JP4599748B2 - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を噴射して記録媒体上に記録をおこなうインクジェットヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットヘッドとして、インクを収容するインク溝を2列あるいは複数列備えた、いわゆるマルチノズル型のものがあり、特開平10−272771号公報には、この例が開示されている。
【0003】
図1〜図3は、上記インクジェットヘッドの一例を示す。インクジェットヘッドは、インクを収容するインク溝を有する2つの基板10、40と、両者間に挟まれたカバー板30と、インク溝に対応するノズル孔33を有するノズル板32から構成されている。2つの基板10、40は、はほぼ同構成であるので、主として一方の基板10について説明し、基板40については基板10の各部分10a〜10fと対応する部分を40a〜40fと書き換えて説明を省略する。
【0004】
基板10には、インクを収容する複数のインク溝21と、空間となる複数のダミー溝22とが交互に平行形成され、その両溝間は隔壁24で隔てられている。インク溝21とダミー溝22は、同じ幅、深さに形成される。隔壁24は、その高さ方向に相互に逆に分極(図3の矢印P)した2つの圧電材料を、同じく高さ方向に積層して構成される。本実施の形態において、隔壁24は、高さ方向の2つの部分ともが圧電材料である必要がなく、少なくとも一方が圧電材料であればよい。
【0005】
インク溝21は、その長手方向を基板10の一方の面10aに開放しかつ長手方向両端を基板10の前後両端面10b、10cに開放して形成されている。ダミー溝22は、その長手方向を基板10の一方の面10aに開放し、かつ長手方向一端を基板10の前端面10bに開放して形成されているが長手方向他端を基板の後端面10cに対して壁23で閉鎖されている。両溝21、22の長手方向の開放面は、上記面10aに接着したカバー板30により覆われている。基板10の前端面10bには、ダミー溝22と連続した縦溝25が形成され、縦溝25は、基板の一方の面10aと反対がわの面10dに接続している。
【0006】
基板10の後端面10cには、マニホールド31(図2)が接続され、図示しないインク供給源から供給口31aに供給されたインクが複数のインク溝21に供給される。ダミー溝22の後端は壁23によって覆われているので、インクは供給されない。
【0007】
2つの基板10、40が同色のインクを使用する場合には、1つのマニホールド31が両基板の後端面10c、40cにまたがって接合され、両基板に共通のインクを供給するように構成することができる。また、2つの基板10、40が別々の色のインクを使用する場合には、両基板の後端面にそれぞれ別のマニホールドが接合される。
【0008】
基板10の前端面10aには、各インク溝21の前端に対向するノズル孔33を複数有するノズル板32が接合される。
【0009】
図3に示すように、インク溝21およびダミー溝22の内側面、すなわち隔壁24の側面には、電極26a、26bがそれぞれ形成され、ダミー溝22の内で対向する電極26b、26bは溝底に沿って形成された分離溝27によって相互に絶縁されている。前記一方の面10aと反対がわの他方の面10dには、接続端子28a、28bが整列して形成されている。1つのインク溝21の両外がわに位置する各電極26b、26bは、ダミー溝22に連続して形成された縦溝25の側面に形成された導電層を介して1つの接続端子28bに接続している。縦溝25の側面の導電層は、ダミー溝22内の各電極26b、26bと同様に溝底で分割されており、ダミー溝22内で対向する電極26b、26bは、それぞれ別の接続端子28b、28bに接続している。
【0010】
複数の接続端子28bの外がわに位置する、他方の面10d上の導電層は、接続端子28aを構成する。この接続端子28aは、基板10の後端面10c上の導電層を介してすべてのインク溝21内の電極26aと接続している。電極28aと電極28b間、および電極28bどうしの間は、分離溝29によって絶縁されている。
【0011】
電極28a、28bには、図示しないフレキシブルな配線材がハンダ接合され、外部の噴射パルス信号発生源に接続される。
【0012】
接続端子28aすなわちすべてのインク溝21内の電極26aをアースし、インクを噴射しようとするインク溝21に対応する電極28bを介して電極26b、26bにパルス信号を印加すると、図3に示すように、そのインク溝21の両がわの隔壁24、24に分極方向Pと直交する電界Eが生じる。その結果、隔壁の上部および下部がそれぞれ反対方向に圧電厚みすべり変形し、全体としてインク溝の21の容積を拡大する。それにより、マニホールド31からインク溝21内にインクを吸引する。その後、パルス信号の印加を停止すると、隔壁24が復帰して、インク溝内のインクに圧力が加えられ、インクは、ノズル孔33からインク滴として噴射される。
【0013】
以下に、上記インクジェットヘッドの製造方法を説明する。
【0014】
まず、基板10を形成するために、予め厚さ方向に分極された圧電材料11、12を接着する。そして、図4に示すように、両圧電材料11、12にわたってインク溝21、ダミー溝22および縦溝25となる溝を、回転工具例えばダイヤモンドブレード51によって研削すなわち機械加工する。このダイヤモンドブレード51は、特開平1−140970号公報および特開平3−117565号公報に開示されているように、複数のブレード部51aを一体に有するものを使用するが、インク溝21とダミー溝22は、後端の壁23の有無において形状が異なり、それらを同時に加工することができないので、一方ずつ加工する。さらに、図5に示すように、ダイヤモンドブレード51のブレード部51aは、インク溝21の1個おきに対応している。加工に際して基板10、40を、その後端面10c、40cどうしが対向するように置く。ダイヤモンドブレード51を回転しながら基板10と相対移動させ、基板10に1つおきのインク溝21eを加工する。次に、ダイヤモンドブレード51と基板40とを、正規のインク溝のピッチに対して半ピッチずらし、基板40に同様にインク溝21eを加工する。そして、ダイヤモンドブレード51と基板10とを、破線で示すようにブレード部51aの半ピッチ分ずらして、基板10に形成したインク溝21e間に、残りのインク溝21fを加工し、同様に、基板40にも残りのインク溝21fを加工する。
【0015】
ダミー溝22の加工も、同じダイヤモンドブレード51を使用し、上記とほぼ同じ動作を繰り返して、インク溝21間とそのインク溝21の列の一方の端に、複数のダミー溝22を加工する。ただし、ダミー溝22の加工に際しては各溝の後端に壁23を残すようにダイヤモンドブレード51を基板10の後端の手前で上昇させる必要がある。縦溝25も同じダイヤモンドブレード51を使用し、ダミー溝22に連続して加工することができる。
【0016】
このように、2つの基板10、40を組にして、インク溝21、ダミー溝22を連続加工するのは、ダイヤモンドブレード51のフレード部51aの摩耗等の加工条件が、2つの基板10、40に対してほぼ均一になり、図5に破線矢印で示すように、両基板10、40を、インク溝21、ダミー溝22の配列関係をそのままにして向かい合わせるように組み合わせると、両列のインク溝21、21の寸法、ひいては噴射特性を揃えることができるためである。
【0017】
なお、上記のようにダイヤモンドブレード51を使用して、複数のインク溝21、ダミー溝22を加工すると、それらの溝の列の一方の端にダミー溝22が位置し、他方の端(図5において右端)にインク溝21aが位置することになるが、端のインク溝21aにはインクを供給せず、インク噴射のための溝としては使用しない。
【0018】
そして図6に示すように、上記のように溝を加工した基板10、40に、各溝の内面を含む全面にわたって導電層52を、メッキ等によって形成する。次に図7に示すように、基板の前記一方の面10aを平面研削することによって、その面10a上の導電層を除去する。さらにダミー溝22および縦溝25の溝底に沿って、レーザ照射機53から発射したYAGレーザ光を照射して、その溝底の導電層をアブレーション加工により除去し、分割溝27を形成する。
【0019】
その後、図8に示すように、基板10、40を、インク溝21とダミー溝22が対向するように、カバー板30の両面に接着剤により接合する。そして、両基板10、40の前端面10b、40bをカバー板30とともに1つの平面に揃えるために、その面を平面研削する。このとき同時に前端面10b、40bの導電層を除去することで、インク溝21内の導電層とダミー溝22内の導電層は、分離されて、それぞれ電極26a、26bとなる。
【0020】
また、基板40の面40d上の導電層に対してレーザ照射機53からYAGレーザ光を照射しながら、レーザ照射機53と基板40とをX−Y方向に相対移動することで、面40d上の導電層をアブレーション加工により除去して、分離溝29を形成し、接続端子28a、28bを分割形成する。基板10の面10dに対しても同様に接続端子28a、28bを形成する。
【0021】
そして、基板10、40の積層体の後端面にマニホールド31を接着剤により接合し、前端面にノズル板32を接着剤により接合することで、インクジェットヘッドは完成する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成では、2つの基板10、40の対向方向のインク溝21、ダミー溝22は、ほぼ均一に加工されるが、ダイヤモンドブレード51の1つのブレード部51aに製作誤差があると、上記のように同じブレード部51aによって、両基板で互い違いになって隣接する4つのインク溝21を加工するから、図9に示すように、ノズル孔33a、33b、33c、33dからの噴射量が大きくなってしまい、これによる印字ドットAが、他の部分の印字ドットBに比して大きくなり、印字むらになって現れる。また、複数のブレード部51aが不均一に摩耗することによっても、このような状況になりやすい。
【0023】
このように、1つのブレード部51aの誤差が、4倍になって印字結果にあらわれ、印字品質を悪くしていた。
【0024】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ダイヤモンドブレード等の加工手段に誤差があっても、印字結果において目立たなくすることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提案する。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、噴射するインクを収容する複数のインク溝を複数列、平行に備えるインクジェットヘッドにおいて、前記複数のインク溝は、列装した複数の同じ種類の切削工具を用いて加工されたものであって、異なる列間で隣接するインク溝どうしを、前記列装した複数の同じ種類の切削工具のうちの互いに異なる切削工具で形成されたものとする。つまり、1つの切削工具に誤差があっても、異なる列間で隣接するインク溝どうしを、それと異なる状態の切削工具によって形成することで、誤差が倍増してあらわれることのないようにする。
【0026】
具体的には、各列の複数のインク溝を、列装した複数の切削工具で形成し、その切削工具の列に対応するインク溝の列方向が、逆に向きになるように、各列の複数のインク溝を組み合わせる。これにより、同じ切削工具により形成した溝が異なる列間で隣接するインク溝には、1つの切削工具に誤差があっても、誤差が倍増してあらわれることのないようにする。
【0027】
さらに具体的には、前記各列の複数のインク溝をそれぞれ異なる基板に形成し、その基板を積層してインクジェットヘッドを構成する。
【0028】
また、本発明は、上記インクジェットヘッドを好適に製造する方法を提供する。その1つは、 列装した複数の同じ種類の切削工具で複数列のインク溝を形成し、他の列との間で隣接するインク溝どうしが、前記列装した複数の同じ種類の切削工具のうちの互いに異なる切削工具で形成されたものとなるように、複数列のインク溝を組み合わせ、インク溝を複数列、平行に備えるインクジェットヘッドを製造する。
【0029】
上記製造方法において、具体的には、各列の複数のインク溝をそれぞれ異なる基板に形成し、各列の複数のインク溝を、切削工具に対応する列方向が逆になるように、各基板を組み合わせることが好ましい。あるいは、切削工具による基板へのインク溝形成が複数回、間に入った各基板どうしを組み合わせることもできる。
【0030】
また、他の製造方法は、複数のインク溝をn(n=整数)個おきに列装した複数の同じ種類の切削工具で形成し、その形成したインク溝間に、前記切削工具と同じ種類であって、かつ異なる切削工具で、残りのインク溝を形成する。この場合も、インク溝を間隔を置いて形成した後、そのインク溝とは、切削工具に対応する列方向が逆になるように、材料または切削工具を反転するなどして、そのインク溝間に、残りのインク溝を形成することが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態は、従来の技術で説明した図1から図3の構成と同一構成であり、また図4、図6〜図8で説明した製造工程も同一である。本発明の好ましい実施の形態は、図10、図11に示す。
【0032】
図10は、本発明の第1の実施の形態の基板10、基板40を製造する過程を説明するものである。この実施の形態では、基板10、基板40は、同じ向きに平行に、つまり一方の後端面10cと他方の前端面40bを対向させて配置される。そして、従来の技術で説明したものと同様に、ダイヤモンドブレード51により基板10および基板40に1つ置きのインク溝21eを加工し、さらにそのインク溝の間に残りのインク溝21fを加工する。さらにそのインク溝間にダミー溝22を同じダイヤモンドブレード51で加工する。この場合、図5の従来の技術の場合とは、基板10と基板40との間で、インク溝21、ダミー溝22のずれ方向が異なるので、基板10から基板40へ加工が移る際にダイヤモンドブレード51と基板との相対的な移動方向を考慮する必要がある。つまり、各基板10、40の例えば図10において左端2個ずつのインク溝21は、ダイヤモンドブレード51の左端の1つのブレード部51aで加工されている。
【0033】
そして、基板10と基板40とをカバー板30を介して組み立てる際、図10に破線矢印で示すように、基板40の左右を反転して基板10の溝と対向させる。この結果、ダイヤモンドブレード51の各ブレード部51aに対応する溝の配列方向は、両基板10、40で逆になる。つまり、例えばダイヤモンドブレード51の左端のブレード部51aで加工されたインク溝21は、基板10では左端に位置するが、基板40では右端となる。また、基板10の左端のインク溝21に隣接する基板40のインク溝21は、ダイヤモンドブレード51の右端のブレード部51aで加工されたものとなる。例えば、ダイヤモンドブレード51の左端のブレード部51aがわずか大きく製作されていたとしても、右端のブレード部51aは、それとは異なる状態にあると考えられるから、図12に示すように、同じブレード部で加工されたインク溝に対応するノズル孔33a、33bから噴射されたドットの間に、他のブレード部で加工されたインク溝に対応するノズル孔から噴射されたドットが位置することになり、印字むらを少なくすることができる。
【0034】
なお、上記場合好ましくは、基板10、40をそれぞれ図10において左右方向に偶数個並べ、ダイヤモンドブレード51をそれに対応した長さに製作し、偶数組の基板を一度に加工する。このようにすると、基板40を反転させて基板10と対向させたとき、基板10、40の中央において、同じブレード部で加工されたインク溝どうしが隣接することがない。また、1組あるいは奇数組の基板を加工する場合、各基板に対応するブレード部51aの数を奇数にするよりも偶数にした方が、中央寄りのブレード部の製作誤差が分散される。
【0035】
さらに、基板10、40の組を図10において上方に複数組み並べ、これらを1つのダイヤモンドブレードによって順次加工し、数個おきの基板10と基板40とを組み合わせて1つのヘッドとすることもできる。このようにしても、ダイヤモンドブレード51の摩耗状態が異なるインク溝どうしが互い違いに隣接することになるから、印字むらが少なくなる。
【0036】
図11は、本発明の第2の実施の形態の基板を製造する過程を説明するものであり、この実施の形態では、1つの基板10において、インク溝21の加工誤差の偏りを少なくするものである。この場合、ダイヤモンドブレード51は、前記実施の形態と同じものを使用し、基板10に1個おきにインク溝21eを形成することも前記実施の形態と同様である。この後、ダイヤモンドブレード51と基板10とを、図11に破線矢印で示すように、左右反転し、先に形成したインク溝21e間に残りのインク溝21fを形成する。またダミー溝22の誤差は隔壁24の厚さに影響するので、ダミー溝22も同様に、1個おきに形成した後、基板10をダイヤモンドブレード51に対して相対的に反転し、残りを形成することが望ましい。
【0037】
このようにすることで、先に形成したインク溝21e間に、状態の異なるブレード部によって加工されたインク溝21fが位置することになり、インク溝21の加工誤差が分散され、印字むらがすくなくなる。
【0038】
また、図11に実線と一点鎖線で示すように、2つのダイヤモンドブレード51、52を用意し、1つのダイヤモンドブレード51で1つおきのインク溝21eを加工した後、もう1つのダイヤモンドブレード52で残りのインク溝21fを加工することによっても、インク溝21の加工誤差を分散することができる。
【0039】
なお、上記各実施の形態では、ダイヤモンドブレード51の1回の動作によって1つおきのインク溝を形成したが、2以上のn(n=整数)個おきにインク溝を形成し、2回以上のダイヤモンドブレード51の動作によって全インク溝を完成するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明は、隔壁24が圧電厚みすべり変形するものだけでなく、特許第2873287号公報に記載のように縦効果または横効果変形するものにも適用でき、さらに、特許第3132291号公報に記載のように1つの基板の両面に2列のインク溝を形成するものにも適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェットヘッドおよびその製造方法によれば、インク溝に加工誤差等があっても、印字結果において印字むらを少なくすることができるので、印字品質の優れたインクジェットヘッドを安価に製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図2】 図1の一部水平断面図である。
【図3】 図1の一部縦断面図である。
【図4】 基板にインク溝、ダミー溝を加工する過程を説明する斜視図である。
【図5】 従来のインク溝、ダミー溝を加工する過程を説明する平面図である。
【図6】 基板に導電層をメッキする製造過程を説明する斜視図である。
【図7】 基板の導電層に分割溝を形成する製造過程を説明する斜視図である。
【図8】 2つの基板を組み合わせ裏面の導電層に分離溝を形成する製造過程を説明する斜視図である。
【図9】 従来のインクジェットヘッドでの印字状態を説明する平面図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態のインクジェットヘッドの製造過程を説明する図で、インク溝とダミー溝を形成する過程の平面図である。
【図11】 本発明の第2の実施の形態のインクジェットヘッドの製造過程を説明する図で、インク溝とダミー溝を形成する過程の平面図である。
【図12】 本発明の第1の実施の形態のインクジェットヘッドでの印字状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
10、40 基板
21 インク溝
51a ダイヤモンドブレードのフレード部(加工手段)

Claims (8)

  1. 噴射するインクを収容する複数のインク溝を複数列、平行に備えるインクジェットヘッドにおいて、前記複数のインク溝は、列装した複数の同じ種類の切削工具を用いて加工されたものであって、異なる列間で隣接するインク溝どうしが、前記列装した複数の同じ種類の切削工具のうちの互いに異なる切削工具で形成されたものであることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1において、列装した複数の前記切削工具で形成した前記各列の複数のインク溝を、前記切削工具に対応する列方向が逆になるように、他の列の複数のインク溝と対応させたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1または2において、前記各列の複数のインク溝はそれぞれ異なる基板に形成され、その基板が積層されて構成されていること特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 噴射するインクを収容する複数のインク溝を複数列、平行に備えるインクジェットヘッドの製造方法において、
    列装した複数の同じ種類の切削工具で前記各列の複数のインク溝を形成し、
    異なる列間で隣接するインク溝どうしが、前記列装した複数の同じ種類の切削工具のうちの互いに異なる切削工具で形成されたものとなるように、前記各列の複数のインク溝を組み合わせることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記各列の複数のインク溝をそれぞれ異なる基板に形成し、
    前記各列の複数のインク溝を、前記切削工具に対応する列方向が逆になるように、前記各基板を組み合わせることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 請求項4において、
    前記各列の複数のインク溝をそれぞれ異なる基板に形成し、
    前記切削工具による前記基板へのインク溝形成が複数回、間に入った各基板どうしを組み合わせることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 噴射するインクを収容する複数のインク溝をn(n=整数)個おきに列装した複数の同じ種類の切削工具で形成し、
    前記の形成したインク溝間に、前記切削工具と同じ種類であって、かつ異なる切削工具で、残りのインク溝を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 請求項7において、前記の形成したインク溝とは、前記切削工具に対応する列方向が逆になるように、そのインク溝間に、残りのインク溝を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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