JP4604435B2 - 放電加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放電加工装置に関するものである。特に、曲がり穴を加工する放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
曲がり穴を加工する放電加工装置の一例が、特開平10―315056号公報に記載されている。この放電加工装置を図1を参照しながら説明する。
放電加工装置100は、ガイド部材112と電極送り部材111と電極116と送り出し機構124とを備えている。ガイド部材112には貫通穴112bが形成されているとともに被加工材114に固定される。電極送り部材111は、ガイド部材112の貫通穴112bを貫通する線状のものである。電極116は電極送り部材111の先端に取り付けられている。送り出し機構124は、電極送り部材111の後端側111aを押して電極送り部材111の先端側をガイド部材112から送り出す。放電加工装置100は、さらに電極116に高電圧を印加する電源126を備えている。ガイド部材112と電極送り部材111の横断断面は円形である。電極送り部材111は、曲がり形状に記憶付けされたバネ鋼で形成されている。
【0003】
被加工材114に曲がり穴110を加工する際には、最初に被加工材114に断面円形の直線穴122を加工する。また、電極116とガイド部材112の先端112aが当接するまで、電極送り部材111をガイド部材112側に引き込んでおく。このために、曲がり形状に戻ろうとする電極送り部材111は、ガイド部材112内で直線状に保持される。この状態で、直線穴122に電極116を先端にして、電極116とガイド部材112と電極送り部材111が挿入され、ガイド部材112が被加工材115に固定される。
この状態から、電極116に高電圧が印加され、放電加工が開始される。放電加工しながらガイド部材112から電極送り部材111が送り出されると、ガイド部材112内で直線状に保持されていた電極送り部材111が曲がり形状に戻るので、被加工材114に曲がり穴110が加工される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の放電加工装置100の電極送り部材111はバネ鋼で形成されているために、ガイド部材112内に引き込まれて長時間に渡って直線状に保持されると永久変形してしまい、ガイド部材112から送り出された際に所定の曲がり形状に戻らなくなる。このために、このような電極送り部材111を用いて放電加工を行っても、曲がり穴の形状を正確に加工することができなかった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、曲がり穴の形状を意図した形状に正確に加工することができる放電加工装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
本願発明で創作した放電加工装置は、従来の放電加工装置と同様に、電極と被加工材との間で放電させることによって被加工材に曲がり穴を加工するものであり、貫通穴が形成されているとともに被加工材に固定されるガイド部材と、ガイド部材の貫通穴を貫通する線状の電極送り部材と、この電極送り部材の先端に取り付けられた電極と、電極送り部材の後端側を押して電極送り部材の先端側をガイド部材から送り出す送り出し機構とを備えている。本願発明の放電加工装置は、曲がり形状に記憶付けされた形状記憶合金で電極送り部材が形成されていることを特徴とする。
上記の放電加工装置の電極送り部材は、曲がり形状に記憶付けされた形状記憶合金で形成されている。形状記憶合金は超弾性性状を有しているので、形状記憶合金で形成された電極送り部材は、ガイド部材の貫通穴を貫通した状態で長時間保持されても、永久変形することがない。このため、電極送り部材は、ガイド部材から送り出されると正確に記憶付けされた曲がり形状に戻る。よって、曲がり穴の形状が意図した形状となるように精度よく放電加工することができる。
【0007】
上記の放電加工装置の場合、ガイド部材の先端にガイド部材の貫通穴に連続する貫通穴を持つ矯正部材を装着し、その矯正部材によってガイド部材から送り出される電極送り部材の送り出し方向が矯正されることが好ましい。
この矯正部材は、ガイド部材に対する角度が調整可能であり、調整された角度に固定できるものであることが好ましい。
上記の矯正部材が設けられていると、電極送り部材の送り出しが繰り返されてガイド部材もしくは矯正部材と、電極送り部材との間で摩耗が進行し、電極送り部材の送り出し方向が狂ってきた場合に、これを矯正することができる。このため、曲がり穴の形状が意図した形状となるように精度よく放電加工することができる。
【0008】
請求項1または2に記載した放電加工装置の場合、ガイド部材と矯正部材の一方または双方の貫通穴と電極送り部材の横断断面をともに非円形、例えば矩形とすることによって、電極送り部材のガイド部材に対する回転を規制することが好ましい。
上記の放電加工装置では、電極送り部材がガイド部材に対して回転することが規制されているために、ガイド部材の貫通穴に直交する面内における電極の進行方位が安定する。このために、ガイド部材の貫通穴に直交する面内における曲がり穴の方位を意図した方位に正確に向けることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放電加工装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
放電加工装置10は、図2に示されているように、基台25上に設けられた液槽24、ロボット26、電極部32等から構成されている。液槽24は上部が開放されており、その内部に被加工材14が収められるとともに加工液28が貯留されている。ロボット26は、X軸移動機構17、Y軸移動機構18、Z軸移動機構22から構成されている。ここで、X軸、Y軸、Z軸とは、図2に示されているように、それぞれ紙面直角方向、左右方向、上下方向である。X軸移動機構17とY軸移動機構18は、X軸方向とY軸方向に移動し、これにともなってZ軸移動機構22はX軸とY軸方向に移動する。Z軸移動機構22は、その下部にZ軸方向に伸縮する伸縮軸22aを備えている。なお、X軸移動機構17、Y軸移動機構18、Z軸移動機構22は、コントローラに制御された駆動機構によって駆動される(コントローラと駆動機構の図示は省略されている)。
【0010】
電極部32は、図3に示されているように、電極16、電極送り部材11、ガイド部材12、矯正部材36、支持部材34等から構成されている。
電極送り部材11は、形状記憶合金で形成された線状の部材であり、予め、曲がり形状に記憶付けされているとともに、上端がZ軸移動機構22の伸縮軸22aに装着されている(電極送り部材11については後述にて詳述する)。電極16は、すり鉢状の凹部16aが形成された球形の外形形状を有しており、この凹部16aに電極送り部材11先端が取り付けられている。ガイド部材12は、円柱状の外形を有しているとともに、軸方向に貫通する貫通穴12aが形成されている。図4に良く示されているように、貫通穴12aの断面は矩形状に形成されており、図4と図5に良く示されているように、その下部には幅が除々に拡大されている拡大部12bが形成されている。ガイド部材12の下端には、図5に良く示されているように、断面が半円柱状の凹部12cが形成されている。またガイド部材12の下端面には、凹部12cを挟んで2個のネジ穴38が設けられている。
【0011】
矯正部材36は、図6、図7に示されているように、上半分(図7の上下を矯正部材の上下とする)は上下に短い円柱状であり、下半分はこれに連なって次第に径が小さくなるような外形形状に形成されている。矯正部材36の上端面には図7に良く示されているように、半球状の凸部36bが形成されているとともに上下に貫通する貫通穴36aが設けられている。この貫通穴36aの断面は、ガイド部材12の貫通穴12aと同じ矩形状に形成されている。スクリュウ通し穴42は2個設けられており、その上半分には径が除々に拡大されている拡大部42aが形成されている。また、スクリュウ通し穴42の上下中間位置には段状の段付き部42bが形成されている。
【0012】
ガイド部材12に、電極16が取り付けられた電極送り部材11と矯正部材36が装着された状態が図8に示されている。ガイド部材12と矯正部材36の貫通穴(12a、36a)を貫通する電極送り部材11の軸方向断面は一定であり、その形状は、図9に良く示されているように、ガイド部材12の貫通穴12aの断面よりも僅かに小さい矩形状である。なお、図示の明瞭化のため、図9においては、貫通穴12aと電極送り部材11との隙間を大きめに誇張して図示している。
電極送り部材11は曲がり形状に記憶付けされているが、ガイド部材12の貫通穴12aに収容された状態では、直線状に保持されている。すなわち、曲がろうとする電極送り部材11は、強制的に直線状に引き延ばされてガイド部材12を貫通している。
矯正部材36は、図8に良く示されているように、ガイド部材12の凹部12cに矯正部材36の凸部36bがはまり込んだ状態で、2本のスクリュウ44が締め込まれることによってガイド部材12に装着される。この際には、スクリュウ44のスクリュウ頭が矯正部材36の段付き部42bに掛かり合う状態となる。
【0013】
このように矯正部材36がガイド部材12に装着されているので、2本のスクリュウ44それぞれの締め込み量を異ならせることによりガイド部材12に対する矯正部材36の角度を調整することができる。例えば、図8に示されているように、右側のスクリュウ44の締め込み量を多くし、左側のスクリュウ44の締め込み量を少なくすれば、矯正部材36は凸部36bを中心として反時計方向に回動する。矯正部材36が反時計方向に回動すると、貫通穴36aに貫通している電極送り部材11と、電極送り部材11の先端に取り付けられている電極16は、右側に首を振るようにその方向が調整される。この際には、ガイド部材12の貫通穴12aの下部に拡大部12bが形成されているので、この部分で電極送り部材11は滑らかに曲げられ、鋭く折り曲げられることが防止される。また、矯正部材36のスクリュウ通し穴42の拡大部42aは、矯正部材36が回動されたときのスクリュウ44との干渉を避けるための逃げとして機能する。
【0014】
支持部材34は、図3に示されているように、被加工材14に対してガイド部材12を固定する。支持部材34は被加工材14に図示しないスクリュウ等の機械的手段あるいは磁力等を用いて固定される。支持部材34には、上下に貫通する固定穴34aが形成されている。この固定穴34aにガイド部材12が挿入された状態で固定スクリュウ35が締め込まれると、ガイド部材12は、支持部材34に固定される。ガイド部材12が支持部材34に固定されると、ガイド部材12は被加工材14に対して位置決めされ固定される。
なお、図示は省略されているが、支持部材34には、電極16に加工液を流し込むとともに、放電加工時に電極16近傍で発生する加工液の気化ガスを放出するための連通穴が形成されている。
【0015】
以上説明した放電加工装置10を用いて行う曲がり穴加工について説明する。
まず最初に、図3に示されているように、ドリル加工により被加工材14に直線穴14aが加工される。そして、支持部材34が被加工材14に固定されるとともに、電極16が矯正部材36に当接するまで電極送り部材11を引き込んだ状態のガイド部材12が、支持部材34に支持されて直線穴14aに差し込まれる。また、電極送り部材11の後端は、Z軸移動機構22の伸縮軸22aに装着される。なお、Z軸移動機構22の伸縮軸22aを直線穴14aの真上に位置させるための調整は、X軸移動機構17とY軸移動機構18が移動することによって行われる。
【0016】
この状態で、図示しない放電加工機の電源部から電極16に高電圧が印加される。すると、電極16と被加工材14との間に放電が発生し、この放電現象により被加工材14が穴加工される。電極16と被加工材14は非接触状態で加工されるために、電極16には加工反力がかからない。被加工材14が穴加工されるのに従ってZ軸移動機構22の伸縮軸22aの伸展量が制御され、電極送り部材11の後端が押されてガイド部材12から送り出される。ガイド部材12から送り出された電極送り部材11は、予め記憶付けられている形状記憶合金であるから、予め記憶付けされている曲がり形状に戻る。このため、放電加工によって加工される穴は、図10に示されているように、曲がり穴14bとして形成される。このようにして加工される曲がり穴14bは、電極送り部材11に予め記憶付けしておく形状によって自由に設定することができ、例えば、曲がりくねった形状とすることもできる。
【0017】
上述した放電加工装置10の電極送り部材11は、形状記憶合金で形成されているので、ガイド部材12から送り出されると正確に記憶付けされた曲がり形状に戻る。電極送り部材11は、ガイド部材12と矯正部材36の矩形状断面の貫通穴(12a、36a)に矩形状断面の電極送り部材11が貫通し、電極送り部材11の軸廻りの回転が規制されている。また、放電加工が繰り返されて電極送り部材11と矯正部材36の貫通穴36aが摩耗すると、電極送り部材11が送り出される方向が狂ってくるが、この狂いは矯正部材36の位置を調整することにより、矯正することができる。この状態が図8に図示されており、矯正部材36に生じた摩耗52により電極送り部材11が左側に偏り、電極16が左側に首を振ってしまうのを矯正部材36が反時計方向に回動して矯正し、電極16の位置は正規の中心位置に配置される。
【0018】
実際の角度調整作業では、図8の背面に垂線を示すゲージを置き、矯正部材36から送り出される電極送り部材11が垂線方向に送り出されるように、矯正部材36の傾斜角度を調整する。調整後にネジ44を締め付けて矯正部材36の傾斜角度を調整された角度に固定する。矯正部材36の傾斜角度を調整した結果、最も引き込まれた位置にある電極16のガイド部材12に対するX軸方向とY軸方向の位置がずれることがある。この場合には、調整後の電極16のガイド部材12に対するX軸方向とY軸方向のズレ量を計測し、計測した分だけ、被加工材14に対する支持部材34のX軸方向とY軸方向の位置を調整し、最も引き込まれた位置にある電極16が直線穴14a同軸にそろうようにする。
このように、最も引き込まれた位置にある電極16が直線穴14a同軸にそろい、その位置から垂直に送り出されるように調整すると、直線穴14aと曲がり穴14bの間で段差なく滑らかに連続する穴に加工することができる。
【0019】
また、ガイド部材12に対して回転することができないようにして電極送り部材11を送り出すと、ガイド部材12の貫通穴12aに直交する面内において所望の方向に電極を送り出すことができ、曲がり穴14bの方位を意図した方向に正確に向けることができる。
形状記憶合金は過酷な応力状態に長時間置かれていても、外力から開放されると予め記憶付けられている形状に復帰する性質を有し、経年変化しないことから、電極送り部材11を形状記憶合金で形成しておくと、曲がり穴の形状を意図した形状に正確に仕上ることができる。
【0020】
本発明の実施の形態では、(1)電極送り部材11を形状記憶合金で形成することによって、曲がり穴の形状を意図した形状に正確に仕上ることができ(2)電極送り部材11がガイド部材12に対して回転できないように規制することによって曲がり穴の方位(ガイド部材12の貫通穴12aに直交する面内における方位)を意図した方向に正確に向けることができ、(3)矯正部材34によって電極16が直線穴14aと同軸にそろった位置から垂直に送り出されるように調整することによって、直線穴14aと曲がり穴14bの間で段差なく滑らかに連続する穴に加工することに成功している。
ガイド部材12の貫通穴12aと電極送り部材11との間には、製作誤差による多少の隙間が生じることは避けがたいが、矯正部材36の位置を調整することにより、隙間の存在によって起きる電極16の送り出し方向の狂いも矯正することができる。また、矯正部材36の電極送り部材11の間に摩耗が生じても、その、摩耗の影響を補償することができる。
【0021】
このようにして加工された曲がり穴は、例えば、金型の温度調整用水路として用いることができる。金型の温度調整用水路は、従来においては直線穴を組み合わせた形状で加工されていたために、温度調整用として必ずしも最適な形状でなかった。本実施例の放電加工装置10によって加工した曲がり穴と直線穴を組み合わせれば、最適形状の金型の温度調整用水路を形成することができる。
【0022】
【実施例】
電極送り部材として用いる形状記憶合金の記憶熱処理温度やニッケル成分量の変化に対する残留曲がり特性(超弾性特性)を計測したので、その結果を以下に説明する。
記憶熱処理温度の変化に対する残留曲がり特性の計測に用いた形状記憶合金の成分組成等は下記の表1に示されているとおりである。
【0023】
【表1】
Figure 0004604435
【0024】
表1に示されている形状記憶合金を複数製作し、それぞれを450℃〜540℃の間の異なる温度環境下に60分間暴露する記憶熱処理を行い、その後5分間水冷した。
続いて、図11に示されているように、25mm離れて配置された支持架62上に形状記憶合金64をセットアップし、図12に示されているように、力付加部材66を用いて鉛直下方に力を加え、形状記憶合金64を6mm変形させた。
そして、図13に示されているように、力付加部材66が加えていた力を解除した後の残留曲がり68を計測した。
以上のようにして計測した記憶熱処理温度に対する残留曲がりを図14に示す。図14から明らかなように、500℃〜540℃で記憶熱処理が行われた形状記憶合金の残留曲がり68は0.25mm以下と少なく、優れた超弾性特性を有していた。
なお、表1に示されている成分組成の形状記憶合金は、最終加工方法を温間平線圧延としてもよい。また、温間平線圧延で最終加工した形状記憶合金の最終平面肌は酸洗肌としてもよいし、潤滑肌としてもよい。
【0025】
ニッケル成分量の変化に対する形状記憶合金の残留曲がりを計測した。変化させたニッケル成分量と残留曲がりの計測結果は、下記の表2に示されているとおりである。なお、この計測に用いた形状記憶合金の記憶熱処理温度は500℃、その後の水冷は5分間である。また、計測のセットアップは、図11〜図13に図示されている記憶熱処理温度に対する残留曲がりのものと同じである。
【0026】
【表2】
Figure 0004604435
【0027】
表2から明らかなように、ニッケル成分量が高目の56.0%の形状記憶合金の残留曲がりは0.02mmと、ニッケル成分量が低目の55.6%の形状記憶合金の残留曲がり0.15mmよりも大幅に小さいくなる結果を示した。なお、好適なニッケル成分量は、55.8〜56.1%である。
【0028】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
従って、例えば、以下に記載するように構成してもよい。
【0029】
(1)電極送り部材の軸廻りの動きを規制する電極送り部材と貫通穴の断面形状は、矩形に限られるものではない。電極送り部材と貫通穴の断面形状は、非円形であれば良く、例えば楕円形や三角形を用いても電極送り部材の軸廻りの動きを規制することができる。
【0030】
(2)矯正部材による電極送り部材が送り出される方向の矯正は、矯正部材がガイド部材に対して回動されて行われる構成に限られるものではない。例えば、矯正部材がガイド部材の軸直角方向にスライドし、電極送り部材が送り出される方向が矯正されてもよい。
【0031】
(3)矯正部材は電極送り部材の軸廻りの動きを規制せずに、ガイド部材から送り出される電極送り部材の方向のみを矯正し、電極送り部材の軸廻りの動きの規制は、ガイド部材の貫通穴と電極送り部材の横断断面が非円形であることによって行われるように構成してもよい。
【0032】
(4)形状記憶合金の成分組成は、表1、表2に示されたものに限られない。例えば、Ni−Ti系合金またはこれにFe(鉄)、Co(コバルト)、Cu(銅)、V(バナジウム)、Al(アルミニウム)、Mn(マンガン)の内の1種あるいは2種以上を添加した成分組成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術に係る放電加工装置の電極部の断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る放電加工装置の全体図。
【図3】本発明の実施の形態に係る放電加工装置の電極部の断面図(放電加工開始前)。
【図4】本発明の実施の形態に係るガイド部材の平面図。
【図5】図4のV―V線断面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る矯正部材の平面図。
【図7】図6のVII―VII線断面図。
【図8】本発明の実施の形態に係るガイド部材に矯正部材、電極送り部材等が装着された状態の断面図。
【図9】図8のIX―IX線断面図。
【図10】本発明の実施の形態に係る放電加工装置の電極部の断面図(放電加工開始前)。
【図11】本発明の実施例に係る形状記憶合金が支持架上にセットアップされた状態の模式図。
【図12】本発明の実施例に係る形状記憶合金に力を付加した状態の模式図。
【図13】本発明の実施例に係る形状記憶合金が付加された力を解除された状態の模式図。
【図14】本発明の実施例に係る形状記憶合金の記憶熱処理温度と残留曲がりの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10:本発明の放電加工装置
11:電極送り部材
12:ガイド部材、12a:貫通穴、12b:拡大部、12c:凹部
14:被加工材、14a:直線穴
16:電極、16a:凹部
17:X軸移動機構
18:Y軸移動機構
22:Z軸移動機構、22a:伸縮軸
24:液槽
25:基台
26:ロボット
28:加工液
32:電極部
34:支持部材、34a:固定穴
35:固定スクリュウ
36:矯正部材、36a:貫通穴、36b:凸部
38:ネジ穴
42:スクリュウ通し穴、42a:拡大部、42b:段付き部
44:スクリュウ
62:支持架
64:形状記憶合金
66:力付加部材
68:残留曲がり
100:従来の放電加工装置
110:曲がり穴
111:電極送り部材、111a:後端側
112:ガイド部材、112a:先端、112b:貫通穴
114:被加工材
116:電極
122:直線穴
124:送り出し機構
126:電源

Claims (3)

  1. 電極と被加工材との間で放電させることによって被加工材に曲がり穴を加工する放電加工装置であり、
    貫通穴が形成されているとともに被加工材に固定されるガイド部材と、ガイド部材の貫通穴を貫通する線状の電極送り部材と、この電極送り部材の先端に取り付けられた電極と、電極送り部材の後端側を押して電極送り部材の先端側をガイド部材から送り出す送り出し機構とを備えており、
    電極送り部材は、曲がり形状に記憶付けされた形状記憶合金で形成されていることを特徴とする放電加工装置。
  2. ガイド部材の先端にガイド部材の貫通穴に連続する貫通穴を持つ矯正部材が装着されており、その矯正部材はガイド部材から送り出される電極送り部材の送り出し方向を矯正することを特徴とする請求項1の放電加工装置。
  3. ガイド部材と矯正部材の一方又は双方の貫通穴と電極送り部材の横断断面がともに非円形であることによって電極送り部材のガイド部材に対する回転が規制されていることを特徴とする請求項1又は2の放電加工装置。
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