JP4602433B2 - 半導体装置およびそれを用いた電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置技術に関し、特に、電源制御回路を有する半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
出力電圧のバラツキの小さい高精度の電源に関しては、例えば5ビットあるいは6ビットのVID(電圧ID)コードを使って電源制御ICチップに内蔵された可変抵抗の値を切り換え、出力電圧を25mVキザミで設定できる高精度のスイッチング電源用制御ICが製品化されている。
また、直列接続された2つの分圧抵抗の一方に複数の調整抵抗を並列に並べ、各調整抵抗には直列にスイッチを設けて、デジタル信号で各スイッチのオン、オフを決めることにより出力電圧を調整する電源回路が特許文献1や特許文献2に開示されている。
特開2007−22298号公報 特開2003−299349号公報
しかし、上述の製品に使われている技術では、出力電圧の設定値のキザミは細かいが、基準電圧のバラツキによる出力電圧のズレについては考慮されていなかった。また、分圧抵抗を外付けし、分電圧を制御ICに入力するタイプの電源については、本技術は適用できない。
また、特許文献に開示された技術においても、並列に設けた調整抵抗間の抵抗値のバラツキがあり、高精度の出力電圧を得るには十分ではなかった。
本発明の目的は、基準電圧のバラツキや分圧抵抗のバラツキを補正する高精度の電源を実現する技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置に適用される制御用の半導体装置は、基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路を有し、前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧(Vfb)と前記基準電圧(Vref)とを差動増幅する誤差増幅回路(110)の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号(PWM)を発生する。これにより、半導体装置を定電圧電源装置に組み込む前に、前記第1レジスタの設定値に従って半導体装置内部のデジタル・アナログ変換回路の動作特性並びに誤差増幅回路のオフセットをキャンセルすることが可能になる。
また、半導体装置を定電圧電源装置に組み込んだ後は、定電圧電源装置の出力電圧を外付け抵抗分圧回路(R1,R2)で分圧してフィードバック電圧を得る場合に、定電圧電源装置の出力電圧を参照電圧として前記フィードバック電圧をデジタル値に変換するアナログ・デジタル変換回路(160)を設け、このアナログ・デジタル変換回路の出力に基づいて、抵抗分圧回路の分圧比の誤差の影響を相殺するように前記第1レジスタの値を補正する。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
本発明によれば、基準電圧のバラツキや分圧抵抗のバラツキを補正することにより、出力電圧のバラツキを抑えることができ、アナログ回路などを含む負荷に安定な直流電圧を供給することが可能になる。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明に係る半導体装置は、パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置に含まれ、前記パワー半導体素子の動作を制御する。この半導体装置、第1レジスタ(122)と、基準電圧源(120)の出力電圧を基準参照電圧(Vref0)として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧(Vref)を出力するデジタル・アナログ変換回路(121)と、前記定電圧電源装置の出力電圧(Vout)に基づいて形成されるフィードバック電圧(Vfb)と前記基準電圧(Vref)とを差動増幅する誤差増幅回路(110)と、前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号(PWM)を発生する信号発生回路(140,141,150)と、を有する。これにより、半導体装置を定電圧電源装置に組み込む前に、前記第1レジスタの設定値に従って基準電圧の誤差、デジタル・アナログ変換回路の誤差、並びに誤差増幅回路のオフセット等をキャンセルすることが可能になる。
〔2〕項1の一つの具体的な形態(実施の形態1,2)は、例えば、前記フィードバック電圧を入力して前記誤差増幅回路(110)の一方の入力端子(−)に結合するフィードバック電圧端子(102)と、前記誤差増幅回路の一方の入力端子に入力される電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第1補正値([Vr1]#)に補正する信号を入力可能な第1の信号入力端子(101)とを有する半導体装置(100、400)とされる。
〔3〕項2の半導体装置において、前記第1の信号入力端子は、例えば前記レジスタのアドレスと当該レジスタに書き込むデータがシリアル入力するシリアル入力端子である。
〔4〕項2の半導体装置において、例えば前記フィードバック電圧は前記定電圧電源装置の出力電圧(Vout)が所定の抵抗分圧比(1/A)で分圧された電圧である。このとき半導体装置は、前記抵抗分圧比を前記定電圧電源装置の目標出力電圧(Vo)で規格化したデジタル値([Vo]#0)を保持する第2レジスタ(170)と、前記基準電圧の目標設定電圧を前記基準参照電圧(Vref0)で規格化したデジタル値([0.600]#)を保持する第3レジスタ(171)と、前記定電圧電源装置の出力電圧を入力する出力電圧入力端子(103)と、前記出力電圧入力端子に入力された電圧を第1参照電圧とし、外付け分圧抵抗回路(R1,R2)により分圧され前記フィードバック電圧端子に入力された電圧信号をデジタル値に変換するアナログ・デジタル変換回路(160)と、前記アナログ・デジタル変換回路の出力に基づいて補正値を算出する第1補正演算回路(180,181,182)と、を更に有する。前記第1補正演算回路の演算結果に基づいて前記第1レジスタに第2補正値([Vr2]#)を書き込み、前記基準電圧を補正する。これにより、半導体装置を定電圧電源装置に組み込んだ後には、外付けされた抵抗分圧回路の分圧比の誤差の影響を相殺することができ、出力電圧のバラツキを更に低減することができる。
〔5〕項4の半導体装置において、例えば前記第1補正演算回路は、前記アナログ・デジタル変換回路により変換されたデジタル値と前記第2レジスタに保持された値との第1差分を求める第1演算回路(181)と、前記第1差分と第2レジスタおよび第3レジスタの値を使って補正値を求める第2演算回路(180)と、前記第2演算回路の演算結果を、前記第1レジスタ(DAC回路用入力レジスタ122)の第1補正値と加算する第3演算回路(182)と、から成る。
〔6〕項4の半導体装置は、例えば、前記第1補正演算回路で演算を行いその演算結果を前記第1レジスタに書き込むことによって前記基準電圧を補正する動作モードを有する。この動作モードはパワーオンリセットで自動的に設定され、或いは外部から任意に設定可能にされる。
〔7〕項1の別の一つの具体的な形態(実施の形態3,4)は、前記定電圧電源装置の出力電圧を受ける出力電圧入力端子(503)と、前記出力電圧入力端子に入力された出力電圧を分圧して直列接続ノードに前記フィードバック電圧(Vfb)を形成する直列接続された第1抵抗(R3)および第2抵抗(R4)と、前記第1抵抗と第2抵抗の直列接続ノードに接続されたフィードバック電圧端子(502)と、前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子(−)と前記出力電圧入力端子との間を接続する第1スイッチ(SW1)と、前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記フィードバック端子との間を接続する第2スイッチ(SW2)と、前記第2スイッチをオンし、前記第1スイッチをオフした状態で、前記フィードバック端子の電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第3補正値に補正する信号を入力可能な第2の信号入力端子(501)と、を更に有する半導体装置(500,700)とされる。これにより、定電圧電源装置に組み込まれる前に半導体装置単体で第1抵抗(R3)および第2抵抗(R4)で形成される抵抗分圧比の誤差による影響を緩和することができる。
〔8〕項7の半導体装置はさらに、前記目標設定電圧のデジタル値([Vo/A]#)を保持する第4レジスタ(570)と、前記目標設定電圧に対する誤差電圧(Vof)のデジタル値([Vof]#)を保持する第5レジスタ(571)と、前記第1抵抗と第2抵抗の結合ノードに得られる抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数のデジタル値([1/(1+ΔR]#)を保持する第6レジスタ(572)と、前記第4、第54及び第6レジスタの値を使って補正値を求める第4演算回路(580)とを有する。前記第4演算回路の演算結果を第4補正値として前記第1レジスタに書き込んで前記基準電圧Vrefを補正する。
〔9〕項8の半導体装置において、前記抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数を求めるために前記フィードバック電圧端子の電圧を測定するとき、前記第1レジスタの値を前記第3補正値に補正した後に、前記第2スイッチがオフにされ、前記第1スイッチがオンされる。
〔10〕項8の半導体装置において、前記目標設定電圧、前記誤差電圧、および前記誤差係数の各デジタル値は、前記基準参照電圧で規格化したデジタル値である。
〔11〕項1の更に別の一つの具体的な形態(実施の形態4)は、パワーダウン用のデジタル値を保持する第7レジスタ(710)と、パワーダウン信号を入力する第3の信号端子(705)を有し、前記第3の信号端子に前記パワーダウン信号が入力されるのに応答して、前記デジタル・アナログ変換回路の入力信号が前記第1レジスタの保持値から第7レジスタの保持値に切換えられて、前記誤差増幅回路に入力される基準電圧が所定の値に低下される半導体装置(700)とされる。これにより、負荷の消費電流が少ない時に負荷に供給する電源電圧を下げるパワーダウンモードを有する場合に、短時間で容易に電源電圧を変更できるから、通常動作モードとパワーダウンモードの切り換えを高速化することができる。
〔12〕本発明に係る定電圧電源装置は、パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する装置であって、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置を含む。前記半導体装置は、第1レジスタと、基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧(Vfb)と前記基準電圧(Vref)とを差動増幅する誤差増幅回路(110)と、前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号(PWM)を発生する信号発生回路(140,141,150)と、を有する。
〔13〕項12の定電圧電源装置の一つの具体的な形態(実施の形態1,2)は、例えば、前記フィードバック電圧を入力して前記誤差増幅回路(110)の一方の入力端子(−)に結合するフィードバック電圧端子(102)と、
前記誤差増幅回路の一方の入力端子に入力される電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第1補正値([Vr1]#)に補正する信号を入力可能な第1の信号入力端子(101)とを更に有する半導体装置(100,400)が適用されている。
〔14〕項12の定電圧電源装置の別の一つの具体的な形態(実施に形態3,4)は、例えば、前記定電圧電源装置の出力電圧を受ける出力電圧入力端子(503)と、前記出力電圧入力端子に入力された出力電圧を分圧して直列接続ノードに前記フィードバック電圧(Vfb)を形成する直列接続された第1抵抗(R3)および第2抵抗(R4)と、前記第1抵抗と第2抵抗の直列接続ノードに接続されたフィードバック電圧端子(502)と、前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子(−)と前記出力電圧入力端子との間を接続する第1スイッチ(SW1)と、前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記フィードバック端子との間を接続する第2スイッチ(SW2)と、前記第2スイッチをオンし、前記第1スイッチをオフした状態で、前記フィードバック端子の電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第3補正値に補正する信号を入力可能な第2の信号入力端子(501)と、前記目標設定電圧のデジタル値([Vo/A]#)を保持する第4レジスタ(570)と、前記目標設定電圧に対する誤差電圧(Vof)のデジタル値([Vof]#)を保持する第5レジスタ(571)と、前記第1抵抗と第2抵抗の結合ノードに得られる抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数のデジタル値([1/(1+ΔR]#)を保持する第5レジスタ(572)と、前記第4、第5及び第6レジスタの値を使って補正値を求める第4演算回路(580)と、を更に有する半導体装置(500,700)が適用される。この定電圧電源装置において、前記抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数を求めるために前記フィードバック電圧端子の電圧を測定するとき、前記第1レジスタの値を前記第3補正値に補正した後に、前記第2スイッチがオフにされ、前記第1スイッチがオンされる。そして、前記第4演算回路の演算結果が第4補正値として前記第1レジスタに書き込まれて前記基準電圧(Vref)が補正される。
〔15〕項12の定電圧電源装置の更に別の一つの具体的な形態(実施の形態4)は、パワーダウン用のデジタル値を保持する第7レジスタと、パワーダウン信号を入力する第3の信号端子を更に有する半導体装置が適用される。前記第3の信号端子に前記パワーダウン信号が入力されるのに応答して、前記デジタル・アナログ変換回路の入力信号が前記第1レジスタの保持値から第7レジスタの保持値に切換えられて、誤差増幅回路に入力される基準電圧が所定の値に低下される。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。
《実施の形態1》
図1から図4を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は本発明の実施の形態1の半導体装置およびそれを用いた電源装置の回路ブロック図、図2は実施の形態1の半導体装置がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程を示す工程図、図3はVout自動補正工程の概要を示す説明図、図4は本発明の半導体装置に用いるデジタル・アナログ変換回路(DAC回路)の一例を示す回路ブロック図である。
図1において、本発明の実施の形態1の半導体装置を用いた電源装置(スイッチング電源装置)10は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御を行う電源制御IC100、ドライバ回路860、スイッチング回路870、入力コンデンサ(図示せず)、チョークコイル880、および出力コンデンサ881から成り、負荷回路890に一定電圧を供給する。スイッチング回路870はパワー半導体素子である制御用のハイサイドパワーMOSFET871と同期用のローサイドパワーMOSFET872とから成る。
電源制御IC100、ドライバ回路860、ハイサイドパワーMOSFET871、およびローサイドパワーMOSFET872はいずれも半導体チップであり、各チップは互いに電気的に接続されて1つのパッケージに収められている。また、電源制御IC100とドライバ回路860が各々別の半導体チップから成る場合もあれば、両者を1チップにまとめて電源制御ICとする場合もある。
電源制御IC100は、パワーMOSFET871や872がオン状態になる期間(オン時間)を制御する信号を各パワーMOSFETのゲートに供給する。この電源制御IC100は、本発明の特徴となる半導体回路からなる電源制御回路であり、その特徴は電源の出力電圧のバラツキを補正し高精度な出力を得る方式にある。その詳細は後述する。
ここで、本発明に係る出力電圧のバラツキ補正を適用する前の電源制御IC800とそれを用いた電源装置80の例を示す図10に基づいて、電源の動作と出力電圧の誤差要因について述べる。
電源制御IC800は、誤差増幅回路810、基準電圧回路820、補償回路830、比較回路(コンパレータ回路)840、和演算回路841、およびフリップフロップ回路850から成る。
フリップフロップ回路850のセット信号入力(S)に入るクロック信号がオンパルス(本明細書では“オンパルス”を信号の電圧レベルがローレベルからハイレベルに立ち上がり、所定時間後にローレベルに戻るパルス信号と定義する)になると、その立ち上がりエッジでPWMオンパルスが発生する。そして、発生したPWMオンパルスは以下のように終了する。フィードバック電圧Vfbと基準電圧Vrefの差電圧が誤差増幅回路(エラーアンプ)810で増幅され、その出力である誤差電圧Verrはランプ電圧Vramと比較回路(コンパレータ回路)840で比較され、その出力信号はフリップフロップ回路850のリセット信号入力(R)に入る。ランプ電圧Vramが誤差電圧Verrを超えた時点で比較回路840の出力信号がハイレベルとなり、フリップフロップ回路850がリセットされてPWMオンパルスが終了する。
PWM制御を用いた降圧型スイッチング電源の動作を簡単に述べる。負荷回路890は一定電流Ioutを消費しているとする。
PWMオンパルスが発生している間はハイサイドパワーMOSFET871がオン状態にあり、入力側の直流電源(図示せず)から電流が入力電圧Vin端子を介してチョークコイル880に流れ込み、負荷回路890に電流を供給する。この時、ローサイドパワーMOSFET872はオフ状態にある。
PWMオンパルスが終了するとハイサイドパワーMOSFET871がオフするが、チョークコイル880および出力コンデンサ881に蓄積されたエネルギーにより電流が流れ続け、ローサイドパワーMOSFET872の内蔵ダイオード(図示せず)を介してグランド(GND)端側からLx側へ還流電流が流れる。ハイサイドおよびローサイドパワーMOSFET871,872が共にオフ状態にあるデッドタイム期間を経て、ローサイドパワーMOSFET872がオンする。そして、還流電流はローサイドパワーMOSFET872内を流れ続ける。
PWMオンパルスが再び発生する直前には、再びハイサイドおよびローサイドパワーMOSFET871,872が共にオフ状態となるデッドタイム期間を一旦経て、次のスイッチング周期のPWMオンパルスが発生する。
負荷電流Ioutが一定であれば、負荷回路890に現れる出力電圧Voutは、PWMオンパルスのオン期間とスイッチング周期の比に入力電圧Vinを掛けた値となる。
誤差増幅回路810の働きにより、フィードバック電圧Vfbは、誤差増幅回路810の非反転入力(+側)に入る基準電圧Vrefと理想的には同じになる。したがって、出力電圧Voutは式(1)で表される。
Vout=Vref*(R1+R2)/R2……式(1)
しかし実際には、出力電圧にバラツキを与える誤差要因が式(1)には2つ含まれる。その1つが基準電圧Vrefのバラツキであり、チップを実装した際に基準電圧回路を構成する抵抗素子の歪および誤差増幅回路のオフセット電圧によりVrefに誤差が生じる。これによる誤差は最大±1%程度である。もう1つは分圧抵抗R1、R2によるバラツキで、精度±1%の抵抗を使えば分圧による誤差は最大±2%となる。これらの要因により、図10の回路では出力電圧の精度を±1%以下にするのは難しかった。
以下においては、図1から図4の説明に戻り、本実施の形態1の電源装置10を構成する電源制御IC100を詳細に説明する。
図1に示した本実施の形態1の電源制御IC100は、PWM制御に必要な誤差増幅回路110、基準電圧源120、補償回路130、比較回路140、和演算器141、及びフリップフロップ回路150の他に、高精度の出力電圧を実現するために、デジタル・アナログ変換回路(以下、DAC回路)121、DAC回路用入力レジスタ122、アナログ・デジタル変換回路(以下、ADC回路)160、レジスタ170、171、演算回路180、181、182、外部調整信号を入力する第1信号端子101、フィードバック電圧を入力するVfb端子102、および出力電圧を入力するVo入力端子103を備えている。図1において“[ ]#”又は“[ ]#0”が付記された値はデジタル値を意味する。
ここで基準電圧源120には、例えばバンドギャップ・リファレンス回路を用いる。バンドギャップ・リファレンス回路は、互いに異なるベース・エミッタ電圧VBEを持つバイポーラトランジスタを用い、VBEの差分ΔVBEとベース・エミッタ電圧VBEが各々正と負の温度係数をもつことを利用して一定電圧となるよう補償する回路である。
図2には電源制御IC100がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程が示され、図3にはVout自動補正工程の概要が示される。図1乃至図3を用いて、電源制御IC100において高精度の出力電圧を実現する仕組みを説明する。
工程210でICチップを作製後、工程220で抵抗トリミングによりVref値(例えば0.600V)を調整するが、工程230のパッケージングで抵抗歪が生じVrefに誤差が生じる。そこで、工程240、250でVref値の補正をする。工程240ではVoutの初期設定値を“分圧抵抗比の設定値+1の逆数すなわち分圧比(=1/A)”に応ずる値に換算し、10ビットのシリアルデータとして第1信号端子101から入力する。分圧抵抗比とはR1/R2を意味し、1/AはVoutに対するVfbの分圧比に相当する。例えば、Vrefが0.600VでVoutの初期設定値が1.800Vの場合はA=3となる。レジスタ170には1/Aのデジタル値として[1/A]#0 が保持される。ここで、1/A=0.600/Voであり(Voは目標出力電圧)、[1/A]#0 は0.600VをVoで規格化したデジタル値を意味する。レジスタ122には[Vr0]=[0.600] 、すなわち0.600Vを基準電圧源120の出力電圧Vref0=1.250Vで規格化したデジタル値を入力する。例えば10ビットデータの場合、[0.600]=0,111,101,011となる。同様にレジスタ171にも[0.600] の値が格納される。そして、工程250ではVfb端子102の電圧をテスターにて測定し、Vfb=0.600Vとなるよう第1信号端子101を介してレジスタ122の値を[Vr1]にして補正する。レジスタ122にはデータ[Vr1] が保持される。ここで、Vr1=Vfb1+Vof=0.600V、Vfb1はVfb端子の電圧を0.600Vに合せた際の基準電圧Vrefの値、Vofは誤差増幅回路のオフセット電圧とパッケージング時の抵抗歪による誤差電圧の和である。DAC121は基準電圧源120の出力電圧を基準参照電圧として前記レジスタ122に設定されたディジタルデータに応ずるアナログ電圧を出力する。以上により、Vfb端子の電圧を0.600Vに補正できる。ここまではICメーカにて行われ、不揮発性メモリからなる各レジスタに入力された値は、電源制御IC100の電源を切っても保持される。
工程260の電源ボード実装以降はユーザにより行われる。電源ボードに実装後、工程270でユーザがVoutの設定値をグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を使って入力すると、GUIにて“分圧抵抗比の設定値+1の逆数(=1/A)”に換算された、10ビットのシリアルデータが第1信号端子101から入力される。そして電源を起動すると、工程280のVout自動補正が行われ、外付け分圧抵抗のバラツキによる出力電圧の誤差を補正した後に、通常の動作モード(工程290)となる。
工程280のVout自動補正について図3を参照しながら以下に説明する。Vout自動補正の初期ステップ281では、出力電圧Vout=Vo+ΔV=0.600*A*(1+ΔR)がVo入力端子103に入力される。ここで、Voは目標出力電圧、ΔVは外付け分圧抵抗R1,R2のバラツキによる出力電圧の誤差、ΔRは分圧抵抗比の誤差、Aは分圧抵抗比の設定値+1である。ステップ282では、ADC回路160にてVo+ΔVを参照電圧として0.600Vがデジタル値[0.600/(Vo+ΔV)]=[1/(A*(1+ΔR))]#0に変換される。要するに、誤差を含む実際のVoutに対するVfb(0.600V)の分圧比が求められる。そしてステップ283では、演算回路181によりADC回路160の出力値からレジスタ170の値が減じられ、[−ΔR/(A*(1+ΔR))]#0となる。これは実際の分圧比における誤差成分を意味する。ステップ284では、演算回路180において、Voで規格化されたデジタル値[1/A]#0と[−ΔR/(A*(1+ΔR))]#0をVref0=1.250Vで規格化したデジタル値[1/A]と[−ΔR/(A*(1+ΔR))]に変換した後、[0.600]/[1/A]*[−ΔR/(A*(1+ΔR))]を演算し、[0.600]*[−ΔR/(1+ΔR)]を得る。要するに、実際の分圧比における誤差成分([−ΔR/(A*(1+ΔR))])により生じる、目標出力電圧Vo([0.600]/[1/A]=[0.600]/[0.600/Vo]=[Vo])に対する誤差電圧を得る。ステップ285では演算回路182を用いて、レジスタ122に保持された[Vr1]に演算回路180の出力値を加算して、レジスタ122の値を書き換える(レジスタ122の補正)。レジスタ122の補正値は[Vr2]となる。[Vr2]=[Vr1]+[0.600]*[−ΔR/(1+ΔR)]である。レジスタ122を補正すると、誤差増幅回路110の非反転入力(+側)のアナログ値は、Vfb1からVfb2=Vfb1+0.600*(−ΔR/(1+ΔR))に変わる(ステップ286)。そして、誤差増幅回路110の反転入力(−側)のアナログ値は、Vfb=(Vfb1+Vof)+0.600*(−ΔR/(1+ΔR))=0.600*(1/(1+ΔR))となる(ステップ287)。その結果、補正後の出力電圧Voutは、Vout=0.600*(1/(1+ΔR))*A*(1+ΔR)=0.600*A(=Vo)となり、目標とする出力電圧Voが得られる(ステップ288)。
実際にはADC回路160やDAC回路121の量子化誤差があるので、出力電圧のバラツキをゼロにはできないが、10ビットのADC回路、DAC回路を使えば±1%以下の精度が十分に得られる。
図4に本発明の電源制御ICに用いるDAC回路121の一例を示す。DAC回路121は、複数の抵抗310と複数のスイッチ320、デコーダ回路330、331、およびユニティ・ゲイン・バッファ340から成るデコード方式の10ビット、デジタル・アナログ変換回路である。なお、本発明ではDAC回路の出力が接続される負荷(この場合、誤差増幅回路)は固定なので、ユニティ・ゲイン・バッファ340は無くすことも可能である。
《実施の形態2》
図5を用いて本発明の実施の形態2を説明する。図5は本発明の実施の形態2の半導体装置の回路ブロック図である。実施の形態1と異なる点は、ADC回路410、レジスタ411、演算回路412、およびスイッチSW0を有することである。これらの回路は通常動作モード時の温度上昇による出力電圧の変動を防ぐように働く。その動作を以下に述べる。出力電圧の補正(図2の工程280)を終了した時点でスイッチSW0をオンして、レジスタ122の補正値[Vr2]と、DAC回路121の出力値をデジタル値に変換した値[Vfb2]とをレジスタ411に保持しておく。保持した後はスイッチSW0をオフにする。そして通常動作時に、ADC410の出力値と補正直後の値[Vfb2]の差分を演算し、これに補正直後のレジスタ122の値[Vr2]を加えて、レジスタ122の値を書き換える。これにより、温度変化による出力電圧の変動を抑制できる。なお、基準電圧源120の出力電圧の温度依存性は元々小さく、温度変化も急激に起きない。このため、ADC回路410や演算回路412の動作周波数は数十kHzから百kHz程度で済み、これらの回路を追加しても電源ICの消費電力の増分は小さい。
《実施の形態3》
図6乃至図8を用いて本発明の実施の形態3を説明する。図6は本発明の実施の形態3の半導体装置の回路ブロック図、図7は実施の形態3の半導体装置がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程を示す工程図、図8は出力電圧補正工程の概要を示す説明図である。
実施の形態1と異なる点は、分圧抵抗R3、R4を電源制御IC500に内蔵し、出力電圧の補正の際に使用するスイッチSW1、SW2を設けたことである。このため、レジスタの構成、保持データおよび演算回路580の演算内容も実施の形態1とは異なり、ADC回路160は不要である。
図7に電源制御IC500がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程が示され、図8にはVout自動補正工程の概要が示される。それらを参照して、電源制御IC500において高精度の出力電圧を実現する仕組みを説明する。
工程610でICチップを作製後、工程620で抵抗トリミングによりVref値(例えば0.600V)を調整するが、工程630のパッケージングで抵抗の歪が生じVrefに誤差が生じる。そこで、工程640、650でVref値の補正をする。工程640ではVoutの初期設定値を10ビットのシリアルデータとして第2信号端子501から入力する。レジスタ570にはVo/Aのデジタル値として[Vo/A] が保持される。[Vo/A]はVo/AをVref0=1.250Vで規格化したデジタル値である。ここでは、Vo=1.8V、R3/R4の設定値=2の場合を例にして説明する。A=(R3+R4)/R4=3なので、Vo/A=0.600Vである。そして、レジスタ122にも[Vr0]=[Vo/A]=[0.600] が入力される。そして、工程650で出力電圧の補正データをレジスタに書き込む。
工程660の電源ボード実装以降はユーザにより行われる。電源ボードに実装後、工程670でユーザがVoutの設定値をグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を使って入力すると、GUIにて“Vo/A”に換算された、10ビットのシリアルデータが第2信号端子501から入力される。そして電源を起動すると、工程680の自動演算が行われ、出力電圧の誤差を補正した後に、通常の動作モードとなる。
工程650の出力電圧補正について以下に説明する。
最初のステップ651では、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオン状態にして、Vfb端子502の初期電圧V(0)をテスターにて測定する。そして、Vfb=0.600V(=V(1))となるよう第2信号端子501を介してレジスタ122の値を[Vr1]にして保持する。ここで、Vr1=Vfb1+Vof=0.600V、Vfb1はVfb端子の電圧を0.600Vに合せた際の基準電圧Vrefの値、Vofは誤差増幅回路のオフセット電圧とパッケージング時の抵抗歪による誤差電圧の和である。V(1)−V(0)よりVofが求まるので、VofをVref0=1.250Vで規格化したデジタル値[Vof]としてレジスタ571に書き込む。次にステップ652では、スイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフ状態にして、テスターでVfb端子502の電圧を測り、電圧V(3)を得る。この電圧V(3)に含まれる分圧抵抗比の誤差ΔRに着目すると、V(3)=0.600/(A*(1+ΔR))なので、これより1/(1+ΔR)を算出してそのデジタル値[1/(1+ΔR)]をレジスタ572に書き込む。そしてステップ653では、演算回路580にて[Vr2]=[Vo/A]*[1/(1+ΔR)]−[Vof]の演算を行い、その結果をレジスタ122に書き込む(レジスタ122の補正)。
レジスタ122を補正すると、誤差増幅回路110の非反転入力(+側)のアナログ値は、Vfb1からVfb2=0.600/(1+ΔR)−Vofに変わる(ステップ654)。そして、誤差増幅回路110の反転入力(−側)のアナログ値は、Vfb=Vfb2+Vof=0.600/(1+ΔR)となる(ステップ655)。その結果、補正後の出力電圧Voutは、Vout=0.600*(1/(1+ΔR))*A*(1+ΔR)=0.600*A(=Vo)となり、目標とする出力電圧Voが得られる(ステップ656)。
実際にはADC回路やDAC回路の量子化誤差があるので、出力電圧のバラツキをゼロにはできないが、10ビットのADC回路、DAC回路を使えば±1%以下の精度が十分に得られる。
《実施の形態4》
図9を用いて本発明の実施の形態4を説明する。図9は本発明の実施の形態4の半導体装置の回路ブロック図である。
実施の形態3と異なる点は、DAC回路用第2入力レジスタ710とスイッチSW3、SW4を新たに設けたことである。通常動作時は所定の出力電圧が得られるよう、スイッチSW4をオン、スイッチSW3をオフして、DAC回路用入力レジスタ122をDAC回路121に接続する。パワーダウンモードではスイッチSW3をオン、スイッチSW4をオフして、パワーダウンモードに対応した低電圧が得られるよう小さな値を書き込んだDAC回路用第2入力レジスタ710をDAC回路121に接続する。この動作モードの切り換えは第3信号端子705を介して制御信号を入力して行う。図9では第3信号端子705を第2信号端子501と個別化した場合を示したが、各端子を共用するように設けても良い。実施の形態4によれば、電源電圧を短時間で容易に変更できるので、通常動作モードとパワーダウンモードの切り換えを高速化できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、図1、図5、図6、および図9において、電源制御ICのフィードバック制御モードとして、電圧モード制御の場合について説明したが、他のフィードバック制御モード、例えば、ピーク電流モード制御や平均電流モード制御でも本発明の有効性は変わらない。
また、図5において温度変化による電圧変動に対する補正方法を述べたが、これは図6の実施の形態3や図9の実施の形態4の電源制御ICにも適用できることは言うまでもない。
また、図9において通常動作とパワーダウンモードの高速切り換えを実現する手法を述べたが、これは図1の実施の形態1や図5の実施の形態2の電源制御ICにも適用できる。
更に、実施の形態1から実施の形態4において、電源制御IC100,400,500,700、ドライバ回路860、ハイサイドパワーMOSFET871、およびローサイドパワーMOSFET872の各チップが1つのパッケージに集積されたものとして説明したが、本発明は実装形態に制約を受けることはなく、各チップを別パッケージに収めた場合でも本発明の有効性は変わることはない。また、電源制御ICとドライバ回路が同一チップに形成されていても良い。
また、図2に代表されるVout自動補正のステップによる処理は電源起動時又は出力電圧補正モード時とされるから、電源投入時にパワーオンリセット処理の一環として毎回行ってもよいし、或いは上記動作モードが設定されたときだけ行うようにしてもよい。後者の場合はレジスタ122に不揮発性レジスタを採用するのがよいが、それに限定されず、揮発性レジスタを採用する場合であっても、電源遮断時或いは当該レジスタに対する補正時に、そのレジスタ値をフラッシュメモリのような不揮発性メモリに内部転送しておいき、転送されたデータをパワーオンリセット処理で当該レジスタに初期設定するようにしてもよい。
本発明の半導体装置は、電源制御回路が半導体装置を含む直流電源装置に適用して有効であり、さらに半導体装置の製造業に広く適用することができる。
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置およびそれを用いた電源装置の回路ブロック図である。 図2は実施形態1の半導体装置がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程を示工程図である。 図3はVout自動補正工程の概要を示す説明図である。 図4は本発明の半導体装置に用いるデジタル・アナログ変換回路(DAC回路)の一例を示す回路ブロック図である。 図5は本発明の実施の形態2の半導体装置の回路ブロック図である。 図6は本発明の実施の形態3の半導体装置の回路ブロック図である。 図7は実施形態3の半導体装置がチップから電源ボードに組み込まれ動作するまでの略工程を示す工程図である。 図8は出力電圧補正工程の概要を示す説明図である。 図9は本発明の実施の形態4の半導体装置の回路ブロック図である。 図10は本発明に係る出力電圧のバラツキ補正を適用する前の電源制御ICとそれを用いた電源装置の回路ブロック図である。
符号の説明
10、80…電源装置
100、400、500、700、800…電源制御IC
101〜104、401〜404、501〜503、705…端子
110、810…誤差増幅回路(エラーアンプ)
120…基準電圧源
121、300…デジタル・アナログ変換回路(DAC回路)
122…DAC回路用入力レジスタ
130、830…補償回路
140、840…比較回路(コンパレータ)
141、841…和演算回路
150、850…フリップフロップ回路
160…アナログ・デジタル変換回路(ADC回路)
170、171、570、571、572…レジスタ
180、181、182、580…デジタル演算回路
310…抵抗、
320…MOSスイッチ
330、331…デコーダ
340…ユニティ・ゲイン・バッファ
501〜504、701〜704、802、804…端子
710…DAC回路用第2入力レジスタ
820…基準電圧回路
860…ドライバ回路
870…スイッチング回路
871…ハイサイドパワーMOSFET
872…ローサイドパワーMOSFET
880…チョークコイル
881…出力コンデンサ
Vfb…フィードバック電圧
R1、R2、R3、R4…分圧抵抗
SW0、SW1、SW2、SW3、SW4…スイッチ

Claims (10)

  1. パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置に含まれ、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置であって、
    第1レジスタと、
    基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧が所定の抵抗分圧比で分圧されて形成されるフィードバック電圧と前記基準電圧とを差動増幅する誤差増幅回路と、
    前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号を発生する信号発生回路と、
    前記フィードバック電圧を入力して前記誤差増幅回路の一方の入力端子に結合するフィードバック電圧端子と、
    前記誤差増幅回路の一方の入力端子に入力される電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第1補正値に補正する信号を入力可能な第1の信号入力端子と、
    前記抵抗分圧比を前記定電圧電源装置の目標出力電圧で規格化したデジタル値を保持する第2レジスタと、
    前記基準電圧の目標設定電圧を前記基準参照電圧で規格化したデジタル値を保持する第3レジスタと、
    前記定電圧電源装置の出力電圧を入力する出力電圧入力端子と、
    前記出力電圧入力端子に入力された電圧を第1参照電圧とし、外付け分圧抵抗回路により分圧され前記フィードバック電圧端子に入力された電圧信号をデジタル値に変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換回路の出力に基づいて補正値を算出する第1補正演算回路と、を有し、
    前記第1補正演算回路の演算結果に基づいて前記第1レジスタに第2補正値を書き込み、前記基準電圧を補正する、半導体装置。
  2. 前記第1補正演算回路は、前記アナログ・デジタル変換回路により変換されたデジタル値と、前記第1レジスタに保持された値との第1差分を求める第1演算回路と、
    前記第1差分と第2レジスタおよび第3レジスタの値を使って補正値を求める第2演算回路と、
    前記第2演算回路の演算結果を、前記DAC回路用入力レジスタの第1補正値と加算する第3演算回路と、から成る、請求項記載の半導体装置。
  3. 前記第1補正演算回路で演算を行いその演算結果を前記第1レジスタに書き込むことによって前記基準電圧を補正する動作モードを有する、請求項1記載の半導体装置。
  4. パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置に含まれ、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置であって、
    第1レジスタと、
    基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧と前記基準電圧とを差動増幅する誤差増幅回路と、
    前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号を発生する信号発生回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧を受ける出力電圧入力端子と、
    前記出力電圧入力端子に入力された出力電圧を分圧して直列接続ノードに前記フィードバック電圧を形成する直列接続された第1抵抗R3および第2抵抗R4と、
    前記第1抵抗と第2抵抗の直列接続ノードに接続されたフィードバック電圧端子と、
    前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記出力電圧入力端子との間を接続する第1スイッチと、
    前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記フィードバック端子との間を接続する第2スイッチと、
    前記第2スイッチをオンし、前記第1スイッチをオフした状態で、前記フィードバック端子の電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第3補正値に補正する信号を入力可能な第2の信号入力端子と、を有する半導体装置。
  5. 前記目標設定電圧のデジタル値を保持する第4レジスタと、
    前記目標設定電圧に対する誤差電圧のデジタル値を保持する第5レジスタと、
    前記第1抵抗と第2抵抗の結合ノードに得られる抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数のデジタル値を保持する第6レジスタと、
    前記第4、第5及び第6レジスタの値を使って補正値を求める第4演算回路と、を更に有し、
    前記第4演算回路の演算結果を第4補正値として前記第1レジスタに書き込んで前記基準電圧を補正する、請求項記載の半導体装置。
  6. 前記抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数を求めるために前記フィードバック電圧端子の電圧を測定するとき、前記第1レジスタの値を前記第3補正値に補正した後に、前記第2スイッチがオフにされ、前記第1スイッチがオンされる、請求項記載の半導体装置。
  7. 前記目標設定電圧、前記誤差電圧、および前記誤差係数の各デジタル値は、前記基準参照電圧で規格化したデジタル値である、請求項記載の半導体装置。
  8. パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置に含まれ、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置であって、
    第1レジスタと、
    基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧と前記基準電圧とを差動増幅する誤差増幅回路と、
    前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号を発生する信号発生回路と、
    パワーダウン用のデジタル値を保持する第7レジスタと、
    パワーダウン信号を入力する第3の信号端子とを有し、
    前記第3の信号端子に前記パワーダウン信号が入力されるのに応答して、前記デジタル・アナログ変換回路の入力信号が前記第1レジスタの保持値から第7レジスタの保持値に切換えられて、前記誤差増幅回路に入力される基準電圧が所定の値に低下される、半導体装置。
  9. パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置であって、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置を含み、
    前記半導体装置は、第1レジスタと、
    基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧と前記基準電圧とを差動増幅する誤差増幅回路と、
    前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号(PWM)を発生する信号発生回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧を受ける出力電圧入力端子と、
    前記出力電圧入力端子に入力された出力電圧を分圧して直列接続ノードに前記フィードバック電圧を形成する直列接続された第1抵抗および第2抵抗と、
    前記第1抵抗と第2抵抗の直列接続ノードに接続されたフィードバック電圧端子と、
    前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記出力電圧入力端子との間を接続する第1スイッチと、
    前記誤差増幅回路における前記フィードバック電圧の入力端子と前記フィードバック端子との間を接続する第2スイッチと、
    前記第2スイッチをオンし、前記第1スイッチをオフした状態で、前記フィードバック端子の電圧が目標設定電圧となるよう前記第1レジスタの値を第3補正値に補正する信号を入力可能な第2の信号入力端子と、
    前記目標設定電圧のデジタル値を保持する第4レジスタと、
    前記目標設定電圧に対する誤差電圧のデジタル値を保持する第5レジスタと、
    前記第1抵抗と第2抵抗の結合ノードに得られる抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数のデジタル値を保持する第6レジスタと、
    前記第4、第5及び第6レジスタの値を使って補正値を求める第4演算回路と、を有し、
    前記抵抗分圧比の誤差を含む誤差係数を求めるために前記フィードバック電圧端子の電圧を測定するとき、前記第1レジスタの値を前記第3補正値に補正した後に、前記第2スイッチがオフにされ、前記第1スイッチがオンされ、
    前記第4演算回路の演算結果が第4補正値として前記第1レジスタに書き込まれて前記基準電圧が補正される、定電圧電源装置。
  10. パワー半導体素子を駆動して外部の負荷へ所定の電圧を供給する定電圧電源装置であって、前記パワー半導体素子の動作を制御する半導体装置を含み、
    前記半導体装置は、第1レジスタと、
    基準電圧源の出力電圧を基準参照電圧として前記第1レジスタの値に対応する基準電圧を出力するデジタル・アナログ変換回路と、
    前記定電圧電源装置の出力電圧に基づいて形成されるフィードバック電圧と前記基準電圧とを差動増幅する誤差増幅回路と、
    前記誤差増幅回路の出力電圧に基づいて前記パワー半導体素子を駆動するための制御信号(PWM)を発生する信号発生回路と、
    パワーダウン用のデジタル値を保持する第7レジスタと、
    パワーダウン信号を入力する第3の信号端子と、を有し、
    前記第3の信号端子に前記パワーダウン信号が入力されるのに応答して、前記デジタル・アナログ変換回路の入力信号が前記第1レジスタの保持値から第7レジスタの保持値に切換えられて、誤差増幅回路に入力される基準電圧が所定の値に低下される、定電圧電源装置。
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