JP2664334B2 - 浄化処理装置 - Google Patents

浄化処理装置

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JP2664334B2
JP2664334B2 JP5333590A JP33359093A JP2664334B2 JP 2664334 B2 JP2664334 B2 JP 2664334B2 JP 5333590 A JP5333590 A JP 5333590A JP 33359093 A JP33359093 A JP 33359093A JP 2664334 B2 JP2664334 B2 JP 2664334B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば湖沼、池、ダ
ム、溜池、河川、用水路などの水域において、木炭に担
持された微生物により汚水の浄化処理を行う浄化処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水の流動が少なく長期間水が滞
留したままとなる、例えば湖沼、池、ダム、溜池などの
閉鎖性水域においては、酸素濃度が比較的高い水面近傍
では、アオコなどの藻類が発生し、また、酸素濃度が低
い底部近傍では、アオコなどの藻類や各種生物の死骸が
腐敗して汚泥として底部に堆積し、水質汚染が進行して
いく。特に、夏期においては、これらのような水質汚染
が顕著に生じ悪臭の発生を生じている。
【0003】このため、閉鎖性水域における水質汚染の
防止方法として、従来、閉鎖性水域の上部および中部の
水を噴水および攪拌により酸素を供給して、閉鎖性水域
の自己浄化作用である微生物によってアオコなどの藻類
や有機性汚泥などを酸化分解したり、濾過装置により分
離したり、微生物を担持する多孔質セラミックス材料な
どを充填した充填層を設けた装置を閉鎖性水域近傍に設
置し、この充填層に酸素を曝気しつつポンプにて流過さ
せて酸化分解するなど、様々な浄化装置が知られてい
る。
【0004】また、河川などの水流を有する水域におい
ては、動物プランクトンおよび植物プランクトン、ある
いは、原生動物や微小動物などの微生物の活動により、
流水に含有される有機物質が酸化分解などにより浄化処
理される自浄作用がある。
【0005】しかし、近年では、河川に生活排水などの
汚染水の流入が増加し、流水中の有機物質、あるいは、
プランクトンや微小動物などの微生物の死骸などの汚染
物質を自浄作用のみでは分解しきれなくなり、水の流れ
がある河川においても汚染化の進行や悪臭の発生などの
問題が生じている。
【0006】このため、河川の下流域近傍に、汚染化が
進行した流水の一部を引き込み、閉鎖性水域に設置され
る浄化設備と同様に、沈殿槽や微生物を担持した担体を
充填した曝気槽などにより浄化処理する各種浄化装置が
知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
公園の人口池などの容積の小さい閉鎖性水域において
は、噴水や攪拌などでは効果を奏することがあるが、湖
沼やダムなどの容積の大きい閉鎖性水域では、単なる噴
水や攪拌による酸素供給にて自己浄化作用を活性化させ
て微生物で酸化分解して浄化することは非常に困難であ
る。また、濾過装置では溶解性の有機物質は分離でき
ず、実質的な浄化処理を行えない問題がある。
【0008】一方、充填層を設けた曝気式の浄化装置に
よる浄化処理においては、水域外の陸地に別途設備を設
置するスペースが必要となり、特にダムなどの場合に
は、水面近傍の岸辺の傾斜が大きく、設置スペースを確
保できないなどの問題がある。さらに、充填層として多
孔質セラミックス材料を用いるものについては、多孔質
セラミックス材料の製造上および強度上、気孔率および
比表面積の増大に制限があり、単位重量辺りの微生物の
担持量に限界があり、微生物の担持量を増大するため
に、多孔質セラミックス材料を多量に用いる必要があ
り、装置が大型化するなどの問題も有している。
【0009】さらに、浄化処理設備の運転や保守管理な
どの費用も高価である問題も有している。
【0010】一方、河川などの水流を有する水域では、
水質汚染は、河川の上流や支流などの広い範囲に進行し
ており、浄化設備を汚染状況に合わせて河川の広い範囲
の各所に敷地を確保して設置しなければならず、河川を
広範囲で浄化処理することは、非常に困難である。さら
に、浄化処理設備の運転や保守管理などの費用も高価と
なる。
【0011】また、湖沼や河川などの近傍に浄化設備を
設置することにより美観を損なう問題もある。
【0012】さらに、木炭や活性炭などを用いて被処理
水を処理する処理装置も知られているが、木炭や活性炭
の吸着性にて処理するものは、適宜木炭や活性炭を交換
しなければならず、保守管理が煩雑であるとともにコス
トが増大する問題がある。また、木炭や活性炭に微生物
を担持して処理するものは、被処理水を微生物にて確実
に浄化処理するためには、微生物との接触時間を長くす
る必要があり、装置が大型化し、広域の設置スペースを
必要とする問題がある。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、構造が簡便で設置スペースが減少し、安価で容易に
効率よく浄化処理できる浄化処理装置を提供することを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の浄化処理
装置は、被処理水が流通可能な通水孔が表面に複数穿設
された長手筒状の集水体と、この集水体が長手軸方向を
前記被処理水の水域底部に対し略垂直方向に内包される
とともに前記被処理水が流通可能な集水孔が設けられた
収容体と、この収容体に設けられ前記集水体の一端縁に
連続する流通孔と、前記集水体および前記収容体の間に
設けられ微生物を担持する粒状の木炭を有する粒状物に
前記隣接する通水孔の間隔と略同寸法の厚さ寸法に
成された処理層とを具備したものである。請求項2記載
の浄化処理装置は、請求項1記載の浄化処理装置におい
て、流通孔の開口面積は、集水体に設けられた複数の通
水孔の開口面積の総和と略同面積に形成されたものであ
る。
【0015】
【作用】請求項1記載の浄化処理装置は、通水孔を複数
穿設した長手筒状の集水体を水域底部に対して略垂直に
集水孔を複数設けた収容体に収容して二重管構造とし、
流通孔を介して集水体の集水孔および収容体の集水孔を
流通する被処理水を、集水体および収容体の間に設けた
微生物を担持する安価な粒状の木炭を有し集水体の隣接
する通水孔の間隔と略同寸法の厚さ寸法に粒状物にて構
成した処理層にて浄化処理するため、簡便な構造で水域
底部との対向する面積が低減し設置スペースが低減して
施工性が向上するとともに、被処理水は通水孔の近傍か
ら順次集水体に収束するように流入、または、集水体か
ら通水孔を介して拡散するように流出することにより、
粒状物にて構成した処理層内でず処理層全体を略
均一に流過して木炭に担持された微生物にて効率よく浄
化処理され、収容体の集水孔を流通する被処理水量が増
加し、安価で容易に浄化処理効率が増大する。請求項2
記載の浄化処理装置は、請求項1記載の浄化処理装置に
おいて、流通孔の開口面積を集水体に設けられた複数の
通水孔の開口面積の総和と略同面積に形成したため、被
処理水が粒状物にて構成した処理層内で偏って流通せず
処理層全体の木炭に担持された微生物にて効率よく浄化
処理されるために処理層の厚さ方向を流過する速度の調
整が容易で、被処理水を高効率で浄化処理される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の浄化処理装置の一実施例を図
面を参照して説明する。
【0017】図4において、11は閉鎖性の水域である湖
沼で、この湖沼11の底部には、浄化処理装置としての浄
化処理ユニット12が設けられている。
【0018】そして、この浄化処理ユニット12は、図1
ないし図3に示すように、ステンレス製や塩化ビニル製
などの非腐食性の部材や非腐食処理された鋼板などに
て、直径が例えば60〜100cmの円筒状に収容体とし
ての筒体14が形成され、この筒体14の外周面には、無数
の集水孔15が穿設されている。
【0019】さらに、浄化処理ユニット12の長手方向の
一端面は、無数の集水孔15が穿設された端板16にて閉塞
されている。また、浄化処理ユニット12の長手方向の他
端面には、略中央に略円形の流通孔18が穿設され、無数
の集水孔15が穿設された環状の環端板19が設けられてい
る。さらに、筒体14の中心軸には、集水体としての集水
管21が内包されている。
【0020】そして、この集水管21は、塩化ビニル製の
例えば直径50〜200mmの円筒状の管体22にて形成さ
れ、この管体22の一端がキャップ体23にて閉塞されてい
る。また、この集水管21は、表面すなわち外周面に所定
の間隔で例えば10mm程度の径の湖沼11の被処理水25
が流通可能な通水孔26が複数穿設されている。
【0021】なお、キャップ体23の端面の略中央には、
空気などの気体が流出可能に通孔状に穿設された空気孔
28が形成されている。
【0022】また、集水管21には、通水孔26に異物が閉
塞しないように、集水管21の外径と略同寸法の内径の円
筒形で、例えば5mm程度の網目に組まれた網状の網体30
が嵌合固定されている。
【0023】そして、この集水管21は、キャップ体23に
て閉塞されていない側の一端の内周縁が、環端板19の流
通孔18の縁に連続して取り付けられて、浄化処理ユニッ
ト12が二重管構造に形成されている。
【0024】なお、29は仕切板で、この仕切板29は、略
中央を集水管21が貫通するように環状に形成されてい
る。そして、仕切板29は、集水管21が浄化処理ユニット
12の略中心に位置するように、位置決めの作用があると
ともに、後述する浄化処理ユニット12を長手方向が上下
方向となるように立位状態で設置する際に、充填する木
炭32を浄化処理ユニット12の一端側に偏らせないために
設けられている。
【0025】さらに、この浄化処理ユニット12は、筒体
14と集水管21との間に、通水孔26より径大、例えばバク
テリア、プランクトンおよび各種好気性菌などの微生物
を担持する粒径が10〜50mmの木炭32が充填されて、
処理層33が形成されている。なお、木炭32とともに、適
宜吸着材として活性炭などを混合するなどしてもでき
る。
【0026】なお、浄化処理ユニット12において、筒体
14の集水孔15は、木炭32がこぼれ落ちないように、木炭
32の径より小さい径で穿設されており、この筒体14は、
集水管21に嵌合する網体30のように細かく編み込まれた
構造のものや透水膜を設けた枠状のものなどでもよい。
【0027】そして、この浄化処理ユニット12は、集水
管21の一端が開口する環端板19に、内周縁が流通孔18の
縁に一致するように本管34に接続されて、湖沼11の底部
に、長手方向である軸方向が湖沼11の底部に対して垂直
方向となるように、本管34を湖沼11の底部に埋設し、図
示しないアンカーなどにて支持して適宜複数配設されて
いる。
【0028】なお、通水孔26、集水管21および本管34
は、1本の集水管21の断面積と、この集水管21に穿設さ
れた通水孔26の全開口面積とが略同面積で、かつ、1本
の本管34の断面積と、この本管34に接続される複数の集
水管21の全断面積とが略同面積となるように形成されて
いることが好ましい。また、隣接する通水孔26の間隔寸
が、図1に示すように、浄化処理ユニット12の径方
向に沿った処理層33の厚さ寸法と略同寸法となるよう
に、通水孔26が穿設されている。
【0029】また、集水管21の通水孔26の縁近傍に微生
物が付着してフロック状となる場合には、通水孔26の開
口面積が減少してしまうため、通水孔26の全開口面積が
集水管21の断面積の1.5〜2.3倍となるように形成
する。
【0030】さらに、浄化処理ユニット12を固定する方
法としては、川砂利や礫などにて浄化処理ユニット12を
覆うように盛り上げて支持するなど、いずれの方法でも
できる。さらに、処理層33として、適宜木炭32とともに
重りとして砂利などを混合して形成してもできる。
【0031】一方、図4ないし図6において、41は貯留
槽で、この貯留槽41は、例えば10mmの間隔を有する格
子状に形成された除渣用のスクリーン42により流入室43
とポンプ室44とが区画形成されている。
【0032】そして、流入室43には、底部に沈殿室46が
区画形成され、湖沼11側の側壁にも除渣用のスクリーン
47が設けられて、スクリーン42,47を介して湖沼11の被
処理水25が、湖沼11、流入室43およびポンプ室44を流通
可能となっている。
【0033】また、ポンプ室44には、被処理水25の吸引
口49および吐出口50を有した水中ポンプ51が、吸引口49
がポンプ室44の底部近傍に開口するように配設されてい
る。さらに、水中ポンプ51の吐出口50には還流管53が接
続され、この還流管53は、湖沼11の上部にバルブ54を介
して連通するように、ポンプ室44の上部に取り付けられ
ている。
【0034】そして、この貯留槽41には、浄化処理ユニ
ット12が接続された本管34が、ポンプ室44の底部近傍に
接続され、ポンプ室44内に突出する本管34の先端には、
バルブ55が取り付けられている。
【0035】さらに、ポンプ室44内の還流管53と本管34
とがバルブ56を介してバイパス管57にて連結されてい
る。
【0036】次に、上記の実施例の浄化処理装置の浄化
処理について説明する。
【0037】まず、貯留槽41のスクリーン42,47を図示
しない板材などにて閉塞する。さらに、図示しないバル
ブ開閉用の冶具を用いて、貯留槽41のポンプ室44内に突
出する本管34および還流管53のバルブ54,55を開くとと
もに、バイパス管57のバルブ56を閉じる。そして、水中
ポンプ51を駆動させて、水中ポンプ51の吸引口49より貯
留槽41のポンプ室44内の被処理水25を吸引し、吐出口50
から還流管53を介して湖沼11上部に流出する。
【0038】この被処理水25の吸引により、ポンプ室44
内の水位が湖沼11の水位より低くなる。このため、この
水位の高低差により、本管34を介して集水管21内の処理
水がポンプ室44内に流入する。また、集水管21内の処理
水のポンプ室44への流出により、集水管21の通水孔26近
傍の処理層33内の被処理水25が収束するように通水孔26
を介して集水管21内に流入する。さらに、この被処理水
25の集水管21への流入により、湖沼11の被処理水25が、
浄化処理ユニット12の筒体14の集水孔15を介して処理層
33内に流入する。このように、湖沼11の被処理水25は、
浄化処理ユニット12の筒体14の集水孔15を介して処理層
33を偏らずに全体を略均一に流過して、通水孔26に収束
するように集水管21に集水され、本管34を通って貯留槽
41のポンプ室44内に流入する。
【0039】なお、この被処理水25の処理層33の流過
は、木炭32に担持された微生物により被処理水25を効率
よく浄化処理するために、被処理水25が処理層33の厚さ
方向に0.25〜4cm/分、好ましくは1〜2cm/分程
度の速度でゆっくり被処理水25が処理層33内に染み込ん
流過するように、各バルブ54,55の開度を調節した
り、水中ポンプ51の吸引量を調整したり、あらかじめ、
通水孔26および集水管21の径や、通水孔26の穿設数、浄
化処理ユニット12の配設数などを設定しておく。
【0040】そして、この処理速度は、0.25cm/分
より遅いと、処理量が低下するとともに、木炭32に担持
された微生物に必要な酸素が供給できなくなり、浄化処
理効率が低下する。また、4cm/分より早いと、微生物
がアオコなどの藻類や有機質浮遊物質、溶解性有機物質
などを補足できず、そのまま処理されずに流過してしま
う問題がある。したがって、処理速度は、0.25〜4
cm/分、好ましくは1〜2cm/分に設定される。
【0041】そして、この被処理水25の処理層33の流過
の際に、被処理水25は、有機質浮遊物質や溶解性有機物
質などが、木炭32に担持された微生物により分解され、
浄化処理される。
【0042】また、特に夏期において、湖沼11の水面近
傍にアオコなどの藻類が発生する場合、湖沼11の底部近
傍の被処理水25の溶存酸素量が低下する場合、処理層33
の木炭32に担持する微生物が増殖した場合などは、貯留
槽41のスクリーン42,47を閉塞する板材を取り外して、
スクリーン42,47を開放する。さらに、バルブ開閉用の
冶具を用いて、還流管53および本管34のバルブ54,55と
を閉じ、バイパス管57のバルブ56を開く。
【0043】次に、水中ポンプ51を駆動させて、水中ポ
ンプ51の吸引口49より貯留槽41のポンプ室44内の被処理
水25を吸引し、吐出口50から還流管53、バイパス管57、
本管34を介して浄化処理ユニット12の集水管21に流入さ
せ、集水管21の通水孔26より処理層33に、被処理水25が
処理層33の厚さ方向に1〜2cm/分程度の速度で流過す
るように、被処理水25を流出させる。
【0044】そして、この通水孔26から流出する被処理
水25は、まず、集水管21の側方に向かって処理層33中に
流出し、処理層33の木炭32の間隙を縫うように拡散しな
がら処理層33を流過する。
【0045】また、増殖した余分な微生物を木炭32より
剥離除去する場合には、浄化処理ユニット12が損傷しな
い程度の速度で被処理水25が流過するように流出させ
る。
【0046】なお、この被処理水25の集水管21への流入
に伴い、集水管21中に流入した空気は、集水管21の上面
に設けられた空気孔28より集水管21外に放出される。
【0047】そして、この水中ポンプ51による被処理水
25の吸引により、ポンプ室44内の水位が湖沼11の水位よ
り低くなり、この水位の高低差により、湖沼11の被処理
水25が、落ち葉や昆虫の死骸などの比較的大きい渣滓が
スクリーン42,47に除渣されつつ、アオコなどの藻類と
ともに流入室43に流入し、沈殿室46で砂などが沈殿除去
されてポンプ室44に流入する。
【0048】また、この水面近傍の被処理水25は、溶存
酸素量が比較的多く、また、特に藻類であるアオコなど
は酸素を多量に含んでいる。
【0049】このため、十分な酸素が含まれた被処理水
25が、処理層33を流過する際に、アオコなどの藻類や有
機質浮遊物質、溶解性有機物質などが木炭32に担持され
た微生物により分解される。
【0050】上記実施例によれば、浄化処理ユニット12
は、筒体14と集水管21との二重管構造で、この筒体14と
集水管21との間に微生物を担持する木炭32を、集水管21
隣接する通水孔の間隔寸法と略同寸法の厚さ寸法
となるように充填して処理層33を形成するのみで、構造
が簡便であるため、浄化処理ユニット12を安価で容易に
製造することができる。
【0051】また、浄化処理ユニット12を湖沼11の底部
に設けて、貯留槽41に本管34にて接続したのみで、構成
が簡便で施工性が向上するとともに、湖沼11の水域外の
陸地などに設置する場所を必要とせず、湖沼11外への装
置の設置による美観の損傷も防止でき、湖沼11のみなら
ずダムや貯水池、堀、運河、水槽など、いずれの水域を
対象とすることができる。
【0052】ところで、木炭32に担持した微生物により
効率良く被処理水25を浄化処理するには、被処理水25が
処理層33の厚さ方向に1〜2cm/分程度の速度で流過す
るように設定する必要がある。このため、多量の被処理
水25を処理するには、複数の浄化処理ユニット12を設置
する必要があり、設置スペースの確保が課題となるが、
本実施例によれば、湖沼11の底部に対して長手方向が垂
直方向となるように浄化処理ユニット12を配設したた
め、設置スペースが少なくて済む。したがって、平面部
の少ない湖沼11やダムなどでも、被処理水25の浄化処理
に必要な浄化処理ユニット12を配設できる。また、湖沼
11の底面に設置する面積が減少し、被処理水25との浄化
処理ユニット12の接触面積が増大し、処理効率が向上で
きる。
【0053】そして、木炭32は、気孔率および比表面積
が極めて大きく、さらに、微生物の生化学的反応に必要
なナトリウム(Na)、カリウム(K) 、カルシウム(Ca)、マ
グネシウム(Mg)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの元素
を含有しているため、木炭32の単位重量辺りの微生物の
担持量が増大し、微生物を良好に担持でき、浄化処理効
率を向上することができる。
【0054】また、木炭32は、気孔径が活性炭より大き
く、担持される微生物により気孔が閉塞されることも抑
制できるとともに、活性炭に担持可能なバクテリアやプ
ランクトンなどの微生物のほかに、微小動物までも担持
でき、浄化処理効率を向上することができる。
【0055】さらに、湖沼11に微生物が分解できない無
機農薬や十分処理されていない工場排水などが誤って流
入しても、木炭32に吸着され湖沼11の生態系を破壊する
ことも防止できる。
【0056】また、水中ポンプ51にて湖沼11の水面近傍
および底部近傍間を還流させて、処理層33の木炭32に担
持される微生物により、被処理水25を浄化処理するた
め、被処理水25が滞留するような湖沼11でも、湖沼11全
体の溶存酸素量の濃度差や温度分布差を減少して自己浄
化作用を活発化させ、有機物質を効率よく分解して浄化
処理できるとともに、水面近傍でのアオコなどの藻類の
発生を防止でき、清澄度を向上することができる。
【0057】そして、水温や溶存酸素量、アオコの発生
状況、有機質浮遊物質や溶解性有機物質などによる汚染
状況に合わせて、被処理水25の還流方向を適宜逆転させ
て、効率よく浄化処理ができるとともに、バルブ54,5
5,56などの操作のみで容易に還流方向を逆転できるの
で、簡便な構造で安価に装置を提供でき、操作が容易に
できる。
【0058】また、還流方向の逆転により木炭32に増殖
した余分な微生物を除去して逆流洗浄を行うため、被処
理水25の処理効率の低下を防止することができる。
【0059】さらに、集水管21に湖沼11の被処理水25の
流通可能な通水孔26を、処理層の厚さ寸法と略同寸法
の間隔で穿設したため、通水孔26を介して集水管21外
に流出する被処理水25が、処理層33中を拡散して流通す
るので、偏って流通する被処理水25の路が形成されるこ
とを防止でき、被処理水25と処理層33の木炭32に担持さ
れた微生物との接触効率が向上して、効率よく浄化処理
することができる。
【0060】また、集水管21に空気孔28を設けたため、
被処理水25が集水管21内を流通して通水孔26より流出す
る際に、集水管21中に流入する空気が空気孔28より流出
し、集水管21の全容積を利用でき、効率よく浄化処理す
ることができる。
【0061】なお、上記実施例において、貯溜槽41に設
けた各バルブ54,55,56は、電磁弁などの電動開閉式の
ものを用いて、適宜タイマなどにて開閉を制御するよう
にしてもできる。さらに、スクリーン42,47の開閉に板
材などを用いず、電動開閉式にしてもできる。
【0062】また、収容体および集水体として円筒状の
筒体14および集水管21を用いて説明したが、角状のもの
など、いずれの形状のものを用いても、同様の効果が得
られる。
【0063】さらに、浄化処理ユニット12の一端側に集
水管21の内周縁に連続する流通孔18を設けて説明した
が、浄化処理ユニット12の長手方向の両端に、集水管21
の両端の内周縁に連通する流通孔18を略中央に穿設した
環端板19を設け、複数の浄化処理ユニット12を直列状に
接続しても、同様の効果が得られる。
【0064】また、水中ポンプ51を有する貯留槽41を設
けて説明したが、この貯留槽41の代わりに、可撓性の還
流管53を有する水中ポンプ51を浮き体などにより水面に
浮かべて、被処理水25を還流させて浄化処理してもでき
る。
【0065】さらに、空気孔28を集水管21の先端に1か
所設けて説明したが、複数箇所設けたり、本管34の先端
に、砂や泥などを本管34外に排出するドレンとともに設
けてもできる。
【0066】次に、本発明の浄化処理装置の他の実施例
を図面を参照して説明する。
【0067】図7および図8において、61は開放性の水
域である河川で、この河川61の水流方向の両岸には、堤
防62が設けられている。また、この堤防62の基端部近傍
で河川61側には、堤防62に沿って細長箱状の水域となる
処理部63が形成されている。
【0068】そして、この処理部63は、堤防62の基端部
の河川61の底部に、軸方向が河川61に沿って本管34を埋
設する基盤部65と、この基盤部65の河川61側の縁に、河
川61に沿って立設された壁部66と、この壁部66の上端お
よび堤防62の側面に支持される蓋体67とから箱状に形成
されている。
【0069】さらに、基盤部65には、本管34から適宜分
岐された分岐管34a が、上端部が基盤部65より突出して
複数形成されている。そして、これら分岐管34a に、図
1ないし図6に示す実施例と同様の仕切板29を有せず集
水管21の隣接する通水孔26の間隔寸法Lと略同寸法の厚
さ寸法Wの処理層33を有した浄化処理ユニット71が、流
通孔18を連通されて、長手方向である軸方向が水域とな
る処理部63の基盤部65に略垂直となるように立位状態で
それぞれ複数取り付けられ、浄化処理ユニット71は、図
示しないアンカなどにて支持されて処理部63内に配設さ
れている。
【0070】また、壁部66の上部および下部近傍には、
格子状のスクリーン72にて閉塞された取込孔73が複数穿
設され、スクリーン72にてごみや砂利、礫などの流通不
可能で河川61の被処理水25が処理部63内に流入可能にな
っており、処理部63内に水域が形成されるようにしてい
る。さらに、壁部66の基端近傍には、処理部63内に流入
し沈殿した土砂や金属片などの夾雑物を再び河川61に放
出するドレン部74が複数設けられている。
【0071】さらに、処理部63の下流側には、貯溜槽75
が形成されている。そして、この貯溜槽75には、下端部
に処理部63からの本管34が接続され、本管34から浄化処
理ユニット71にて浄化処理された処理水が流入するよう
になっている。また、貯溜槽75の河川61に対向する壁部
66には、河川61に向かって貯溜槽75内の処理水を吐出す
るジェットポンプ76が設けられている。さらに、貯留槽
75の底部には、底部に沈殿した土砂や金属片などの夾雑
物を再び河川に放出する図示しないドレン部が設けられ
ている。
【0072】次に、上記図7および図8に示す実施例の
動作を示す。
【0073】まず、貯溜槽75内に流入した水をジェット
ポンプ75にて河川61に向けて吐出させる。この吐出によ
り貯溜槽75内の水位が河川61および上流側の処理部63内
の水位より低くなる。このため、水位の高低差により、
スクリーン72を介して取込孔73から処理部63内に流入し
た河川61の被処理水25は、浄化処理ユニット71の筒体14
の集水孔15を介して処理層33を流過して、通水孔26より
集水管21に集水される。また、被処理水25の処理層33の
流過の際に、被処理水25は、有機質浮遊物質や溶解性有
機物質などが、木炭32に担持された微生物により分解さ
れ、浄化処理される。
【0074】そして、集水された処理水は、分岐管34a
から本管34を通って貯留槽75内に流入し、ジェットポン
プ76にて処理水として河川61に吐出される。
【0075】なお、この被処理水25の処理層33の流過
は、図1ないし図6に示す実施例と同様に、木炭32に担
持された微生物により被処理水25を効率よく浄化処理す
るために、被処理水25が処理層33の厚さ方向に1〜2cm
/分程度の速度でゆっくり処理層33内に染み込んで流過
するように、ジェットポンプ76の吐出量を調整したり、
あらかじめ、通水孔26および集水管21の径や、通水孔26
の穿設数、浄化処理ユニット12の配設数などを設定して
おく。
【0076】したがって、上記図7および図8に示す実
施例によれば、さらに、河川61の岸近傍に河川61の底部
となる基盤部65に対して長手方向が垂直方向となるよう
に浄化処理ユニット71を配設したため、設置スペースが
少なくて済み、設置スペースが限られる河川61の岸近傍
の河川61内に、被処理水25の浄化処理に必要な処理能力
を有する浄化処理ユニット71を配設できる。また、河川
61内に設置したため、河川61外への装置の設置による美
観の損傷も防止できる。
【0077】なお、浄化処理ユニット71と基盤部65に埋
設した本管34との接続において、図9に示すように、浄
化処理ユニット71の環端板19に所定の長さの本管34b を
筒体14の軸方向に沿って接続する。一方、基盤部65に埋
設した本管34から分岐する分岐管34a を基盤部65の上面
から突出しないように埋設形成する。そして、浄化処理
ユニット71の本管34b を、分岐管34a 内に嵌合させ、浄
化処理ユニット71の環端板19を基盤部65の上面に当接さ
せて載置固定し、浄化処理ユニット71と基盤部65に埋設
した本管34とを連通接続させてもよい。
【0078】さらに、図10に示すように、浄化処理ユ
ニット71に集水管21の管体22を設けず、筒体14の中心軸
に管状の網体30を設け、網体30と筒体14との間に木炭32
を充填する。また、基盤部65に埋設した本管34から分岐
する分岐管34d を、集水管21の管体22のように通水孔26
を複数穿設して、筒体14の軸方向の長さと略同寸法の所
定の高さに突出形成する。そして、突出する分岐管34d
を浄化処理ユニット71の網体34a に嵌合するように挿入
し、浄化処理ユニット71の環端板19を基盤部65の上面に
当接させて載置固定し、分岐管34d と網体30とにて集水
管21を形成して浄化処理ユニット71と基盤部65に埋設し
た本管34とを連通接続するようにしてもよい。
【0079】次に、本発明のさらに他の実施例を図面を
参照して説明する。
【0080】図12において、81は河川で、この河川81
は、上流側と下流側との高低差がある例えば中流域で、
この河川81には、河川81外に被処理水としての流水82を
流出させる流入路83が形成されている。
【0081】そして、この流入路83は、河川81側に連通
する一端側に、生活排水に混入するごみや落ち葉、昆虫
の死骸などの比較的大きい渣滓を除渣するスクリーンや
ネットなどの除渣部85が形成されている。また、流入路
83の他端には、上流貯留槽86が設けられている。
【0082】この上流貯留槽86は、上方を開口した箱状
に形成され、流入された流水82中に混入する土砂などを
沈降除去する沈殿室88が底部に形成されている。そし
て、この沈殿室88の底部には、沈殿した土砂や金属片な
どの夾雑物を再び河川に放出するドレン部89が設けられ
ている。さらに、沈殿室88の下流側には、底部に曝気手
段90が設けられた曝気室91が区画形成され、沈殿室88よ
り流入する上澄み分の流水82に空気を曝気する。なお、
曝気手段90には、空気を曝気するブロワやコンプレッサ
などの図示しない空気発生装置が取り付けられている。
【0083】そして、上流貯留槽86の曝気室91には、曝
気された流水82が上流貯留槽86外に流出させる放水孔92
が開口形成され、この放水孔92には、導入路93が河川81
に沿って下流側に導出するように接続されている。
【0084】一方、95は水域となる処理部で、この処理
部95は、導入路93の流水方向の両側に区画形成され、導
入路93の上縁近傍に複数穿設された図示しない取込孔を
介して連通されている。また、処理部95内には、浄化処
理ユニット96が複数配設されている。
【0085】さらに、処理部95の導入路93と反対側に
は、導出路98がそれぞれ形成され、これら導出路98の下
流側には、下流貯留槽99が形成されている。なお、導出
路98の底部には、導出路98に流入し沈殿した夾雑物を河
川81に排出するドレン部89が形成されている。
【0086】そして、下流貯留槽99の下流側には、下流
貯留槽99内の流水82を河川81に放流する放流路100 が導
出されている。また、下流貯留槽99の導出路98および放
流路100 が連結される部分には、水門101a,101bがそれ
ぞれ設けられている。
【0087】一方、浄化処理ユニット96は、図11に示
すように、ステンレス製や塩化ビニル製などの非腐食性
の部材や非腐食処理された鉄筋などにて、各面が格子状
の略直方体形状に、格子体103 が形成されている。ま
た、この格子体103 の内面には、細かく編み込まれたネ
ット104 が設けられて収容体105 が形成されている。
【0088】さらに、このネット104 内には、図1ない
し図6に示す実施例と同様に、微生物を担持するための
木炭32が充填されて、処理層33が形成されている。
【0089】また、処理層33の厚さ方向の略中間には、
図1ないし図6に示す実施例の集水管21と同様に、図示
しない空気孔が穿設されたキャップ体23にて一端が閉塞
され、周面に処理層33の厚さ寸法Wと略同寸法の間隔L
通水孔26が複数穿設され、網体30が嵌合された円筒状
の集水体である集水管21が、本管34に複数本所定間隔で
連結されて木炭32に覆われるように配設されている。さ
らに、本管34の一端側は、面積の小さい側面より突出し
て配設され、浄化処理ユニット96が形成されている。
【0090】なお、浄化処理ユニット96のネット104
は、木炭32がこぼれ落ちないように、木炭32の径より細
かく編み込まれて、編み込みによる間隔が収容体105 の
集水孔15となる。
【0091】そして、この浄化処理ユニット96は、本管
34が突出する側面が処理部95の底面に所定の間隙を介し
て対向するように、図示しないアンカや台座などの上
に、集水管21の長手方向が上下方向となるように立位
状態で載置固定され、本管34の先端が導出路98に連通さ
れて処理部95内に複数配設されている。
【0092】なお、流入路83、上流貯留槽86、導入路9
3、処理部95、導出路98、下流貯留槽99、放流路100 な
ど、全域に図示しない蓋体が設けられ、上部に道路や建
造物、樹木などを設けられるようになっている。
【0093】次に、上記図11および図12に示す実施
例の動作を示す。
【0094】まず、下流貯留槽99の水門101a,101bを所
定の開度となるように適宜開口させ、下流貯留槽99内の
流水82を放流路100 を介して河川81に放流する。この放
流により下流貯留槽99の水位が下がり、水位の高低差に
より、導出路98内の流水82が下流貯留槽99内に流入す
る。さらに、この導出部98内の流水82が下流貯留槽99に
流入することにより、導出部98内の水位が下がる。
【0095】このため、処理部95内の水位との高低差に
より、処理部95内の流水82が、浄化処理ユニット96のネ
ット104 を介して処理層33を流過し、集水管21の通水孔
26から集水管21内に集水され、本管34を介して導出部98
に流入する。
【0096】さらに、処理部95内の流水82が浄化処理ユ
ニット96を介して導出部96に流入するため、処理部95内
の水位が下がり、河川82から流入路83にて夾雑物が除去
され上流貯留槽86にて曝気された流水82が、導入路93を
経て処理部95に流入する。
【0097】そして、流水82は、浄化処理ユニット96の
処理層33の流過の際に、有機質浮遊物質や溶解性有機物
質などが、木炭32に担持された微生物により分解され、
浄化処理される。
【0098】このようにして、河川81の流水82は、流入
部83から上流貯留槽86を経て処理部95に流入し、処理部
95内の浄化処理ユニット96にて浄化処理されて、導出路
98から下流貯留槽99を経て、放流路100 を介して放流さ
れる。
【0099】なお、流水82の処理層33の流過は、図1な
いし図6に示す実施例と同様に、木炭32に担持された微
生物により流水82を効率よく浄化処理するために、流水
82が処理層33の厚さ方向に1〜2cm/分程度の速度で
っくり処理層33内に染み込んで流過するように、水門10
1a,101bの開度を調整したり、あらかじめ、通水孔26お
よび集水管21の径や、通水孔26の穿設数、浄化処理ユニ
ット96の配設数などを設定しておく。
【0100】したがって、上記図11および図12に示
す実施例によれば、河川81内に浄化処理ユニット96を配
置できない場合でも、河川81の岸辺近傍に、浄化処理ユ
ニット96を集水管21の長手方向が上下方向となるよう
に、立位状態で設置するため、施行スペースが縮小し、
施行が可能となるとともに、容易に施行できる。さら
に、設置スペースが縮小するため、浄化処理ユニット96
の配設数を増加でき、多量の汚れた流水82を浄化処理で
きる。
【0101】また、河川81の高低差による流過を利用し
て、水門101a,101bの開度の調整にて処理を行うため、
運転コストを低減できる。
【0102】次に、本発明のさらに他の実施例を図面を
参照して説明する。
【0103】図13および図14において、111aは第1
の貯留槽で、この第1の貯留槽111aの上部には、河川や
湖沼などから被処理水25を流入する流入路112 が形成さ
れている。さらに、第1の貯留槽111aの底部には、沈殿
した土砂や金属片などの夾雑物を再び河川や湖沼などに
放出するドレン部113 が設けられている。また、第1の
貯留槽111aの底部には、ブロワやコンプレッサなどの図
示しない空気発生装置が取り付けられた曝気手段114 が
配設され、第1の貯留槽111a内に流入した被処理水25に
空気を曝気する。
【0104】そして、第1の貯留槽111aの流入路と対向
する壁部115 の上端近傍には放水孔116 が複数穿設さ
れ、この壁部115 の下流側である反対側には、水域とな
る第1の処理部117aが区画形成され、放水孔116 を介し
て第1の貯留槽111aと第1の処理部117aとが連通する。
【0105】また、第1の処理部117a内には、図11お
よび図12に示す実施例と同様の浄化処理ユニット96
が、集水管21が第1の処理部117aの底部に長手軸方向を
略垂直となるように立位状態で複数配設されている。そ
して、浄化処理ユニット96から突出する本管34が、適宜
連結されて、第1の処理部117aの下流側に形成された河
川や湖沼などの岸に沿った保守道路118 を下流側に貫通
して配設されている。
【0106】そして、本管34の先端が突出する保守道路
118 の下流側には、第2の貯留槽111bが形成され、この
第2の貯留槽111bの底部に突出する本管34の先端が開口
するようになっている。また、第2の貯留槽111bの底部
には、第1の貯留槽111aと同様に、曝気手段114 が配設
されている。
【0107】さらに、第2の貯留槽111bの本管34と対向
する壁部120 の上端近傍には、第1の貯留槽111aと同様
に放水孔116 が複数穿設され、この壁部120 の下流側で
ある反対側には、水域となる第2の処理部117bが区画形
成され、放水孔116 を介して第2の貯留槽111bと第2の
処理部117bとが連通する。そして、この第2の処理部11
7b内には、第1の処理部117aと同様に、浄化処理ユニッ
ト96が立位状態で配設されている。また、浄化処理ユニ
ット96から突出する本管34は、適宜連結されて、第2の
処理部117bの下流側に形成された第3の貯留槽111cの底
部に連通されている。
【0108】そして、第3の貯留槽111cには、バルブ12
2 が設けられた放流路123 が設けられ、この放流路123
は、第2の貯留槽111bの放水孔116 の位置より低くなる
ように形成され、第3の貯留槽111c内に流入する処理さ
れた被処理水25を再び河川や湖沼などに放流するように
なっている。
【0109】なお、第1の処理部117aと第2の処理部11
7bとの水位に差を生じるように、放水孔116 ,116 の位
置を設定して、第1および第2の貯留槽111a,111bを形
成する。
【0110】また、第1の貯留槽111aに被処理水25を流
入させる流入路112 、および、第3の貯留槽111c内の被
処理水25を放流する放流路123 は、河川や湖沼などの水
位差により、自然流入および自然放流するようにした
り、ポンプなどを設けて強制流入および強制放流するよ
うにしてもできる。
【0111】さらに、流入路112 、各貯留槽111a,111
b,111c、各処理部117a,117b、放流路123 など、全域
に図示しない蓋体が設けられ、上部に別途道路や建造
物、樹木などが設けられるようになっている。
【0112】次に、上記図13および図14に示す実施
例の動作に付いて説明する。
【0113】まず、河川や湖沼などから被処理水25を、
流入路112 を介して第1の貯留槽111a内に流入させる。
そして、第1の貯留槽111aで、被処理水25とともに流入
した土砂や金属片などの夾雑物を沈殿させて、ドレン部
113 を介して再び河川や湖沼などに放出するとともに、
曝気手段114 にて流入した被処理水25に空気を曝気す
る。
【0114】さらに、曝気された被処理水25は、放水孔
116 を介して第1の処理部117aに流入する。そして、被
処理水25は、浄化処理ユニット96のネット104 を介して
処理層33を流過し、集水管21の通水孔26から集水管21内
に集水され、本管34を介して第2の貯留槽111bに流入す
る。
【0115】そして、被処理水25は、浄化処理ユニット
96の処理層33の流過の際に、有機質浮遊物質や溶解性有
機物質などが、木炭32に担持された微生物により分解さ
れ、浄化処理される。
【0116】また、第2の貯留槽111bに流入した被処理
水25は、曝気手段114 にて曝気され、放水孔116 を介し
て第2の処理部117bに流入し、再び第1の処理部117aで
の浄化処理と同様に浄化処理ユニット96に浄化処理され
て、本管34を介して第3の貯留槽111cに流入し、放流路
123 を介して再び河川や湖沼に放流される。
【0117】なお、被処理水25の処理層33の流過は、
11および図12に示す実施例と同様に、木炭32に担持
された微生物により被処理水25を効率よく浄化処理する
ために、被処理水25が処理層33の厚さ方向に1〜2cm/
分程度の速度でゆっくり処理層33内に染み込んで流過す
るように、放流路123 のバルブ122 の開度を調整し、第
3の貯留槽111cの水位と第2の処理部117bの水位との水
位差により調整したり、あらかじめ、通水孔26および集
水管21の径や、通水孔26の穿設数、浄化処理ユニット96
の配設数などを設定しておく。
【0118】したがって、上記図13および図14に示
す実施例によれば、浄化処理ユニット96を立位状態で配
設したため、浄化処理ユニット96を複数配設した第1の
処理部117aおよび第2の処理部117bを被処理水25の流過
方向に直列状に配設しても、設置スペースを縮小でき
る。
【0119】また、第1の処理部117aおよび第2の処理
部117bを直列状に配設したため、特に被処理水25の汚れ
が進行していても、確実に浄化処理できるとともに、第
1および第2の処理部117a,117bの水位に差が生じるよ
うに、高低差を付けて設けたため、第1の処理部117aを
ポンプなどにて循環させて処理する必要がなく、運転コ
ストが低減して安価に処理できる。さらに、循環制御せ
ずに放流路123 のバルブ122 の開度を設定するのみで処
理状態を制御するため、管理人員を必要とせず、処理が
容易にできる。
【0120】また、適宜曝気手段114 にて曝気するた
め、直列上に処理部117a,117bを設けても微生物の浄化
処理に必要な酸素を供給でき、確実に被処理水25を浄化
処理できる。
【0121】
【発明の効果】請求項1記載の浄化処理装置によれば、
集水体を水域底部に対して略垂直に収容体に収容して二
重管構造とし、集水体の集水孔および収容体の集水孔を
流通する被処理水を、微生物を担持する安価な粒状の木
炭を有し集水体の隣接する通水孔の間隔と略同寸法に集
水体および収容体の間に粒状物にて構成した処理層にて
浄化処理するため、簡便な構造で安価に形成でき、水域
底部との対向する面積が低減して設置スペースが低減で
き施工性が向上できるとともに、被処理水は粒状物にて
構成した処理層内で偏って流通せず処理層全体を略均
一に流過して木炭に担持された微生物にて効率よく浄化
処理でき、収容体の集水孔を流通する被処理水量を増加
でき、安価で容易に浄化処理効率を増大できる。請求項
2記載の浄化処理装置によれば、請求項1記載の浄化処
理装置に加え、流通孔の開口面積を集水体の通水孔の開
口面積の総和と略同面積に形成したため、被処理水が粒
状物にて構成した処理層内で偏って流通せず処理層全体
の木炭に担持された微生物にて効率よく浄化処理される
ために処理層の厚さ方向を流過する速度を容易に調整で
き、被処理水を高効率で浄化処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化処理装置の一実施例を示す長手方
向の断面図である。
【図2】同上一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】同上径方向の断面図である。
【図4】同上湖沼内に設置した状態を示す説明図であ
る。
【図5】同上貯留槽を示す平面図である。
【図6】同上断面図である。
【図7】本発明の浄化処理装置の他の実施例を示す河川
に設置した状態を説明する河川の断面図である。
【図8】同上一部を切り欠いた平面図である。
【図9】本発明の浄化処理装置のさらに他の実施例を示
す浄化処理ユニットの設置状況を説明する断面図であ
る。
【図10】本発明の浄化処理装置のさらに他の実施例を
示す浄化処理ユニットの設置状況を説明する断面図であ
る。
【図11】本発明の浄化処理装置のさらに他の実施例を
示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図12】同上河川に設置した状態を示す説明図であ
る。
【図13】本発明の浄化処理装置のさらに他の実施例を
示す設置状態を説明する断面図である。
【図14】同上平面図である。
【符号の説明】
11 水域としての湖沼 12,71,96 浄化処理装置としての浄化処理ユニット 14 収容体としての筒体 18 流通孔 21 集水体としての集水管 25 被処理水 26 通水孔 32 木炭 33 処理層 63,95 水域としての処理部 82 被処理水としての流水 117a 水域としての第1の処理部 117b 水域としての第2の処理部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水が流通可能な通水孔が表面に
    数穿設された長手筒状の集水体と、 この集水体が長手軸方向を前記被処理水の水域底部に対
    し略垂直方向に内包されるとともに前記被処理水が流通
    可能な集水孔が設けられた収容体と、 この収容体に設けられ前記集水体の一端縁に連続する流
    通孔と、 前記集水体および前記収容体の間に設けられ微生物を担
    持する粒状の木炭を有する粒状物にて前記隣接する通水
    孔の間隔と略同寸法の厚さ寸法に構成された処理層と
    具備したことを特徴とする浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 流通孔の開口面積は、集水体に設けられ
    た複数の通水孔の開口面積の総和と略同面積に形成され
    たことを特徴とする請求項1記載の浄化処理装置。
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