JP4604897B2 - 鍵盤装置 - Google Patents
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Description
このように、質量体の慣性モーメント発生部が押離鍵時に大きなストロークで昇降できるようにするため、支持部材には各鍵の下方に大きな空間を設けておかなければならない。
そのため、鍵の下方の空間を有効に利用することができず、特に鍵及び質量体の配列方向(鍵幅方向)に長い機能部品等を配置することができなかった。
そして、上記支持部材は、上記複数の質量体のうちの所定の相隣接する2つの質量体間に設けられたリブを有し、そのリブの下縁の少なくとも一部が、上記非駆動時の傾斜状態にある上記質量体の下縁に沿って形成されている。
さらに、上記支持部材の最下端に下ケースを装着し、上記機能部材収容部はその下ケースに形成することができる。
その凹陥部を電池又は電池パックを収容する電池室とすることもでき、下ケースにその凹陥部を覆う蓋体を着脱可能に設けてもよい。
なお、上記支持部材の最下端を、該支持部材の下面の2又は3箇所だけに分散して設けると、鍵盤装置を下ケースを装着せずに鍵盤楽器の棚板上に直接載置する場合に、ガタつくことなく安定して載置することができる。
図1乃至図10はこの発明の一実施例を示す図であり、図1はこの発明による鍵盤装置を備えた電子楽器の鍵長手方向に沿う概略断面図、図2はその鍵盤装置の1オクターブの鍵域部分の平面図、図3は図1における矢示S方向から見た正面図、図4は白鍵の自由端側の下面図である。
図9は図2に示した鍵盤装置を、鍵ユニットおよびスイッチ基板を取り除いて一部を破断して示す平面図、図10は黒鍵の質量体駆動部の側面図である。
鍵盤装置2は、多数の白鍵20と黒鍵40を支持部材である鍵盤フレーム10の鍵取付部10Kに取り付けて併設しており、それぞれ押鍵操作される鍵本体部だけを露出して、上ケース60と下ケース70からなるケース内に収納されている。その上ケース60と下ケース70は互いに嵌合しており、止めねじ71および図示していない複数の止めねじによって、鍵支持部材である鍵盤フレーム10と共に締め付けられて連結されている。
上ケース60の前面には口棒部64が設けられ、後部上面には譜面台62を差し込んで装着するための譜面台装着溝61が形成されている。下ケース70の下面の四隅にはゴム足76が取り付けられている。
第1の白鍵ユニットKUW1は、1オクターブの外側から一つ置きに4個の全音鍵である白鍵20(図2に示すC,E,G,B鍵)の各鍵本体部23が、それぞれ連結部24によって鍵共通保持部21に押離鍵方向に揺動可能に連結している。
黒鍵ユニットKUBは、図5では仮想線で示す5個の半音鍵である黒鍵40(図2に実線で示すC♯,D♯,F♯,G♯,A♯鍵)の各鍵本体部43がそれぞれ連結部42によって鍵共通保持部41に押離鍵方向に揺動可能に連結している。
ここで、「白鍵」と「黒鍵」とは、必ずしも色が「白い鍵」と「黒い鍵」を意味するものではなく、上述のように鍵本体部の上面がフラットで長さが長い方の鍵で、押鍵により全音を発音させるための鍵を「白鍵」と、鍵本体部が白鍵より上方に突出し長さが短い方の鍵で、押鍵により半音を発音させるための鍵を「黒鍵」と、それぞれ便宜上称している。したがって、実際の鍵の白黒が逆であっても、上述した白鍵に相当する形状及び機能を持つ鍵を「白鍵」とし、上述した黒鍵に相当する形状及び機能を持つ鍵を「黒鍵」とする。
黒鍵ユニットKUBの各黒鍵本体部43をそれぞれ鍵共通保持部41に押鍵方向に揺動可能に連結する連結部42は、図2及び図8に明示されているように、その鍵並び方向の全幅Waが黒鍵本体部40の鍵幅Wbよりも広く、その一部Wc,Wd(Wa,Wb,Wc,Wdは図8参照)が隣り合う白鍵20の連結部24と互いに重なり合うように幅広に構成され、その連結部42によって黒鍵40の押離鍵時における鍵幅方向の揺動を規制するようにしている。
なお、その連結部42における黒鍵本体部43の後端部43eの両側面からの厚肉接続部42aの突出量は、図2に示すように各黒鍵40ごとに異なっており、左右均等とは限らないし、各鍵によってもその幅長が異なっている。いずれにしても、黒鍵用連結部としての幅広部は、平均すると一鍵につき12/5=2.4鍵分の幅長を有し得ることになり、できる限りその鍵幅方向の全幅を広くとって、黒鍵本体部43の鍵幅方向の横振れを規制する効果を高めるようにしている。
水平ヒンジ部24aは、白鍵本体部23を押鍵方向に揺動可能に支持し、垂直ヒンジ部24bは白鍵本体部23を鍵幅方向に揺動可能に支持する。そのため、白鍵本体部23の前端部の鍵並び方向の位置決めと横揺れの規制は、白鍵20の自由端側に設けた後述するガイド部によって行うようにしている。
前述のように、黒鍵40の連結部42はその鍵幅方向の全幅が黒鍵本体部43の後端の鍵幅よりも広く、図2及び図5に明示されているように、その一部が隣合う白鍵20の連結部24と互いに重なり合う重なり部を有している。
その白鍵本体部23の逃がし部25に黒鍵40の連結部42の一部である厚肉接続部42aが嵌合して重なるようにしている。この実施例では、それによって白鍵本体23の上面23aと黒鍵40の連結部42の厚肉接続部42aの上面とが面一になっている。
一方、黒鍵40についても、連結部42の厚肉接続部42aを高くすることなく充分な厚さを確保することができるので、鍵幅方向への横振れに対する剛性を高めることができる。
この鍵盤フレーム10は、図1において左下側に位置する前方下側部分と、右下側に位置する後方下側部分と、上側に位置する上方部分と、それらを補強するとともに接続するリブ部とが樹脂によって一体に成形されている。
上部品取付部10Jには、上ケース60の上部に収容する操作パネル用基板等の部品を取り付けることができる。
鍵盤フレーム10の前端側上部には、各白鍵の自由端付近に対応する位置に、板状のガイド支持部11が、図2及び図3に示されているように白鍵20の並び方向に沿って列設されている。その各ガイド支持部11の前面から前方へ突出するように、板状の白鍵ガイド12が垂直に形成されている。このガイド支持部11と白鍵ガイド12とは、上方又は下方から見ると図2に破線で示し、図4に仮想線で示すようにT字状のガイド部材となっている。
各白鍵20に対しては白鍵用質量体50Wが、各黒鍵40に対しては黒鍵用質量体50Bが、それぞれ鍵盤フレーム10の質量体取付部10Gに図1で矢示M方向に揺動可能に取り付けられている。
この軸支位置すなわち回動軸14W,14Bの鍵長手方向の位置は、図2及び図9から分かるようにずれており、白鍵用質量体50Wに対する回動軸14Wの方が黒鍵用質量体50Bに対する回動軸14Bよりも前端寄りになっている。
このように、白鍵20と白鍵用質量体50Wとが常に連動して回動するように、質量体駆動部29を白鍵用質量体50Wの主被駆動部53Wと副被駆動部54Wとに係合させるようにしている。
これによって、上述した白鍵20と白鍵用質量体50Wの場合と同様に、黒鍵40と黒鍵用質量体50Bも常に連動して回動する。
質量感は、質量体の回動支点から重心までの距離の2乗に比例するので、質量集中部は極力回動支点から遠くにあるのが望ましい。そのため、質量集中部を鍵盤フレームから外に出し、さらに、上方へ回動したときにその質量集中部の上端が鍵盤フレームや鍵の最高点と同じ高さになるようにすることによって、タッチ感の向上と実装自由度の確保を高次元で両立させることができる。
さらに、この実施例では、白鍵用質量体50Wと黒鍵用質量体50Bの質量集中部52Wc,52Bcの実効長(伸ばしたときの長さ=重量)を異ならせており、それによって白鍵20と黒鍵40のタッチ感触を揃えるようにしている。
さらに、その鍵盤フレーム10の下端に装着する下ケース70に上記空間内に入り込む複数の凹陥部16,18を形成して、その各凹陥部16,18を機能部材収容部とすることができる。図1に示す例では、その一つの凹陥部18を電池あるいは電池パックを収容する電池室としており、蓋75を着脱可能に設けている。
もう一つの凹陥部16は機能部品収納部とし、ここに鍵並び方向に長い種々の機能部品を収納することを可能にしている。この機能部品収納部に、下ケース70に対して鍵盤フレーム10を嵌め込む時の仮保持部材を嵌入させたり、コードやマイクなどの付属品を収納することもできる。
その下ケース70は、止めねじ72,73,74によって鍵盤フレーム10のボス部10f,10g,10hにねじ止めされる。
鍵盤フレーム10と下ケース70を一体にして、下ケースの一部に鍵ユニット及び質量体を支持させるようにすることも可能である。
このようにすれば、この鍵盤装置2を、下ケース70を装着せずに鍵盤楽器の棚板上に直接載置する場合に、ガタつくことなく安定して載置することができる。
この質量体50の回動支点部である回動軸14は、鍵盤フレーム10の最下端(ボス部10f,10hの下面)から所定の高さ位置にある質量体取付部10G上の支持リブ10W間に設けられている。そのため、質量体50の慣性モーメント発生部52の下部にその移動範囲外の空間Sが形成され、その空間Sの最上部をリブ10dの下縁Reの一部と一致させている。
図13は、質量体50の下方空間内にスピーカ7を配置した例であり、鍵配列方向の任意の位置に複数のスピーカ7を配置することができる。この場合、コンソール型の鍵盤電子楽器に適用されるもので、その楽器の棚板から下方に放音されるように棚板に放音孔を開けて構成されるようになる。
これらのいずれにおいても、プリント基板6やスピーカ7が、鍵盤フレーム10の最下端から突出することはない。また、質量体50の回動による重量部52cの昇降を妨げることもない。
83…質量体上限ストッパ、84…質量体下限ストッパ
KU…鍵ユニット、KUW1…第1の白鍵ユニット(C,E,G,B鍵)、
KUW2…第2の白鍵ユニット(D,F,A鍵)、KUB…黒鍵ユニット、
Re…リブ10dの下縁、Me…質量体の下縁
Claims (2)
- 支持部材と、この支持部材に対し揺動自在に保持された複数の鍵と、その各鍵の下方でそれぞれ前記支持部材に対し回動支点部で揺動自在に支持され、前記複数の各鍵の下方にそれぞれ設けた質量体駆動部を介して駆動されて揺動する複数の質量体とを備えた鍵盤装置において、
前記複数の各質量体は、前記鍵の長手方向に沿って延び、その後端部に質量集中部を有し、非駆動時には該質量集中部が最下降位置になる傾斜状態となるように、前記支持部材に取り付けられており、
前記支持部材は、前記複数の質量体のうちの所定の相隣接する2つの質量体間に設けられたリブを有し、該リブの下縁の少なくとも一部が、前記非駆動時の傾斜状態にある前記質量体の下縁に沿って形成され、
前記質量体の回動支点部を前記支持部材の最下端から所定の高さ位置に設け、前記質量体の下部に該質量体の移動範囲外の空間を形成し、該空間の最上部を前記リブの下縁の一部と一致させるようにするとともに、
該リブの下縁が非駆動時の傾斜状態にある前記質量体の下縁に沿った位置に、該質量体の移動範囲外の空間内に入り込む凹陥部を形成して、該凹陥部を機能部材収容部としたこと
を特徴とする鍵盤装置。 - 前記支持部材の最下端に下ケースを装着し、前記機能部材収容部は該下ケースに形成したことを特徴とする請求項1記載の鍵盤装置。
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