JP4599727B2 - 蒸着装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部が減圧されたチャンバ内にて、蒸発した蒸着物質を物理蒸着法(PVD)により被蒸着板に蒸着させる蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に示す従来の蒸着装置は、内部が減圧されたチャンバ20内に、蒸発源となる蒸着物質100を有する坩堝30と、坩堝30の上方に水平に保持された被蒸着板200とを備えている。そして、坩堝30にて加熱されて蒸発した蒸着物質100を、坩堝30上部に開口する放出口30bからそのままチャンバ20内に放出させて被蒸着板200に蒸着させるようになっている。
【0003】
そして、被蒸着板200と坩堝30とを大きく引き離して配置して、蒸着物質100が水平方向に十分拡散するようにしており、被蒸着板200への蒸着の均一化を図っている。なお、一般的には、被蒸着板200と放出口30bとの間隔L1を、被蒸着板200の一辺の長さL2の約3倍の大きさにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来装置のように被蒸着板200と放出口30bとの間隔L1を大きくすると、蒸着物質100の多くは被蒸着板200に付着せず、チャンバ20の内面に付着してしまうという問題があった。特に、チャンバ20の内面を頻繁に清掃しなければならないことが作業効率を大きく低下させていた。因みに、L1の大きさがL2の3倍の場合には、坩堝30内の蒸着物質100が蒸着する割合(蒸着率)は約6%である。
【0005】
また、被蒸着板200と放出口30bとの間隔L1を大きくすると、チャンバ20が大型化してしまい、チャンバ20内を真空にするための時間が長くなるとともに真空にするためのエネルギー消費が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、被蒸着板への蒸着の均一性を保ちつつ、被蒸着板と放出口との間隔を小さくして、蒸着率の向上およびチャンバの小型化を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内部が減圧されたチャンバ(20)内にて蒸着物質(100)を物理蒸着法により被蒸着板(200)に蒸着させる蒸着装置において、蒸着物質(100)を加熱して蒸発させる蒸発室(30a)と、蒸発室(30a)と連通し、蒸発室(30a)から被蒸着板(200)の蒸着面(200a)近傍へ蒸着物質(100)を移送する移送管(60)とを備え、移送管(60)のうち蒸着面(200a)に相対する部分である放出部(62)には、蒸着面(200a)に向けて蒸着物質(100)を放出する複数の放出口(62a)が形成されており、
移送管(60)として第1、第2の2本の移送管(60)を備え、
第1、第2の移送管(60)は、それぞれ放出部(62)が蒸着面(200a)と平行な面上に複数本並列配置された櫛歯状の形態とし、
櫛歯状の第1の移送管(60)と、櫛歯状の第2の移送管(60)は、蒸着面(200a)と平行な面上においてそれぞれの放出部(62)が交互に配置され、
さらに、第1の移送管(60)には蒸着物質(100)として有機金属が供給され、第2の移送管(60)には蒸着物質(100)として有機金属中に混入するための添加物が供給され、
第1、第2の移送管(60)における隣り合う放出部(62)を有機金属と添加物が互いに対向する向きに流れるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
これにより、蒸発した蒸着物質(100)は、第1、第2の移送管(60)により強制的に蒸着面(200a)近傍へ移送され、その後、蒸着面(200a)に相対する位置に形成された複数の放出口(62a)から蒸着面(200a)に向けて放出されることとなる。よって、従来の蒸着装置による坩堝(30)上部に開口する放出口(30b)からそのままチャンバ(20)内に放出させる場合に比べて、蒸着面(200a)と放出口(62a)との間隔を小さくしても、蒸着面(200a)への蒸着の均一性を保つことができる。従って、被蒸着板(200)への蒸着の均一性を保ちつつ、蒸着率の向上およびチャンバ(20)の小型化を図ることができる。
これに加え、請求項1に記載の発明では、櫛歯状の形態からなる第1、第2の2本の移送管(60)を備え、この櫛歯状の第1、第2の移送管(60)ではそれぞれの放出部(62)を交互に配置し、第1、第2の移送管(60)における隣り合う放出部(62)を蒸着物質としての有機金属と添加物が互いに対向する向きに流れるようになっている。このため、蒸着面(200a)に対して蒸着物質としての有機金属と添加物を2次元的に放出でき、蒸着面(200a)への蒸着の均一性を向上できる。しかも、有機金属の蒸着工程と同時に、有機金属に対する添加物の添加を行うことができる。
【0009】
ところで、移送管(60)が所定温度以下の低温であると、蒸発した蒸着物質(100)が移送管(60)内面に付着し易くなり、特に、放出口(62a)にて蒸着物質(100)が目詰まりし易くなってしまう。これに対し、請求項2に記載の発明では、移送管(60)を加熱する加熱手段(70)を備えることを特徴とするので、蒸着物質(100)の移送管(60)内面への付着および放出口(62a)の目詰まりを抑制できる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、チャンバ(20)内に、被蒸着板(200)を保持する保持部材(50)を備え、保持部材(50)および放出部(62)の少なくとも一方が、蒸着面(200a)に対して平行に可動であることを特徴とするので、蒸着面(200a)と放出口(62a)との間隔を大きくすることなく、蒸着面(200a)への蒸着の均一性を向上できる。
【0012】
ところで、放出部(62)内の下流部分における蒸着物質(100)の圧力は、上流部分の放出口(62a)からの放出により低くなるため、下流部分の放出口(62a)の放出量は上流部分の放出口(62a)の放出量に比べて少なくなり、ひいては、蒸着面(200a)への蒸着の均一性が損なわれてしまう。これに対し、請求項に記載の発明では、放出部(62)のうち蒸着物質(100)の移送方向の下流側部分を加熱する下流側加熱手段(71)および上流側部分を加熱する上流側加熱手段(72)を備え、下流側および上流側加熱手段(71、72)による加熱度合をそれぞれ個別に調節可能にしたことを特徴とする。
【0013】
これにより、下流側加熱手段(71)による加熱度合を上流側加熱手段(72)による加熱度合より大きくして、下流側の蒸着物質(100)の温度を上昇させれば、放出部(62)内の下流部分の圧力低下を抑制でき、下流部分の放出口(62a)の放出量が上流部分の放出口(62a)の放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0014】
請求項に記載の発明では、複数の放出口(62a)のうち、蒸着物質(100)の移送方向の下流側に位置する放出口(62a)を、上流側に位置する放出口(62a)よりも大きい開口面積に形成したことを特徴とするので、下流部分の放出口(62a)の放出量が上流部分の放出口(62a)の放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0015】
請求項に記載の発明では、蒸着物質(100)の移送方向の下流側に位置する放出口(62a)の間隔(P2)を、上流側に位置する放出口(62a)の間隔(P3)より狭くしたことを特徴とするので、放出部(62)の下流部分からの放出量が上流部分からの放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0016】
請求項に記載の発明では、放出口(62a)のうち蒸着物質(100)の移送方向の最も下流に位置する最下流位置放出口(62a)と放出部(62)の先端との距離(L3)は、最下流位置放出口(62a)と最下流位置放出口(62a)の隣に位置する放出口(62a)との距離(P4)より長いことを特徴とする。
【0017】
これにより、放出部(62)内のうち最下流位置放出口(62a)と放出部(62)の先端との間には所定長さ(L3)の空間(62b)が形成される。従って、上流側から最下流位置放出口(62a)へ移送される蒸着物質(100)の圧力の脈動を、前記空間(62b)内の蒸着物質(100)により吸収でき、前記空間(62b)がいわゆるサージタンクとして機能するので、前記脈動による最下流位置放出口(62a)の放出圧力が一時的に低下してしまうことを抑制できる。よって、最下流位置放出口(62a)の一時的な放出量の減少を抑制できる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と呼ぶ)の製造工程のうち、発光層を形成する有機金属(蒸着物質)をガラス基板(被蒸着板)上に成膜する蒸着装置に本発明の蒸着装置を用いた場合を示している。因みに、この有機EL素子は、ガラス基板上に、第1電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、第2電極層が順次積層されてなる周知の有機EL素子である。
【0022】
図1は、本実施形態の蒸着装置の全体構成を示す図であり、真空ポンプ10により内部が減圧(例えば約1.33×10-4Pa(約1×10-6torr))された成膜チャンバ20内にて、蒸発した有機金属100を物理蒸着法(PVD)によりガラス基板200に蒸着させて成膜するようになっている。また、成膜チャンバ20は分割して組立解体できるように形成されており、成膜チャンバ20内部への有機金属100の供給作業およびガラス基板200の脱着作業は、成膜チャンバ20を分割解体して行われるようになっている。
【0023】
成膜チャンバ20内の下方部分には、蒸発源となる固体の有機金属(例えばAlq3(アルミキノリール)、CuPC(銅フタロシアニン)等)100を貯蔵する坩堝30が配置され、坩堝30の外周面には通電により発熱するシーズヒータ(加熱手段)40が巻き付けられている。そして、坩堝30内の蒸発室30aには、シーズヒータ40により加熱されて蒸発した有機金属100が充満するようになっている。なお、本実施形態では約320℃で加熱するようになっている。
【0024】
一方、成膜チャンバ20内の上方部分には、板状のガラス基板200を水平に保持する保持部材(例えばサセプタ)50が備えられており、この保持部材50は成膜チャンバ20に回転可能に取り付けられている。そして、坩堝30の上部には、蒸発室30aと連通し、蒸発室30aからガラス板200の蒸着面200a近傍へ蒸発した有機金属100を移送するとともに、蒸着面200aに向けて成膜チャンバ20内に蒸発した有機金属100を放出する円筒形状の移送管60が備えられている。
【0025】
この移送管60は、坩堝30の上部から上方に延びた後に略90度曲がるエルボ形状の移送部61と、蒸着面200aの下方部分にて蒸着面200aに対向して略平行に延びるように形成されて、蒸発した有機金属100を蒸着面200aに対して平行に拡がるように移送する放出部62とから構成されている。そして、放出部62のうち蒸着面200aと対向する部分には蒸発した有機金属100を上方に放出する複数の放出口62aが形成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、放出部62は図1の左右方向にガラス基板200の一辺とほぼ同一の長さL2に延びる配管形状であり、その長手方向に9個の放出口62aが等間隔(P1=約33mm)に一列に形成されている。そして、放出口62aの開口形状は直径約0.5mmの円形である。
【0027】
また、ガラス着板200と放出口62aとの間隔L1は、少なくともガラス基板200の一辺の長さL2よりも小さく設定されており、本実施形態では、ガラス着板200と放出口62aとの間隔L1(例えば約90mm)がガラス基板200の一辺の長さL2(例えば約200mm)の約0.45倍の大きさになるように設定されている。
【0028】
また、移送管60の外周面には、通電により発熱するシーズヒータ(加熱手段)70が巻き付けられており、移送管60は加熱されて所定温度(例えば300℃)に保温されている。これにより、蒸発した有機金属100の移送管60内面への付着および放出口62aの目詰まりを防止している。
【0029】
次に、上記構成による蒸着装置の作動を説明する。
【0030】
先ず、成膜チャンバ20を分割解体した状態で、ガラス基板200を保持部材50に取り付ける。また、蒸発源となる固体の有機金属100を坩堝30内に供給する。その後、成膜チャンバ20を組み立て、真空ポンプ10により成膜チャンバ20内を減圧する。そして、シーズヒータ40に通電して個体の有機金属100を加熱して蒸発させる。蒸発した有機金属100は、移送管60の移送部61により強制的に蒸着面200a近傍へ移送され、その後、放出部62により、蒸着面200aに対して図1の左右方向に拡がるように移送される。そして、蒸発した有機金属100は、放出部62に開口する複数の放出口62aから蒸着面200に向かって成膜チャンバ20内に放出され、ガラス基板200の蒸着面200aに付着して蒸着する。
【0031】
このように、蒸発した有機金属100は、蒸着面200aに相対する位置に形成された複数の放出口62aから放出されるので、蒸着面200aと放出口62aとの間隔L1をガラス基板200の一辺の長さL2より小さくしても(本実施形態ではL1=0.45×L2)、蒸着面200aへの蒸着の均一性を保つことができ、ガラス着板200への蒸着の均一性を保ちつつ、蒸着率の向上およびチャンバ20の小型化を図ることができる。因みに、従来の蒸着装置による蒸着率が約6%であるのに対し、本実施形態では蒸着率を約30%にすることができることが本発明の出願人らの実験により明らかになった。
【0032】
また、移送管60内の圧力は、有機金属100が体積一定の条件下で加熱されることに伴い、成膜チャンバ20内の圧力より高くなる。これにより、放出口62aから放出された有機金属100は急激に減圧膨張して過冷却状態となりクラスター化する。そして、クラスター化した蒸着物質100が被蒸着板200に付着すると蒸着物質100のマイグレーション、凝集が起こるため、蒸着物質100の被蒸着板200への密着性を向上させることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図2は本実施形態の蒸着装置のうち移送管60および坩堝40等の主要部分を示す斜視図であり、放出部62のうち有機金属100の移送方向の下流側部分(図2の左側部分)には下流側シーズヒータ(加熱手段)71が巻き付けられている。また、上流側部分(図2の右側部分)には上流側シーズヒータ(加熱手段)72が巻き付けられており、下流側および上流側シーズヒータ71、72に印可させる電圧をそれぞれ個別に調節することができるようになっている。
【0034】
そして、ガラス基板200のうち下流側シーズヒータ71に対応する部分の有機金属100の膜厚を計測する下流側膜厚モニター81と、上流側シーズヒータ72に対応する部分の有機金属100の膜厚を計測する上流側膜厚モニター82とが備えられている。また、下流側および上流側シーズヒータ71、72の各温度を計測する図示しない熱電対が備えられている。
【0035】
そして、膜厚モニター81により計測された膜厚に応じて熱電対による計測温度を変化させるように各シーズヒータ71、72への印加電圧を調節している。例えば、下流側の膜厚が薄くなれば下流側シーズヒータ71に印可する電圧を高めて、下流側の有機金属100の温度を上昇させれば、放出部62内の下流部分の圧力低下を抑制でき、下流部分の放出口62aの放出量が上流部分の放出口62aの放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0036】
(第3実施形態)
第1実施形態では、複数の放出口62aの開口面積を全て同一に形成しているが、本実施形態では、図3に示すように、有機金属100の移送方向の下流側(図3の左側)に位置する放出口62aを、上流側(図3の右側)に位置する放出口62aよりも大きい開口面積に形成している。これにより、下流部分の放出口62aの放出量が上流部分の放出口62aの放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0037】
(第4実施形態)
第1実施形態では、複数の放出口62aの間隔P1を全て同一に形成しているが、本実施形態では、図4に示すように、有機金属100の移送方向の下流側に位置する放出口62aの間隔P2を、上流側に位置する放出口62aの間隔P3より狭くしている。これにより、放出部62の下流部分からの放出量が上流部分からの放出量に比べて少なくなることを抑制できる。
【0038】
(第5実施形態)
図5に示すように、本実施形態では、放出口62aのうち有機金属100の移送方向の最も下流(図5の最も左側)に位置する最下流位置放出口62aと放出部62の先端との距離L3は、最下流位置放出口62aと最下流位置放出口62aの隣(図5の右側)に位置する放出口62aとの距離P4より長くなるように形成されている。
【0039】
これにより、放出部62内のうち最下流位置放出口62aと放出部62の先端との間には所定長さL3の空間62bが形成される。従って、上流側から最下流位置放出口62aへ移送される有機金属100の圧力の脈動を、前記空間62b内の有機金属100により吸収でき、空間62bがいわゆるサージタンクとして機能するので、前記脈動による最下流位置放出口62aの放出圧力が一時的に低下してしまうことを抑制できる。
【0040】
(第6実施形態)
第1実施形態の移送管60は、1本の移送部61に1本の放出部62を連通させて構成されているが、本実施形態では、図6に示すように、1本の移送部61に複数本の放出部62を蒸着面200aと平行な面上に並列配置させて、櫛歯状に構成されている。これにより、放出部62の延びる方向(図6の左右方向)および放出部62の並列方向の2方向に放出口62aを並べて配置できるので、蒸着面200aに対して有機金属100を2次元的に放出でき、蒸着面200aへの蒸着の均一性を向上できる。
【0041】
(第7実施形態)
図7に示すように、本実施形態では、ガラス基板200の左右両側に1つずつ坩堝30が配置されており、それぞれの坩堝30には第6実施形態の櫛歯状の移送管60が連結されている。そして、左右両側からの放出部62がそれぞれ交互に配置されており、隣り合う放出部62内の有機金属100が、互いに対向する向きに移送されるようになっている。これにより、下流部分の放出口62aの放出量が上流部分の放出口62aの放出量に比べて少なくなってしまう場合であっても、蒸着面200aへの蒸着の均一性を容易に確保できる。
【0042】
また、2つの坩堝30を備えるので、一方の坩堝30に有機金属100を供給し、他方の坩堝30に有機金属中に混入させるための添加物を供給するようにすれば、有機金属100の蒸着工程と同時に、添加物の添加を行うことができ、好適である。
【0043】
(他の実施形態)
第1実施形態では、保持部材50を放出部62の上方に備え、放出口62aを上向きに開口するように形成しているが、保持部材50を放出部62の下方に備え、放出口62aを下向きに開口するように形成するようにしてもよい。これにより、蒸着面200aにマスク部材を設置する場合においては、マスク部材は蒸着面200aの上側に設置されることとなるので、マスク部材がガラス基板200から重力で剥がれ落ちてしまうことを考慮する必要が無くなるため、マスク部材のガラス基板200への設置を容易にできる。
【0044】
また、第1実施形態の放出部62および保持部材50のうち少なくとも一方を、第6実施形態の複数本の放出部62の並列方向と同じ方向に揺動させるようにすれば、第6実施形態と同様に2次元的に有機金属100を放出することができ、好適である。
【0045】
また、第1実施形態では、坩堝30を成膜チャンバ20内に配置しているが、成膜チャンバ20の外方に配置するようにしてもよい。これにより、成膜チャンバ20を分割して解体することなく、坩堝30に有機金属100を供給することができるので、蒸着装置による生産性を高めることができるとともに、成膜チャンバ20のより一層の小型化を図ることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、加熱手段としてシーズヒータを用いた抵抗加熱蒸着法に本発明の蒸着装置を適用しているが、電子ビーム蒸着法、高周波蒸着法、レーザ蒸着法等の蒸着においても本発明を適用でき、さらに、本発明は有機金属の蒸着への適用に限られず、各種金属膜、半導体膜、絶縁体膜、高透電体膜等の薄膜を形成する際の蒸着にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る蒸着装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す上面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す斜視図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す斜視図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係る蒸着装置の主要部分を示す斜視図である。
【図8】従来の蒸着装置を示す全体構成図である。
【符号の説明】
20…成膜チャンバ、30a…蒸発室、50…保持部材、60…移送管、
62…放出部、62a…放出口、70…シーズヒータ、100…有機金属、
200…ガラス着板、200a…蒸着面、
L1…ガラス着板と放出口との間隔、L2…ガラス基板の一辺の長さ。

Claims (7)

  1. 内部が減圧されたチャンバ(20)内にて蒸着物質(100)を物理蒸着法により被蒸着板(200)に蒸着させる蒸着装置において、
    前記蒸着物質(100)を加熱して蒸発させる蒸発室(30a)と、
    前記蒸発室(30a)と連通し、前記蒸発室(30a)から前記被蒸着板(200)の蒸着面(200a)近傍へ前記蒸着物質(100)を移送する移送管(60)とを備え、
    前記移送管(60)のうち前記蒸着面(200a)に相対する部分である放出部(62)には、前記蒸着面(200a)に向けて前記蒸着物質(100)を放出する複数の放出口(62a)が形成されており、
    前記移送管(60)として第1、第2の2本の移送管(60)を備え、
    前記第1、第2の移送管(60)は、それぞれ前記放出部(62)が前記蒸着面(200a)と平行な面上に複数本並列配置された櫛歯状の形態とし、
    前記櫛歯状の第1の移送管(60)と、前記櫛歯状の第2の移送管(60)は、前記蒸着面(200a)と平行な面上においてそれぞれの放出部(62)が交互に配置され、
    さらに、前記第1の移送管(60)には前記蒸着物質(100)として有機金属が供給され、前記第2の移送管(60)には前記蒸着物質(100)として前記有機金属中に混入するための添加物が供給され、
    前記第1、第2の移送管(60)における隣り合う前記放出部(62)を前記有機金属と前記添加物が互いに対向する向きに流れるように構成されていることを特徴とする蒸着装置。
  2. 前記移送管(60)を加熱する加熱手段(70)を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 前記チャンバ(20)内に、前記被蒸着板(200)を保持する保持部材(50)を備え、
    前記保持部材(50)および前記放出部(62)の少なくとも一方が、前記蒸着面(200a)に対して平行に可動であることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着装置。
  4. 前記放出部(62)のうち前記蒸着物質(100)の移送方向の下流側部分を加熱する下流側加熱手段(71)および上流側部分を加熱する上流側加熱手段(72)を備え、
    前記下流側および上流側加熱手段(71、72)による加熱度合をそれぞれ個別に調節可能にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸着装置。
  5. 前記複数の放出口(62a)のうち、前記蒸着物質(100)の移送方向の下流側に位置する放出口(62a)を、上流側に位置する放出口(62a)よりも大きい開口面積に形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸着装置。
  6. 前記蒸着物質(100)の移送方向の下流側に位置する前記放出口(62a)の間隔(P2)を、前記上流側に位置する前記放出口(62a)の間隔(P3)より狭くしたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の蒸着装置。
  7. 前記放出口(62a)のうち前記蒸着物質(100)の移送方向の最も下流に位置する最下流位置放出口(62a)と前記放出部(62)の先端との距離(L3)は、前記最下流位置放出口(62a)と前記最下流位置放出口(62a)の隣に位置する放出口(62a)との距離(P4)より長いことを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の蒸着装置。
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