JP4600337B2 - フッ素汚染地下水の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素汚染地下水を、薬剤により不溶化して浄化するフッ素汚染地下水の浄化方法、特にカルシウム化合物およびマグネシウム化合物により、フッ素汚染地下水に含まれるフッ化物イオンを不溶化して浄化するフッ素汚染地下水の浄化方法に関するものである。
フッ化物、ホウフッ化物、その他のフッ素化合物等で汚染されたフッ素汚染土壌および/または汚染地下水からは、フッ化物イオンが流出して、周囲環境に害を及ぼすので、汚染地下水からフッ化物イオン除去するための処理が行われている。このような処理方法として、薬剤により汚染地下水のフッ化物イオンを不溶化して除去する汚染地下水の浄化方法が行われている。
特許文献1(特開2004−89816号)には、フッ素汚染土壌に、水硬性結合材を添加して混合してフッ化物イオンを不溶化すること、ならびに水硬性結合材にさらにカルシウム塩を加えることが記載されている。ここでは前記水硬性結合材として、ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント、特殊セメント、酸化マグネシウム、マグネシアセメント、石灰、これらの混合物などを使用することが示されているが、実際には実施例において、水硬性結合材としてポルトランドセメントが用いられている。
フッ素汚染土壌に、ポルトランドセメントのようなカルシウム化合物を添加して混合すると、土壌中のフッ化物イオンがカルシウム化合物と反応し、難水溶性のフッ化カルシウムを形成して不溶化する。このときポルトランドセメントを用いると、セメントによる固化作用も利用できるものと考えられている。ここで形成されるフッ化カルシウムは難水溶性であるため、不溶化物として析出する。しかし環境庁告示第46号の溶出試験を行うと、溶出検液のフッ化物イオン濃度は、多くの場合20 mg/L以下になり、10 mg/L以下となる場合もあるが、フッ化物イオンの土壌溶出量基準である0.8 mg/L以下には適合しない。
特許文献2(特開2005−815号)には、鉄水酸化物およびアルミニウム水酸化物の混合物と、アルミニウム固溶酸化マグネシウム粒子粉末とを含む透過性地下水浄化領域を、汚染地下水の流域に配置することにより、汚染地下水が透過性地下水浄化領域を透過する間に透過性浄化材に汚染物質が吸着させ、汚染物質を原位置で除去する汚染地下水の浄化方法が示されている。しかしこのような方法では、用いる透過性浄化材が高価である上、汚染濃度が高い場合には多量の処理剤が必要となるという問題点がある。
特開2004−89816号 特開2005−815号
本発明の課題は、安価な薬剤を少量用いて、簡単な操作で容易にかつ効率よくフッ素汚染地下水のフッ化物イオンを除去することができ、これにより低コストで浄化を行うことができるとともに、浄化水のフッ化物イオン濃度を低くすることができるフッ素汚染地下水の浄化方法を提案することである。
本発明は、次のフッ素汚染地下水の浄化方法である。
(1) フッ化物イオンが解離するフッ素汚染地下水を、
カルシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンをカルシウム化合物と反応させて不溶化して除去した後、
マグネシウム化合物層を通過させ、カルシウム化合物層から流出するフッ化物イオンをマグネシウム化合物と反応させて不溶化して除去することを特徴とするフッ素汚染地下水の浄化方法。
(2) カルシウム化合物が、炭酸カルシウムまたは炭酸カルシウムを含む鉱物である上記(1)記載の方法。
(3) マグネシウム化合物が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイトから選ばれる1以上の化合物である上記(1)または(2)記載の方法。
(4) カルシウム化合物層およびマグネシウム化合物層が、カルシウム化合物もしくはマグネシウム化合物の充填層、またはカルシウム化合物もしくはマグネシウム化合物と透水性材料との混合物の充填層である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) マグネシウム化合物層を通過させた後、中和剤層を通過させてpH調整する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(6) フッ素汚染地下水が流れる流域にカルシウム化合物層およびマグネシウム化合物層を設けて、フッ素汚染地下水を順次通過させ、フッ化物イオンを除去する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の方法。
(7) フッ素汚染土壌および/またはフッ素汚染地下水が存在する区域を取り囲むように遮水壁を設置し、遮水壁の内側のフッ素汚染地下水を浄化する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の方法。
(8) カルシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンをカルシウム化合物と反応させて不溶化して除去した後の地下水のフッ化物イオン濃度が10mg/L以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の方法。
本発明において、処理の対象となるフッ素汚染地下水は、フッ化物、ホウフッ化物、その他のフッ素化合物等で汚染され、フッ化物イオンが解離する地下水である。このようなフッ素汚染地下水は、通常の地下水として流出するものの他に、フッ素汚染土壌から流出する地下水も含まれる。フッ素汚染地下水が流出するフッ素汚染土壌は、フッ化物、ホウフッ化物、その他のフッ素化合物等で汚染され、フッ化物イオンが解離して溶け込んだ汚染地下水が流出する土壌である。解離または溶出するフッ化物イオンは、地下水または土壌中に解離状態で存在するものの他に、不溶解状態で存在する塩から解離して来るものを含む。
本発明では、このようなフッ素汚染地下水を、カルシウム化合物層を通過させた後、マグネシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンを除去することによりフッ素汚染地下水を浄化する。マグネシウム化合物層を通過した処理水がアルカリ性となっている場合には、さらに中和剤層を通過させてpH調整することができる。
カルシウム化合物としては、炭酸カルシウムまたは炭酸カルシウムを含む鉱物などがあげられる。これらのカルシウム化合物の中では、炭酸カルシウムが好ましい。カルシウム化合物層は、これらの単独、あるいは2種以上の混合物の充填層、またはこれらと透水性材料との混合物の充填層などがあげられる。カルシウム化合物と混合して用いる透水性材料としては、砂、砕石等があげられる。
マグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイトなどがあげられる。これらのマグネシウム化合物の中では、酸化マグネシウムが好ましい。マグネシウム化合物層は、これらの単独、あるいは2種以上の混合物の充填層、またはこれらと透水性材料との混合物の充填層などがあげられる。マグネシウム化合物と混合して用いる透水性材料としては、砂、砕石等があげられる。
中和剤としては、酸性白土、活性白土、珪藻土、腐植土、火山灰土壌、弱酸性イオン交換樹脂などがあげられる。これらの中和剤の中では、酸性白土が好ましい。中和剤層は、これらの単独、あるいは2種以上の混合物の充填層、またはこれらと透水性材料との混合物の充填層などがあげられる。
カルシウム化合物、マグネシウム化合物、中和剤および透水性材料は、それぞれ粒径0.01〜4mm、好ましくは0.2〜3mmのものを用いることができる。透水性材料を混合する場合のカルシウム化合物またはマグネシウム化合物は、透水性材料との混合物全体の体積の10〜80%、好ましくは20〜50%とすることができる。
これらを充填したカルシウム化合物層、マグネシウム化合物層または中和剤層の充填厚さ(地下水の通過方向の厚さ)は、フッ素汚染地下水が通過してフッ化物イオンが除去され、あるいは中和されるのに十分な厚さであり、フッ素汚染地下水のフッ化物イオンの形態、濃度、流速等の条件により異なるが、一般的には、20〜500cm、好ましくは50〜200cmとすることができる。
カルシウム化合物層、マグネシウム化合物層または中和剤層の形態、形成方法、処理方法等は、汚染区域の形態、汚染地下水の得られ方、処理形態等により異なるが、カラム等に充填したこれらの浄化設備を地上あるいは地下に浄化装置として設置し、流出する地下水、あるいはポンプ等で汲み上げた地下水を上記充填層に通す方法が採用できる。このほか汚染現場の地中に浄化設備としてカルシウム化合物、マグネシウム化合物または中和剤を充填して充填層を形成し、地下水を直接通過させる方法などが採用できる。
地中に充填して充填層を形成するには、地中に形成した穴(トレンチ)に、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、中和剤等の材料を単独で、または透水性材料と混合して充填し、浄化設備とすることができる。この場合、各層間に網、透水性材料層等の水透過性の層を形成し、各層の充填物が混和しないようにするとともに、各層に均一に汚染地下水が流れるようにすることができる。また浄化設備の外壁部には矢板、コンクリート壁等により遮水壁を設け、周囲の地下水が短絡して流出するのを防止するのが好ましい。透水性材料層の充填厚さ(地下水の通過方向の厚さ)は、各層が混和し、あるいは地下水中の土壌成分が閉塞するのを防止するのに十分な厚さであり、一般的には
10〜150cm、好ましくは20〜50cmとすることができる。
汚染地下水が流れる流域の地中に充填して充填層を形成する場合、カルシウム化合物層、マグネシウム化合物層および中和剤層は、汚染地下水が流れる流域、特に汚染区域の下流側に、地下水が通過する方向に上記順序で並べて配置して浄化設備を形成することがでるが、各層の前後および中間に透水性材料層を形成するのが好ましい。この場合、遮水壁等によりファネル状に地下水を集め、ゲート部に上記充填層を配置するファネル・アンド・ゲート方式を採用することができる。透水性材料層を形成する透水性材料としては、前記と同様のものが用いられる。
フッ素汚染土壌および/またはフッ素汚染地下水が存在する汚染区域のフッ素汚染地下水を浄化する場合は、フッ素汚染土壌および/またはフッ素汚染地下水が存在する汚染区域を取り囲むように遮水壁を設置して原位置封じ込め措置を行い、遮水壁の開口部(地下水の流出口)付近に上記のカルシウム化合物層、マグネシウム化合物層および中和剤層設置して、遮水壁の内側のフッ素汚染地下水を通過させて浄化するように形成するのが好ましい。この場合は、透水性材料からなる集水路を通して汚染地下水を集め、上記充填層に通過させて浄化することができる。遮水壁で封じ込めた汚染区域と非汚染区域間に水位差がある場合には、浄化水は溢流口を通して流出させることができるが、水位差がない場合には、浄化水を下水道等に排出する排水路を設けることができる。
本発明では、フッ素汚染地下水を、カルシウム化合物層を通過させた後、マグネシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンを不溶化して除去する。この場合、フッ素汚染地下水がカルシウム化合物層を通過する際、フッ化物イオンがカルシウム化合物と反応してフッ化カルシウムが形成され、これによりフッ化物イオンが不溶化して除去される。このとき通常フッ素汚染地下水に含まれる数十mg/Lのフッ化物イオンは、カルシウム化合物層で除去されて10mg/L以下の濃度に低下する。このようにカルシウム化合物層から低濃度のフッ化物イオンがカルシウムイオンとともに流出するが、これらがマグネシウム化合物層を通過する際、マグネシウム化合物と反応して除去され、流出するフッ化物イオン濃度は低くなる。
これにより地下水中のフッ化物イオン濃度は0.8 mg/L以下となり、地下水基準に適合する結果が得られる。フッ化マグネシウムの溶解度はこれより高いので、本発明では、予想外のフッ化物イオン除去効果が得られることがわかる。後述の実施例で示すように、マグネシウム化合物層だけでもフッ化物イオン除去効果が得られるが、カルシウム化合物層との組合わせによりフッ化物イオン除去効果を長く持続させることができる。
以上の通り本発明によれば、フッ化物イオンが解離するフッ素汚染地下水を、カルシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンをカルシウム化合物と反応させて不溶化して除去した後、マグネシウム化合物層を通過させ、カルシウム化合物層から流出するフッ化物イオンをマグネシウム化合物と反応させて不溶化して除去することにより、安価な薬剤を少量用いて、簡単な操作で容易にかつ効率よくフッ素汚染地下水のフッ化物イオンを除去することができ、これにより低コストで浄化を行うことができるとともに、浄化水のフッ化物イオン濃度を低くすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の一実施形態のフッ素汚染地下水の浄化方法を示し、(a)は(b)のA−A面における水平断面図、(b)は(a)のB−B面における垂直断面図である。図1において、1は汚染区域、2は非汚染区域、3は透水性土壌層、4は非透水層、5は地下水面、矢印6、7は地下水流の方向、8は遮水壁、9はゲート、10は浄化設備、11はカルシウム化合物層、12はマグネシウム化合物層を示す。
図1では、汚染区域1から非汚染区域2に向かって、フッ素汚染地下水が矢印6、7の方向に流れているので、ファネル・アンド・ゲート方式により浄化する例を示す。汚染区域1と非汚染区域2の間に、矢板、パイル等を連続するように地上から非透水層4に至るまで打ち込み、あるいはコンクリートを注入して硬化させることにより、ファネル状の遮水壁8を形成し、その下流端の遮水壁8のないゲート部9を閉じるように、地下水流の上流側から順次カルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12を配置して、浄化設備10を形成する。
これによりフッ素汚染地下水が汚染区域1から矢印6、7の方向に流れ、浄化設備10のカルシウム化合物層11を通過してフッ化物イオンの一部が除去され、その後マグネシウム化合物層12を順次通過することにより、フッ化物イオンがさらに除去され、フッ化物イオンが除去された浄化水となって非汚染区域2に流出する。浄化水を下水道等へ排出するようにしてもよい。
図1において、遮水壁8および浄化設備10の上端部は地下水面5より上に突出していればよいので、図1のように透水性土壌層3に埋没していてもよく、また地表に突出していてもよい。また遮水壁8を省略して、フッ素汚染地下水の流れを横切るように浄化設備10を形成してもよい。
図2は原位置封じ込め措置を行い、汚染地下水を浄化する例を示す。図2(a)はこの実施形態のフッ素汚染地下水の浄化方法を示す平面図、(b)は他の実施形態を示す(a)のC部相当拡大平面図、(c)はさらに他の実施形態を示す(b)のD−D断面図である。図2において、図1と同符号は同一または相当部分を示す。21は遮水壁8の上部に設けられた排出部、22は集水路、23排水ピット、24は排水路である。
図2では、汚染区域1を取り囲むように連続して、矢板、パイル等を地上から非透水層4に至るまで打ち込み、あるいはコンクリートを注入して硬化させることにより遮水壁8を設置して原位置封じ込め措置を行い、汚染区域1を非汚染区域2から分離する。遮水壁8の上部に設けた排出部21に隣接して浄化設備10を設けるが、この浄化設備10と接続するように、汚染区域1内には、砂等の透水性材料を連続するように配置して集水路22を形成している。浄化設備10は図1と同様に、汚染区域1の内側すなわち集水路22側から順次カルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12を配置して形成されている。浄化設備10の外壁部には矢板、コンクリート壁等により遮水壁25を設け、周囲の地下水が短絡して流出するのを防止している。
汚染区域1と非汚染区域2間に汚染地下水の水位差を形成できる場合には、図2(a)のように、部分的に遮水壁8の上縁部に溢流口からなる排出部21を設け、集水路22と排出部21間にこれらと隣接して浄化設備10を設け、集水路22側から順次カルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12を配置する。
図2(b)は、汚染区域1と非汚染区域2間に汚染地下水の水位差を形成できない場合の例であり、浄化設備10に排水ピット23を設け、浄化水を下水道等に排出するように排水路24で連絡する。図2(c)は、図2(b)における浄化設備10の順次カルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12の前、中間、後部に、透水性材料層26、27、28を設ける例である。
図2(a)〜(c)では、汚染区域1内のフッ素汚染地下水を砂等の透水性材料を配置した集水路22を通して集水し、浄化設備10の集水路22側から順次カルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12を通過させることにより、フッ化物イオンを除去する。フッ化物イオンが除去された浄化水は、図2(a)では溢流口からなる排出部21を通して非汚染区域2に排出し、図2(b)、(c)では、排水ピット23に集めて排水路24から下水道等に排出する。図2(c)では浄化設備10は、透水性材料層26、27、28がカルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12の前、中間、後部に設けられているため、各層の充填物が混和しないようにされるとともに、フッ素汚染地下水を浄化設備10に通過させる際、各層に均一に汚染地下水が流れるように分配され、処理効率が高くなる。
図1および2では、浄化設備10はカルシウム化合物層11およびマグネシウム化合物層12からなる例を示しているが、浄化水がアルカリ性の場合には、マグネシウム化合物層12の後流に中和剤層を設けることができる。この場合もその前、後部に透水性材料層設けることができる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
〔比較例1〕:
平均粒径1.8mmの酸化マグネシウム40cmと、平均粒径1.7mmの砂90cmとを混合し充填した直径3cmのカラムに、フッ化物イオン18mg/Lのフッ素汚染地下水を100mL/日で通水した。所定日数経過ごとにカラム出口のフッ化物イオン濃度を測定した結果を図3に示す。その結果、約100日経過した時点でカラム出口より地下水基準を超える濃度のフッ化物イオンが検出されたことがわかる。
〔実施例1〕:
平均粒径2.2mmの炭酸カルシウム(寒水石)を100cmを充填した直径3cmのカラムに、フッ化物イオン18mg/Lのフッ素汚染地下水を100mL/日で通水したところ、カラムでの出口のフッ化物イオン濃度は5.5mg/Lであった。この炭酸カルシウム充填カラムを通過した地下水を、比較例1と同様に酸化マグネシウム40cmと砂90cmとを混合し充填したカラムに、連続して通水した。所定日数経過ごとにカラム出口のフッ化物イオン濃度を測定した結果を図3に示す。その結果、約200日間経過した時点において、このカラムの出口のフッ化物イオン濃度は0.2mg/L未満であることがわかる。
〔実施例2〕:
実施例1のカラム出口の浄化水のpHを測定したところ、pHは10前後であったので、平均粒径3mmの酸性白土100cmを充填した直径3cmのカラムに上記浄化水を通水し、出口のpHを測定した。その結果、酸性白土充填カラム出口での浄化水のpHは約8付近であった。
フッ素汚染地下水を、薬剤により不溶化して浄化するフッ素汚染地下水の浄化方法、特にフッ素汚染現場においてフッ素汚染地下水を浄化する浄化方法に利用可能である。
実施形態のフッ素汚染地下水の浄化方法を示し、(a)は(b)のA−A面における水平断面図、(b)は(a)のB−B面における垂直断面図である。 (a)は別の実施形態のフッ素汚染地下水の浄化方法を示す平面図、(b)は他の実施形態を示す(a)のC部相当拡大平面図、(c)はさらに他の実施形態を示す(b)のD−D断面図である。 実施例1および比較例1の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 汚染区域、2 非汚染区域、3 透水性土壌層、4 非透水層、5 地下水面、8 遮水壁、9 ゲート、10 浄化設備、11 カルシウム化合物層、12 マグネシウム化合物層、21 排出部、22 集水路、23 排水ピット、24 排水路、25 遮水壁、26、27、28 透水性材料層

Claims (8)

  1. フッ化物イオンが解離するフッ素汚染地下水を、
    カルシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンをカルシウム化合物と反応させて不溶化して除去した後、
    マグネシウム化合物層を通過させ、カルシウム化合物層から流出するフッ化物イオンをマグネシウム化合物と反応させて不溶化して除去することを特徴とするフッ素汚染地下水の浄化方法。
  2. カルシウム化合物が、炭酸カルシウムまたは炭酸カルシウムを含む鉱物である請求項1記載の方法。
  3. マグネシウム化合物が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイトから選ばれる1以上の化合物である請求項1または2記載の方法。
  4. カルシウム化合物層およびマグネシウム化合物層が、カルシウム化合物もしくはマグネシウム化合物の充填層、またはカルシウム化合物もしくはマグネシウム化合物と透水性材料との混合物の充填層である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. マグネシウム化合物層を通過させた後、中和剤層を通過させてpH調整する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. フッ素汚染地下水が流れる流域にカルシウム化合物層およびマグネシウム化合物層を設けて、フッ素汚染地下水を順次通過させ、フッ化物イオンを除去する請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. フッ素汚染土壌および/またはフッ素汚染地下水が存在する区域を取り囲むように遮水壁を設置し、遮水壁の内側のフッ素汚染地下水を浄化する請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. カルシウム化合物層を通過させ、フッ化物イオンをカルシウム化合物と反応させて不溶化して除去した後の地下水のフッ化物イオン濃度が10mg/L以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
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