JP4605547B2 - 波形化プログラム及びパチンコ遊技機開発支援ツール - Google Patents

波形化プログラム及びパチンコ遊技機開発支援ツール Download PDF

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Description

本発明は、例えば、パチンコ遊技機の開発等を行う際に、パチンコ遊技機が所定の性能を有するものであるか否かを容易に理解・判断することができる波形化プログラム及びパチンコ遊技機開発支援ツールに関する。
パチンコ遊技機が有する機能は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、風営適正化法という。)に基づく「風俗営業等の規則および業務の適正化等に関する法律施行規則」(以下、施行規則という。)において、「著しく客の射幸心をそそるおそれのない遊技機を使用するものであること。」と定められている。
また、風営適正化法では遊技機の型式に関して「遊技機の認定および型式の検定等に関する規制」を定めて遊技機の技術上の規格統一が図られている。
したがって、パチンコ遊技機を製造するメーカは、パチンコ遊技機を製造後、そのパチンコ遊技機の認定及び型式の検定を受けるに当たって、風営適正化法に定められる「指定試験機関」(以下、単に試験機関という。)において、パチンコ遊技機の各種の性能が、風営適正化法に定められている条件に合致するか否かの各種の試験を受ける必要がある。
特開2001−029583号公報 特開2001−149620号公報
パチンコ遊技機の性能に係る試験には、重要なものとして、例えば、試射を連続10時間以上おこなったときに獲得される遊技球の総数が占める割合が、発射した遊技球の総数の2分の1を超え、且つ2倍を超えないものであること、また、この試射において役物が作動することによって得られる遊技球が占める割合が、おおむね7割(又は6割)を超えるものでないこと等が規定されている。
また、この試射に関連して、1分間に発射することができる遊技球が100個を超えるものでないこと等のほか、役物の作動に係る性能が規格に適合しているか否かを試験する必要がある。
ところで、従来、係るパチンコ遊技機の性能の試験には、各メーカ毎に独自の方法で、例えばストップウオッチ等を用いて行っていた。このため、正確な測定ができないという問題があった。また、各性能の試験毎に、個別に試験を行っていたので、試験のために多くの労力と時間とを必要としていた。このため、本発明者は、パチンコ遊技機の各種の性能に係る試験を一度にまとめて自動で行うことができるパチンコ遊技機用試験装置を出願している(特願平11-337864)。
かかるパチンコ遊技機用試験装置は、複数の検査対象信号のうちの少なくとも一つの信号の状態が変化したときに、全ての検査対象信号の状態について時間データを付加して検査データとして記憶する。これにより、各種のパチンコ遊技機の性能試験を一度にまとめて行うことができ、従来の方法に比べて性能試験のための労力及び時間を節減することがきる
しかしながら、上記のパチンコ遊技機用試験装置で取得した検査データは、膨大な量であり、しかも十数桁の「1」、「0」のデジタルデータにタイムスタンプとしてのカウンタ値が付されたものである。したがって、取得した検査データの意味を読み取るには熟練者でも大変な労力と時間を要している。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、パチンコ遊技機用試験装置で取得した検査データを容易に理解・判断することができる波形化プログラム及びパチンコ遊技機開発支援ツールを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明に係る波形化プログラムは、コンピュータに、パチンコ遊技機の性能試験により取得され当該コンピュータの記憶部に記憶された、信号のオン・オフの状態を1ビットで示すデータと変動表示される図柄が停止したときの図柄を複数ビットで示すデータとを含む複数の検査対象信号のデータであるタイムスタンプが付された検査バイナリデータを波形化処理して当該コンピュータの表示部の画面に表示する機能を実現させるための波形化プログラムであって、コンピュータに、前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に前記記憶部に記憶した一つの1ビットの検査対象信号のデータを波形として画面に表示する単線表示とするか或いは前記記憶部に記憶した複数の1ビットの検査対象信号のデータの状態又は前記複数ビットの検査対象信号のデータの状態を画面に表示するバス表示とするかを設定するための画面を前記表示部に表示する信号種別設定機能と、前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に、前記信号種別設定機能により前記単線表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから一つの1ビットの前記検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示し、前記信号種別設定機能により前記バス表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから複数の1ビットの検査対象信号のデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示するデータ設定機能と、前記信号種別設定機能と前記データ設定機能によって設定された内容に従って検査対象信号のデータであるバイナリデータについて前記記憶部に記憶する前記タイムスタンプと前記記憶部に記憶する前記検査バイナリデータについてどのデータがどの検査対象信号のデータに対応するものであるかを示すテーブルとを参照して前記表示部に表示される時間軸に従って、前記単線表示と設定された1ビットの前記検査対象信号のバイナリデータは「1」・「0」のデータを「ハイ」・「ロー」のパルス状の波形として表示するためのデータに変換する波形化処理を行い、前記バス表示と設定された複数の1ビットの検査対象信号のバイナリデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のバイナリデータは複数の「1」、「0」のデータを16進数の数値として表示するためのデータに変換する波形化処理を行う波形化機能と、前記波形化機能により波形化処理されたデータを時間軸と共に前記単線表示と設定されている前記表示信号についてはパルス状の波形を前記表示部の画面に表示し、前記バス表示と設定された前記表示信号については16進数の数値を波形として前記表示部の画面に表示する表示制御機能と、を実現させるためのものである。
また、本発明に係るパチンコ遊技機開発支援ツールは、パチンコ遊技機の性能試験により取得され記憶部に記憶された、信号のオン・オフの状態を1ビットで示すデータと変動表示される図柄が停止したときの図柄を複数ビットで示すデータとを含む複数の検査対象信号のデータであるタイムスタンプが付された検査バイナリデータを波形化処理して表示部の画面に表示するパチンコ遊技機開発支援ツールであって、前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に前記記憶部に記憶した一つの1ビットの検査対象信号のデータを波形として画面に表示する単線表示とするか或いは前記記憶部に記憶した複数の1ビットの検査対象信号のデータの状態又は前記複数ビットの検査対象信号のデータの状態を画面に表示するバス表示とするかを設定するための画面を前記表示部に表示する信号種別設定手段と、前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に、前記信号種別設定手段により前記単線表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから一つの1ビットの前記検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示し、前記信号種別設定手段により前記バス表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから複数の1ビットの検査対象信号のデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示するデータ設定手段と、前記信号種別設定手段と前記データ設定手段によって設定された内容に従って検査対象信号のデータであるバイナリデータについて前記記憶部に記憶する前記タイムスタンプと前記記憶部に記憶する前記検査バイナリデータについてどのデータがどの検査対象信号のデータに対応するものであるかを示すテーブルとを参照して前記表示部に表示される時間軸に従って、前記単線表示と設定された1ビットの前記検査対象信号のバイナリデータは「1」・「0」のデータを「ハイ」・「ロー」のパルス状の波形として表示するためのデータに変換する波形化処理を行い、前記バス表示と設定された複数の1ビットの検査対象信号のバイナリデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のバイナリデータは複数の「1」、「0」のデータを16進数の数値として表示するためのデータに変換する波形化処理を行う波形化手段と、前記波形化手段により波形化処理されたデータを時間軸と共に前記単線表示と設定されている前記表示信号についてはパルス状の波形を前記表示部の画面に表示し、前記バス表示と設定された前記表示信号については16進数の数値を波形として前記表示部の画面に表示する表示制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
以上説明したように本発明によれば、パチンコ遊技機の性能試験で得たデジタルデータを波形化処理して画面に表示することができるので、熟練者でなくてもパチンコ遊技機の性能試験の結果を容易に理解・判断することができる波形化プログラム及びパチンコ遊技機開発支援ツールを提供することができる。
以下に、本発明の1実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の波形化プログラムを、OSとしてWINDOWS(マイクロソフト株式会社の登録商標)を用いた市販されているパーソナルコンピュータに組み込んだ場合について説明する。図1は本発明の波形化プログラムを組み込んだパーソナルコンピュータの概略制御ブロック図である。
図1に示すように、本発明の波形化プログラムを組み込んだパーソナルコンピュータ(以下、単にコンピュータとも称する。)は、本コンピュータの全体的な制御を行う主制御部11と、各種のデータを記憶する記憶部12と、CRTや液晶等を用いた表示部13と、各種の設定を行う設定部14と、タイムスタンプが付されたデジタルデータを波形化処理する波形化部15とを備えている。なお、表示部13には、解像度1027×768ピクセル以上のものを用いるのが望ましい。
ここで、先ず上述した特願平11-337864号のパチンコ遊技機用試験装置(以下、単に出願装置とも称する。)で取得した検査データについて説明する。この出願装置では、パチンコ遊技機の検査対象信号を100μs毎にサンプリングしている。また、データを取得するタイミングは、入力基板に入力した検査対象信号の内1つでも変化すると、その時点の全検査対象信号のレベル(”H”又は”L”)を取得する。このようにして取得したデータを変化点データと称している。また、その変化点データに測定を開始してからの時間データを付加したものを検査データと称している。
パチンコ遊技機の性能を試験するときの検査対象信号の一例として、以下のものがある。まず、遊技球に関する信号である遊技球信号がある。この遊技球信号は、主基板から送られてくる信号であり、例えば、発射球信号、入賞口入賞球信号、チューリップ式役物入賞球信号、電動役物入賞球信号(普通、特別)、始動口入賞球信号(1種、2種、3種)、特定領域通過球信号、ゲート通過球信号、及び賞球信号がある。
次に、役物やチューリップ等が開いたり、閉じたりするときに発せられる作動信号がある。この作動信号は、主基板から送られてくる信号であり、例えば、チューリップ式役物拡大信号、連動役物開放信号、電動役物作動中信号(普通、特別)、役物連続作動装置作動信号、大当り信号、中当り信号、小当り信号、当り信号、高確率状態信号(普通図柄、特別図柄)、変動時間短縮状態信号(普通図柄、特別図柄)、普通電動役物開放延長状態信号、及び特別装置作動判定図柄高確率状態信号がある。
図柄信号は、図柄制御基板から送られてくる信号であり、例えば、図柄変動中信号(普通図柄、特別図柄)、図柄確定信号(普通図柄、特別図柄)、1桁目図柄変動中信号〜n桁目図柄変動中信号、1桁目図柄データビット0〜ビット7、1桁目図柄色データビット0〜ビット7、・・・・・・、n桁目図柄データビット0〜ビット7、及びn桁目図柄色データビット0〜ビット7がある。
パチンコ遊技機の状態信号としては、パチンコ遊技機の主基板から送られてくる遊技機エラー状態信号と、図柄制御基板から送られてくる普通図柄表示装置エラー信号及び特別図柄表示装置エラー信号がある。
上記の検査対象信号のうちのどれか1つの信号の状態が変化したときに、上記の全ての検査対象信号の状態を変化点データとして取得する。
図26は、遊技球信号の検出について説明するためのタイミングチャートである。遊技球が発射されたことを検知して出力される発射球信号については、その信号がオフからオンに変化したとき、及びオンからオフに変化したときに(同図の丸付1の両側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。通常、1分間に100個の遊技球が発射され、その検出信号が検出対象信号として出力される。また、発射した遊技球が、5個の賞球が払い出される入賞口に入賞したときに出力される入賞口入賞信号についても、その信号がオフからオンに変化したとき、及びオンからオフに変化したときに(同図の丸付2の両側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。また、この入賞により、5個の賞球を払い出したときに出力される5個の賞球信号については、各賞球信号がオフからオンに変化したとき、及びオンからオフに変化したときに(同図の丸付3の両側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。このようにして取得した変化点データに時間データを付加して検査データとして、メモリに一時的に記憶する。なお、パチンコ遊技機で遊技球を検出するセンサとしては、通常、光センサや近接センサ等が使用されている。
「ア」から「ス」の各タイミングで取得された検査データは、具体的には、以下のようになる。
ア 100+経過カウント
イ 000+経過カウント
ウ 100+経過カウント
エ 000+経過カウント
オ 010+経過カウント
カ 000+経過カウント
キ 001+経過カウント
ク 101+経過カウント
ケ 100+経過カウント
コ 001+経過カウント
サ 000+経過カウント
シ 001+経過カウント
ス 000+経過カウント
ここで、点線「ア」のタイミングでは、「100+経過カウント」の検査データを取得する。「100」は、「ア」のタイミングでの、発射球信号がオンで、入賞口入賞信号及び賞球信号がオフであることを示している。「経過カウント」は、検査開始から「ア」のタイミングまでのカウンタ値を取得することにより得られる。「経過カウント」は、100μSをひとつの単位とした32ビットで取得し、約119時間連続して測定可能である。例えば、試験開始から10分経過したときの経過カウントは6000000となり、16進数では「5B8D80h」となり、2進数では「0000 0001 1011 0001 1101 1010 0000 0000」となる。この経過カウントを参照することにより、100μs単位で、発射球の間隔等を知ることができる。
なお、図26では、代表的な3つの遊技球信号の検出タイミングについて説明したが、他の遊技球信号についても同様に変化を検出し、その変化点における全検査対象信号の状態を取得する。
図27は、図柄信号の検出について説明するためのタイミングチャートである。図柄には、大当り状態となったときに表示される特別図柄と通常の当たり状態となったときに表示される普通図柄とがあるが、特別図柄でも普通図柄でも略同じ動作となるので、同図では、単に図柄と表示している。
図柄信号には、図柄が変動表示されているときにオンとなる図柄変動中信号と、図柄の変動表示が停止して図柄が確定したときにオンとなる図柄確定信号とがある。この2つの信号は同時にオン状態となることはない。また、個別の図柄装置がいくつ設けられているかによって、桁信号の数が決まる。図27では、n桁の図柄装置が有る場合について示している。例えば、図柄装置が横に3つ、縦に3つ、合計9つ設けられている場合、nは9となる。
遊技球が始動口に入賞すると、図柄変動表示装置が図柄変動中信号をオンにし、図柄の変動表示を開始する。この図柄変動中信号がオフからオンに変化したときに(同図の丸付1の左側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。図柄変動表示装置は、まず1桁目図柄変動中信号をオンし、1桁目の図柄表示の変動を開始する。この1桁目図柄変動中信号がオフからオンに変化したときに(同図の丸付2の左側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。以下、順次、2桁目からn桁目までの図柄変動中信号をオンし、各桁の図柄の変動表示を開始する。この2桁目からn桁目までの各図柄変動中信号がオフからオンに変化したときに(例えば、同図の丸付3の左側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。次に、1桁目の図柄データが確定したときに(同図の丸付4の左側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。すなわち、出願装置では、図柄データが確定したときは、検査対象信号の変化点に含めることとしている。そして、1桁目の図柄変動信号をオフにし、1桁目の図柄の変動表示を停止する。この1桁目図柄変動中信号がオンからオフに変化したときに(同図の丸付5の右側の点線で示すタイミングで)、全ての検出対象信号の状態を取得する。以下、同様にして順次、2桁目からn桁目までの図柄データの確定と図柄の変動表示を停止する。この場合も、各信号の変化点で(例えば、同図の丸付6の右側、丸付7の右側の点線で示すタイミング等で)、全ての検出対象信号の状態を取得する。また、図柄変動中信号をオフにすると同時に、図柄確定信号をオンにし、全図柄データを確定する。最後に、図柄確定信号をオフにし、次の動作に移行する。これらの場合も、各信号の変化点で(同図の丸付8の左側の点線で示すタイミング等で)、全ての検出対象信号の状態を取得する。
なお、出願装置では、検査対象信号が変化してもその変化を契機としてデータを取得しないように設定している。例えば、各桁の図柄データ等、そのデータが確定した時に有効な信号は個々の変化点では、データを取得しないように設定している。上記の例では、図柄が変動表示されているときの各桁の図柄データの変化は変化点として扱わず、図柄確定信号がオンした時の各桁の図柄データは有効なので、図柄確定信号がオンしたときのタイミングでデータを取得するようにしている。これにより、取得するデータ量が必要以上に増えることを防ぐことができる。なお、出願装置では、各検査タイミング毎に、変動表示されている各桁の図柄データも一旦取得している。しかしながら、変動表示されているときの各桁の図柄データは、集計用パーソナルコンピュータには出力しないように設定している。また、上記の各桁の図柄データは、例えば、1、2、3等の数値データやA、B、C等のアルファベットを示すデータ及び赤や黄色等の色のデータを含むものである。各桁の図柄データは、8ビットで取得する。例えば数値と色とを8ビットで取得する場合、256の数と色を検出することができる。各桁の図柄データが数値の場合、例えば1桁目の図柄データの数値が「7」のときには、「11100000」と取得でき、「2」のときには、「01000000」と取得できる。このように出願装置では、各桁の図柄データが数値の場合は、下位の4ビットを使用し、上位の4ビットは予備としている。なお、パチンコ遊技機の種類によっては、上述した特別図柄が無いものも有る。
なお、以下では、単に図柄データと記載したときには、検査対象信号から各桁の図柄データを含む図柄信号全体のデータを取り出したものをいう。また、変化点データというのは、図柄信号のデータである図柄データを除いた残りの検査対象信号のデータをいうものとする。したがって、以下では検査データは、図柄信号のデータである図柄データと、図柄データを除いた変化点データの2つに区分される。実際に、図柄データと変化点データとは、別個のファイルに格納される。検査データをこのように2つに分け、別個のファイルに格納するのは、次の理由からである。変化点データは、遊技球を発射したときのタイミング等で、絶えず出力されるが、図柄データは図柄の変動表示が停止したときだけ出力される。このように両データは出力されるタイミングが異なるので、別個のファイルに格納している。
次に、図2を参照して本コンピュータの処理手順について説明する。図2は本発明の波形化プログラムを組み込んだパーソナルコンピュータの操作手順を示す主フローチャートである。本コンピュータにおいて、波形化プログラムを起動すると、主制御部11は表示部13に図3に示すメイン画面を表示する(ステップ1)。図3のメイン画面のメニューの[ファイル]をクリックし、図4に示すようにプルダウンメニューを表示させて[開く]を選択すると、図5に示すプロジェクトファイルの選択ダイアログボックスが表示される。図5に示すサンプルデータのホルダには、DATA_Aのホルダと、DATA_Bのホルダと、プロジェクトファイルであるサンプルデータ.PRJ等が格納されている。
DATA_Aのホルダには、前述の出願装置で取得した検査データのうち変化点データが格納されており、DATA_Bのホルダには、出願装置で取得した検査データのうち図柄データが格納されている。
次に、プロジェクトファイルであるサンプルデータ.PRJについて説明する。このファイルは、参照ファイルであり、変化点データ用テーブルと図柄データ用テーブルとを有している。図6(a)は変化点データ用テーブルを示す図、(b)は図柄データ用テーブルを示す図である。上述した変化点データや図柄データは、デジタルデータの集合であり、そのデジタルデータがどのような内容のデータであるのか分からない。図6の各テーブルは、このようなデジタルデータについて、どのデータがどの検査対象信号に対応するものであるのかを示すものである。同図(a)のテーブルの左側の欄には各変化点データの先頭からの順番が記述されており、右側の欄には、各番号に対応する検査対象信号の名称が記述されている。すなわち、各変化点データの1番目のデータは発射球信号1のデータであることを示し、2番目のデータは賞球信号のデータであることを示し、3番目のデータは普通入賞口1入賞信号のデータであることを示し、4番目のデータは普通入賞口2入賞信号のデータであることを示している。5番目以降も同様である。同図(b)のテーブルの左側の欄には図柄データの先頭からの順番が記述されており、右側の欄には、各番号に対応する検査対象信号の名称が記述されている。1番目のデータは特−図柄変動信号(特−図柄は特別図柄のことであり、以下同様である。)のデータであることを示している。2番目のデータは特−図柄確定信号であることを、・・・(途中省略)、7番目のデータは特−1桁目図柄データbit0であることを、8番目のデータは特−1桁目図柄データbit1であることを、9番目のデータは特−1桁目図柄データbit2であることを、10番目のデータは特−1桁目図柄データbit3であることを、11番目のデータは特−1桁目図柄データbit4であることを、12番目のデータは特−2桁目図柄データbit0、13番目のデータは特−2桁目図柄データbit1であることを示している。14番目以降も同様である。
上述したように、図5に示すプロジェクトファイルの選択ダイアログボックスのサンプルデータのホルダには、すでに変化点データが格納されたDATA_Aホルダと、図柄データが格納されたDATA_Bホルダと、プロジェクトファイルであるサンプルデータ.PRJが格納されている。図5に示すプロジェクトファイルの選択ダイアログボックスにおいてサンプルデータ.PRJをクリックすると、主制御部11は設定部14に信号選択のための設定処理を行うように指示する。設定部14は、この指示信号を受けて、図7に示す信号選択のための設定画面を表示する(ステップ2)。設定部14は、サンプルデータ.PRJを参照し、ユーザからの指示に従って、変化点データと図柄データとを画面上に波形化処理して表示するための設定を行う。
まず、設定部14の信号種別設定機能について説明する。この機能は、画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に一つの検査対象信号のデータを波形として画面に表示する単線表示とするか、或いは複数の検査対象信号のデータの状態を画面に表示するバス表示とするかを設定するものである。図7の画面を使用してユーザは、検査対象信号のうち画面に表示させる16個の信号を選択する。画面に表示される信号1〜信号16の各信号について順次、信号種別を選択する。この選択は、[単線]又は[バス]のどちらかをチェックすることにより行う。例えば、信号1で[単線]を選択すると、信号1には一つの検査対象信号のデータが波形として画面に表示されるようになる。[バス]を選択すると、信号1には複数(最大8個信号)の検査対象信号の状態が16進数に変換されて16進数の数値が画面に表示されるようになる。
次に、データ種別を選択する。データ種別というのは、変化点データか図柄データのどちらかを選択するためのものであり、この選択は[変化点データ]又は[図柄データ]のどちらかをチェックすることにより行う。[変化点データ]を選択すると、変化点データのなかから画面に表示する信号を選択できるようになる。また、[図柄データ]を選択すると、図柄データのなかから画面に表示する信号を選択できるようになる。各信号名について、[信号種別]と[データ種別]の選択を終えると、各信号名のボタンが有効になる。今、信号1で[単線]と[変化点データ]を選択したとする。[信号1]のボタンが有効になるので、[信号1]ボタンをクリックすると、図8に示す単線信号選択ダイアログボックスが表示される。図8の選択可能信号欄には、ユーザが選択可能な変化点データの信号の一覧が表示される。ユーザが信号1に表示したい信号を選択可能信号欄から選んでクリックすると、選択された信号名が反転表示される。この状態で[追加]クリックすると、選択した信号名が選択信号欄に表示される。なお、図8では、すでに選択信号欄に発射球信号1が選択されているので、選択可能信号欄と選択信号欄の間に配置されているボタンの名称が[変更]になっているが、選択信号欄が空欄のときには、このボタンが[追加]ボタンに切り替わる。図8に示す画面の場合、設定部14は、ユーザが変化点データを選択しているので、サンプルデータ.PRJの図6(a)に示すテーブルを参照してテーブルに記述されているすべての変化点データの信号名称を図8の選択可能信号欄に表示する。信号の選択が終了したら、[OK]ボタンをクリックして図8に示す単線信号選択画面を終了する。
また、図7の信号選択ダイアログボックスが表示されているときに、ユーザが例えば表示信号の信号7について信号種別で[バス]を、データ種別で[図柄データ]を選択しているとする。この場合、信号7のボタンをクリックすると、図9に示すバス信号選択ダイアログボックスが画面に表示される。図9の画面の選択可能信号欄には、選択可能な図柄データの信号名が一覧表示される。設定部14はサンプルデータ.PRJの図6(b)に示すテーブルを参照してテーブルに記述されているすべての図柄データの名称を図9の選択可能信号欄に表示する。この場合、信号種別で[バス]を選択しているので、複数の信号を選択可能であるが、本実施形態では選択できる信号数は最大8個迄である。8個以上の信号が選択されたときには、上から順に8個までの信号が選択されて選択済み信号欄に表示される。選択済み信号欄には、ユーザが選択可能信号欄から選択した検査対象信号名が表示される。一度選択した信号を削除するときには、選択済み信号欄の削除したい信号名を反転表示させて[削除]ボタンをクリックする。このようにして選択された複数の信号が画面にバス表示される。ここでバス表示というのは、選択済み信号欄に選択・表示されている信号名の一番目をLSB、8番目をMSBとして扱い、16進数に変換して表示することをいう。図9の選択済み信号には、特−1桁目図柄データbit0〜4が表示されているので、最上位ビットと最下位ビットが分かるが、例えば変化点データを複数選択した場合には、どれが最上位ビットで、どれが最下位ビットであるかが不明であるので、図9の選択済み信号欄の一番上に表示されているものを最下位ビットとし、一番下に表示されているものを最上位ビットとする。なお、検査データには、バスデータというのはない。これに対して本実施形態では、出願装置で取得した2進数のデータをユーザが自由に選択して最大8ビットのバスデータとして表示することができる。また、16進数として表示する際に、指定した信号数が8個に満たない場合は上位ビットを0として16進数表示する。例えば、選択した信号数が5個の場合、上位3ビットを0として下位5ビットを16進数表示する。図9の画面の表示信号名入力欄は、実際に画面に表示される信号の名称を入力する欄である。バス表示の場合、ユーザは画面に表示される信号名を自由に設定・変更することができる。この欄を空欄のままにすると、現在設定を行っている信号7の名称が自動的に設定されて画面に表示される。表示信号について[バス]と[図柄データ]とを選択した場合は、例えば図柄変動が停止したときの図柄の組み合わせを16進数表示するので、ユーザは図柄変動が停止したときの図柄の組み合わせを、表示されている16進数の数値から知ることができる。なお、各信号について、[単線]と[図柄データ]とを選択して設定し、図柄変動が停止したときの図柄の組み合わせを単線で表示することも可能である。この場合、例えば当たり状態であるか否かをパルスで表示することとなる。したがって、かかる選択を行った場合、各図柄がどのような図柄で停止したかを解析することはできない。
選択処理が終了したら、[OK]ボタンをクリックして図9に示すバス信号選択画面を終了する。なお、上述した図8に示す単線信号選択ダイアログボックスで表示信号名入力欄がないのは、単線を選択した場合、表示される信号は一つだけであるので、選択した信号の名称を自動的に表示するようにしているからである。
上記のようにして、順次、信号1〜信号16までの設定を終了したら、図7に示す信号選択の画面を終了する。なお、必ずしも信号1〜信号16までのすべての表示信号について設定する必要はない。設定しなかった信号は後述する波形表示において、空欄となる。
信号選択の処理が終了すると、すなわち図7の画面で[OK]ボタンをクリックして終了すると、主制御部11は波形化部15に図7の画面で設定された検査データの波形化を指示する。波形化部15は主制御部11からの指示に基づき、図7の画面で設定された設定内容に従って、信号1〜信号16までの各信号について波形化処理を行う(ステップ3)。波形化処理は、単線表示のデータ「0」、「1」についてはオン・オフのパルス状の波形表示を行うように、またバス表示のデータについては、本実施形態の場合5bitのデータを16進数に変換して16進数の数値として表示する。このように、本実施形態で波形化処理というのは、一つの信号のデータをパルス状の波形とする処理と、複数の信号のデータを16進数表示する処理の二つの処理を含むものである。波形化処理が終わると、実際には、この処理は極短時間で終了するので、図7の画面で[OK]ボタンをクリックする同時に、図4に示したメイン画面上に自動的に、波形化部15により処理された波形が表示され、図10に示す初期画面となる。図10に示す初期画面では、例えば最上部の発射球信号1から特−図柄確定信号までは単線表示されており、これらの各信号がパルス状の波形で表示されている。また、特別図柄1桁目〜特別図柄3桁目まではバス表示されており、こられの信号で表示されている数値は、最初の2桁の0xが16進数であることを示し、残りの2桁が16進数の値を示している。図10の場合、特別図柄1桁目〜3桁目までの各信号は、16進数で「00」で表される図柄を表示して停止していることになる。なお、例えば、特別図柄1桁目が16進数で「00」と表示されているときには、特−1桁目図柄データbit0〜4がすべて「0」であることを意味する。また、図10に示す初期画面では、信号15と信号16は設定がなされていないので、空欄となっている。さらに、本実施形態で画面に表示する信号の数を16個としたのは、本実施形態の表示部13の解像度が1027×768であり、この解像度では16個位が見やすいからである。本実施形態では、表示する各信号の領域は、縦が30ピクセル、横幅が600ピクセルとしている。
図10に示す初期画面では、画面左上部に示すように時間幅単位(スケール)が10msと表示されている。また、図10に示す画面では波形を表示する領域が5本の縦の点線で6つの区間に区分されている。時間幅単位が10msというのは、各1区間が10msであるということを意味する。なお、図10の画面の上部に表示されている時間軸上の数値は、カウンタ値であり、実際の時間ではない。実際の時間は、1カウントが100μsであるので、カウンタ値×100μsとなる。図10に表示されている画面をスクロールするときには、表示画面下部のスクロールバーを使用する。このスクロールバーの左ボタンをクリックすると、1区間左にスクロールし、右ボタンをクリックすると、1区間右にスクロールする。また、スクロールバーのポインタの左エリアをクリックすると、1画面(6区間)左にスクロールし、右エリアをクリックすると、1画面(6区間)右にスクロールする。また、ポインタをドラッグすることにより、任意の位置に表示をスクロールすることができる。
また、図10に示す画面で、各信号名のボタンをクリックすると、図11に示すように、選択されている選択信号を表示する選択信号表示ダイアログボックスが表示される。図11は、図10の画面で[特別図柄1桁目]をクリックしたときの画面である。この特別図柄1桁目の信号は、バス表示に設定されているので、表示信号名欄には、ユーザが図9のバス信号選択ダイアログボックスで表示信号名入力欄に入力した名称が表示される。選択信号一覧欄には、図9のバス信号選択ダイアログボックスで選択した複数の信号名が表示される。特別図柄1桁目にどのようなデータが設定されているかは、設定者でないと分からなし、また設定者が自己の設定内容を忘れてしまう場合がある。かかる場合に、図11に示す選択信号表示ダイアログボックスを開くことにより、各信号の設定内容を容易に確認することができる。図11に示すダイアログボックスは右上の×ボタンをクリックするまで表示されるが、表示したままでもメイン画面の操作を行うことができる。なお、図10の画面で単線表示の信号名をクリックすると、選択信号表示ダイアログボックスの画面で、表示信号名の欄と選択信号一覧の欄に表示される信号名は同じ信号名となる。
次に、既に設定された表示信号を変更する場合について説明する。設定された表示信号を変更するには、図10の画面等で、メニューの[表示]をクリックする。すると、図12に示すように[表示]のプルダウンメニューが表示される。このプルダウンメニューで信号変更を選択すると、図7に示す信号選択のダイアログボックスが表示される。この信号選択のダイアログボックスを用いて、信号1〜信号16の各信号について、上述した手順により自由に設定内容を変更することができる。信号選択のダイアログボックスを表示しているときでも、現在選択されている信号は有効状態となっている。
また、画面の時間幅の表示単位は変更することができる。例えば波形が表示されている図12の画面でメニューの[表示]をクリックしてプルダウンメニューを表示させ、表示単位変更を選択すると、図13に表示されているように変更可能な1区間の表示時間幅が表示される。1msを選択すると、1区間を1msとして表示し、5msを選択すると、1区間を5msとして表示、以下同様にして、表示されている100sまでの値を選択することができる。なお、初期画面では、上述したように10msが選択されている。また、図13の画面下部のスケールボタンをクリックすることにより、表示単位を変更することができる。スケールボタンの[拡大]をクリックすると、表示時間が1段階拡大される。例えば、現在の表示時間幅が10msならば5msに拡大される。スケールボタンの[縮小]をクリックすると、表示時間幅を1段階縮小することができる。例えば、現在の表示時間が10msならば50msに縮小される。
本プログラムを終了するときには、メイン画面や波形が表示されている画面において右隅の×ボタンをクリックするか、或いはメニューの[ファイル]をクリックして、プルダウンメニューを表示させ、アプリケーションの終了を選択する。
次に、本実施形態の各種の機能について説明する。まず、検索機能について説明する。検索機能には、時間検索と条件検索とブックマーク検索とがある。時間検索機能は検索したい時間に対応するカウンタ値を入力することにより、入力された時間(カウンタ値)を検索して、その時点の波形を画面に表示する機能である。本実施形態では、カウンタ値は100μs単位を基準としている。メイン画面などの画面で、メニューの[検索]をクリックすると、図14に示すようにプルダウンメニューが表示されるので、時間検索を選択する。すると、図15に示すように時間検索のダイアログボックスが表示される。図15に示すダイアログボックスの[カウンタ値を入力]欄にカウンタ値を入力して[OK]ボタンをクリックすると、入力したカウンタ値の時間位置を検索し、その時点の波形を含む画面が表示される。表示時間幅の単位によっては、必ずしも入力したカウンタ値の時点に対応する波形が画面の先頭に表示されるとは限らないが、表示された画面の1区間目に、入力したカウンタ値に対応する時点の波形が表示される。
また、メイン画面等で、メニューの[検索]をクリックし、図16に示すように条件検索を選択すると、図17に示す検索条件を設定するための条件検索ダイアログボックスが表示される。このダイアログボックスを使用して、各表示信号について検索のための条件を設定することができる。なお、図17では、信号1〜信号14までしか表示されていないが、これは本実施形態では、図7に示す信号選択ダイアログボックスで設定を行ったときに信号1〜信号14までしか設定しなかったからである。以下、条件検索の設定方法について説明する。図17の画面の信号名欄には、図7の信号選択ダイアログボックスで設定された信号名が表示される。条件入力欄では、各信号ごとに検索条件を選択入力することができる。各条件入力欄の右端の黒三角ボタンをクリックすると、選択可能な条件がプルダウンメニューで表示される。すなわち、検索条件を設定する信号が単線の場合、その信号を検索条件として使用しない[使用しない]と、その信号の立ち上がりエッジを検索する[立上りエッジ]と、その信号の立ち下がりエッジを検索する[立下りエッジ]と、その信号のハイレベル状態を検索する[HIレベル]と、その信号のローレベル状態を検索する[LOWレベル]が表示される。ユーザはこれらの条件のうちから何れか一つを選択することにより、その信号の条件を設定することができる。検索条件を設定する信号がバス表示されている場合、その信号を検索に使用する[使用する]と、その信号を検索に使用しない[使用しない]が表示される。バス表示されている信号について条件入力欄で[使用する]を設定したときには、その右隣のバス用値入力欄に、検索する値を0〜FFまでの16進数で入力する。検索回数設定欄では、検索条件を満足した時点が複数存在する場合に、その何番目を表示するのかを数値で設定する。この欄に1を入力すると、設定した検索条件を満足する最初の時点を含む波形の画面が表示される。この欄に5を入力すると、設定した検索条件を満足する1〜4番目までの時点をパスして設定した検索条件を満足する5番目の時点を含む波形が画面に表示される。上述したすべての設定を終了したら、[検索実行]ボタンをクリックする。すると、設定した条件を満足する時点を含む波形の画面が表示される。なお、図17に示す設定、すなわち特別図柄大当り信号がHIレベルで、特−図柄確定信号が立上りエッジで、特別図柄1桁目〜3桁目までが16進数の「7」「7」「3」である場合を検索するように設定した場合、検索結果は0となる。仮に、この検索条件を満足する時点が検索されると、検査したパチンコ遊技機は正常な動作を行う機器ではないことになる。通常、図柄が16進数の「7」「7」「7」のときに大当たりとなるので、図柄が16進数の「7」「7」「3」となり確定した後で、特別図柄大当り信号がオンすることはない。したがって、上記のように検索条件を設定して検索を行うことにより、検査対象のパチンコ遊技機の遊技動作が正常なものであるか否かを容易にチェックすることができる。なお、バス用値入力欄の0xは16進数であることを示している。
ブックマーク検索では、予め表示中の画面にブックマークを設定し、設定したブックマークを検索してその画面を表示することができる。まず、ブックマークの設定方法について説明する。波形が表示されている画面でメニューの[検索]をクリックし、図18に示すプルダウンメニューに表示された[ブックマークの設定/検索]を選択する。すると、図19に示すブックマーク設定/検索ダイアログボックスが表示される。名前欄に任意のブックマーク名を入力して[設定]ボタンをクリックすると、入力したブックマーク名が下段のリストに追加され、ブックマークとして設定される。かかるブックマークの設定は、図18に表示されている画面の先頭(左端)位置のカウンタ値を記憶部に記憶することにより行われる。なお、ブックマーク設定数が10個未満の場合、名前欄に任意のブックマークを入力して[設定]ボタンをクリックすると、入力したブックマークが下段のリストに追加され、ブックマークとして設定される。名前欄が空欄の状態で[設定]ボタンをクリックすると、“ポイントx”(xは下段のリストの位置)のブックマーク名でブックマークとして設定される。また、ブックマーク設定数が10個以上のときに、さらにブックマークを設定する場合、まず設定したい波形を画面に表示して図19のブックマーク設定/検索ダイアログボックスを表示する。次に下段のリストから不要な設定済みブックマーク名をクリックすると、名前欄にその選択したブックマーク名が表示される。この状態で[設定]ボタンをクリックすると、新しいブックマークが設定される。設定を終えたら、閉じるボタンをクリックしてブックマーク設定/検索の画面を閉じる。
上記のようにして設定したブックマークを検索するときには、波形を表示した画面でメニューの[検索]をクリックし、プルダウンメニューを表示させてブックマーク設定/検索を選択する。すると、図19に示すブックマーク設定/検索ダイアログボックスが表示される。下段のリストから検索したいブックマーク名をクリックして反転表示させ、[検索]ボタンをクリックすると記憶部に記憶されているカウント値に対応する時点の波形画面が表示される。なお、図19の画面でブックマークを選択したときには、カウンタ値欄にブックマーク設定時の画面先頭のカウンタ値が表示される。
次に、2点間時間計測機能について説明する。この機能は、画面上の任意の2点間の時間差を計測するものである。図20に示す画面は、特−図柄確定信号のオン状態の時間を計測しているときの画面である。本実施形態では、2点間の時間を計測するために2つの時間設定用カーソルC1,C2を設けている。図20は白黒表示されているので、両カーソルC1,C2とも、白の実線で表示されているが、実際の画面では、左カーソルC1は青色の実線で、右カーソルC2は赤色の実線で表示される。左カーソルC1を移動するときには、図20の画面下部の左カーソルをチェックして右側のカーソル移動キーをクリックする。右カーソルC2も同様である。カーソル移動キーの[<<]ボタンをクリックすると、1区間の1/10カウント分だけチェックしたカーソルが左に移動し、[<]ボタンをクリックすると、1区間の1/100カウント分だけチェックしたカーソルが左に移動し、[>]ボタンをクリックすると、1区間の1/100カウント分だけチェックしたカーソルが右に移動し、[>>]ボタンをクリックすると、1区間の1/10カウント分だけチェックしたカーソルが右に移動する。左カーソルC1と右カーソルC2の2点間の時間は、画面下部中央の2点間時間欄にカウンタ値として常に表示される。図20に示す画面の特−図柄確定信号のオン状態は、カウンタ値が500と表示されており、1カウントが100μsであるので、このオン状態の時間は500×100μs=50msとなる。パチンコ遊技機では、各種の遊技状態において、その遊技状態をどの位の時間継続するかが法により規制されている場合がある。本実施形態によれば、係る継続時間を容易に知ることができ、パチンコ遊技機の性能試験の検証を容易に行うことができる。なお、カーソルC1,C2は、常に設定した位置にあるため、波形画面内に表示されていない場合もある。表示画面外にあるカーソルは移動操作を行った時点で左カーソルC1であれば画面左端に、右カーソルC2であれば画面右端に移動する。
次に、印刷機能について説明する。波形表示画面でメニューの[ファイル]をクリックして、図21に示すプルダウンメニューを表示させ[印刷]を選択すると、図22に示す印刷選択ダイアログボックスが表示される。本実施形態では、印刷する内容を選択することができる。[波形]及び[信号名一覧]の両方、或いはどちらか一方を印刷することができる。[波形]のみをチェックしたときには、波形のみを印刷し、[信号名一覧]のみチェックしたときには、信号名の一覧を印刷する。[波形]と[信号名一覧]の両方をチェックしたときには、図23に示すように波形と信号名の両方が印刷される。画面に表示されている信号が一つでも、16本分が印刷される。図23では、必要のないボタン等を省略して印刷することができ、信号名、波形、カウンタ値、2点間時間及び時間幅単位が印刷される。なお、図23の印刷では、白黒印刷であるので、カーソルが一点鎖線で表示されている。また、信号名一覧のみチェックして印刷すると、図24及び図25に示すように、16個のすべての信号について、表示信号名と、その表示信号名に対して選択されている選択信号名が表形式で印刷される。
[実施形態の効果] 上記の本実施形態によれば、出願装置で取得したデジタルデータ(検査データ)を波形化処理して表示することができるので、パチンコ遊技機の性能試験の結果を熟練者でなくても、容易に理解・判断することができる。出願装置の検査データは、上述したように、「1」、「0」の2進数の数値データであるので、検査データのもつ意味がどのようなものであるのかは、非常に分かり難い。これに対して、本実施形態の場合、例えば、出願装置から取得した検査データを波形化処理して画面に表示したものが、図16に示す画面であったとすると、ユーザはこの画面から、1番目の発射球信号1に規則正しい複数の負のパルスが表示されているので、発射球が規則正しく発射されていることが分かる。また、3番目の始動口1入賞信号は、正のパルスとして表示されており、この始動口1入賞信号が正となった後で、賞球信号1の正のパルスが連続して5個発生している。この2つの波形により、始動口1への遊技球の入賞により賞球として5個の遊技球が排出されたことが一見して直感的に分かる。このように、本実施形態によれば、出願装置の検査データを波形化処理して視覚化することにより、検査データの持つ意味を容易に理解・判断することができる。
また、上記の本実施形態によれば、検査データのうちユーザが自由に設定した16個の信号を波形化処理して表示することができる。また、バスデータも16進数による表示ではあるが、波形化して表示することにより、デジタルのデータを理解する場合より容易にバスデータの内容を理解・判断することができる。また、変化点データと図柄データは別個のファイルに格納されているが、このように別個のファイルに格納されているデータでも、ユーザは自由に近接して画面上に表示することができる。これにより、パチンコ遊技機の性能試験の解析を迅速に行うことができる。また、図16の画面では、特−図柄1桁目が「07」、特−図柄2桁目が「05」、特−図柄3桁目が「03」であり、通常はこの3つの数字が揃ったときに当たりになるので、この画面の表示は当たりではないことが分かる。また、図16の画面の上から4番目の特別図柄大当り信号もロー状態のままであり、大当りでなかったことを示している。一方、特別図柄1桁目〜3桁目までが同じ16進数で表示されていれば、3つの図柄が揃って当り状態になったことを容易に理解・判断することができる。また、特別図柄1桁目〜3桁目までをバス表示としているのは、これらのデータを単線表示しても意味がないからである。逆に、変化点データをバス表示とするメリットはある。例えば、16個以上の変化点データを画面に表示させたいときには、これらの変化点データをバス表示することにより可能となる。例えば、発射信号1と、賞球信号1と始動口1入賞信号の3つを16個のうちの一つに表示させることができる。このバス表示は、選択した3つの信号の状態を16進数に変換し、各変化点データの信号状態が変化するたびに、16進数による表示値を変更する。この場合、各変化点データをパルス表示する場合に比べて、見にくくなるが、多数の変化点データを一度に見たいときには有効である。16個の信号のすべてをバス表示可能としたのは、どの位置にでも、バスデータを表示することができるようにするためである。
また、出願装置では、あるデータと他のデータとが時間的にどの位離れているかは、カウンタ値を参照して判断していた。2つのデータがデータ上で、数十行はなれていても、時間的には極近いという場合があり、また逆にデータ上では、2つのデータが隣り合う行にあっても、時間的に近いとは限らず、両者がどの位離れているかはカウンタ値を見なければ分からなかった。これに対して、上記の本実施形態によれば、時間軸に従って波形化処理を行っているので、あるデータと他のデータとが時間的にどの位離れているかが直感的に分かる。
また、上記の本実施形態によれば、表示される時間軸の倍率を変更することができるので、1画面内に最大で約10分間のデータを表示することも、或いはごく短い時間を画面全体に拡大して表示することもできる。なお、本実施形態で1画面の最大表示を約10分間としたのは、これ以上縮めて表示すると、視認し難くなるからである。
また、上記の本実施形態によれば、2点間時間計測機能を備えているので、画面に表示された左右のカーソルを移動することにより、左右のカーソル間の時間を計測してその結果を画面下部に表示することができる。これにより、例えば各信号のオン時間或いはオフ時間を簡単に知ることができる。
また、上記の本実施形態によれば、条件検索機能を備えているので、条件を満たす信号状態の位置を容易に検索することができる。これにより、例えばパチンコ遊技機に異常が起きたときに、その異常が起きたときの信号の状態を入力することにより、どこの時点でその異常が起きているのかを容易に検索することができる。また、この検索では、バスデータについても、16進数の数値で条件を満たすバスデータを検索することができる。例えば、大当り状態となった位置を簡単に検出することができる。また、検索回数を設定することにより、条件を満たす途中の位置をパスして設定された回数の位置を迅速に表示することができる。
また、上記の本実施形態によれば、時間検索機能を有しているので、ユーザが指定した時間を検出し、指定した時間の波形を画面に表示することができる。
また、上記の本実施形態によれば、ブックマーク検索機能を備えているので、予め設定したブックマークの位置を迅速に表示することができる。
[他の実施形態] なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、画面に表示される表示信号の数が16個である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画面に表示する信号の数は、17個以上でも、15個以下でもよい。
また、上記の実施形態では、バスデータを16進数表示する場合について説明したが、バスデータの表示は10進数などで表示するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、時間軸をカウンタ値で表示する場合について説明したが、時間軸はカウンタ値を実際の時間に換算して時間で表示するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、本プログラムを起動すると、メイン画面が表示される場合について説明したが、本プログラムを起動したときに、例えば信号選択画面が表示されるようにしてもよい。
本発明の波形化プログラムを組み込んだパーソナルコンピュータの概略制御ブロック図である。 本発明の波形化プログラムを組み込んだパーソナルコンピュータの操作手順を示す主フローチャートである。 本実施形態のメイン画面を示す図である。 本実施形態のメイン画面を示す図である。 プロジェクトファイルの選択のダイアログボックスを示す図である。 (a)は変化点データ用テーブルを示す図、(b)は図柄データ用テーブルを示す図である。 信号選択のダイアログボックスを示す図である。 単線信号選択のダイアログボックスを示す図である。 バス信号選択のダイアログボックスを示す図である。 初期画面を示す図である。 選択信号表示のダイアログボックスを示す図である 波形を表示している画面を示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 時間検索のダイアログボックスを示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 条件検索のダイアログボックスを示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 ブックマーク設定/検索のダイアログボックスを示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 波形を表示している画面を示す図である。 印刷選択のダイアログボックスを示す図である。 印刷例を示す図である。 印刷例を示す図である。 印刷例を示す図である。 遊技球信号の検出について説明するためのタイミングチャートである。 図柄信号の検出について説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
11: 主制御部、 12: 記憶部、 13: 表示部、
14: 設定部、 15: 波形化部、 C1,C2: カーソル

Claims (2)

  1. コンピュータに、パチンコ遊技機の性能試験により取得され当該コンピュータの記憶部に記憶された、信号のオン・オフの状態を1ビットで示すデータと変動表示される図柄が停止したときの図柄を複数ビットで示すデータとを含む複数の検査対象信号のデータであるタイムスタンプが付された検査バイナリデータを波形化処理して当該コンピュータの表示部の画面に表示する機能を実現させるための波形化プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に前記記憶部に記憶した一つの1ビットの検査対象信号のデータを波形として画面に表示する単線表示とするか或いは前記記憶部に記憶した複数の1ビットの検査対象信号のデータの状態又は前記複数ビットの検査対象信号のデータの状態を画面に表示するバス表示とするかを設定するための画面を前記表示部に表示する信号種別設定機能と、
    前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に、前記信号種別設定機能により前記単線表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから一つの1ビットの前記検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示し、前記信号種別設定機能により前記バス表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから複数の1ビットの検査対象信号のデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示するデータ設定機能と、
    前記信号種別設定機能と前記データ設定機能によって設定された内容に従って検査対象信号のデータであるバイナリデータについて前記記憶部に記憶する前記タイムスタンプと前記記憶部に記憶する前記検査バイナリデータについてどのデータがどの検査対象信号のデータに対応するものであるかを示すテーブルとを参照して前記表示部に表示される時間軸に従って、前記単線表示と設定された1ビットの前記検査対象信号のバイナリデータは「1」・「0」のデータを「ハイ」・「ロー」のパルス状の波形として表示するためのデータに変換する波形化処理を行い、前記バス表示と設定された複数の1ビットの検査対象信号のバイナリデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のバイナリデータは複数の「1」、「0」のデータを16進数の数値として表示するためのデータに変換する波形化処理を行う波形化機能と、
    前記波形化機能により波形化処理されたデータを時間軸と共に前記単線表示と設定されている前記表示信号についてはパルス状の波形を前記表示部の画面に表示し、前記バス表示と設定された前記表示信号については16進数の数値を波形として前記表示部の画面に表示する表示制御機能と、
    を実現させるための波形化プログラム。
  2. パチンコ遊技機の性能試験により取得され記憶部に記憶された、信号のオン・オフの状態を1ビットで示すデータと変動表示される図柄が停止したときの図柄を複数ビットで示すデータとを含む複数の検査対象信号のデータであるタイムスタンプが付された検査バイナリデータを波形化処理して表示部の画面に表示するパチンコ遊技機開発支援ツールであって、
    前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に前記記憶部に記憶した一つの1ビットの検査対象信号のデータを波形として画面に表示する単線表示とするか或いは前記記憶部に記憶した複数の1ビットの検査対象信号のデータの状態又は前記複数ビットの検査対象信号のデータの状態を画面に表示するバス表示とするかを設定するための画面を前記表示部に表示する信号種別設定手段と、
    前記表示部の画面に表示する複数の表示信号について各表示信号毎に、前記信号種別設定手段により前記単線表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから一つの1ビットの前記検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示し、前記信号種別設定手段により前記バス表示と設定された表示信号については前記記憶部に記憶した検査対象信号のデータのうちから複数の1ビットの検査対象信号のデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のデータを設定するための画面を前記表示部に表示するデータ設定手段と、
    前記信号種別設定手段と前記データ設定手段によって設定された内容に従って検査対象信号のデータであるバイナリデータについて前記記憶部に記憶する前記タイムスタンプと前記記憶部に記憶する前記検査バイナリデータについてどのデータがどの検査対象信号のデータに対応するものであるかを示すテーブルとを参照して前記表示部に表示される時間軸に従って、前記単線表示と設定された1ビットの前記検査対象信号のバイナリデータは「1」・「0」のデータを「ハイ」・「ロー」のパルス状の波形として表示するためのデータに変換する波形化処理を行い、前記バス表示と設定された複数の1ビットの検査対象信号のバイナリデータ又は前記複数ビットの検査対象信号のバイナリデータは複数の「1」、「0」のデータを16進数の数値として表示するためのデータに変換する波形化処理を行う波形化手段と、
    前記波形化手段により波形化処理されたデータを時間軸と共に前記単線表示と設定されている前記表示信号についてはパルス状の波形を前記表示部の画面に表示し、前記バス表示と設定された前記表示信号については16進数の数値を波形として前記表示部の画面に表示する表示制御手段と、を具備することを特徴とするパチンコ遊技機開発支援ツール。
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