JP2983209B1 - 浸透式排水処理装置及びその敷設方法 - Google Patents

浸透式排水処理装置及びその敷設方法

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JP2983209B1 JP26924798A JP26924798A JP2983209B1 JP 2983209 B1 JP2983209 B1 JP 2983209B1 JP 26924798 A JP26924798 A JP 26924798A JP 26924798 A JP26924798 A JP 26924798A JP 2983209 B1 JP2983209 B1 JP 2983209B1
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Abstract

【要約】 【課題】 下水道が完備しておらず家屋の間の距離が比
較的離れているような地域で、一般家庭等において、い
わゆる小型合併浄化槽又は(屎尿の)単独浄化槽で処理
されて排出された汚水(排水)を放出する際に用いら
れ、地下水を汚染させる虞が低く且つ土壌による汚水の
浄化作用を積極的に利用し得る浸透式排水処理装置を提
供すること。 【解決手段】 実質上地中に埋設され、合併浄化槽又は
単独浄化槽で浄化処理済の汚水Aを内部23に溜める中
空の溜め部形成体20であって、底部周面に該汚水Aの
流出を許容する開口24を備えたものと、地中におい
て、溜め部形成体20の外周に形成された浸透域拡大用
筒状石垣42であって、下端43において溜め部形成体
20の底部周面の開口24に連通されているもの42と
を有し、浸透域拡大用筒状石垣42が、小栗石状粒状体
41を多数個積み重ねることによって形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水道が完備して
いないような地域で、一般家庭において、合併浄化槽又
は単独浄化槽で浄化処理されて排出された汚水を放出す
る際に用いられる浸透式排水処理装置に係る。
【0002】この明細書において、「単独浄化槽」又は
「単独式浄化槽」とは、屎尿のみを処理する浄化槽であ
って生活雑排水や雨水などは処理しない(入れない)も
のを指し、「合併浄化槽」又は「合併式浄化槽」とは、
屎尿と生活雑排水(風呂、洗濯・掃除、及び台所の排
水)とを一緒に処理する浄化槽をいう。
【0003】
【従来の技術】公共下水道のない地域で、一般家庭にお
いて、いわゆる小型合併浄化槽で浄化処理された汚水を
地中に放出するものとして、従来、図7に示したような
所謂「浸透マス式」の排水処理装置101が知られてい
る。
【0004】愛知方式として知られているこの従来の排
水処理装置101では、地面102に掘った穴103の
底に、粒径が2〜5cm程度の玉砂利又は小栗石を敷い
た砕石層104を約30cm程度の厚さで形成し、その
上に、厚さ10cm程度で内径が120cm程度の両端
開口の円筒体からなるヒューム管105を立設し、ヒュ
ーム管105内で砕石層104上に、粒径が5mm〜1
cm程度の砂利の層106aと粒径が1〜3mm程度の
砂の層106bとからなる砂・砂利層106を30cm
程度の厚さで形成して、汚水が層106,104を介し
て下方向Uに浸透可能な排水収容空間108を形成して
いる。109は、合併浄化槽(図示せず)から排出され
た汚水を浸透マス式排水処理装置101内の排水収容空
間108内に導入する導入管で、導入管109は、合併
浄化槽の排出口(例えば、地下41cm程度)からの汚
水(排水)が1/100程度の勾配でヒューム管105
の室108内に流入するように、ヒューム管105の上
端開口から、例えば、70cm程度(ヒューム管の上端
を地面102から10cm上方に突出させるとすると地
面から60cm程度)の深さのところに設けられる。な
お、地面は、想像線102aで示したように、例えば半
円板状の、蓋110,111の上面と一致していること
もある。ヒューム管105の長さ(深さ)は、合併浄化
槽を使用する世帯の人数に応じて、一人一日当たりの最
大設計排水量(典型的には0.2mで、例えば50%
程度の安全率をとった一人当たり排水量としては0.3
)を基準として、決定される。この例では、5人家
族で、240cm程度である。
【0005】この浸透マス式の排水処理装置101で
は、導入管109からV方向に導入された浄化槽の排水
は、排水処理空間108内に溜まる。処理空間108内
の排水は、重力の作用下で、砂・砂利層106にU方向
に浸透して砂・砂利層106で濾過された後、W方向に
砕石層104に入り、砕石層104を通って、地下11
2にZ方向に浸透していく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の浸透
マス式の排水処理装置101は、浄化槽からの排水を最
終的に地下の下方に浸透(重力浸透)させるもの、典型
的には、出来るだけ地下深く浸透させるように放出する
ものであり、地下水を汚染する虞が高い。
【0007】このような地下水の汚染を代償に小型合併
浄化槽などからの排水(汚水)を処理することが許容さ
れるのは人家の密集度が低い地域であって、上水道など
の水源として、地下水以外の水を主として用いる場合に
限られる。例えば、千葉県のように利根川水域を除いて
上水道の水源として用い得る大きな河川がないような地
域では、地下水が上水の水源として大きな割合を占める
から、地下水の汚染は、極力避ける必要がある。
【0008】なお、特開平10−113681号には、
生活排水を処理して中水を得ることを主たる目的とした
排水処理装置の技術が開示されているけれども、この装
置は、フィルタ(濾材)を充填した濾過層及び水中ポン
プを内部に備えた蒸散浸透中水槽を用いる比較的大規模
なものであって、一般家庭等で用い得るようなものでは
ないだけでなく、フィルタの交換や水中ポンプの定期的
な保守・点検などが不可欠であると考えられる。
【0009】本発明は、前記諸点に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、下水道が完備してお
らず家屋(人家)の間の距離が比較的離れているような
地域で、一般家庭等において、いわゆる小型合併浄化槽
又は単独浄化槽で処理されて排出された汚水(排水)を
放出する際に用いられ、地下水を汚染させる虞が低く且
つ土壌による汚水の浄化作用を積極的に利用し得る浸透
式排水処理装置及び方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の浸透式排水処理
装置は、前記した目的を達成すべく、実質上地中に埋設
され、合併浄化槽又は単独浄化槽で浄化処理済の汚水を
内部に溜める中空の溜め部形成体であって、底部周面に
該汚水の流出を許容する開口を備えたものと、地中にお
いて、溜め部形成体の外周に形成された浸透域拡大手段
であって、下端において溜め部形成体の底部周面の開口
に連通されているものとを有し、浸透域拡大手段は、排
出されるべき汚水の収容容積の割には外周の表面積が大
きく、溜め部形成体と協働して連通管を形成した状態に
おいて、溜め部形成体内の汚水の水位を実際上ほとんど
下げることなく、汚水がまわりの土壌と接触する表面積
を大きくし、周囲の土壌中に汚水が浸透・拡散し易くす
るように、小栗石状粒状体多数個積み重ねることによっ
て形成されている。
【0011】本発明の浸透式排水処理装置では、溜め部
形成体の底部外周に開口が形成されているから、合併浄
化槽又は単独浄化槽で浄化処理した排水が溜め部形成体
に流入すると該排水は溜め部形成体の底部外周の開口か
ら流出する。また、本発明の浸透式排水処理装置では、
下端において溜め部形成体の底部周面の開口に連通され
た浸透域拡大手段が溜め部形成体の外周に形成されてい
るから、溜め部形成体の底部外周の開口から流出した汚
水(排水)は、この開口で連通した浸透域拡大手段内に
入る。この浸透域拡大手段の内の汚水は、該浸透拡大手
段の外周からその周りの地中(土壌中)に浸透・拡散
し、その浸透・拡散の間に土壌中の微生物により汚水の
最終的な浄化が行われ得る。
【0012】更に、本発明の浸透式排水処理装置では、
浸透域拡大手段が溜め部形成体の外周に小栗石状粒状体
ないし粒状物(小栗石程度の大きさの粒状体ないし粒状
物)を多数個積み重ねることによって形成されているの
で、浸透域拡大手段は、その排水収容容積に比較して外
周の表面積が大きくなる。従って、溜め部形成体と協働
して連通管を形成した浸透域拡大手段は、汚水(排水)
の水位を実際上ほとんど下げることなく、汚水(排水)
がまわりの土壌と接触する表面積を大きくし、周囲の土
壌中に汚水が浸透・拡散し易くする。しかも、この接触
面積は溜め部形成体内の汚水の水位に依存するから、浄
化槽から溜め部形成体内への汚水の流入速度(流量)が
大きくなると溜め部形成体内の汚水水位の上昇に伴い、
浸透域拡大手段からの汚水の浸透・拡散速度が高められ
得る。
【0013】一方、小栗石状粒状体の隙間(間隙)はそ
の周囲の土壌の隙間と比較すると極めて大きく、土壌中
への汚水の浸透の際該小栗石状粒状体の隙間を通る排水
の流れ抵抗は実際上無視し得るから、小栗石状粒状体を
積み重ねてなる浸透域拡大手段は、流れ抵抗を増すこと
なく周囲の土壌に対する汚水の接触面積を上げ、該土壌
に対する浸透を容易にしている。
【0014】加えて、本発明の浸透式排水処理装置で
は、溜め部形成体の底部開口と同程度又はそれより上に
位置する浸透域拡大手段の外周面から実際上水平方向に
汚水が土壌中に浸透・拡散するので、溜め部形成体の埋
設位置から下方に汚水が浸透していくこと(特にいわゆ
る重力浸透)を避ける(最小限にする)ことも可能にな
り、地下水の汚染の虞を最小限にすることも可能にな
る。更に、本発明の浸透式排水処理装置では、主として
水平方向の浸透が起こるので、汚水の浸透する土壌領域
が地表面に比較的近い(地中の浅い)ところになるか
ら、太陽熱による地表面からの水の蒸発の影響で土壌が
乾燥状態に保たれ易い故、その浸透速度が比較的高くな
り得る。
【0015】また、本発明の浸透式排水処理装置では、
溜め部形成体と浸透域拡大手段とが溜め部形成体の底部
で連通されているから、微粒状汚泥等の微粒状固形物が
汚水中に浮遊・残存していても、該微粒状汚泥等が溜め
部形成体の底部に堆積することなく浸透域拡大手段の方
へ流出せしめられ得る。更に、浸透域拡大手段が小栗石
状流状体を積み重ねてなるので、外周に隣接する土壌中
等に由来する微生物が小栗石状粒状体の表面に付着して
微粒状汚泥など汚水中に残存する固形物の分解を助ける
ことも期待し得るから、浸透域拡大手段に汚水中の固形
物などが付着・堆積する虞も少ない。従って、本発明の
浸透式排水処理装置は、長期間の使用に際しても、目詰
まりなどの虞が少ない。
【0016】溜め部形成体は、合併浄化槽又は単独浄化
槽で浄化処理され排出された汚水を溜める室を形成する
空間を内部に有し機械的・化学的に安定である限り、そ
の形状はどのようなものでもよい。溜め部形成体の形状
は、典型的には、筒状であって、筒の横断面が円形であ
るけれども、横断面形状が楕円形や矩形や多角形であっ
てもよい。また、筒状体は、典型的には、その軸線方向
の位置(場所)によらず一定の断面積を有するけれど
も、所望ならば、下端側ほど細くなっていても、逆に下
端側ほど太くなっていても、また、上下方向の中間に太
い(大径)部分又は細い(小径)部分があってもよい。
なお、筒状体の周囲の土壌などは多かれ少なかれ水で軟
弱化するので、筒状体等の重量に起因する力がかかるの
を避けるべく、筒状体は、その軸線が実質上鉛直に向く
ように実質上直立状態に載置されることが好ましい。
【0017】溜め部形成体の材料は、機械的・化学的に
長期間安定である限り、いかなるものからなっていても
よく、汚水によって腐食されにくい金属材料でもよい
が、典型的には、コンクリート製の構造物からなる。溜
め部形成体の筒状体としては、ヒューム管(鉄条を芯体
にしたコンクリート管)でもよいけれども、本発明の排
水処理装置では、汚水が鉛直方向下方に重力浸透する従
来のいわゆる浸透マス方式のものと異なり、溜め部形成
体内の汚水がほぼ水平方向に浸透・拡散するので溜め部
形成体の周壁からの汚水の漏出を禁止する必要がないか
ら、コンクリート製の筒状体として、例えば、従来井戸
枠(いわゆる「井戸枠」ないし「井戸側」)として用い
られてきたより安価なコンクリート製の枠体(筒状体)
をそのまま用い得る。
【0018】溜め部形成体内の室(溜め部)の容積は、
該溜め部形成体に接続される小型合併浄化槽又は単独浄
化槽を使用する世帯の人数に基づいて、例えば、0.3
〜0.36m/人(通常の基準値0.2m/人に対
して例えば50〜80%程度の余裕を見込んだ値)の汚
水の排出があると想定して、決定される。このとき、例
えば、浸透域拡大手段からの浸透による汚水の流出速度
(単位時間あたり流量)と溜め部形成体内への汚水の流
入速度(単位時間あたり最大流量及び平均流量)とを考
慮して、室の容積を決めてもよいが、安全のために、従
来の浸透マス式の場合と同様に一日分の汚水は溜め得る
ようにするという基準で、室の容積を決めてもよい。
【0019】溜め部形成体として、コンクリート製の井
戸枠のような筒状体を用いる場合、底部周面に汚水の流
出を許容する開口を形成するように、筒状体の下に周方
向に間隔をおいて複数のスペーサ部材を配設しこのスペ
ーサ部材上に筒状体を配置する。勿論、所望ならば、ス
ペーサ部材を用いる代わりに又は用いると共に、筒状体
の周壁の下端部を切欠いて開口を形成していもよい。筒
状体としてコンクリート製の井戸枠(例えば、内径が9
0cm又は75cm程度、高さが60cm程度で、肉厚
が6cm又は5cm程度のもの)を用いる場合、スペー
サ部材は、典型的には、一辺が10cm程度(例えば1
0〜13cm程度)のコンクリートブロック(例えば、
「ピンコロ」と呼ばれるもの)からなる。スペーサ部材
は、例えば、数cm〜20cm程度の範囲内の所定の大
きさ、好ましくは、10cm程度(例えば10〜13c
m程度)の高さの開口を形成し得、且つ機械的及び化学
的に長期間安定である限り、その材料・形状はどのよう
なものでもよい。開口の高さが小さくなりすぎると、連
通路が細くなって溜め部形成体から浸透域拡大手段への
汚水のすみやかな流入が妨げられるので浸透域拡大手段
が有効に働きにくくなる虞があり、逆に開口の高さが大
きすぎると、浸透域拡大手段を形成する小栗石状粒状体
の積重ね体を安定に支持し難くなくなる虞がある。スペ
ーサ部材は、通常は、周方向にほぼ等間隔に配置される
が、場合によっては、周方向の間隔が一定でなくてもよ
い。スペーサ部材の数は、平面を規定し得るように、3
個以上であればいくつでもよいが、周方向の開口長を十
分に大きくとり得る限り、例えば、3〜4個程度でも、
それより多くても(例えば、6〜8個程度でも)よい。
但し、周方向の開口長を大きくとるためには、機械的強
度の観点でスペーサ部材の断面積の低減には限度がある
ことを考慮すると、スペーサ部材の数は余り多くないこ
とが好ましい。
【0020】溜め部形成体内の汚水溜め部が十分な容積
の室になるようにするためには、長い筒状体(好ましく
は、底部周面の開口と同程度の大きさの開口を上下方向
の中間部の周壁(周面)に形成したもの)を一つ用いて
もよいが、その代わりに、筒状体を複数段に、即ち、複
数個積み重ねてもよい。但し、筒状体が全体として長く
なりすぎると地下の深いところに筒状体の底部が位置す
ることになって地下深くで汚水の浸透・拡散を行わせる
ことになってしまうから、典型的には、筒状体の長さが
150cm程度以下になるように、積重ねの段数を選択
することが好ましい。筒状体を複数段に積重ねる場合、
相互に積重ねられる筒状体の隣接端面の間で周方向の複
数箇所に上記のようなスペーサ部材を配置することが好
ましい。このスペーサ部材によって、溜め部形成体の上
下方向の中間部の周面にも開口が形成されることにな
る。このようにすることによって、安価な井戸枠(井戸
側)の使用が可能になるだけでなく、浸透域拡大手段へ
の汚水の流入がより速やかに行われ得る。すなわち、浸
透域拡大手段の下端側から汚水が流入する場合でも、該
手段の間隙にある気体が中間の開口部を介して浸透域拡
大手段から溜め部形成体内に放出され得るから、連通管
を介した汚水の流入がより速やかに行われ得る。しか
も、溜め部形成体内の汚水の水位が上がった場合には、
一種のオーバーフロー作用が生じて浸透域拡大手段の上
下方向の中間部からも汚水が流入せしめられ得るから、
浸透域拡大手段への汚水の流入がより速やかに行われ得
る。なお、スペーサ部材の大きさや数、及び周方向の間
隔などは、底部と中間部とで同一でも異なっていてもよ
い。また、小栗石状粒状体を多数個積重ねてなる浸透域
拡大手段は粒状体間の間隙を流れる水に対する流れ抵抗
が小さいので、筒状体の底部周面の開口から流出した汚
水が浸透域拡大手段内に速やかに拡がり得ることを考慮
すると、積み重ねた筒状体の間には、スペーサ部材を配
設しなくてもよい。
【0021】勿論、各筒状体とその底部(又は頂部)の
スペーサ部材とを別部材にする代わりに一体に形成して
も、筒状体とスペーサとを別部材で且つ異なる材料で形
成してもよい。
【0022】溜め部形成体内の室の容積を大きくするた
めには、筒状体を複数段に(即ち複数個)積み重ねる代
わりに、2つ又は3つ以上の溜め部形成体を並設しても
よい。また、筒状体を複数個積み重ねてなる溜め部形成
体を2つ又は3つ以上並設してもよい。典型的には、2
段に積重ねた筒状体を、所望の容積を与えるに必要な数
だけ並設することが好ましい。溜め部形成体を複数個並
設する場合、家屋の隣接壁面(又はその基礎部)に平行
に配設することによって、家屋との距離を出来るだけ大
きくとる(例えば少なくとも、1.5m若しくは2m程
度、又はそれ以上)ことが好ましい。
【0023】溜め部形成体を形成する筒状体を積み重ね
るかどうかは、筒状体の上端が地表に僅かに(例えば1
0cm程度)突出するように筒状体を地中に埋設すると
いう条件下で、例えば、積み重ねた筒状体の全体の高さ
(深さ)と地下の地層との関係を考慮して、特に、地下
水の流れる層に汚水が混入する虞がないように、筒状体
の底部が地下水の水位及び地下水の流れる層より十分に
上方に位置するように決定される。なお、溜め部形成体
に関して、「実質上地中に埋設」とは、溜め部形成体の
大半の部分が地中に埋設されていることをいい、雨水が
上部から溜め部形成体内に流入するのを避けるように上
端がある程度(例えば5cm〜10cm程度)地上に突
出することを排除する趣旨ではない。なお、溜め部形成
体が上端に開口を有する筒状体からなる場合、上端の開
口は、開閉可能な蓋体によって閉じられる。但し、溜め
部形成体の上面ないし頂面は、実質上、地面(地表面)
と一致していてもよい。
【0024】溜め部形成体を形成する筒状体の上部の周
壁には、浄化槽から排出された処理済みの汚水を溜め部
形成体の室内に導入する導入管が取付けられている。こ
の導入管は、好ましくは、浄化槽からの汚水が自然に流
れ落ちてくるように、浄化槽の排水口よりも少し低いと
ころに導入口を有する。本発明の排水処理装置は、周囲
の土壌中に水を浸透・拡散させ多少なりとも軟弱化させ
るので、浄化槽(の本体)からある程度離れたところ
(例えば、2m以上離れたところ)に配設するのが好ま
しい。なお、筒状体(またはその積重ね体)を複数個並
設する場合には、浄化槽からの汚水を直接導入する導入
管を、並設した夫々の筒状体(積重ね体)に取付けて
も、一の筒状体(積重ね体)のみに導入管を取付けて並
設された別の筒状体(積重ね体)には底部周面の開口と
浸透域拡大手段とからなる連通路を介して一の筒状体
(積重ね体)からの汚水が導入されるようにしてもよ
い。なお、本発明の排水処理装置に導入される汚水は、
(典型的には小型の)合併浄化槽若しくは単独浄化槽で
浄化処理された排水又はそれと実質上同質の排水であ
る。例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩のような石鹸状の
成分を含む風呂や台所からの生活雑排水そのものは、合
併浄化槽で処理した後導入される。
【0025】浸透域拡大手段は、溜め部形成体の外周に
おいて、好ましくは周方向の全域に形成される。但し、
場合によっては、周方向の一部(例えば家屋に面する
側)には、形成しなくてもよい。浸透域拡大手段は、上
下方向には、典型的には、溜め部形成体の底部開口にほ
ぼ一致する個所又はそれよりも少し下から該筒状構造体
の上端近傍までの範囲にわたって形成される。筒状構造
体の底部外周から排出される汚水中の微少固形物が開口
近傍に堆積するのを避け得るように、浸透域拡大手段の
下端は、溜め部形成体の底部開口と実質上一致する個所
又はそれよりも若干下方まで延びていることが好まし
い。但し、汚水が下方に拡がるのを最小限にすべく、浸
透域拡大手段の下端は、溜め部形成体の底部開口の下端
とほぼ同程度の深さであることが好ましい。一方、地中
に浸透した汚水が太陽熱によって地表面から蒸発・放散
され得るように、浸透域拡大手段の上端は、地表面近傍
まで延びていることが好ましい。但し、施工後間もない
時期の雨などで表層の土壌が流失したり土壌が雨水と一
緒に小栗石状粒状体の石垣の間隙に流入して間隙が目詰
まりするのを避けると共に、表層部に草などが生えて表
層部の土壌が固められ得るように、浸透域拡大手段の上
端は、地表面よりもある程度下方に位置すること、例え
ば数10cm程度下方、典型的には30cm程度下方に
位置することが好ましい。この深さは、本発明の趣旨に
従って、その地域の地形や地層の構造に応じて適宜決定
され得る。
【0026】浸透域拡大手段は、溜め部形成体の外周
に、小栗石状粒状物を積重ねてなる。この明細書におい
て、「小栗石状粒状物」又は「小栗利石状粒状物」と
は、粒径が2〜3cmから約10cm程度の範囲内にあ
る粒状物をいい、その粒径は、好ましくは、3〜8cm
程度、より好ましくは5〜7cm前後であり、所謂「小
栗利石(コグリイシ)」(小栗石(コグリイシ))とし
て知られているもの(即ち、河原等にあって丸味があ
り、直径が10〜15cm位でコンクリートの骨材に用
いられる石として知られる「栗石(クリイシ若しくはグ
リイシ)」を小さくしたもので、典型的には、栃木県産
のコグリ石として知られるもの等)又はそれとほぼ同様
な粒径の粒状物をいい、例えば、コンクリートを上記の
所望の範囲内の大きさ(例えば粒径3〜10cm程度)
に砕いたものでもよい。小栗石状粒状物の粒径が大きく
なりすぎると、該粒状物を積重ねた状態において、該粒
状物間の隙間(間隙)が大きくなりすぎて、(浸透域拡
大手段を構成する積重ね体の厚さ即ち径方向の長さを粒
状体数個分程度の厚さとすると)浸透域拡大手段中の間
隙の割合が高くなって浸透域拡大手段による汚水の表面
積の拡大の効果が薄れる。一方、粒状物の粒径が小さく
なりすぎると、粒状物間の隙間が小さくなりすぎて汚水
の流れ抵抗が大きくなりすぎたり、微少固形物が隙間に
詰まって目詰まりが生じたり、溜め部形成体の底部周面
の開口内に入り込む虞がある。なお、小栗石状粒状物の
粒径は、その平均粒径からのバラツキが比較的大きくて
も比較的小さくてもよい。従って、小栗石状粒状物を主
体にする限り、より径の小さい粒状物やより径の大きい
粒状物をある程度混入させるようにして例えば井戸のよ
うに筒状に形成される浸透域拡大手段の機械的強度を高
めるようにしてもよい。また、小栗石状粒状物は、栗石
のように丸味を帯びていてもよいが、丸味を有する必要
はない。同程度の粒径のものを用いつつ、積重ね体にあ
る程度の機械的強度を与えるためには、むしろ、ある程
度角張っていたり、石を割った面のように平坦な面を不
規則に備えているのが好ましい。更に、小栗石状粒状物
は、全体として嫌気性ろ床を形成するように、その表面
に微生物が付着し易く汚水中に浮遊・残留する微少な汚
泥を分解して汚水の浄化をし得るような材料(例えば、
いわゆる「コグリ石」のような材料)からなることが好
ましいけれども、場合によっては、そのような微生物の
付着しにくいような材料からなっていてもよい。
【0027】浸透域拡大手段の厚さは、絶対長で決めて
も、小栗石状粒状物の大きさに応じて決定してもよい。
厚さは、絶対長としては、15〜20cm程度であるこ
とが好ましい。小栗石状粒状物の粒径が、2〜10cm
程度好ましくは3〜8cm程度であることを考慮する
と、厚さは、小栗石状粒状物の粒径でみて2〜10個程
度、好ましくは3〜7個程度、典型的には、3〜4個程
度又は4〜5個程度になるように選択される。厚さが小
さすぎると、汚水と土壌との接触面積が小さくなるだけ
でなく、水平面内で径方向にみた場合、小栗石が実際上
一つしかないかまたは全くない領域ができて、汚水が相
当の流速を保ったまま周りの土壌層の内周面に当たり土
壌を侵食して該土壌が浸透域拡大手段の底部に堆積して
きたり、侵食により形成された空間のために小栗石状粒
状物の積重ね体が崩れる虞がある。一方、厚さが大きす
ぎると、設置スペースが大きくなるだけでなく隙間に汚
水中の微少粒状物が溜まって隙間を狭める虞がある。
【0028】本発明の浸透式排水処理装置は、浄化槽に
よる浄化処理を受けた後、浸透域拡大手段から流出する
汚水が、地下水脈すなわち地下水の流れる層に浸透する
虞のない条件下で使用される。従って、浸透域拡大手段
の周りの土壌は、粘土質のような水はけの悪い層でない
限り、例えば、砂層、赤土層、黒土層、関東ローム層の
如き火山灰層のような汚水の浸透が期待し得る層であれ
ばどのような層でもよい。また、浸透域拡大手段から流
出して土壌中に浸透した汚水が地下深く浸透して地下水
層に達する虞のないところで用いられるのが好ましく、
例えば、近くに矩面があるような小高い高台のようなと
ころや、本発明の浸透式排水処理装置を埋設する表層と
地下水層との間に粘土質の層のような汚水の浸透を実際
上阻止し得る層があるところで用いられるに特に適す
る。前者の場合、浸透域拡大手段から流出して土壌中に
浸透した汚水は、土壌中の微生物によって浄化されて矩
面に達し、矩面に沿って流れ落ちる。この場合、矩面の
直下(例えば矩面の下から2m以内)には他の人家など
がないことが望ましい。
【0029】本発明の排水処理装置は、好ましくは、地
中において、溜め部形成体及び浸透域拡大手段の下に配
置され溜め部形成体の底部周面の開口から流出する排水
の下方への浸透を禁止する可撓性のシート状部材を更に
有する。この場合、シート状部材が、地下水の流れる層
に向かって汚水が浸透していく虞を最小限に抑制する。
シート状部材としては、例えば、土壌汚染の虞が少なく
且つ土壌中においても化学的・機械的に長期間安定なプ
ラスチック材料製のシートなどが用いられる。なお、溜
め部形成体が底壁を備えている場合、シート状部材は、
浸透域拡大手段及びその周囲において穴の底に拡がって
いるだけでもよい。
【0030】なお、好ましくは、家屋は排水処理装置が
設けられる地層に関して水の流れ方向の上流側に建てら
れる(排水処理装置は汚水が浸透する土壌層中での水の
流れ方向に関して家屋の基礎がある部分の下流側に設け
られる)。但し、例えば家屋の基礎が例え上流側に位置
していても、土壌中にほぼ水平に浸透した汚水が家屋の
方に拡がる虞がある場合には、家屋の基礎と排水処理装
置との間には、汚水が家屋の基礎のところの土壌に浸透
し該土壌を濡らすようなことがないように、十分な大き
さの隔壁(擁壁)を地中に形成する。この隔壁は、長期
間安定であればいかなる材料からなっていてもよく、例
えば、コンクリートで形成される。いずれの場合でも、
家屋の基礎の地盤を形成する土壌が浸透・拡散した汚水
で軟弱化される虞を避けるべく、排水処理装置は、家屋
からある程度(例えば、約2m又はそれ以上)離れたと
ころに配設される。同様の理由により、排水処理装置
は、該装置の使用者の敷地の境界からある程度(例え
ば、約2m又はそれ以上)離れたところに配設されるの
が好ましい。
【0031】また、本発明の排水処理装置では、好まし
くは、シート状部材の下に、剛性の平板状部材が配設さ
れる。平板状部材は、典型的には、複数の平板状ブロッ
クからなり、平板状ブロックが水平に複数個並べて敷設
される。これは、溜め部形成体の底部周面に開口を形成
するように、底面から下方に突出した部分、典型的に
は、底部に配設するスペーサ部材や、浸透域拡大手段の
小栗石状粒状物が徐々に沈降するのを防止するためのも
のであり、シート状部材の下の地層が岩盤のような極め
て硬いものである場合には、不要である。沈降を避ける
ためには、重量あたりの水平面内での面積が比較的大き
いものであればよいので、ブロックは、例えば、各スペ
ーサ部材の下及び小栗石用粒状物層の下のみに配設され
てもよい。勿論のことながら、平板状部材は、下側の面
が平面状であることが好ましいけれども、下面にある程
度の凹凸があってもよい。更に、家屋の基礎部分のとこ
ろの土壌が浸透・拡散した水によって湿潤化・軟弱化す
るのを避けるべく、家屋と排水処理装置との間にコンク
リートなどからなる隔壁(擁壁)を形成する場合には、
平板状部材の代わりに、隔壁と一体的な底壁を形成して
もよい。
【0032】本発明の浸透式排水処理装置敷設方法は、
前記した目的を達成すべく、上述のような拡散浸透装置
を、矩面状の斜面を有する小高い高台の地中に、又は排
水の浸透を実際上禁止するような地層上で地中に、埋設
することからなり、典型的には、地面に穴を掘って水の
下方への浸透を禁止するシート状部材を穴の底に敷き、
底部周面に開口を有する筒状の溜め部形成体を該シート
状部材上に実質的に直立状態で配設し、溜め部形成体の
底部周面の開口から流出した排水の浸透域拡大用の排水
流通空間を形成すべく、地中において、溜め部形成体の
外周においてシート状部材の上面から地面近傍までの範
囲に小栗石状粒状体を積重ねて、排出されるべき汚水の
収容容積の割には表面積が大きく、溜め部形成体と協働
して連通管を形成した状態において、溜め部形成体内の
汚水の水位を実際上ほとんど下げることなく、汚水がま
わりの土壌と接触する表面積を大きくし、周囲の土壌中
に汚水が浸透・拡散し易くするような浸透域拡大手段を
形成することからなる。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明による好ましい一実
施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づい
て説明する。
【0034】
【実施例】図1及び図2の(a)において、一般家庭の
家屋1は、矩面2(傾斜は例えば45度以下で水平な投
影面での長さが例えば1m以上)に近い小高い丘状の高
台に立っている。家屋1のトイレ3、風呂4及び台所5
からの排水は、配水管6a,6b,6c,6dを介して
合併浄化槽7に入り、合併浄化槽7で浄化された汚水A
は、配管8を介して本発明による好ましい一実施例の浸
透式排水処理装置10に導入される。なお、浄化槽が合
併浄化槽ではなくて単独浄化槽からなる場合、トイレ3
からの屎尿を含む排水のみを単独浄化槽に導入し、単独
浄化槽で処理された汚水のみを浸透式排水処理装置10
に導入するようにしてもよい。なお、台所や風呂の排水
や洗濯の排水のような生活雑排水を合併浄化槽7で処理
することなく排水処理装置10に導入することは、装置
10や周囲の土壌が石鹸水などの影響で目詰まりしたり
浄化能力を失うことになるから、避けるべきである。
【0035】合併浄化槽7としては、従来から知られて
いるどのようなタイプのものでもよく、例えば、図6に
示したように、沈殿分離室としても働き、配管6dに接
続された入口管7aから浄化槽7に導入された汚水(排
水)に対して嫌気性微生物による屎尿などの嫌気性消化
等の処理を行わせる嫌気性ろ床槽7b,7cと、嫌気性
ろ床槽7cで処理された汚水が導入され、好気性微生物
により汚泥の分解処理を行わせる接触曝気槽7dと、接
触曝気槽7dで処理された汚水中の固形物の沈殿分離を
促す沈殿槽7eと、固形物がほぼ分離された処理済みの
汚水を消毒する消毒槽7fとを有し、消毒槽7fで消毒
された浄化処理済みの汚水Aは、排出口から配管8を介
して放出される。合併浄化槽7から放出される処理済み
汚水Aは、標準的には、BOD(生物化学的酸素要求
量)が20ppm以下、大腸菌のような雑菌の群数が
3,000MPN以下である。
【0036】浸透式排水処理装置10は、図3から5に
示したように、溜め部形成体としての容器ないしマス本
体20と、浸透域拡大手段40と、これらの下に敷設さ
れた水不透過性で可撓性のシート状部材60及び剛性の
平板状部材70と、溜め部形成体20の蓋80とを有す
る。
【0037】溜め部形成体20は、筒状体としての円筒
状でコンクリート製の井戸枠21と、井戸枠21の底部
に配設されたスペーサ部材22とからなる。図3及び4
に示した例では、溜め部形成部材20は、井戸枠21を
二段に積み重ねてなる。筒状体21としては、市販され
ている井戸枠(例えば、内径が90cm又は75cm程
度、高さが60cm程度で、肉厚が6cm又は5cm程
度のもの)の代わりに、他の円筒状体や非円筒状の筒状
体等を用いてもよい。
【0038】各井戸枠21の底部、すなわち下段ないし
下側の井戸枠21aの底部とシート状部材60との間、
及び上段ないし上側の井戸枠21bと下段の井戸枠21
aとの間の夫々には、図5に示したように、周方向に沿
って等間隔に4つのスペーサ部材22が配置されてい
る。スペーサ部材22としては、例えば、「ピンコロ」
と呼ばれている直方体状のコンクリート体(例えば、底
面が一辺15cm程度の正方形で、高さが好ましくは約
10〜13cm、典型的には12cm程度のもの)が用
いられる。スペーサ部材22の数、サイズ(大きさ)、
配置等は、所望に応じて選択・決定される。なお、底部
のスペーサ部材22と井戸枠21a,21bの間のスペ
ーサ部材(マス本体20の上下方向の中間のスペーサ部
材)22とで、数、サイズ、配置等を、変えてもよい。
【0039】二段の筒状体21a,21b及び二組のス
ペーサ部材22,22は、シート状部材60及び蓋体8
0と協働して、マス本体20内に、円柱状ないし円筒状
の室(空間)すなわち溜め部23を規定してる。より詳
しくは、ここでは、溜め部23とは、筒状体21a,2
1bの内周面21c,21d及びその垂直方向延在面
と、半円板状の二つの蓋体80,80の下面81,81
と、シート状部材60の上面61とで規定される空間を
いう。マス本体20の溜め部23は、下段の井戸枠21
aの底部に配置された一組(この例では4個)のスペー
サ部材22によって、底部周面の4箇所で開口されてい
る。この底部周面の各開口24は、下段の井戸枠21a
の底面(下端面)25aと、シート状部材60の表面
(上面)61と、周方向に隣接するスペーサ部材22,
22の表面とによって規定されている。
【0040】また、マス本体20の溜め部23は、上段
の井戸枠21bの底部に配置された一組(この例では4
個)のスペーサ部材22によって、周壁の中間部の4箇
所で開口されている。この中間部周面の各開口26は、
上段の井戸枠21bの底面(下端面)25bと、下段の
井戸枠21aの上面(上端面)27aと、周方向に隣接
するスペーサ部材22,22の表面とによって規定され
ている。
【0041】上段の井戸枠21bの周壁28bには、浄
化槽7により浄化された汚水Aが導入される導入管29
が取付けられている。導入管29は、浄化槽7の排出管
8とつながっており、且つ浄化槽7の排出口(例えば、
深さ41cm)よりも若干下方に位置する導入口30に
浄化処理済みの汚水AがB方向に流下・導入されるよう
に(例えば、1/100程度の勾配で)傾斜している。
【0042】なお、マス本体すなわち溜め部枠体20
は、雨水などが入り込まないように、上端部31が長さ
C(例えば5〜10cm程度)だけ、地表面90の上に
出るような状態で、地中91に埋設されている。なお、
蓋80をした状態では、マス本体20の溜め部23内へ
の雨水の流入は実際上避け得るので、蓋80の上面ない
し頂面が地面と実質的に面一になる想像線90a(図
4)で示したレベル(高さ位置)に地表面90aが位置
していてもよい。
【0043】マス本体20の底部に敷設された可撓性シ
ート状部材60は、汚水Aの下方への重力浸透を防ぐべ
く、汚水Aが浸透・透過しない種類のビニールのような
材料からなる。なお、可撓性シート状部材60として
は、土壌91中においても化学的に変質・分解等される
ことなく長期間安定に保たれるプラスチック材料が用い
られる。このシート状部材60は、汚水Aの地下への浸
透を妨げ得るように、排水処理装置10のマス本体20
及び浸透域拡大手段40の底面の全体にわたって拡がる
だけでなく、これらよりも若干外に拡がっていてもよ
く、場合によっては、合併浄化槽7の下まで連続的に延
在していてもよい。なお、地下水がマス本体20内に入
り込むことがないように、シート状部材60の敷設面6
1は、地下水の水位Dよりも、十分に上に位置する(図
2の(a))。
【0044】可撓性シート状部材60の下に敷設された
平板状部材70は、多数の平板状ブロック71からな
る。図4では、平板状ブロック71が連続的な平面を与
えるように密に敷き詰められているけれども、下の地層
92が比較的硬い場合には、平板状ブロック71をスペ
ーサ部材22の下にだけ敷いてもよい。その場合、間隙
24の下側表面を規定するシート状部材60がその全面
にわたって水平に支持されるように、平板状ブロック7
1をその上面が土壌層92の表面に面一になるように土
壌92に埋め込んでもよい。
【0045】浸透域拡大手段40は、マス本体20の外
周に、小栗石状粒状物としての小栗石(例えば栃木県産
の小栗利石(小栗石)として知られるもの)41を円筒
状に充填してなる円筒状石垣42からなる。円筒状石垣
42は、下端部43が、シート状部材60上において、
マス本体20の底部周面の開口24の周りを取り囲み、
上端部44は、マス本体20の中間部の開口26よりも
上方で、地面90から所定の深さE(典型的には、例え
ば、約30cm)だけ下方に位置する。深さEが大きす
ぎると、円筒状石垣42による浸透域拡大効果が低下す
るだけでなく、石垣42の上部から周囲の土壌91中に
浸透・拡散していく汚水Aのうち地表面90の付近の水
が太陽熱による地表面90の加熱によって蒸発・放散す
る効果を期待し難くなる。深さEが小さすぎると円筒状
石垣42の上の土壌91aが雨などで流失したり雨水と
共に石垣42の間隙に入り込む虞があるだけでなく、円
筒状石垣42から土壌91中に浸透した汚水Aが土壌中
でほとんど浄化されることなく直ちに地表面90に達し
て地表面90が汚水で湿潤した状態になる虞がある。深
さEの絶対値は、土壌91及びその下の地質、並びに地
下水位Dなどに応じて変えてもよい。なお、排水処理装
置10の周りの地表面90を出来るだけ乾燥状態に保ち
得るように、排水処理装置10の周りの地表面90への
日照時間を極力長くすべく、排水処理装置10は、家屋
1の日陰になり難い程度に家屋1から離して配設される
ことが好ましい。
【0046】円筒状石垣42の厚さFは、石垣42が自
立し得る程度(内周側及び外周側の支持がなくても崩れ
ることなく円筒状形状を維持し得る程度)であることが
好ましく、小栗石状粒状物41の平均粒径の3〜5倍程
度(典型的には、約15〜20cm)であることが好ま
しい。円筒状石垣42は、小栗石状粒状物41(粒径
が、典型的には、3〜8cm)をある程度密に積重ねて
おけば、半径方向内向きの外力に対しては比較的強固に
形成され得るから、一旦石垣42を形成した後は、小栗
石41の粒径がマス本体20の開口24,26よりも小
さくても、石垣42を形成していた小栗石41が開口2
4,26の方に崩れ込む虞は少ない。石垣42の厚さF
が小さすぎると、例えば、開口24からG方向に流出し
た汚水Aが、小栗石41間の間隙45によって抑制され
ることなく急激に外側の土壌91の内周面93にぶつか
ること等によって該内周面93の部分が侵食されて凹部
ができたり、該凹部の周りの内周面部93が崩れる虞が
あり、元々外向きの力に対しては弱い円筒状石垣42に
対する外周側の支持が欠落して石垣42がその領域で部
分的に崩れる虞がある。円筒状石垣42の厚さFが大き
くなりすぎると、円筒状石垣42内の空隙(粒状物41
間の間隙)45の大きさが溜め部23の大きさと比較し
て無視し難くなったり、間隙45内に汚水A内の固形物
が長い間残留したり、沈積する虞がある。
【0047】円筒状石垣42は、小栗石状粒状物41を
積重ねてなるから、粒状物41間に形成される間隙45
は、開口24(マス本体20内の室23の汚水Aの水位
が開口26に達したときは、更に開口26も)を介して
石垣42内に入った汚水Aの静かな流れに対して実際上
流れ抵抗を与えない程度に大きいので、円筒状石垣42
内に形成された網目状の間隙45は、マス本体20の溜
め部ないし室23に対して連通路として働く開口24で
連通される。従って、溜め部23の汚水Aの水位に応じ
てこれに一致するように石垣42の網目状間隙45内の
汚水Aの水位もすみやかに変動する。一方、円筒状石垣
42は、その嵩の大部分が小栗石状粒状体41で占有さ
れ、間隙45の占める体積割合は小さいから、溜め部2
3内の汚水Aの水位を実質的に下げることなく、周囲の
土壌ないし地層91の内周面93と接触する汚水Aの表
面積(すなわち、石垣42の外周面の面積)を増大させ
得、土壌91中への汚水Aの浸透を効果的に行わせ得
る。
【0048】また、円筒状石垣42の間隙45は常時汚
水に浸されているわけではなく、石垣42を構成する小
栗石状粒状体41の表面には土壌由来の微生物が繁殖し
得、汚水Aが間隙45を通って土壌91中に浸透してい
く際、石垣42が嫌気性ろ床として働いて、該汚水A中
に残存する微少な固形物の形態の汚泥状物質の分解・浄
化にも寄与することが期待できる。
【0049】なお、溜め部23の容積Jは、家屋1の世
帯の人数(例えば、可能性のある最大人数)に応じて、
一人当たりの排水量(典型的には、最大使用量に対して
更に50〜80%程度の安全をみた排水量である0.3
〜0.36m/日)を基礎に、例えば一日分の汚水A
を溜め得る程度の大きさに決定され、該容積Jに応じ
て、マス本体20の井戸枠21の径及びマス本体20の
深さHが決定される。もっとも、最大限の人数で最大限
の量の汚水Aを出した場合に、マス本体20の室23内
に流入する汚水Aの単位時間あたり流量と比較して排水
処理装置10の円筒状石垣42から周囲の土壌層91中
に浸透して出て行く汚水の単位時間あたりの流量が十分
に大きい場合には、マス本体20の室23内にはほとん
ど汚水Aが溜まらないことになり、室23の容積Jを一
日分の汚水の量と比較して相当小さくすることも可能で
あるけれども、この排水処理装置10では、室23内の
汚水Aの水位にほぼ比例して汚水Aの浸透・拡散による
流出速度(単位時間あたり流量)が変動するから、排出
速度をあまり高くするような設計はかえって装置10の
効果的使用にならないことになる。従って、この装置で
は、むしろ、一日あたりの平均流出速度が、一日あたり
の最大流入量とほぼ一致するように、周囲の土壌層91
の水はけの程度を考慮して、装置10の周面の面積を選
ぶ方が好ましい場合がある。なお、排水処理装置10の
容積Jを増加させようとする場合、必要に応じて、直径
及び深さHのうちのいずれか一方または両方を増加させ
てもよいが、施工コスト及び地下深くへの汚水の浸透の
虞を最小限にすべきという要請などを考慮すると、深さ
Hを典型的には約150cm又はそれ以下に抑えること
が好ましく、例えば、図3及び図4において想像線で示
したように、マス本体20及び円筒状石垣40と同様な
マス本体20a及び円筒状石垣40aを並設して装置1
0を形成するのが好ましい。また、この場合、シート状
部材60は、中間で切れ目なく両方のマス本体20,2
0aの下に延在するのが好ましい。更に、この場合、円
筒状石垣40,40aの厚さの和と同程度(典型的には
約30〜40cm)〜石垣一つ分の厚さ程度(典型的に
は約15〜20cm)の範囲の所望の距離までマス本体
20,20aを近接させて、円筒状石垣40,40a
を、部分的に共有させてもよい。これによって、二つの
マス本体20,20a内の室(溜め部)23,23は、
実際上連通されることになる。二つ以上のマス本体20
を並設する場合には、マス本体20及び円筒状石垣40
が家屋1に過度に近接するのを避けるべく、その並設の
方向は、二つのマス本体20,20aの中心軸線を結ぶ
線が家屋1の隣接壁面(またはその基礎部分を結ぶ線)
1aに平行であることが好ましい(図1)。以下では、
説明の簡明化のために、マス本体20が一つのみからな
る例について説明する。
【0050】円筒状石垣40の外周に位置する土壌層9
1は、例えば、砂、黒土、赤土、関東ロームの如き火山
灰のような水はけの比較的良好な土壌の層からなる。
【0051】従って、円筒状石垣40の外周面に達した
汚水Aは、土壌91の内周面93から土壌91中に、K
方向に浸透し拡散していく。そのとき、汚水Aは、土壌
91中の微生物によって、浄化される。従って、例え
ば、土壌層91を通った水Mが、図2の(a)に示した
ように、隣接する矩面2(浸透式排水処理装置10から
の距離が例えば、約2m又はそれ以上)から浸み出る際
には、実際上完全に浄化されていることになり、土壌9
1の性質にも依るが、例えば、合併浄化槽7から排出さ
れた汚水Aと比較して、BODが90%程度低減(即ち
10%程度に低減)され、大腸菌群の数が少数に低下す
ることが期待できる。SS(浮遊固形物)も、実際上完
全に除去される。なお、単独浄化槽からの汚水(BOD
が90ppm以下)の場合BODが65%程度低減され
得ることが期待できる。従って、矩面2を通って地表を
流れる水Mには、下水としての性状は実質上なくなって
いる。但し、衛生面を考慮して、矩面2の下から別の家
屋(例えば他人の家屋)1Aまでの距離Lはある程度離
れていること、例えば約2m又はそれ以上離れているこ
とが好ましい。なお、矩面2の下には、雨水などが流れ
る側溝であって蓋付のもの95が形成されていることが
好ましい。
【0052】また、地表面90から比較的浅い地中で浄
化されつつ浸透・拡散する汚水は、太陽の熱で地表面9
0が乾燥するのに伴って、浄化されつつ地表面90に向
かって拡散し、地表面90から蒸発していく。
【0053】円筒状石垣42から土壌91中に浸透・拡
散する汚水が、家屋1の基礎部分に達する虞がないよう
に、排水処理装置10は、地下水の流れ方向に関して、
家屋1の下流側で且つ家屋1の隣接面1a(より厳密に
は家屋1の基礎部分1bのうちの際隣接部分)から所定
以上の距離N(例えば、約2m又はそれ以上)のところ
に敷設される。但し、地下水位Dが比較的浅かったり、
土壌(地層)91の水はけが余りよくない場合、家屋1
の基礎部分に汚水が浸透・拡散する虞があるから、これ
を避けるべく、排水処理装置10と家屋の基礎部分1b
との間の領域において、土壌91中に水分の浸透・拡散
を防ぐための隔壁ないし擁壁96(例えばコンクリート
製の壁)を設ける(図2(a))。この場合、擁壁96
の下部を水平に延設して剛性平板状部材70として機能
する底壁96aを一体に形成してもよい。
【0054】なお、排水処理装置10の敷設に際して
は、周りの土壌層91を含む地質構造が重要で、例え
ば、近くに矩面などがない場合であっても、地下水位D
が深いか、図2の(b)に示したように、地下水位Dの
ある地層97と浸透式排水処理装置10が埋設される土
壌層91との間に、粘土質の層のような水の浸透を実際
上阻止する地層98があるようなところは、装置1の配
設に特に適する。
【0055】排水処理装置10の配設に際しては、地質
調査で地質及び地層構造などが予め確認されている地域
において、土壌91に所望の大きさの穴を掘って、穴の
底に上面が水平な面一の面になるように平板状ブロック
70を敷設し、その上に可撓性で透水性のないシート状
部材60を敷いた後、シート状部材60上にスペーサ部
材22を並べ、その上に下段の井戸枠21aを直立状態
に載置し、更に井戸枠21aの上端面27a上にスペー
サ部材22を並べ、その上に上段の井戸枠21bを直立
状態に載置すると共に、井戸枠21bと配管29とを接
続する。なお、井戸枠21やスペーサ部材22はセメン
トなどで相互に一体化しても一体化することなく単に積
重ねてもよい。配管29の上段井戸枠21bへの接続
も、汚水漏れがないように一体化しても、若しくは単に
ガタがない程度に一体化(固定)しても、又は単に導入
口に配管29を差し込んでもよいが、汚水Aが井戸枠4
2の間隙45に上方から拡がるよりも下方から拡がる方
が、地表面90の汚染の虞が低いので、接続部での汚水
もれは、ある程度以下に抑える方が好ましい。
【0056】次に、小栗石41を穴内で井戸枠21及び
スペーサ22からなるマス本体20の周囲に所定の厚さ
だけ積重ねて、円筒状石垣42を形成する。最後に、円
筒状石垣42の周り及び頂部に土壌を埋め戻す。なお、
このとき、円筒状石垣42の周囲の土壌層91の土壌を
少なくとも一部で水はけのよい砂などと入れ替えて、周
囲の土壌層91を作ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の浸透式排水処
理装置を一般家庭の汚水処理に適用する例の概要を示し
た平面配置説明図。
【図2】図1の例の配置を垂直断面で示した概略の説明
図で、(a)は矩面が近くにある場合、(b)は粘土質
の地層が下にある場合を示す。
【図3】本発明による好ましい一実施例の浸透式排水処
理装置の枠体(マス本体)の一部破断斜視説明図。
【図4】本発明による好ましい一実施例の浸透式排水処
理装置の断面説明図。
【図5】図4の装置におけるスペーサ部材の配置を示す
底面説明図。
【図6】図4の排水処理装置が適用される合併浄化槽の
一例の模式的な断面説明図。
【図7】従来の浸透マス式排水処理装置の断面説明図。
【符号の説明】
1 家屋 2 矩面 7 合併浄化槽 8,29 配管 10 浸透式排水処理装置 20,20a 枠体(マス本体) 21,21a,21b 筒状体(井戸枠) 22 スペーサ部材 23 溜め部(空間) 24,26 開口 40,40a 浸透域拡大手段 41 小栗石状粒状物(小栗石状粒状体) 42 円筒状石垣 45 間隙 60 シート状部材 70 剛性平板状部材 80 蓋 90,90a 地面(地表面) 91 土壌 A 浄化槽からの排水(汚水) D 地下水の水位 E 円筒状石垣の上端の深さ F 円筒状石垣の厚さ H 溜め部形成体の深さ K 浸透・拡散方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/00 E03F 1/00 C02F 3/06

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質上地中に埋設され、合併浄化槽又は
    単独浄化槽で浄化処理済の汚水を内部に溜める中空の溜
    め部形成体であって、底部周面に該汚水の流出を許容す
    る開口を備えたものと、 地中において、溜め部形成体の外周に形成された浸透域
    拡大手段であって、下端において溜め部形成体の底部周
    面の開口に連通されているものとを有し、 浸透域拡大手段は、排出されるべき汚水の収容容積の割
    には外周の表面積が大きく、溜め部形成体と協働して連
    通管を形成した状態において、溜め部形成体内の汚水の
    水位を実際上ほとんど下げることなく、汚水がまわりの
    土壌と接触する表面積を大きくし、周囲の土壌中に汚水
    が浸透・拡散し易くするように、小栗石状粒状体を多数
    個積み重ねることによって形成されている浸透式排水処
    理装置。
  2. 【請求項2】 溜め部形成体及び浸透域拡大手段の下に
    配置され溜め部形成体の底部周面の開口から流出する排
    水が下方に浸透するのを禁止するシート状部材を更に有
    する請求項1に記載の浸透式排水処理装置。
  3. 【請求項3】 浸透域拡大手段が、地面の近傍まで上方
    に延在している請求項1又は2に記載の浸透式排水処理
    装置。
  4. 【請求項4】 シート状部材の下に、剛性の平板状部材
    を敷設してなる請求項1から3までのいずれか一つの項
    に記載の浸透式排水処理装置。
  5. 【請求項5】 溜め部形成体が、周面の上下方向の中間
    部に、排水の流出を許容する開口を備えている請求項1
    から4までのいずれか一つの項に記載の浸透式排水処理
    装置。
  6. 【請求項6】 溜め部形成体が、周方向に間隔をおいて
    配置された複数のスペーサ部材を介して両端開口の筒状
    体を複数個重ねてなり、周方向に隣接するスペーサ部材
    の間に周面の前記開口が形成されている請求項5に記載
    の浸透式排水処理装置。
  7. 【請求項7】 筒状体がコンクリート製であり、スペー
    サ部材がコンクリート製の直方体からなる請求項6に記
    載の浸透式排水処理装置。
  8. 【請求項8】 前記溜め部形成体と同様に構成された第
    二の溜め部形成体が前記溜め部形成体に隣接して更に並
    設されており、二つの溜め部形成体は浸透域拡大手段を
    介して相互に連通されている請求項1から7までのいず
    れか一つの項に記載の浸透式排水処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれか一つの項
    に記載の浸透式排水処理装置を、矩面状の斜面を有する
    小高い高台の地中に、又は排水の浸透を実際上禁止する
    ような地層上で地中に、埋設する浸透式排水処理装置の
    敷設方法。
  10. 【請求項10】 地面に穴を掘って水の下方への浸透を
    禁止するシート状部材を穴の底に敷き、底部周面に開口
    を有する筒状の溜め部形成体を該シート状部材上に実質
    的に直立状態で配設し、溜め部形成体の底部周面の開口
    から流出した排水の浸透域拡大用の排水流通空間を形成
    すべく、地中において、溜め部形成体の外周においてシ
    ート状部材の上面から地面近傍までの範囲に小栗石状粒
    状体を積重ねて、排出されるべき汚水の収容容積の割に
    は外周の表面積が大きく、溜め部形成体と協働して連通
    管を形成した状態において、溜め部形成体内の汚水の水
    位を実際上ほとんど下げることなく、汚水がまわりの土
    壌と接触する表面積を大きくし、周囲の土壌中に汚水が
    浸透・拡散し易くするような浸透域拡大手段を形成する
    ことからなる浸透式排水処理装置敷設方法。
  11. 【請求項11】 シート状部材を敷く前に、穴の底でシ
    ート状部材の下に平板状部材を敷く請求項10に記載の
    浸透式排水処理装置敷設方法。
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