JP4599015B2 - 押出コーティング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本出願は、1999年9月27日に出願された仮出願第60/156,167号の優先権の特典を請求する。
【0002】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、基体およびポリマーコーティング、特に薄いポリマーコーティングを含むラミネートの製造方法、特に押出コーテイング方法に関する。特に、本発明はさらに、例えば衣服、おむつまたは屋根下地材などの、医療、アパレル、衛生、農業、および建設用途で有用なラミネート製品の製造方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
ポリウレタン、ポリアミド、またはポリエステル樹脂などのポリマー樹脂を、不織布または他の基体上に押出溶融コーティングする方法は周知である。一般にこの方法は、ポリマーをその融点より高い温度に加熱するステップと、フラットダイを通して溶融ポリマーのカーテン中を通過する基体上にこれを押出すステップと、コーティングされた基体を加圧して接着させるステップと、次いで冷却するステップとを含む。ワンステップの方法でラミネート構造を経済的に製造することができるので、押出溶融コーティング法は広く用いられている。
【0004】
ある場合には、ポリマー樹脂層は、基体とポリマー樹脂層との間にさらに接着剤またはプライマーを必要とせずに、基体への結合を形成することができる。他の場合には、接着剤またはプライマーを別途基体に塗布して初めて十分な接着が得られる。あるいは、ポリマーコーティングを基体に接着するために、相溶化剤として「連結層」をポリマーコーティングとともに共押出しする。
【0005】
しかし、押出溶融コーティング方法には不都合も残っている。特に、特定のポリマー樹脂と基体の組合せでは、追加の接着剤やプライマー、あるいは連結層を用いても、ラミネート製品が高い層間剥離抵抗を有するような、ポリマー樹脂と基体との間の強い結合を確実に形成するには十分でない。これは、薄いポリマー樹脂層を有するラミネートを製造したい場合が特にそうである。
【0006】
相溶性の無い特定のポリマー樹脂と基体の組合せの接着性が、特に薄いフィルムが必要な際に悪い理由の一つは、ポリマー樹脂コーティングが基体と接触すると急速に冷えるために、基体の表面と作用して強い接着を形成するための十分な時間がないことであると思われる。一般に、相溶性の無いポリマー樹脂コーティングと基体、例えばポリエステルコーティングとポリエチレン基体の間の接着は、主として機械的結合からなり化学的結合はほとんど無い。一般に、良好な結合を確保するためには、ポリマー樹脂コーティングが基体構造中へ十分深く浸透しなければならない。
【0007】
さらに、従来の押出溶融方法は、薄いポリマーコーティングを必要とする製品の製造には適当ではないかもしれない。上記のように、ポリマー樹脂コーティングは、基体と接触すると速く冷えすぎるので、均一な厚みの層を形成する前にポリマーコーティングを固化させてしまう恐れがある。
【0008】
押出溶融コーティング方法の他の短所は、ポリマー層にピンホールが形成される傾向があることである。例えばラミネート構造が防水性であることを保証するためには、ピンホールを防止し連続したコーティング層を設けることが重要である。基体が一般にきめの粗いまたは多孔質材料からなるものであるため、ピンホールが発生する。押出コーティングおよび後続の加圧中に、溶融熱可塑性樹脂は基体の孔や隙間に入り、その結果、熱可塑性樹脂フィルムは、基体表面上の起伏や繊維状の突起によって分断される恐れがある。薄いポリマー樹脂コーティングを生成させるには、ピンホールの発生が特に問題であり、こうしたコーティングでピンホールの発生を避けるために、一般にポリマー樹脂が基体中へ浅く浸透する必要がある。したがって、基体に強く接着したピンホールの無い薄いポリマーコーティングを得ることが課題である。
【0009】
接着不良とピンホール発生の問題を最小限に抑える一つの方法は、ポリマー樹脂層を厚くすることである。樹脂層が厚くなればポリマー樹脂と基体の界面の温度を維持する効果があると思われるので、より強い結合を形成することができるであろう。さらに、樹脂層が厚くなれば基体の凸凹による分断を受けにくくなり、したがってピンホールを生じにくくなるであろう。
【0010】
しかし、ポリマー樹脂層を厚くすることは経済的に不利であり、製品の最終用途によっては必ずしも適切ではない。上記のように、ラミネート製品が薄いポリマーフィルム層を含むことが望ましい場合がある。例えば、水蒸気透過性ラミネートの場合には、厚みが増すと水蒸気透過率が落ちてしまう。ラミネート構造は、例えば包装材料、織物、医療材料、梱包材料などの製造時に、防水材料または水蒸気透過膜としても用いられる。ピンホールの発生を最小限に抑え適切な防水性を実現するためにこうしたラミネートの樹脂層を厚くすると、不織布の望ましい特性が失われてしまう。こうした用途に適したラミネートは、例えば、不織布織物基体へのポリエチレン樹脂コーティングからなる。こうしたラミネートの樹脂層の厚みは、ピンホール発生を防止するためには少なくとも40μm、好ましくは60μm以上なければならず、このためにラミネート構造は曲がり難く硬いものになり製品の価値を低下させてしまう。
【0011】
欧州特許EP−A第0611037号は、保護服、おむつ、および屋根下地材に使用できるラミネートを製造する方法を開示している。この方法では、厚み3から25μmの水蒸気透過性、液体不透過性のバリヤ層を、バリヤ層片側の厚み1から5μmの剥離層およびバリヤ層反対側の厚み1から5μmの連結層とともに共押出しする。連結層は、織布または不織布織物などの多孔質基体に接着している。一般に連結層はエチレンコポリマーまたはポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を含み、多孔質基体と通気性熱可塑性バリヤ層との接着性を改良する役割を果たす。
【0012】
欧州特許EP−A第0295694号は、防水性水蒸気透過性ラミネートを製造する押出溶融コーティング方法を開示している。この特許は、基体材料の望ましい特性を維持しつつピンホールを発生させずに十分な防水性を得るという課題を対象としている。このラミネートを調製するために用いられる熱可塑性ポリマー樹脂は、押出温度より20から30℃低い温度で溶融粘度が少なくとも5000Pa.sであることが必要であり、これにより厚みが5から30μmの熱可塑性樹脂フィルムの生成が可能になる。この粘度条件を満たさない樹脂を用いると、ピンホールが発生すると報告されている。押出機加熱温度は、ダイから押出された直後の樹脂の溶融粘度が、100〜1000Pa.sの範囲にあるように設定される。このきわめて温度依存性の粘度プロフィルに適合する樹脂は、押出プロセスで比較的不安定であると報告されている。したがって、欧州特許EP−A第0295694号のラミネート構造体の製造では、第1の熱可塑性樹脂層から引き剥がし可能性な追加の「剥離層」(一般にポリエチレンまたはポリプロピレン)を第1の熱可塑性樹脂と共押出しする。次いでこの剥離層を冷却後引き剥がして、所望の構造を得る。
【0013】
特開平01―71742は、多孔質基体および厚み5から30μmの熱可塑性樹脂層を含む医療用防水シート、手術衣用織物、またウインドブレーカ織物として用いられるラミネートを開示している。この特許では、熱可塑性樹脂層は、押出温度より20℃低い温度での溶融粘度が少なくとも50000ポイズである。このラミネートを製造する方法もまた、熱可塑性樹脂層と追加の剥離層との共押出を用いる。
【0014】
この従来技術は、特定の最小粘度を有するポリマーを用いて製造したラミネートに関するものであり、低粘度ポリマーを利用して基体上に非常に薄いフィルムを生成することが必要な際に遭遇する問題を対象にしていない。一般に、粘度があるレベルより低いと、溶融ポリマーはかなり容易に基体の隙間や孔に流れ込むことになり、ポリマーコーティングが薄層コーティングの場合、特に薄いポリマー層と基体の間に良好な接着強度が必要な場合には、ピンホールがますます発生しやすくなる。これらの従来技術プロセスはまた、相溶性のないポリマー樹脂と基体層間の接着性を改良する課題を対象にはしていない。非常に薄いポリマー樹脂層と基体層の間の接着性が良好なラミネート構造体を製造するための経済的なプロセスへの必要性は依然として存在する。
【0015】
本発明の主な目的は、ポリマー樹脂と基体層の間の接着性が良好なラミネート、特に低粘度ポリマー樹脂を含むラミネート、および特に、従来のラミネーションまたは押出コーティング方法を用いた場合には強く接着することがないようなポリマー樹脂と基体の組合せを含むラミネートを製造するための改良方法を提供することである。本発明の他の目的は、樹脂層に孔を形成することなしに良好な接着強度で樹脂層に結合した薄いポリマー樹脂層を有するラミネートの製造方法を提供することである。本発明の他の目的は、防水性水蒸気透過性ラミネート、特に差別透過性を有するラミネートの製造方法を提供することである。
【0016】
(定義)
本明細書で用いる用語「ポリマー」には、一般に、それだけには限らないが、ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロック、グラフト、ランダム、および交互共重合体など)、ターポリマーなど、およびこれらのブレンドおよび変性体が含まれる。さらに、特別に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料のすべての可能な幾何配置を含むものとする。これらの配置には、それだけには限らないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびランダム対称性が含まれる。
【0017】
本明細書で用いる用語「ポリオレフィン」は、炭素と水素のみからなるおおむね飽和した任意の一連の高分子炭化水素を意味するものである。代表的なポリオレフィンには、それだけには限らないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ならびにエチレン、プロピレン、およびメチルペンテン単量体の様々な組合せが含まれる。
【0018】
本明細書で用いる用語「ポリエチレン」は、エチレンのホモポリマーだけでなく、反復単位の少なくとも85%がエチレン単位であるコポリマーをも含むものとする。
【0019】
本明細書で用いる用語「ポリプロピレン」は、プロピレンのホモポリマーだけでなく、反復単位の少なくとも85%がプロピレン単位であるコポリマーをも含むものとする。
【0020】
本明細書で用いる用語「不織布織物、シートまたはウエブ」は、ランダムに配置されて、メリヤス生地のように、識別できる模様なしに平面材料を形成する個々の繊維または糸からなる構造体を意味する。
【0021】
(詳細な説明)
本発明によれば、その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングを有する基体を含み、さらに前記熱可塑性ポリマー樹脂の基体から離れた表面と接触している引き剥がし可能な剥離層を有するラミネートを調製する方法であって、前記方法が基体層を形成するまたは設けるステップと、その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングおよび引き剥がし可能な剥離層を設けるステップとを含み、熱可塑性ポリマー樹脂は、ISO11443規格に従って測定した粘度が約3000Pa.s未満であることを特徴とする方法が提供される。
【0022】
好ましい実施形態では、熱可塑性ポリマー樹脂は、主として、ポリエーテルエステルコポリマー、ポリエーテルアミドコポリマーなどのブロックポリエーテルコポリマー、ポリウレタンコポリマー、ポリビニルアルコール、またはこれらの組合せからなることが好ましい。好ましいコポリエーテルエステルブロックコポリマーは、米国特許第4,739,012号(DuPontに譲渡)に開示されているように、ソフトなポリエーテルセグメントとハードなポリエステルセグメントを有するセグメント化エラストマーである。適当なポリエーテルエステルブロックコポリマーは、Hytrel(登録商標)の名前でDuPontによって販売されている。Hytrel(登録商標)は、DuPontの登録商標である。適当なコポリエーテルアミドコポリマーは、米国、ニュージャージー州、Glen RockのAtochem Inc.からPebax(登録商標)の名前で市販されているコポリアミドである。Pebax(登録商標)は、フランス、パリのElf Atochem、S.Aの登録商標である。適当なポリウレタンは、米国、オハイオ州、クリーブランドのB.F Goodrich CompanyからEstane(登録商標)の名前で販売されている熱可塑性ウレタンである。より好ましい実施形態では、熱可塑性ポリマー樹脂は、1つまたは複数のコポリエーテルエステルエラストマーを含み、この実施形態について以下本発明を説明する。
【0023】
このラミネートを調製する方法は、当技術分野で周知の従来技術を含むことができる。しかし、この方法は共押出方法であることが好都合である。この共押出方法では、マルチオリフィスダイの個々のオリフィスを経由して各層を同時に共押出しし、その後まだ溶融している層を合体することにより、または、好ましくは、各ポリマーの溶融流がダイマニフォールドに通ずるチャネル内でまず合体し、その後ダイオリフィスから層流条件で混合せずに基体上へ一緒に押出されるシングルチャネル共押出しによって、各層が基体上に共押出しされる。この方法は、例えば、予め形成されたポリマーコーティング層と予め形成された剥離層とをラミネーションしてこれを基体とラミネーションするか、またはこれらのラミネーションを同時に行う、または、例えば、予め形成されたコポリエーテルエステル含有層上へ剥離層をキャストするなど、従来のラミネーション技術を含むことができる。一般には、こうしたラミネーション技術は、熱ロールカレンダー設備での各層の熱ラミネーションを使用するものであり、コポリエーテルエステル含有層を基体に接着させるために用いる温度は、コポリエーテルエステル含有層を溶融するのに十分ではあるが剥離層は溶融しないものであり、十分な圧力を加えてこれらの層を接着する。押出技術とラミネーション技術の組合せも用いることができる。
【0024】
本方法は、剥離層が前記コポリエーテルエステル含有層と共押出される押出コーティング方法であることが好ましい。
【0025】
本発明の方法は、コポリエーテルエステル含有層と基板との接着が良好なラミネート、特に、従来のラミネーションまたは押出コーティング方法を用いると強く接着しないようなコポリエーテルエステルコーティングと基板の組合せを含むラミネートを可能にする利点を有する。この方法は、薄いポリマー樹脂層を有するラミネートの製造に特に有用である。この方法はまた、防水性蒸気透過性ラミネート、特に差別透過性を有するラミネートの製造に有用である。
【0026】
本発明の方法は、薄いコポリエーテルエステル含有層、特に厚み約100μm未満、特に約70μm未満、特に約50μm未満、特に約30μm未満、および特に約20μm未満の層を含むラミネートの調製に有用である。コポリエーテルエステル含有層は少なくとも5μmであることが好ましく、さらに好ましくは少なくとも12μmである。
【0027】
疑問を回避するために各層間の順序を述べると、コポリエーテルエステル含有層は基体に隣接しており、引き剥がし可能な剥離層は、コポリエーテルエステル含有層の基体から離れた表面でコポリエーテルエステル含有層に隣接している。
【0028】
基体は、任意の織布または不織布材料であり、好ましくは不織布材料であり、より好ましくはスパンボンド材料である。本発明の一実施形態では、基体は、少なくとも50重量%、特に少なくとも65重量%、特に少なくとも90重量%および特に少なくとも99重量%のポリオレフィン、特にポリエチレンまたはポリプロピレンを含む。ポリオレフィンは、少量の他のコモノマー単位を含有することができるが、少なくとも50重量%、特に少なくとも65重量%、特に少なくとも90重量%および特に少なくとも99重量%のオレフィン反復単位を含有するものである。一実施形態では、少なくとも50重量%、特に少なくとも65重量%、特に少なくとも90重量%および特に少なくとも99重量%の繊維がポリオレフィン繊維である。他の実施形態では、基体は、従来の方法で機械的および/または化学的接着でコポリエーテルエステルと付着した際に、ISO2411によって定義される接着強度が通常1N/m未満であるような任意の材料である。本明細書で用いる用語「スパンボンド材料」とは、押出され、延伸され、次いで連続ベルト上に置かれたフィラメントによって形成された不織布織物を意味する。接着は、熱ロールカレンダー法またはウエブを高圧で飽和蒸気チャンバ中を通すなど、いくつかの方法によって行う。本発明で有用なスパンボンド不織布の例には、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーが販売しているTypar(登録商標)スパンボンドポリプロピレンがある。
【0029】
本発明の一実施形態では、本方法は、コポリエーテルエステル含有層と基体の間に連結層を設けるステップをさらに含む。連結層は、コポリエーテルエステルポリマーコーティングの基体への接着をさらに向上させる機能を果たす。言い換えれば、連結層は、基体とコポリエーテルエステルポリマーとを相溶化することができ、基体およびコポリエーテルエステルポリマーのいずれにも強力な結合を形成する。好ましい実施形態では、連結層は、1つまたは複数のエチレンと酢酸ビニルのコポリマー、好ましくは約30から約90重量%、好ましくは約60から約85重量%、好ましくは約67から約77重量%のエチレンコポリマー単位、ならびに約10から約70重量%、好ましくは約15から約40重量%、さらに好ましくは約23から約33重量%の酢酸ビニルコモノマー単位を含むコポリマーを含む。このタイプの市販の材料には、ELVAX(登録商標)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売のEVA)がある。上記の量のエチレン単位および酢酸ビニル単位が存在するならば、他のコモノマー単位がコポリマー中に少量存在してもよい。こうした連結層は、基体がポリオレフィンを含み、熱可塑性ポリマー樹脂が1つまたは複数のコポリエーテルエステルを含む場合に、特に有用である。
【0030】
この連結層は、当技術分野で知られた通常の添加剤をさらに含むことができる。連結層中に存在する、エチレンと酢酸ビニルを含む前記コポリマーの量は、連結層の、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは実質上100重量%である。
【0031】
連結層を設ける場合には、その厚みはコポリエーテルエステル含有層の厚みより薄いことが好ましく、好ましくは約1μmから約20μm、好ましくは約2μmから約8μm、さらにより好ましくは約2μmから約6μmである。
【0032】
任意選択で、ラミネートは、基体と連結層の間に配置された制御層を含むことができ、この制御層は、ラミネートの水蒸気透過率(MVTR)を低下させることができるポリマーを含むものである。こうした層がラミネートのMVTRを低下させる効果を有し、制御層が基体および連結層のいずれとも相溶性があるならば、制御層に用いることができるポリマーには特定の制約はない。適当なポリマーの例には、ポリエチレンまたはポリプロピレン、あるいはエチレンおよび/またはプロピレンを主反復単位として含むそのコポリマーが含まれる。制御層の一般的な厚みは、2から15μm、好ましくは10から15μmである。
【0033】
本発明の他の実施形態では、本方法は、基体表面にコポリエーテルエステル含有層を施す前、または基体表面にコポリエーテルエステル含有層と連結層を施す前に、追加の接着剤またはプライマーを基体表面に設けるステップをさらに含む。
【0034】
本発明の方法は、任意選択でひとつまたは複数の、ラミネートの冷却に引き続いてオンラインでまたはラミネート搬送後の後段階で剥離層を取り外すステップと、ラミネートから取り外された剥離層をリサイクルするステップとをさらに含む。
【0035】
引き剥がし可能な剥離層はコポリエーテルエステル含有層に対する引き剥がし性を有することが必要であり、コポリエーテルエステル含有層とともに共押出可能であることが好ましい。引き剥がし可能な剥離層の重要な要件は、その粘度が、ラミネート製造に使用される加工温度でコポリエーテルエステルの粘度とほぼ同じでなければならないことである。引き剥がし可能な剥離層は、一般にポリマー樹脂を含み、特にポリエチレンまたはポリプロピレン、あるいはエチレンおよび/またはプロピレンを主反復単位として含むそのコポリマーを含む。好ましい実施形態では、剥離層は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む。適当なLDPEの例には、STAMYLAN(登録商標)8108(DSMから)がある。
【0036】
引き剥がし可能な剥離層の厚みは、コポリエーテルエステル含有層の厚みに左右される。引き剥がし可能な剥離層は、コポリエーテルエステル含有層が確実に基体構造中へ十分浸透するように十分厚いことが重要である。引き剥がし可能な剥離層は、これをコポリエーテルエステル含有層から引き剥がすことができるように十分厚いこともまた重要である。しかし、剥離層が厚すぎるとピンホールが発生することになる。剥離層の厚みは、コポリエーテルエステル含有層の厚みより薄くするべきであることが見出されている。好ましくは、剥離層の厚みは、コポリエーテルエステル含有層の厚みの約90%以下、さらにより好ましくは約80%以下にするべきである。好ましくは、剥離層の厚みは、コポリエーテルエステル含有層の厚みの少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%である。言い換えれば、TRLを剥離層の厚み、TCLをコポリエーテルエステル含有層の厚みとした場合、TRL/TCLは1未満、好ましくは約0.9未満、より好ましくは約0.8未満でなければならない。好ましくは、TRL/TCLは約0.05より大きく、好ましくは約0.15より大きく、好ましくは約0.3より大きい。好ましい実施形態では、TRL/TCLは約0.8である。
【0037】
例えば、本発明の一実施形態では、コポリエーテルエステル含有層の厚みは約30μmである。したがって、引き剥がし可能な剥離層の厚みは、約30μm未満、好ましくは約27μm未満かつ少なくとも15μm、好ましくは約24μmとするべきである。
【0038】
引き剥がし可能な剥離層は、以下の効果の1つまたは複数を実現するものである。
(a) コーティングプロセス中に、温度制御、したがってポリマーコーティングの流れを制御するための熱制御層としての役割を果たすことができる。言い換えれば、剥離層がポリマーコーティング層に追加の熱容量をもたらし、これによりコーティング層はより長く高温に留まり、したがってより長く溶融していることが可能になる。溶融状態のこの長い持続が、ポリマーが基体の隙間に流れ込み機械的接着を向上させるための追加時間を与えると思われる。ある場合には、この追加の熱がポリマー樹脂と基体の界面の溶融を開始または増強して、接着強度を上昇させることができる。剥離層の厚みと組成、ならびにその温度を変化させることにより、ポリマーコーティングの冷却時間および流れを調節することができ、その結果、ポリマー樹脂と基体の接着強度をより一層制御することができるであろう。これによって、特に熱可塑性ポリマー樹脂層の厚みの平坦性についてコーティング品質を一層制御できるようになり、より均一なラミネートの製造が可能になる。
(b) 例えば、製造プロセスの後段または搬送中のコポリエーテルエステル含有層の汚れを減らすための、あるいは、後続の加工中にコポリエーテルエステル含有層が望まないのに設備へ付着するのを減らすための保護層としての役割を果たすことができる。
(c) コポリエーテルエステル含有層が望まないのに設備に付着するのを減らす追加的なメリットとして、プロセスをより高速で、一般には100m/分で、しばしば少なくとも150m/分で運転できるようになる。
(d) ポリマーコーティング内のピンホール、および気泡、他の欠陥を減少させる役割を果たすことができる。コーティングされた基体の(例えばカレンダーロールによる)加圧を用いるプロセス段階で、ポリマーコーティングがまだ「軟らか」過ぎる場合には、ニップ圧によって空気がコーティング中へ押し込まれてピンホールになる恐れがある。これは、空気のポケットまたは気泡がコーティングプロセス中に混入して加圧され、その後コーティングされた基体内で破裂することによって生成したものである。引き剥がし可能な剥離層を用いると、コーティング内への空気ポケットの混入を防止することができ、したがって、より均一なラミネートの製造が可能になる。
【0039】
もちろん、上記の(a)から(d)で説明した理論によって本発明を限定するつもりはない。
【0040】
コポリエーテルエステル含有層は、この層のポリマーの重量を基準として、コポリエーテルエステルを、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも65重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも99重量%含有する。コポリエーテルエステルは、一般に、以下詳述するように親水性である。
【0041】
ISO11443規格に従って測定したコポリエーテルエステルの粘度は、約3000Pa.s未満であり、好ましくは少なくとも20Pa.sである。ISO11443規格に従って測定した粘度は、好ましくは約20から約2000Pa.sの範囲、より好ましくは約40〜約1000Pa.s、より好ましくは約50から約700Pa.sである。粘度Pa.sは、せん断速度sec-1と温度の関数として、ISO11443規格に従って測定する。粘度測定に用いる温度は、最低はポリマーの融(または軟化)点のすぐ上(一般に約200から約210℃)から、最高は熱可塑性材料の加工方法(例えば、共押出、射出成形、およびラミネーション)で用いる温度(一般に約230から約260℃、特に約240から約250℃)のすぐ上までである。一般に、熱可塑性樹脂の加工で用いる温度は、熱可塑性樹脂の融点より約20〜約50℃、かつ特に約40〜約50℃高い。粘度測定で用いるせん断速度は、約10〜約10000sec-1であった。この範囲は、熱可塑性材料の加工方法で一般に用いられるせん断速度を含んでいる。
【0042】
本発明の一実施形態では、コポリエーテルエステルの粘度は、約200〜約250℃の温度範囲でISO11443規格に従って測定して、約3000Pa.s未満、好ましくは少なくとも20Pa.s、好ましくは約20から約2000Pa.s、より好ましくは約40から約1000Pa.s、より好ましくは約50から約700Pa.sである。他の実施形態では、コポリエーテルエステルの粘度は、本発明の方法で用いる加工温度より20から35℃低い温度でISO11443規格に従って測定して、約3000Pa.s未満、好ましくは少なくとも20Pa.s、好ましくは約20から約2000Pa.s、より好ましくは約40から約1000Pa.s、より好ましくは約50から約700Pa.sである。この実施形態では、「本発明の方法で用いる加工温度」の意味は、好ましくは、本発明の好ましい共押出コーティング方法で用いる押出温度のことである。
【0043】
好ましくは、コポリエーテルエステルの融点は、120℃より高く、通常は約120℃から約220℃である。コポリエーテルエステルの融点が約120℃未満になると、ポリマーは粘着性がありフィルムの形態で取り扱うことが困難であり、融点が約220℃より高いとフィルムは過度に堅くなってしまう。融点は、ISO3146規格に従って示差走査熱分析(DSC)によって測定する。
【0044】
本発明の一実施形態では、コポリエーテルエステルエラストマーは、米国特許第4,725,481号に開示されたものから選択される。この開示を参照により本明細書に合体する。
【0045】
好ましい実施形態では、コポリエーテルエステルエラストマーは、エステル結合で頭尾結合した複数の反復長鎖エステル単位および短鎖エステル単位を有し、前記長鎖エステル単位が次式によって表され、
【0046】
【化3】
Figure 0004599015
【0047】
前記短鎖エステル単位が次式によって表され、
【0048】
【化4】
Figure 0004599015
【0049】
式中、
Gは、平均分子量が約400〜3500のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端水酸基を除去した後に残る2価の基であり、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールによって前記1つまたは複数のコポリエーテルエステルに組み込まれたエチレンオキシド基の量は、コポリエーテルエステルの総重量を基準にして、約20から約68重量%、好ましくは約25から約68重量%であり、
Rは、分子量が約300未満のジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る2価の基であり、
Dは、分子量が約250未満のジオールから水酸基を除去した後に残る2価の基であり、
前記コポリエーテルエステルは、約25から約80重量%の短鎖エステル単位を含有する。
【0050】
前記コポリエーテルエステルは、ASTME96−66(BW法)によるMVTRが、少なくとも約2500、好ましくは少なくとも約3500、より好ましくは約3500から約20000gm.mil/m2/24時間であることが好ましい。
【0051】
本明細書で用いる用語「コポリエーテルエステルに組み込まれたエチレンオキシド基」は、長鎖エステル単位の(CH2−CH2−O−)基の、総コポリエーテルエステル中の重量%を意味する。ポリマー中の量を決めるためにカウントされるコポリエーテルエステルのエチレンオキシド基は、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール由来のものであり、低分子量ジオールによってコポリエーテルエステル中に導入されたエチレンオキシド基ではない。
【0052】
本明細書で用いる、ポリマー鎖中の単位に適用する用語「長鎖エステル単位」は、長鎖のグリコールとジカルボン酸との反応生成物を意味する。適当な長鎖グリコールは、末端に(またはなるべく末端近くに)水酸基を有し、分子量が約400から約3500、特に約600から約1500のポリ(アルキレンオキシド)グリコールである。
【0053】
コポリエーテルエステルの製造に用いられるポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、コポリエーテルエステルの総重量を基準にして約20から約68重量%、好ましくは約25から約68重量%、より好ましくは約30から約55重量%のエチレンオキシド基を有するコポリエーテルエステルが得られる量のエチレンオキシド基を含有するものである。エチレンオキシド基は、水蒸気が容易に透過する性質をポリマーに与え、一般に、コポリエーテルエステル中のエチレンオキシドの比率が高いと水透過性が高くなる。第2のポリ(アルキレンオキシド)グリコールを少量含有するエチレンオキシドのランダムまたはブロックコポリマーを用いることができる。一般に、第2のモノマーを存在させる場合は、この第2のモノマーは、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの約30モル%未満、通常約20モル%未満を構成するものとする。代表的な長鎖グリコールには、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドグリコール、得られるコポリエーテルエステルが少なくとも約25重量%のエチレンオキシド基の量を有するという条件で、ポリ(エチレンオキシド)グリコールとエチレンオキシドキャップドポリ(プロピレンオキシド)グリコールおよび/またはポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールなどの他のグリコールとの混合物が含まれる。優れた水蒸気透過性と限定的な水膨潤性とを併せ持つので、分子量が約600から1500のポリ(エチレンオキシド)グリコールから調製されるコポリエーテルエステルが好ましく、フィルムに形成した場合広い温度範囲で有用な性質を示す。
【0054】
コポリエーテルエステルのポリマー鎖の単位に適用される用語「短鎖エステル単位」は、分子量が約550未満の低分子量化合物またはポリマー鎖単位のことである。これらは、低分子量ジオールまたはジオールの混合物(MWが約250未満)をジカルボン酸と反応させて上記の式(II)で表されるエステル単位を形成することによって製造する。
【0055】
反応してコポリエーテルエステルの調製に用いるのに適当な短鎖エステル単位を形成する低分子量ジオールには、非環式、脂環式、および芳香族ジヒドロキシ化合物が含まれる。好ましい化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソブチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールおよびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレンなどの、炭素原子2〜15個のジオールである。特に好ましいジオールは、炭素原子2〜8個を含む脂肪族ジオールであり、最も好ましいのは1,4−ブタンジオールである。使用できるビスフェノールには、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、およびビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが含まれる。エステルを形成する等価のジオール誘導体もまた有用である(例えば、エチレンオキシドまたはエチレンカーボネートをエチレングリコールの代替として用いることができる)。本明細書で用いる用語「低分子量ジオール」は、こうした等価のエステル形成誘導体を含めるものと解釈するべきである。ただし、分子量要件は、誘導体ではなくジオールに付随するものである。
【0056】
前記の長鎖グリコールおよび低分子量ジオールと反応してコポリエーテルエステルを生成するジカルボン酸は、低分子量、すなわち分子量が約300未満の脂肪族、脂環式、または芳香族ジカルボン酸である。本明細書で用いる用語「ジカルボン酸」は、グリコールおよびジオールと反応してコポリエーテルエステルポリマーを形成する際に、実質上ジカルボン酸のように機能する2官能性カルボキシル基を有するジカルボン酸の酸等価物を含む。これらの等価物には、エステル、および酸ハロゲン化物および酸無水物などのエステル形成誘導体が含まれる。分子量の要件は酸に付随し、その等価エステルまたはエステル形成誘導体には付随しない。したがって、分子量が300を超えるジカルボン酸のエステル、または分子量が300を超えるジカルボン酸の酸等価物は、その酸の分子量が約300未満であれば含まれる。ジカルボン酸は、コポリエーテルエステルポリマーの形成およびこのポリマーの本発明の組成物中での使用を実質上妨げない任意の置換基または組み合わせを含むことができる。
【0057】
本明細書で用いる用語「脂肪族ジカルボン酸」は、各々が飽和炭素原子に結合した2個のカルボキシル基を有するカルボン酸を意味する。カルボキシル基が結合する炭素原子が飽和で環状の場合は、この酸は脂環式である。共役不飽和結合を有する脂肪族の酸または脂環式の酸は、ホモ重合するので使用できないことが多い。しかし、マレイン酸などのある種の不飽和酸は使用することができる。
【0058】
本明細書で用いる用語の芳香族ジカルボン酸は、2個のカルボキシル基が炭素環芳香族環構造の炭素原子に結合したジカルボン酸である。官能性カルボキシル基の両方が同じ芳香族環に結合している必要はなく、2個以上の環がある場合は、これらを脂肪族または芳香族の2価の基、または−O−または−SO2−などの2価の基によって結合することができる。
【0059】
使用できる代表的な脂肪族および脂環式の酸には、セバチン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタール酸、4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、2−エチルスベリン酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフチレンジカルボン酸、4,4′−ビシクロヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフチレンジカルボン酸、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)カルボン酸、3,4−フランジカルボン酸がある。好ましい酸は、シクロヘキサン−ジカルボン酸およびアジピン酸である。
【0060】
代表的な芳香族ジカルボン酸には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ビ安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、p−オキシ−1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4,′−スルホニルジ安息香酸など2個のベンゼン環を有する置換ジカルボキシ化合物、ならびにそのC1〜C12アルキル誘導体、およびハロ、アルコキシおよびアリール誘導体などの環置換誘導体が含まれる。芳香族ジカルボン酸も存在するという条件でp−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などのヒドロキシ酸も使用することができる。
【0061】
芳香族ジカルボン酸類が、本発明に有用なコポリエーテルエステルポリマーを調製するための好ましい種である。芳香族の酸の中では、炭素原子8〜16個のものが好ましく、特にテレフタル酸単独またはフタル酸および/またはイソフタル酸との混合物が好ましい。
【0062】
コポリエーテルエステルは、上記の式(II)に相当する短鎖エステル単位約25〜80重量%を含有し、残りは上記の式(I)に相当する長鎖エステルである。コポリエーテルエステルが、約25重量%未満の短鎖エステル単位しか含まないと、結晶化速度が非常に遅くなり、コポリエーテルエステルは粘着性で取り扱いが困難である。約80重量%を超える短鎖エステル単位が存在すると、コポリエーテルエステルは一般に堅くなりすぎる。コポリエーテルエステルは、約30〜60重量%、好ましくは約40〜60重量%の短鎖エステル単位を含有し残りは長鎖エステル単位であることが好ましい。一般に、コポリエーテルエステル中の短鎖エステル単位の割合が高くなると、ポリマーの引張強さおよび弾性率が高くなり、水蒸気透過率は低下する。上記の式(I)および(II)のRによって表される基の少なくとも約70%が1,4−フェニレン基であり、上記の式(II)のDによって表される基の少なくとも約70%が1,4−ブチレン基であり、1,4−フェニレン基ではないR基および1,4−ブチレン基ではないD基の割合の合計が30%を超えないことが最も好ましい。コポリエーテルエステルを作るために第2のジカルボン酸を使用する場合は、イソフタル酸が選択すべき酸であり、第2の低分子量ジオールを使用する場合は、1,4−ブテンジオールまたはヘキサメチレングリコールが選択すべきジオールである。
【0063】
2つ以上のコポリエーテルエステルエラストマーのブレンドまたは混合物を使用することができる。ブレンドに用いる個々のコポリエーテルエステルエラストマーは、エラストマーについて本明細書ですでに開示した数値内に入れる必要はない。しかし、2つ以上のコポリエーテルエステルエラストマーのブレンドは、コポリエーテルエステルについて本明細書で説明した数値に、重量平均ベースで適合しなければならない。例えば、2つのコポリエーテルエステルエラストマーを等しい量含有する混合物において、短鎖エステル単位45重量%の重量平均を得るために、1つのコポリエーテルエステルは60重量%の短鎖エステル単位を含有することができ、もう1つのコポリエーテルエステルは30重量%の短鎖エステル単位を含有することができる。
【0064】
コポリエーテルエステルのMVTRは、様々な手段によって調節することができる。コポリエーテルエステル層の厚みはMVTRに影響し、層が薄いとMVTRは高くなる。コポリエーテルエステル中の短鎖エステル単位の割合が増加するとMVTRは低下するが、ポリマーの結晶性が高くなるために層の引張強さが増大することにもなる。
【0065】
ASTM法D−412によって測定したコポリエーテルエステルエラストマーのヤング率は、好ましくは1000〜14,000psi(6.89〜96.46MPa)、通常2000〜10,000psi(13.78〜68.9MPa)である。弾性率は、コポリエーテルエステルエラストマーの短鎖セグメントと長鎖セグメントの比、およびコポリエーテルエステル調製用のコモノマーの選択によって制御することができる。弾性率が比較的低いコポリエーテルエステルは、一般に、構造の堅さとドレープが重要なラミネート構造に優れた引張回復性と美観をもたらす。
【0066】
好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーは、テレフタル酸およびイソフタル酸のエステルまたはエステル混合物、1,4−ブタンジオール、およびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールまたはエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドグリコールから調製され、あるいは、テレフタル酸のエステル、例えばテレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール、およびポリ(エチレンオキシド)グリコールから調製される。より好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーは、テレフタル酸のエステル、例えばテレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール、およびポリ(エチレンオキシド)グリコールから調製される。
【0067】
ジカルボン酸またはその誘導体および高分子量グリコールは、反応混合物中に存在するものと同じモル比で最終生成物に組み込まれる。実際に組み込まれる低分子量ジオールの量は、反応混合物中に存在する二塩基酸と高分子量グリコールのモル数の差に相当する。低分子量ジオールの混合物を用いる場合は、組み込まれる各ジオールの量は、主として、存在するジオールの量、これらの沸点、および相対的反応性の関数である。組み込まれるグリコールの総量は、やはり、二塩基酸と高分子グリコールのモル数の差である。本明細書に記載のコポリエーテルエステルエラストマーは、通常のエステル交換反応によって好都合に製造することができる。好ましい方法では、芳香族酸のエステル、例えばテレフタル酸のジメチルエステルを、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよび過剰モルの低分子量ジオール、1,4−ブタンジオールとともに触媒存在下150°〜160℃に加熱し、次いで交換反応によって生成したメタノールを留去する。加熱はメタノールの発生が完結するまで継続する。温度、触媒、および過剰のグリコールに応じて、この重合は2〜3分から2〜3時間以内に完結する。この生成物は、低分子量プレポリマーの調製で終わり、これを以下に説明の方法によって高分子量コポリエーテルエステルにもってゆく。こうしたプレポリマーはまた、いくつかの他のエステル化またはエステル交換プロセスによって調製することもできる。例えば、長鎖グリコールを、高または低分子量短鎖エステルホモポリマーまたはコポリマーと、触媒の存在下ランダム化が起こるまで反応させることができる。短鎖エステルホモポリマーまたはコポリマーは、上記のようにジメチルエステルおよび低分子量ジオール、または遊離酸とジオール酢酸エステルからのエステル交換によって調製することができる。別法として、短鎖エステルコポリマーは、適当な酸、酸無水物、または酸塩化物と、例えばジオールとの直接エステル化によって、または酸と環状エステルまたはカーボネートの反応など他のプロセスによって調製することができる。明らかに、プレポリマーは、長鎖グリコールの存在下でこれらのプロセスを行わせることによっても調製することができる。
【0068】
次いで、過剰の短鎖ジオールを蒸留することによって、得られるプレポリマーを高分子量にもってゆく。この方法は、「重縮合」として知られている。この蒸留中にエステル交換がさらに起こって、分子量が増大し、コポリエーテルエステル単位の配列がランダム化される。この最終蒸留または重縮合を、1,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオンアミド]−ヘキサンまたは1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル]ベンゼンなどの酸化防止剤の存在下、圧力1mm未満および240°〜260℃で2時間未満行うと、通常最良の結果が得られる。重合反応を完結させるための最も実用的な重合技術としては、エステル交換が信頼できる。不可逆的な熱分解の恐れがある高温での過剰な保持時間を避けるために、エステル交換反応に触媒を使用することが有利である。様々な触媒を用いることができるが、チタン酸テトラブチルなどの有機チタン酸塩を単独でまたは酢酸マグネシウムまたは酢酸カルシウムと組み合わせて用いることが好ましい。アルカリまたはアルカリ土類金属アルコキシドとチタン酸エステルから誘導されるようなチタン酸錯体も非常に有効である。チタン酸ランタン、酢酸カルシウム/三酸化アンチモン混合物、ならびにリチウムおよびマグネシウムアルコキシドなどの無機チタン酸塩は、使用できるその他の触媒を代表するものである。
【0069】
一般に、エステル交換重合は溶媒を加えないで溶融状態で行われるが、低温で反応混合物から揮発性成分を除去しやすくするために不活性溶媒を用いることができる。この技術は、例えば直接エステル化によるプレポリマーの調製時に特に貴重である。しかし、ある種の低分子量ジオール、例えばブタンジオールは、共沸蒸留によって重合中に都合よく除去される。他の特殊な重合技術、例えばビスフェノールとビスハロゲン化アシルおよびビスハロゲン化アシルキャップド線状ジオールとの界面重合は、特定のポリマーの調製に有用である。コポリエーテルエステルポリマー調製の任意の段階に、バッチ法および連続法のいずれをも用いることができる。プレポリマーの重縮合はまた、細分化した固形プレポリマーを真空中または不活性ガス流中で加熱して、遊離した低分子量ジオールを除去することによって固相でも行うことができる。この方法は、プレポリマーの軟化点未満の温度で行わねばならないので、分解を押さえる利点がある。主たる欠点は、所与の重合度に到達するのに長時間を要することである。
【0070】
コポリエーテルエステルは多くの望ましい性質を有するが、熱または光による分解に対してもこれらの組成物を安定化させることが賢明なことがある。これは、コポリエーテルエステル組成物中に安定剤を混ぜることによって用意に実現できる。満足の行く安定剤は、フェノール、特にヒンダードフェノールおよびその誘導体、アミンおよびその誘導体、特にアリールアミンを含む。
【0071】
安定剤として有用な代表的なフェノール誘導体には、4,4,′−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル]ベンゼン、および1,6−ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]ヘキサンが含まれる。ヒンダードフェノールとジラウリルチオジプロピオネートまたはホスフィットなどの補助安定剤との混合物が特に有用である。光安定性は、少量の顔料の添加、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの光安定剤の混合によって改良される。ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)n−ブチル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートなどのヒンダードアミン光安定剤を、通常、コポリエーテルエステルの0.05〜1.0重量%の量で添加することは、耐光分解性を有する組成物の調製に特に有用である。
【0072】
様々な通常のフィラーを、コポリエーテルエステルおよびフィラーのみの合計重量を基準として、一般に約1〜10重量%の量でコポリエーテルエステルに加えることができる。クレー、タルク、アルミナ、カーボンブラック、およびシリカなどのフィラーを用いることができ、後者が好ましく、さらに白および淡色の顔料をポリマーに添加することができる。一般に、これらの添加剤は、様々な伸び率において弾性率を高くする効果がある。
【0073】
本発明の方法によって得られるラミネート構造は、防水性および水蒸気透過性であり、コポリエーテルエステル含有層が基体に強く接着しているという利点がある。
【0074】
本発明の方法によって得られるラミネート構造が、コポリエーテルエステル含有層と本明細書で既に説明したポリ(エチレン酢酸ビニル)を含む連結層とを含む場合は、ラミネート構造は、差別透過性を示すことができるというさらなる利点を有する。すなわち、ラミネート層を通る一方向のMVTRが、反対方向のMVTRより大きい。したがって、連結層を使用すると、接着性が改良されるだけでなく、コポリエーテルエステル含有層と組み合わせることで、その構造が差別透過性を示すようにすることができる。
【0075】
差別透過性を示すようなラミネート構造では、コポリエーテルエステル含有層および連結層から基体方向へのMVTR(下記の式(1)でMVTRCASとした)が、基体層から連結層およびコポリエーテルエステル含有層方向へのMVTR(下記の式(1)でMVTRSACとした)より大きい。このMVTR比は、下記のように表される。
【0076】
MVTRCAS/MVTRSAC(式1)
【0077】
好ましい実施形態では、MVTR比は、少なくとも約1.5、好ましくは約2から約10である。
【0078】
各層のMVTRは、主としてその層の化学組成および層の厚みの影響を受け、これらのパラメータを調整して、所望により、特定の最終用途に適するようにラミネートを仕立てることができる。
【0079】
本発明の好ましい実施形態では、ASTM E96−66(BW法)による連結層のMVTRは、約100から約2000gm.mil/m2/24時間、好ましくは約150から約1500gm.mil/m2/24時間であり;ASTM E96−66(BW法)によるコポリエーテルエステル含有層のMVTRは、少なくとも約2500gm.mil/m2/24時間、好ましくは少なくとも約3500gm.mil/m2/24時間、より好ましくは約3500から約20000gm.mil/m2/24時間である。
【0080】
ラミネートに蒸気制御層としての機能を所望する場合は、上記の制御層を基体と連結層の間に加える。一般には、制御層を用いると、制御層を含むラミネート構造体のMVTRが、制御層のないラミネート構造体のMVTRよりも5から10分の1、好ましくは20分の1になる。
【0081】
透過性は蒸気圧(相対湿度)と直線関係にない。相対湿度が上昇すると、コポリエーテルエステル含有層は、これを膨潤させ透過性を高くする組成で決まる量の水を吸収する。コポリエーテルエステルの水膨潤能力は、ポリマーの長鎖エステル単位の重量百分率が増加すると高くなる。
【0082】
本発明の好ましい実施形態では、フィルム層が非常に薄くてもフィルム層と基体との間に良好な接着力が得られる。本発明の好ましい実施形態では、フィルム層が主としてコポリエーテルエステル、基体が主としてポリオレフィン繊維からなる不織布の場合、本発明のラミネート材料が少なくとも0.1N/mの接着強度を示すことが好ましい。より好ましくは、ラミネート材料の接着強度は少なくとも1N/mであり、より好ましくは少なくとも2N/mである。本発明のさらにより好ましい実施形態では、フィルム層が主として厚み50μm未満のコポリエーテルエステル、基体が主としてポリオレフィン繊維からなる不織布の場合、フィルムと基体の接着強度は少なくとも3N/m、より好ましくは少なくとも5N/m、より好ましくは少なくとも8N/m、最も好ましくは少なくとも10N/mである。
【0083】
本発明の方法で得られるラミネート構造体には多くの用途がある。このラミネートは防水性水蒸気透過性メンブレン、特に差別透過性を有するメンブレンであるメンブレンとして特に有用である。特に重要なのは、建設産業において、例えば屋根または壁下地材としてこれらを利用することである。このラミネートはまた、例えば、農業用マット、吸収性衛生製品、ガーメント、および手術用ドレープに用いる防水性で水蒸気透過性の織物の製造にも用いられる。こうした防水性で水蒸気透過性のガーメントは、ナイロンまたはポリエステルなどの基体を含むことができる。
【0084】
次に図面について説明すると、図1では、連結層(2a)、熱可塑性ポリマー樹脂層(2b)、および剥離層(3)が、押出機(10)から基体(1)上に共押出される。コーティングされた基体は、ニップロール(11)とチルロール(12)の間でプレスされる。剥離層(3)は、リサイクルまたは廃棄のために分離ローラ(示さず)上へ剥ぎ取られ、ラミネート完成品(4)は他のローラ(示さず)上へ巻き取られる。
【0085】
図2では、ラミネート構造体は、基体(5)、連結層(6)、および熱可塑性ポリマー樹脂コーティング(7)からなる。図2の矢印20は、水蒸気透過の主たる方向である。矢印21の方向へは、水蒸気の透過はほとんどまたはまったくない。
【0086】
本発明を、以下の実施例によってさらに例証する。これらの実施例は例証を目的とするだけであり、上記の本発明を限定するものではないことを理解するであろう。本発明の精神から逸脱することなく、詳細の修正を行うことができる。
【0087】
(実施例)
本発明の方法を、下記の実施例で例示する。一連のラミネートは、本発明の押出コーティング方法で引き剥がし可能な剥離層を用いて調製した。また、一連の比較例を引き剥がし可能な剥離層なしに調製した。
【0088】
実施例において、基体はポリプロピレン(PP)不織布またはポリエチレン(PE)不織布であった。実施例で用いた基体は幅55cmであった。PP不織布基体は、坪量85g/m2のXavan(登録商標)5217−Bスパンボンドポリプロピレンシート(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)であった。PE不織布は、坪量60g/m2のTyvek(登録商標)1460B(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)であった。ELVAX(登録商標)3175(エチレン約72%と酢酸ビニル約28%を含むコポリマー、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)を含む連結層をいくつかの実施例で用いた。引き剥がし可能な剥離層は、LDPE(STAMYLAN(登録商標)8108、DSM販売)であった。
【0089】
各実施例に用いたコポリエーテルエステル含有層は、ACTIVE MEMBRANE AM6000(登録商標)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー)であった。AM6000(登録商標)は、1,4−ブチレンテレフタレート45重量%、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリエーテルテレフタレート55重量%を含有する親水性コポリエーテルエステルである。コポリエーテルエステルの製造に用いたコポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、ポリ(プロピレンエーテル)グリコールをエチレンオキシド64重量%で末端キャッピングすることによって得られ、分子量は約2100であった。コポリエーテルエステルは、エチレンオキシド含有量の計算値が33重量%であり、短鎖エステル単位を45重量%含有していた。このポリマーの融点は200℃であった。樹脂は使用前に除湿乾燥機で(80℃で8時間または210℃で2時間)乾燥した。
【0090】
比較例1
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、図1について既述したような押出ラミネーション装置を用いて上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。基体は、押出コーティング前に2kWでコロナ処理した。コポリエーテルエステル樹脂はペレットの形状で、BAC3層溶融物結合ブロックに接続された直径64mm(2.5インチ)、40HPのスクリュー押出機に供給した。この比較例では、溶融物ブロックに供給されたポリマー溶融物はコポリエーテルエステルだけであった。コポリエーテルエステルポリマーは、溶融温度250℃で溶融物ブロックに供給された。この溶融物は、ダイギャップが0.7mmで長さ705mmのダイを通して溶融フィルムとして押し出された。この溶融フィルムは、接着剤をつけずにPP不織布基体にコーティングされた。PP不織布基体は、ダイ開口部の下方に150mm離してあった。PP基体と溶融フィルム層を、直ちにチルロールとニップロールの間で加圧した。チルロールは、直径750mm、クロムメッキ、水冷(Tmin=8℃)ロールであり、ニップロールは、硬度80ショアAのシリコーンゴム表面を有するロールであった。ニップ圧は、27kg/線cmに保った。不織布は、100m/分のライン速度でニップに供給した。フィルムが回転チルロール上で冷えた後、ラミネートはトランスファーロールによってチルロールから取り出され引き取りロールに供給された。厚み25μmのフィルム層を有する基体が得られた。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層との接着強度は無視できるほど小さかった。
【0091】
比較例2
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、厚み40μmのコポリエーテルエステルフィルム層が得られるようにポリマー溶融物の供給速度を上げたこと以外は比較例1の方法に従って、上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。下記の表1にまとめて示したように、基体とフィルム層との接着強度は無視できるほど小さかった。
【0092】
比較例3
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、下記のステップを追加して、比較例1の方法に従って上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。低密度ポリエチレン(DSMのSTAMYLAN(登録商標)8108LDPE)は、やはりBAC3層溶融物結合ブロックに接続された直径90mm(3.5インチ)、150HPスクリュー押出機から押出された。LDPEポリマーを、溶融温度250℃で溶融物ブロックに供給した。A層としてコポリエーテルエステルおよびB層としてLDPEを有する2成分溶融フィルムをダイから押し出した。溶融フィルムを、フィルムのコポリエーテルエステル側をPP基体に向けて、比較例1に記載のコロナ処理PP基体と接触させた。チルロールから取り出したラミネートは、厚み25μmのコポリエーテルエステルフィルム層と厚み2μmのLDPEフィルム層を有していた。LDPEフィルム層がコポリエーテルエステル層から引き剥がされ、PP基体/コポリエーテルエステルフィルムのラミネートが残った。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層の間の接着強度は0.19N/mであった。
【0093】
実施例1
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、厚み20μmのLDPEフィルム層が得られるようにLDPEポリマーの溶融物供給速度を上げたこと以外は比較例3の方法に従って、上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。下記の表1にまとめて示したように、この変化で、基体とフィルム層の間の接着強度は10.4N/mに上昇した。
【0094】
比較例4
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、下記のステップを追加して、比較例1の方法に従って上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。EVA連結層(ELVAX(登録商標)3175、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー)を、やはりBAC3層溶融物結合ブロックに接続された直径64mm(2.5インチ)、40HPのスクリュー押出機から押し出した。EVAポリマーを、溶融温度240℃で溶融物ブロックに供給した。A層としてコポリエーテルエステルおよびC層としてLDPEを有する2成分溶融フィルムをダイから押し出した。溶融フィルムを、フィルムのEVA側をPP基体に向けて、比較例1に記載のコロナ処理したPP基体と接触させた。チルロールから取り出したラミネートは、コポリエーテルエステル層とPP基体の間に厚み25μmのコポリエーテルエステルフィルム層と厚み3μmのEVAフィルム連結層を有していた。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層の間の接着強度は2.3N/mであった。
【0095】
比較例5
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、下記のステップを追加して、比較例4の方法に従って上記のPP不織布基体上に押出コーティングした。低密度ポリエチレン(DSMのSTAMYLAN(登録商標)8108LDPE)は、やはりBAC3層溶融物結合ブロックに接続された直径8.9cm(3.5インチ)、150HPスクリュー押出機から押出された。LDPEポリマーを、溶融温度250℃で溶融物ブロックに供給した。片側のLDPE層Bと反対側のEVA層Cとの間にコポリエーテルエステル層Aを挟んだ3成分溶融フィルムをダイから押し出した。溶融フィルムを、フィルムのEVA側をPP基体に向けて、比較例1に記載のコロナ処理したPP基体と接触させた。チルロールから取り出したラミネートは、厚み3μmのEVAフィルム層がPP基体と厚み25μmのコポリエーテルエステルフィルム層の間に接着していた。厚み2μmのLDPEフィルム層が、コポリエーテルエステル層の反対側に接着していた。LDPEフィルム層がコポリエーテルエステル層から引き剥がされ、PP基体/EVAフィルム/コポリエーテルエステルフィルムのラミネートが残った。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層の間の接着強度は3.6N/mであった。
【0096】
実施例2
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、厚み20μmのLDPEフィルム層が得られるようにLDPEポリマーの溶融物供給速度を上げたこと以外は比較例5の方法に従って、上記のコロナ処理したPP不織布基体上に押出コーティングした。表1にまとめて示したように、この変化で、基体とフィルム層の間の接着強度は、フィルムが基体から剥離する前にポリマーフィルムが破壊したほどであった。ASTM D1004に従って測定したポリマーフィルムの引裂抵抗は、100N/mを超える。
【0097】
実施例2のラミネートのMVTR比を、引き剥がし可能な剥離層を除去して以下のように測定した。標準試験NF G52(温度32℃で「アップカップ」法)を用いて、基体を湿気に向けたMVTRは1076gm/m2/24時間を示し、コポリエーテルエステル含有層を湿気に向けたMVTRは2328gm/m2/24時間を示した。MVTR比はしたがって2.16である。
【0098】
比較例6
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、コロナ処理したPE不織布基体(Tyvek(登録商標)1460B、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)をPP不織布基体の代わりに用いたこと以外は比較例1の方法に従って、不織布基体上に押出コーティングした。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層の間の接着強度は無視できるほど小さかった。
【0099】
実施例3
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、コロナ処理したPE不織布基体(Tyvek(登録商標)1460B、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)をPP不織布基体の代わりに用いたこと以外は比較例3の方法に従って、不織布基体上に押出コーティングした。表1にまとめて示したように、基体とフィルム層の間の接着強度は2.2N/mであった。
【0100】
実施例4
AM6000(登録商標)ポリマーのコポリエーテルエステルフィルムを、以下の変化を除いて、比較例6の方法に従って不織布基体上に押出コーティングした。コロナ処理したPE不織布基体(Tyvek(登録商標)1460B、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー販売)をPP不織布基体の代わりに用いた。さらに、ELVAX(登録商標)連結層の厚みを、実施例2の3μm厚フィルム層の代わりに4μm厚フィルム層として押出した。表1にまとめて示したように、この変化で、基体とフィルム層の間の接着強度は、フィルムが基体から剥離する前にTYVEK(登録商標)基体が破壊したほどであった。
【0101】
標準試験ISO2411に従って、上記実施例に記載のラミネート各々の接着強度を測定した。結果を表1にまとめて示す。
【0102】
【表1】
Figure 0004599015
【0103】
表1に示した試験データから、本発明の方法は、ポリマーコーティングの厚みが非常に薄い場合でも、ポリマーコーティングと基体の間の接着性が良好なラミネートを提供できることがわかる。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
[1] その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングを有する基体を含み、前記熱可塑性ポリマー樹脂の基体から離れた表面と接触している引き剥がし可能な剥離層をさらに含むラミネートを調製する方法であって、前記方法が、
基体層を形成するまたは設けるステップと、
その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングおよび引き剥がし可能な剥離層を設けるステップとを含み、引き剥がし可能な剥離層は、熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みの少なくとも30%の厚みであり、熱可塑性ポリマー樹脂は、ISO11443規格に従って、10から10,000sec-1で、最低は熱可塑性ポリマー樹脂の融点のすぐ上の温度から最高は熱可塑性ポリマー樹脂の加工温度のすぐ上の温度で測定した粘度が約3000Pa.s未満であることを特徴とする方法。
[2] 前記熱可塑性ポリマー樹脂コーティングおよび前記引き剥がし可能な剥離層が前記基体上に共押出される共押出方法であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3] 10から10,000sec-1で熱可塑性ポリマー樹脂の融点より20から40℃高い温度で、ISO11443規格に従って測定した前記熱可塑性ポリマー樹脂の粘度が、約3000Pa.s未満であることを特徴とする[2]に記載の方法。
[4] ISO11443規格に従って測定した前記熱可塑性ポリマー樹脂の粘度が、約40から約1000Pa.sであることを特徴とする[1]に記載の方法。
[5] 前記剥離層を取り外し、任意選択で前記引き剥がし可能な剥離層をリサイクルするステップをさらに含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[6] 前記熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みが、約50μm未満であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[7] 前記引き剥がし可能な剥離層の厚みが、前記熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みより薄いことを特徴とする[1]に記載の方法。
[8] 前記引き剥がし可能な剥離層が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[9] 連結層を前記熱可塑性ポリマー樹脂とともに共押出するステップをさらに含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[10] 前記連結層の厚みが、前記熱可塑性ポリマー樹脂層の厚みより薄いことを特徴とする[9]に記載の方法。
[11] 前記基体が、ポリオレフィンを含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[12] 前記熱可塑性層が、1つまたは複数のコポリエーテルエステルエラストマーを含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[13] その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングを有する基体を含み、前記熱可塑性ポリマー樹脂の基体から離れた表面と接触している引き剥がし可能な剥離層をさらに含むラミネートを調製する方法であって、前記方法が、
基体層を形成するまたは設けるステップと、
その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングおよび引き剥がし可能な剥離層を設けるステップとを含み、引き剥がし可能な剥離層は、熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みの少なくとも30%の厚みであり、熱可塑性ポリマー樹脂は、ISO11443規格に従って、10から10,000sec-1で、最低は熱可塑性ポリマー樹脂の融点のすぐ上の温度から最高は熱可塑性ポリマー樹脂の加工温度のすぐ上の温度で測定した粘度が約3000Pa.s未満である方法であって、
前記熱可塑性ポリマー樹脂が1つまたは複数のコポリエーテルエステルエラストマーを含み、前記コポリエーテルエステルエラストマーが、エステル結合で頭尾結合した複数の反復長鎖エステル単位および短鎖エステル単位を有し、前記長鎖エステル単位が次式によって表され、
【化3】
Figure 0004599015
前記短鎖エステル単位が次式によって表され、
【化4】
Figure 0004599015
式中、
Gが、平均分子量が約400〜3500のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端水酸基を除去した後に残る2価の基であり、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールによって前記1つまたは複数のコポリエーテルエステルに組み込まれたエチレンオキシド基の量は、コポリエーテルエステルの総重量を基準にして約25から約68重量%であり、
Rが、分子量が約300未満のジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る2価の基であり、
Dが、分子量が約250未満のジオールから水酸基を除去した後に残る2価の基であり、
前記コポリエーテルエステルが、約25から約80重量%の短鎖エステル単位を含有することを特徴とする方法。
[14] 前記基体がポリオレフィンを含み、前記連結層がエチレンと酢酸ビニルのコポリマーを含み、前記熱可塑性ポリマー樹脂が1つまたは複数のコポリエーテルエステルを含むことを特徴とする[9]または[10]に記載の方法。
[15] MVTRCASが前記コポリエーテルエステル含有層および前記連結層から前記基体方向への水蒸気透過率(MVTR)であり、MVTRSACが前記基体層から前記連結層および前記コポリエーテルエステル含有層方向へのMVTRである場合に、得られたラミネートはMVTRCAS>MVTRSACであることを特徴とする[14]に記載の方法。
[16] MVTR比がMVTRCAS/MVTRSACとして定義され、得られたラミネートは少なくとも約1.5のMVTRを有することを特徴とする[15]に記載の方法。
[17] 25ミクロンの厚さの試験片で、ASTM E96−66(BW法)による前記連結層の前記水蒸気透過率(MVTR)が、約100から約2000g/m2/24時間であることを特徴とする[14]に記載の方法。
[18] 25ミクロンの厚さの試験片で、ASTM E96−66(BW法)によるコポリエーテルエステル含有層の前記水蒸気透過率(MVTR)が、少なくとも約2500g/m2/24時間であることを特徴とする[12]または13に記載の方法。
[19] 得られたラミネートで、ISO2411に従って測定した基体層と前記熱可塑性ポリマー樹脂の間の接着強度が、少なくとも1N/mであることを特徴とする[5]または[9]に記載の方法。
[20] 得られたラミネートで前記熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みが約35μm未満であり、かつ前記基体層と前記ポリマー樹脂コーティングの間の接着強度が少なくとも3N/mであることを特徴とする[14]に記載の方法。
[21] 防水性水蒸気透過性メンブレンとしての、[1]または[14]に記載の方法によって得ることができるラミネートの使用。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3層ラミネート構造体を製造するための、本発明の共押出方法を示す概略図である。
【図2】 本発明の方法によって得られる3層ラミネート構造体の断面図である。

Claims (1)

  1. その表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングを有する基体を含み、前記熱可塑性ポリマー樹脂の基体から離れた表面と接触している剥離層をさらに含み、該剥離層が該熱可塑性ポリマー樹脂から引きはがし可能であるラミネートを調製する方法であって、前記方法が、
    基体層を形成するステップと、
    該基体の表面に熱可塑性ポリマー樹脂コーティングおよび剥離層を共押出するステップと
    を含み、
    該剥離層は、熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚さよりも小さい厚さを有し、
    RLが前記剥離層の厚みであり、TCLが前記熱可塑性ポリマー樹脂コーティングの厚みである場合に、TRL/TCLが0.3より大きく、
    熱可塑性ポリマー樹脂は、200〜250°Cの温度範囲において、ISO11443規格に従って測定する際に、3000Pa.s未満の粘度を有し、
    該基体は、ポリオレフィンを含み、
    該剥離層は、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含み、
    該熱可塑性ポリマー樹脂は、1つまたは複数のコポリエーテルエステルエラストマーを含み、前記コポリエーテルエステルエラストマーが、エステル結合で頭尾結合した複数の反復長鎖エステル単位および短鎖エステル単位を有し、前記長鎖エステル単位が次式によって表され、
    Figure 0004599015
    前記短鎖エステル単位が次式によって表され、
    Figure 0004599015
    式中、
    Gが、平均分子量が400〜3500のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端水酸基を除去した後に残る2価の基であり、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールによって前記1つまたは複数のコポリエーテルエステルに組み込まれるエチレンオキシド基の量は、コポリエーテルエステルの総重量を基準にして25から68重量%であり、
    Rが、分子量が300未満のジカルボン酸からカルボキシル基を除去した後に残る2価の基であり、
    Dが、分子量が250未満のジオールから水酸基を除去した後に残る2価の基であり、
    前記コポリエーテルエステルが、25から80重量%の短鎖エステル単位を含有する
    ことを特徴とする方法。
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