JP4601821B2 - リチウム含有リン酸ケイ素塩と、その製造方法および使用方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、電極活物質として使用できる改良された材料と、その改良された材料の製造方法と、バッテリの電気化学セル用にその材料で形成された電極とに関する。
【0002】
発明の背景
リチウムバッテリは、電気化学的活(電気的活)物質を含む1種類以上のリチウム電気化学セルから製造される。このセルは通常、陽極(負極)と、陰極(正極)と、互いに分離されている正極および負極の間に配置される電解質とを含む。金属リチウムの陽極を備え、金属カルコゲナイド陰極活物質を含むバッテリは周知である。電解質は通常、一般に非水溶性有機(非プロトン性)溶媒である1種類以上の溶媒内に溶解したリチウム塩を含む。電解質の他例として、ポリマーマトリックスと呼ばれる固体電解質がある。これは、イオン的には伝導性である可能性があるが電気的には絶縁性であるポリマーと組合わせて、通常金属粉末あるいは金属塩であるイオン伝導性媒体を含む。慣習的に、セルの放電中、セルの負極は陽極として定義されている。金属リチウム陽極および金属カルコゲナイド陰極を有するセルを初期状態において充電する。放電すると、金属陽極から脱離されるリチウムイオンは液体電解質を通過して、陰極の電気化学活(電気的活)物質に到達し、そこで電気エネルギを外部回路に放出する。
【0003】
近年、このリチウム金属陽極を、リチウム金属カルコゲナイドあるいはリチウム金属酸化物などのインターカレーション陽極と交換することが提案されている。コークスおよびグラファイトなどのカーボン陽極もインターカレーション材料である。このような負極をリチウム含有インターカレーション陰極と併用すると、セル内の電気活性電極対を形成することができる。このセルはその初期状態において充電されていない。このセルを使用して電気化学的エネルギを送出するためには、リチウムを含有する陰極から陽極にリチウムを移動させるため、セルを充電しなければならない。放電すると、このリチウムは陽極から陰極に戻る。次の再充電において、このリチウムは陽極に戻って再インターカレートする。充電および放電を繰返すことにより、リチウムイオン(Li+)は、電極間を移動する。このような、自由な金属種を有していない再充電自在なバッテリは、充電式イオンバッテリあるいはロッキングチェア型バッテリと呼ばれる。米国特許第5,418,090号、同第4,464,447号、同第4,194,062号、および同第5,130,211号を参照されたい。
【0004】
好適な正活物質の例として、LiCoO2、LiMn2O4およびLiNiO2が挙げられる。このうちコバルトは比較的高価であり、ニッケル化合物の合成は難しい。比較的経済的な正極はLiMn2O4であり、この合成方法は周知である。リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)およびリチウムニッケル酸化物(LiNiO2)にはすべて、充電容量がこれらの陰極を含むセルでは大幅に削減されるという共通の欠点がある。すなわち、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2で使用可能な初期容量(アンペア時/g)は、電気化学反応で嵌入するのが1原子単位未満のリチウムであるため、理論上の容量より少なくなる。この初期容量値は、第1のサイクル操作で大幅に減少し、その容量は、操作を連続するとそのサイクル毎にさらに減少する。LiNiO2およびLiCoO2では、セル操作の間にリチウムの約0.5原子単位だけしか可逆的に循環されない。例えばNagaura他に付与された米国特許第4,828,834号に記載されているように、容量の低下を防止するためにこれまでにも多くの試みがなされてきた。しかしながら、現在のところ周知で一般に使用されているアルカリ遷移金属酸化物の化合物により利用可能な容量は比較的少ない。したがって、セル内に使用しても大幅に容量が損失するという欠点のない、許容範囲の容量を有するリチウム含有カルコゲナイド電極材料を得ることは今も尚、難しい課題である。
【0005】
発明の概要
本発明により、新規なリチウム含有混合リン酸ケイ素塩(リン酸ケイ素)材料を提供する。この材料は可逆的にリチウムを循環させるように電気的に活性である。最も広義の態様において、このリチウム含有混合リン酸ケイ素塩(リン酸ケイ素)材料は、製造されたままの初期状態において、リチウムの挿入(その初期状態から)あるいはリチウムの抽出(その初期状態から)に使用可能である。この挿入/抽出特性は、初期状態化合物内の他の元素E′、E″の選択に依存する。この一般式を以下に記載する。その材料の単位式当たりに含まれるリチウム含有比率が高いものが、好適なリチウム含有リン酸ケイ素材料である。その初期状態において、回復不可能な構造上の変化を起こさずにリチウムを抽出させることができるように元素E′、E″を選択する。こうすることにより、抽出後もリチウムを再挿入することが可能となる。電気化学的相互作用により、この材料はリチウムイオンをデインターカレートし、リチウムイオンを可逆的に循環することができる。
【0006】
【化1】
本発明は、新規なリチウム含有リン酸ケイ素、好適にはリチウム金属混合リン酸ケイ素から形成された電極を含む、充電式リチウムバッテリを提供する。併せて、この新規な混合リン酸ケイ素の製造方法およびこの混合リン酸ケイ素を電気化学セル内に使用する方法も提供する。したがって、本発明は、電解質と、相溶性活物質を有する第1の電極と、新規な混合リン酸ケイ素材料を含む第2の電極とを含む充電式リチウムバッテリを提供する。一実施態様において、この新規な材料は陰極として使用可能である。本明細書内の用語リン酸ケイ素、リン酸ケイ素塩、およびケイ素/リンは、同意語として使用するものであることに留意されたい。
【0007】
この新規な材料を正極活物質として使用して、リチウムイオンを相溶性負極活物質と可逆的に循環させると好ましい。この好適実施態様において、新規な材料からのリチウムは取り出されて負極に移動し、バッテリを充電する。このリン酸ケイ素材料は、リン酸ケイ素材料の単位式あたり少なくとも1原子単位のリチウムを有すると望ましい。リン酸塩の比率が、リン酸ケイ素塩(リン酸ケイ素)(Si/P)の単位式あたり、リチウムの1原子単位を超えると最も望ましく、リチウムの2原子単位を超えていると好ましい。電気化学的デインターカレーションにより、単位式あたりのリチウムイオンの比率は減少し、Si/P材料の元素(E)は高酸化状態へと変化する。
【0008】
このリチウム含有リン酸塩は一般式Liq―yE′rE″sSicP(3-c)O12で表され、式中、「q」が初期状態におけるLi含有量の相対的最大値を示すと望ましい。循環中、リチウム含有量は、0≦y≦qとして変化する。rおよびsが共に0より大きく、r+sが約2であると好ましい。ただし0≦c≦3とする。
【0009】
一実施態様において、元素はE′とE″とは同一であり、別の実施態様においてE′とE″とは互いに異なる。E′およびE″のうち少なくとも一方が、リチウムリン酸ケイ素化合物内に当初含まれる酸化状態とは異なる非同素性形態酸化状態となり得るものとする。E′およびE″の少なくとも一方が、リチウムリン酸ケイ素化合物内に当初含まれている状態より高い酸化状態となると望ましい。それに相応して、E′およびE″の少なくとも一方が、1つ以上の酸化状態を有する。E′およびE″の双方が1種類以上の酸化状態を有し、双方がリン酸ケイ素化合物に当初含まれていた状態から酸化を進行させることが可能であると望ましい。E′およびE″の少なくとも一方が、金属あるいはセミメタル(半金属)であると望ましい。E′およびE″の少なくとも一方が金属であると好ましい。
【0010】
このリチウム金属リン酸ケイ素塩(リン酸ケイ素)が、M′およびM″をそれぞれ金属および/または半金属とし、q、r、sおよびcを上記の定義通りとする一般式LiqM′rM″sSicP(3-c)O12として表されると望ましい。リン酸ケイ素が一般式LiqM′rM″sSicP(3-c)O12として表されると好ましい。このときM′およびM″をそれぞれ金属および/または半金属とし、r+sが約2であり、M′およびM″がE′およびE″に付与した酸化条件および酸化状態を満たすものとする。ただしCは上記で定義した通りである。上記の条件を満たす組合わせは多数考えられる。例えば、一実施態様においてM′およびM″はそれぞれ遷移金属である。M′およびM″を異なる材料として含む別の実施態様では、M′を非遷移金属およびセミメタル(半金属)から選択してよい。別の実施態様において、その非遷移金属の酸化状態は1種類のみであり、初期化合物における酸化状態からの酸化が進行することはない。この場合、M′を、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、および他のI族およびII族金属などの金属から選択してよい。この場合、M″は1つ以上の酸化状態を有する金属であり、最終製品における酸化状態から酸化を進行することができる。このM″が遷移金属であると好ましい。別の実施態様において、非遷移金属は1つ以上の酸化状態を有する。1つ以上の酸化状態を有するセミメタル(半金属)の例として、セレンおよびテルルが挙げられる、1つ以上の酸化状態を有するセミメタル(半金属)の他例として、スズおよび鉛がある。金属元素の例として、ケイ素(Si)、テルル(Te)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)およびヒ素(As)を含む、半導体などの金属およびセミメタルが挙げられる。
【0011】
リン酸ケイ素リチウム金属は、リチウムのデインターカレートおよび再挿入が可能であることを示すリチウム一般式Lia-yM′M″SicP(3-c)O12(0≦y≦a)として表すこともできる。LiaM′(2-b)M″bSicP(3-c)O12は、0<b<2として、M′およびM″のそれぞれを含みながらM′およびM″の相対量が変化することを意味している。yおよびbの値に関する同じ基準を、Lia―yE′bE″(2-b)SicP(3-c)O12に適用する。
【0012】
対電極の活物質は、本発明のリン酸リチウム金属と相溶性である材料であればいずれの材料でもよい。金属リチウムを負極として使用してもよい。負極は、非金属インターカレーション材料あるいは化合物であることが望ましい。これが炭素質インターカレーション材料であればより望ましい。負極が、金属酸化物、特に遷移金属酸化物、金属カルコゲナイド、カーボン、グラファイト、およびこれらの混合物からなる群から選択される活物質を含むと最も望ましい。陽極活物質が炭素質材料を含むと好ましく、グラファイトを含めば最も好ましい。本発明によるリン酸リチウム金属を負極材料として使用してもよい。
【0013】
本発明は、広く使用されている陰極活物質が抱える容量の問題を解決するものである。本発明による好適LiaM′M″SicP(3-c)O12活物質を有するセルの容量は、例えばLiMn2O4の場合と比較すると、大幅に改良されていることが分かっている。本発明によるリン酸リチウム金属を含有して最適化されたセルは、現在使用されているリチウム金属酸化物の化合物すべてと比較しても大幅に改良された性能を有する可能性がある。有利なことに、本発明による新規なリン酸リチウム金属の化合物は、その製造が比較的容易であり、商業生産への適用も手軽である上、比較的安価で優れた特異容量を有する。
【0014】
本発明の目的、特徴および利点の1つは、改良された充電および放電特性と大放電容量とを有し、循環中もその一体性を維持することができるリチウムを主成分として改良された電気化学セルあるいはバッテリである。別の目的は、大放電容量の利点を組合わせて容量の減少を比較的少なく抑えた正極活物質を提供することである。空気および湿度と反応しやすい現在使用されている正極と比較して、より経済的に、比較的便宜よく、迅速かつ安全に製造可能な正極を提供することも本発明の目的の1つである。もう1つの目的は、大量生産の実現へ向けて工業規模の生産に役立つ陰極活物質の製造方法を提供することである。
【0015】
以上だけでなく他の目的、特徴および利点は、好適実施態様、請求の範囲および添付の図面について以下に説明することにより明確になるであろう。
好適実施態様の詳細な説明
本発明は、電極活物質として使用可能なリチウム含有リン酸ケイ素(リン酸ケイ素)材料、好ましくはリン酸ケイ素リチウム金属(リン酸ケイ素)を提供する。この材料の一般式はLiqE′rE″sSicP(3-c)O12である。このリチウムの挿入/抽出特性は、元素E′およびE″(EIおよびEII)の選択に依存する。これらの元素E′およびE″は、陽イオンを形成することができるものである。広義の態様において、この式はLia-yEI(2-b)EIIbSicP(3-c)O12(0≦y≦a)であり、このとき、a>0;0≦y≦a、0≦b≦2、0≦c≦3とし、0<b<2および0<c<3であれば好ましく、当初y=0であり、Li+の抽出後に0<y≦aとなれば好ましい。EIおよびEIIの少なくとも一方を、金属類および半金属類から別々に選択することが望ましい。EIおよびEIIの少なくとも一方が遷移金属であれば好ましい。q、r、sおよびcの値は、12酸素が有する−24の合計負電荷と均衡するように選択する。EIおよびEIIを、半金属類および金属類MI、MIIからそれぞれ別々に選択すると好ましい。この材料がリチウムバッテリで循環可能なイオン(Li+)を発する有効な源となる。
【0016】
一実施態様において、この材料は以下の式により表される。
【0017】
【化2】
このとき、各上付き文字の値は、各元素の酸化状態を示している。第1の状態において、y=0であり、上付き文字+1はLi(リチウム)1原子の酸化状態であり、上付き文字dはMI原子の酸化状態であり、上付き文字eはMII原子の酸化状態であり、上付き文字+4はSi(ケイ素)1原子の酸化状態であり、上付き文字+5はP(リン酸)1原子の酸化状態であり、上付き文字−2はO(酸素)1原子の酸化状態であり、O12の場合、その合計は−24となる。MIおよびMIIはそれぞれ、金属および半金属元素からなる群から別々に選択される同一あるいは異なる元素である。ただしa、dおよびeはそれぞれ0より大きい。bおよびcもそれぞれ0より大きいと好ましい。本発明によると、a、b、c、dおよびeは、(a×1)+((2−b)×d)+(b×e)+(5×(3−c))+(4×c)=24の要件を満たすものである。ただしd≧e、dおよびeはそれぞれ1以上とし、2以上であれば好ましい。bの値は≦2であり、cは≦3であり、bが<2およびcが<3であれば好ましい。
【0018】
本発明による材料は、第2の状態において0<y≦aとして上記の式により表される。この第2の状態において、MIの酸化状態はd′として、MIIの酸化状態はe′として表される。y量のLiがこの材料から取出されると、d′≧dおよびe′≧eとして((2−b)×(d−d′))+(b(e′−e)=yにより、MIおよびMIIの少なくとも一方の酸化状態が変化する。d、d′、eおよびe′はそれぞれ、本明細書内に説明する材料内において6以下であると好ましい。最大値として約8まで可能であるが、この材料には好適ではない。
【0019】
いくつかある基準のうち1つ以上を適用して、E′、E″、およびMI、MII(M′およびM″とも表す)を選択する。E′およびE″の場合、E′、E″の少なくとも一方を多価とする。M′およびM″の場合、(1)M′、M″(MI、MII)のうち少なくとも一方を金属および半金属から選択する、(2)M′、M″の少なくとも一方を多価とする、および(3)M′、M″の少なくとも一方を遷移金属とするの基準のうち少なくとも1つを適用する。すべての場合において、E′およびE″は同一元素でも異なる元素でもよい。M′、M″(MI、MII)にも同じ条件が当てはまる。当業者であれば、多価元素であればさまざまな原子価となり得ることを理解できるであろう。(米国特許第4,477,541号を参照されたい。その内容全体を本明細書内に引用したものとする。)当業者であればさらに、一般式内の可変値の選択は、その原子の原子価状態特性を考慮すれば特定しやすくなることが理解できるであろう。原子価状態を酸化状態とも呼ぶ(米国特許第4,477,541号を参照されたい。)
別の態様において、本発明は、電解質と、インターカレーション活物質を有する負極と、リチウムイオンをデインターカレートして負極活物質内にインターカレートすることができることを特徴とするリン酸リチウム金属活物質を含む正極とを含むリチウムイオンバッテリを提供する。このリン酸リチウム金属は、一般式LiaE′(2-b)E″bSicP(3-c)O12あるいはLiaM′(2-b)M″bSicP(3-c)O12ただし0≦y≦aより表されると望ましい。「E」は、少なくともその1つを多価とする元素を示す。「M」は金属あるいは半金属を示す。一態様において、M′およびM″は同一材料であり、別の態様においてこれらは異なる材料である。この化合物では、0<C<3であり、M′およびM″の少なくとも一方が遷移金属であると望ましい。M′、M″あるいはこれらの双方に有用な金属および半金属の例として、B(ホウ素)、Ge(ゲルマニウム)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ケイ素(Si)、およびテルル(Te)が挙げられる。セレンおよび硫黄成分も陽イオンになり得るが、あまり好適ではない。遷移金属以外の有用な金属として、1A族(IUPAC新方式では1)アルカリ金属、2A族(IUPAC新方式では2)アルカリ土類金属、3A族(13)、4A族(14)、および5A族(15)が挙げられる。遷移金属で有用な金属は、3B族(3)から2B族(12)である。特に有用な金属は、周期律表の第4周期の第1の遷移系列に含まれる遷移金属である。第5および第6周期にも他に有用な遷移金属が見られ、第7周期にもいくつか有用な遷移金属がある。遷移金属以外の有用な金属の例として、1A族(IUPAC新方式では1)アルカリ金属、特にLi(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム);2A族(IUPAC新方式では2)アルカリ土類金属、特にBe(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、3A族(13)Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Tl(タリウム);4A族(14)Sn(スズ)、Pb(鉛);および5A族(15)Bi(ビスマス)が挙げられる。遷移金属のうち有用な金属として、3B(3)から2B(12)の金属が挙げられる。特に有用な金属は第1の遷移系列(周期律表の第4周期)のSc(スカンジウム)、Ti(チタニウム)、V(バナジウム)、Cr(クロミウム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)が挙げられる。他の有用な遷移金属には、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオビウム)、Mo(モリブデン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Cd(カドミウム)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)、Hg(水銀)、およびランタニド、特にLa(ランタン)、Ce(セシウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)がある。Mが、第1の遷移系列に含まれる遷移金属、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znであると最も望ましく、望ましい他の遷移金属はZr、MoおよびWである。遷移金属の混合物も望ましい。
【0020】
上記一般式により表され、サイクルを繰り返しながらリチウムイオンを放出して再挿入することができる性能を共通の特性として有する特定化合物にはさまざまな種類がある。上記に記載した一般式にあてはまる例は数多く存在し、その例として以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない。望ましい1化合物族は、Li3―yM′(2-b)M″bSicP(3-c)O12ただし0<C<3、0≦y≦3で表され、これはその組成物および、リチウムをデインターカレートできる性能を示している。
【0021】
Li3化合物において、MI、MIIをそれぞれ、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびクロム(Cr)からそれぞれ別々に選択することが好ましい。Li3化合物において、MIは、+3原子価状態であると好ましく、MIIは+4原子価状態であると好ましい。一方のMを、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択し、もう一方のMを、バナジウム、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびクロム(Cr)、MnおよびTiから選択すると望ましい。一好適実施態様では、M+4はバナジウムであり、M+3を、V、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択する。別の好適実施態様では、M+4はMnであり、M+3を、Fe、Ni、CoおよびCrから選択する。さらに別の好適実施態様では、M+4はZrあり、M+3を、V、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択する。さらに別の好適実施態様では、M+4はTiあり、M+3を、V、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択する。例として、Li3ZrMnSiP2O12、およびLi3VFeSiP2O12(Li3M+3M+4SiP2O12)がある。
【0022】
別の化合物族は、Li3.5M′(2-b)M″bSicP(3-c)O12として表される。Li3.5化合物において、MIおよびMIIの初期原子価状態がそれぞれ+3原子価状態であり、MIおよびMIIのうち少なくとも一方はそれより高い酸化状態に、好ましくは初期Li3.5化合物における酸化状態に比較して+2高い酸化状態になり得ると望ましい。この化合物に選択する金属および半金属のそれぞれが、アルミニウム(Al)、V、Fe、Ni、Co、CrおよびMnからなる群からであると望ましい。一方の金属をAlとし、第2の金属を、V、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択すると望ましい。別の好適実施態様では、一方の金属をバナジウムとし、第2の金属をV、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択する。例として、Li3.5AlMoSi0.5P2.5O12、およびLi3.5AlVSi0.5P2.5O12(Li3.5M+3M+3Si0.5P2.5O12)がある。
【0023】
別の化合物族は、Li3.9M′(2-b)M″bSicP(3-c)O12として表される。Li3.9化合物の場合、一実施態様において、第1および第2の金属はそれぞれ初期の+4原子価状態にある。この場合、その金属は、V、Mn、Mo、Zrおよび/またはTiの混合物でもよい。一方の金属をZrあるいはTiから選択する場合、ZrおよびTiは+4酸化状態となり、それがこれらの金属の最高値であることを考慮して、第2の金属を、この化合物の初期状態に比較して高酸化状態を得るように選択しなければならない。したがって、この場合の第2の金属は、V,MnあるいはMoであると望ましい。例として、Li3.9VMnSi2.9P0.1O12(Li3.9M+4M+4Si2.9P0.1O12)がある。
【0024】
別の化合物族は、式Li4.0M′(2-b)M″bSicP(3-c)O12により表される。Li4化合物を用いる一実施態様では、第1の金属は、この化合物の初期状態において+4原子価状態であり、第2の金属は+3酸化状態である。好適な+3および+4金属の選択については、すでに上述してあるため、ここで再度繰返さない。例として、Li4.0M+4 1.9M+3 0.1Si2.9P0.1O12がある。
【0025】
別の化合物族は、式Li5M′(2-b)M″bSicP(3-c)O12により表される。Li5化合物において、好適実施態様は、+4原子価状態の第1の金属と、+2原子価状態の第2の金属とを選択して含む。+4原子価状態を有する金属は既に列挙してあるため、ここでは繰返さない。+2原子価状態を有する金属の例として、銅、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、バナジウム、鉛、モリブデン、カルシウム、カリウムおよびスズが挙げられる。+2原子価状態の金属から選択した金属がそれより高酸化状態になり得ない場合、+4原子価状態を有する第2の金属を必ず高酸化状態になり得る金属として、リチウムの除去を可能にしなければならない。ニッケルおよびコバルトなどの金属は、+2、+3、+4原子価状態になり得るが、+4原子価状態はあまり知られていないことに留意されたい。しかしながらこれらの金属の+4原子価状態は、MiNiO2などの化合物からリチウムを抽出する際のこれらの金属状態に類似したものである。例として、Li5M+4 1.4M+2 0.6Si2.8P0.2O12がある。このとき、M+4は上記の例の通りであり、M+2は、Fe、Ni、Coおよび他の+2元素でよい。
【0026】
このようなリン酸ケイ素からリチウムイオンを抽出すると、大きな容量が得られる。この抽出を、Li(3-y)V+3 1V+4 1Si+4 1P2O12およびLi(3.5-y)Al+3V+3Si0.5P2.5O12により例示することができる。好適リン酸ケイ素リチウム金属から得られるこの具体的容量は、現在使用されている陰極活物質の1例であるLi1Mn2O4(Li1-xMn2O4)から得られる具体的な容量をはるかに超えている。本発明の一実施態様において、電気化学エネルギは、リン酸ケイ素リチウム金属からリチウムをデインターカレートすることにより発生する。例えば、リチウムがLi3M′M″SiP2O12の単位式毎に除去されると、Li3M2SiP2O12においてM2=V2であれば、バナジウム3からバナジウム4あるいは5に、バナジウムが酸化される。
【0027】
リン酸ケイ素リチウムバナジウムの単位式毎に1リチウムを除去すると、V+3はV+4に酸化される。このときの電気化学反応は、
【0028】
【化3】
となり、
【0029】
【化4】
にしたがって、さらに抽出することもできる。第1の抽出において、バナジウムの平均酸化状態は+4(IV)であることに留意されたい。どちらのバナジウム原子種も+4電荷を担持すると考えられており、一方のバナジウム種が+3電荷を担持し、もう一方が+5電荷を担持する可能性は低い。第2の抽出において、バナジウムは、+4、+4から+4、+5に酸化される。
【0030】
【化5】
の等式によれば、最後のリチウムイオンを除去してさらに酸化することが可能である。全体としてLi3V+3V+4SiP2O12→V+5V+5SiP2O12+3Li++3e-となる等式において、この材料は、本明細書に示す反応による電気化学的酸化により、約200ミリアンペア時/gの容量を理論上有することになる。Li3M′M″SiP2O12からリチウムを電気化学的に抽出することは、知る限りこれまで記載されたことはない。同様に、Li3FeVSiP2O12などの混合金属化合物は2つの酸化可能元素を有している。これに対して、Li3AlTmSiP2O12は1つの酸化可能金属および遷移金属(Tm)を有している。
【0031】
本発明の化合物は、イオンの移動度だけでなく、リチウムイオンを単位式から放出し、引き続きリチウムイオンを再挿入できるようにその単位を維持しておくことができることも特徴となっている。重要なことに、この放出および再挿入は、バッテリ用途に利用可能な電位にて発生する。その化合物の理論上の容量は同じ族内で微妙に異なる。Li3からLi3.5などの異なる族間でも、その理論上の容量は変わってくる。この容量は、ミリアンペア時/g(mAh/g)で表され、初期状態化合物から除去可能なリチウム量と、化合物の重量とに依存する。
【0032】
Li3化合物に対する以下の例示容量はすべてミリアンペア時/gで表記する。Li3V2SiP2O12において、1Liの除去により、その容量は66となり、2Liの除去でその容量は132となり、3Liの除去により、その容量は198となる。このとき、バナジウムの原子化状態は、V+3、V+5の状態からV+5、V+5の状態となる。別の実施例において、Li3MnVSiP2O12では、1Liの除去により、その容量は66となり、2Liの除去でその容量は132となり、3Liの除去により、その容量は198となる。このとき、当初Mnが+3、Vが+4であったのが、3つのLiを除去後、これらがMn+6およびV+4となったと考えられる。別の例がLi3TiVSiP2O12である。この場合、最高の酸化状態であってもバナジウムが+3、チタンが+4の原子価状態であるため、2つのリチウムしか除去することができない。このとき、バナジウムは、それぞれ67および133の理論上の容量を有して+5状態まで酸化する。Li3TiCrSiP2O12の場合、チタンはその最大の+4原子価状態であり、クロムは+3原子価状態である。クロムは、+3から+6まで原子価状態を増加できるため、3つのリチウムを除去することができる。リチウムを1つから3つまで除去していくにつれ、その容量はそれぞれ66.132.198と変化する。
【0033】
Li3.5化合物例の容量について説明する。Li3.5AlVSi0.5P2O12の場合、第1のリチウムイオンおよび続いて第2のリチウムイオンを除去することができ、それぞれの容量は69および138mAh/gとなる。このとき、アルミニウムはその最大値である+3原子価状態であり、バナジウムは、当初の+3原子価状態から順次+4、+5と増加していく。Li3.5VVSi0.5P2.5O12の場合、3つのリチウムを除去することができ、1つずつの除去によるそれぞれの容量は、65、130および195となる。このとき、バナジウムは当初の+3原子価状態から、3つのLiの除去により、その最終的な原子価状態は+4、+5となる。3.5Liすべてが除去されると、この活物質内の全バナジウムの平均酸化状態は+4.75となり、これは228mAh/gに相当する。別の例がLi3.5AlCrSi0.5P2.5O12である。このとき、AlおよびCrは当初+3であるが、Crは、3つのLiが除去されると+6となる。Liの除去に従って変化する容量はそれぞれ、69、138および207である。
【0034】
本発明は、従来の陰極活物質が抱える容量の課題を解決するものである。この従来の活物質が有する課題は、Tarasconに付与された米国特許第5,425,932号に、LiMn2O4を例として用いて記載されている。同様の問題は、LiCoO2、LiNiO2、およびすべてではないとしても多数の金属カルコゲナイド材料に見られる。本発明は、このような容量に関する問題が克服され、それによって、従来の活物質に比較して陰極活物質における電位のより多くの比率が使用可能となったことにより大幅な改良が得られたことを実証するものである。
【0035】
要約すれば、初期状態における正極活物質は、分子式Lia-yM′M″SicP(3-c)O12ただし0<C<3により表される。これをセル内にて使用すると、陰極にインターカレートするように、y量のリチウムイオンをデインターカレートする。このとき、デインターカレートされたy量のイオンは、0より大きくa以下である。したがって、循環、充電および放電している間、y値は、0以上a以下のyとして変化する。
【0036】
正極リン酸リチウム金属活物質を準備し、電気化学セル内にて試験した。一般のセル形状について、図1を参照しながら説明する。
ここで、本発明による新規な塩の族を使用するバッテリあるいはセルについて説明する。本明細書において説明する好適セル構造は例示的なものであり、本発明を制限するためのものではないことに留意されたい。以下の説明について、多くの実験は、セル構造の全部あるいは半分に基づいて実施するものである。試験を目的として、リチウム金属電極を用いて試験セルをしばしば製造する。バッテリとして使用するセルを形成する場合、インターカレーション金属酸化物正極およびグラファイトカーボン負極を用いると好ましい。
【0037】
ポリマー電解槽は、ポリマーフィルム組成物電極とセパレータ膜とを含む。特に充電式リチウムバッテリセルは、中間セパレータ素子を含む。このセパレータ素子は電解質液を含んでおり、これを介して、セルの充電/放電サイクルの間、源となる電極材料を脱離したリチウムイオンがセル電極間を移動する。このようなセルにおいて、イオン源である電極は、リチウム化合物あるいは、リチウムイオンをインターカレートできる他の材料である。電極セパレータ膜は、イオン移動度を付与する溶解性リチウム塩の有機溶液を組み入れることによりイオン伝導性なっているポリマーマトリックスを含む。
【0038】
一般の積層型バッテリセル構造10を図1に示す。この構造は、負極側部12、正極側部14、およびこれらの間に位置する電解質/セパレータ16を含む。負極側部12は集電体18を含み、正極側部14は集電体22を含む。目の粗いメッシュ格子の形態が好適である銅集電体18には、負極膜20が装着されており、この膜は、カーボンあるいはグラファイト、あるいは低電圧リチウム挿入化合物などのインターカレーション物質をポリマー結着剤マトリックス内に分散して含む。可塑化コポリマーの電解質セパレータフィルム16膜を、電極素子上に位置付け、これを、微細に分割されたリチウムインターカレーション化合物の組成物をポリマー結着剤マトリックス内に含む正極膜24でカバーする。これに集電体アルミニウム箔あるいは格子22を装着すると、アセンブリが完成する。保護袋材料40でこのセルをカバーし、空気および水分の浸入を防止する。
【0039】
別の実施態様において、図2による多セル型バッテリ形状を、銅集電体51、負極53、電解質/セパレータ55、正極57、およびアルミニウム集電体59を用いて製造する。集電体素子のタブ52および58が、このバッテリ構造の各端子となっている。
【0040】
正極の化合物が有する成分の相対的重量比率は一般に、活物質が50〜90重量%;導電性希釈剤としてのカーボンブラックが5〜30重量%;および、イオン伝導性を損なうことなくすべての微粒子材料を互いに接触させて保持するように選択した結着剤が3〜20重量%となっている。記載した数値は臨界範囲ではなく、電極の活物質量は25〜85重量%の範囲で可変してよい。負極は、金属酸化物あるいは炭素質材料、好ましくはグラファイトなどのインターカレーション活物質を含む。この負極が、結着剤との均衡を保ちながら、50〜95重量%の好適グラファイトを含むと好ましい。金属酸化物活物質を使用する場合、電極の構成要素は、金属酸化物、導電性カーボンおよび結着剤であり、これらは、正極について上述した比率と同様の比率で含まれる。好適実施態様において、この負極活物質はグラファイト粒子である。一般の電解質セパレータフィルムは、好適なヒュームドシリカ各1部につきおよそ2部のポリマーを含む。可塑剤を除去する前、このセパレータフィルムは約20〜70重量%のこの組成物を含み、その均衡は上述の相対的重量比率におけるポリマーおよびヒュームドシリカにより保たれている。伝導性溶媒は、何種類の溶媒および塩を含んでいてもよい。望ましい溶媒および塩は、米国特許第5,643,695号および同5,418,091号に記載されている。その1例は、EC:PC:LiPF6を約50:44.3:5.7の重量比率で含む混合物である。
【0041】
有利なことに、本発明による活物質はさまざまな溶媒および塩と併用することができる。溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、レクトン、エステル、グリム、スルホキシド、スルホランなどの混合物から選択する。好適な溶媒は、EC/DMC、EC/DEC、EC/DPCおよびEC/EMCである。塩の含有量は5%〜65重量%であり、8%〜35重量%であれば好ましい。
【0042】
セパレータ膜素子16は一般にポリマーであり、コポリマーを含む組成物から調製される。75〜92%のフッ化ビニリデン、8〜25%のヘキサフルオロプロピレンコポリマー(Kynar FLEXとしてAtochem North Americaから商業的に入手可能)および有機溶媒可塑剤を含む組成物が好適である。このコポリマー組成物は、次の積層界面が相溶性であることが確実となるため、電極膜素子の製造にも好適である。
【0043】
リチウムイオンバッテリの製造に当たり、アルミニウム箔あるいは格子の集電体層に、インターカレーション電極組成物の分散物のコーティング層として別に準備した正極フィルムあるいは膜をオーバーレイする。このとき、このインターカレーション物質は、コポリマーマトリックス溶液内に含まれた粒子状のリン酸ケイ素であり、これを乾燥して正極を形成する。電解質/セパレータ膜を、VdF:HFPコポリマー含有溶液を含む組成物の乾燥コーティングとして形成し、可塑剤溶媒をこの陽極フィルム上にオーバーレイする。VdF:HFPコポリマーマトリックス溶液内の粉末カーボンあるいは他の負極材料分散物の乾燥コーティングとして形成した負極膜を、同様にセパレータ膜層上にオーバーレイする。銅集電体箔あるいは格子を負極層上に重ね合わせてセルアセンブリを完成する。これらの積層を完了すると、本質的に単体で可撓性を有するバッテリセル構造体が出来上がる。
【0044】
さまざまな電極および電解質を含むセルの形成例は、米国特許第4,668,595号、同4,830,939号、同4,935,317号、同4,990,413号、同4,792,504号、同5,037,712号、同5,262,253号、同5,300,373号、同5,435,054号、同5,463,179号、同5,399,447号、同5,482,795号、同5,411,820号に見られ、これらの内容全体を本明細書内に引用したものとする。旧式のセルには有機ポリマーおよび無機電解質マトリックス材料を含むものがあり、ポリマーを最も好適としていたことに留意されたい。米国特許第5,411,820号のポリエチレンオキシドが1例である。最近の例ではVCF:HFPポリマーマトリックスがある。VCF:HFPを用いたセルの鋳込み、積層および形成例は、Bell Communications Resarchに譲渡された米国特許第5,418,091号、同5,460,904号、同5,456,000号および同5,540,741号に記載されている。これらの各内容全体を本明細書内に引用したものとする。
リン酸ケイ素リチウムの製造方法
本発明による組成物を、複数のプリカーサ化合物を適した比率で混合して調製する。一好適実施態様において、プリカーサ化合物はすべて粉末形態であり、これらの粉末混合物を混ぜた後、本発明による所望のリン酸ケイ素リチウムの形成に十分な温度で加熱する。この実施例において、本発明による組成物を、アルカリ金属カーボネート、ここではリチウム金属カーボネート(Li2CO);リン酸由来物好ましくはリン酸アンモニウム酸塩、リン酸アンモニウム、NH4H2(PO4)あるいは(NH4)2H(PO4);選択した金属酸化物、好ましくはMOxただし0<x≦3;および酸化ケイ素(Si2O)を適した比率で互いに混合して調製する。
【0045】
一実施態様において、化合物Li3V2SiP2O12の組成物を得るため、Li2CO3;V2O3;SiO2;およびNH4H2PO4の適した混合物を混合する。その比率はモル比を基準に1.5:1:1:2である。この混合物を複数時間に渡って、リン酸塩を分解するのに十分な温度にて加熱する。Hongに付与された米国特許第4,049,891号に記載されている工程がその例である。この混合物を4時間170℃にて加熱した後、これを約900℃の高温で約16時間保持する。必要に応じて冷却、研磨および再加熱を繰返して反応を完了させ、最終生成物を形成する。この方法は、米国特許第4,049,891号(Hongに付与);同4,512,905号(Clearfieldに付与);同4,394,280号(von Alpenに付与)号;同4,166,159号(Poberに付与);および同4,322,485号(Harrisonに付与)に記載されているようにリン酸ケイ素ナトリウム金属化合物の形成と同じである。これらの各方法内容の全体を本明細書に引用したものとする。
【0046】
別の実施態様において、一般式Li3.5AlVSi0.5P2.5O12の生成物を、Li2CO3;Al2O3;V2O3;SiO2;およびNH4H2PO4の適量を混合して調製する。その相対的モル比は1.75Li2CO3:0.5Al2O3:0.5V2O3:0.5SiO2:2.5NH4H2PO4である。
【0047】
LiqM′rM″sSicP(3-c)O12に従って、リチウムと金属、半金属、あるいはこれらの混合物との相対比率は一定でなくてもよく、初期リン酸塩の構造もさまざまでよい。所望の構造を生成する加熱および冷却方法は周知である。まずNASICON構造を有する生成物を得ると好ましい場合、リン酸ケイ素のナトリウム形態から開始することができる。周知のイオン交換方法を利用してナトリウムをリチウムと交換する。この手法は米国特許第4,049,891号に記載されており、その内容全体を本明細書内に引用したものとする。この方法では、プリカーサ粉末Al2O3、V2O3、SiO2およびNH4H2PO4の混合物を、ナトリウムカーボネート(Na2CO3)と併用する。これら成分の混合物を加熱してリン酸を分解した後、原子種が粒子の境界を横切って移動する十分な温度で加熱して所望の生成物を形成する。次いで、化合物のナトリウム形態Na3M′M″SicPO12を、LINO3の連続溶融物内に含浸してLi+とイオン交換し、Na+を本質的に100%置換する。この方法により、空間群R3cの生成物が、菱形面を持つR3c構造にて得られる。
【0048】
プリカーサ粉末からリン酸ケイ素リチウム化合物を形成するさらに別の例は、米国特許第4,009,092号(Taylorに付与)、同4,985,317号(Adchiに付与)および同4,042,482号(Shannonに付与)に記載されており、これらの内容全体を本明細書内に引用したものとする。併せて米国特許第5,232,794号(Krumpeltに付与)および同4,465,744号(Susmanに付与)も参照されたい。これらの特許には、結晶質形態におけるNASICON理想構造のさまざまな化学量論および結晶質形態におけるNASICON式の形成と、同様のプリカーサからのガラス形成とが報告されている。
【0049】
プリカーサ出発原料は、数多くの化学薬品供給業者から入手可能であり、その例としてKerr McGee、Aldrich Chemical Company and Flukaが挙げられる。非常に多くのプリカーサ粉末が周知であり、広範囲の供給メーカから一般に入手可能である。その例として、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、酸化物などの金属塩が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明によるリン酸ケイ素リチウムの形成に使用可能な金属酸化物の例として、MgO、Cr2O3、MnO2、Mn2O3、FeO、Fe2O3、ZrO2、NiO、CoO、V2O3、およびV2O5が挙げられる。このリン酸ケイ素リチウム金属は上述したようなおよその化学量論混合物により調製するが、リチウム(炭酸リチウムとして)を5%上乗せし、LiO2としてのリチウムの損失を最小限にすると好ましい。このプリカーサをよく混合するためには、30分間メタノール溶液内にてこれらを粉砕することが好適な方法である。次いで、この混合された化合物を乾燥させ、ペレットとして圧縮する。これらを加熱炉内で加熱して反応させる。1℃/分のランプ速度がプリカーサ材料の分解に好適とされている。次いで、およそ約24時間程度の一定時間にわたり高温を維持して、反応を完了させる。この全反応を、還元雰囲気内で行ってもよい。上述し(および引用し)た製造方法の一般の態様はさまざまな出発原料について適用可能である。例えば、LiOHおよびLiNO3の塩を、リチウム源としてLi2CO3と交換することができる。この場合、第1の加熱温度は、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩およびリン酸塩のそれぞれ異なる融点および/または分解点に依存して変化する。リン酸塩の酸化電位と組合わせる金属酸化物の選択は、水素雰囲気などの還元剤により補うと好ましい。プリカーサ塩の相対的酸化力とプリカーサ塩の融点および/または分解点とは、一般の工程内で適合する。
【0050】
さらに別の手法では、NASICON対応物からナトリウムを酸化抽出し、除去されたナトリウムの代わりにリチウムのホスト材料に添加することによりリン酸ケイ素リチウム金属化合物を調製する。この実施態様において、例えば、プリカーサであるNa2CO3、(NH4)H2PO4、SiO2およびV2O5の混合物を、300℃にて12時間予備加熱した後、約600〜900℃にて化学量論上の比率で24時間水素雰囲気内にて反応させることによりNa3V2SicP(3-c)CO2を調製する。次いで、上記化合物から、CHCl3内BrCl2を酸化剤として用いてナトリウムを除去する。この反応では、ナトリウム化合物の各1gに対して、ガス通過手段に嵌合した三角フラスコ内にて100mlのCHCl3を含有させた。塩素ガスが懸濁物内に気泡となって発生した。この反応後の固体を濾過して回収し、CH3CNで洗浄し、真空乾燥させた。これによりV+5V+5Si+4P+5 2O12を得た。これがNASICONを主成分とする材料であり、これにリチウムを化学的に添加するとLi3V2Si1P2O12となる。これらの方法は、RanganおよびGopalakrishnanが、「Chem.Mater.」、第4巻、第4号、1992年、745頁および「Journal of Solid State Chemistry」、109、116−121(1994年)内において、NASICON型構造の調製および化学分析として記載した方法と同じである。これらの方法はまた、FeltzおよびBarth著「Solid State Ionics」9および10(1983年)、817〜822頁に記載の方法とも同じである。FeltzおよびBarth式工程では、AMIMII(SiO4)x(PO4)3-x化合物の調製にいくつか興味深い細かな変更が加えられている。ここでは、Aはナトリウムであり、イオン置換によりAはリチウムとなり、MIが非遷移金属でMIIが遷移金属であるか、あるいはMIおよびMIIがそれぞれ遷移金属であるかのいずれかである。FeltzおよびBarth式化合物は、MIおよびMIIを、MnZr;MgZr;およびZnZrのように含む。上述の調製方法への興味深い変更点として、FeltzおよびBarthは、リン酸アルカリをリン酸アンモニウムの代わりに使用することが可能であること、および最終生成物の形成に高温反応をさせる前は、乾燥型粉末混合物あるいは水溶性粉末混合物のいずれかで開始することができることを示している。上述したリン酸ケイ素金属ナトリウム化合物を使用して、他のイオン置換手段により好適リン酸ケイ素リチウム金属対応物を調製することも可能である。以下にこれについて説明する。
【0051】
Naイオンはの原子半径(元素の原子感距離の半分)は約186pmであり、Liイオンの半径は約152である。したがって、1つを置換しても等構造の生成物が得られる。これは、半径が大きく異なる他のアルカリ元素ではうまく質量的な置換が行うことができない可能性のあることを考えると対照的である。金属酸化物結晶のNaをLiと置換する方法には、(1)メタノール内アルカリハロゲン化物の交換溶液を用いたソフト化学によるデインターカレーション(抽出)、インターカレーション、および交換反応(Delmas他著(Revue de Chimie Minerale、19、343(1982年))と、(2);LiCl(650℃);LiBr(560℃);LiI(460℃);LiNO3(300℃);およびこれらの混合物であれば260℃ほどの低温にて、高温の溶融塩交換剤を用いてNaをLiと置換する方法(Fuchs他著「Solid State Ionics」68、279〜285(1994年))と、(3)米国特許第5,336,572号に記載されているように、NaをHと置換し、その後HをLiと置換する複合ステップ溶液処理とがある。上記特許の内容全体を本明細書内に引用したものとする。他のイオン置換方法は、米国特許第3,779,732号、同3,959,000号、同3,992,179号に記載されており、これら各特許の内容全体を本明細書内に引用したものとする。米国特許第3,992,179号には、結晶構造内でLiをNaに置換する基本的な方法が示されている。米国特許第3,959,000号には、Naイオンが除去され、Liイオンがイオン交換により添加される金属酸化物ガラスセラミック材料が示されている。これらの中で、Fuchsの方法では、本明細書で上述した温度にてNaをLiに事実上完全に置換できるということである。これは、上記にて本明細書内に引用したHongが提案する方法と同じである。さらに、流動するAr下においてCH3OHあるいはCH3CN内のリチウム塩(LiCl、LiBr、LiI、LiNO3)を伴う還流がある。要するに、イオンの置換は一般に、溶融塩を用いることによりイオン交換により行われる、あるいは置換は酸化還元化学により行われる。
【0052】
P(3-c)Sic内においてPがSiにより置換される量に制限はない。EI(2-b)、EIIb、および2−b、b、3−cおよびcの量を選択して、全体式における均衡が保たれているかどうかを基準とする。例えばcを0.5、0.2あるいは0.1以下として、できるだけ少ない原子部分のみを置換しても許容範囲である(Si0.5P2.5)。例えばcを2以下とする大幅な置換を行ってもよい(Si2P)。好適な材料は、NASICON構造Li3MI(2-b)MIIbP(3-c)SicO12であり、このMIおよびMIIは、金属類および半金属類からそれぞれ別々に選択する。その好適例は、原子価が可変/変化可能である多価金属イオン遷移金属類である。
【0053】
本発明による好適材料は、混合リン酸ケイ素混合金属;あるいは混合リン酸ケイ素混合半金属/金属である。有利なことに、その金属としてさまざまな金属類および半金属類を挙げることができ、最も望ましい例をここに掲載する。多くの例を上記あるいは以下に記しているが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0054】
金属、セミメタル(半金属)および遷移金属を含む代表的な元素の一般の酸化状態および他の特性は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,336,572号に記載されている。その内容全体を本明細書内に引用したものとする。
【0055】
「化合物の初期状態から酸化可能」などの表現は、Liがその初期化合物から除去されると、元素EIがさらに正の酸化状態に酸化される状態を言うものであることに留意されたい。したがって、EIの初期酸化状態が「d」値であり、Li1原子単位が除去されると、EIの酸化状態はその結果「d+1」となる。例えばLi3EIdEIIeP(3-c)O12→Li2EId+1EIIeSicP(3-c)O12+Li++e-となる。
【0056】
同じ材料を用いて初期Li3状態からLiを挿入する場合、EIは、その化合物を分解することなく、その酸化状態を負に向けて、還元可能な元素でなければならない。EIが金属の場合、その還元により金属EIを形成することがあってはならない。これは、式中のMIおよびMIIにもこれと同様のことが当てはまる。
【0057】
構造内に酸化可能な金属を有するリン酸ケイ素リチウム金属が生成されたことはまだ周知でないことに留意されたい。本明細書で初めて、電極活物質として使用するために生成されたこの材料を提示する。電極にNASICONナトリウムプリカーサを使用することも今だ知られていない。したがって、本発明が実証する電気化学反応は、今のところ提案されておらず、画期的なものである。本発明による製品を、相互連結した侵入空間を具備する型構造であるNASICONの骨組みと比較および対照させてもよい。真のケージ構造であるラングバイン型(K2Mg2(SO4)3)もある。このような構造ではアルカリ金属イオンは結晶内を移動することができない。NASICON型構造の中にはイオン伝導性を備えているものがあるが、非常に低い導電性でしかない。NASICON型構造の中には固体電解質として使用されてきたものもあるが、電極材料としては使用不可能である。これは、その構造に酸化可能な金属が含まれておらず、イオンを抽出することができないためである。したがって、これらの構造および化合物にイオンバッテリ、ロッキングチェア型バッテリ用途としての有用性はない。有利なことに、本発明による活物質は、類似したNASICON対応物を形成するすでに確立された方法を利用して生成することができる。上記に開示した生成方法は例示であり、これにゾルゲル法を追加することもできる。これは、Chem. Mater.1997、9、2354〜2375、1997年11月に記載されており、NASICONおよび関連相を生成するゾルゲル法は1980年台に早くも報告されている。およそ1100℃未満の低い焼結温度で十分であるため、この手法により比較的純粋な単相材料が得られるようになったということである。このゾルゲル法は、上述したようなプリカーサ粉末の使用に基づいている。単一の多結晶形態、結晶化度が低い、あるいは結晶化されていない形態、アモルファス形態といった結晶化度のさまざまな程度において、NASICON型材料、化合物および構造が調製されたと報告されている(JACS1989、11、4239)。Na1+xZr2P3-xSixO12が含むさまざまな組成物の単結晶は歴史的に周知であり、これは、ゾルゲルプリカーサの急速加水分解成分の複合体を形成し安定させるクエン酸塩あるいはアセチルアセトンなどの安定性リガンドを正しく選択することにより、均一な組成物の均質なゲルを調製することを含む。電解質として使用するNASICON型ナトリウムイオン導電体の他の族には、REを希土類元素とするNa5RESi4O12が報告されている。シリコンテトラメトキシドあるいは硝酸ガドリニウム(イットリウム)をプリカーサとして使用することを基とした例もある。Na4Zr2Si3O12の調製も報告されている(Solid State Ionics 1994、70〜71、3;および1996、86〜88、935)。
【0058】
NASICONを主成分とする材料は、イオンの移送のみを目的とする固体電解質として使用するように提案されている。これらは最高の酸化状態で調製されるため、イオンを取出すことは不可能である。このような固体電解質として使用されるNASICONは、イオンの移送のみを目的として提案されている。NASICON構造は単斜晶系あるいは菱形面を有するものとして知られている。従って、NASICON相は、単斜晶系に結晶化する、あるいは菱形面骨格構造に結晶化することができる。この単斜晶系構造がリン酸塩およびリン酸ケイ素の一般構造である。NASICON化合物の中には、単斜晶系および菱形面の双方の形態で存在するものとして知られているものもある。その形態は調製方法に依存する。この化合物をナトリウム形態で調製すると菱形面構造となり、イオンの置換を行ってナトリウムをリチウムに置き換えると、本発明による最終化合物を得ることができる。このNASICONを、リチウムプリカーサから直接調製して、単斜晶系形態の調製を簡易化してもよい。いずれの場合も、この化合物の骨格構造および式において、リチウムイオンの放出は可能である。この特徴、すなわちリチウムイオンの放出は可能であることが、本発明による化合物に特異な点である。本発明による化合物はまた、調製されたままの状態において大気安定であることも特徴となっている。これにより雰囲気を制御せずともバッテリ陰極およびセルのアセンブリを製造できるという点でこの特徴は際立った利点であり、当業者であれば、空気安定性を有する、すなわち空気に曝露されても劣化しないことが工業用の処理工程に非常に重要であることは明白であるため、この特徴は特に重要である。空気安定性は、さらに具体的に言えば、湿気内においても材料が加水分解しないことを意味することで従来技術において周知である。一般に、空気安定である材料はまた、リチウムに対して約3.5ボルトを超える電圧をかけるとLiをインターカレートするという特徴を有している。本発明によるLi3M′M″PcSi3-cO12材料の空気安定性は、Li金属負極に対して約3〜4.3ボルトの間で0.20ミリアンペア/cm2における一定の電流循環によりLi3V2(PO4)3に対して実証された空気安定性と同じである。リチウムに対して約3.0ボルト未満でLiをインターカレートする場合、この材料は一般に空気安定ではなく、湿気内において加水分解を起こす。当業者であれば、上述したゾルゲル法により調製する化合物が結晶状ではなく、バッテリ内により良好な循環系を形成できることから、この方法が有利であることは明白であろう。従って、結晶化度の程度を、粒径および処理パラメータに依存して変更する。アモルファス材料は、あまり明確ではないが循環を停滞させることがあることで知られている。
【0059】
周知の従来技術とは異なり、本発明は、酸化可能な金属を組合わせたリチウムを有する、好適なリン酸ケイ素リチウム金属を提供する。この酸化可能な金属は、1つ以上の酸化状態に変化することができる。この金属は、リン酸ケイ素材料内に、その金属の最高酸化状態より低い酸化状態で含有されている。したがって、この金属は酸化状態を進行させて、1つ以上のリチウムイオンを抽出することができる。これは、バナジウムの酸化を示した上記の例で実証した通りである。ケイ素/硫酸リチウム金属材料の抽出/挿入を可能にする組み合わせも他に多数あることに留意しなければならない。取り出されるリチウムあるいは追加されるリチウムの量により、MおよびE、あるいは複数のMおよびEの相対的酸化状態が特定されることに留意されたい。
【0060】
この技術過程を用いて製造されるリチウムイオンバッテリは、予備充電(充電前)状態とも呼ばれる放電状態で製造される。このバッテリは使用前にコンディショニング充電を行う必要がある。初期状態(予備充電状態)において、イオンバッテリの陽極は本質的にリチウムを含有しておらず、グラファイトの場合のようにそのイオンを含まないこともある。したがって、このようなバッテリはその初期状態(組立てられたままの)予備充電状態において、リチウム金属を含むバッテリ、あるいは完全にあるいは部分的に充電された陽極を含むバッテリと比較して、固有特性としてまず安定性が高く、比較的反応度合いが低い。
【0061】
使用可能な電位差を得るため、(正極)を電気化学的に酸化し、陽極(負極)を還元する。こうして、充電に際して、質量(a)のリチウムイオン(Li+)は正極Li(3-a)MIMIISicP(3-c)O12を脱離して正極を酸化し、その電位を上昇させ、その充電中、Liイオンは好適な炭素を主成分とする負極に吸蔵されて、その電極を還元する。この結果、負極は、0ボルトであるリチウム金属電位に非常に近似の電位を有する。通常のグラファイト電極は、各6炭素あたり最大およそ1原子のリチウムをインターカレートする。すなわちLi0C6をLi1C6とする。放電では、これと逆の処理が行われる。
【0062】
Li3MIMIISicP(3-c)O12化合物を負極として使用する場合、充電ではLiイオンが負極に移動してLi3+aMIMIISicP(3-c)O12とし、MI、MII、あるいはこれら双方の酸化状態が低下する。
【0063】
以上、本発明を具体的な実施態様を用いて説明してきたが、本発明は、上述の明細書に限定されるものではなく、むしろ以下の請求の範囲に記載された範囲にのみ限定されるものである。
【0064】
独占的所有権あるいは独占権を主張する本発明の実施態様を冒頭の請求の範囲に規定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電極活物質を有する典型的な積層リチウムイオンバッテリセル構造の図式表示である。
【図2】 本発明による電極活物質を有する多セル型バッテリセル構造の図式表示である。
Claims (8)
- 挿入材料を予備充電状態で含む活物質を含有する負極と、一般式 Li 3 M′ (2-b) M″ b Si c P (3-c) O 12 (ただし0≦b≦2、0<c<3であり、M′およびM″のうち一方はV、Fe、Ni、Co、Cr、MnおよびTiから選択され、+3の原子価状態を有し、他方はV、Mn、ZrおよびTiから選択され、+4の原子価状態を有する)により表されるリン酸ケイ素化合物を含む活物質を含有する正極とを含むリチウムイオンバッテリであって、該バッテリの充電サイクル中に該化合物からリチウムイオンが抽出され、該負極活物質が該充電サイクル中に該抽出されたリチウムイオンを挿入することができ、放電サイクル中にはそこからリチウムイオンが抽出されて、該化合物が該放電サイクルリチウムを再挿入することをさらに特徴とするバッテリ。
- 前記活物質が、Li 3 VVSiP 2 O 12 、Li 3 MnVSiP 2 O 12 、Li 3 TiVSiP 2 O 12 、Li 3 TiCrSiP 2 O 12 、Li 3 VFeSiP 2 O 12 およびLi 3 ZrMnSiP 2 O 12 からなる群から選択される請求項1記載のバッテリ。
- 挿入材料を予備充電状態で含む活物質を含有する負極と、一般式 Li 3.5 M′ (2-b) M″ b Si c P (3-c) O 12 (ただし0≦b≦2、0<c<3であり、M′およびM″の初期原子価状態はそれぞれ+3原子価状態であり、M′およびM″のうち少なくとも一方は初期原子価状態より高い酸化状態になることができ、M′およびM″のうち一方はAlおよびVから選択され、他方はV、Fe、Ni、Co、CrおよびMnから選択される)により表されるリン酸ケイ素化合物を含む活物質を含有する正極とを含むリチウムイオンバッテリであって、該バッテリの充電サイクル中に該化合物からリチウムイオンが抽出され、該負極活物質が該充電サイクル中に該抽出されたリチウムイオンを挿入することができ、放電サイクル中にはそこからリチウムイオンが抽出されて、該化合物が該放電サイクルリチウムを再挿入することをさらに特徴とするバッテリ。
- 前記活物質がLi 3.5 AlVSi 0.5 P 2.5 O 12 、Li 3.5 VVSi 0.5 P 2.5 O 12 、Li 3.5 AlCrSi 0.5 P 2.5 O 12 およびLi 3.5 AlMoSi 0.5 P 2.5 O 12 からなる群から選択される請求項3記載のバッテリ。
- 挿入材料を予備充電状態で含む活物質を含有する負極と、一般式 Li 3.9 M′ (2-b) M″ b Si c P (3-c) O 12 (ただし0≦b≦2、0<c<3であり、M′およびM″の初期原子価状態はそれぞれ+4原子価状態であり、M′およびM″のうち少なくとも一方は初期原子価状態より高い酸化状態になることができ、M′およびM″のうち一方はZrおよびTiから選択され、他方はV、MnおよびMoから選択される)により表されるリン酸ケイ素化合物を含む活物質を含有する正極とを含むリチウムイオンバッテリであって、該バッテリの充電サイクル中に該化合物からリチウムイオンが抽出され、該負極活物質が該充電サイクル中に該抽出されたリチウムイオンを挿入することができ、放電サイクル中にはそこからリチウムイオンが抽出されて、該化合物が該放電サイクルリチウムを再挿入することをさらに特徴とするバッテリ。
- 前記活物質がLi 3.9 VMnSi 2.9 P 0.1 O 12 である請求項5記載のバッテリ。
- 挿入材料を予備充電状態で含む活物質を含有する負極と、一般式 Li 4.0 M′ (2-b) M″ b Si c P (3-c) O 12 (ただし0≦b≦2、0<c<3であり、M′およびM″の一方の初期原子価状態は+4原子価状態であり、V、Mn、ZrおよびTiから選択され、他方の初期原子価状態は+3原子価状態であり、V、Fe、Ni、Co、Cr、MnおよびTiから選択される)により表されるリン酸ケイ素化合物を含む活物質を含有する正極とを含むリチウムイオンバッテリであって、該バッテリの充電サイクル中に該化合物からリチウムイオンが抽出され、該負極活物質が該充電サイクル中に該抽出されたリチウムイオンを挿入することができ、放電サイクル中にはそこからリチウムイオンが抽出されて、該化合物が該放電サイクルリチウムを再挿入することをさらに特徴とするバッテリ。
- 挿入材料を予備充電状態で含む活物質を含有する負極と、一般式 Li 5 M′ (2-b) M″ b Si c P (3-c) O 12 (ただし0≦b≦2、0<c<3であり、M′およびM″の一方の初期原子価状態は+4原子価状態であり、V、Mn、ZrおよびTiから選択され、他方の初期原子価状態は+2原子価状態であり、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、V、Pb、Mo、Ca、KおよびSnから選択され、M′およびM″の一方は初期原子価状態より高酸化状態になり得る金属から選択される)により表されるリン酸ケイ素化合物を含む活物質を含有する正極とを含むリチウムイオンバッテリであって、該バッテリの充電サイクル中に該化合物からリチウムイオンが抽出され、該負極活物質が該充電サイクル中に該抽出されたリチウムイオンを挿入することができ、放電サイクル中にはそこからリチウムイオンが抽出されて、該化合物が該放電サイクルリチウムを再挿入することをさらに特徴とするバッテリ。
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