JP2008100161A - カルシウムスケールの除去方法並びにそのための集排水管構造及び集排水管 - Google Patents

カルシウムスケールの除去方法並びにそのための集排水管構造及び集排水管 Download PDF

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Abstract

【課題】廃棄物最終処分場に配設される浸出水集排水管において、管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去する方法を提案する。
【解決手段】集排水管5の管内を上下に分割する水平方向配置の仕切板10によって仕切り、上部側空間をカルシウムスケールCSを分解可能な液性の分解除去剤Rが供給されるとともに、下面側に形成された多数の通孔12,12…を通して集排水管5内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路RFとする。また、前記分解除去剤用流路RFの上流部に前記分解除去剤Rを注入するために縦方向配置の注入管11を接続する。前記注入管11より前記分解除去剤Rを定期的に注入することによって、前記集排水管5内に付着したカルシウムスケールを除去する。
【選択図】図3

Description

本発明は、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管において、前記集排水管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去するための方法並びにそのために集排水管構造及び集排水管に関する。
従来より、廃棄物は、廃棄物最終処分場へ直接埋め立てられるか、焼却処理後に焼却残渣として埋め立てられていた。ところが近年では、減容化や殺菌などの観点から、後者のように廃棄物を焼却処理して焼却残渣として埋め立てる割合が増加してきている。前記焼却残渣には、廃棄物の燃焼に伴う有害ガスを処理する目的で大量の消石灰が使用されているため、高濃度のカルシウムが含有されている。したがって、埋め立てられた焼却残渣から浸出する浸出水に、カルシウムが高い割合で含有され、この浸出水に含まれるカルシウム成分がカルシウムスケールとして付着、沈積又は蓄積して様々な問題を引き起こしている。具体的には、最終処分場においては、浸出水を集水して場外に速やかに排出する目的で最終処分場に配設される集排水管の内壁に付着して、管の閉塞による排水性の低下などの問題を生じ、集排水した浸出水を処理する水処理施設においては、配管、貯留槽、ポンプなどの内部に付着、沈積し、管の閉塞、フィルターの目詰まり又はポンプのインペラへの大量付着による過負荷などの問題を生じている。
このような問題に鑑みて、下記特許文献1では、浸出水の水処理施設におけるカルシウムスケールを防止するため、カルシウムおよび炭酸イオンを含有する浸出水などの廃水からのカルシウムのスケーリングを防止するカルシウムスケーリング防止方法であって、前記廃水中のカルシウム濃度、全無機炭素濃度およびpHをモニターすることにより、カルシウムスケールの生成量を予測して、スケーリング防止対策の必要性を判断し、この判断に基づいて、カルシウムの除去或いは無機炭素の除去の方法を実施するカルシウムスケーリング防止方法が提案されている。そして、具体的なカルシウムスケーリング防止対策としては、スケーリング防止剤の添加もしくは炭酸ナトリウムなどを用いた凝集沈殿によるカルシウムの除去方法、あるいは液を酸性にするとともにばっ気することによる無機炭素除去方法(酸性ばっ気処理)などが提案されている。
また、下記特許文献2では、一般の工業排水処理場や公共下水処理場の汚泥用凝集剤として多用されている消石灰懸濁液の汚泥凝集効果に影響することなく、消石灰懸濁液の調整槽、移送配管、遠心脱水機内、遠心脱水機フィルターおよび排水配管内等への炭酸カルシウムスケールの付着、蓄積を防止するため、消石灰懸濁液を用いた汚泥凝集処理工程において、該消石灰懸濁液による炭酸カルシウムスケールの抑制剤であって、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を構成単位として含む共重合体および/又はその水溶性塩を含有する消石灰懸濁液による炭酸カルシウムスケールの抑制剤が提案されている。
特開平7−185590号公報 特開2006−43600号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2記載のカルシウムスケーリング防止方法は、集排水した浸出水を処理するための水処理施設における対策手段であって、一旦沈殿槽に貯留した処理水に凝集剤を添加して固液分離する凝集沈殿法などによってカルシウム成分を除去する方法であるため、かかる除去方法は、処理水を貯留することができる水処理施設においては有効であるものの、浸出水を集排水するために埋立地底部に埋設され、浸出水が直接浸入する集排水管におけるカルシウムスケールの防止方法としては有効でなかった。
このように、廃棄物最終処分場における浸出水によるカルシウムスケールの除去対策は、水処理施設においては上記特許文献1及び2記載の方法などにより比較的容易に行われるが、最終処分場に埋設された集排水管に対しては、これまで殆ど行われていなかった。ところが、集排水管内にカルシウムスケールが付着して集排水管が閉塞すると、最終処分場内の排水性が低下して、埋立地内の滞水位が上昇し、降雨時には浸出水のオーバーフローによって地下水汚染等の問題が生じ得る。そのため、最終処分場に配設される集排水管内のカルシウムスケール除去は重要な課題である。
そこで本発明の主たる課題は、廃棄物最終処分場に配設される浸出水集排水管において、管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去する方法並びにそのための集排水管構造及び集排水管を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管において、前記集排水管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去するための方法であって、
前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するために注入管が接続され、
前記注入管より前記分解除去剤を定期的に供給することによって、前記集排水管内に付着したカルシウムスケールを除去することを特徴とするカルシウムスケールの除去方法が提供される。
請求項2に係る本発明として、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管において、前記集排水管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去するための方法であって、
前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、底面に形成された多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するための注入管が接続され、
前記注入管より前記分解除去剤を定期的に供給することによって、前記集排水管内に付着したカルシウムスケールを除去することを特徴とするカルシウムスケールの除去方法が提供される。
上記請求項1,2記載の本発明は、集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、任意に或いは底面に形成された多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路を形成し、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するための注入管を接続するようにした。すなわち、集排水管内に直接的に分解除去剤を注入した場合には、分解除去剤が特定部分を流下するようになるため、堆積したカルシウムスケール全体を均等に除去することができない問題点に鑑み、本発明では特に、管内の上部位置に別途、分解除去剤用流路を形成し、この分解除去剤流路に分解除去剤を供給し、通孔を通して上面側から分解除去剤を散布するようにした。従って、前記注入管から前記分解除去剤を定期的に注入することによって、分解除去剤が堆積したカルシウムスケールの全体に散布されるようになるため集排水管内に堆積したカルシウムスケールを効果的に除去することが可能となる。
請求項3に係る本発明として、前記分解除去剤用流路には、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板が立設されている請求項1、2いずれかに記載のカルシウムスケールの除去方法が提供される。
上記請求項3記載の本発明は、前記分解除去剤用流路に、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板を立設するようにしたものである。仮に、分解除去剤用流路の流路面積が大きく、かつ堰板を有せず流路終端を閉塞板で塞いだ分解除去剤流路に対して、分解除去剤を供給した場合には、分解除去剤は早い速度で流下し、上流側に分解除去剤を効果的に散布できなくなってしまう問題が発生するため、本請求項3記載の発明では、流水方向に所定の間隔で堰板を設け、堰板部位毎にその上流側に所定の水位を確保できるようにしたため、上流側から下流に亘って均一に前記分解除去剤を散布できるようになる。
請求項4に係る本発明として、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管構造であって、
前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するために注入管が接続されていることを特徴とする集排水管構造が提供される。
請求項5に係る本発明として、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管構造であって、
前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、底面に形成された多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するための注入管が接続されていることを特徴とする集排水管構造が提供される。
請求項6に係る本発明として、前記集排水管は、管内を上下に分割する水平方向配置の仕切板によって仕切られ、上部側空間を前記分解除去剤用流路としている請求項4、5いずれかに記載の集排水管構造が提供される。
上記請求項6記載の発明は、分解除去剤用流路の形成態様の一例を示したものである。前記分解除去剤用流路としては、集排水管内を上下に分割する水平方向配置の仕切板によって仕切り、上部側空間を前記分解除去剤用流路とすることができる。
請求項7に係る本発明として、前記集排水管内の上部側に別途管材を配設し、この管材を前記分解除去剤用流路としている請求項4,5いずれかに記載の集排水管構造が提供される。
上記請求項7記載の発明は、分解除去剤用流路の形成態様の一例を示したものである。前記分解除去剤用流路としては、集排水管内の上部側に別途管材を配設し、この管材を前記分解除去剤用流路とすることができる。
請求項8に係る本発明として、前記分解除去剤用流路には、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板が立設されている請求項4〜7いずれかに記載の集排水管構造が提供される。
上記請求項8記載の発明は、分解除去剤用流路に、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板を設けるようにしたものであり、上記請求項3の欄で詳述したように、堰板配設部毎にその上流側に所定の水位を確保できるようになるため、上流側から下流に亘って均一に前記分解除去剤を散布できるようになる。
請求項9に係る本発明として、前記堰板で区切られた複数区間を1ブロックとして前記分解除去剤用流路を仕切り、各ブロック毎に、前記分解除去剤を供給するための注入管を接続してある請求項8記載の集排水管構造が提供される。
上記請求項9記載の本発明は、堰板で区切られた複数区間を1ブロックとして前記分解除去剤用流路を仕切り、各ブロックの上流部に前記分解除去剤を注入するための注入管を接続したものであり、各ブロック毎に分解除去剤を確実に散布出来るようになる。
請求項10に係る本発明として、管内の上部位置に、流水方向に沿って、前記カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成されたことを特徴とする集排水管が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、廃棄物最終処分場に配設される浸出水集排水管において、管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明に係るカルシウムスケール除去方法を採用した廃棄物最終処分場1(以下、最終処分場1という)の外観図であり、図2はそのII−II断面図である。
最終処分場1は、図1及び図2に示されるように、埋め立てられた焼却残渣や廃棄物(以下、焼却残渣2という)からの浸出水が地下水層へ漏洩しないよう遮水材3が敷設された窪地からなり、この窪地には、前記焼却残渣2から浸出した浸出水を、窪地外又は窪地内(図示例では窪地外)に設けられた集水ピット4に送るための集排水管Pが配設される。前記集排水管Pは、例えば図1に示されるように、最終処分場1の底部に配設され自然流下によって前記集水ピット4への排水が可能なように勾配が設けられた有孔管からなる底部集排水管幹線5と、該底部集排水管幹線5の側部に配設され、自然流下によって前記底部集排水管幹線5への排水が可能なように勾配が設けられた有孔管からなる底部集排水管支線6と、該底部集排水管支線6の端部に配設され、窪地の法面に沿って設けられた有孔管からなる法面集排水管7と、前記底部集排水管幹線5の上部に、焼却残渣2の埋立表面から突出して設けられた有孔管からなる竪形集排水管8とから構成されている。なお、前記集排水管Pの周囲には、目詰まり防止のため栗石、砕石等の被覆材9が配設されている。なお、集排水管5〜8の管側面には、図4及び図5に示されるように、複数の浸入孔5a、5a…が形成され、焼却残渣2から浸出した浸出水が管内に浸入できるようになっている。
前記集排水管Pとして、有孔ヒューム管や、強化プラスチック管、硬質ポリエチレン管又は硬質塩化ビニル管などの合成樹脂管や、各種複合管など、一般的に集水管、排水管として用いられている材質のものを使用することができる。
近年、廃棄物の燃焼に伴う有害ガスを処理する目的で大量の消石灰が使用されるようになってきたため、前記焼却残渣2には高濃度のカルシウムが含有されている。このため、埋め立てられた焼却残渣2から浸出する浸出水にも、高濃度のカルシウムが含有されるようになり、この浸出水が流下する集排水管Pには、図3に示されるように、カルシウムスケールCSが付着、沈積する問題が生じている。
そこで本発明では、少なくとも前記底部集排水管幹線5に対し、好ましくはすべての集排水管5〜8に対して、カルシウムスケールの除去手段が施されている。以下、前記底部集排水管幹線5(以下、集排水管5ともいう)を例に採り、カルシウムスケールの除去手段について、図3〜図5に基づいて詳述する。
図3は、本発明に係る集排水管5の使用状態を示す軸方向断面図である。集排水管5は、図3に示されるように、埋め立てられた焼却残渣2から浸出した浸出水を場外に排出するため、下流側へ自然流下するように勾配が設けられ最終処分場1の底部に配設されている。
前記集排水管5の管内上部には、集排水管5に沿って、カルシウムスケールCSを分解可能な液性の分解除去剤Rが供給されるとともに、下面側に形成された多数の通孔12,12…を通して集排水管5内に前記分解除去剤Rを散布するための分解除去剤用流路RFが形成され、かつ前記分解除去剤用流路RFの上流部に前記分解除去剤Rを注入するために縦方向配置の注入管11が接続された構造となっている。
具体的には、前記集配水管5は、管内を上下に分割する水平方向配置の仕切板10によって仕切られ、上部側空間がカルシウムスケールCSを分解する分解除去剤R(溶液)が供給されるとともに、下面側に形成された多数の通孔12,12…を通して集排水管内に前記分解除去剤Rを散布するための分解除去剤用流路RFとされ、下部側空間が浸出水が流水するための浸出水用流路EFとなっている。
なお、図示例では、複数の集排水管5A〜5Cが1ブロックとされ、各ブロック毎に前記分解除去剤用流路RFの始端及び終端が仕切壁13,13によって閉塞され、各分解除去剤用流路RFの上部に注入管11が接続された構造となっている。また、前記分解除去剤用流路RFには、流水方向に間隔をおいて、分解除去剤Rを所定水位に堰き止めるための堰板14A、14Bが立設されている。
具体的に図3に示される例では、分解除去剤用流路RFは、3本の集排水管5A、5B、5Cを1ブロックとして区画割りされ、集排水管5Aにおいては、分解除去剤用流路RFの始端に仕切壁13を配設し、終端に堰板14Aを立設し、集排水管5Bにおいては、図4に示されるように、分解除去剤用流路RFの終端に堰板14Bを立設し、集排水管5Cにおいては、分解除去剤用流路RFの終端に仕切壁13を設けるようにしている。なお、前記ブロック割り及び堰板14の配設間隔は任意である。従って、集排水管5A〜5Cの中間部に堰板を設けることも可能である。
前記分解除去剤Rとしては、分解除去剤用流路RFから通孔12,12…を通して浸出水用流路EFに滴下されることにより、集排水管5内に堆積したカルシウムスケールを化学的作用により分解除去する効果を有する液性の薬剤が用いられる。かかる効果を有する分解除去剤としては市販されている任意のものを使用することができるが、好適には、例えば主として氷酢酸、クエン酸、過ギ酸及び過水の混合物からなる町田商事株式会社製のクリーピングA(商品名)が使用される。かかるクリーピングAは、スケールを炭酸ガス及び酸素等に分解する薬液であって、毒劇物のような刺激臭も無く、人体に害を及ぼす蒸気を発生させることがない。また、弱酸性液(食酢程度)であるため、各種の材質に影響なく使用することが可能である。
次に、本発明に係るカルシウムスケールの除去手順について詳述する。図3に示されるように、前述の構成からなる集排水管5が埋設された最終処分場1において、焼却残渣2から浸出した浸出水が浸入孔5a、5a…から集排水管5の浸出水用流路EFに浸入して流下すると、浸出水用流路EFにカルシウムスケールCSが付着、堆積する。そこで、前記注入管11から分解除去剤用流路RFに分解除去剤Rを定期的に供給する。この分解除去剤用流路RFに供給された分解除去剤Rは、分解除去剤用流路RFを流下し、その一部が通孔12、12…から下層の浸出水用流路EFに滴下されるが、集排水管5Aの下流端に立設された堰板14Aで堰き止められ堰板14Aの立設高さまでの水位で分解除去剤用流路RFに貯留される。このため、分解除去剤Rは、集排水管5A内に設けられた各通孔12、12…から、ほぼ均一に下層の浸出水用流路EFに滴下されるようになる。前記堰板14Aを溢流した分解除去剤Rは次の集排水管5Bの分解除去剤用流路RFに至り、同じように堰板14Bの立設高さまでの水位で分解除去剤用流路RFに貯留され、さらに前記堰板14Bを溢流した分解除去剤Rが集配水管5Cの分解除去剤用流路RFに至るようになっている。各集排水管5A〜5Cでは、前記堰板14A、14B、仕切壁13によって、所定水位で堰き止められているため、浸出水用流路EF内に均一に滴下されるようになる。これによって、集排水管5Aの浸出水用流路EFに付着したカルシウムスケールCSは、ムラ無く均一に除去することが可能となる。
前記分解除去剤Rは、1又は数ヶ月に1度の頻度で前記注入管11から注入するのが分解除去剤Rの使用量が節約でき好ましい。
また、上述した管構造及びカルシウムスケールの除去手段は、底部集排水管幹線5を例に詳述したが、前記底部集排水管支線6、法面集排水管7及び竪形集排水管8においても同様に適用することができる。
〔他の形態例〕
(1)前記集排水管5は、管内の上部側位置に水平方向配置で設置した仕切板10で仕切ることによって、上部側に分解除去剤用流路RFを形成するようにしたが、図6に示されるように、集排水管5内の上部位置に別途、管材15を設けることにより前記分解除去剤用流路RFとしても良い。前記管材15の断面形状は、円形、角形など任意とすることができる。この場合は、分解除去剤を散布するための通孔12は散布可能であれば、側面、底面などの任意箇所に形成することができる。
(2)上記形態例では、流水方向に間隔をおいて堰板14A、14Bを立設するようにしたが、前記分解除去剤用流路RFの流水面積が小さく、分解除去剤が充満され、通孔12から徐々に散水されるようにした場合には、前記堰板14A、14Bは省略することが可能である。
(3)上記形態例では、前記注入管11を縦方向配置で設置したが、縦方向配置には限定はされない。前記分解除去剤を前記分解除去剤用流路RFを供給できれば、例えば、傾斜して配置されていても良いし、任意の流路形状で配置されていても良い。
廃棄物最終処分場1の外観図である。 そのII−II断面図である。 本発明に係る集排水管5の使用状態を示す軸方向断面図である。 中間部の集排水管5Bを示す(A)は軸方向断面図、(B)はB−B断面図、(C)は側面図である。 その使用状態を示す斜視図である。 他の形態例に係る中間部の集排水管5Bの使用状態を示す斜視図である。
符号の説明
1…廃棄物最終処分場、2…焼却残渣、3…遮水材、4…集水ピット、5…集排水管(底部集排水管幹線)、6…底部集排水管支線、7…法面集排水管、8…竪形集排水管、9…被覆材、10…仕切板、11…注入管、12…通孔、13…仕切壁、14A・14B…堰板、15…管材

Claims (10)

  1. 廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管において、前記集排水管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去するための方法であって、
    前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するために注入管が接続され、
    前記注入管より前記分解除去剤を定期的に供給することによって、前記集排水管内に付着したカルシウムスケールを除去することを特徴とするカルシウムスケールの除去方法。
  2. 廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管において、前記集排水管内に堆積したカルシウムスケールを定期的に除去するための方法であって、
    前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、底面に形成された多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するための注入管が接続され、
    前記注入管より前記分解除去剤を定期的に供給することによって、前記集排水管内に付着したカルシウムスケールを除去することを特徴とするカルシウムスケールの除去方法。
  3. 前記分解除去剤用流路には、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板が立設されている請求項1、2いずれかに記載のカルシウムスケールの除去方法。
  4. 廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管構造であって、
    前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するために注入管が接続されていることを特徴とする集排水管構造。
  5. 廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物から浸出する浸出水を場外に排出するための集排水管構造であって、
    前記集排水管内の上部位置に、集排水管に沿って、カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、底面に形成された多数の通孔を通して集排水管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成され、かつ前記分解除去剤用流路に前記分解除去剤を供給するための注入管が接続されていることを特徴とする集排水管構造。
  6. 前記集排水管は、管内を上下に分割する水平方向配置の仕切板によって仕切られ、上部側空間を前記分解除去剤用流路としている請求項4,5いずれかに記載の集排水管構造。
  7. 前記集排水管内の上部側に別途管材を配設し、この管材を前記分解除去剤用流路としている請求項4,5いずれかに記載の集排水管構造。
  8. 前記分解除去剤用流路には、流水方向に間隔をおいて、前記分解除去剤を所定水位に堰き止めるための堰板が立設されている請求項4〜7いずれかに記載の集排水管構造。
  9. 前記堰板で区切られた複数区間を1ブロックとして前記分解除去剤用流路を仕切り、各ブロック毎に、前記分解除去剤を供給するための注入管を接続してある請求項8記載の集排水管構造。
  10. 管内の上部位置に、流水方向に沿って、前記カルシウムスケールを分解可能な液性の分解除去剤が供給されるとともに、多数の通孔を通して管内に前記分解除去剤を散布するための分解除去剤用流路が形成されたことを特徴とする集排水管。
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