JP4602533B2 - 中吊り広告紙の綴結装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、表裏一対の中吊り広告紙を予め自動的に綴結する綴結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
図7に示すように従来から電車などの車内に天井から左右2つのバインダー1によって吊り下げられている中吊り広告紙体2は、車内の前後方向から視認できるように重合された表裏一対の比較的厚手の広告紙3,4になっており、この表裏の広告紙3,4は、その大きさが一般に横長のB3サイズと、このB3サイズを横方向に連結した大きさのワイドサイズがあり、使用に際しては、広告内容に応じて同一サイズあるいはサイズの異なるものを混合して使用し、混合使用の場合は、一枚のワイドサイズのものに対しては2枚のB3のサイズのものを合わせて使用する。
【0004】
そして、これらを各バインダー1に吊り下げる際には、図8に示すように、予め表裏の広告紙3,4の上端部3a,4aを横一列に綴結冶具によって綴結し、これによって、バインダー1への取り付け時における各広告紙3,4が互いに上下にずれたり、はずれて落下するのを防止することが可能になり、作業者によるバインダー1への取り付け作業の容易性を確保している。
【0005】
特にサイズの異なる広告紙3,4を混合して使用する場合には、両者を予め綴結しておかないと、作業者は必ずサイズの小さいB3側の2枚をそれぞれ持ち替えて作業しなければならないため、必ず予め両者を綴結冶具で綴結しておく必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記中吊り広告紙3,4を予め綴結冶具によって締結するには、作業者がまず、表裏の両者3,4を重ね合わせながら互いの外側の角合わせにより位置決めを行い、次に重ね合わせた両方の広告紙3,4を持ちながら綴結冶具で各上端部3a,4aを横一列に1つづつ綴結するようになっている。このように、全て手作業によって行うため、かかる一連の綴結作業がきわめて煩雑になり、該作業能率の低下とコストの高騰を招いている。
【0007】
本発明は、前記従来の綴結作業の技術的課題に鑑みて案出したもので、綴結作業の一部を完全に自動化することよって作業の煩雑化を抑制すると共に、コストの低廉化を図り得る綴結装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、バインダーで中吊りされる表裏一対の広告紙を、予め綴結冶具によって綴結する中吊り広告紙の綴結装置であって、複数の広告紙を上下に載置保持する上下二段の棚板を有する載置棚と、該載置棚の前端側に設けられて、前記各棚板から順次落とし込まれた各広告紙を下方へスライド移動させる傾斜状のスライド板と、該スライド板のほぼ最下端位置に並設された複数の電動綴結冶具と、該電動綴結冶具を電気的に作動制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記載置棚の後端側に、電動綴結冶具によって重合綴結された表裏一対の広告紙体を前記スライド板上から載置棚の内部を介して反対側に取り出す取出口を設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記載置棚の内部下端部に、前記スライド板から取り出された広告紙体を前記取出口方向に案内する傾斜状のガイド板を設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明にあっては、前記制御手段は、電動綴結冶具を作動させる作動スイッチと、該作動スイッチをオンさせた後に所定時間の間、作動スイッチを非作動にするタイマー機構とを備えたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る中吊り広告紙の綴結装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
すなわち、この綴結装置は、図1〜図6に示すように、サイズの異なるB3、ワイド広告紙3,4,4を上下二段に載置保持したボックス状の載置棚11と、一端部12aが載置棚11の前端開口11aに支持されたスライド板12と、該スライド板12の他端部12b側に並設された6つの電動綴結冶具13と、載置棚11の後端下部に形成された取出口14と、載置棚11の内部下側に設けられて、綴結された広告紙体2を取出口14方向へ案内するガイド板15と、前記各綴結冶具13の作動を電気的に制御する制御手段である電気回路16とから構成されている。
【0014】
前記載置棚11は、前方に延出した長方形状の底壁板17の両側に上方に延びた側壁18,18を有すると共に、中央から上方位置に下段の棚板19と上段の棚板20とを備えている。下段棚板19及び上段棚板20は共に、ワイドサイズの広告紙3とB3サイズの広告紙4,4のいずれも収納可能であるが、本例においては、下段棚板19に、ワイドサイズの複数の広告紙3が積み重ねられて保持され、上段棚板20に、左右それぞれB3サイズの広告紙4,4が積み重ねられて保持されている。また、両側壁18,18は、その幅がワイドサイズの広告紙3の幅長さよりも若干大きく設定されていると共に、下段棚板19下方の前端開口11a側には、前記スライド板12の一端部12aを支持する支持ピン21が介装されている。また、上段棚板20の上面後端部には、広告紙4,4の位置決め用の保持枠22が立設されている。また、下段棚板19の後部両側には、それぞれ両側壁18,18に固定された位置決め用板23,23が設けられている。
【0015】
前記スライド板12は、図1にも示すように、支持ピン21に支持された一端部12a、つまり載置棚11の前端開口11aから前方に所定角度で下り傾斜状に配置され、他端部12bが底壁板17の先端部上面に固定されていると共に、両側縁に各広告紙3,4の側縁をガイドするガイド枠24,24が、片方は固定し、もう片方は広告紙の多少のサイズ差に合わせ、移動を可能にしている。また、他端部12aの上面両側には、前記各広告紙3,4の最大スライド移動を規制するほぼL字形状に折曲された規制部材25,25が設けられている。
【0016】
前記各電動綴結冶具13は、市販の電動ホッチキスであって、図1に示すようにスライド板12の他端部12bの上面に固定され、各先端部13aが前記規制部材25,25の前面よりも僅かに突出配置されて、スライド板12上面をスライドした各広告紙3,4の上端部3a,4aが電動綴結冶具13の綴結口13bに入るようになっている。
【0017】
前記ガイド板15は、図1、図3に示すように、前端開口11a側から取出口14側にかけて下り傾斜状に配設され、一端部15aが前記前端開口11aの下端部に立設された支持板26の上端に固定されていると共に、他端部15bが取出口14の下部から僅かに飛び出している。また、この他端部15bの先端部両側には、該先端部から垂直に立ち上がった止め部材27,27が設けられており、この各止め部材27,27は、スライド板12側から送られてきて積み重ねられた各広告紙体2の上端部2aを傾斜状に保持して、取出口14から各広告紙体2の各部を取り易くするようになっている。なお、各止め部材27,27の各外側部には、ほぼ三角形状の枠部27a,27aが設けられている。
【0018】
また、前記取出口14は、ガイド板15の先端部上に横方向に長く設定されている。
【0019】
前記電気回路16は、図5、図6に示すように電源28と、各電動綴結冶具13に電流を適宜供給するリレー回路29と、足の踏み込みによってリレー回路29を介して各電動綴結冶具13を作動させるフットスイッチ30と、このフットスイッチ30を踏み込んだ後に、例えば5秒の間(任意の時間を設定可能)にこのフットスイッチ30を非作動状態にするタイマー回路31と、スライド板12に設けられて、前記広告紙体2の枚数をカウントするカウンター32と、このカウンター32をゼロに復帰させる復帰ボタン33とから構成されている。前記各電動綴結冶具13は、一般的なもので、スライド板12上に横方向へ配置され、フットスイッチ30の作動によって自動的に綴結針によって各広告紙3,4,4を綴結するものである。
【0020】
したがって、この実施形態によれば、各棚板19,20上に予めそれぞれ同一サイズの複数の広告紙3,4を積み重ねておく。この実施形態の場合は、下段棚板19には、ワイドサイズの広告紙3を積み重ね、上段棚板20にはB3の広告紙4,4を並べて積み重ねられている。
【0021】
そして、まず、下段棚板19からワイドサイズの大広告紙3をスライド板12上に落としこむと、この大広告紙3は上端部2aが前記規制部材25,25に規制されるまでスライド板12上をスライドして各電動綴結冶具13の綴結口13bに係入する。その後、上段棚板20から左右2枚のB3サイズの小広告紙4,4を大広告紙3上に落としこみ、この上をスライド移動させ規制部材25,25で規制されるまで下方へ移動させ、大広告紙3の上面に積み重ねる。このとき、上側の各広告紙4,4はスライド板12両側のガイド板24,24によって案内されて大広告紙3上に自動的かつ正確に位置決めされる。
【0022】
次に、フットスイッチ30を踏み込むと、6つの電動綴結冶具13が同時に作動して上下の両広告紙3,4,4の上端部3a,4a,4aを6本の綴結針によって強固に綴り合わせる。
【0023】
その後、この綴り合わされた広告紙体2を持ってガイド板15の方へ送り込むと、このガイド板15の傾斜角度に沿って取出口14の方向へスライド移動し、止め部材27,27に突き当たって移動が規制される。
【0024】
そして、前述のように各電動綴結冶具13により連続的に綴結された広告紙体2をガイド板15側へ順次送り込み、該ガイド板15上に広告紙体2がある程度積み重ねられた時点で、取出口14から広告紙体2を束にしながら取り出せば、一連の綴結作業が完了する。
【0025】
このように、各広告紙3,4,4の綴結作業を、従来のように作業員が全て手作業によって行うのではなく、自動的に行うようにしたため、かかる綴結作業能率の大幅な向上が図れると共に、コストの低廉化が図れる。
【0026】
また、各広告紙3,4,4の位置決めをガイド枠24、24や規制部材25,25などによって行うため、各広告紙3,4の送り作業や綴結作業を安定かつ確実に行うことができ、精度の高い綴結が得られる。
【0027】
また、広告紙体2を載置棚11の後端側の取出口14から取り出すようにしたため、スペース効率を向上させることができ、装置全体のコンパクト化が図れる。
【0028】
さらに、取出口14では、順次積み重ねられた各広告紙体2の上端部2aが、止め部材27,27によって傾斜状に配置されるため、該広告紙体2の取出し作業も良好になる。
【0029】
また、ガイド板15によって各広告紙体2の前記取出口14方向への案内が良好になり、スムーズな取出し作業が可能になる。
【0030】
さらに、タイマー回路31によってフットスイッチ30の誤作動の発生が防止され、安全性が向上する。
【0031】
この発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば各広告紙3,4の各棚板19,20からスライド板12上への落としこみをローラなどによって自動的に行うことも可能である。また、前記実施形態では、サイズの異なる広告紙3,4について説明したが、ワイドサイズのもの同士であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、各広告紙の綴結作業を、従来のように作業員が全て手作業によって行うのではなく、自動的に行うことができるため、かかる綴結作業能率の大幅な向上が図れると共に、コストの低廉化が図れる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、広告紙体を載置棚の後端側の取出口から取り出すようにしたため、スペース効率が向上して装置全体のコンパクト化が図れる。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、ガイド板によって各広告紙体の前記取出口への案内が良好になり、スムーズな取出し作業が可能になる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、タイマー機構によって作動スイッチの誤作動の発生が防止され、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る綴結装置の実施形態を示す側面図。
【図2】同装置に供される載置棚の正面図。
【図3】同載置棚の背面図。
【図4】同装置を模式図的に示した斜視図。
【図5】同装置に供される電気回路を示すブロック図。
【図6】同電気回路の要部構成図。
【図7】各広告紙がバインダーに取りつけられた状態を示す正面図。
【図8】各広告紙が綴結された状態を示す正面図。
【符号の説明】
1…バインダー
2…広告紙体
3…ワイドサイズ(B3×2)の広告紙
4…B3サイズの広告紙
11…載置棚
11a…前端開口
12…スライド板
12a,12b…両端部
13…電動綴結冶具
14…取出口
15…ガイド板
16…電気回路
19…下段棚板
20…上段棚板
24…ガイド枠
Claims (4)
- バインダーで中吊りされる表裏一対の広告紙を、予め綴結冶具によって綴結する中吊り広告紙の綴結装置であって、
複数の広告紙を上下に載置保持する上下二段の棚板を有する載置棚と、該載置棚の前端側に設けられて、前記各棚板から順次落とし込まれた各広告紙を下方へスライド移動させる傾斜状のスライド板と、該スライド板のほぼ最下端位置に並設された複数の電動綴結冶具と、該電動綴結冶具を電気的に作動制御する制御手段とを備えたことを特徴とする中吊り広告紙の綴結装置。 - 前記載置棚の後端側に、電動綴結冶具によって重合綴結された表裏一対の広告紙体を、スライド板上から載置棚の内部を介して反対側に取り出す取出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の中吊り広告紙の綴結装置。
- 前記載置棚の内部下端部に、前記スライド板から取り出された広告紙体を前記取出口方向に案内する傾斜状のガイド板を設けたことを特徴とする請求項2に記載の中吊り広告紙の綴結装置。
- 前記制御手段は、電動綴結冶具を作動させる作動スイッチと、該作動スイッチをオンさせた後に所定時間の間、作動スイッチを非作動にするタイマー機構とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中吊り広告紙の綴結装置。
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