JP4603993B2 - 有価証券売却システムおよび有価証券売却方法、並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、有価証券を売却する有価証券売却システムおよび有価証券売却方法、並びにプログラムに係り、例えば、相続等によるタンス株、従業員持株会の退会者の保有する自社株式、株式累積投資で買い付けた株式、役員の保有する自社株式等の有価証券を証券会社に預け、定期的な売却処理を行って換金する場合に利用でき、特に、高齢者等の年金受取りに準じる仕組みを提供する場合に利用できる。
我国で1960年代後半に、従業員持株制度が定着して、およそ半世紀が経過している。近年、この従業員持株会の退会者に、在職期間中に毎月買い付けられて積み立てられた自社株式を、老後資金として有利に取り崩していきたいと望む者が増えてきた。
また、証券会社によるタンス株等の売却勧誘に関しては、銘柄の入替え提案など、買い付け商品の案内によるケースが多く、換金を目的として売却を行いたい顧客の要望に応じるものとはなっていないのが現状である。そして、相続等によりタンス株等を証券会社に預ける顧客は、一般に株式の投資経験が浅く、「見切り千両」の格言の如く、売却のタイミングの判断に迷うケースが多い。
これに対し、株式の購入の場合には、例えば、前述した従業員持株会システム、あるいは株式累積投資システム(証券会社が選定する銘柄の中から投資者が指定した銘柄の株式を、当該投資者の払込金と同一銘柄を指定した他の投資者の払込金とを合算した額で、定期的(毎月一定の日)に共同買付けするシステム)等で利用されている「ドルコスト平均法」があり、この「ドルコスト平均法」では、買付けを前提としたシステム取引で株式の購入コストを平準化するメリットがあるため、例えば高齢者や投資経験の浅い者等でも、容易に安定した株式投資を行うことができる。
なお、確定拠出年金制度に適用可能なシステムとして、加入者からの拠出金からなる年金資産を複数の金融商品で投資運用する際に、容易かつビジュアルな操作環境で、加入者が端末装置から投資運用の指示を実行できる年金運用管理システムがあり(特許文献1参照)、また、企業の従業員に対する確定拠出年金制度への加入支援、企業が指定する確定拠出年金規約に従った商品選択等により確定拠出年金制度の運営を効率的に行う確定拠出年金運営管理システムがある(特許文献2参照)。さらに、年金に関するシステムとして、種々の個人データに基づいて年金額を演算し、個人データと演算された年金額とから、将来の毎年の資金不足額を演算する資産運用設計システムがある(特許文献3参照)。
特開2002−312592号公報(請求項1、要約) 特開2002−329078号公報(請求項1、要約) 特開2002−73968号公報(請求項1、要約)
前述したように、高齢者等のようなタンス株の保有者は、一般的に株式売買の経験の浅い者が多く、自身では売却のタイミングに迷うことが多いが、証券会社では、これらの者に対し、単純に銘柄の入替え等、買付け商品の提案をするにとどまっているのが現状である。
他方、高齢者にとって、単純に銘柄の入替え等を提案されても、その売却タイミングの判断が困難であり、むしろ高齢者にとっては、少ない年金の補助として、例えば毎月安定的に自己の保有株式を売却して換金したいという要望があった。
なお、前述した特許文献1,2に記載された年金運用管理システムや確定拠出年金運営管理システムは、加入者からの拠出金からなる年金資産の投資運用や制度運営の効率化を図るためのシステムであり、保有資産の売却を目的としたシステムではない。また、前述した特許文献3に記載された資産運用設計システムは、退職時点等のある将来時点で目標とする必要資金額を確保するための投資期間中の資産配分の最適化を図るためのシステムであり、資産の形成過程での処理に関するシステムであるから、既に形成された資産の売却を目的としたシステムではない。
本発明の目的は、顧客の保有する有価証券を顧客の要望に沿って安定的に売却して換金することができ、顧客の資産管理の手間を軽減することができる有価証券売却システムおよび有価証券売却方法、並びにプログラムを提供するところにある。
<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>
本発明は、コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、最適なポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、市場時価を提供する時価情報提供システムから各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各顧客の当月の受取希望額、および時価情報取得処理手段により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各顧客の当月の受取希望額と同額または略同額になるように、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の当月の売却数量を各顧客毎に算出する売却数量算出処理手段と、この売却数量算出処理手段により算出した当月の売却数量、銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を各顧客毎に作成する発注情報作成処理手段と、この発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および銘柄識別情報、並びに顧客識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する発注処理手段と、この発注処理手段により受信した各銘柄についての約定情報に含まれる売却数量および売却単価を用いて、当月売却された有価証券の各銘柄の売却代金の合計額を各顧客毎に算出するとともに、各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出し、各銘柄の売却代金の合計額から諸費用を減じることによって、各顧客の当月の換金額を算出する換金額算出処理手段と、この換金額算出処理手段により算出された各顧客の当月の換金額または各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、他の金融機関に開設された各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各顧客の現金残高に、各顧客の当月の換金額または各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、口座データベースに記憶された各顧客の現金残高の更新を行う支払処理手段と、発注処理手段により受信した各銘柄についての約定情報に含まれる売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する証券保有数量更新処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「銘柄識別情報」とは、例えば、銘柄名、銘柄コード、あるいはこれらの組合せ等である。以下の発明においても同様である。
また、「顧客識別情報」とは、例えば、証券会社に開設された顧客の口座番号、顧客コード、顧客の名前、電話番号、電子メールアドレス、あるいはこれらの組合せ等である。以下の発明においても同様である。
さらに、「換金額算出処理手段」における「委託手数料を含む諸費用」とは、例えば、現行制度では、顧客が証券会社に支払う委託手数料およびそれに掛かる税金(消費税)等である。以下の発明においても同様である。
そして、「売却数量算出処理手段」における「受取希望額と同額または略同額になるように」とは、例えば、諸費用(委託手数料、税金等)の金額、端数処理(株式売却の場合には、単元株に満たない端数株の処理、あるいは単元株に満たない株数を取り扱えるシステムにおいては、例えば、1株分に満たない少数点以下の株数の処理等)の金額、前回支払処理時(前月等)の繰越金額、あるいは成行注文の場合の試算時の時価単価と実際の売却単価との相違に基づく差額等を考慮し、売却額を受取希望額と同額としなくてもよい趣旨である。例えば、諸費用が引かれることを考慮し、その分だけ受取希望額よりも多めの売却額となるようにしてもよく、あるいは前回支払処理時の繰越金額があることを考慮し、その分だけ少なめの売却額となるようにしてもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
また、「売却数量算出処理手段」における「各銘柄の売却代金の合計額」、および「換金額算出処理手段」における「各銘柄の売却代金の合計額」は、売却対象銘柄が1銘柄しかない顧客については、合計を行う必要はない。以下の発明においても同様である。
さらに、「支払処理手段」における「各顧客の当月の換金額または各顧客の当月の受取希望額」とは、当月の換金額をそのまま各顧客に支払ってもよく、あるいは繰越金額による調整を行って受取希望額の通りの金額を各顧客に支払ってもよい趣旨である。以下の発明においても同様である。
そして、「支払処理手段」における「他の金融機関の預金口座システム」とは、例えば、銀行の普通預金口座や当座預金口座の残高を管理するシステム等である。以下の発明においても同様である。
また、「支払処理手段」における「証券会社に設けられた口座データベース」とは、例えば、MRF(Money Reserve Fund:マネー・リザーブ・ファンド)やMMF(Money Management Fund:マネー・マネージメント・ファンド)等の証券総合口座のように、証券会社の管理下で証券会社に開設される口座であって、銀行の普通預金口座と同様に、現金の出し入れが可能な口座の残高管理を行うデータベース等である。さらに、「口座データベースに記憶された各顧客の現金残高」には、例えば、証券総合口座に現金が生じてもMRF等を購入しないようにする手続を証券会社に対して行った場合における証券総合口座の現金残高のみならず、証券総合口座に入金された現金が自動的にMRF等の購入に充当された場合におけるMRF等の残高(現金相当残高)も含まれる。以下の発明においても同様である。
このような本発明の有価証券売却システムにおいては、毎月または年間のうち定められた月に、受取希望額データベースに記憶された各顧客の受取希望額に従って、売買数量算出処理手段により、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量が算出され、発注処理手段により自動的に売り注文の発注処理が行われ、売却で得られた金銭が、支払処理手段により各顧客へ支払われる。
このため、高齢者や、株式等の有価証券に対する投資経験の浅い者でも、売却タイミングの判断に迷うことなく、自動的に換金化を図ることが可能となり、これらの者の資産管理の手間を軽減することが可能となる。
また、各顧客の受取希望額に従って、安定的に保有証券の換金処理が行われ、保有証券の売却で得られた金銭を定期的に受け取ることができるので、高齢者にとって、年金の補助となり、あるいは年金代わりに利用することが可能となる。従って、例えば、従業員持株会の退会者が、在職期間中に積み立てた自社株式を有利に取り崩していき、老後の生活資金等に充当していくこと、あるいは株式累積投資で資産を形成した者が、その資産を売却して生活資金等に充当していくこと等が可能となる。
さらに、オーナーや役員等の会社経営者が、自社株式を売却する際に懸念される「インサイダー取引」等の未然防止を図ることも可能となり、これらにより前記目的が達成される。
<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>
複数の銘柄を同時期に売却する点は、前述した<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>と同様であるが、前述した<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>が、発注情報に顧客識別情報を含ませて各顧客名義で売却を行うのに対し、次の発明では、複数の顧客分を集計した集合売却数量を求め、複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する点が異なる。
すなわち、本発明は、コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、最適なポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、市場時価を提供する時価情報提供システムから各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各顧客の当月の受取希望額、および時価情報取得処理手段により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各顧客の当月の受取希望額と同額または略同額になるように、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の当月の売却数量を各顧客毎に算出する売却数量算出処理手段と、この売却数量算出処理手段により算出した各銘柄の当月の売却数量を各顧客毎に記憶する売却数量記憶手段と、売却数量算出処理手段により算出した各顧客の当月の売却数量を、複数の顧客分について銘柄毎に集計する売却数量集計処理手段と、この売却数量集計処理手段による集計処理で得られた当月の集合売却数量および銘柄識別情報を含む複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する発注情報作成処理手段と、この発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで複数の顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および銘柄識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する発注処理手段と、(i)この発注処理手段により受信した各銘柄についての約定情報に含まれる売却単価および売却数量記憶手段に記憶された各顧客の各銘柄の当月の売却数量を用いて、当月売却された有価証券の各銘柄の売却代金の合計額を各顧客毎に算出するとともに、(ii)約定情報に含まれる集合売却数量および売却単価を用いて、複数の顧客分をまとめて当月売却された有価証券の各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる各銘柄についての集合委託手数料を、売却数量記憶手段に記憶された各顧客の各銘柄の当月の売却数量に比例させて銘柄毎に複数の顧客で按分し、按分して得られた各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を各顧客毎に算出するか、または(iii)各顧客についての各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出し、(i)で算出した各銘柄の売却代金の合計額から(ii)または(iii)で算出した諸費用を減じることによって、各顧客の当月の換金額を算出する換金額算出処理手段と、この換金額算出処理手段により算出された各顧客の当月の換金額または各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、他の金融機関に開設された各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各顧客の現金残高に、各顧客の当月の換金額または各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、口座データベースに記憶された各顧客の現金残高の更新を行う支払処理手段と、売却数量記憶手段に記憶された各顧客の各銘柄の当月の売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、売却数量記憶手段に記憶された各顧客の各銘柄の当月の売却数量をゼロにして初期化する証券保有数量更新処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「換金額算出処理手段」における「按分して得られた各銘柄についての委託手数料の合計額」とは、各銘柄についての集合委託手数料を銘柄毎に按分して各顧客の個人の委託手数料を銘柄毎に求め、求めた各銘柄についての委託手数料を各顧客毎に合計した金額である。なお、売却銘柄が1銘柄しかない顧客については、合計を行う必要はない。以下の発明においても同様である。
また、「換金額算出処理手段」における「按分して得られた各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用」とは、例えば、現行制度では、各銘柄についての委託手数料の合計額(顧客が証券会社に支払う委託手数料)およびそれに掛かる税金(消費税)等である。以下の発明においても同様である。
さらに、「換金額算出処理手段」における(ii)の諸費用の算出処理は、集合売却数量を用いて複数の顧客分をまとめて売却したことに対応させ、集合売却数量から集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を算出し、この集合委託手数料を複数の顧客で按分して各顧客の委託手数料(複数銘柄ある場合には、各銘柄の委託手数料の合計額)を求める場合である。従って、この場合において、通常の手数料体系を適用したとしても、まとめて売却したので、各顧客が個々に支払う委託手数料を安価にすることが可能となる。また、通常の手数料体系ではなく、本発明に特有の手数料体系を採用してもよい。一方、(iii)の諸費用の算出処理は、集合売却数量を用いて複数の顧客分をまとめて売却したものの、委託手数料については、集合売却代金ではなく、各顧客の個々の売却代金に応じて定める場合である。但し、この場合でも、通常の手数料体系を適用するのではなく、本発明に特有の手数料体系を採用してもよく、そうすれば、通常の手数料体系を適用する場合に比べ、各顧客が個々に支払う委託手数料を安価にすることが可能となる。以下の発明においても同様である。
<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>
各顧客毎に発注情報を作成する点は、前述した<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>と同様であるが、前述した<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>が、複数の銘柄を同時期に売却するのに対し、次の発明では、複数の銘柄を異なる時期に売却する点が異なる。
すなわち、本発明は、コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、最適なポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、各顧客の当月の累積換金額を各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と、各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて各顧客毎に記憶する支払時期記憶手段と、市場時価を提供する時価情報提供システムから各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、売却時期記憶手段に記憶された各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額、および時価情報取得処理手段により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各顧客の当月の受取希望額から各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した各銘柄の売却数量のうち売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量、売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を各顧客毎に作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで売却された売却時期到来銘柄についての売却数量、売却単価、および銘柄識別情報、並びに顧客識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した売却時期到来銘柄についての約定情報に含まれる売却数量および売却単価を用いて、売却された売却時期到来銘柄の売却代金を各顧客毎に算出するとともに、売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出し、売却時期到来銘柄の売却代金から諸費用を減じることによって、各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段に上書保存することによって、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した売却時期到来銘柄についての約定情報に含まれる売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の売却時期到来銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量を更新する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と、支払時期記憶手段に記憶された各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する支払時期到来顧客抽出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、受取希望額データベースに記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および時価情報取得処理手段により取得した各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量、銘柄識別情報、および支払時期到来顧客についての顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を各支払時期到来顧客毎に作成する支払時期到来顧客発注情報作成処理手段と、この支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および銘柄識別情報、並びに支払時期到来顧客についての顧客識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来顧客発注処理手段と、この支払時期到来顧客発注処理手段により受信した支払時期到来顧客についての約定情報に含まれる売却数量および売却単価を用いて、売却された各銘柄の売却代金の合計額を支払時期到来顧客毎に算出するとともに、各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を各支払時期到来顧客毎に算出し、各銘柄の売却代金の合計額から諸費用を減じることによって、各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段に上書保存することによって、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段と、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、他の金融機関に開設された各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各支払時期到来顧客の現金残高に、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、口座データベースに記憶された各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、支払時期到来顧客発注処理手段により受信した各支払時期到来顧客の各銘柄についての約定情報に含まれる売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売却システムにおいては、前述した<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>と同様な構成が得られることに加え、売却時期記憶手段に記憶された各銘柄の売却時期を参照することにより、各銘柄を売却するのに適した時期に各銘柄の売却を行うことができるので、より有利な売却を行うことが可能となり、あるいは他のシステム(例えば、従業員持株会システムや株式累積投資システム等)による同一銘柄の購入時期と一致させることで、マーケットインパクトを抑え、本システムで売り注文を出す者および他のシステムで買い注文を出す者の双方にとって、バランスのとれた安定した取引の実現が可能となる。
さらに、支払時期記憶手段に記憶された各顧客への支払時期に、各顧客の累積換金額が受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、不足する換金額を得るための売却数量を算出し、売却を行って換金してから、支払処理手段による支払処理を行うので、各顧客の希望する支払時期に、各顧客の希望に沿った額の金銭を支払うことが可能となる。
<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>
複数の銘柄を異なる時期に売却する点は、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>と同様であるが、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>が、発注情報に顧客識別情報を含ませて各顧客名義で売却を行うのに対し、次の発明では、複数の顧客分を集計した集合売却数量を求め、複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する点が異なる。
すなわち、本発明は、コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、最適なポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、各顧客の当月の累積換金額を各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と、各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて各顧客毎に記憶する支払時期記憶手段と、市場時価を提供する時価情報提供システムから各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、売却時期記憶手段に記憶された各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各顧客の当月の受取希望額から各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した各銘柄の売却数量のうち売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量を各顧客毎に記憶する売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段と、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した各銘柄の売却数量のうち売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計する売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた売却時期到来銘柄についての集合売却数量および売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を含む複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで複数の顧客分をまとめて売却された売却時期到来銘柄についての集合売却数量、売却単価、および銘柄識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、(i)この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した売却時期到来銘柄についての約定情報に含まれる売却単価および売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量を用いて、売却された売却時期到来銘柄の売却代金を各顧客毎に算出するとともに、(ii)約定情報に含まれる集合売却数量および売却単価を用いて、複数の顧客分をまとめて売却された売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量に比例させて複数の顧客で按分し、按分して得られた売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出するか、または(iii)各顧客についての売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出し、(i)で算出した売却時期到来銘柄の売却代金から(ii)または(iii)で算出した諸費用を減じることによって、各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段に上書保存することによって、累積換金額記憶手段に記憶された各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の売却時期到来銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量を更新するとともに、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量をゼロにして初期化する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と、支払時期記憶手段に記憶された各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する支払時期到来顧客抽出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、受取希望額データベースに記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、受取希望額データベースに記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および時価情報取得処理手段により取得した各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段に記憶された目的関数の演算構成要素または各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を各支払時期到来顧客毎に記憶する支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段と、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を、複数の支払時期到来顧客分について銘柄毎に集計する支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段と、この支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた集合売却数量および銘柄識別情報を含む複数の支払時期到来顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する支払時期到来顧客発注情報作成処理手段と、この支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、発注情報に基づき証券取引実行システムで複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および銘柄識別情報を含む約定情報を、証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来顧客発注処理手段と、(iv)この支払時期到来顧客発注処理手段により受信した複数の支払時期到来顧客分をまとめた約定情報に含まれる売却単価および支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を用いて、売却された各支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金の合計額を各支払時期到来顧客毎に算出するとともに、(v)約定情報に含まれる集合売却数量および売却単価を用いて、複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる各銘柄についての集合委託手数料を、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に複数の支払時期到来顧客で按分し、按分して得られた各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を各支払時期到来顧客毎に算出するか、または(vi)各支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を各支払時期到来顧客毎に算出し、(iv)で算出した各銘柄の売却代金の合計額から(v)または(vi)で算出した諸費用を減じることによって、各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段と、この支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段に上書保存することによって、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段と、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、他の金融機関に開設された各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各支払時期到来顧客の現金残高に、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、口座データベースに記憶された各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、累積換金額記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベースに上書保存することによって、証券保有数量データベースに記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>および上述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>においては、各銘柄の売却時期が異なるのみならず、各顧客への支払時期も異なる構成とされていたが、各顧客への支払時期については、全ての顧客について同時期としてもよい。このような構成とする場合には、支払時期記憶手段および支払時期到来顧客抽出処理手段の設置を省略し、支払時期到来顧客抽出時に支払時期到来顧客について行っていた処理を、全ての顧客に共通の支払時期に全ての顧客について行えばよい。
<複数の銘柄を異なる時期に売却する発明についての共通事項>
また、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>および上述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>において、売却時期記憶手段には、各銘柄の売却時期として、従業員持株会システム若しくは株式累積投資システムから通信回線を介して取得しまたはシステム管理者により入力された従業員持株会システム若しくは株式累積投資システムによる各銘柄の買付時期、または各銘柄の時価変動を分析して得られた時価単価の周期的に高くなる時期のいずれかが記憶されていることが望ましい。
このように各銘柄の売却時期を、従業員持株会システムや株式累積投資システムによる各銘柄の買付時期と一致させた場合には、マーケットインパクトを抑えることが可能となり、本システムで有価証券の売却を行う者と、従業員持株会システムや株式累積投資システムで有価証券の購入を行う者との双方にとって、安定した取引を実現し、公平に、ある程度の利益をもたらすことが可能となる。また、各銘柄の売却時期を、各銘柄の時価変動を分析して得られた時価単価の周期的に高くなる時期と一致させた場合には、より有利な取引を行うことが可能となり、顧客の利益を確保することが可能となる。
<共通事項>
さらに、以上に述べた有価証券売却システムにおいて、各顧客が操作する顧客端末装置から通信回線を介して送信されてくる受取希望額の入力を受け付ける受取希望額入力受付処理手段を備え、受取希望額データベースには、受取希望額入力受付処理手段により受け付けた各月の受取希望額の基本設定を記憶する基本設定記憶部と、受取希望額入力受付処理手段により受け付けた各月の受取希望額の特別設定を記憶する特別設定記憶部とが設けられ、特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている月の場合には、特別設定記憶部に記憶された受取希望額が、当月の受取希望額として売買数量算出処理で用いられ、特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されていない月の場合には、基本設定記憶部に記憶された受取希望額が、当月の受取希望額として売買数量算出処理で用いられ、支払処理手段は、特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている月について、当月の支払処理の終了後に、その月の特別設定記憶部に記憶された受取希望額をゼロにするか、またはその月の特別設定記憶部を空欄とする処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように受取希望額の設定で、基本設定と特別設定とを行うことができる構成とした場合には、顧客の要望を、より詳細に取り入れることが可能となり、例えば、海外旅行に行く、孫が入学する、新車を購入する等の様々な事情により、ある年の、ある月だけについて、受け取る金額を変更したい場合等に対応することが可能となり、顧客にとってのシステムの使い勝手の向上が図られる。
そして、以上に述べた有価証券売却システムにおいて、各顧客が操作する顧客端末装置から通信回線を介して送信されてくる受取希望額の入力を受け付ける受取希望額入力受付処理手段と、この受取希望額入力受付処理手段により受取希望額の入力を受け付けた場合に、入力を受け付けた受取希望額、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、および時価情報取得処理手段により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価を用いて、各顧客の保有する全ての有価証券の売却が完了する予測年月、またはこの予測年月までの残り期間を画面表示または印刷する支払可能期間出力処理手段とを備えていることが望ましい。
このように保有証券の売却が完了する年月の予測提示を行う構成とした場合には、顧客は、自己の受取希望額の設定で、どれ位の時期まで現金を受け取ることが可能なのかを、容易に把握することができるので、受取希望額を妥当な額に設定することが可能となる。このため、例えば、計算の苦手な高齢者等でも、老後の生活設計を立てやすくなる。
また、以上に述べた有価証券売却システムにおいて、繰越金額を各顧客毎に記憶する繰越金額記憶手段を備え、支払処理手段は、繰越金額記憶手段に記憶された前回支払処理時に生じた繰越金額を、当月の売却処理で得られた換金額に加算し、加算して得られた金額が、受取希望額データベースに記憶された各顧客の当月の受取希望額を超える場合には、超える分の金額を当月の繰越金額として算出し、当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、他の金融機関に開設された各顧客の預金口座への振り込みを行うとともに、繰越金額記憶手段に記憶された前回支払処理時に生じた繰越金額を、証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各顧客の現金残高から減じ、かつ、当月の繰越金額を、証券会社に設けられた口座データベースに記憶された各顧客の現金残高に加算することによって、口座データベースに記憶された各顧客の現金残高を更新し、さらに、当月の繰越金額を、繰越金額記憶手段に上書保存することによって、繰越金額記憶手段に記憶された繰越金額を更新する構成とされていることが望ましい。
このように証券会社に設けられた口座データベースを利用して繰越処理を行う構成とした場合には、顧客は、受取希望額の通りの現金を、銀行等の他の金融機関に開設された自己の預金口座で受け取ることができるとともに、繰越金額の分を、例えば、証券総合口座に入れて、MRFの購入等に充当することが可能となり、この分を、次の支払処理時の預金口座への振込に回すことが可能となる。
さらに、以上に述べた有価証券売却システムにおいて、売却数量決定要素記憶手段には、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素として、各銘柄の配当利回りが記憶されていることが望ましい。
このように各銘柄の配当利回りのデータを用いて各銘柄の売却数量を算出する構成とした場合には、毎回の売却処理後に残るポートフォリオを、配当利回りの良い銘柄で構成された状態に保つことが可能となるので、顧客の受け取る配当を多くすることができ、売却処理を進めて資産を取り崩しつつ、効率の良い資産運用を実現することが可能となる。
また、以上に述べた本発明の有価証券売却システムで実行される本発明の有価証券売却方法、および本発明の有価証券売却システムとして、コンピュータを機能させるための本発明のプログラムについても、<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>、<複数の銘柄を同時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>、<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>、<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>に対応する発明を挙げることができる。
なお、本発明のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、本発明のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、毎月または年間のうち定められた月に、受取希望額データベースに記憶された各顧客の受取希望額に従って、証券保有数量データベースに記憶された各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量が算出され、自動的に売り注文の発注処理が行われ、売却で得られた金銭が各顧客へ支払われるので、顧客の保有する有価証券を顧客の要望に沿って安定的に売却して換金することができ、顧客の資産管理の手間を軽減することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、同一銘柄については複数の顧客分をまとめて発注する発明>に対応する実施形態である。図1には、本実施形態の有価証券売却システム10の全体構成が示されている。図2には、証券保有数量データベース31の構造が示され、図3には、受取希望額データベース32の構造が示され、図4には、売却時期記憶手段35に記憶される内容の一例が示され、図5には、支払時期記憶手段36に記憶される内容の一例が示されている。また、図6には、毎月の処理の流れが、2006年3月を例としてフローチャートで示され、図7および図8には、毎日の処理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図9には、受取希望額入力設定画面の例が示され、図10および図11には、各顧客の保有証券の売却処理の流れが具体的数値例で示されている。
図1において、有価証券売却システム10は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、有価証券の売却に関する各種処理を行う処理手段20と、この処理手段20に接続されて有価証券の売却に関する各種処理に必要なデータを記憶する記憶手段30とを備えて構成されている。
また、有価証券売却システム10には、証券会社の各顧客が操作する1台または複数台の顧客端末装置50と、有価証券売却システム10の運用管理を行うシステム管理者が操作する1台または複数台のシステム管理者端末装置51とが、通信回線であるネットワーク1を介して接続されている。ここで、ネットワーク1は、例えば、LAN、MAN、WAN、インターネット、イントラネット、エクストラネット、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
さらに、有価証券売却システム10には、従業員持株会システム60と、株式累積投資システム61と、時価情報提供システム70と、証券取引実行システム80と、口座管理システム90と、預金口座システム92とが、それぞれ通信回線である専用線を介して接続されている。なお、これらの接続は、ネットワーク1を介して行ってもよい。
処理手段20は、設定処理手段21と、時価情報取得処理手段22と、売却時期到来銘柄関連処理手段23と、支払時期到来顧客関連処理手段24とを含んで構成されている。
設定処理手段21は、保有証券登録処理手段21Aと、受取希望額入力受付処理手段21Bと、支払可能期間出力処理手段21Cと、売却時期設定処理手段21Dと、支払時期設定処理手段21Eとを含んで構成されている。
保有証券登録処理手段21Aは、システム管理者が顧客の保有する有価証券について、各銘柄とそれらの各銘柄の保有数量(株式の場合には、保有株数)をシステムに登録する作業を支援する処理を行うものである。この保有証券登録処理手段21Aは、システム管理者端末装置51からの画面送信要求に応じて、顧客の保有する銘柄およびその保有数量を入力するための証券保有情報入力画面(例えば、WEB画面等)の表示用情報を、ネットワーク1(例えば、証券会社内のLANやイントラネット、あるいはそれらと接続されたインターネット等)を介してシステム管理者端末装置51へ送信し、システム管理者端末装置51で証券保有情報入力画面を用いてシステム管理者により入力された情報(各銘柄の銘柄識別情報およびこれらの各銘柄の保有数量とが関連付けられているとともに顧客識別情報を含む情報:但し、顧客識別情報は事前に別画面等を用いて送信してもよい。)を、ネットワーク1を介して受信し、受信した情報を証券保有数量データベース31に記憶保存して登録する処理を行う。このようなシステム管理者による作業は、新規顧客の登録時、あるいは既存の顧客についての保有銘柄や保有数量の追加・変更・削除時に行われる。なお、システム管理者端末装置51に、証券保有情報入力画面を表示するためのプログラム(専用のソフトウェア)が搭載されている場合には、保有証券登録処理手段21Aによる証券保有情報入力画面の表示用情報の送信処理は省略することができる。
受取希望額入力受付処理手段21Bは、顧客の受取希望額の入力を受け付ける処理を行うものである。この受取希望額入力受付処理手段21Bは、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51からの画面表示要求に応じて、顧客の受取希望額(コース選択や指定金額等)を入力設定するための図9の受取希望額入力設定画面100(例えば、WEB画面等)の表示用情報を、ネットワーク1を介して顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51へ送信し、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51で受取希望額入力設定画面100を用いて顧客やシステム管理者により入力された情報(コース選択情報、指定金額情報、各月の受取希望額についての基本設定および特別設定の情報、および顧客識別情報を含む情報:但し、顧客識別情報は事前に別画面等を用いて送信してもよい。)を、ネットワーク1を介して受信し、受信した情報を受取希望額データベース32に記憶保存して登録する処理を行う。このような受取希望額の入力設定作業は、新規顧客の初期設定については、顧客の申請に基づいてシステム管理者が行い、その後の設定変更については、顧客が自ら行うか、またはシステム管理者に代行入力してもらうようにしてもよく、あるいは初期設定についても、顧客が自ら行うようにしてもよく、さらには、初期設定および設定変更のいずれについても、顧客の自らの入力またはシステム管理者の代行入力を随時自由に選択できるようにしてもよい。なお、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51に、受取希望額入力設定画面100を表示するためのプログラム(専用のソフトウェア)が搭載されている場合には、受取希望額入力受付処理手段21Bによる受取希望額入力設定画面100の表示用情報の送信処理は省略することができる。
支払可能期間出力処理手段21Cは、受取希望額入力受付処理手段21Bにより受取希望額の入力(本実施形態では、図9の受取希望額入力設定画面100で「試算」ボタン110をクリックした場合の仮の入力)を受け付けた場合に、入力を受け付けた受取希望額、証券保有数量データベース31に記憶された該当顧客(受取希望額の設定処理対象となっている顧客であり、以下同様である。)の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、および時価情報取得処理手段22により取得した該当顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価を用いて、該当顧客の保有する全ての有価証券の売却が完了する予測年月、またはこの予測年月までの残り期間を画面表示または印刷する処理(本実施形態では、予測年月の画面表示処理)を行うものである。より具体的には、支払可能期間出力処理手段21Cは、該当顧客が保有する有価証券の各銘柄についての銘柄識別情報およびそれらの各銘柄の保有数量(株式の場合には、保有株数)を、該当顧客の顧客識別情報をキーとして証券保有数量データベース31から取得し、取得した各銘柄の保有数量に、時価情報取得処理手段22により取得した各銘柄の時価単価を乗じることにより、各銘柄の時価を算出し、さらに各銘柄の時価を合計して(但し、該当顧客が1銘柄しか保有していない場合には、合計の必要はない。)、該当顧客の保有する有価証券の時価総額(現在の資産価値)を算出し、この時価総額から、該当顧客の毎月の受取希望額を減じていった場合に、時価総額がゼロになる年月を求める。例えば、該当顧客の現在の時価総額が、5,000万円であるとし、該当顧客が10万円コース(毎月の受取希望額を10万円で固定するコース)を選択していたとすると、5,000万円÷10万円=500ヶ月(41年8ヶ月)が、売却完了予測年月までの残り期間となる。なお、受取希望額について特別設定の金額がある場合には、後述するように、その金額は1年限りのデータであるものとし、2年目以降の計算では、基本設定の金額を用いる。
売却時期設定処理手段21Dは、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61から各銘柄の買付時期データを取得し、取得した各銘柄の買付時期データを本システム10によるそれらの各銘柄の売却時期として、本システム10に設定登録する処理(第1の売却時期設定処理)と、システム管理者が各銘柄の売却時期を本システム10に入力して設定登録する作業を支援する処理(第2の売却時期設定処理)とを行うものである。
第1の売却時期設定処理については、売却時期設定処理手段21Dは、買付時期取得要求を通信回線を介して従業員持株会システム60および株式累積投資システム61へ送信し、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61から送信されてくる各銘柄の買付時期データを通信回線を介して受信し、受信した買付時期データを各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う。この際、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61に送信する買付時期取得要求には、買付時期を取得したい銘柄の銘柄識別情報を含めてもよく、システム60,61から送信されてくる買付時期データが、いずれの銘柄の買付時期データなのかが一意に定まる場合(例えば、A社の従業員持株会システム60の場合には、A社株である。)、あるいはシステム60,61から買付時期データと銘柄識別情報とが対になって送信されてくる場合等には、買付時期取得要求には、銘柄識別情報を含めなくてもよい。また、本システム10の処理タイミングでシステム60,61に対して買付時期取得要求を送信するのではなく、システム60,61側の処理に基づき、システム60,61側の処理タイミングで送信されてくる買付時期データ(買付時期データと銘柄識別情報とが対になっている場合を含む。)を受信する処理を行ってもよい。
第2の売却時期設定処理については、売却時期設定処理手段21Dは、システム管理者端末装置51からの画面表示要求に応じて、売却時期を入力設定するための売却時期入力設定画面(例えば、WEB画面等)の表示用情報を、ネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信し、システム管理者端末装置51で売却時期入力設定画面を用いてシステム管理者により入力された情報(各銘柄の売却時期および銘柄識別情報を含む情報)を、ネットワーク1を介して受信し、受信した各銘柄の売却時期データを各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う。このようにしてシステム管理者により入力される売却時期は、例えば、各銘柄の時価変動を統計分析して得られた時価単価の周期的に高くなる時期等である。具体的には、例えば、D社株について過去の時価単価の変動データを統計分析し、毎月23日に周期的に何らかの理由でD社株の時価単価が高くなることを把握した場合には、何ヶ月か先までの毎月のD社株の売却時期を23日に入力設定することができる。このような分析では、例えば、時価単価の移動平均値(平均する期間は適宜設定すればよい。)に対するその時の時価単価の乖離度(例えば、標準偏差に対する倍率)がプラス側に大きい時期が周期的に現れた場合に、その時期を売却時期として定めることができる。なお、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61から、例えば、電子メールやファクシミリ等により自動的に通知されてきた買付時期、あるいは従業員持株会システム60および株式累積投資システム61の運用関係者から、例えば、電話や電子メールやファクシミリ等により通知されてきた買付時期を、システム管理者が、システム管理者端末装置51で売却時期入力設定画面を用いて売却時期として入力してもよい。
なお、売却時期設定処理手段21Dは、第1および第2の売却時期設定処理のいずれの処理を行う場合についても、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61による買付時期を、本システム10による売却時期として設定する場合には、同じ銘柄について、略同じ時期に売却時期が到来したり、1ヶ月の間に複数回の売却時期が到来することを回避するため、次のような処理を行う構成としてもよい。つまり、同じ銘柄について、略同じ時期に売却時期が到来したり、1ヶ月の間に複数回の売却時期が到来すると、後に到来する売却時期において、それ程、売却株数が多くないにもかかわらず、売却が行われるという結果になる場合も生じ得ることとなり、顧客の支払う手数料の増加や、システムの処理負担の増加になるので、これを回避するとともに、最も高い効果(例えばマーケットインパクトを抑える効果等)が得られることが予想される売却時期を設定することが可能な構成をとることができる。
例えば、売却時期設定処理手段21Dは、第1の売却時期設定処理の場合には、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61から、各銘柄の買付時期データのみならず、その買付時期における買付株数データ(予定数や予測数でもよい。)を通信回線を介して受信し、受信した買付時期データおよび買付株数データを、各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う構成とすることができ、あるいは受信した買付時期データおよび買付株数データとともに、これらのデータの取得元であるシステムを識別するための買付時期取得元情報を、各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う構成としてもよい。この際、買付時期取得元情報は、従業員持株会システム60および株式累積投資システム61から送信されてくるようにしてもよく、あるいは売却時期設定処理手段21Dにより通信相手のシステムを認識し(例えば、通信が行われるポートの番号や、通信のためのヘッダ情報等から認識し)、その認識したシステムに対応する買付時期取得元情報(対応関係は、プログラム内に記述されていてもよく、対応テーブルとしてプログラムの外部で記憶しておいてもよい。)を記憶させるようにしてもよい。例えば、売却時期記憶手段35には、「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/11、買付株数:30万株、買付時期取得元情報:A社従業員持株会システム60」等を記憶させる。
また、売却時期設定処理手段21Dは、第2の売却時期設定処理の場合には、システム管理者端末装置51で売却時期入力設定画面を用いてシステム管理者により入力された情報(各銘柄の売却時期(つまり買付時期)、銘柄識別情報、および買付株数を含む情報、あるいはこれらに加えて買付時期取得元情報を含む情報)を、ネットワーク1を介して受信し、受信した各銘柄の売却時期データ(つまり買付時期データ)および買付株数データを、各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う構成とすることができ、あるいは受信した各銘柄の売却時期データ(つまり買付時期データ)および買付株数データとともに、これらのデータの取得元であるシステムを識別するための買付時期取得元情報を、各銘柄の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する処理を行う構成としてもよい。
そして、このように売却時期設定処理手段21Dを、売却時期記憶手段35に、銘柄識別情報、売却時期(つまり、買付時期)、および買付株数を登録する処理を行う構成とする場合においては、売却時期設定処理手段21Dは、登録しようとしている売却時期(つまり、買付時期)T1の買付株数K1と、その売却時期T1が属する月と同じ月を売却時期(つまり、買付時期)として既に登録されている同じ銘柄についての別の売却時期(つまり、買付時期)T2の買付株数K2との大小を比較し、登録しようとしている売却時期T1の買付株数K1の方が、既登録の別の売却時期T2の買付株数K2よりも大きい場合には、登録しようとしている売却時期T1およびその買付株数K1を、銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶させるとともに、既登録の別の売却時期T2およびその買付株数K2、並びにそれらと対応して記憶された銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35から削除する。一方、登録しようとしている売却時期T1の買付株数K1の方が、既登録の別の売却時期T2の買付株数K2よりも小さい場合には、登録しようとしている売却時期T1およびその買付株数K1、並びにその銘柄識別情報は、売却時期記憶手段35に記憶させない。つまり、売却時期T1は設定しない。例えば、「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/11、買付株数:30万株」が、A社株の3月の売却時期を示す情報として、売却時期記憶手段35に既に登録されている状態で、その後、同じA社株の3月の売却時期を示す情報である「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/14、買付株数:50万株」が、これから登録しようとしている登録対象候補となったとすれば、前者の既登録の30万株と、後者の登録対象候補の50万株とを比較し、登録対象候補の50万株の方が大きいので、この登録対象候補の「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/14、買付株数:50万株」は、売却時期記憶手段35に記憶され、既登録の「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/11、買付株数:30万株」は削除される。なお、登録対象候補の買付株数K1と、既登録の買付株数K2とが同数の場合には、いずれを登録し、いずれを削除してもよい。また、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期T1のデータがあるとき、その時点において、売却時期T1が属する月と同じ月に属する既登録の別の売却時期T2のデータが無い場合(買付株数の比較対象が無い場合)には、その登録対象候補の売却時期T1のデータをそのまま売却時期記憶手段35に記憶させて登録すればよい。
また、売却時期設定処理手段21Dを、売却時期記憶手段35に、銘柄識別情報、売却時期(つまり、買付時期)、買付株数、および買付時期取得元情報を登録する処理を行う構成とする場合においては、売却時期設定処理手段21Dは、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期(つまり、買付時期)T3の属する月の前の月に属する同じ銘柄についての売却時期(つまり、買付時期)T5の買付株数K5も考慮して売却時期記憶手段35への登録処理を行うか否かの判断を行うことができる。先ず、売却時期設定処理手段21Dは、登録対象候補の売却時期T3の属する月と同じ月に属する既登録の別の売却時期T4が存在する場合には、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3と、既登録の別の売却時期T4の買付株数K4との大小を比較し、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3の方が大きい場合には、登録対象候補の売却時期T3およびその買付株数K3、買付時期取得元情報B3を、銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶させるとともに、既登録の別の売却時期T4およびその買付株数K4、買付時期取得元情報B4、並びにそれらと対応して記憶された銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35から削除する。一方、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3の方が、既登録の別の売却時期T4の買付株数K4よりも小さい場合には、登録対象候補の売却時期T3およびその買付株数K3、買付時期取得元情報B3、並びにその銘柄識別情報は、売却時期記憶手段35に記憶させない。つまり、売却時期T3は設定しない。なお、登録対象候補の買付株数K3と、既登録の買付株数K4とが同数の場合には、いずれを登録し、いずれを削除してもよい。
次に、売却時期設定処理手段21Dは、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期T3のデータがあるとき、その時点において、売却時期T3が属する月と同じ月に属する既登録の別の売却時期T4のデータが無い場合(買付株数の比較対象が無い場合)には、その登録対象候補の売却時期T3のデータをそのまま売却時期記憶手段35に記憶させて登録するのではなく、売却時期T3が属する月の前の月に属する同じ銘柄についての売却時期T5の買付株数K5も考慮する。従って、既に売却時期が到来し、一連の売却時期到来銘柄関連処理が行われた売却時期についてのデータについても、削除せずに、少なくとも一定期間、売却時期記憶手段35に保存しておき、そのデータも判断処理に使用することになる。
すなわち、売却時期設定処理手段21Dは、登録対象候補の売却時期T3が属する月と同じ月に、買付株数の比較対象が無い場合には、売却時期T3が属する月の前の月に属する同じ銘柄についての売却時期T5のデータを参照し、前の月の売却時期T5の買付時期取得元情報B5と、登録対象候補の売却時期T3の買付時期取得元情報B3とが異なるか否かを判断し、これらが異なる場合には、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3と、前の月の売却時期T5の買付株数K5との大小を比較し、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3の方が、前の月の売却時期T5の買付株数K5よりも小さい場合には、登録対象候補の売却時期T3およびその買付株数K3、買付時期取得元情報B3、並びにその銘柄識別情報は、売却時期記憶手段35に記憶させない。つまり、売却時期T3は設定しない。一方、前の月の売却時期T5の買付時期取得元情報B5と、登録対象候補の売却時期T3の買付時期取得元情報B3とが同じである場合には、登録対象候補の売却時期T3およびその買付株数K3、買付時期取得元情報B3、並びにその銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35に記憶させて登録する(これにより、前月と同じ買付時期取得元のシステムから取得した買付時期の買付株数であれば、当月においても最も大きな買付株数となるであろうという期待に基づく設定が行われ、一連の売却時期到来銘柄関連処理が行われる売却時期を提供する買付時期取得元のシステムが前月の状態のまま維持される可能性が生じることになる)。また、前の月の売却時期T5の買付時期取得元情報B5と、登録対象候補の売却時期T3の買付時期取得元情報B3とが異なる場合であっても、登録対象候補の売却時期T3の買付株数K3の方が、前の月の売却時期T5の買付株数K5よりも大きい場合には、登録対象候補の売却時期T3およびその買付株数K3、買付時期取得元情報B3、並びにその銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35に記憶させて登録する(これにより、一連の売却時期到来銘柄関連処理が行われる売却時期を提供する買付時期取得元のシステムが前月の状態から入れ替わる可能性が生じることになる)。なお、買付時期取得元のシステムが前月の状態から入れ替わるというのは、例えば、A社株の売却時期が、2月には、A社従業員持株会システム60により提供されて設定されていたところ、3月には、株式累積投資システム61により提供されたものが設定される状態となること、あるいは、2月には、ある株式累積投資システム61により提供されて設定されていたところ、3月には、別の株式累積投資システム61により提供されたものが設定される状態になること等である。
さらに、以上においては、売却時期設定処理手段21Dは、これらから登録しようとしている登録対象候補の売却時期のデータと、この登録対象候補の売却時期が属する月と同じ月、あるいはその前の月に属する別の売却時期のデータとを比較する処理を行う構成とされていたが、以下のように、登録対象候補の売却時期のデータと、この登録対象候補の売却時期の前後の一定期間内に属する別の売却時期のデータとを比較する処理を行う構成としてもよい。
売却時期設定処理手段21Dを、売却時期記憶手段35に、銘柄識別情報、売却時期(つまり、買付時期)、および買付株数を登録する処理を行う構成とする場合においては、売却時期設定処理手段21Dは、登録しようとしている売却時期(つまり、買付時期)T6の買付株数K6と、その売却時期T6の前後の一定期間内(例えば、売却時期T6の25日前から売却時期T6の25日後までの期間内等のように、前後1ヶ月よりも若干短い期間内とする例が挙げられる。)に属する売却時期(つまり、買付時期)として既に登録されている同じ銘柄についての別の売却時期(つまり、買付時期)T7の買付株数K7との大小を比較し、登録しようとしている売却時期T6の買付株数K6の方が、既登録の別の売却時期T7の買付株数K7よりも大きい場合には、登録しようとしている売却時期T6およびその買付株数K6を、銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶させるとともに、既登録の別の売却時期T7およびその買付株数K7、並びにそれらと対応して記憶された銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35から削除する。一方、登録しようとしている売却時期T6の買付株数K6の方が、既登録の別の売却時期T7の買付株数K7よりも小さい場合には、登録しようとしている売却時期T6およびその買付株数K6、並びにその銘柄識別情報は、売却時期記憶手段35に記憶させない。つまり、売却時期T6は設定しない。例えば、「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/11、買付株数:30万株」が、A社株の売却時期を示す情報として、売却時期記憶手段35に既に登録されている状態で、その後、同じA社株の売却時期を示す情報である「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/14、買付株数:50万株」が、これから登録しようとしている登録対象候補となったとすると、2006/3/14を基準として前後の一定期間内に、2006/3/11が属していれば、前者の既登録の30万株と、後者の登録対象候補の50万株とを比較し、登録対象候補の50万株の方が大きいので、この登録対象候補の「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/14、買付株数:50万株」は、売却時期記憶手段35に記憶され、既登録の「銘柄識別情報:A社株、売却時期(つまり、買付時期):2006/3/11、買付株数:30万株」は削除される。なお、登録対象候補の買付株数K6と、既登録の買付株数K7とが同数の場合には、いずれを登録し、いずれを削除してもよい。また、売却時期設定処理手段21Dは、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期T6のデータがあるとき、その時点において、売却時期T6の前後の一定期間内に属する既登録の売却時期T7のデータが無い場合(買付株数の比較対象が無い場合)には、その登録対象候補の売却時期T6のデータをそのまま売却時期記憶手段35に記憶させて登録すればよい。
また、売却時期設定処理手段21Dを、売却時期記憶手段35に、銘柄識別情報、売却時期(つまり、買付時期)、買付株数、および買付時期取得元情報を登録する処理を行う構成とする場合においては、売却時期設定処理手段21Dは、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期(つまり、買付時期)T8の前後の一定期間内(例えば、売却時期T8の35日前から売却時期T8の35日後までの期間内等のように、前後1ヶ月よりも若干長い期間内とする例が挙げられる。)に属する同じ銘柄についての売却時期(つまり、買付時期)T9の買付時期取得元情報B9も考慮して売却時期記憶手段35への登録処理を行うか否かの判断を行うことができる。従って、既に売却時期が到来し、一連の売却時期到来銘柄関連処理が行われた売却時期についてのデータについても、削除せずに、少なくとも一定期間、売却時期記憶手段35に保存しておき、そのデータも判断処理に使用することになる。
すなわち、売却時期設定処理手段21Dは、登録対象候補の売却時期T8の前後の一定期間内に属する既登録の別の売却時期T9が存在する場合には、この既登録の売却時期T9の買付時期取得元情報B9と、登録対象候補の売却時期T8の買付時期取得元情報B8とが異なるか否かを判断し、これらが異なる場合には、登録対象候補の売却時期T8の買付株数K8と、既登録の別の売却時期T9の買付株数K9との大小を比較し、登録対象候補の売却時期T8の買付株数K8の方が、既登録の別の売却時期T9の買付株数K9よりも大きい場合には、登録対象候補の売却時期T8およびその買付株数K8、買付時期取得元情報B8、並びにその銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35に記憶させて登録するとともに、既登録の別の売却時期T9およびその買付株数K9、買付時期取得元情報B9、並びにそれらと対応して記憶された銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35から削除する。一方、登録対象候補の売却時期T8の買付株数K8の方が、既登録の別の売却時期T9の買付株数K9よりも小さい場合には、登録対象候補の売却時期T8およびその買付株数K8、買付時期取得元情報B8、並びにその銘柄識別情報は、売却時期記憶手段35に記憶させない。つまり、売却時期T8は設定しない。なお、登録対象候補の買付株数K8と、既登録の買付株数K9とが同数の場合には、いずれを登録し、いずれを削除してもよい。また、既登録の売却時期T9の買付時期取得元情報B9と、登録対象候補の売却時期T8の買付時期取得元情報B8とが同じである場合には、登録対象候補の売却時期T8およびその買付株数K8、買付時期取得元情報B8、並びにその銘柄識別情報を、売却時期記憶手段35に記憶させて登録する(これにより、前月と同じ買付時期取得元のシステムから取得した買付時期の買付株数であれば、当月においても最も大きな買付株数となるであろうという期待に基づく設定が行われ、一連の売却時期到来銘柄関連処理が行われる売却時期を提供する買付時期取得元のシステムが前月の状態のまま維持される可能性が生じることになる)。さらに、売却時期設定処理手段21Dは、これから登録しようとしている登録対象候補の売却時期T8のデータがあるとき、その時点において、売却時期T8の前後の一定期間内に属する既登録の売却時期T9のデータが無い場合(買付株数の比較対象が無い場合)には、その登録対象候補の売却時期T8のデータをそのまま売却時期記憶手段35に記憶させて登録すればよい。
支払時期設定処理手段21Eは、各顧客への支払時期(銀行等の金融機関への振込日)の入力を受け付ける処理を行うものである。この支払時期設定処理手段21Eは、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51からの画面表示要求に応じて、各顧客への支払時期を入力設定するための支払時期入力設定画面(例えば、WEB画面等)の表示用情報を、ネットワーク1を介して顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51へ送信し、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51で支払時期入力設定画面を用いて顧客やシステム管理者により入力された情報(支払時期および顧客識別情報を含む情報:但し、顧客識別情報は事前に別画面等を用いて送信してもよい。)を、ネットワーク1を介して受信し、受信した支払時期データを顧客識別情報と対応させて支払時期記憶手段36に記憶保存して登録する処理を行う。このような支払時期の入力設定作業は、新規顧客の初期設定については、顧客の申請に基づいてシステム管理者が行い、その後の設定変更については、顧客が自ら行うか、またはシステム管理者に代行入力してもらうようにしてもよく、あるいは初期設定についても、顧客が自ら行うようにしてもよく、さらには、初期設定および設定変更のいずれについても、顧客の自らの入力またはシステム管理者の代行入力を随時自由に選択できるようにしてもよい。なお、顧客端末装置50やシステム管理者端末装置51に、支払時期入力設定画面を表示するためのプログラム(専用のソフトウェア)が搭載されている場合には、支払時期設定処理手段21Eによる支払時期入力設定画面の表示用情報の送信処理は省略することができる。
また、設定処理手段21は、システム管理者または顧客が、システム管理者端末装置51や顧客端末装置50を操作し、演算構成要素入力設定画面(例えば、WEB画面や、端末装置50,51に搭載された専用のソフトウェアで表示される画面等)を用いて、売却数量の算出処理で用いられる目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を入力し、売却数量決定要素記憶手段33に記憶保存させる登録作業(設定変更作業を含む。)を支援する処理を行う演算構成要素設定処理手段も備えている。
時価情報取得処理手段22は、時価情報提供システム70から通信回線を介して各銘柄の時価単価(市場時価)を取得する処理を行うものである。この際、時価情報提供システム70に対して、本システム10の処理タイミングで、時価単価を取得したい銘柄の銘柄識別情報を含む時価情報取得要求を送信し、この要求に対して時価情報提供システム70から送信されてきた時価情報(時価単価と銘柄識別情報とが対になった情報)を受信してもよく、あるいは時価情報提供システム70に対して、本システム10の処理タイミングで、提供可能な全ての銘柄の時価単価を取得する要求を送信し、この要求に対して時価情報提供システム70から送信されてきた提供可能な全ての銘柄の時価情報(時価単価と銘柄識別情報とが対になった情報)を受信してもよい。また、時価情報提供システム70側の処理に基づき、時価情報提供システム70側の処理タイミングで、例えば定期的に送信されてくる各銘柄の時価情報(時価単価と銘柄識別情報とが対になった情報)を受信してもよい。
売却時期到来銘柄関連処理手段23は、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aと、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bと、売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段23Cと、売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dと、売却時期到来銘柄発注処理手段23Eと、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fと、売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段23Gと、売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段23Hとを含んで構成されている。
売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aは、売却時期記憶手段35に記憶された各銘柄の売却時期を一定の時間間隔で(例えば、毎日同じ時刻に)参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行うものである。例えば、翌日の売却対象銘柄を、毎晩(前の晩)の参照処理で抽出したり、その日の売却対象銘柄を、当日の朝や午前中等の参照処理で抽出する。なお、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aは、一定の時間間隔で自動的に売却時期記憶手段35の売却時期データを参照して抽出処理を行うのではなく、システム管理者の実行指示があったときに、売却時期記憶手段35の売却時期データを参照して抽出処理を行う構成としてもよい。
売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bは、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aによる抽出処理で売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、証券保有数量データベース31に記憶された各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量(株式の場合には、保有株数)、受取希望額データベース32に記憶された各顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段34に記憶された各顧客の当月の累積換金額、および時価情報取得処理手段22により取得した各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価(株式の場合には、その時点の株価)、並びに売却数量決定要素記憶手段33に記憶された目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各顧客の当月の受取希望額から各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)を各顧客毎に算出する処理を行うものである。なお、各顧客の当月の受取希望額について特別設定の金額がある場合には、その金額を用いて各銘柄の売却数量を算出する。
また、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bは、算出した各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)のうち、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aにより抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量を、顧客識別情報と対応させて各顧客毎に売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶保存する処理を行う。
売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段23Cは、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより算出した各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)のうち、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aにより抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計することにより、売却時期到来銘柄についての集合売却数量(株式の場合には、集合売却株数)を算出する処理を行うものである。例えば、A社株が売却時期到来銘柄であったとすると、各顧客のA社株の売却株数を集計して集合売却数量を算出する。この際、A社株を保有しているものの、その時点でのA社株の売却株数がゼロとなった顧客、またはA社株を保有していない顧客については、集計の対象とはならない。
売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dは、売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段23Cによる集計処理で得られた売却時期到来銘柄についての集合売却数量および売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を含む複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行うものである。この際、発注情報は、複数の顧客分をまとめたものであるから、顧客識別情報を含む顧客名義の発注情報を作成するのではなく、証券会社名義または各顧客を代表する組織名義(例えば、株式購入の場合における従業員持株会に相当するような組織名義)等の発注情報を作成する。従って、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより算出された各顧客の個々の売却数量(売却株数)が、たとえ単元株に満たない場合または単元株に満たない端数を有する場合であっても、集合売却数量(集合売却株数)に基づき、まとめて売却を行うことができる。例えば、「口座:証券会社、銘柄:A社株、数量:30万株、売」等の発注情報を作成する。
なお、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>の場合における売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段は、各顧客の個々の売却数量(売却株数)および銘柄識別情報、並びに顧客識別情報を発注情報に含め、各顧客名義の発注情報を作成する。従って、この場合には、各顧客の個々の売却数量(売却株数)は、売買を行うことができる単位(単元株)にしなければならないが、単元株に満たない端数株の分の金額は、繰越金額で調整することができる。例えば、「口座:大和太郎(XXXXXXXXX)、銘柄:A社株、数量:1,000株、売」等の発注情報を作成する。
売却時期到来銘柄発注処理手段23Eは、売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dにより作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システム80へ通信回線を介して送信するとともに、送信した発注情報に基づき証券取引実行システム80で複数の顧客分をまとめて売却された売却時期到来銘柄についての約定情報を、証券取引実行システム80から通信回線を介して受信する処理を行うものである。この際、約定情報には、集合売却数量(集合売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報が含まれている。例えば、「口座:証券会社、銘柄:A社株、数量:30万株、売、単価:750円」等の約定情報を受信する。
なお、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>の場合における売却時期到来銘柄発注処理手段は、各顧客の個々の売却数量(売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報、並びに顧客識別情報を含む約定情報を受信する。例えば、「口座:大和太郎(XXXXXXXXX)、銘柄:A社株、数量:1,000株、売、単価:750円」等の約定情報を受信する。
売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fは、(i)売却時期到来銘柄発注処理手段23Eにより受信した売却時期到来銘柄についての約定情報に含まれる売却単価および売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量(売却株数)を用いて、売却された売却時期到来銘柄の売却代金を各顧客毎に算出する処理を行うものである。例えば、大和花子のA社株の売却株数が134株、売却単価が750円だった場合(図11の例)には、134株×750円=100,500円が、大和花子のA社株の売却代金となる。
また、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fは、(ii)約定情報に含まれる集合売却数量(集合売却株数)および売却単価を用いて、複数の顧客分をまとめて売却された売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量に比例させて複数の顧客で按分し、按分して得られた売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出する処理を行う。例えば、A社株の集合売却株数が30万株、売却単価が750円だった場合には、A社株の集合売却代金は、30万株×750円=2億2,500万円となり、大和花子のA社株の売却株数が134株だった場合には、大和花子の支払う委託手数料は、この2億2,500万円に応じて定まる集合委託手数料のうち、134株/30万株の割合分となる。そして、各顧客の委託手数料に一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて各顧客の税金(消費税)を算出し、各顧客の委託手数料と各顧客の税金とを合計して各顧客の諸費用を求める。なお、集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料は、集合売却代金と集合委託手数料の関係を定めたテーブルを集合委託手数料テーブル記憶手段に記憶しておき、これを参照するようにしてもよく、プログラム内部にこの集合委託手数料テーブルを記述しておいてもよい。
なお、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fは、上記の(ii)の諸費用の算出処理の代わりに、次のような処理を行ってもよい。すなわち、(iii)各顧客についての売却時期到来銘柄の売却代金(既に(i)で算出されている金額)を用いて、売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を各顧客毎に算出してもよい。例えば、大和花子のA社株の売却株数が134株、売却単価が750円だった場合(図11の例)には、134株×750円=100,500円が、大和花子のA社株の売却代金となるので、この100,500円に応じた委託手数料を求め、求めた委託手数料に一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて税金(消費税)を算出し、委託手数料と税金とを合計して諸費用を求めてもよい。なお、各顧客の売却代金に応じて定まる委託手数料は、各顧客の売却代金と委託手数料の関係を定めたテーブル(通常の委託手数料テーブルであってもよい。)を委託手数料テーブル記憶手段に記憶しておき、これを参照するようにしてもよく、プログラム内部にこの委託手数料テーブルを記述しておいてもよい。
さらに、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fは、(i)で算出した売却時期到来銘柄の売却代金から、(ii)または(iii)で算出した諸費用を減じることにより、各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する処理を行う。
売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段23Gは、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより算出された各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、累積換金額記憶手段34に記憶された各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段34に上書保存することによって、累積換金額記憶手段34に記憶された各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行うものである。
売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段23Hは、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量を、証券保有数量データベース31に記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の売却時期到来銘柄の保有数量を証券保有数量データベース31に上書保存することによって、証券保有数量データベース31に記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量を更新する処理を行うものである。また、売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段23Hは、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量をゼロにして初期化する処理も行う。
支払時期到来顧客関連処理手段24は、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aと、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bと、支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段24Cと、支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dと、支払時期到来顧客発注処理手段24Eと、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fと、支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段24Gと、支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段24Hと、支払処理手段24Jとを含んで構成されている。
支払時期到来顧客抽出処理手段24Aは、支払時期記憶手段36に記憶された各顧客への支払時期を一定の時間間隔で(例えば、毎日同じ時刻に)参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する処理を行うものである。例えば、翌日に支払時期が到来する顧客を、毎晩(前の晩)の参照処理で抽出したり、その日に支払時期が到来する顧客を、当日の朝や午前中等の参照処理で抽出する。なお、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aは、一定の時間間隔で自動的に支払時期記憶手段36の支払時期データを参照して抽出処理を行うのではなく、システム管理者の実行指示があったときに、支払時期記憶手段36の支払時期データを参照して抽出処理を行う構成としてもよい。
支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bは、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aによる抽出処理で各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、受取希望額データベース32に記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、証券保有数量データベース31に記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量(株式の場合には、保有株数)、受取希望額データベース32に記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および時価情報取得処理手段22により取得した各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに売却数量決定要素記憶手段33に記憶された目的関数の演算構成要素または各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)を算出する処理を行うものである。なお、各支払時期到来顧客の当月の受取希望額について特別設定の金額がある場合には、その金額を用いて各銘柄の売却数量を算出する。
また、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bは、算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)を、顧客識別情報と対応させて各支払時期到来顧客毎に支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶保存する処理を行う。
支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段24Cは、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を、複数の支払時期到来顧客分について銘柄毎に集計することにより、各銘柄毎の集合売却数量(株式の場合には、集合売却株数)を算出する処理を行うものである。例えば、顧客X、顧客Y、顧客Zが支払時期到来顧客であったとすると、顧客X、顧客Y、顧客ZのうちA社株の売却株数が算出された顧客(従って、A社株を保有しているものの、その時点でのA社株の売却株数がゼロとなった顧客、およびA社株を保有していない顧客は除かれる。)についてのA社株の売却株数を集計してA社株の集合売却数量(集合売却株数)を算出し、同様に、顧客X、顧客Y、顧客ZのうちB社株の売却株数が算出された顧客(従って、B社株を保有しているものの、その時点でのB社株の売却株数がゼロとなった顧客、およびB社株を保有していない顧客は除かれる。)についてのB社株の売却株数を集計してB社株の集合売却数量(集合売却株数)を算出し、さらに、C社株、D社株、E社株、F社株…についても同様に集合売却数量(集合売却株数)を算出する。
支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dは、支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段24Cによる集計処理で得られた集合売却数量および銘柄識別情報を含む複数の支払時期到来顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行うものである。この発注情報は、各銘柄毎に作成される。この際、発注情報は、複数の顧客分をまとめたものであるから、顧客識別情報を含む顧客名義の発注情報を作成するのではなく、証券会社名義または各顧客を代表する組織名義(例えば、株式購入の場合における従業員持株会に相当するような組織名義)等の発注情報を作成する。従って、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより算出された各支払時期到来顧客の個々の各銘柄の売却数量(売却株数)が、たとえ単元株に満たない場合または単元株に満たない端数を有する場合であっても、各銘柄の集合売却数量(集合売却株数)に基づき、まとめて売却を行うことができる。例えば、「口座:証券会社、銘柄:E社株、数量:20万株、売」等の発注情報を作成する。
なお、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>の場合における支払時期到来顧客発注情報作成処理手段は、各支払時期到来顧客の個々の売却数量(売却株数)および銘柄識別情報、並びに各支払時期到来顧客についての顧客識別情報を発注情報に含め、各支払時期到来顧客名義の発注情報を作成する。従って、この場合には、各支払時期到来顧客の個々の売却数量(売却株数)は、売買を行うことができる単位(単元株)にしなければならないが、単元株に満たない端数株の分の金額は、繰越金額で調整することができる。例えば、「口座:大和三郎(MMMMMMMMM)、銘柄:E社株、数量:1,000株、売」等の発注情報を作成する。
支払時期到来顧客発注処理手段24Eは、支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dにより作成した発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システム80へ通信回線を介して送信するとともに、送信した発注情報に基づき証券取引実行システム80で複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された有価証券の取引についての約定情報を、証券取引実行システム80から通信回線を介して受信する処理を行うものである。この際、約定情報には、集合売却数量(集合売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報が含まれる。例えば、「口座:証券会社、銘柄:E社株、数量:20万株、売、単価:790円」等の約定情報を受信する。
なお、前述した<複数の銘柄を異なる時期に売却し、かつ、各顧客毎に発注する発明>の場合における支払時期到来顧客発注処理手段は、各支払時期到来顧客の個々の売却数量(売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報、並びに顧客識別情報を含む約定情報を受信する。例えば、「口座:大和三郎(MMMMMMMMM)、銘柄:E社株、数量:1,000株、売、単価:790円」等の約定情報を受信する。
支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fは、(iv)支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより受信した複数の支払時期到来顧客分をまとめた約定情報に含まれる売却単価および支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)を用いて、売却された各支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金の合計額を各支払時期到来顧客毎に算出する処理を行うものである。例えば、大和三郎のE社株の売却株数が200株、売却単価が790円だった場合には、200株×790円=158,000円が、大和三郎のE社株の売却代金となり、大和三郎のF社株の売却株数が400株、売却単価が355円だった場合には、400株×355円=142,000円が、大和三郎のF社株の売却代金となり、大和三郎のその他の銘柄の売却株数がない場合には、E社株の売却代金158,000円とF社株の売却代金142,000円との合計額30万円が算出される(図10の例)。
また、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fは、(v)約定情報に含まれる集合売却数量および売却単価を用いて、複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる各銘柄についての集合委託手数料を、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に複数の支払時期到来顧客で按分し、按分して得られた各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を各支払時期到来顧客毎に算出する処理を行う。例えば、E社株の集合売却株数が20万株、売却単価が790円だった場合には、E社株の集合売却代金は、20万株×790円=1億5,800万円となり、大和三郎のE社株の売却株数が200株だった場合には、E社株の売却について大和三郎の支払う委託手数料は、この1億5,800万円に応じて定まる集合委託手数料のうち、200株/20万株の割合分となり、同様に、F社株の集合売却株数が15万株、売却単価が355円だった場合には、F社株の集合売却代金は、15万株×355円=5,325万円となり、大和三郎のF社株の売却株数が400株だった場合には、F社株の売却について大和三郎の支払う委託手数料は、この5,325万円に応じて定まる集合委託手数料のうち、400株/15万株の割合分となり、大和三郎のその他の銘柄の売却株数がない場合には、E社株の売却についての委託手数料とF社株の売却についての委託手数料とが合計される。そして、各顧客の「各銘柄の売却についての委託手数料の合計額」に一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて各顧客の税金(消費税)を算出し、各顧客の「各銘柄の売却についての委託手数料の合計額」と各顧客の税金とを合計して各顧客の諸費用を求める。なお、前述したように、集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料は、集合売却代金と集合委託手数料の関係を定めたテーブルを集合委託手数料テーブル記憶手段に記憶しておき、これを参照するようにしてもよく、プログラム内部にこの集合委託手数料テーブルを記述しておいてもよい。
なお、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fは、上記の(v)の諸費用の算出処理の代わりに、次のような処理を行ってもよい。すなわち、(vi)各支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を各支払時期到来顧客毎に算出してもよい。例えば、大和三郎のE社株の売却株数が200株、売却単価が790円だった場合には、200株×790円=158,000円が、大和三郎のE社株の売却代金となり、大和三郎のF社株の売却株数が400株、売却単価が355円だった場合には、400株×355円=142,000円が、大和三郎のF社株の売却代金となるので、これらの158,000円および142,000円のそれぞれに応じた委託手数料を求め、その金額を合計するか、あるいは158,000円と142,000円との合計額30万円に応じた委託手数料を求め、これらのいずれかの方法により求めた委託手数料に一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて税金(消費税)を算出し、委託手数料と税金とを合計して諸費用を求めてもよい。なお、前述したように、各顧客の売却代金に応じて定まる委託手数料は、各顧客の売却代金と委託手数料の関係を定めたテーブル(通常の委託手数料テーブルであってもよい。)を委託手数料テーブル記憶手段に記憶しておき、これを参照するようにしてもよく、プログラム内部にこの委託手数料テーブルを記述しておいてもよい。
さらに、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fは、(iv)で算出した各支払時期到来顧客の「各銘柄の売却代金の合計額」から、(v)または(vi)で算出した諸費用を減じることにより、各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する処理を行う。
支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段24Gは、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより算出された各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段34に上書保存することによって、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行うものである。
支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段24Hは、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)を、証券保有数量データベース31に記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量(株式の場合には、保有株数)から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベース31に上書保存することによって、証券保有数量データベース31に記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する処理を行うものである。また、支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段24Hは、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する処理も行う。
支払処理手段24Jは、(1)累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、銀行等の他の金融機関の預金口座システム92に通信回線を介して送信することによって、銀行等の他の金融機関に開設された各支払時期到来顧客の預金口座への振込処理を行うか、または(2)証券会社に設けられた口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高に、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高の更新処理を行うものである。本実施形態では、一例として、上記(1)の場合の銀行等の預金口座への振込処理を行うものとし、上記(2)の証券会社に設けられた口座データベース91の現金残高(ここでは、証券総合口座に入った現金で購入されたMRFの残高とする。)は、繰越金額による調整のために用いるものとする。
より具体的には、支払処理手段24Jは、繰越金額記憶手段39に記憶された前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額を、当月の売却処理で得られた換金額(累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額)に加算し、加算して得られた金額が、受取希望額データベース32に記憶された各支払時期到来顧客の当月の受取希望額(特別設定の金額がある支払時期到来顧客については、特別設定の金額)を超える場合には、超える分の金額を当月の繰越金額として算出する。そして、当月の受取希望額(特別設定の金額がある支払時期到来顧客については、特別設定の金額)に相当する金銭振込情報を、銀行等の他の金融機関の預金口座システム92に通信回線を介して送信することによって、銀行等の他の金融機関に開設された各支払時期到来顧客の預金口座への振込処理を行う。また、繰越金額記憶手段39に記憶された前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額を、証券会社に設けられた口座管理システム90の口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(ここでは、MRFの残高とする。)から減じ、かつ、当月の繰越金額を、口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(MRFの残高)に加算することによって、口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(MRFの残高)を更新する。さらに、当月の繰越金額を、繰越金額記憶手段39に上書保存することによって、繰越金額記憶手段39に記憶された繰越金額を更新する。また、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する処理を行う。
そして、支払処理手段24Jは、受取希望額データベース32の当月の受取希望額の特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている支払時期到来顧客について、当月の支払処理の終了後に、その支払時期到来顧客の当月の特別設定記憶部に記憶された受取希望額をゼロにするか、またはその支払時期到来顧客の当月の特別設定記憶部を空欄(NULL)とする処理を行う。
記憶手段30は、証券保有数量データベース31と、受取希望額データベース32と、売却数量決定要素記憶手段33と、累積換金額記憶手段34と、売却時期記憶手段35と、支払時期記憶手段36と、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37と、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38と、繰越金額記憶手段39とを含んで構成されている。
証券保有数量データベース31は、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を各顧客毎に記憶するものである。すなわち、証券保有数量データベース31には、図2に示すように、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、銘柄識別情報(一例として、銘柄名および/または銘柄コード)と、保有数量データ(本実施形態では株式が売却対象となるので、保有株数データ)とが、関連付けられて記憶されている。
受取希望額データベース32は、各顧客の毎月または年間のうち定められた月(ここでは、一例として毎月とする。)の受取希望額を各顧客毎に記憶するものである。すなわち、受取希望額データベース32には、図3に示すように、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、1月〜12月の各月の受取希望額データとが、関連付けられて記憶されている。また、各月の受取希望額データを記憶する部分には、それぞれ各月の受取希望額の基本設定を記憶する基本設定記憶部と、各月の受取希望額の特別設定を記憶する特別設定記憶部とが設けられている。
売却数量決定要素記憶手段33は、最適なポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶するものである。より具体的には、売却数量決定要素記憶手段33には、例えば、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素として、各銘柄の配当利回りおよびリスクが、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されている。この配当利回りおよびリスクは、配当利回りが良い銘柄を残すように売却処理を行うことを選択した顧客について、各銘柄の売却数量を決定する際(売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bおよび支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bによる売却数量の算出時)に用いられる。また、配当利回りおよびリスク等のような目的関数の演算構成要素を用いた各銘柄の売却数量の決定処理には、各種のリスクモデルやリターンモデル等を搭載した既存のポートフォリオ分析ツールを用いることができる。リスクモデルには、例えば、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データ等の企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル(シングル・ファクター・モデル、マルチ・ファクター・モデル等)がある。また、リターンモデルは、例えば、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターンや、ファクターリターン等を予測するモデルである。本発明では、いずれのモデルによるポートフォリオ分析ツールを用いてもよい。また、例えば、連結経常PER(株価/1株当たり予想連結経常利益)、PBR(株価/1株当たり予想自己資本)、連結PCFR(株価/1株当たり予想連結キャッシュフロー)、短期リバーサル(10週移動平均乖離率)、中期リバーサル(26週移動平均乖離率)、長期リバーサル(過去5年騰落率)、連結経常益利回りの変化幅(予想連結経常益利回り−直近6ヶ月平均)等の投資指標、あるいはこれらの合成投資指標を、目的関数の演算構成要素として記憶してもよい。
さらに、売却数量決定要素記憶手段33には、各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、例えば、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定する情報が、顧客識別情報と関連付けられて記憶されている。より具体的には、例えば、図10に示すように、大和花子は、A社株、B社株の順に、売却することを指定しているので、「大和花子の口座番号(YYYYYYYYY)、A社株:1、B社株:2」等のように、大和花子の個別の取決めの演算構成要素が記憶され、大和一郎は、C社株、A社株の順に、売却することを指定しているので、「大和一郎の口座番号(ZZZZZZZZZ)、A社株:2、C社株:1」等のように、大和一郎の個別の取決めの演算構成要素が記憶されている。なお、A社株、B社株の順に売却するという意味は、その顧客の保有するA社株の売却を全て完了した後に、その顧客の保有するB社株の売却を行うという意味であり、例えば、10万円相当の株式を売却するときに、A社株が3万円相当だけ残っていたとすると、その3万円相当のA社株の全てと、7万円相当のB社株の売却を行うことになる。また、各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、例えば、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、あるいは各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための情報を記憶してもよい。前者のように各保有銘柄の売却額が等しくなるようにするには、例えば、「A社株:25%、B社株:25%、C社株:25%、D社株:25%」等の指定比率データを、顧客識別情報と関連付けて記憶してもよく、あるいは各保有銘柄の売却額が等しくなるようにすることを本システム10が認識することができる識別情報を、顧客識別情報と関連付けて記憶してもよい。そして、売却額が等しくなるようにするという意味は、可能な範囲内で等しくすればよい趣旨であり、例えば、60万円相当の株式を売却するときに、A社株、B社株、C社株、D社株の保有株数がそれぞれ15万円相当以上残っていれば、これらの4つの銘柄の各売却額が15万円で等しくなる株数をそれぞれ売却すればよいが、例えば、D社株の保有株数が6万円相当しか残っていない場合には、その他のA社株、B社株、C社株の売却額が等しくなるようにして、A社株、B社株、C社株のそれぞれにつき、(60万円−6万円)÷3=18万円相当の株式を売却するとともに、6万円相当のD社株の全てを売却すればよい。後者のように各保有銘柄の売却額が指定比率になるようにするには、例えば、「A社株:30%、B社株:50%、C社株:20%」等の指定比率データを、顧客識別情報と関連付けて記憶すればよい。そして、この場合においても、売却額が指定比率になるようにするという意味は、可能な範囲内で指定比率になるようにすればよい趣旨であり、例えば、10万円相当の株式を売却するときに、A社株が3万円相当以上、B社株が5万円相当以上、C社株が2万円相当以上残っていれば、それぞれ、その金額相当の株式を売却すればよいが、例えば、B社株が全く残っていない場合には、A社株とC社株との売却額の比率が3:2になるように、A社株を6万円相当売却し、C社株を4万円相当売却すればよい。
そして、本実施形態では、各顧客が、目的関数の演算構成要素を用いた売却数量の算出を行うか、あるいは各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いた売却数量の算出を行うかを選択でき、さらには、目的関数をいずれの関数にするか、個別の取決めをいずれの方法にするかを選択できるようになっているが、このような各顧客の選択を認めず、システムとして1通りの売却数量の算出方法を用意してもよい。以上のように、本発明では、売却数量決定要素記憶手段33に記憶された演算構成要素を用いて、何らかの目的または取決めに従って、各顧客の保有する各銘柄の売却数量(売却数量がゼロとなる銘柄があってもよい。)を算出することができればよい。
累積換金額記憶手段34は、各顧客の当月の累積換金額(当月の売却処理によって得られた換金額の累計額)を各顧客毎に記憶するものである。すなわち、累積換金額記憶手段34には、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、当月の累積換金額データとが、関連付けられて記憶されている。
売却時期記憶手段35は、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶するものである。すなわち、売却時期記憶手段35には、図4に示すように、銘柄識別情報(一例として、銘柄名および/または銘柄コード)と、売却時期データとが、関連付けられて記憶されている。なお、売却時期記憶手段35のデータは、売却時期の到来順にソートしておいてもよく、銘柄識別情報でソートしておいてもよく、あるいは特にソートを行わずに登録順等としておいてもよい。また、売却時期記憶手段35には、各銘柄の売却時期として、本実施形態の例では、従業員持株会システム60から通信回線を介して取得するか、またはシステム管理者により入力された従業員持株会システム60による各銘柄(図6の例では、A社株)の買付時期と、株式累積投資システム61から通信回線を介して取得するか、またはシステム管理者により入力された株式累積投資システム61による各銘柄(図6の例では、B社株、C社株)の買付時期と、各銘柄(図4、図6の例では、D社株)の時価変動を統計分析して得られた時価単価の周期的に高くなる時期とが記憶されている。
支払時期記憶手段36は、各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて各顧客毎に記憶するものである。すなわち、支払時期記憶手段36には、図5に示すように、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、支払時期データとが、関連付けられて記憶されている。支払時期記憶手段36のデータは、顧客識別情報でソートしておいてもよく、支払時期の到来順にソートしておいてもよく、あるいは特にソートを行わずに登録順等としておいてもよい。また、支払時期記憶手段36には、振込先の金融機関コードおよび預金口座番号等の振込先指定情報も、顧客識別情報と関連付けられて記憶されている。
売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37は、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより算出した各銘柄の売却数量(株式の場合には、売却株数)のうち、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aにより抽出した銘柄識別情報で識別される売却時期到来銘柄についての売却数量を、各顧客毎に記憶するものである。すなわち、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37には、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、売却時期到来銘柄についての売却数量データ(売却株数データ)とが、関連付けられて記憶されている。
支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38は、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を、各支払時期到来顧客毎に記憶するものである。すなわち、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38には、各支払時期到来顧客についての顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、銘柄識別情報(一例として、銘柄名および/または銘柄コード)と、売却数量データ(売却株数データ)とが、関連付けられて記憶されている。
繰越金額記憶手段39は、繰越金額(売却処理で得られた換金額のうち、各顧客の預金口座へ当月振り込まれることなく、翌月に繰り越される金額)を各顧客毎に記憶するものである。すなわち、繰越金額記憶手段39には、顧客識別情報(一例として、顧客の口座番号)と、繰越金額データとが、関連付けられて記憶されている。
以上において、有価証券売却システム10を構成する処理手段20に含まれる各処理手段21(21A〜21E),22,23(23A〜23H),24(24A〜24J)は、有価証券売却システム10を構成するコンピュータ本体(パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のもの、例えば、ワークステーション、ミニコン、メインフレーム等も含む。)の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、有価証券売却システム10を構成する処理手段20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
さらに、有価証券売却システム10を構成する記憶手段30に含まれる各データベース31,32および各記憶手段33〜39としては、例えば、ハードディスク、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
顧客端末装置50は、証券会社の各顧客が操作する端末装置であり、システム管理者端末装置51は、有価証券売却システム10の運用・管理を行うシステム管理者(証券会社の担当者や、証券会社から作業を委託された者等)が操作する端末装置であり、これらの端末装置50,51は、例えばコンピュータにより構成され、キーボードやマウス等の入力手段と、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段と、プリンタ等の出力手段とを備えている。また、顧客端末装置50およびシステム管理者端末装置51は、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等でもよい。
従業員持株会システム60は、コンピュータにより構成され、各従業員の毎月の給与からの拠出額をまとめ、自社株式(図6の例では、A社株)の定期的な共同買付を行うシステムである。具体的には、例えば、買付時期の情報提供を比較的容易に受けられるという点で、有価証券売却システム10の運用・管理を行う証券会社のグループ会社等の従業員持株会システムである。
株式累積投資システム61は、コンピュータにより構成され、証券会社が選定する銘柄(図6の例では、B社株、C社株)の中から、投資者が指定した銘柄の株式を、当該投資者の払込金と同一銘柄を指定した他の投資者の払込金とを合算した額で、定期的(毎月一定の日)に共同買付けするシステムである。具体的には、例えば、各銘柄の買付時期の情報提供を比較的容易に受けられるという点で、有価証券売却システム10の運用・管理を行う証券会社自身または提携金融機関が運用・管理する株式累積投資システムである。
時価情報提供システム70は、コンピュータにより構成され、市場時価(各銘柄の時価単価)を提供するシステムである。この時価情報提供システム70は、例えば、証券取引所に設けられたシステム、証券会社の店頭に設けられたシステム、あるいは証券取引所や証券会社から市場時価を収集して提供するシステム等である。
証券取引実行システム80は、コンピュータにより構成され、証券市場で有価証券の売買取引を実行するシステムであり、例えば、証券取引所システム等である。
口座管理システム90は、コンピュータにより構成され、証券会社に開設された各顧客の証券総合口座を管理するシステムであり、証券総合口座に入った現金で購入されたMRFの残高を記憶する口座データベース91を備えている。
預金口座システム92は、コンピュータにより構成され、銀行等の他の金融機関に開設された各顧客の預金口座(普通預金口座や当座預金口座等)の残高管理を行うシステムである。
このような本実施形態においては、以下のようにして有価証券売却システム10により有価証券の定期的な売却処理が行われる。
図6には、有価証券売却システム10による毎月の処理の流れの一例が示されている。図6において、先ず、証券会社に自己の保有株式を預けたいという依頼・相談に訪れた顧客がいる場合には、証券会社の営業員(システム管理者と同一の者でもよい。)は、有価証券売却システム10により提供されるサービス内容の十分な説明を行ってから、契約書を作成し、顧客の住所、氏名、年齢、電話番号、証券会社に売却対象として預ける各保有銘柄名およびそれらの各銘柄の保有数量(保有株数)、毎月の受取希望額(コース選択、指定金額、基本設定・特別設定の金額)、振込銀行名およびその口座番号、振込日(支払時期)、売却処理の方法(配当利回り優先売却の選択、売却順指定等)等の情報を記入させる。その後、証券会社の営業員またはシステム管理者は、顧客の履歴データ等を参照して顧客の適格性を確認するとともに、顧客の保有証券の存在や有効性や数量等を確認する作業を行う。
なお、受入れ対象の有価証券は、例えば、相続株式、株式累積投資による買付で積み立てた株式、従業員持株会の退会者の保有する自社株式、オーナー・役員等の経営者の保有する自社株式等である。この際、有価証券売却システム10を運用・管理する証券会社自身が運用・管理する株式累積投資システムで買い付けた株式や、証券会社自身の従業員持株会システムで買い付けた自社株式の場合には、単元株に満たない端数株をそのまま有価証券売却システム10の売却処理対象として受け入れてもよい。
続いて、システム管理者は、システム管理者端末装置51を操作し、契約書に記入された情報に基づいて、新規顧客の有価証券の保有情報(銘柄および保有数量)の登録、受取希望額の初期設定、支払時期の初期設定を行う(ステップS1)。
より具体的には、システム管理者が、システム管理者端末装置51から画面送信要求をネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信すると、保有証券登録処理手段21Aにより、顧客の保有する銘柄およびその保有数量を入力するための証券保有情報入力画面の表示用情報が、有価証券売却システム10からネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信され、システム管理者端末装置51の表示手段の画面上に、証券保有情報入力画面(不図示)が表示される。システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、この証券保有情報入力画面を用いて、新規顧客の保有銘柄および保有数量(保有株数)を入力し、この入力情報(各銘柄の銘柄識別情報およびこれらの各銘柄の保有数量とが関連付けられているとともに顧客識別情報を含む情報)を、ネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信する。有価証券売却システム10では、システム管理者による入力情報を受信すると、保有証券登録処理手段21Aにより、受信した情報を証券保有数量データベース31に記憶保存して登録する。
また、システム管理者が、システム管理者端末装置51から画面送信要求をネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信すると、受取希望額入力受付処理手段21Bにより、顧客の受取希望額(コース選択や指定金額等)を入力設定するための図9に示すような受取希望額入力設定画面100の表示用情報が、ネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信され、システム管理者端末装置51の表示手段の画面上に、受取希望額入力設定画面100が表示される。
図9において、受取希望額入力設定画面100には、毎月10万円、20万円、30万円をそれぞれ受け取ることができる10万円固定コース選択部101、20万円固定コース選択部102、30万円固定コース選択部103と、毎月受け取る固定額を任意に設定することができる任意額固定コース選択部104と、この任意額固定コースを選択した場合に任意の固定額を入力して指定する指定金額入力部105と、毎月受け取る金額を任意に設定することができる詳細設定コース選択部106と、この詳細設定コースを選択した場合に各月(1月〜12月)毎の受取希望額の基本設定の金額および特別設定の金額を入力する基本設定入力部107および特別設定入力部108と、入力した情報を確定させて有価証券売却システム10へ送信するための「OK」ボタン109とが設けられている。
また、受取希望額入力設定画面100には、顧客の保有する全ての有価証券の売却が完了する予測年月を画面表示させるための「試算」ボタン110および売却完了予測年月表示部111が設けられている。システム管理者が、この「試算」ボタン110をクリックすると、入力した顧客の受取希望額(コース選択情報、指定金額情報、各月の受取希望額についての基本設定および特別設定の情報、および顧客識別情報を含む情報)が、仮の入力情報として、ネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信される。有価証券売却システム10では、受取希望額入力受付処理手段21Bにより、仮の入力情報を受信すると、この仮の入力情報を、支払可能期間出力処理手段21Cに渡す。支払可能期間出力処理手段21Cは、受け取った仮の入力情報に含まれる顧客識別情報で識別される該当顧客(受取希望額の設定処理対象となっている顧客であり、以下同様である。)が保有する有価証券の各銘柄についての銘柄識別情報およびそれらの各銘柄の保有数量(保有株数)を、該当顧客の顧客識別情報をキーとして証券保有数量データベース31から取得し、取得した各銘柄の保有数量に、時価情報取得処理手段22により取得した各銘柄の時価単価を乗じることにより、各銘柄の時価を算出し、さらに各銘柄の時価を合計して(但し、該当顧客が1銘柄しか保有していない場合には、合計の必要はない。)、該当顧客の保有する有価証券の時価総額(現在の資産価値)を算出する。そして、支払可能期間出力処理手段21Cは、この時価総額から、受け取った仮の入力情報に含まれる該当顧客の毎月の受取希望額を減じていった場合に、時価総額がゼロになる年月を求める。なお、受取希望額について特別設定入力部108への入力金額がある場合には、前述したように、その特別設定の入力金額は1年限りのデータであるものとし、2年目以降の計算では、基本設定入力部107への入力金額を用いて売却完了予測年月を求める。それから、支払可能期間出力処理手段21Cは、求めた売却完了予測年月データを、ネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信する。すると、図9に示すように、受取希望額入力設定画面100の売却完了予測年月表示部111に、売却完了予測年月が表示される。これにより、システム管理者は、顧客の受取希望額が妥当なものであるか否かを確認することができる。
システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、図9の受取希望額入力設定画面100を用いて、顧客の受取希望額(コース選択、指定金額、基本設定・特別設定の金額)を入力し、この入力情報(コース選択情報、指定金額情報、各月の受取希望額についての基本設定および特別設定の情報、および顧客識別情報を含む情報)を、ネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信する。有価証券売却システム10では、システム管理者による入力情報を受信すると、受取希望額入力受付処理手段21Bにより、受信した情報を受取希望額データベース32に記憶保存して登録する。
さらに、システム管理者が、システム管理者端末装置51から画面送信要求をネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信すると、支払時期設定処理手段21Eにより、各顧客への支払時期(銀行等の金融機関の預金口座への振込日)を入力設定するための支払時期入力設定画面の表示用情報が、ネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信され、システム管理者端末装置51の表示手段の画面上に、支払時期入力設定画面(不図示)が表示される。システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、この支払時期入力設定画面を用いて、各顧客への支払時期(毎月の振込日)等を入力し、この入力情報(支払時期、顧客識別情報、および振込先の金融機関コードや預金口座番号を含む情報)を、ネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信する。有価証券売却システム10では、システム管理者による入力情報を受信すると、支払時期設定処理手段21Eにより、受信した情報を支払時期記憶手段36に記憶保存して登録する。
次に、システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、従業員持株会システム60や株式累積投資システム61から各銘柄の毎月の売却時期データを取得することができない銘柄(図6の例では、D社株)について、売却時期の設定(前述した第2の売却時期設定処理)を行う(ステップS2)。このような銘柄についての売却時期の設定は、該当する売却時期が到来する前に、適宜なタイミングで行えばよい。また、どれ位、先の時期まで(何ヶ月先まで)設定するかも適宜決めればよい(図4のD社株を参照)。なお、従業員持株会システム60や株式累積投資システム61から毎月の売却時期データを取得することができない銘柄について、必ずしも売却時期の設定を行う必要はなく、売却時期の設定が行われていない銘柄(図6、図10の例では、E社株、F社株)については、支払時期到来顧客抽出時に売却が行われることになる(図10参照)。
より具体的には、システム管理者が、システム管理者端末装置51から画面送信要求をネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信すると、売却時期設定処理手段21Dにより、売却時期を入力設定するための売却時期入力設定画面の表示用情報が、ネットワーク1を介してシステム管理者端末装置51へ送信され、システム管理者端末装置51の表示手段の画面上に、売却時期入力設定画面(不図示)が表示される。システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、この売却時期入力設定画面を用いて、各銘柄(図6の例では、D社株)の売却時期を入力し、この入力情報(各銘柄の売却時期および銘柄識別情報を含む情報)を、ネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信する。有価証券売却システム10では、システム管理者による入力情報を受信すると、売却時期設定処理手段21Dにより、受信した情報を売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する。
また、システム管理者は、システム管理者端末装置51の入力手段を操作し、システム管理者端末装置51に画面表示された演算構成要素入力設定画面(不図示)を用いて、売却数量の算出処理で用いられる目的関数の演算構成要素または各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を入力し、入力した演算構成要素データをネットワーク1を介して有価証券売却システム10へ送信する。有価証券売却システム10では、設定処理手段21により、受信した演算構成要素データを売却数量決定要素記憶手段33に記憶保存して登録する。
その後、各顧客は、必要に応じ、顧客端末装置50の入力手段を操作し、受取希望額の設定変更、支払時期の設定変更を行う(ステップS3)。この際の処理の流れは、システム管理者による初期設定の場合と同様であるため、説明を省略する。また、受取希望額の設定変更を行う顧客は、図9の受取希望額入力設定画面100の「試算」ボタン110をクリックすることにより、設定変更した受取希望額での受取りを続けた場合における売却完了予測年月を、売却完了予測年月表示部111で確認することができ、受取希望額の設定の見直し等を行うことができる。なお、以上のような設定変更作業は、システム上、いつでも行うことができるので、適宜なタイミングで行えばよい。
続いて、例えば、2006年3月になった場合の処理の流れを説明する。
2006年3月11日よりも前の日に、従業員持株会システム60からその会社の株式(ここでは、A社株)の買付時期データを取得し、この買付時期を、A社株の売却時期として設定する処理(前述した第1の売却時期設定処理)を行う(ステップS4)。
より具体的には、売却時期設定処理手段21Dにより、買付時期取得要求を通信回線を介して従業員持株会システム60へ定期的に(例えば毎日)送信し、従業員持株会システム60から送信されてくるA社株の買付時期データを通信回線を介して受信し、受信したA社株の買付時期データをA社株の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する。なお、従業員持株会システム60から自動的にA社株の買付時期データが通信回線を介して送信されてくる場合には、売却時期設定処理手段21Dにより、そのデータを受信し、受信したA社株の買付時期データをA社株の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する。図4および図6の例では、A社株の買付時期として、2006年3月11日が登録される。
その後、2006年3月11日(または前日の夜間等でもよい。)に、後述する図7の売却時期到来銘柄関連処理において、売却時期到来銘柄としてA社株が抽出された場合(図4参照)には、売却時期到来銘柄関連処理手段23により、図7に示す一連の処理が行われる(ステップS5)。詳細については、図7を用いて後述する。
それから、2006年3月18日よりも前の日に、株式累積投資システム61から、この株式累積投資システム61で取り扱う各銘柄(ここでは、B社株、C社株)の買付時期データを取得し、この買付時期を、B社株、C社株の売却時期として設定する処理(前述した第1の売却時期設定処理)を行う(ステップS6)。
より具体的には、売却時期設定処理手段21Dにより、買付時期取得要求を通信回線を介して株式累積投資システム61へ定期的に(例えば毎日)送信し、株式累積投資システム61から送信されてくるB社株、C社株の買付時期データを通信回線を介して受信し、受信したB社株、C社株の買付時期データをB社株、C社株の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する。なお、株式累積投資システム61から自動的にB社株、C社株の買付時期データが通信回線を介して送信されてくる場合には、売却時期設定処理手段21Dにより、そのデータを受信し、受信したB社株、C社株の買付時期データをB社株、C社株の銘柄識別情報と対応させて売却時期記憶手段35に記憶保存して登録する。図4および図6の例では、B社株、C社株の買付時期として、2006年3月18日が登録される。
その後、2006年3月18日(または前日の夜間等でもよい。)に、後述する図7の売却時期到来銘柄関連処理において、売却時期到来銘柄としてB社株、C社株が抽出された場合(図4参照)には、売却時期到来銘柄関連処理手段23により、図7に示す一連の処理が行われる(ステップS7)。詳細については、図7を用いて後述する。
続いて、2006年3月20日(または前日の夜間等でもよい。)に、後述する図8の支払時期到来顧客関連処理において、支払時期到来顧客として、例えば、大和花子、大和一郎、大和三郎が抽出された場合(図5参照)には、支払時期到来顧客関連処理手段24により、図8に示す一連の処理が行われる(ステップS8)。詳細については、図8を用いて後述する。
その後、2006年3月23日(または前日の夜間等でもよい。)に、後述する図7の売却時期到来銘柄関連処理において、売却時期到来銘柄としてD社株が抽出された場合(図4参照)には、売却時期到来銘柄関連処理手段23により、図7に示す一連の処理が行われる(ステップS9)。詳細については、図7を用いて後述する。
続いて、2006年3月25日(または前日の夜間等でもよい。)に、後述する図8の支払時期到来顧客関連処理において、支払時期到来顧客として、例えば、大和太郎、大和二郎、大和愛子が抽出された場合(図5参照)には、支払時期到来顧客関連処理手段24により、図8に示す一連の処理が行われる(ステップS10)。詳細については、図8を用いて後述する。
以下には、図7および図8を参照して、毎日の処理の流れを説明する。
図7において、毎日の決められた時刻になったときに自動的に、またはシステム管理者の毎日の実行指示に基づき、有価証券売却システム10による当日の一連の処理が開始される(ステップS21)。なお、システム管理者の手間の軽減という点で、毎日の一連の処理は、自動的に開始されることが好ましい。
先ず、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aにより、図4の売却時期記憶手段35に記憶された各銘柄の売却時期データを参照し、その参照当日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する(ステップS22)。参照当日が何年何月何日であるかを示すデータは、システムの時刻(オペレーティング・システム等によりコンピュータ内で管理される現在の時刻)から取得することができる。例えば、参照当日データが2006/3/9(2006年3月9日を示すデータ)であれば、2006/3/9をキーとしてこれと一致する売却時期データが設定されている銘柄の銘柄識別情報を売却時期記憶手段35から抽出する。図4の例では、2006/3/9と一致する売却時期データは、記憶されていないので、売却時期到来銘柄の銘柄識別情報は抽出されない。また、図4の例では、参照当日データが2006/3/11であれば、A社株の銘柄識別情報が抽出され、参照当日データが2006/3/18であれば、B社株およびC社株の銘柄識別情報が抽出され、参照当日データが2006/3/23であれば、D社株の銘柄識別情報が抽出される。
なお、売却時期を時間帯まで含めて設定し、時間帯まで一致させて売却処理を実行する場合には、売却時期記憶手段35に、売却時期データとして、年月日データに加え、時間帯データ(例えば、午前と午後とを識別するための時間帯データ、9時〜10時、10時〜11時等のいずれであるかを識別するための時間帯データ等)を記憶しておけばよい。この場合には、参照当日データとして、システムの時刻から、何年何月何日の何時何分何秒という年月日データおよび時刻データを取得し、その取得した時刻データを用いて取得時点での時間帯を判断し、売却時期データとして売却時期記憶手段35に記憶されている年月日データおよび時間帯データと一致するか否かを判断し、一致した銘柄の銘柄識別情報を抽出すればよい。そして、この場合には、売却時期記憶手段35を参照する時刻を、例えば、午前に1回および午後に1回、あるいは9時台に1回、10時台に1回等とすることにより、毎日複数回の抽出処理を行えばよい。例えば、売却時期記憶手段35に「B社株、2006/3/18、午前」(株式累積投資システム61によるB社株の買付処理が午前中に行われる場合等)、「C社株、2006/3/18、午後」(株式累積投資システム61によるC社株の買付処理が午後に行われる場合等)と記憶しておく。そして、2006年3月18日の午前に、システムの時刻から、「2006/3/18、9:15:42」という年月日データおよび時刻データを取得したとすると、「9:15:42」という時刻データから、「午前」という時間帯であることを判断し(判断アルゴリズムは、プログラムに記述しておけばよい。)、このシステムの時刻から得られた「2006/3/18、午前」が、売却時期記憶手段35に記憶された「B社株、2006/3/18、午前」と一致するので、B社株の銘柄識別情報が抽出され、B社株の売却処理が午前中に行われる。同様に、2006年3月18日の午後に、システムの時刻から、「2006/3/18、13:15:38」という年月日データおよび時刻データを取得したとすると、「13:15:38」という時刻データから、「午後」という時間帯であることを判断し、このシステムの時刻から得られた「2006/3/18、午後」が、売却時期記憶手段35に記憶された「C社株、2006/3/18、午後」と一致するので、C社株の銘柄識別情報が抽出され、C社株の売却処理が午後に行われる。
また、売却時期を時間帯まで含めて設定し、時間帯まで一致させて売却処理を実行する場合において、例えば毎朝1回だけ、システムの時刻から取得した年月日データをキーとして、売却時期記憶手段35を参照し、年月日データが一致したときに、売却時期記憶手段35に記憶されている当該一致した年月日データに付加されている時間帯データを、銘柄識別情報とともに抽出し、抽出した時間帯データおよび銘柄識別情報を、その銘柄の売却処理が終了するまで(あるいは、その銘柄の売却処理を行う当日だけ)時間帯記憶手段に記憶しておき、この時間帯記憶手段に記憶している時間帯が到来したときに、時間帯記憶手段に記憶している銘柄識別情報の銘柄について売却時期到来銘柄発注処理手段23Eによる発注処理を行ってもよい。この際、時間帯記憶手段に記憶している時間帯が到来したか否かの判断は、例えば、前述したように、システムの時刻から取得した時刻データを用いて取得時点での時間帯を判断し、取得時点での時間帯が、時間帯記憶手段に記憶している時間帯と一致するか否かを判断することにより行うことができる。例えば、売却時期記憶手段35に「B社株、2006/3/18、10時台」、「C社株、2006/3/18、14時台」と記憶しておく。そして、2006年3月18日の例えば朝の8時半(市場の取引開始時刻前)に、システムの時刻から、「2006/3/18」という年月日データを取得したとすると、「B社株、2006/3/18、10時台」および「C社株、2006/3/18、14時台」が一致するので、「B社株、10時台」および「C社株、14時台」が時間帯記憶手段に記憶される。続いて、市場の取引開始時刻が過ぎた後に、システムの時刻から、「10:15:53」という時刻データを取得したとすると、この時刻データから、「10時台」という時間帯であることを判断し(判断アルゴリズムは、プログラムに記述しておけばよい。)、この「10時台」をキーとして、時間帯記憶手段から「B社株」が抽出され、B社株の売却処理が10時台に行われる。同様に、システムの時刻から、「14:15:28」という時刻データを取得したとすると、この時刻データから、「14時台」という時間帯であることを判断し、この「14時台」をキーとして、時間帯記憶手段から「C社株」が抽出され、C社株の売却処理が14時台に行われる。
さらに、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aにより、図4の売却時期記憶手段35に記憶された各銘柄の売却時期データを参照し、その参照日の翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行ってもよい。この場合には、例えば、売却の実行日(発注処理を行う日)の前日(前日の夜間等)に、売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dにより発注情報を作成しておき、その翌日(すなわち、売却時期記憶手段35に記憶された各銘柄の売却時期)に、売却時期到来銘柄発注処理手段23Eによる発注処理を行うことができる。なお、このようにした場合には、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bによる売却数量の算出処理も、売却の実行日(発注処理を行う日)の前日に行わなければならないので、売却数量の算出処理で用いる各銘柄の時価単価や、目的関数の演算構成要素も、売却の実行日の前日の時点でのデータ(例えば、前日の終値等)を用いなければならないことになるため、実際の売却処理で得られる換金額を、できるだけ売却数量算出時の試算通りの金額にするという観点からは、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aによる抽出処理は、各銘柄の売却実行日(発注処理を行う日)に行い、その売却実行日の当日(時間帯まで定められている場合には、その当日のその時間帯)に、売却数量の算出処理および発注情報の作成処理を行うことが好ましい。
次に、売却時期到来銘柄抽出処理手段23Aによる抽出処理で売却時期到来銘柄が抽出されたか否かを判断し(ステップS23)、抽出された売却時期到来銘柄がない場合には、後述する支払時期到来顧客関連処理(S33〜S44)へ移行する。
一方、抽出された売却時期到来銘柄がある場合には、各顧客の各銘柄の売却数量(売却株数)の算出のための各処理を行う(ステップS24)。すなわち、時価情報取得処理手段22により、時価情報提供システム70から各銘柄の最新の時価単価(市場時価)を取得する。この際、売却対象となるのは、売却時期到来銘柄だけなので、発注情報の作成に必要となるのは売却時期到来銘柄の売却数量(売却株数)だけであるが、売却数量の算出では、売却時期到来銘柄だけではなく、各顧客の保有する全ての銘柄の時価単価が必要となる。従って、時価単価を取得したい銘柄(つまり、各顧客の保有する全ての銘柄)の銘柄識別情報を含む時価情報取得要求または時価情報提供システム70が提供可能な全銘柄の時価情報取得要求を、通信回線を介して時価情報提供システム70へ送信し、この要求に対して時価情報提供システム70から通信回線を介して送信されてきた時価情報(各銘柄について、それぞれ時価単価と銘柄識別情報とが対になった情報)を受信する。
続いて、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、各顧客の各銘柄の売却数量の算出処理を、全ての顧客について順次行っていくために、着目する顧客識別情報を順次変更して、以下の処理を全ての顧客(全ての顧客識別情報)について繰り返す。すなわち、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、顧客識別情報をキーとして、証券保有数量データベース31から、該当顧客(着目する顧客識別情報で識別される顧客、すなわち、現在、処理の対象とされている顧客であり、以下同様である。)の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量データ(保有株数データ)を読み込む。また、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、顧客識別情報をキーとして、受取希望額データベース32から、該当顧客の当月の受取希望額データを読み込む。この際、該当顧客が大和太郎であったとすると、図3の例では、3月については、特別設定記憶部に受取希望額データが記憶されていないので、基本設定記憶部に記憶された「10万円」を、3月の受取希望額データとして読み込む。一方、4月については、例えば孫の入学祝いをする等の理由で、特別設定記憶部に「30万円」という受取希望額データが記憶されているので、基本設定記憶部に記憶された「10万円」ではなく、特別設定の「30万円」を4月の受取希望額データとして読み込む。さらに、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、顧客識別情報をキーとして、累積換金額記憶手段34から、該当顧客の当月の累積換金額データを読み込む。また、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、売却数量決定要素記憶手段33に記憶された目的関数の演算構成要素データを読み込むか、または顧客識別情報をキーとして、売却数量決定要素記憶手段33から、該当顧客の個別の取決めの演算構成要素データ(保有銘柄の売却順を指定するデータ等)を読み込む。なお、売却数量決定要素記憶手段33には、各顧客が目的関数に基づく売却数量の算出方法を選択しているか(目的関数の種類を選択できる場合には、いずれの種類の目的関数に基づく売却数量の算出方法を選択しているか)、各顧客が個別の取決めに従った売却数量の算出方法を選択しているか(個別の取決めの種類が選択できる場合には、いずれの種類の個別の取決めに従った売却数量の算出方法を選択しているか)を識別するための売却数量算出方法選択情報が、顧客識別情報と関連付けられて記憶されている。
そして、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより、該当顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量(保有株数)と、該当顧客の当月の受取希望額と、該当顧客の当月の累積換金額と、時価情報取得処理手段22により取得した該当顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価と、目的関数の演算構成要素または該当顧客の個別の取決めの演算構成要素とを用いて、該当顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額(1銘柄しか保有していない顧客については、合計の必要はない。)が、該当顧客の当月の受取希望額から該当顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、該当顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量(売却株数)を算出する。以上の処理を全ての顧客(全ての顧客識別情報)について行う。
例えば、図2および図10の例では、大和太郎は、A社株、B社株、C社株、D社株を保有し、配当利回り考慮型の売却数量算出方法を選択しているので、A社株、B社株、C社株、D社株の各々の配当利回りおよびリスクを用いて、配当利回りの良い銘柄が残るように各銘柄の売却数量を算出するための目的関数に基づき、A社株、B社株、C社株、D社株の各々の売却数量が算出される。このような目的関数に基づく売却数量の算出は、既存のポートフォリオ分析ツールを用いてもよい。他の目的関数の場合も同様である。従って、本発明では、ある目的関数に基づき、すなわち、ある目的に従って(大和太郎については、配当利回りの良い銘柄を残すという目的に従って)、各顧客の保有する各銘柄の売却数量が算出されればよい。図10の例では、3月11日の処理前の時点では、大和太郎の累積換金額は0円であり、大和太郎の3月の受取希望額は10万円であるから、売却代金の合計額が、受取希望額10万円−累積換金額0円=10万円になるように、大和太郎の3月11日時点での各銘柄の売却数量(売却株数)が算出され、A社株の売却株数=5.0万円相当の株数、B社株の売却株数=4.0万円相当の株数、C社株の売却株数=1.0万円相当の株数、D社株の売却株数=0株となっている。3月11日は、A社株の売却時期であるから、このうちA社株5.0万円相当の株数だけが実際に売却され、この5.0万円だけが、大和太郎の3月11日時点での換金額(但し、図10の例では、委託手数料および税金は考慮していない。)となり、後述するステップS31での3月11日の累積換金額の更新を行うと、更新後の3月の累積換金額は、5.0万円となる。また、3月18日の処理前の時点では、大和太郎の累積換金額は5.0万円であり、大和太郎の3月の受取希望額は10万円であるから、売却代金の合計額が、受取希望額10万円−累積換金額5.0万円=5.0万円になるように、大和太郎の3月18日時点での各銘柄の売却数量(売却株数)が算出され、A社株の売却株数=0.2万円相当の株数、B社株の売却株数=3.8万円相当の株数、C社株の売却株数=1.0万円相当の株数、D社株の売却株数=0株となっている。3月18日は、B社株およびC社株の売却時期であるから、このうちB社株3.8万円相当の株数およびC社株1.0万円相当の株数だけが実際に売却され、この合計額である3.8万円+1.0万円=4.8万円が、大和太郎の3月18日時点での換金額(但し、図10の例では、委託手数料および税金は考慮していない。)となり、後述するステップS31での3月18日の累積換金額の更新を行うと、更新後の3月の累積換金額は、5.0万円+4.8万円=9.8万円となる。なお、3月11日時点で、目的関数に基づき、A社株の売却株数=5.0万円相当の株数が算出され、その株数だけA社株が売却されているので、3月18日時点では、同じ目的関数に基づきA社株の売却株数を算出すると、ゼロに近い株数となるが、時間が多少経過し、A社株の時価単価が変動しているので、ゼロではなく、A社株の売却株数=0.2万円相当の株数となっている。
また、図2、図10、図11の例では、大和花子は、A社株、B社株を保有し、A社株、B社株の順番で売却を指定する売却順指定による個別の取決め型の売却数量算出方法を選択しているので、売却数量決定要素記憶手段33から読み込んだ大和花子の「A社株:1、B社株:2」という個別の取決めの演算構成要素データを用いて、1番目にA社株を売却し、A社株の売却が完了したら、2番目にB社株を売却するという取決め(従って、保有するA社株を全株売却しても、その売却代金が、受取希望額から累積換金額を減じた金額に達しない場合には、B社株の売却株数もゼロ以外の値で算出されるという取決めである。)に従って、A社株、B社株の各々の売却数量が算出される。図10、図11の例では、3月11日の処理前の時点では、大和花子の累積換金額は0円であり、大和花子の3月の受取希望額は10万円であるから、売却代金の合計額が、受取希望額10万円−累積換金額0円=10万円になるように、大和花子の3月11日時点での各銘柄の売却数量(売却株数)が算出され、A社株の売却株数=10万円相当の株数、B社株の売却株数=0株となっている。より詳細には、図11に示すように、時価情報取得処理手段22により取得したA社株の時価単価が750円であるから、A社株の売却株数=(受取希望額10万円−累積換金額0円)÷750円=133.33…=134株となる。3月11日は、A社株の売却時期であるから、A社株134株だけが実際に売却される。なお、B社株の売却株数=0株と算出され、さらに、3月11日は、B社株の売却時期でもないので、B社株の売却はない。そして、A社株の売却代金は、134株×750円=100,500円となり(図11参照)、B社株の売却はないので、3月11日時点での換金額は、委託手数料および税金を考慮しなければ、100,500円となるが、図10では、説明の便宜上、小数点以下の端数株の金額分は考慮せずに、3月11日時点での換金額を10万円と考え、後述するステップS31での3月11日の更新処理後の3月の累積換金額を0円+10万円=10万円と略記している。また、図10に示すように、3月18日の処理前の時点では、大和花子の累積換金額は10万円であり、大和花子の3月の受取希望額は10万円であるから、売却代金の合計額が、受取希望額10万円−累積換金額10万円=0円になるように、大和花子の3月18日時点での各銘柄の売却数量(売却株数)が算出され、A社株の売却株数=0株、B社株の売却株数=0株となっている。3月18日は、B社株およびC社株の売却時期であるが、B社株の売却株数=0株と算出され、さらに、大和花子は、C社株を保有していないので、B社株およびC社株の売却はない。つまり、3月11日時点の処理で目的の換金を達成しているので、3月18日時点での売却はなく、3月18日時点での換金額は0円である。従って、後述するステップS31での3月18日の更新処理後の3月の累積換金額は、10万円+0円=10万円となる(図10参照)。
さらに、図2および図10の例では、大和三郎は、D社株、E社株、F社株を保有し、配当利回り考慮型の売却数量算出方法を選択しているので、D社株、E社株、F社株の各々の配当利回りおよびリスクを用いて、配当利回りの良い銘柄が残るように各銘柄の売却数量を算出するための目的関数に基づき、D社株、E社株、F社株の各々の売却数量が算出される。図10の例では、3月11日の処理前の時点では、大和三郎の累積換金額は0円であり、大和三郎の3月の受取希望額は30万円であるから、売却代金の合計額が、受取希望額30万円−累積換金額0円=30万円になるように、大和三郎の3月11日時点での各銘柄の売却数量(売却株数)が算出され、D社株の売却株数=0株、E社株の売却株数=16.0万円相当の株数、F社株の売却株数=14.0万円相当の株数となっている。3月11日は、A社株の売却時期であるが、大和三郎は、A社株は保有していないので、A社株の売却はなく、大和三郎の3月11日時点での換金額は0円となり、後述するステップS31での3月11日の累積換金額の更新を行うと、更新後の3月の累積換金額は、0万円となる。なお、図4に示すように、E社株、F社株については、売却時期が設定されていないので、図7の売却時期到来銘柄抽出時における売却処理の対象にはならず、図8の支払時期到来顧客抽出時における売却処理の対象となるのみである。
続いて、売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bは、ステップS24で算出した各顧客の各銘柄の売却数量データ(売却株数データ)のうち、売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量データを、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶保存する(ステップS25)。例えば、図10、図11の例では、3月11日に、大和花子のA社株の売却株数=134株を、顧客識別情報(一例として、大和花子の口座番号YYYYYYYYY)とともに、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶保存する。図10に示すように、大和太郎、大和愛子についても、A社株の売却株数が算出されているので、それらの売却株数を、顧客識別情報とともに記憶保存する。
それから、売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段23Cにより、ステップS24で売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段23Bにより算出した各銘柄の売却数量データ(売却株数データ)のうち、売却時期到来銘柄についての売却数量データを、複数の顧客分について集計することにより、売却時期到来銘柄についての集合売却数量(集合売却株数)を算出する(ステップS26)。図10、図11の例では、3月11日には、A社株が売却時期到来銘柄であるから、大和花子のA社株の売却株数=134株と、大和太郎のA社株の売却株数=5.0万円相当の株数と、大和愛子のA社株の売却株数=10万円相当の株数とを合計することにより、A社株の集合売却数量を算出する。また、3月18日には、B社株およびC社株が売却時期到来銘柄であるから、B社株の集合売却数量およびC社株の集合売却数量を算出する。また、3月23日には、D社株が売却時期到来銘柄であるから、D社株の集合売却数量を算出する。
その後、売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dにより、売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段23Cによる集計処理で得られた売却時期到来銘柄についての集合売却数量(集合売却株数)および売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を含む売り注文の発注情報を作成する(ステップS27)。ここで作成されるのは、複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報である。例えば、「口座:証券会社、銘柄:A社株、数量:30万株、売」等の発注情報を作成する。従って、図11の例では、3月11日に、大和花子のA社株の売却株数=134株となっているが、各顧客の個々の売却株数が、このような単元株に満たない株数であっても、複数の顧客分をまとめた集合売却数量(集合売却株数)に基づき、まとめて売却を行うことができる。
続いて、売却時期到来銘柄発注処理手段23Eにより、売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段23Dにより作成した売却時期到来銘柄についての発注情報を、証券取引所システム等の証券取引実行システム80へ通信回線を介して送信する(ステップS28)。
その後、証券取引実行システム80において、ステップS28で送信した発注情報に基づき、複数の顧客分をまとめた売却時期到来銘柄についての売却処理が行われ、その約定情報が通信回線を介して有価証券売却システム10へ送信されてくるので、売却時期到来銘柄発注処理手段23Eにより、この約定情報を受信する(ステップS29)。ここで受信する約定情報には、集合売却数量(集合売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報が含まれている。例えば、「口座:証券会社、銘柄:A社株、数量:30万株、売、単価:750円」等の約定情報を受信する。
続いて、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより、各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額の算出処理を、全ての顧客について順次行っていくために、着目する顧客識別情報を順次変更して、以下の処理を全ての顧客(全ての顧客識別情報)について繰り返す(ステップS30)。
すなわち、(i)売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより、該当顧客の顧客識別情報をキーとして、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37から該当顧客(着目する顧客識別情報で識別される顧客、すなわち、現在、処理の対象とされている顧客であり、以下同様である。)の売却数量データ(売却株数データ)を読み込む。そして、ステップS29で売却時期到来銘柄発注処理手段23Eにより受信した売却時期到来銘柄についての約定情報に含まれる売却単価と、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37から読み込んだ売却時期到来銘柄についての該当顧客の売却数量(売却株数)とを用いて、売却された売却時期到来銘柄についての該当顧客の売却代金を算出する。例えば、大和花子のA社株の売却株数が134株、売却単価が750円だった場合(図11の例)には、134株×750円=100,500円が、大和花子のA社株の売却代金となる。
また、(ii)売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより、約定情報に含まれる集合売却数量(集合売却株数)および売却単価を用いて、複数の顧客分をまとめて売却された売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出する。そして、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料に、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37から読み込んだ該当顧客の売却株数を集合売却株数で除して得られた割合(該当顧客の負担する按分比率)を乗じることにより、該当顧客の委託手数料を算出する。例えば、A社株の集合売却株数が30万株、売却単価が750円だった場合には、A社株の集合売却代金は、30万株×750円=2億2,500万円となり、大和花子のA社株の売却株数が134株だった場合には、大和花子の支払う委託手数料は、この2億2,500万円に応じて定まる集合委託手数料のうち、134株/30万株の割合分となる。さらに、算出した該当顧客の委託手数料に、一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて該当顧客の税金(消費税)の額を算出し、該当顧客の委託手数料と該当顧客の税金とを合計して該当顧客の諸費用を求める。
なお、上記の(ii)の諸費用の算出処理の代わりに、(iii)売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより、売却時期到来銘柄についての該当顧客の売却代金(既に(i)で算出されている金額)を用いて、売却時期到来銘柄についての該当顧客の委託手数料および税金(消費税)を算出し、該当顧客の諸費用を算出してもよい。例えば、大和花子のA社株の売却株数が134株、売却単価が750円だった場合(図11の例)には、134株×750円=100,500円が、大和花子のA社株の売却代金となるので、この100,500円に応じた委託手数料を求め、求めた委託手数料に一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて税金(消費税)を算出し、委託手数料と税金とを合計して諸費用を求めてもよい。
さらに、売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより、(i)で算出した売却時期到来銘柄の売却代金から、(ii)または(iii)で算出した諸費用を減じることにより、該当顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する。そして、以上の処理を、全ての顧客(全ての顧客識別情報)について繰り返す。
それから、売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段23Gにより、各顧客の顧客識別情報をキーとして、累積換金額記憶手段34から各顧客の当月の累積換金額データを読み込み、ステップS30で売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段23Fにより算出された各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、累積換金額記憶手段34から読み込んだ各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段34に上書保存することによって、累積換金額記憶手段34に記憶された各顧客の当月の累積換金額を更新する(ステップS31)。なお、ある銘柄が売却時期到来銘柄となって図7の売却時期到来銘柄関連処理でその銘柄が売却対象銘柄となり、それと同じ日に、それと同じ銘柄が後述する図8の支払時期到来顧客関連処理でいずれかの支払時期到来顧客の売却対象銘柄となることがあり得るが、この場合であっても、ステップS31で累積換金額の更新処理が行われるため、重複した売却数量の算出は回避される。
続いて、売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段23Hにより、各顧客の顧客識別情報をキーとして、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37から売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量データ(売却株数データ)を読み込むとともに、証券保有数量データベース31から各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量データ(保有株数データ)を読み込み、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37から読み込んだ売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量(売却株数)を、証券保有数量データベース31から読み込んだ各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量(保有株数)から減算し、減算後の売却時期到来銘柄の保有数量(保有株数)を証券保有数量データベース31に上書保存することによって、証券保有数量データベース31に記憶された各顧客の保有する売却時期到来銘柄の保有数量(保有株数)を更新する(ステップS32)。例えば、図10、図11の例では、3月11日の処理前の時点では、大和花子のA社株の保有株数が7,000株であり(図2、図11参照)、3月11の大和花子のA社株の売却株数が134株であるから(図11参照)、更新後の保有株数は、7,000株−134株=6,866株となる。なお、前述したように、ある銘柄が売却時期到来銘柄となって図7の売却時期到来銘柄関連処理でその銘柄が売却対象銘柄となり、それと同じ日に、それと同じ銘柄が後述する図8の支払時期到来顧客関連処理でいずれかの支払時期到来顧客の売却対象銘柄となることがあり得るが、この場合であっても、ステップS32で保有数量(保有株数)の更新処理が行われるため、重複した売却数量の算出は回避される。
また、売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段23Hにより、売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段37に記憶された売却時期到来銘柄についての各顧客の売却数量データをゼロにして初期化する(ステップS32)。
その後、図8において、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aにより、支払時期記憶手段36に記憶された各顧客への支払時期データを参照し、その参照当日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する(ステップS33)。参照当日が何年何月何日であるかを示すデータは、システムの時刻(オペレーティング・システム等によりコンピュータ内で管理される現在の時刻)から取得することができる。例えば、参照当日データが2006/3/19(2006年3月19日を示すデータ)であれば、「19日」をキーとしてこれと一致する支払時期データが設定されている顧客の顧客識別情報を支払時期記憶手段36から抽出する。図5の例では、「19日」と一致する支払時期データは、記憶されていないので、支払時期到来顧客の顧客識別情報は抽出されない。また、図5の例では、参照当日データが2006/3/20であれば、大和花子、大和一郎、大和三郎の顧客識別情報が抽出され、参照当日データが2006/3/25であれば、大和太郎、大和二郎、大和愛子の顧客識別情報が抽出される。
なお、売却時期到来銘柄の抽出処理(図7のステップS22)の場合と同様に、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aにより、図5の支払時期記憶手段36に記憶された各顧客への支払時期データを参照し、その参照日の翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出してもよい。この場合も、図7の売却時期到来銘柄関連処理の場合と同様に、例えば、売却の実行日(発注処理を行う日)の前日(前日の夜間等)に、支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dにより発注情報を作成しておき、その翌日(すなわち、支払時期記憶手段36に記憶された各顧客への支払時期)に、支払時期到来顧客発注処理手段24Eによる発注処理を行うことができる。なお、このようにした場合には、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bによる売却数量の算出処理も、売却の実行日(発注処理を行う日)の前日に行わなければならないので、売却数量の算出処理で用いる各銘柄の時価単価や、目的関数の演算構成要素も、売却の実行日の前日の時点でのデータ(例えば、前日の終値等)を用いなければならないことになるため、実際の売却処理で得られる換金額を、できるだけ売却数量算出時の試算通りの金額にするという観点からは、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aによる抽出処理は、各銘柄の売却実行日(発注処理を行う日)に行い、その売却実行日の当日に、売却数量の算出処理および発注情報の作成処理を行うことが好ましい。また、前述したように、ある日に、ある銘柄が売却時期到来銘柄となって図7の売却時期到来銘柄関連処理でその銘柄が売却対象銘柄となり、それと同じ日に、それと同じ銘柄が図8の支払時期到来顧客関連処理でいずれかの支払時期到来顧客の売却対象銘柄となることがあり得るので、重複した売却数量の算出を回避するため、図8の支払時期到来顧客関連処理において上記のように売却処理を行う前日(前日の夜間等)に発注情報を作成する処理を行う場合には、図7の売却時期到来銘柄関連処理においても前日(前日の夜間等)に発注情報を作成する処理を行い、前日に、すなわち支払時期到来顧客関連処理を行う前に、売却時期到来銘柄関連処理における累積換金額や保有数量(保有株数)の更新処理を行っておく。この場合の累積換金額の更新処理は、未だ実際の売却を行っていない段階で算出された売却時期到来銘柄抽出時換金額、すなわち売却単価(約定単価)が無い段階で売却数量算出時の時価単価を用いて試算額(見込額)として算出された売却時期到来銘柄抽出時換金額の加算処理となる。
続いて、支払時期到来顧客抽出処理手段24Aによる抽出処理で支払時期到来顧客が抽出されたか否かを判断し(ステップS34)、抽出された支払時期到来顧客がいない場合には、後述するステップS45へ移行して、その日の一連の処理を終了する。
一方、抽出された支払時期到来顧客がいる場合には、各支払時期到来顧客についての各銘柄の売却数量(売却株数)の算出のための各処理を行う(ステップS35)。すなわち、時価情報取得処理手段22により、時価情報提供システム70から各銘柄の最新の時価単価(市場時価)を取得する。この際、時価単価を取得したい銘柄(つまり、各支払時期到来顧客の保有する全ての銘柄)の銘柄識別情報を含む時価情報取得要求または時価情報提供システム70が提供可能な全銘柄の時価情報取得要求を、通信回線を介して時価情報提供システム70へ送信し、この要求に対して時価情報提供システム70から通信回線を介して送信されてきた時価情報(各銘柄について、それぞれ時価単価と銘柄識別情報とが対になった情報)を受信する。
また、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量の算出処理を、全ての支払時期到来顧客について順次行っていくために、着目する顧客識別情報を順次変更して、以下の処理を全ての支払時期到来顧客(全ての支払時期到来顧客の顧客識別情報)について繰り返す。すなわち、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、顧客識別情報をキーとして、累積換金額記憶手段34から該当支払時期到来顧客(着目する顧客識別情報で識別される支払時期到来顧客、すなわち、現在、処理の対象とされている支払時期到来顧客であり、以下同様である。)の当月の累積換金額を読み込むとともに、顧客識別情報をキーとして、受取希望額データベース32から該当支払時期到来顧客の当月の受取希望額を読み込み、該当支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、該当支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、未だ達していない場合には、該当支払時期到来顧客についての各銘柄の売買数量の算出処理を行い、既に達している場合には、該当支払時期到来顧客についての処理は終了し、次の該当支払時期到来顧客の処理に移行する。
上記の判断で、該当支払時期到来顧客についての各銘柄の売買数量の算出処理に進んだ場合には、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、顧客識別情報をキーとして、証券保有数量データベース31から該当支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量(保有株数)を読み込む。また、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、売却数量決定要素記憶手段33から目的関数の演算構成要素を読み込むか(目的関数が複数種類用意されている場合には、顧客識別情報をキーとして、該当支払時期到来顧客の選択している目的関数の種類を示す売却数量算出方法選択情報を、売却数量決定要素記憶手段33から読み込み、読み込んだ売却数量算出方法選択情報に対応する目的関数の演算構成要素を、売却数量決定要素記憶手段33から読み込む。)、または顧客識別情報をキーとして、売却数量決定要素記憶手段33から該当支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を読み込む。
そして、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、証券保有数量データベース31から読み込んだ該当支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量(保有株数)と、受取希望額データベース32から読み込んだ該当支払時期到来顧客の当月の受取希望額と、累積換金額記憶手段34から読み込んだ該当支払時期到来顧客の当月の累積換金額と、時価情報取得処理手段22により取得した該当支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価と、売却数量決定要素記憶手段33から読み込んだ目的関数の演算構成要素または該当支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素とを用いて、該当支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、該当支払時期到来顧客の当月の受取希望額から該当支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、該当支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量(売却株数)を算出する。以上の処理を、全ての該当支払時期到来顧客(全ての該当支払時期到来顧客の顧客識別情報)について繰り返す。
例えば、図10の例では、3月20日に、大和花子、大和一郎、大和三郎が支払時期到来顧客となるので(図5参照)、これらの者の保有する各銘柄について、売却数量(売却株数)を算出し、3月25日に、大和太郎、大和二郎、大和愛子が支払時期到来顧客となるので(図5参照)、これらの者の保有する各銘柄について、売却数量(売却株数)を算出する。なお、ステップS35における目的関数に基づく売却株数の算出方法や個別の取決めに従った売却株数の算出方法は、前述した図7の売却時期到来銘柄関連処理における売却株数の算出処理(ステップS24参照)と同様であるため、説明を省略する。
続いて、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより、算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(売却株数)を、顧客識別情報と対応させて各支払時期到来顧客毎に支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶保存する(ステップS36)。
それから、支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段24Cにより、支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段24Bにより算出した各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量を、複数の支払時期到来顧客分について銘柄毎に集計することにより、各銘柄毎の集合売却数量(集合売却株数)、すなわち、A社株の集合売却数量、B社株の集合売却数量、C社株の集合売却数量…を算出する(ステップS37)。
その後、支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dにより、支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段24Cによる集計処理で得られた集合売却数量および銘柄識別情報を含む売り注文の発注情報を作成する(ステップS38)。これは、複数の支払時期到来顧客分をまとめた売り注文の発注情報である。例えば、「口座:証券会社、銘柄:E社株、数量:20万株、売」等の発注情報を作成する。
続いて、支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより、支払時期到来顧客発注情報作成処理手段24Dにより作成した発注情報を、証券取引所システム等の証券取引実行システム80へ通信回線を介して送信する(ステップS39)。
その後、証券取引実行システム80において、支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより送信された発注情報に基づき、複数の支払時期到来顧客の保有する有価証券をまとめて売却する取引が実行され、この取引の約定情報が、証券取引実行システム80から通信回線を介して送信されてくるので、支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより、その約定情報を受信する(ステップS40)。この約定情報には、集合売却数量(集合売却株数)、売却単価、および銘柄識別情報が含まれる。例えば、「口座:証券会社、銘柄:E社株、数量:20万株、売、単価:790円」等である。
それから、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより、各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額の算出処理を、全ての支払時期到来顧客について順次行っていくために、着目する顧客識別情報を順次変更して、以下の処理を全ての支払時期到来顧客(全ての支払時期到来顧客の顧客識別情報)について繰り返す(ステップS41)。
すなわち、(iv)支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより、顧客識別情報をキーとして、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38から該当支払時期到来顧客(着目する顧客識別情報で識別される支払時期到来顧客、すなわち、現在、処理の対象とされている支払時期到来顧客であり、以下同様である。)の各銘柄の売却数量(売却株数)を読み込み、支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより受信した複数の支払時期到来顧客分をまとめた約定情報に含まれる売却単価と、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38から読み込んだ該当支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(売却株数)とを用いて、該当支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金をそれぞれ算出し、これらの各銘柄の売却代金を加算して各銘柄の売却代金の合計額を算出する。図10の例では、3月20日に、大和花子、大和一郎、大和三郎が支払時期到来顧客となるので(図5参照)、大和花子の各銘柄の売却代金の合計額(A社株0万円+B社株0万円=0万円)、大和一郎の各銘柄の売却代金の合計額(A社株0万円+C社株0万円=0万円)、大和三郎の各銘柄の売却代金の合計額(D社株0万円+E社株15.8万円+F社株14.2万円=30万円)をそれぞれ算出し、3月25日に、大和太郎、大和二郎、大和愛子が支払時期到来顧客となるので(図5参照)、大和太郎の各銘柄の売却代金の合計額(A社株0.1万円+B社株0.1万円+C社株0万円+D社株0万円=0.2万円)、大和二郎の各銘柄の売却代金の合計額(C社株0万円+D社株0万円=0万円)、大和愛子の各銘柄の売却代金の合計額(A社株0万円+D社株0万円=0万円)をそれぞれ算出する。
また、(v)支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより、約定情報に含まれる集合売却数量(集合売却株数)および売却単価を用いて、複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる各銘柄についての集合委託手数料に、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38から読み込んだ該当支払時期到来顧客の各銘柄の売却株数を各銘柄毎の集合売却株数で除して得られる割合(該当支払時期到来顧客の負担する各銘柄毎の按分比率)を各銘柄毎に乗じることにより、該当支払時期到来顧客の各銘柄の委託手数料を算出する。図10の例では、3月20日において、大和三郎が該当支払時期到来顧客になっているとすると、大和三郎のE社株の売却に掛かる委託手数料と、大和三郎のF社株の売却に掛かる委託手数料とを算出する。さらに、これらの各銘柄の委託手数料を合計し、得られた合計額に、一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて該当支払時期到来顧客の税金(消費税)を算出し、各銘柄の委託手数料の合計額と税金とを合計して該当支払時期到来顧客の諸費用を求める。
なお、上記の(v)の諸費用の算出処理の代わりに、(vi)支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより、該当支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金(既に(iv)で算出されている各金額)に応じて定まる各銘柄の委託手数料を求めてこれらの委託手数料の合計額を算出するか、または該当支払時期到来顧客についての各銘柄の売却代金の合計額(既に(iv)で算出されている金額)に応じて定まる委託手数料を求めることにより、該当支払時期到来顧客が支払う委託手数料を算出し、この該当支払時期到来顧客の委託手数料に、一定率(例えば、現行制度では、5%)を乗じて該当支払時期到来顧客の税金(消費税)を算出し、委託手数料と税金とを合計して該当支払時期到来顧客の諸費用を求めてもよい。
さらに、支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより、(iv)で算出した該当支払時期到来顧客の「各銘柄の売却代金の合計額」から、(v)または(vi)で算出した諸費用を減じることにより、該当支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する。そして、以上の処理を、全ての支払時期到来顧客(全ての支払時期到来顧客の顧客識別情報)について繰り返す。
続いて、支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段24Gにより、顧客識別情報をキーとして、累積換金額記憶手段34から各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を読み込み、ステップS41で支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段24Fにより算出された各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、累積換金額記憶手段34から読み込んだ各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を累積換金額記憶手段34に上書保存することによって、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する(ステップS42)。
それから、支払処理手段24Jにより、顧客識別情報をキーとして、繰越金額記憶手段39から各支払時期到来顧客の前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額データを読み込むとともに、顧客識別情報をキーとして、累積換金額記憶手段34から各支払時期到来顧客の当月の累積換金額データを読み込み、各支払時期到来顧客の前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額を、各支払時期到来顧客の当月の累積換金額(つまり、当月の売却処理で得られた換金額)に加算する。そして、顧客識別情報をキーとして、受取希望額データベース32から各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を読み込み、前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額を当月の累積換金額に加算して得られた金額が、当月の受取希望額を超える場合には、超える分の金額を当月の繰越金額として算出する。図11の例では、大和花子の4月に生じた繰越金額が500円であり、大和花子の5月の売却代金が99,600円であるから、諸費用(委託手数料および税金)を考慮しなければ、大和花子の5月の累積換金額は、99,600円となるので、4月に生じた繰越金額500円を5月の累積換金額99,600円に加算して得られる金額は、99,600円+500円=100,100円であり、この100,100円が、大和花子の5月の受取希望額10万円を超える分の金額100円が、大和花子の5月の繰越金額となる。
そして、支払処理手段24Jにより、顧客識別情報をキーとして、支払時期記憶手段36から各支払時期到来顧客についての振込先の金融機関コードおよび預金口座番号等の振込先指定情報を読み込み、この振込先指定情報を用いて、当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、銀行等の他の金融機関の預金口座システム92に通信回線を介して送信することによって、銀行等の他の金融機関に開設された各支払時期到来顧客の預金口座への振込処理を行う(ステップS43)。図11の例では、5月については、大和花子の受取希望額は、10万円なので、5月20日(図5参照)に、大和花子の預金口座へ10万円の振込処理を行う。
また、支払処理手段24Jにより、繰越金額記憶手段39から読み込んだ各支払時期到来顧客の前回支払処理時(前月)に生じた繰越金額を、証券会社に設けられた口座管理システム90の口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(ここでは、MRFの残高とする。)から減じ、かつ、当月の繰越金額を、口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(MRFの残高)に加算することによって、口座データベース91に記憶された各支払時期到来顧客の現金残高(MRFの残高)を更新する。図11の例では、5月については、大和花子の4月に生じた繰越金額500円を、大和花子のMRFの残高から減じ、かつ、大和花子の5月の繰越金額100円を、大和花子のMRFの残高に加算することにより、大和花子の5月の更新後のMRFの残高は、500円−500円+100円=100円となる。
さらに、支払処理手段24Jにより、当月の繰越金額を、繰越金額記憶手段39に上書保存することによって、繰越金額記憶手段39に記憶された繰越金額を更新する。図11の例では、5月については、大和花子の繰越金額を500円から100円に更新する。また、累積換金額記憶手段34に記憶された各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する。
そして、支払処理手段24Jにより、受取希望額データベース32の当月の受取希望額の特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている支払時期到来顧客について、当月の支払処理の終了後に、その支払時期到来顧客の当月の特別設定記憶部に記憶された受取希望額をゼロにするか、またはその支払時期到来顧客の当月の特別設定記憶部を空欄(NULL)とする処理を行う。例えば、4月25日に、大和太郎が支払時期到来顧客となるが(図5参照)、大和太郎の4月の受取希望額は、特別設定記憶部に記憶された30万円であるから(図3参照)、4月25日に、大和太郎へ30万円の振込処理を終えた後に、この特別設定記憶部に記憶された30万円をゼロまたは空欄(NULL)とする。従って、翌年の4月25日の大和太郎への振込金額は、4月の特別設定への再入力がない限り、基本設定記憶部に記憶された10万円となる。
その後、支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段24Hにより、顧客識別情報をキーとして、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38から各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(売却株数)を読み込むとともに、顧客識別情報をキーとして、証券保有数量データベース31から各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量(保有株数)を読み込み、各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量(売却株数)を、各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量(保有株数)から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を証券保有数量データベース31に上書保存することによって、証券保有数量データベース31に記憶された各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する(ステップS44)。
また、支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段24Hにより、支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段38に記憶された各支払時期到来顧客の各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する(ステップS44)。以上により、有価証券売却システム10により毎日に行う一連の処理を終了する(ステップS45)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、有価証券売却システム10では、受取希望額データベース32に記憶された各顧客の受取希望額に従って、売却時期到来銘柄抽出時売買数量算出処理手段23Bおよび支払時期到来顧客抽出時売買数量算出処理手段24Bにより、各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量が自動的に算出され、売却時期到来銘柄発注処理手段23Eおよび支払時期到来顧客発注処理手段24Eにより、自動的に売り注文の発注処理が行われ、売却で得られた金銭が、支払処理手段24Jにより各顧客へ毎月自動的に支払われるので、高齢者や、株式等の有価証券に対する投資経験の浅い者でも、売却タイミングの判断に迷うことなく、自動的に保有証券の換金化を図ることができ、これらの者の資産管理の手間を軽減することができる。
また、有価証券売却システム10では、各顧客の受取希望額に従って、安定的に各顧客の保有証券の換金処理を行うことができ、保有証券の売却で得られた金銭を定期的に各顧客へ支払うことができる。すなわち、有価証券売却システム10は、各顧客への定時・定額の入金を行うことができる。このため、有価証券売却システム10による換金処理で得られる金銭は、高齢者にとって、年金の補助となり、あるいは年金代わりに利用することができる。従って、例えば、従業員持株会の退会者が、在職期間中に積み立てた自社株式を有利に取り崩していき、老後の生活資金等に充当していくことができ、あるいは株式累積投資で資産を形成した者が、その資産を売却して生活資金等に充当していくことができる。また、証券会社にとっても、有価証券売却システム10による換金処理と、例えば、MRF等とを組み合わせることにより、各顧客に対し、各種の年金プランを提供することができ、顧客へ提供するサービスの質の向上、およびサービスの多機能化を図ることができる。
さらに、オーナーや役員等の会社経営者が、自社株式を売却する際に懸念される「インサイダー取引」等の未然防止を図ることもできる。
そして、有価証券売却システム10は、予め定められた受取希望額を、毎月定められた支払時期に支払うことができるように、各顧客の保有する有価証券の売却処理を行う構成とされているので、有価証券の売却コストを平準化することができ、すなわちナンピン売り上がり機能を発揮させることができ、売却単価の向上を図ることができる。
また、有価証券売却システム10は、売却時期記憶手段35に記憶された各銘柄の売却時期を参照し、その売却時期に各銘柄の売却処理を行う構成とされているので(図7参照)、各銘柄を売却するのに適した時期に各銘柄の売却を行うことができる。このため、顧客にとって、より有利な条件での売却を実現することができる。また、売却時期記憶手段35に記憶させる各銘柄の売却時期を、例えば、従業員持株会システム60や株式累積投資システム61等のような他のシステムによる同一銘柄の購入時期と一致させることで、マーケットインパクトを抑えることができ、本システム10で売り注文を出す者および他のシステム60,61等で買い注文を出す者の双方にとって、バランスのとれた安定した取引を実現することができる。
さらに、有価証券売却システム10は、支払時期記憶手段36に記憶された各顧客への支払時期に、各顧客の累積換金額が受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、不足する換金額を得るための売却数量を算出し、売却を行って換金してから、支払処理手段24Jによる支払処理を行う構成とされているので(図8参照)、各顧客の希望する支払時期に、各顧客の希望に沿った額の金銭を支払うことができる。
従って、有価証券売却システム10は、毎日、図7の売却時期到来銘柄関連処理および図8の支払時期到来顧客関連処理を行うことにより、(1)各銘柄を最適な売却タイミングでそれぞれ異なる時期に売却しつつ、(2)各顧客の指定する様々な支払時期までに、各顧客の様々な受取希望額に相当する換金額を得るための売却処理を行うことができ、かつ、(3)目的または個別の取決めに沿った売却を実現でき、かつ、(4)複数の顧客について同日に同一銘柄の売却がある場合には、複数の顧客分をまとめて売却することができるので、システムに課された複数の要請を、同時に満たすことできる。すなわち、(1)マーケットインパクトを抑える、あるいは、より有利な条件となる時期に売却するという要請と、(2)受取希望額や支払時期を顧客が任意に設定できるようにするという要請と、(3)配当利回りの良い銘柄が残るように売却を行っていく、あるいは顧客の希望順序に従って各銘柄の売却を行っていく等を実現するという要請と、(4)顧客の支払う手数料を安価にするという要請とを、同時に満たすことできる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前記実施形態では、有価証券売却システム10による売却対象は、株式とされていたが、これに限定されるものではなく、本発明の有価証券売却システムによる売却対象は、株式および債券を含む有価証券とすることができる。
また、前記実施形態では、有価証券売却システム10は、毎月(1月〜12月の全月)、支払処理を行う構成とされていたが、例えば、年に1回、2回、3回、6回、12回等から、顧客が自由に選択できるようにしてもよい。例えば、6月および12月の年2回の支払処理を行う場合には、受取希望額データベース32(図3参照)の6月および12月以外の月の基本設定記憶部や特別設定記憶部を、ゼロまたは空欄(NULL)にしておけばよい。
さらに、前記実施形態では、有価証券売却システム10は、売却時期記憶手段35を備え、これにより各銘柄の売却時期が定められ、各銘柄がそれぞれ異なるタイミングで売却される構成とされていたが、各銘柄を同じタイミングで売却する構成としてもよい。
そして、前記実施形態では、有価証券売却システム10は、支払時期記憶手段36を備え、これにより各顧客への支払時期が定められ、各顧客への支払いを行うタイミングが各顧客毎に異なる構成とされていたが、各顧客への支払いを同じタイミングで行う構成としてもよい。
以上のように、本発明の有価証券売却システムおよび有価証券売却方法、並びにプログラムは、例えば、相続等によるタンス株、従業員持株会の退会者の保有する自社株式、株式累積投資で買い付けた株式、役員の保有する自社株式等の有価証券を証券会社に預け、定期的な売却処理を行って換金する場合に利用でき、特に、高齢者等の年金受取りに準じる仕組みを提供する場合に用いるのに適している。
本発明の一実施形態の有価証券売却システムの全体構成図。 前記実施形態の証券保有数量データベースの構造を示す図。 前記実施形態の受取希望額データベースの構造を示す図。 前記実施形態の売却時期記憶手段に記憶される内容の例示図。 前記実施形態の支払時期記憶手段に記憶される内容の例示図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる毎月の処理(2006年3月の例)の流れを示すフローチャートの図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる毎日の処理(売却時期到来銘柄関連処理)の流れを示すフローチャートの図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる毎日の処理(支払時期到来顧客関連処理)の流れを示すフローチャートの図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる処理に伴う受取希望額入力設定画面の例示図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる各顧客の保有証券の売却処理(1ヶ月間の処理)の流れを示す具体的数値例を挙げた説明図。 前記実施形態の有価証券売却システムによる1顧客の保有証券の売却処理(6ヶ月間の処理)の流れを示す具体的数値例を挙げた説明図。
符号の説明
10 有価証券売却システム
21B 受取希望額入力受付処理手段
21C 支払可能期間出力処理手段
22 時価情報取得処理手段
23A 売却時期到来銘柄抽出処理手段
23B 売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段
23C 売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段
23D 売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段
23E 売却時期到来銘柄発注処理手段
23F 売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段
23G 売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段
23H 売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段
24A 支払時期到来顧客抽出処理手段
24B 支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段
24C 支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段
24D 支払時期到来顧客発注情報作成処理手段
24E 支払時期到来顧客発注処理手段
24F 支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段
24G 支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段
24H 支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段
24J 支払処理手段
31 証券保有数量データベース
32 受取希望額データベース
33 売却数量決定要素記憶手段
34 累積換金額記憶手段
35 売却時期記憶手段
36 支払時期記憶手段
37 売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段
38 支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段
39 繰越金額記憶手段
60 従業員持株会システム
61 株式累積投資システム
70 時価情報提供システム
80 証券取引実行システム
91 口座データベース
92 預金口座システム

Claims (14)

  1. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、
    証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、
    前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、
    目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、
    前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、
    有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と
    場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、
    前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量、前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された前記売却時期到来銘柄についての売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記売却時期到来銘柄の売却代金から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と
    支払時期到来時に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来時売却数量算出処理手段と、
    この支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量、前記銘柄識別情報、および前記各顧客についての顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する支払時期到来発注情報作成処理手段と、
    この支払時期到来発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記各顧客についての前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来発注処理手段と、
    この支払時期到来発注処理手段により受信した前記各顧客についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各顧客毎に算出するとともに、前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記各銘柄の売却代金の合計額から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の支払時期到来時換金額を算出する支払時期到来時換金額算出処理手段と、
    この支払時期到来時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の支払時期到来時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来時累積換金額更新処理手段と、
    前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、
    前記支払時期到来発注処理手段により受信した前記各顧客の各銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する支払時期到来証券保有数量更新処理手段とを備え
    前記売却数量決定要素記憶手段には、
    前記目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクが、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標が、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素が、顧客識別情報と関連付けられて記憶され、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来時売却数量算出処理手段は、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする有価証券売却システム。
  2. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、
    証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、
    前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、
    目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、
    前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、
    有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と
    場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、
    前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を前記各顧客毎に記憶する売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段と、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計する売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量および前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、
    (i)この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、(ii)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量に比例させて前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(iii)前記各顧客についての前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(i)で算出した前記売却時期到来銘柄の売却代金から(ii)または(iii)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新するとともに、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量をゼロにして初期化する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と
    支払時期到来時に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来時売却数量算出処理手段と、
    この支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に記憶する支払時期到来時売却数量記憶手段と、
    前記支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を、複数の顧客分について銘柄毎に集計する支払時期到来時売却数量集計処理手段と、
    この支払時期到来時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた集合売却数量および前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する支払時期到来発注情報作成処理手段と、
    この支払時期到来発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来発注処理手段と、
    (iv)この支払時期到来発注処理手段により受信した前記複数の顧客分をまとめた前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を用いて、売却された前記各顧客についての前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各顧客毎に算出するとともに、(v)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる前記各銘柄についての集合委託手数料を、前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(vi)前記各顧客についての前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(iv)で算出した前記各銘柄の売却代金の合計額から(v)または(vi)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の支払時期到来時換金額を算出する支払時期到来時換金額算出処理手段と、
    この支払時期到来時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の支払時期到来時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来時累積換金額更新処理手段と、
    前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、
    前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する支払時期到来証券保有数量更新処理手段とを備え
    前記売却数量決定要素記憶手段には、
    前記目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクが、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標が、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素が、顧客識別情報と関連付けられて記憶され、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来時売却数量算出処理手段は、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする有価証券売却システム。
  3. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、
    証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、
    前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、
    目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、
    前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、
    有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と、
    前記各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて前記各顧客毎に記憶する支払時期記憶手段と、
    市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、
    前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量、前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された前記売却時期到来銘柄についての売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記売却時期到来銘柄の売却代金から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と、
    前記支払時期記憶手段に記憶された前記各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する支払時期到来顧客抽出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で前記各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量、前記銘柄識別情報、および前記支払時期到来顧客についての顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各支払時期到来顧客毎に作成する支払時期到来顧客発注情報作成処理手段と、
    この支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記支払時期到来顧客についての前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来顧客発注処理手段と、
    この支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記支払時期到来顧客についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記各銘柄の売却代金の合計額を前記支払時期到来顧客毎に算出するとともに、前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出し、前記各銘柄の売却代金の合計額から前記諸費用を減じることによって、前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、
    前記支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記各支払時期到来顧客の各銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段とを備え
    前記売却数量決定要素記憶手段には、
    前記目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクが、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標が、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素が、顧客識別情報と関連付けられて記憶され、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段は、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする有価証券売却システム。
  4. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムであって、
    証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶する証券保有数量データベースと、
    前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶する受取希望額データベースと、
    目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を記憶する売却数量決定要素記憶手段と、
    前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶する累積換金額記憶手段と、
    有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶する売却時期記憶手段と、
    前記各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて前記各顧客毎に記憶する支払時期記憶手段と、
    市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する時価情報取得処理手段と、
    前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する売却時期到来銘柄抽出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を前記各顧客毎に記憶する売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段と、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計する売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量および前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段と、
    この売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する売却時期到来銘柄発注処理手段と、
    (i)この売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、(ii)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量に比例させて前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(iii)前記各顧客についての前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(i)で算出した前記売却時期到来銘柄の売却代金から(ii)または(iii)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段と、
    この売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新するとともに、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量をゼロにして初期化する売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段と、
    前記支払時期記憶手段に記憶された前記各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する支払時期到来顧客抽出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で前記各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を前記各支払時期到来顧客毎に記憶する支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段と、
    前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を、複数の支払時期到来顧客分について銘柄毎に集計する支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた集合売却数量および前記銘柄識別情報を含む前記複数の支払時期到来顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する支払時期到来顧客発注情報作成処理手段と、
    この支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する支払時期到来顧客発注処理手段と、
    (iv)この支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記複数の支払時期到来顧客分をまとめた前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を用いて、売却された前記各支払時期到来顧客についての前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各支払時期到来顧客毎に算出するとともに、(v)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された前記各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる前記各銘柄についての集合委託手数料を、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に前記複数の支払時期到来顧客で按分し、按分して得られた前記各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出するか、または(vi)前記各支払時期到来顧客についての前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出し、(iv)で算出した前記各銘柄の売却代金の合計額から(v)または(vi)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段と、
    この支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段と、
    前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する支払処理手段と、
    前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段とを備え
    前記売却数量決定要素記憶手段には、
    前記目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクが、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標が、銘柄識別情報と関連付けられて記憶されるか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素が、顧客識別情報と関連付けられて記憶され、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段は、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする有価証券売却システム。
  5. 前記売却時期記憶手段には、
    前記各銘柄の売却時期として、従業員持株会システム若しくは株式累積投資システムから通信回線を介して取得しまたはシステム管理者により入力された前記従業員持株会システム若しくは前記株式累積投資システムによる前記各銘柄の買付時期、または前記各銘柄の時価変動を分析して得られた時価単価の周期的に高くなる時期のいずれかが記憶されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の有価証券売却システム。
  6. 前記各顧客が操作する顧客端末装置から通信回線を介して送信されてくる前記受取希望額の入力を受け付ける受取希望額入力受付処理手段を備え、
    前記受取希望額データベースには、前記受取希望額入力受付処理手段により受け付けた各月の受取希望額の基本設定を記憶する基本設定記憶部と、前記受取希望額入力受付処理手段により受け付けた各月の受取希望額の特別設定を記憶する特別設定記憶部とが設けられ、
    前記特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている月の場合には、前記特別設定記憶部に記憶された受取希望額が、当月の受取希望額として売買数量算出処理で用いられ、前記特別設定記憶部に受取希望額がゼロと記憶されているか、または前記特別設定記憶部が空欄とされている月の場合には、前記基本設定記憶部に記憶された受取希望額が、当月の受取希望額として売買数量算出処理で用いられ、
    前記支払処理手段は、前記特別設定記憶部にゼロ以外の受取希望額が記憶されている月について、当月の支払処理の終了後に、その月の前記特別設定記憶部に記憶された受取希望額をゼロにするか、またはその月の前記特別設定記憶部を空欄とする処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有価証券売却システム。
  7. 前記各顧客が操作する顧客端末装置から通信回線を介して送信されてくる前記受取希望額の入力を受け付ける受取希望額入力受付処理手段と、
    この受取希望額入力受付処理手段により前記受取希望額の入力を受け付けた場合に、入力を受け付けた前記受取希望額、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価を用いて、前記各顧客の保有する全ての有価証券の売却が完了する予測年月、またはこの予測年月までの残り期間を画面表示または印刷する支払可能期間出力処理手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有価証券売却システム。
  8. 繰越金額を前記各顧客毎に記憶する繰越金額記憶手段を備え、
    前記支払処理手段は、
    前記繰越金額記憶手段に記憶された前回支払処理時に生じた前記繰越金額を、当月の売却処理で得られた換金額に加算し、加算して得られた金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額を超える場合には、超える分の金額を当月の繰越金額として算出し、
    前記当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各顧客の預金口座への振り込みを行うとともに、
    前記繰越金額記憶手段に記憶された前回支払処理時に生じた前記繰越金額を、前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高から減じ、かつ、前記当月の繰越金額を、前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高に加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高を更新し、
    さらに、前記当月の繰越金額を、前記繰越金額記憶手段に上書保存することによって、前記繰越金額記憶手段に記憶された前記繰越金額を更新する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有価証券売却システム。
  9. 従業員持株会システムまたは株式累積投資システムから、各銘柄の買付時期およびその買付時期における買付株数を、通信回線を介して受信し、受信した前記各銘柄の買付時期を、売却時期として、受信した前記買付株数とともに、銘柄識別情報と対応させて前記売却時期記憶手段に記憶させる登録処理を行う売却時期設定処理手段を備え、
    この売却時期設定処理手段は、登録しようとしている売却時期の買付株数K1と、その売却時期T1が属する月と同じ月を売却時期として既に登録されている同じ銘柄についての別の売却時期T2の買付株数K2との大小を比較し、登録しようとしている売却時期T1の買付株数K1の方が、既登録の別の売却時期T2の買付株数K2よりも大きい場合には、登録しようとしている売却時期T1およびその買付株数K1を、銘柄識別情報と対応させて前記売却時期記憶手段に記憶させるとともに、既登録の別の売却時期T2およびその買付株数K2、並びにそれらと対応して記憶された銘柄識別情報を、前記売却時期記憶手段から削除し、一方、登録しようとしている売却時期T1の買付株数K1の方が、既登録の別の売却時期T2の買付株数K2よりも小さい場合には、登録しようとしている売却時期T1およびその買付株数K1、並びにその銘柄識別情報は、前記売却時期記憶手段に記憶させない処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有価証券売却システム。
  10. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムで実行される有価証券売却方法であって、
    証券保有数量データベースに、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶しておき、
    受取希望額データベースに、前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却数量決定要素記憶手段に、目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクを、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標を、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、
    または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素を、顧客識別情報と関連付けて記憶しておき、
    累積換金額記憶手段に、前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却時期記憶手段に、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶しておき
    価情報取得処理手段が、市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出処理手段が、前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量、前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された前記売却時期到来銘柄についての売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記売却時期到来銘柄の売却代金から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新する処理を行い、
    支払時期到来時売却数量算出処理手段が、支払時期到来時に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する処理を行い、
    支払時期到来発注情報作成処理手段が、前記支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量、前記銘柄識別情報、および前記各顧客についての顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する処理を行い、
    支払時期到来発注処理手段が、前記支払時期到来発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記各顧客についての前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    支払時期到来時換金額算出処理手段が、前記支払時期到来発注処理手段により受信した前記各顧客についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各顧客毎に算出するとともに、前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記各銘柄の売却代金の合計額から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の支払時期到来時換金額を算出する処理を行い、
    支払時期到来時累積換金額更新処理手段が、前記支払時期到来時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の支払時期到来時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    支払処理手段が、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来証券保有数量更新処理手段が、前記支払時期到来発注処理手段により受信した前記各顧客の各銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来時売却数量算出処理手段による処理を行う際には、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行
    ことを特徴とする有価証券売却方法。
  11. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムで実行される有価証券売却方法であって、
    証券保有数量データベースに、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶しておき、
    受取希望額データベースに、前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却数量決定要素記憶手段に、目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクを、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標を、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、
    または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素を、顧客識別情報と関連付けて記憶しておき、
    累積換金額記憶手段に、前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却時期記憶手段に、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶しておき
    価情報取得処理手段が、市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出処理手段が、前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を前記各顧客毎に売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶させ、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量および前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段が、(i)前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、(ii)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量に比例させて前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(iii)前記各顧客についての前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(i)で算出した前記売却時期到来銘柄の売却代金から(ii)または(iii)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新するとともに、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来時売却数量算出処理手段が、支払時期到来時に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する処理を行い、
    前記支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶させ、
    支払時期到来時売却数量集計処理手段が、前記支払時期到来時売却数量算出処理手段により算出した前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を、複数の顧客分について銘柄毎に集計する処理を行い、
    支払時期到来発注情報作成処理手段が、前記支払時期到来時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた集合売却数量および前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行い、
    支払時期到来発注処理手段が、前記支払時期到来発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    支払時期到来時換金額算出処理手段が、(iv)この支払時期到来発注処理手段により受信した前記複数の顧客分をまとめた前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を用いて、売却された前記各顧客についての前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各顧客毎に算出するとともに、(v)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる前記各銘柄についての集合委託手数料を、前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(vi)前記各顧客についての前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(iv)で算出した前記各銘柄の売却代金の合計額から(v)または(vi)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の支払時期到来時換金額を算出する処理を行い、
    支払時期到来時累積換金額更新処理手段が、前記支払時期到来時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の支払時期到来時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    支払処理手段が、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額または前記各顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来証券保有数量更新処理手段が、前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、前記支払時期到来時売却数量記憶手段に記憶された前記各顧客の前記各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来時売却数量算出処理手段による処理を行う際には、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行
    ことを特徴とする有価証券売却方法。
  12. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムで実行される有価証券売却方法であって、
    証券保有数量データベースに、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶しておき、
    受取希望額データベースに、前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却数量決定要素記憶手段に、目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクを、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標を、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、
    または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素を、顧客識別情報と関連付けて記憶しておき、
    累積換金額記憶手段に、前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却時期記憶手段に、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶しておき、
    支払時期記憶手段に、前記各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて前記各顧客毎に記憶しておき、
    時価情報取得処理手段が、市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出処理手段が、前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量、前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報、および顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各顧客毎に作成する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された前記売却時期到来銘柄についての売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、前記売却時期到来銘柄の売却代金から前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出処理手段が、前記支払時期記憶手段に記憶された前記各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で前記各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する処理を行い、
    支払時期到来顧客発注情報作成処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量、前記銘柄識別情報、および前記支払時期到来顧客についての顧客識別情報を含む売り注文の発注情報を前記各支払時期到来顧客毎に作成する処理を行い、
    支払時期到来顧客発注処理手段が、前記支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで売却された有価証券の売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報、並びに前記支払時期到来顧客についての前記顧客識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段が、前記支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記支払時期到来顧客についての前記約定情報に含まれる前記売却数量および前記売却単価を用いて、売却された前記各銘柄の売却代金の合計額を前記支払時期到来顧客毎に算出するとともに、前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出し、前記各銘柄の売却代金の合計額から前記諸費用を減じることによって、前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    支払処理手段が、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段が、前記支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記各支払時期到来顧客の各銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段による処理を行う際には、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行
    ことを特徴とする有価証券売却方法。
  13. コンピュータを利用して、有価証券を売却する有価証券売却システムで実行される有価証券売却方法であって、
    証券保有数量データベースに、証券会社に預けられた各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量を前記各顧客毎に記憶しておき、
    受取希望額データベースに、前記各顧客の毎月または年間のうち定められた月の受取希望額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却数量決定要素記憶手段に、目的のポートフォリオを構築するための目的関数の演算構成要素として、配当利回りの良い銘柄により構成されるポートフォリオを売却処理後に残すための目的関数の演算構成要素としての各銘柄の配当利回りおよびリスクを、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、若しくは、株価を1株当たり予想連結経常利益で除した連結経常PER、株価を1株当たり予想自己資本で除したPBR、株価を1株当たり予想連結キャッシュフローで除した連結PCFR、10週移動平均乖離率を示す短期リバーサル、26週移動平均乖離率を示す中期リバーサル、過去5年騰落率を示す長期リバーサル、予想連結経常益利回りから直近6ヶ月平均を減じた連結経常益利回りの変化幅、若しくはその他の投資指標、若しくはこれらの合成投資指標を、銘柄識別情報と関連付けて記憶しておくか、
    または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素として、各顧客の保有する有価証券の売却順を指定するための銘柄識別情報と順番との対応情報、各保有銘柄の売却額が等しくなるように売却していくことを選択する情報、各保有銘柄の売却額が指定比率になるように売却していくための銘柄識別情報と指定比率データとの対応情報、若しくはその他の取決めの演算構成要素を、顧客識別情報と関連付けて記憶しておき、
    累積換金額記憶手段に、前記各顧客の当月の累積換金額を前記各顧客毎に記憶しておき、
    売却時期記憶手段に、有価証券の各銘柄の売却時期を銘柄識別情報と対応させて記憶しておき、
    支払時期記憶手段に、前記各顧客への支払時期を顧客識別情報と対応させて前記各顧客毎に記憶しておき、
    時価情報取得処理手段が、市場時価を提供する時価情報提供システムから前記各顧客の保有する有価証券の時価単価を取得する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出処理手段が、前記売却時期記憶手段に記憶された前記各銘柄の売却時期を参照し、参照した日またはその翌日が売却時期となっている売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報を抽出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出処理手段による抽出処理で前記売却時期到来銘柄についての銘柄識別情報が抽出された場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各顧客の当月の受取希望額から前記各顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を前記各顧客毎に算出する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を前記各顧客毎に売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶させ、
    売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各銘柄の売却数量のうち前記売却時期到来銘柄抽出処理手段により抽出した銘柄識別情報で識別される前記売却時期到来銘柄についての売却数量を、複数の顧客分について集計する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量および前記売却時期到来銘柄についての前記銘柄識別情報を含む前記複数の顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行い、
    売却時期到来銘柄発注処理手段が、前記売却時期到来銘柄発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄についての集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段が、(i)前記売却時期到来銘柄発注処理手段により受信した前記売却時期到来銘柄についての前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を用いて、売却された前記売却時期到来銘柄の売却代金を前記各顧客毎に算出するとともに、(ii)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の顧客分をまとめて売却された前記売却時期到来銘柄の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる集合委託手数料を、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量に比例させて前記複数の顧客で按分し、按分して得られた前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出するか、または(iii)前記各顧客についての前記売却時期到来銘柄の売却代金を用いて、前記売却時期到来銘柄についての委託手数料を含む諸費用を前記各顧客毎に算出し、(i)で算出した前記売却時期到来銘柄の売却代金から(ii)または(iii)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を算出する処理を行い、
    売却時期到来銘柄抽出時累積換金額更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各顧客の売却時期到来銘柄抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    売却時期到来銘柄証券保有数量更新処理手段が、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量から減算し、減算後の前記売却時期到来銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各顧客の保有する前記売却時期到来銘柄の保有数量を更新するとともに、前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記売却時期到来銘柄についての前記各顧客の売却数量をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出処理手段が、前記支払時期記憶手段に記憶された前記各顧客への支払時期を参照し、参照した日またはその翌日が支払時期となっている支払時期到来顧客についての顧客識別情報を抽出する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出処理手段による抽出処理で前記各支払時期到来顧客についての顧客識別情報が抽出された場合に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額が、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に達しているか否かを判断し、達していない場合に、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の銘柄毎の保有数量、前記受取希望額データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額、および前記時価情報取得処理手段により取得した前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の時価単価、並びに前記売却数量決定要素記憶手段に記憶された前記目的関数の演算構成要素または前記各支払時期到来顧客の個別の取決めの演算構成要素を用いて、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却代金の合計額が、前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額から前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を減じた金額と同額または略同額になるように、前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の売却数量を算出する処理を行い、
    前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を前記各支払時期到来顧客毎に支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶させ、
    支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段により算出した前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を、複数の支払時期到来顧客分について銘柄毎に集計する処理を行い、
    支払時期到来顧客発注情報作成処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量集計処理手段による集計処理で得られた集合売却数量および前記銘柄識別情報を含む前記複数の支払時期到来顧客分をまとめた売り注文の発注情報を作成する処理を行い、
    支払時期到来顧客発注処理手段が、前記支払時期到来顧客発注情報作成処理手段により作成した前記発注情報を、証券取引所システムまたはその他の証券取引実行システムへ通信回線を介して送信するとともに、前記発注情報に基づき前記証券取引実行システムで前記複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された有価証券の集合売却数量、売却単価、および前記銘柄識別情報を含む約定情報を、前記証券取引実行システムから通信回線を介して受信する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段が、(iv)前記支払時期到来顧客発注処理手段により受信した前記複数の支払時期到来顧客分をまとめた前記約定情報に含まれる前記売却単価および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を用いて、売却された前記各支払時期到来顧客についての前記各銘柄の売却代金の合計額を前記各支払時期到来顧客毎に算出するとともに、(v)前記約定情報に含まれる前記集合売却数量および前記売却単価を用いて、前記複数の支払時期到来顧客分をまとめて売却された前記各銘柄毎の集合売却代金を算出し、この集合売却代金に応じて定まる前記各銘柄についての集合委託手数料を、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量に比例させて銘柄毎に前記複数の支払時期到来顧客で按分し、按分して得られた前記各銘柄についての委託手数料の合計額を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出するか、または(vi)前記各支払時期到来顧客についての前記各銘柄の売却代金またはその合計額を用いて、委託手数料を含む諸費用を前記各支払時期到来顧客毎に算出し、(iv)で算出した前記各銘柄の売却代金の合計額から(v)または(vi)で算出した前記諸費用を減じることによって、前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を算出する処理を行い、
    支払時期到来顧客抽出時累積換金額更新処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時換金額算出処理手段により算出された前記各支払時期到来顧客の支払時期到来顧客抽出時換金額を、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額に加算し、加算後の当月の累積換金額を前記累積換金額記憶手段に上書保存することによって、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額を更新する処理を行い、
    支払処理手段が、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額に相当する金銭振込情報を、他の金融機関の預金口座システムに通信回線を介して送信することによって、前記他の金融機関に開設された前記各支払時期到来顧客の預金口座への振り込みを行うか、または前記証券会社に設けられた口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高に、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額または前記各支払時期到来顧客の当月の受取希望額を加算することによって、前記口座データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の現金残高の更新を行うとともに、前記累積換金額記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の当月の累積換金額をゼロにして初期化する処理を行い、
    支払時期到来顧客証券保有数量更新処理手段が、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量を、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量から減算し、減算後の各銘柄の保有数量を前記証券保有数量データベースに上書保存することによって、前記証券保有数量データベースに記憶された前記各支払時期到来顧客の保有する有価証券の各銘柄の保有数量を更新するとともに、前記支払時期到来顧客抽出時売却数量記憶手段に記憶された前記各支払時期到来顧客の前記各銘柄の売却数量をゼロにして初期化する処理を行い、
    前記売却時期到来銘柄抽出時売却数量算出処理手段および前記支払時期到来顧客抽出時売却数量算出処理手段による処理を行う際には、
    前記目的関数の演算構成要素を用いて、過去の収益率を使ってリスクを推定するヒストリカル・リスクモデル、収益率だけでなく財務データを含む企業のファンダメンタルズを考慮してリスクを推定するファンダメンタル・リスクモデル、若しくはその他のリスクモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくは、株価指数、業種指数、個別銘柄のリターン、若しくはファクターリターンを予測するリターンモデル、若しくはその他のリターンモデルを搭載したポートフォリオ分析ツール、若しくはその他のポートフォリオ分析ツールを用いた各銘柄の売却数量の決定処理を行うか、
    または、前記各顧客毎の個別の取決めの演算構成要素を用いて個別の取決めに従って各銘柄の売却数量の決定処理を行
    ことを特徴とする有価証券売却方法。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の有価証券売却システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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