s2を、面加工工程における第1の送り速度s1よりも速くすることで、同じチップ22を使用した場合であっても、切削時のノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaで固定したままで、面加工と溝加工とを行えることを見いだした。
そのため、実施の形態では、面加工工程においてシーブ面141を切削する際のノーズ221の位置と、溝加工工程においてシーブ加工面1411を切削する際のノーズ221の位置が、それぞれ、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaとなるように設定したうえで、溝加工工程におけるバイト20の回転軸X1の径方向の第2の送り速度s2を、面加工工程における第1の送り速度s1よりも速くしている。
そのため、溝加工工程では、ノーズ221の位置が、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaとなるように設定されているものの(図3の(c)の破線参照)、実際には、ノーズ221の切り込み深さが、予定されていた切り込み深さhaよりも、基部21の一端側の弾性変形(第2の弾性変形)に相当する厚みhcだけ浅くなるので、実際の切り込み深さh2は、図3の(c)の実線で示すように、目標として設定されていた切り込み深さhaよりも浅くなる(h2=ha−hc)。
そして、第2の送り速度s2に応じた中心軸X1の径方向の間隔を開けて、溝1412が切削される。
なお、ステップ103の溝加工工程に続いて実施される溝深さ測定工程(ステップ104)では、シーブ加工面1411に形成された溝1412の深さh2が測定される。
そして、この溝深さ工程に続いて実施されるフィルムラッピング加工工程(ステップ105)では、溝深さ測定工程で測定された溝1412の深さh2に基づいて、フィルムラッピング加工の条件が決定されたのち、決定された加工条件に基づいて、シーブ加工面1411の表面粗さ仕上げと、溝1412深さの調整が行われることになる。
上記したように、シーブ面141(シーブ加工面1411)から作用する応力によるチップ22が取り付けられた基部21の弾性変形を考慮して、面加工工程と溝加工工程でシーブ面141(シーブ加工面1411)を切削する際のノーズ221の位置と、第1の送り速度s1と、第2の送り速度s2とを設定することで、面加工工程と溝加工工程とで同一のチップ22を用いても、面加工と溝加工の両方を実施できる。
そのため、面加工工程で必要な大きさのチップ22を有するバイト20のように、従来の溝加工工程で使用していたバイトのチップよりも外径の大きなチップを用いて、面加工工程と溝加工工程での面加工と溝加工の両方を実施できる。これにより、チップ22が大きくなった分だけ、チップ22の耐久性が向上するので、フェース面の切削を繰り返すことによるチップ22の摩耗を抑えて、チップ22(バイト20)の交換頻度を減らすことができる。
以上の通り、実施の形態では、ワーク10を中心軸X1回りに所定の一定速度Vで回転させながら、切削用のバイト20(工具)の基部21の先端に取り付けたチップ22のノーズ221を、回転軸X1の軸方向からワーク10のシーブ面141(表面)に押し当てたのち、ノーズ221の位置を、中心軸X1の軸方向と径方向に変位させて、ワーク10のシーブ面141を切削するワークの表面加工方法であって、
ノーズ221を切削前のワーク10のシーブ面141に押し当てたのち、ノーズ221を、切削前のワーク10のシーブ面141を基準とした所定の切り込み深さhaの位置で保持した状態で、中心軸X1の径方向に第1の送り速度s1で変位させて、ワーク10のシーブ面141を、シーブ面141への押し当て力に対する反力R1による基部21の弾性変形(第1の弾性変形)に応じた厚みhbの分だけ、切削前のシーブ面141を基準とした所定の切り込み深さhaよりも浅く切削して、シーブ加工面1411を形成する面加工工程(ステップ102)と、
ノーズ221を、面加工工程で得られたシーブ加工面1411に押し立てたのち、ノーズ221を、切削前のワーク10のシーブ面141を基準とした所定の切り込み深さhaの位置で保持した状態で、回転軸X1の径方向に第1の送り速度s1よりも速い第2の送り速度s2で、ワーク10のシーブ面141に押し当てたバイト20の回転軸X1の径方向の外径側から内径側に向けた変位を、少なくとも1回以上行って、ワーク10のシーブ加工面1411を、シーブ加工面1411への押し当て力に対する反力R2による基部21の弾性変形(第2の弾性変形)に応じた厚みhcの分だけ、切削前のシーブ面141を基準とした所定の切り込み深さhaよりも浅く切削して、溝1412を形成する溝加工工程(ステップ103)と、を備えるワークの表面加工方法とした。
チップ22のノーズ221をワーク10のシーブ面141(シーブ加工面1411)に押し当てると、チップ22には、ノーズ221のシーブ面141(シーブ加工面1411)への押し当て応力に応じた反力(R1、R2)が作用するので、先端にチップ22が取付られた基部21が、チップ22(ノーズ221)をシーブ面141から離す方向に弾性的に変形する。
そのため、溝加工工程におけるバイト20の回転軸X1の径方向の第2の送り速度s2を、面加工工程における第1の送り速度s1よりも速くすることで、同じチップ22を使用した場合であっても、切削時のノーズ221の位置を、切削前のシーブ面141を基準とする所定の切り込み深さhaで固定したままで、面加工と溝加工とを行うことができる。
さらに、同一のバイト20で面加工と溝加工の両方の加工を行えるので、面加工と溝加工とで別のバイトを用いる場合よりも、長期に亘って精度良く溝を加工することができ、バイトの交換頻度や、バイトの摩耗測定や位置調整の頻度を少なくできる。
また、溝加工工程では、回転軸X1方向から見て、ワーク10のシーブ面141に押し当てたチップ22の位置を、ワーク10の回転軸X1の径方向にワーク10の直径線に沿って連続して変位させて、シーブ面141に渦巻状の溝1412を形成するようにした。
シーブ面141に外径側から内径側に渦巻状の溝1412が形成されるので、例えば、シーブ面141に潤滑油を被膜した場合には、シーブ面141と金属製ベルトとの摩擦力を適切に調整することができる。
また、上記の実施の形態では、面加工工程と溝加工工程の何れにおいても、シーブ面141(シーブ加工面1411)に押し当てたチップ22の位置を、シーブ面141(シーブ加工面1411)の外径側から内径側に変位させる場合を例示したが、シーブ面141(シーブ加工面1411)の内径側から外径側に変位させるようにしても良い。
さらに、シーブ面141(シーブ加工面1411)に押し当てたチップ22の位置を変位させる場合に、外径側から内径側の一方向にのみ変位させる場合を例示したが、チップ22の位置の変位を複数回行う場合には、例えば、シーブ面141(シーブ加工面1411)の外径側/内径側から内径側/外径側に向けた変位と、前記回転軸の径方向の内径側/外径側から外径側/内径側に向けた変位とを、交互に繰り返して切削を行うようにしても良い。
このようにすることによっても、同一のバイト20を用いて、面加工と溝加工の両方を行うことができる。
特に、チップ22の位置の内径側/外径側への変位と、外径側/内径側への変位とを交互に行う場合には、チップ22の位置を、内径側または外径側への一方向のみに変位させる場合よりも、チップ22の総変位量が少なくなるので、面加工工程と、溝加工工程での加工時間を短くすることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれる。
2 チャック装置
3 回転センタ
10 ワーク
12 軸部
14 シーブ部
141 シーブ面
1411 シーブ加工面
1412 溝
20 バイト
21 基部
22 チップ
221 ノーズ
P1 加工開始位置
P2 加工終了位置
R1、R2 反力
ha、h1、h2 切り込み深さ
s1 第1の送り速度(第1の速度)
s2 第2の送り速度(第2の速度)

Claims (4)

  1. ワークを回転軸回りに回転させながら、切削用の工具を前記回転軸の軸方向から前記ワークの表面に押し当てたのち、前記工具の位置を、前記回転軸の軸方向と径方向に変位させて、前記ワークの表面を切削するワークの表面加工方法であって、
    前記工具を切削前のワークの表面に押し当てたのち、前記工具を、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さの位置で保持した状態で、前記回転軸の径方向に第1の速度で変位させて、前記ワークの表面を、前記工具の第1の弾性変形に応じた分だけ、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さよりも浅く切削する面加工工程と、
    前記面加工工程ののち、前記工具を、前記切削前の前記ワークの表面を基準とした前記所定の切り込み深さの位置で保持した状態で、前記回転軸の径方向に前記第1の速度よりも速い第2の速度で変位させて、前記ワークの表面を、前記工具の前記第1の弾性変形よりも小さい第2の弾性変形に応じた分だけ、前記切削前のワークの表面を基準とした所定の切り込み深さよりも浅く切削して溝を形成する溝加工工程と、を備えることを特徴とするワークの表面加工方法。
  2. 前記溝加工工程では、
    前記ワークの表面に押し当てた前記工具の前記回転軸の径方向の内径側から外径側に向けた変位を、少なくとも1回行って、前記ワークの表面に前記溝を切削することを特徴とする請求項1に記載のワークの表面加工方法。
  3. 前記溝加工工程では、
    前記ワークの表面に押し当てた前記工具の前記回転軸の径方向の外径側/内径側から内径側/外径側に向けた変位と、前記回転軸の径方向の内径側/外径側から外径側/内径側に向けた変位とを、交互に繰り返して、前記ワークの表面に前記溝を切削することを特徴とする請求項1に記載のワークの表面加工方法。
  4. 前記溝加工工程では、前記回転軸方向から見て、前記ワークの表面に押し当てた前記工具の位置を、前記ワークの回転軸の径方向に前記ワークの直径線に沿って連続して変位させて、前記ワークの表面に渦巻状の溝を形成することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のワークの表面加工方法。
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