JP2004098383A - フィルム複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い透湿性を有する、透湿性フィルムと不織布とのフィルム複合体を、良好な接着強度で製造すること。
【解決手段】(A)少なくとも二層からなる積層樹脂フィルムと(B)不織布とが積層されたフィルム複合体であって、
(A)積層樹脂フィルムが、
a)ポリエステル樹脂、好適には脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂、好適には脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものであり、且つ該a層上に(B)不織布が積層されていることを特徴とするフィルム複合体。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)少なくとも二層からなる積層樹脂フィルムと(B)不織布とが積層されたフィルム複合体であって、
(A)積層樹脂フィルムが、
a)ポリエステル樹脂、好適には脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂、好適には脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものであり、且つ該a層上に(B)不織布が積層されていることを特徴とするフィルム複合体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム複合体及びその製造方法に関する。詳しくは、可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムを、不織布に強固に接着したフィルム複合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水蒸気などの透湿性(気体透過性)や液体防漏性を併持したフィルムとして、微多孔質フィルムが、紙オムツや生理用ナプキンなどの衛生材料、乾燥剤などの機能包装材料、使い捨て手袋や雨合羽などの簡易衣料、ハウスラップなどの防水建材などに広く使用されてきた。
【0003】
こうした微多孔質フィルムは、機械的強度や風合いを付与するために、不織布と積層することが一般的に行われている。これら微多孔質フィルムと不織布とからなるフィルム複合体は、優れたコストパフォーマンス、透湿性や機械的強度等の十分な物性、良好な風合いを持つものであるが、環境への配慮やコスト低減の追求から、よりいっそうの薄膜化が望まれている。
【0004】
ところが、微多孔質フィルムは、通常、充填材を含有した樹脂組成物をシート状に成形し、これを延伸することで該充填材と基材樹脂との間に界面剥離を生じさせることにより製造されるのが一般的であり、かかる製造方法によれば、延伸するシート状物はある程度の厚みが必要であり、上記薄膜化の要求には自ずと限界があった。また、上記製造方法により一旦、微多孔質フィルムを製造し、これをホットメルト接着剤を用いて不織布とラミネートする等により該フィルム複合体を製造する方法は極めて煩雑であり、もっと簡便な方法で透湿性フィルムと不織布とが積層されたフィルム複合体を製造することが望まれていた。
【0005】
そこで、近年、微多孔化しなくてもそれ自体が高い透湿性を有する樹脂フィルムを用いて、上記フィルム複合体を製造する試みが多くなされてきている。具体的には、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等からなるフィルムは、薄膜化すればかなり高い透湿性を有するものが多いため、これを不織布に押出しコーティングして複合フィルムとすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようにして得たフィルム複合体では、より高度な透湿性が要求される場合には満足できないことが多く、また、高い透湿性を有するものについても、高価で特殊な前記樹脂を用いなければならない場合が多く、実用上十分に満足できるものではなかった。
【0007】
こうした中、良好な生分解性等を有するフィルムとして、可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムが記載されている(例えば、特許文献2参照)。ここで、上記ポリエステル樹脂としては、該樹脂組成物の押出温度が高いと、可塑化デンプンの脱水分解による発泡や炭化が起こるため融点が180℃以下のものを使用することが必要である。しかして、このフィルムは、上記良好な生分解性を有することを主な効果として提案されているものであるが、このものは前記透湿性についても、上記可塑化デンプンの作用により大変優れたものを有している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−277462号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特表2000−509427号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らが、かかる樹脂組成物製のフィルムを用い前記複合フィルムの製造を試みたところ、上記理由から押出温度を180℃を超える温度に高めることができず、そのため、得られるフィルム複合体は、押出フィルムと不織布との接着強度が十分でなくなり、両部材が剥離し易いことが見出された。
【0010】
こうした可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムと不織布とを積層したフィルム複合体は、前記透湿性が求められる用途はもちろんのこと、その他にも、種々の物品の包装フィルム等として広く有用に使用できるものである。そうした背景にあって、上記フィルムと不織布とが剥離し易い問題は、かかるフィルム複合体の実用化の大きな障害になるものであり、これを解決することが強く望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、上記樹脂組成物からなるフィルムを、ポリエステル樹脂からなるフィルムを介して不織布に積層することにより良好に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、(A)少なくとも二層からなる積層樹脂フィルムと(B)不織布とが積層されたフィルム複合体であって、
(A)積層樹脂フィルムが、
a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものであり、且つ該a層上に(B)不織布が積層されていることを特徴とするフィルム複合体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルム複合体は、(A)少なくとも二層からなる樹脂積層フィルム層と(B)不織布とが積層されてなる。
【0014】
このうち、(A)積層樹脂フィルムは、
a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものである。
【0015】
かかる(A)積層樹脂フィルムにおいて、b層は、可塑化デンプンを含むことにより、フィルムの透湿性が極めて良好である。ここで、可塑化デンプンとは、水や高沸点のアルコール類等の可塑剤を含有した状態で加熱処理されることによりデンプンの結晶性が破壊されて粘長物とされた(糊化)デンプンのことをいう。
【0016】
上記高沸点のアルコール類は、沸点が80℃以上の多価アルコール類が好適である。具体的には、水、グリセロール、グリセロールエポキシレート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,3,5−ヘキサントリオール、ネオペンチルグリコール、ソルビトールアセテート、ソルビトールジアセテート、ソルビトールモノエトキシレート、ソルビトールジエトキシレート、トリメチロールプロパンモノエトキシレート、マンニトールモノアセテート、マンニトールモノエトキシレート、ブチルグルコシド、グルコースモノエトキシレート、カルボキシメチルソルビトールのナトリウム塩、ポリグリセロールモノエトキシレートが挙げられる。
可塑化デンプンにおいて、これら可塑剤の含有量は、0.5〜40質量%、好適には3〜30質量%であるのが好ましい。
【0017】
可塑化に使用するデンプンは、天然または植物起源の、本質的にアミロースおよび/またはアミロペクチンから成るデンプンが制限なく使用できる。これらのデンプンは、種々の植物、例えばじゃがいも、米、タピオカ、トウモロコシ、およびライムギ、カラスムギ、小麦などの穀類から得られる。耐熱性や可塑化し易さを向上させる目的で化学的に改質したデンプンも使用できる。
【0018】
上記可塑化デンプンは、前記量の可塑剤を混合後、デンプンの結晶性を破壊するのに十分な温度及び圧力下で混合し、必要により可塑剤の一定量の除去を行うことにより得られる。こうした可塑化デンプンは、上記可塑化処理を予め行って得、これを前記b層の素材となる組成物の製造用に供しても良いが、デンプンをポリエステル樹脂や可塑剤と混合した上で上記可塑化処理を施すことにより、b層の素材組成物の混合操作と兼ねて製造するのが効率的である。その他、こうした可塑化デンプンの細かな製造条件は、例えば特開平8−231762号公報に詳述されているとおりである。
【0019】
b層の素材となる樹脂組成物に使用されるポリエステル樹脂は、エステル結合によってモノマーが重合されたものであって、溶融時に可塑化デンプンの炭化や脱水反応による変質が生じないように、融点が180℃以下、好適には60〜150℃のものが使用される。また、エラストマーと呼ばれる柔軟な性状のものを用いるのが好ましい。
【0020】
こうしたポリエステル樹脂としては、1種類以上のヒドロキシカルボン酸が縮合した樹脂、1種類以上の多価アルコールと1種類以上の多価カルボン酸とが交互に縮合した樹脂、或いは1種類以上のヒドロキシカルボン酸と1種類以上の多価アルコールと1種類以上の多価カルボン酸とがエステル縮合した樹脂において、上記融点を満足するものが挙げられる。
【0021】
ここで、ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシブチレート、ε−カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバリレート等の炭素数2〜20のものが好適である。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(繰り返し単位が2〜2000のもの)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等の炭素数2〜4000であり、2〜20価、より好適には2価のものが好適である。さらに、多価カルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族系多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系多価カルボン酸等の炭素数2〜20であり、2〜10価、より好適には2価のものが好適である。
【0022】
b層のポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシバリレート)等のヒドロキシカルボン酸重縮合体;ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレングルタレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレート等の多価アルコール−多価カルボン酸重縮合体;乳酸−エチレングリコール−アジピン酸共重縮体、乳酸−ポリエチレングリコール−アジピン酸等のヒドロキシカルボン酸−多価カルボン酸−多価カルボン酸共重縮合体が挙げられる。
【0023】
共重縮合のタイプはランダム共重合、ブロック共重合、グラフト重合、不飽和カルボン酸や不飽和アルコールによる架橋が挙げられるが、目的とする付加性能の種類や程度に応じて適する方法を用いればよい。
【0024】
本発明において、より好適に使用されるポリエステル樹脂は、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂であるのが特に好ましい。かかる脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂は、エラスティックな性質に富み、得られるフィルムが優れた柔軟性を有するものになり、さらに、透湿性、耐加水分解性の良好なフィルムを得ることができるため良好である。
【0025】
ここで、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂とは、一種以上の脂肪族系多価カルボン酸と一種以上の芳香族系多価カルボン酸とからなる多価カルボン酸成分が、一種以上の多価アルコール成分と重縮合したものである。多価カルボン酸成分において、脂肪族系多価カルボン酸と芳香族系多価カルボン酸の共重合比は、前者が30〜80モル%であり後者が70〜20モル%であるのが好ましく、特に、前者が40〜70モル%であり後者が60〜30モル%であるのがより好ましい。
【0026】
また、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂には、50モル%を超えない範囲、好適には30モル%以内で、ヒドロキシカルボン酸を共重縮合しても良い。
【0027】
これらの共重縮合のタイプは、前記したように如何なる形態のものであっても良いが、柔軟性や透湿性等の性状をより良好に発揮させるためにはブロック共重合体であるのが好ましい。
【0028】
上記脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂のうち最も好ましいものは、多価アルコール−脂肪族多価カルボン酸重縮合部と多価アルコール−芳香族多価カルボン酸重縮合部とからなるブロック共重合体である。具体的には、エチレングリコール−アジピン酸重縮合部とエチレングリコール−テレフタル酸重縮合部とからなるブロック共重合体、ブチレングリコール−アジピン酸重縮合部とブチレングリコール−テレフタル酸重縮合部とからなるブロック共重合体などである。
【0029】
b層において、可塑化デンプンとポリエステル樹脂の配合比は、特に制限されるものではないが、前者が10〜90質量%、より好適には20〜80質量%であり、後者が90〜10質量%、より好適には80〜20質量%であるのが好ましい。
【0030】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムは、上記各構成樹脂からなるb層に、ポリエステル樹脂からなるa層が積層されている。そして、(A)積層樹脂フィルムは、該a層上に(B)不織布が積層される。
【0031】
前記したように優れた透湿性等を有するb層は、不織布の素材樹脂とは相溶性の悪い可塑化デンプンを含有し、しかもこれに起因して、フィルム押出温度も高くできないため、このまま直に(B)不織布へ積層しても、その接着強度は十分に高くできないものであるが、本発明では、このように両者の間に、いずれの部材とも相溶性の良いa層を介在させることにより、その接着強度を大きく向上させることができる。
【0032】
本発明において、a層に使用されるポリエステル樹脂は、公知のものが制限なく使用される。樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、本発明のフィルム複合体を後述する多層押出コーティングにより製造する場合においては、b層の可塑化デンプンの脱水反応や炭化による変質が生じないように、b層で使用するポリエステル樹脂と同様に融点が180℃以下のものを用いることが必要になる。また、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との接着強度をより高くするためには、b層で使用したポリエステル樹脂とできるだけ近似の構造をしたものを用いるのが好ましく、同種のものを用いるのが最も好ましい。
【0033】
さらに、フィルム複合体を優れた透湿性が要求される用途に使用する場合には、a層のポリエステル樹脂は、b層の優れた透湿性をなるべく損なわないように、フィルム化した際に透湿性ができるだけ高くなるものを使用するのが好ましい。
【0034】
以上の要求から、a層に好適に用いられるポリエステル樹脂も、前記b層で例示したものと同様のものが好適に使用できる。前記透湿性等の物性に特に優れ、b層においても最も好適に使用される樹脂であることなどから、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を用いるのが最も好ましい。
【0035】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムは、上記の如くb層とa層とが積層されているだけでなく、必要に応じて、b層における、a層が積層される反対面に、一層以上の他の樹脂フィルム層が積層されていても良い。本発明のフィルム複合体を、優れた透湿性が要求される用途に使用する場合は、このc層も、b層の優れた透湿性を大きく損なうことがないように、できるだけ透湿性が高いフィルム層を積層することが望まれる。
特に、後述するように、本発明のフィルム複合体を押出コーティングにより製造する観点からは、上記b層における、a層が積層される反対面に、
c)アンチブロッキング剤を含むポリエステル系樹脂からなるフィルム層(c層)
が積層されているのが好ましい。このような積層構成とすることにより、フィルム複合体は、フィルム層がキャスティングロール等の金属ロールに粘着し難くなり、より高速に成形することが可能となるために好ましい。
【0036】
アンチブロッキング剤としては、無機フィラー及び有機フィラーの何れもが制限なく使用できる。無機フィラーとしては、I族〜VI族の塩類、水酸化物、酸化物の単独もしくは複合からなるフィラーである。なかでも、熱的かつ化学的に安定でコストパフォーマンスに優れるタルクや炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどが好適に用いられる。特に、滑性に優れるタルクを用いるとき、金属ロールとの剥離性がよく、最も好適である。
【0037】
有機フィラーとしては、ポリエポキシ樹脂やメラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリシリコーン樹脂などからなる樹脂フィラーが好適に用いられる。
【0038】
これらアンチブロッキング剤の平均粒径は、特に制限されるものではないが、20μm以下、より好適には0.1〜10μmが好ましい。また、このアンチブロッキング剤の配合量は、c層に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましい。かかるアンチブロッキング剤の平均粒径及び配合量において、金属ロールからの剥離性、フィルム外観等が特に良好になる。
【0039】
c層に使用されるポリエステル樹脂も、特に制限なく使用できるが、前記a層に説明したものと同様の要件を備えたものが好適に使用できる。フィルム複合体の透湿性や接着強度をより高くするためには、b層で使用したものとできるだけ近似の構造をしたものを用いるのが好ましく、同種のもの、特に脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を用いるのが最も好ましい。
【0040】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムの全厚みは特に制限されるものではないが、本発明のフィルム複合体を透湿性が求められる用途に用いる場合は、あまり厚くなると該性状が低下してくるため、1〜20μmであるのが好ましい。透湿性の他、風合い、耐水性、機械的強度等の物性バランスが優れたものになることから、上記全厚みは、3〜15μm、さらには5〜10μmであるのがより好ましい。
【0041】
また、透湿性をより高くするためには、(A)積層樹脂フィルムの全厚みに占めるb層の厚みは、より大きいほうが好ましく、通常は、50〜90%、特に好ましくは50〜80%であるのが良好である。なお、a層は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、少なくとも0.1μm、好適には0.5μmの厚みは有するのが好ましい。さらに、前記c層を設ける場合においては、該c層は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、少なくとも0.1μm、好適には0.5μmの厚みは有するのが好ましい。
【0042】
このように、(A)積層樹脂フィルムの全厚み及びb層の厚みを調整することにより、本発明の複合フィルムは、透湿度が2000g/m2・24h以上、好適には2500〜7000g/m2・24hのものにすることが可能である。
【0043】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムを形成する各フィルム層には、必要に応じて各種の添加剤を添加することもできる。添加剤としては例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の耐候剤、難燃剤、防曇剤、粘着剤、着色剤、艶消し剤、帯電防止剤、酸素や炭酸ガスの吸収剤、ガス吸着剤、鮮度保持剤、酵素、消臭剤、香料等等が挙げられる。このほかにも、本発明の特長を損なわない限り、必要に応じて別の成分を添加してもよい。
【0044】
次に、(B)不織布について説明する。本発明で用いられる不織布には、公知の不織布が、必要な機械強度、風合い、耐熱性、接着性などに応じて制限なく使用できる。ここで不織布の素材樹脂は、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ウレタン、セルロース、およびこれらを芯鞘に複合した繊維をメルトブローン、サーマルボンド、レジンボンドなどの成形方法で、2次元固定したものである。
【0045】
なかでも、ポリエステルやナイロン、セルロースなど有極性の樹脂を原料とする不織布を選択すると、ポリエステル樹脂との接着性が良好であるため、好ましい。
【0046】
不織布を構成する繊維の平均繊維径は、通常、1〜50μmであり、より良好な風合いとするためには、5〜20μmであるのが好ましい。不織布の目付量は、通常、10〜70g/m2、より良好な風合いとするためには、10〜50g/m2であるのが好ましい。
【0047】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との積層は、両者を押出コーティングすることにより極めて簡便に製造することができる。具体的には、(B)不織布の上に各層樹脂を順次押出コーティングして製造しても良いが、より簡便に効率的に製造できることから、(A)積層樹脂フィルムを、多層押出コーティングにより、a層側外面を積層面として(B)不織布に積層する方法により製造するのが好ましい。
【0048】
多層押出コーティングする場合、a層、さらにはc層を形成するポリエステル樹脂の融点は、前記したとおり180℃以下にすることが必要になる。このように多層押出コーティングする場合や(B)不織布の上に各層樹脂を順次押出コーティングする場合におけるb層の押出温度は、可塑化デンプンの脱水反応による変質や炭化を防止することから、180℃以下、好適には175℃以下にすることが好ましい。
【0049】
なお、上記各層樹脂を順次押出コーティングする場合においては、a層の押出温度は、高く設定可能であるため、該a層のポリエステル樹脂として融点が150℃を超える温度、場合によっては180を超える温度〜250℃の高めのものを用い、該融点以上の高温に設けて実施することができる。この場合、得られるフィルム複合体は、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との接着強度を、より高いものにすることができ好ましい。
【0050】
押出コーティングにより本発明のフィルム複合体を製造した際には、必要に応じて、インラインまたはオフラインにてアニーリングや耳部除去、印刷、スリットなどを行うこともできる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体的に説明するために、実施例及び比較例を揚げて説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、測定及び試験は下記の方法により実施した。
【0052】
▲1▼水蒸気透過性
JIS−Z−0208に準拠して、測定した。
【0053】
▲2▼剥離強度
フィルム複合体は、MD方向に幅25mmかつ長さ150mmに5枚を切り抜いて試験片とした。試験片の一端を50mmに渡って、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布とに剥離させ、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布の各剥離端を、チャック間50mmにセットしたチャックでそれぞれ掴んで、引取速度50mm/分で引張って、上記両部材をさらに剥離させ、その時の剥離応力を測定した。チャック間が100mmとなったところで剥離を停止し、最大引張応力をその試験片の剥離強度とした。
【0054】
上記測定を5回行い、各試験片の剥離強度を平均したものをそのフィルムの剥離強度とした。
【0055】
▲3▼成形性
(B)不織布に(A)積層樹脂フィルムを押出コーティングする際に、フィルムドローの安定性、フィルム複合体のキャスティングロールからの剥離のスムーズさに着目して、以下の順位付けで評価した。
【0056】
特に優れる:フィルムドローは安定しており、キャスティングロールからの剥離もスムーズである。
【0057】
問題なし:フィルムドローは安定しているが、キャスティングロールに粘着する傾向がある。
【0058】
問題あり:フィルムドローが不安定、もしくは、キャスティングロールからの剥離しない。
【0059】
また実施例および比較例で示した記号は以下の通りである。
・ポリエステル樹脂
PEst−1;ブタンジオール−アジピン酸縮合体とブタンジオール−テレフタル酸縮合体のブロック共重合体(BASF製「Eco−Flex」,融点=112℃,MI=4g/10min)
PEst−2;5%タルク/ポリエステルエラストマー
(林化成(株)製タルク「#5000S」0.5kgとBASF製「Eco−Flex」9.5kgとを合計10バッチ混合し、日本精鋼所製「TEX35」により混練ペレット化した。)
・可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物
MB;可塑化とうもろこし等デンプン−ポリエステルエラストマー組成物(ノバモント製「Mater−Bi−N」,融点=110℃,MI=4g/10min)
・不織布
NW−1;ポリエステル系不織布(ユニチカ製「マリックス20157WTD」,目付量:15g/m2)
NW−2;ナイロン系不織布(ユニチカ製「ナイエースP0203WTO」,目付量:20g/m2)
NW−3;レーヨン系不織布(ユニチカ製「クラフレックスJP0359−B017」,目付量:20g/m2)
実施例1〜8
3種3層Tダイキャスト機(Φ65mm押出機×3、1200mm幅)を使って、表1に示した構成で、(B)不織布に(A)積層樹脂フィルムを多層押出コーティングし、本発明のフィルム複合体を各製造した。設定温度は押出機160℃、アダプター160℃、ダイス170℃であった。また、リップクリアランスは0.6mm、エアーギャップは300mm、ライン速度20m/min、キャスティングロール温度20℃、ラミニップロール温度80℃、不織布余熱ロール温度80℃であった。
【0060】
各構成の透湿試験および剥離試験を行い、その結果を表2に示した。また、押出コーティング時の成形性についても評価し、表2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
比較例1〜2
実施例1において、(A)積層樹脂フィルムの層構成、または(B)不織布を表3の比較例1〜2の組成に代えた以外は実施例1と同様に操作した。結果を表4に示した。また、押出コーティング時の成形性についても評価し、表2に示した。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
実施例1〜8に示すように本発明のフィルム複合体は、透湿度が高く、(B)不織布―(A)積層樹脂フィルムの接着強度も高かった。
【0067】
さらに、(A)積層樹脂フィルムにおいて、不織布と接着させる反対側外面に、c層(アンチブロッキング剤を含むポリエステル系樹脂からなるフィルム層)を設けた場合には、フィルムと金属ロールとの剥離性が良く、スムーズな成膜が可能であった。(実施例6〜8)
一方、b層(可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層)のみを10μmの厚みで(B)不織布に積層したのでは、両者の接着強度が不十分であった(比較例1)。
【0068】
また、a層(ポリエステル樹脂からなるフィルム層)のみを10μmの厚みで(B)不織布に積層したのでは、十分な透湿度を得ることができなかった(比較例2)。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明のフィルム複合体は、高い透湿性を有し、(B)不織布を積層されているため、機械的強度や風合いに優れる。そして、該(B)不織布と(A)積層樹脂フィルムとの接着性が極めて高く、その製造も、押出コーティングにより簡単に行うことができる。
【0070】
こうした優れた点を活かして、本発明のフィルム複合体は、種々の物品の包装用途等に制限なく使用できる。特に、透湿性が要求される用途、具体的には、紙オムツや生理用ナプキンなどの衛生材料、乾燥剤や使い捨てカイロなどの機能包装材料、使い捨て手袋や雨合羽などの簡易衣料、ハウスラップなどの防水建材、マルチシートや糞尿処理用シートなどの農業畜産用防雨材などに有用に使用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム複合体及びその製造方法に関する。詳しくは、可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムを、不織布に強固に接着したフィルム複合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水蒸気などの透湿性(気体透過性)や液体防漏性を併持したフィルムとして、微多孔質フィルムが、紙オムツや生理用ナプキンなどの衛生材料、乾燥剤などの機能包装材料、使い捨て手袋や雨合羽などの簡易衣料、ハウスラップなどの防水建材などに広く使用されてきた。
【0003】
こうした微多孔質フィルムは、機械的強度や風合いを付与するために、不織布と積層することが一般的に行われている。これら微多孔質フィルムと不織布とからなるフィルム複合体は、優れたコストパフォーマンス、透湿性や機械的強度等の十分な物性、良好な風合いを持つものであるが、環境への配慮やコスト低減の追求から、よりいっそうの薄膜化が望まれている。
【0004】
ところが、微多孔質フィルムは、通常、充填材を含有した樹脂組成物をシート状に成形し、これを延伸することで該充填材と基材樹脂との間に界面剥離を生じさせることにより製造されるのが一般的であり、かかる製造方法によれば、延伸するシート状物はある程度の厚みが必要であり、上記薄膜化の要求には自ずと限界があった。また、上記製造方法により一旦、微多孔質フィルムを製造し、これをホットメルト接着剤を用いて不織布とラミネートする等により該フィルム複合体を製造する方法は極めて煩雑であり、もっと簡便な方法で透湿性フィルムと不織布とが積層されたフィルム複合体を製造することが望まれていた。
【0005】
そこで、近年、微多孔化しなくてもそれ自体が高い透湿性を有する樹脂フィルムを用いて、上記フィルム複合体を製造する試みが多くなされてきている。具体的には、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等からなるフィルムは、薄膜化すればかなり高い透湿性を有するものが多いため、これを不織布に押出しコーティングして複合フィルムとすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようにして得たフィルム複合体では、より高度な透湿性が要求される場合には満足できないことが多く、また、高い透湿性を有するものについても、高価で特殊な前記樹脂を用いなければならない場合が多く、実用上十分に満足できるものではなかった。
【0007】
こうした中、良好な生分解性等を有するフィルムとして、可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムが記載されている(例えば、特許文献2参照)。ここで、上記ポリエステル樹脂としては、該樹脂組成物の押出温度が高いと、可塑化デンプンの脱水分解による発泡や炭化が起こるため融点が180℃以下のものを使用することが必要である。しかして、このフィルムは、上記良好な生分解性を有することを主な効果として提案されているものであるが、このものは前記透湿性についても、上記可塑化デンプンの作用により大変優れたものを有している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−277462号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特表2000−509427号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らが、かかる樹脂組成物製のフィルムを用い前記複合フィルムの製造を試みたところ、上記理由から押出温度を180℃を超える温度に高めることができず、そのため、得られるフィルム複合体は、押出フィルムと不織布との接着強度が十分でなくなり、両部材が剥離し易いことが見出された。
【0010】
こうした可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルムと不織布とを積層したフィルム複合体は、前記透湿性が求められる用途はもちろんのこと、その他にも、種々の物品の包装フィルム等として広く有用に使用できるものである。そうした背景にあって、上記フィルムと不織布とが剥離し易い問題は、かかるフィルム複合体の実用化の大きな障害になるものであり、これを解決することが強く望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、上記樹脂組成物からなるフィルムを、ポリエステル樹脂からなるフィルムを介して不織布に積層することにより良好に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、(A)少なくとも二層からなる積層樹脂フィルムと(B)不織布とが積層されたフィルム複合体であって、
(A)積層樹脂フィルムが、
a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものであり、且つ該a層上に(B)不織布が積層されていることを特徴とするフィルム複合体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルム複合体は、(A)少なくとも二層からなる樹脂積層フィルム層と(B)不織布とが積層されてなる。
【0014】
このうち、(A)積層樹脂フィルムは、
a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものである。
【0015】
かかる(A)積層樹脂フィルムにおいて、b層は、可塑化デンプンを含むことにより、フィルムの透湿性が極めて良好である。ここで、可塑化デンプンとは、水や高沸点のアルコール類等の可塑剤を含有した状態で加熱処理されることによりデンプンの結晶性が破壊されて粘長物とされた(糊化)デンプンのことをいう。
【0016】
上記高沸点のアルコール類は、沸点が80℃以上の多価アルコール類が好適である。具体的には、水、グリセロール、グリセロールエポキシレート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,3,5−ヘキサントリオール、ネオペンチルグリコール、ソルビトールアセテート、ソルビトールジアセテート、ソルビトールモノエトキシレート、ソルビトールジエトキシレート、トリメチロールプロパンモノエトキシレート、マンニトールモノアセテート、マンニトールモノエトキシレート、ブチルグルコシド、グルコースモノエトキシレート、カルボキシメチルソルビトールのナトリウム塩、ポリグリセロールモノエトキシレートが挙げられる。
可塑化デンプンにおいて、これら可塑剤の含有量は、0.5〜40質量%、好適には3〜30質量%であるのが好ましい。
【0017】
可塑化に使用するデンプンは、天然または植物起源の、本質的にアミロースおよび/またはアミロペクチンから成るデンプンが制限なく使用できる。これらのデンプンは、種々の植物、例えばじゃがいも、米、タピオカ、トウモロコシ、およびライムギ、カラスムギ、小麦などの穀類から得られる。耐熱性や可塑化し易さを向上させる目的で化学的に改質したデンプンも使用できる。
【0018】
上記可塑化デンプンは、前記量の可塑剤を混合後、デンプンの結晶性を破壊するのに十分な温度及び圧力下で混合し、必要により可塑剤の一定量の除去を行うことにより得られる。こうした可塑化デンプンは、上記可塑化処理を予め行って得、これを前記b層の素材となる組成物の製造用に供しても良いが、デンプンをポリエステル樹脂や可塑剤と混合した上で上記可塑化処理を施すことにより、b層の素材組成物の混合操作と兼ねて製造するのが効率的である。その他、こうした可塑化デンプンの細かな製造条件は、例えば特開平8−231762号公報に詳述されているとおりである。
【0019】
b層の素材となる樹脂組成物に使用されるポリエステル樹脂は、エステル結合によってモノマーが重合されたものであって、溶融時に可塑化デンプンの炭化や脱水反応による変質が生じないように、融点が180℃以下、好適には60〜150℃のものが使用される。また、エラストマーと呼ばれる柔軟な性状のものを用いるのが好ましい。
【0020】
こうしたポリエステル樹脂としては、1種類以上のヒドロキシカルボン酸が縮合した樹脂、1種類以上の多価アルコールと1種類以上の多価カルボン酸とが交互に縮合した樹脂、或いは1種類以上のヒドロキシカルボン酸と1種類以上の多価アルコールと1種類以上の多価カルボン酸とがエステル縮合した樹脂において、上記融点を満足するものが挙げられる。
【0021】
ここで、ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシブチレート、ε−カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバリレート等の炭素数2〜20のものが好適である。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(繰り返し単位が2〜2000のもの)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等の炭素数2〜4000であり、2〜20価、より好適には2価のものが好適である。さらに、多価カルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族系多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系多価カルボン酸等の炭素数2〜20であり、2〜10価、より好適には2価のものが好適である。
【0022】
b層のポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシバリレート)等のヒドロキシカルボン酸重縮合体;ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレングルタレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレート等の多価アルコール−多価カルボン酸重縮合体;乳酸−エチレングリコール−アジピン酸共重縮体、乳酸−ポリエチレングリコール−アジピン酸等のヒドロキシカルボン酸−多価カルボン酸−多価カルボン酸共重縮合体が挙げられる。
【0023】
共重縮合のタイプはランダム共重合、ブロック共重合、グラフト重合、不飽和カルボン酸や不飽和アルコールによる架橋が挙げられるが、目的とする付加性能の種類や程度に応じて適する方法を用いればよい。
【0024】
本発明において、より好適に使用されるポリエステル樹脂は、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂であるのが特に好ましい。かかる脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂は、エラスティックな性質に富み、得られるフィルムが優れた柔軟性を有するものになり、さらに、透湿性、耐加水分解性の良好なフィルムを得ることができるため良好である。
【0025】
ここで、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂とは、一種以上の脂肪族系多価カルボン酸と一種以上の芳香族系多価カルボン酸とからなる多価カルボン酸成分が、一種以上の多価アルコール成分と重縮合したものである。多価カルボン酸成分において、脂肪族系多価カルボン酸と芳香族系多価カルボン酸の共重合比は、前者が30〜80モル%であり後者が70〜20モル%であるのが好ましく、特に、前者が40〜70モル%であり後者が60〜30モル%であるのがより好ましい。
【0026】
また、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂には、50モル%を超えない範囲、好適には30モル%以内で、ヒドロキシカルボン酸を共重縮合しても良い。
【0027】
これらの共重縮合のタイプは、前記したように如何なる形態のものであっても良いが、柔軟性や透湿性等の性状をより良好に発揮させるためにはブロック共重合体であるのが好ましい。
【0028】
上記脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂のうち最も好ましいものは、多価アルコール−脂肪族多価カルボン酸重縮合部と多価アルコール−芳香族多価カルボン酸重縮合部とからなるブロック共重合体である。具体的には、エチレングリコール−アジピン酸重縮合部とエチレングリコール−テレフタル酸重縮合部とからなるブロック共重合体、ブチレングリコール−アジピン酸重縮合部とブチレングリコール−テレフタル酸重縮合部とからなるブロック共重合体などである。
【0029】
b層において、可塑化デンプンとポリエステル樹脂の配合比は、特に制限されるものではないが、前者が10〜90質量%、より好適には20〜80質量%であり、後者が90〜10質量%、より好適には80〜20質量%であるのが好ましい。
【0030】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムは、上記各構成樹脂からなるb層に、ポリエステル樹脂からなるa層が積層されている。そして、(A)積層樹脂フィルムは、該a層上に(B)不織布が積層される。
【0031】
前記したように優れた透湿性等を有するb層は、不織布の素材樹脂とは相溶性の悪い可塑化デンプンを含有し、しかもこれに起因して、フィルム押出温度も高くできないため、このまま直に(B)不織布へ積層しても、その接着強度は十分に高くできないものであるが、本発明では、このように両者の間に、いずれの部材とも相溶性の良いa層を介在させることにより、その接着強度を大きく向上させることができる。
【0032】
本発明において、a層に使用されるポリエステル樹脂は、公知のものが制限なく使用される。樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、本発明のフィルム複合体を後述する多層押出コーティングにより製造する場合においては、b層の可塑化デンプンの脱水反応や炭化による変質が生じないように、b層で使用するポリエステル樹脂と同様に融点が180℃以下のものを用いることが必要になる。また、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との接着強度をより高くするためには、b層で使用したポリエステル樹脂とできるだけ近似の構造をしたものを用いるのが好ましく、同種のものを用いるのが最も好ましい。
【0033】
さらに、フィルム複合体を優れた透湿性が要求される用途に使用する場合には、a層のポリエステル樹脂は、b層の優れた透湿性をなるべく損なわないように、フィルム化した際に透湿性ができるだけ高くなるものを使用するのが好ましい。
【0034】
以上の要求から、a層に好適に用いられるポリエステル樹脂も、前記b層で例示したものと同様のものが好適に使用できる。前記透湿性等の物性に特に優れ、b層においても最も好適に使用される樹脂であることなどから、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を用いるのが最も好ましい。
【0035】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムは、上記の如くb層とa層とが積層されているだけでなく、必要に応じて、b層における、a層が積層される反対面に、一層以上の他の樹脂フィルム層が積層されていても良い。本発明のフィルム複合体を、優れた透湿性が要求される用途に使用する場合は、このc層も、b層の優れた透湿性を大きく損なうことがないように、できるだけ透湿性が高いフィルム層を積層することが望まれる。
特に、後述するように、本発明のフィルム複合体を押出コーティングにより製造する観点からは、上記b層における、a層が積層される反対面に、
c)アンチブロッキング剤を含むポリエステル系樹脂からなるフィルム層(c層)
が積層されているのが好ましい。このような積層構成とすることにより、フィルム複合体は、フィルム層がキャスティングロール等の金属ロールに粘着し難くなり、より高速に成形することが可能となるために好ましい。
【0036】
アンチブロッキング剤としては、無機フィラー及び有機フィラーの何れもが制限なく使用できる。無機フィラーとしては、I族〜VI族の塩類、水酸化物、酸化物の単独もしくは複合からなるフィラーである。なかでも、熱的かつ化学的に安定でコストパフォーマンスに優れるタルクや炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどが好適に用いられる。特に、滑性に優れるタルクを用いるとき、金属ロールとの剥離性がよく、最も好適である。
【0037】
有機フィラーとしては、ポリエポキシ樹脂やメラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリシリコーン樹脂などからなる樹脂フィラーが好適に用いられる。
【0038】
これらアンチブロッキング剤の平均粒径は、特に制限されるものではないが、20μm以下、より好適には0.1〜10μmが好ましい。また、このアンチブロッキング剤の配合量は、c層に対して、0.1〜30質量%であるのが好ましい。かかるアンチブロッキング剤の平均粒径及び配合量において、金属ロールからの剥離性、フィルム外観等が特に良好になる。
【0039】
c層に使用されるポリエステル樹脂も、特に制限なく使用できるが、前記a層に説明したものと同様の要件を備えたものが好適に使用できる。フィルム複合体の透湿性や接着強度をより高くするためには、b層で使用したものとできるだけ近似の構造をしたものを用いるのが好ましく、同種のもの、特に脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂を用いるのが最も好ましい。
【0040】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムの全厚みは特に制限されるものではないが、本発明のフィルム複合体を透湿性が求められる用途に用いる場合は、あまり厚くなると該性状が低下してくるため、1〜20μmであるのが好ましい。透湿性の他、風合い、耐水性、機械的強度等の物性バランスが優れたものになることから、上記全厚みは、3〜15μm、さらには5〜10μmであるのがより好ましい。
【0041】
また、透湿性をより高くするためには、(A)積層樹脂フィルムの全厚みに占めるb層の厚みは、より大きいほうが好ましく、通常は、50〜90%、特に好ましくは50〜80%であるのが良好である。なお、a層は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、少なくとも0.1μm、好適には0.5μmの厚みは有するのが好ましい。さらに、前記c層を設ける場合においては、該c層は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、少なくとも0.1μm、好適には0.5μmの厚みは有するのが好ましい。
【0042】
このように、(A)積層樹脂フィルムの全厚み及びb層の厚みを調整することにより、本発明の複合フィルムは、透湿度が2000g/m2・24h以上、好適には2500〜7000g/m2・24hのものにすることが可能である。
【0043】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムを形成する各フィルム層には、必要に応じて各種の添加剤を添加することもできる。添加剤としては例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の耐候剤、難燃剤、防曇剤、粘着剤、着色剤、艶消し剤、帯電防止剤、酸素や炭酸ガスの吸収剤、ガス吸着剤、鮮度保持剤、酵素、消臭剤、香料等等が挙げられる。このほかにも、本発明の特長を損なわない限り、必要に応じて別の成分を添加してもよい。
【0044】
次に、(B)不織布について説明する。本発明で用いられる不織布には、公知の不織布が、必要な機械強度、風合い、耐熱性、接着性などに応じて制限なく使用できる。ここで不織布の素材樹脂は、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ウレタン、セルロース、およびこれらを芯鞘に複合した繊維をメルトブローン、サーマルボンド、レジンボンドなどの成形方法で、2次元固定したものである。
【0045】
なかでも、ポリエステルやナイロン、セルロースなど有極性の樹脂を原料とする不織布を選択すると、ポリエステル樹脂との接着性が良好であるため、好ましい。
【0046】
不織布を構成する繊維の平均繊維径は、通常、1〜50μmであり、より良好な風合いとするためには、5〜20μmであるのが好ましい。不織布の目付量は、通常、10〜70g/m2、より良好な風合いとするためには、10〜50g/m2であるのが好ましい。
【0047】
本発明において、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との積層は、両者を押出コーティングすることにより極めて簡便に製造することができる。具体的には、(B)不織布の上に各層樹脂を順次押出コーティングして製造しても良いが、より簡便に効率的に製造できることから、(A)積層樹脂フィルムを、多層押出コーティングにより、a層側外面を積層面として(B)不織布に積層する方法により製造するのが好ましい。
【0048】
多層押出コーティングする場合、a層、さらにはc層を形成するポリエステル樹脂の融点は、前記したとおり180℃以下にすることが必要になる。このように多層押出コーティングする場合や(B)不織布の上に各層樹脂を順次押出コーティングする場合におけるb層の押出温度は、可塑化デンプンの脱水反応による変質や炭化を防止することから、180℃以下、好適には175℃以下にすることが好ましい。
【0049】
なお、上記各層樹脂を順次押出コーティングする場合においては、a層の押出温度は、高く設定可能であるため、該a層のポリエステル樹脂として融点が150℃を超える温度、場合によっては180を超える温度〜250℃の高めのものを用い、該融点以上の高温に設けて実施することができる。この場合、得られるフィルム複合体は、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布との接着強度を、より高いものにすることができ好ましい。
【0050】
押出コーティングにより本発明のフィルム複合体を製造した際には、必要に応じて、インラインまたはオフラインにてアニーリングや耳部除去、印刷、スリットなどを行うこともできる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体的に説明するために、実施例及び比較例を揚げて説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、測定及び試験は下記の方法により実施した。
【0052】
▲1▼水蒸気透過性
JIS−Z−0208に準拠して、測定した。
【0053】
▲2▼剥離強度
フィルム複合体は、MD方向に幅25mmかつ長さ150mmに5枚を切り抜いて試験片とした。試験片の一端を50mmに渡って、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布とに剥離させ、(A)積層樹脂フィルムと(B)不織布の各剥離端を、チャック間50mmにセットしたチャックでそれぞれ掴んで、引取速度50mm/分で引張って、上記両部材をさらに剥離させ、その時の剥離応力を測定した。チャック間が100mmとなったところで剥離を停止し、最大引張応力をその試験片の剥離強度とした。
【0054】
上記測定を5回行い、各試験片の剥離強度を平均したものをそのフィルムの剥離強度とした。
【0055】
▲3▼成形性
(B)不織布に(A)積層樹脂フィルムを押出コーティングする際に、フィルムドローの安定性、フィルム複合体のキャスティングロールからの剥離のスムーズさに着目して、以下の順位付けで評価した。
【0056】
特に優れる:フィルムドローは安定しており、キャスティングロールからの剥離もスムーズである。
【0057】
問題なし:フィルムドローは安定しているが、キャスティングロールに粘着する傾向がある。
【0058】
問題あり:フィルムドローが不安定、もしくは、キャスティングロールからの剥離しない。
【0059】
また実施例および比較例で示した記号は以下の通りである。
・ポリエステル樹脂
PEst−1;ブタンジオール−アジピン酸縮合体とブタンジオール−テレフタル酸縮合体のブロック共重合体(BASF製「Eco−Flex」,融点=112℃,MI=4g/10min)
PEst−2;5%タルク/ポリエステルエラストマー
(林化成(株)製タルク「#5000S」0.5kgとBASF製「Eco−Flex」9.5kgとを合計10バッチ混合し、日本精鋼所製「TEX35」により混練ペレット化した。)
・可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物
MB;可塑化とうもろこし等デンプン−ポリエステルエラストマー組成物(ノバモント製「Mater−Bi−N」,融点=110℃,MI=4g/10min)
・不織布
NW−1;ポリエステル系不織布(ユニチカ製「マリックス20157WTD」,目付量:15g/m2)
NW−2;ナイロン系不織布(ユニチカ製「ナイエースP0203WTO」,目付量:20g/m2)
NW−3;レーヨン系不織布(ユニチカ製「クラフレックスJP0359−B017」,目付量:20g/m2)
実施例1〜8
3種3層Tダイキャスト機(Φ65mm押出機×3、1200mm幅)を使って、表1に示した構成で、(B)不織布に(A)積層樹脂フィルムを多層押出コーティングし、本発明のフィルム複合体を各製造した。設定温度は押出機160℃、アダプター160℃、ダイス170℃であった。また、リップクリアランスは0.6mm、エアーギャップは300mm、ライン速度20m/min、キャスティングロール温度20℃、ラミニップロール温度80℃、不織布余熱ロール温度80℃であった。
【0060】
各構成の透湿試験および剥離試験を行い、その結果を表2に示した。また、押出コーティング時の成形性についても評価し、表2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
比較例1〜2
実施例1において、(A)積層樹脂フィルムの層構成、または(B)不織布を表3の比較例1〜2の組成に代えた以外は実施例1と同様に操作した。結果を表4に示した。また、押出コーティング時の成形性についても評価し、表2に示した。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
実施例1〜8に示すように本発明のフィルム複合体は、透湿度が高く、(B)不織布―(A)積層樹脂フィルムの接着強度も高かった。
【0067】
さらに、(A)積層樹脂フィルムにおいて、不織布と接着させる反対側外面に、c層(アンチブロッキング剤を含むポリエステル系樹脂からなるフィルム層)を設けた場合には、フィルムと金属ロールとの剥離性が良く、スムーズな成膜が可能であった。(実施例6〜8)
一方、b層(可塑化デンプン、及びポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層)のみを10μmの厚みで(B)不織布に積層したのでは、両者の接着強度が不十分であった(比較例1)。
【0068】
また、a層(ポリエステル樹脂からなるフィルム層)のみを10μmの厚みで(B)不織布に積層したのでは、十分な透湿度を得ることができなかった(比較例2)。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明のフィルム複合体は、高い透湿性を有し、(B)不織布を積層されているため、機械的強度や風合いに優れる。そして、該(B)不織布と(A)積層樹脂フィルムとの接着性が極めて高く、その製造も、押出コーティングにより簡単に行うことができる。
【0070】
こうした優れた点を活かして、本発明のフィルム複合体は、種々の物品の包装用途等に制限なく使用できる。特に、透湿性が要求される用途、具体的には、紙オムツや生理用ナプキンなどの衛生材料、乾燥剤や使い捨てカイロなどの機能包装材料、使い捨て手袋や雨合羽などの簡易衣料、ハウスラップなどの防水建材、マルチシートや糞尿処理用シートなどの農業畜産用防雨材などに有用に使用することができる。
Claims (7)
- (A)少なくとも二層からなる積層樹脂フィルムと(B)不織布とが積層されたフィルム複合体であって、
(A)積層樹脂フィルムが、
a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接するものであり、且つ該a層上に(B)不織布が積層されていることを特徴とするフィルム複合体。 - a層を形成するポリエステル樹脂が、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂である請求項1記載のフィルム複合体。
- b層を形成する融点が180℃以下のポリエステル樹脂が、脂肪族/芳香族共重合ポリエステル系樹脂である請求項1または請求項2記載のフィルム複合体。
- (A)積層樹脂フィルムの全厚みが1〜20μmであり、このうちに占めるb層の厚みが50〜95%であり、フィルム複合体の透湿度が2000g/m2・24h以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム複合体。
- (A)積層樹脂フィルムが、b層における、a層が積層される反対面に、
c)アンチブロッキング剤を含むポリエステル系樹脂からなるフィルム層(c層)
が積層されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム複合体。 - a)ポリエステル樹脂からなるフィルム層(a層)、
b)可塑化デンプン、及び融点が180℃以下のポリエステル樹脂を含む組成物からなるフィルム層(b層)
の少なくとも二層がa層を外層に位置させて接する(A)積層樹脂フィルムを、押出コーティングにより、a層側外面を積層面として(B)不織布に積層することを特徴とする請求項1に記載のフィルム複合体の製造方法。 - a層を形成するポリエステル樹脂の融点が180℃以下であり、(A)積層樹脂フィルムを、多層押出コーティングにより180℃以下の押出温度で、(B)不織布に積層することを特徴とする請求項6記載のフィルム複合体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002261336A JP2004098383A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | フィルム複合体及びその製造方法 |
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JP2002261336A JP2004098383A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | フィルム複合体及びその製造方法 |
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Cited By (3)
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JP2006272712A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Ajinomoto Co Inc | ポリブチレンサクシネート積層フィルムの製造方法 |
JP2019123222A (ja) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | ヨンイル カンパニー リミテッド | リサイクル可能な環境にやさしい積層織物 |
CN113799465A (zh) * | 2021-08-12 | 2021-12-17 | 国桥实业(深圳)有限公司 | 透湿薄膜复合材料以及制备方法 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261336A patent/JP2004098383A/ja active Pending
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