JP4602598B2 - 化学蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学蒸着装置に係り、特に半導体の処理過程に際して不活性ガスを基板の端部に導入する不活性ガス導入機構を有し、基板の端部又は裏面に成膜されることを防ぐ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスに関し基板に配線材料を成膜する装置として、有機金属を原料とした化学蒸着装置( Chemical-Vapor-Deposition装置、以下、CVD装置と略す)が知られている。Alに代わる次世代の配線材料として最も有望視されているCuは、CVD装置による成膜が可能である。
【0003】
ここで、Cu薄膜を成膜するCVD装置の従来例を図3に示し、従来の装置構成を簡単に説明する。
【0004】
この装置は、内部を減圧状態に保持することが可能な基板処理室10と、基板処理室10内で基板11を支持すると共に、当該支持した基板11の温度を制御する基板温度制御機構16を備えた基板支持機構12と、基板処理室10に処理する原料ガスを導入するガス導入機構13と、基板支持機構12の下側から基板支持機構12に支持された基板11の端部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構14と、基板11の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構とを備えている。なお、図3図示のCVD装置では、この基板11の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構は、リングシールド15として実現されている。
【0005】
ガス導入機構13は、基板11に対向したシャワーヘッド40に繋がっており、基板11の全面ヘ原料ガスを均一に供給することが可能である。ここで、基板処理室10内部を排気する排気機構、基板支持機構12に基板11を搬送する基板搬送機構、基板処理室10の壁温を制御する壁面温度制御機構、導入する原料ガスや不活性ガスの流量を制御する流量制御機構、導入ガスの温度を制御するガス温度制御機構、基板処理室10内部の圧力を制御する圧力制御機構等に関しては、従来公知であり、また、本発明を説明する上で重要ではないため、図示及び説明を省略する。
【0006】
次に、このCVD装置の動作方法について、液体原料である〔トリメチルビニルシリル〕ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅(以下、Cu(hfac)(tmvs)と略す)を利用した場合の成膜手順を説明する。なお、液体原料を気化させる気化器の構成に関しては、従来公知であり、本発明を説明する上で特に重要でないため、説明を省略する。
【0007】
以上のCVD装置を動作させるには、図示しない基板搬送機構によって基板11を基板支持機構12上に配置し、基板処理室10内部を図示しない排気機構により所要の真空状態にした後、基板支持機構12内部に配置された基板温度制御機構16により基板11を所定の温度とし、原料ガス供給系20から図示しない気化器によってCu(hfac)(tmvs)を気化させ、キャリアーガスとともにガス導入機構13を経由して基板処理室10内部に導入する。
【0008】
このとき、例えば、基板11の温度は、150〜200(℃)、基板処理室10内部の圧力は、50〜1K(Pa)、Cu(hfac)(tmvs)の流量は0.05〜3(g/min)、キャリアーガス流量は0.02〜1.00[SLM]、不活性ガス流量は0.01〜0.5[SLM]とすることが望ましい。
【0009】
キャリアーガスとしては、例えば、H(水素)が、また不活性ガスとしては、例えば、Ar(アルゴン)などの希ガスが一般的に使用される。
【0010】
以上の一連の処理を行うことにより、基板11上にCu(銅)を成膜することが可能である。
【0011】
上述のように、一般に、化学気相蒸着(CVD)では、原料が気体状態で基板処理室に導入され、基板支持機構の上に配置された基板表面での化学反応により薄膜が形成される。そこで、例えば、基板の端部、裏面、又は、直接基板と接触し基板を支持する箇所のような、基板の端部周辺において、原料ガスとの接触による被膜形成を防止する機構(すなわち、基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構)が、基板支持機構で十分に採られていない場合、当然、これらの予期しない箇所にもCVD材料の被膜が部分的に形成されてしまう。
【0012】
このような部分的な被膜は、材料によっては容易に剥がれたり、あるいは、微粒子となって脱落し易い。これらの剥離等による異物は、特に上述のような半導体デバイスの配線(コンマ数μm)を形成する工程においては配線の断線を起こすパーティクルとして、生産上、歩留まりを大きく左右する重要な問題となる。
【0013】
基板の端部、又は裏面のような、基板の端部周辺に対してCVD材料の被膜が形成されてしまうという問題を解決しようとする試みはいくつもなされている。それらの一つの方法として、基板の端部周辺、例えば、基板の端部、又は裏面などの被膜の形成を防止したい箇所に、原料ガスの接触を妨げる被膜形成防止用のガスとして、例えば、基板処理室内の化学反応に影響を与えないAr(アルゴン)等の不活性ガスを流す方法がとられていた。
【0014】
なお、本明細書において、基板の端部とは、基板の側面(すなわち、側壁)のことを意味し、周縁部は、端部を含めた外周部とする。
【0015】
このように不活性ガスを流す方法が採用される場合、例えば、前述の図3の従来例では、不活性ガス導入系に繋がる不活性ガス導入機構14の末端部である不活性ガス導入配管17が、基板11の設置面に対して垂直の向きに接続され、基板11の端部に不活性ガスが矢示43のように導入される。この矢示43で示される不活性ガスの流れが、シャワーヘッド40により導入される原料ガスの流れに対抗することにより、リングシールド15内への原料ガスの進入を防ぎ、基板11の端部、又は裏面への回り込みによる裏面での被膜形成を防止していた。
【0016】
しかし、この方法では、例えば、基板11の端部、又は裏面の被膜形成を確実に防止したいがために不活性ガス導入配管17から導入する不活性ガスの流量を増大させると、基板11の端部を含めた周縁部の原料ガスの供給が不充分になる。そして、この結果、基板の周縁部に形成される薄膜が中心領域に形成される薄膜よりやや薄めとなる不均一な膜厚領域が増大する。
【0017】
又、逆に基板11の周縁部の原料ガスの供給を十分にし、周縁部を含めた基板全面で均一な成膜を行う場合、シャワーヘッド40からの原料ガスの流れが強くなり、リングシールド15内に進入し、不活性ガス導入配管17の開口部に付着したり、さらに、リングシールド15等から脱離したパーティクルが不活性ガス導入配管17口内に落下、堆積してしまう不具合が発生してしまう。
【0018】
不活性ガス導入配管17の導入部に付着した原料ガスは、最終的にはパーティクルに成長し、不活性ガス導入配管17口内に落下、堆積する可能性がある。このパーティクルは、不活性ガスの流量を増大させた際に、吹き上げられ、基板処理室10内で飛散してしまう。
【0019】
しかも、上述の半導体デバイスの配線工程で使用されるCu(hfac)(tmvs)のごときCVD材料は、常温では液体であるため基板処理室10の導入前に気化器で70℃ぐらいで気化させることにより使用されるが、原料ガスとなったCu(hfac)(tmvs)は、50℃以下ぐらいになると再凝縮を起こし始め、100℃以上になると分解し始めるという熱的に不安定なCVD材料である。さらに、銅は半導体デバイスの基板として使用されているSi及びSiOへの拡散性が高くデバイスの信頼性に影響を与えてしまう。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目約は、基板に対する化学蒸着プロセスにおいて、基板の端部(すなわち、基板の側壁)及び裏面に成膜されないことを確実にし、かつ不活性ガスの導入配管の口内に異物(パーティクル)が入り込みにくい構造にしたことを特徴とするCVD装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明が提案するCVD装置は、内部を減圧状態に保持することが可能な基板処理室と、前記基板処理室内で基板を支持すると共に、当該支持した基板の温度を制御する基板温度制御機構を備えている基板支持機構と、前記基板処理室に処理する原料ガスを導入するガス導入機構と、前記基板支持機構の下側から基板支持機構に支持された基板の端部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、前記基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構とを備えたものであって、以下の特徴的な構成を備えているものである。
【0022】
本発明の化学蒸着装置においては、前記基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構は、基板支持機構に支持された基板の周縁部表面に基板の上方向から当接する基板押さえ機構と、当該基板押さえ機構を上側から前記基板の周縁部表面方向に向けて付勢しつつ、当該基板押さえ機構との間に不活性ガス導入路を形成して当該基板押さえ機構を支持する基板押さえカバー機構とで構成されて、前記不活性ガス導入機構に接続されている。
【0023】
そして、不活性ガス導入機構から導入されてきた不活性ガスが、前記基板押さえ機構の下側面と基板の周縁部表面との間の当接部を介して、基板の表面に対し平行に、かつ基板の中心方向に向かう流れと、基板押さえ機構と基板押さえカバー機構との間の前記不活性ガス導入路を介して、基板の表面に対し垂直方向に下降する流れとに分岐されることを特徴としているものである。
【0024】
なお、前述した本発明の化学蒸着装置において、基板押さえカバー機構と基板押さえ機構との間には押さえバネが介在されており、これによって基板押さえ機構は上側から基板の周縁部表面方向に向けて付勢されるようにすることができる。
【0025】
また、基板押さえ機構と基板押さえカバー機構には温度制御機構が付設されているようにし、これによって所要の温度制御を行えるようにすることができる。
【0026】
更に、不活性ガス導入機構は、基板支持機構に備えられている基板温度制御機構の近傍を通過する不活性ガス導入配管を備えており、これによって導入される不活性ガスの温度が制御され、例えば、導入される不活性ガスの温度が、常に、前記基板処理室内の温度以上の温度となっているようにすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図1、図2を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0028】
本発明の化学蒸着装置の基本的な構成は、図3に示す従来の装置と同様であるので重複する部分については説明を省略し、従来の装置と異なる部分であって、本発明に特徴的な基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構について、図1、図2を参照して説明する。
【0029】
本発明の化学蒸着装置においては、図3図示の従来の化学蒸着装置における、基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構は、基板支持機構12に支持された基板11の周縁部表面に基板11の上方向から当接する基板押さえ機構22と、基板押さえ機構22を上側から基板11の周縁部表面方向に向けて付勢しつつ、基板押さえ機構22との間に不活性ガス導入路33を形成して基板押さえ機構22を支持する基板押さえカバー機構23とで構成されて、不活性ガス導入機構14に接続されている。
【0030】
基板押さえカバー機構23は押さえ台座29に固定されており、押さえ台座29は、支柱30を介して基板支持機構12近傍の基板処理室10の底面に取り付けられている(不図示)。
【0031】
基板押さえカバー機構23には、バネ固定治具28によって固定された押さえバネ24が取り付けてあり、基板押さえ機構22は、基板押さえカバー機構23と基板押さえ機構22との間にこのようにして介在されている押さえバネ24によって、上側から基板11の周縁部表面方向に向けて付勢され、基板11周縁部全周にわたって基板11周縁部の表面に当接し、基板11周縁部の表面と基板押さえ機構22の下側面とが当接する当接部となる接触面35は、基板11の周縁部全周にわたって形成される。
【0032】
なお、押さえバネ24を介在させての、基板押さえカバー機構23による基板押さえ機構22の支持は、例えば、基板押さえカバー機構23の下部の周方向に等間隔で隔てられた4箇所にて行うことができる。ただし、この支持する箇所は、4箇所に限定されるものではない。
【0033】
次に図1の拡大図である図2を用いて接触面35と、不活性ガス導入路33について説明する。
【0034】
基板押さえ機構22の下側面と基板11の周縁部表面との間の当接部である接触面35は、上述のとおり基板押さえ機構22と基板11の接触部であって、以下のようにして形成することができる。例えば、基板支持機構12を上下動可能な構成としておいて、前記のように、固定されている支柱30に支持されている不動の押さえ台座29、基板押さえカバー機構23に対して基板支持機構12を上下動させ、基板押さえ機構22の下側面に基板11の周縁部表面を当接させて接触面35を形成することができる。また、逆に、支柱30を上下動可能な構成にし、固定された基板支持機構12上に配置されている不動の基板11に対して、押さえ台座29、基板押さえカバー機構23を上下動させ、接触面35が形成されるようにすることもできる。どちらの構成でもかまわない。
【0035】
重要な点は、接触面35で基板11が動かない程度の力で基板押さえ機構22により押し付けられることであり、かつ、前述したような動作によって接触面35が形成される際に、押さえ台座29が、Oリング39を挟み込むことで、不活性ガス導入配管17より導入されてきた不活性ガスの、基板押さえ機構22下側面に衝突して形成された支柱30方向へ向かう矢示38で示す流れが遮断され、その一方、基板押さえ機構22と基板押さえカバー機構23との間の不活性ガス導入路33は図2図示のように閉鎖されることなく維持され、前記のように支柱30方向への流れが遮断された不活性ガスが、不活性ガス導入路33へと流れていくことができるようにされていることである。
【0036】
なお、基板押さえ機構22が過度の力で基板11を押すと基板11が損傷するので、その必要はない。すなわち、基板押さえ機構22の下側面が基板11の周縁部表面に押し付けられる力は、接触面35で基板11が動かない程度の力であって、かつ、接触面35が形成される際に、押さえ台座29が、Oリング39を挟み込み、そして、不活性ガス導入路33が図2図示のように閉鎖されることなく維持されている程度の力であれば十分である。この力は、使用する押さえバネ24のバネ強度を最適なものに選択することで達成できる。
【0037】
基板押さえ機構22は、Ti等の金属で形成することができる。特に、接触面35を形成する基板押さえ機構22の下側面に、エラストマー等の弾力性に富むシール材料は使用していない。これは、パーティクル発生等の要因になるためである。
【0038】
したがって、接触面35には、微視的な意味では隙間ができる。不活性ガス導入配管17より導入されてきた不活性ガスは、基板押さえ機構22の下側面に衝突して支柱30方向へ矢示38で示すように流れるだけでなく、接触面35に形成されるこの微視的な隙間から、基板押さえ機構22内側と基板処理室10との間の圧力差によって、基板11の表面に対して平行に、かつ矢示38と逆方向の基板11中心方向に流れる。そこで、この不活性ガスの流れによって、原料ガス及びパーティクルが接触面35を介して基板押さえ機構22内に侵入してくることはなくなる。
【0039】
又、この接触面35に形成される微視的な隙間から基板11の表面に対して平行に、かつ基板11の中心方向に向かう不活性ガスの流れのため、成膜による基板押さえ機構22と基板11の接触部で繋がった膜が形成されることもない。
【0040】
上述のように、不活性ガス導入配管17より導入された不活性ガスは、基板押さえ機構22の下側面に衝突し、上述の接触面35に形成される微視的な隙間に流入する流れと、基板押さえ機構22の下側面を矢示38方向への流れに分岐される。
【0041】
この基板押さえ機構22の下側面を矢示38方向に流れる不活性ガスは、矢示42のように基板押さえ機構22の側面を上昇し、不活性ガス導入路33へと至り、矢示37で示すように、接触面35の基板11中心側において、基板11の周縁部表面に対して垂直方向に降下する流れなる。このように、不活性ガスを基板11に対し垂直方向の下降流とすることで、原料ガスの侵入を防ぐエアカーテンのような効果を誘起することができる。
【0042】
なおこのように、不活性ガス導入路33を流れた不活性ガスが、基板11の周縁部表面に対して垂直方向の下降流となるように、不活性ガス導入路33は、その出口領域に於いて、基板11の表面に対して垂直に降下する方向に延び、基板11の周縁部表面に臨む出口流路43を備えている必要がある。
【0043】
基板11の周縁部表面と最も近接する出口流路43の下端部、すなわち、基板押さえカバー機構23の下端部36と、基板11の周縁部表面との間の隙間は、せいぜい0.3mm以下である。
【0044】
つまり、本発明に係るCVD装置及びこれによる不活性ガスの導入において重要な点は、上述のとおり、基板11表面の周縁部で原料ガスと反応するのを防く不活性ガスが、基板押さえ機構22の下側面と基板11の周縁部表面との間の接触面35の微視的な隙間を通って、基板11の表面に対し平行に、かつ基板11の中心方向に向かう流れと、基板押さえ機構22と基板押さえカバー機構23との間に形成されている不活性ガス導入路33を介して基板11の周縁部表面に対し垂直方向に降下する流れ、しかも、前記接触面35の基板11中心側において、基板11の周縁部表面に対して垂直方向に降下する流れに分かれることにある。
【0045】
それ故、基板押さえ機構22と基板押さえカバー機構23との隙間を通って侵入する可能性のある原料ガス、及びパーティクルは、侵入方向に対して逆方向に不活性ガスが流れ、しかも、不活性ガス導入経路33は、基板支持機構12の下側から接続されている不活性ガス導入機構によって供給される不活性ガスが、基板支持機構12の上に支持されている基板11の周縁部表面に対し垂直方向に降下する流れになるようにするものであるため、図1、図2図示のように、複数の直角に曲がった経路に形成されているので、それらの侵入はなくなる。
【0046】
また、上述のとおり、接触面35に対しては、原料ガスの侵入を防ぐエアカーテンのような効果も誘起することができる。
【0047】
ここで、接触面35の幅であるが、0.5mm〜3mmが実用上最適で、この範囲より狭めてしまうと基板11が基板支持機構12上でずれた場合、基板11を押さえることができなくなるため原料ガスの進入を妨げることが困難になり、又、逆に幅を広く取り過ぎると基板11の周縁部において原料ガスと接触しない領域が増えることにより、均一な成膜の得られている有効面積が減少してしまうので好ましくない。
【0048】
本発明の化学蒸着装置において、基板押さえ機構22と基板押さえカバー機構23には温度制御機構が付設されている。すなわち、押さえ台座29に押さえ板27と固定ネジ26により基板押さえカバー機構用ヒーター25が固定されており、これによって所要の温度制御を行えるようになっている。例えば、半導体デバイス用配線材料のCu(hfac)(tmvs)の場合、50℃以下程度になると再凝縮が始まり、100℃以上になると分解し始めるので、熱電対32で温度をモニターしながら、基板押さえカバー機構用ヒーター25によって、シャワーヘッド40からの原料ガス流に最も晒される基板押さえカバー機構23の温度を、例えば、50℃以上、100℃以下になるように調整する。
【0049】
また、基板支持機構12には、支持した基板11の温度を制御すべく従来公知の基板温度制御機構、例えば、基板ヒーター31が備えられている。例えば、上述のCu(hfac)(tmvs)を用いて基板11上に成膜をする際には、基板ヒーター31によって、基板11は170℃〜200℃ぐらいに加熱されている(基板11の温度をモニターする装置等は不図示)。
【0050】
更に、本発明の化学蒸着装置において、基板支持機構12の下側から基板11の端部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構は、図1図示のように、基板支持機構12に備えられている基板ヒーター31の近傍を通過する(図1図示の実施形態では、基板ヒーター31の下部を経由している)不活性ガス導入配管17を備えている。これによって、導入される不活性ガスの温度を制御し、例えば、導入される不活性ガスの温度が、常に、前記基板処理室内の温度以上となるようにすることができる。
【0051】
以上説明した本発明の化学蒸着装置の動作方法、液体原料であるCu(hfac)(tmvs)を利用した場合の成膜手順は、図1、図2を用いて説明した基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構の動作以外については、図3を用いて説明した従来の化学蒸着装置の動作方法、成膜手順と同一であるので、その説明を省略する。
【0052】
以上添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の化学蒸着装置によれば、基板に対する化学蒸着プロセスにおいて、基板表面の周縁部又は裏面における原料ガスとの反応が生じることを防ぐべく基板の端部に導入される不活性ガスは、基板押さえ機構の下側面と、基板の周縁部表面との間の接触面の微視的な隙間を通り、基板の表面に対して平行に、かつ基板の中心方向に向かう流れと、基板押さえ機構を上側から前記基板の周縁部方向に向けて付勢しつつ支持する基板押さえカバー機構と基板押さえ機構との間に形成されている不活性ガス導入路を介して、基板周縁部表面に対して垂直方向に下降する流れに分けて導入される。これによって、基板周縁部及び裏面における成膜を確実に阻止し、さらに不活性ガスの導入配管に異物(パーティクル)が入り込みにくい構造の化学蒸着装置を提供することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化学蒸着装置における不活性ガス導入部を説明する断面図。
【図2】 図1の一部を拡大して表した断面図。
【図3】 従来の化学蒸着装置の構成を説明する断面図。
【符号の説明】
10 基板処理室
11 基板
12 基板支持機構
13 ガス導入機構
14 不活性ガス導入機構
15 リングシールド
16 基板温度制御機構
17 不活性ガス導入配管
20 原料ガス供給系
22 基板押さえ機構
23 基板押さえカバー機構
24 押さえバネ
25 基板押さえカバー機構用ヒーター
26 固定ネジ
27 押さえ板
28 バネ固定治具
29 押さえ台座
30 支柱
31 基板ヒーター
33 不活性ガス導入路
35 接触面
36 カバー機構の下端部
39 Oリング
40 シャワーヘッド
41 原料ガスの流れを示す矢印
43 出口流路

Claims (4)

  1. 内部を減圧状態に保持することが可能な基板処理室と、前記基板処理室内で基板を支持すると共に、当該支持した基板の温度を制御する基板温度制御機構を備えている基板支持機構と、前記基板処理室に処理する原料ガスを導入するガス導入機構と、前記基板支持機構の下側から基板支持機構に支持された基板の端部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、前記基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構とを備えた化学蒸着装置において、
    前記基板の端部周辺が原料ガスと接触することを防止する機構は、基板支持機構に支持された基板の周縁部表面に基板の上方向から当接する基板押さえ機構と、当該基板押さえ機構を上側から前記基板の周縁部表面方向に向けて付勢しつつ、当該基板押さえ機構との間に不活性ガス導入路を形成して当該基板押さえ機構を支持する基板押さえカバー機構とで構成されて、前記不活性ガス導入機構に接続されており、
    前記不活性ガス導入機構から導入されてきた不活性ガスが、前記基板押さえ機構の下側面と基板の周縁部表面との間の当接部を介して、基板の表面に対し平行に、かつ基板の中心方向に向かう流れと、基板押さえ機構と基板押さえカバー機構との間の前記不活性ガス導入路を介して、基板の表面に対し垂直方向に下降するれとに分岐されることを特徴とする化学蒸着装置。
  2. 基板押さえカバー機構と基板押さえ機構との間には押さえバネが介在されており、これによって基板押さえ機構は上側から基板の周縁部表面方向に向けて付勢されることを特徴とする請求項1記載の化学蒸着装置。
  3. 基板押さえ機構と基板押さえカバー機構には温度制御機構が付設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の化学蒸着装置。
  4. 不活性ガス導入機構は、基板支持機構に備えられている基板温度制御機構の近傍を通過する不活性ガス導入配管を備えており、これによって導入される不活性ガスの温度が制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の化学蒸着装置。
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