JP4598469B2 - 検査用チップの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被験混合物(検体)中に含まれる微量物質の検査(検出)に用いられる検査用チップの製造方法に関するものである。
従来より、この種の検査用チップとしては、例えば特許文献1に開示されているような構造性発色を示すハイブリダイゼーションプローブが知られている。このハイブリダイゼーションプローブは、棒状体と、該棒状体に結合し標的核酸と特異的に結合する核酸とを有している。前記標的核酸と特異的に結合する核酸としては、前記標的核酸と塩基配列が相補であるRNA又は1本鎖DNAが用いられている。このハイブリダイゼーションプローブは、膜状に配向させることにより多層薄膜干渉理論に基づく構造性発色を示すようになっている。そして、このプローブは、前記RNA又は1本鎖DNAと、標的核酸との間の特異的なハイブリッド形成を構造性発色の変化により検出することができるようになっている。従って、このプローブによれば、特殊技術を要することなく、短時間で、水相又は気相中において、直接DNAハイブリッドの形成反応を測定し得るとともに、DNAハイブリッドの形成を高精度にかつ定量的にしかも簡便に検査することができる。
また、特許文献2には、刺激により構造が可変である構造可変体と、長さが810nm以下である棒状体と、該棒状体に結合し、捕捉対象を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有する捕捉体が開示されている。この捕捉体は、前記ハイブリダイゼーションプローブの場合と同様に構造性発色を示すように構成されている。さらに、前記捕捉構造体としては、包接化合物、抗体、核酸、ホルモンレセプター、レクチン又は生理活性物質受容体が用いられている。
特開2002−345494号公報 特開2002−273219号公報
ところが、前記特許文献1のハイブリダイゼーションプローブは、所望とする塩基配列からなる核酸を任意に作製して用いることができるという利点はあるが、核酸の一次構造、即ち配列情報のみに依存したハイブリッド形成を検出するという用途に限られていた。また、特許文献2の捕捉体では、捕捉構造体の選択によっては前記一次構造に依存したハイブリッド形成以外にも、3次元立体構造を認識することが可能となっている。しかしながら、この捕捉体では、前記ハイブリダイゼーションプローブの核酸の場合のように人為的に所望とする捕捉構造体を任意に作製して用いることが困難であるという欠点があった。特に、捕捉対象の3次元立体構造を認識する捕捉構造体を人工的に作製することは著しく困難であった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、被験混合物中に含まれるターゲットを簡便、迅速かつ高精度に検査することができる検査用チップの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項に記載の検査用チップの製造方法の発明は、ターゲットに対して特異的に結合するRNAアプタマーを、ステム−ループ構造を有する3次元立体構造を形成した状態で構造性発色基板の表面に固定化させた検査用チップであって、前記構造性発色基板は、支持基板と、該支持基板の表面に薄膜状に固定された構造性発色体とを備え、前記構造性発色体はポリペプチドにより構成され、前記ポリペプチドが結合基を介して前記支持基板の表面と結合し、前記構造性発色基板の表面は塩基性アミノ酸を含むポリペプチドを備えた構造性発色体が結合されていることで正に帯電し、前記RNAアプタマーは前記構造性発色基板の表面に静電的に結合している検査用チップの製造方法において、前記支持基板の表面に保護基を備えた構造性発色体の単分子膜を形成させる膜形成工程と、形成された単分子膜から保護基を除去して該単分子膜を帯電させる帯電工程と、帯電した単分子膜に前記RNAアプタマーを結合させる結合工程とを備えていることを特徴とするものである。
請求項に記載の検査用チップの製造方法の発明は、ターゲットに対して特異的に結合するRNAアプタマーを、ステム−ループ構造を有する3次元立体構造を形成した状態で構造性発色基板の表面に固定化させた検査用チップであって、前記構造性発色基板は、表面に構造性発色を示す酸化層が形成された支持基板を備えるとともに、該支持基板の表面に第1の結合用配列を備えたポリヌクレオチドの端部が結合することにより構成され、前記RNAアプタマーの末端は前記第1の結合用配列と相補的な第2の結合用配列を備え、当該RNAアプタマーは前記第2の結合用配列を介して前記第1の結合用配列を備えた前記構造性発色基板の表面に結合している検査用チップを製造する製造方法において、前記支持基板の表面に前記第1の結合用配列を結合させる第1の結合工程と、その第1の結合用配列に前記第2の結合用配列を結合させる第2の結合工程とを備え、前記第1の結合工程では前記第1の結合用配列が前記支持基板の最表面に位置するように配置されることを特徴とするものである。
発明の検査用チップの製造方法によれば、被験混合物中に含まれるターゲットを簡便、迅速かつ高精度に検査することができる検査用チップを容易に製造することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(c)に模式的に示すように、実施形態の検査用チップ11は、構造性発色基板12と、該構造性発色基板12上に結合した核酸リガンド13とを備えている。図1(d)に模式的に示すように、この検査用チップ11は、被験混合物(検体)を含むサンプル液中に含まれるターゲット14を簡便、迅速かつ高精度に検査(検出)することができるようになっており、特に被験混合物中に極微量含まれるターゲット14を簡便、迅速かつ高精度に検査することができるようになっている。
前記ターゲット14としては、タンパク質、ペプチド、糖類(多糖類)、糖タンパク質、脂質、炭水化物、アレルゲン、薬物、農薬、環境ホルモンのようなターゲット分子、或いはそれらターゲット分子を表面に備えた多細胞生物(ヒト及びヒト以外の生物を含む)の細胞、単細胞生物、ウイルスなどが挙げられる。なお、これらターゲット分子及びターゲット14としては、天然又は非天然のいずれであっても構わない。また、前記ターゲット分子は、有機物又は無機物のいずれであっても構わないが、特異的かつ高精度な検査が容易であることから、有機物であるのが好ましく、生体構成分子又は生理活性分子であるのが特に好ましい。さらに、これらターゲット分子としては、特異的かつ高精度な検査が容易となることから、高次構造のような特異的な3次元立体構造を形成しているのが好ましい。前記高次構造としては、タンパク質の場合、二次構造、三次構造又は四次構造が挙げられる。
このようなターゲット14を含む被験混合物としては、食品検査試験、微生物試験、環境試験、毒性試験又は成分分析試験のための試料が挙げられる。前記試料としては、牛乳入り飲料や果汁入り飲料のような飲料品、食品、化粧品、医薬部外品若しくは医薬品、又はそれらの原料が挙げられる。また、同試料としては、血液、尿、唾液、リンパ液のような体液、便や生検組織のような検体、環境試験や毒性試験のための採取物であってもよい。
前記被験混合物を含むサンプル液としては、被験混合物が溶液、懸濁液、乳化液のような液状である場合にはそのまま用いることが可能であるが、水や緩衝液のような溶媒で希釈して用いてもよく、或いは濃縮して用いても構わない。また、被験混合物がペースト状又は固形状である場合には、水や緩衝液のような溶媒に溶解、懸濁又は乳化させてサンプル液とすることができる。また、このサンプル液は、ターゲット14及び核酸リガンド13の3次元立体構造を維持しやすい条件(塩濃度、pH、温度など)であるのが好ましく、採取された被験混合物がその条件に合わない場合にはサンプル液を調製する際に希釈、濃縮、脱塩、透析、pH調節のような処理を行うとよい。このとき、検査用チップ11上において核酸リガンド13とターゲット14とが特異的に結合しやすくなり、検査精度が容易に向上する。
前記立体構造を維持しやすい条件としては、生理的な条件又はその条件よりもマイルドな条件であるのが好ましい。前記生理的な条件としては、例えば大腸菌、カビ、バチルス属菌、ブドウ球菌、酵母、乳酸菌のような微生物、好ましくは単細胞生物が生育可能な条件が挙げられる。前記マイルドな条件とは、前記ターゲット14の3次元立体構造に影響を与えにくい条件を指す。このような結合条件としては、例えば、pHが6〜8の範囲内であることや、塩濃度が生理食塩水の塩濃度以下の所定濃度であることなどが挙げられる。また、温度については、0℃を超えかつ50℃以下であるのが好ましく、10〜40℃であるのがより好ましく、20〜37℃であるのが特に好ましい。
核酸リガンド13は、二次構造や三次構造のような所定の高次構造をなす核酸により構成されているうえ、該高次構造により上記ターゲット分子に対して特異的に結合するものである。この核酸リガンド13は、1本鎖DNA又は1本鎖RNAから構成される。前記特異的に結合するとは、水素結合、分子間力(ファンデルワールス力)結合、配位結合、イオン結合のような種々の結合の組み合わせからなる結合(例えば生物学的な結合)を意味する。従って、前記特異的に結合するとは、電子の授受を伴わない可逆的な結合を意味することから、共有結合は除外される。
この核酸リガンド13の高次構造は、塩基配列依存的な分子内ハイブリッド形成により形成される3次元立体構造であり、ステム−ループ構造が代表的である。この高次構造は、核酸リガンド13を構成する核酸分子中に分散しつつ存在する複数のオリゴヌクレオチド配列又はオリゴヌクレオシド配列同士が互いにハイブリッド形成することにより形成される。この核酸リガンド13は、高次構造を形成していることからDNase分解及びRNase分解されにくい。また、この核酸リガンド13は、負電荷を有している。なお、この核酸リガンド13としては、高次構造を形成するものであれば、天然の塩基配列からなるものであっても、非天然の塩基配列からなるものであってもいずれでも構わない。
このような核酸リガンド13としては、アプタマー(aptamer)が最も好適に用いられる。このアプタマーは、60塩基程度の1本鎖DNA又は1本鎖RNAから構成されるが、高次構造を形成しやすいことから、図3に模式的に示されるような1本鎖RNAからなるRNAアプタマーが最も好適に用いられる。前記アプタマーは、ランダムな塩基配列からなるオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオシドを多種類合成した後、ターゲット分子と結合するものをSELEX(指数的富化によるリガンドの系統的進化;Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)法により精製することによって得られる。前記SELEX法は、ランダムな塩基配列からなる核酸の集団(コンビナトリアルライブラリー)から標的に結合する分子を選び、それをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅し、さらに選択増幅を数ラウンド繰り返す。このように試験管内で核酸分子を進化させ、標的に対して高い親和性をもつ核酸分子を選抜する手法により得られる。
構造性発色基板12は、支持基板21と、該支持基板21の表面上に層形成された多数の構造性発色体23とを備えており、構造性発色を示すように構成されている。
前記構造性発色は、モルフォ蝶翅、玉虫、熱帯魚の体表面の構造色に代表されるような発色機構による発色を指す。この構造性発色は、染料や顔料のように光が照射されると電子が転移して発色を示すような化学構造に基づく色素性発色とは異なり、物体の表面が光の波長以下の微細な構造を持つことで発色する現象である。この構造性発色は、モルフォ蝶翅の鱗粉の発色基本原理である多層薄膜干渉理論に基づいており、光の干渉、回折及び散乱から選ばれる少なくとも1種が関係している。
即ち、この構造性発色は、光の波長以下の微細な構造を持つ薄膜に電場、磁場、温度、光のような外部刺激を与えたとき、それら薄膜の厚みと、その屈折率とに応じて特定波長の光が反射する結果生じ、カメレオンの表皮のようにその色調が任意に制御されるようになっている。特に、本実施形態では、前記外部刺激、即ち電場、磁場、温度及び光にほとんど変化を与えることなく、前記薄膜の表面に上記ターゲット14を結合させることによって、特定波長の光の反射を変化させてその結合状態を検出できるように構成されている。前記結合状態は、可視光を用いる場合には目視又は可視スペクトル(可視反射スペクトル)を解析することにより検出することが可能であり、赤外線又は紫外線を用いる場合には赤外線スペクトル又は紫外線スペクトル(赤外線反射スペクトル又は紫外線反射スペクトル)を解析することにより検出することができる。
支持基板21は、表面が平坦な平板状に形成されている。この支持基板21は、表面に構造性発色体23を固定化できる材質であれば特に限定されないが、成形が容易であることから、プラスチックのような有機物又はガラスや石英のような無機物により構成されているのが好ましい。また、構造性発色体23が良好な構造性発色を示す薄膜状に固定化されやすいことから、不純物を含まないシリコンやシリカ(SiO2)により構成されているのが特に好ましい。
構造性発色体23は、支持基板21の表面上で薄膜状に固定化されたときに構造性発色を示すとともに、支持基板21及び核酸リガンド13の両方に結合する分子が用いられる。この構造性発色体23は、構造性発色を示しやすいことから棒状をなす分子が好適に用いられる。この構造性発色体23としては、アスペクト比が1を越える棒状であるのが好ましく、構造性発色を示しやすいことからアスペクト比が10を越える棒状であるのが特に好適に用いられる。
これら構造性発色体23としては、上記核酸リガンド13が負電荷を有していることから、該核酸リガンド13を静電的に結合させることができて便利であることから、正電荷を有するものが好適に用いられる。なお、これら構造性発色体23は、無機物又は有機物のいずれであっても構わないが、支持基板21及び核酸リガンド13の両方に結合させるのが容易であることから有機物であるのが好ましい。
このような性質を備えた構造性発色体23としては、分子が螺旋構造を形成する螺旋状有機物が好適に用いられる。前記螺旋状有機物としては、タンパク質若しくはポリペプチド、多糖類又はDNAが挙げられる。前記タンパク質としては、α−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリノーゲン、トロポマイシン、絹フィブロインのようなα−へリックス構造を有する繊維状タンパク質が好適に用いられる。前記ポリペプチドとしては、α−へリックス構造を有するポリペプチドが好適に用いられる。前記多糖類としては、螺旋構造を形成するアミロースが好適に用いられる。これらの螺旋状有機物のうち、構成アミノ酸(側鎖)の種類によって支持基板21や核酸リガンド13に対する結合に選択性を与えることが容易であることから、タンパク質又はポリペプチドが好適に用いられる。さらに、これら螺旋状有機物としては、上記支持基板21又は核酸リガンド13に対する結合選択性を容易に最適化できることから人為的に作製したポリペプチドが最も好適に用いられる。
なお、この構造性発色体23の長手方向の長さは、二次構造を保持しつつ化学重合の限界を考慮したα−へリックス構造を形成しやすいことから、3〜1500nmであるのが好ましく、300〜810nmであるのがさらに好ましい。また、可視光で検出する場合には可視光の波長の範囲内(例えば400〜800nm)であるとよい。また、同構造性発色体23の短手方向の長さは、構成されるアミノ酸などの種類によって主に決定されるが、0.8〜2.0nmであるのが好ましい。
次に、図1及び図3に示される構造を有する検査用チップ11の製造方法を説明する。
図1及び図3に模式的に示される検査用チップ11は、表面(表層)又は全体が無機物からなる支持基板21と、該支持基板21に共有結合するための結合基22(図3ではアルキル基及びシラン基からなる)を有するポリペプチドからなる構造性発色体23とを備えている。前記無機物としては、水酸基(−OH)を有するガラスや石英などが好適に用いられ、シリコンやシリカを用いるのが特に好ましい。また、前記構造性発色体23は、前記結合基22と保護基24(図3ではε−ベンジルオキシカルボニル基)とを備えた前駆体23aから、前記保護基24を取り除くことによって生成される。
前記結合基22は、支持基板21の表面を構成する無機物と共有結合可能な構造を有している。この結合基22としては、シランカップリング剤のようなカップリング剤として機能する官能基が挙げられる。前記カップリング剤は、1分子中に有機官能基と加水分解性基とを有しており、例えば図3に示されるようなシラン末端ポリアリルアミン類が用いられる。即ち、前記有機官能基としてはアルキル基が挙げられ、前記加水分解性基としてはシラン基が挙げられる。
シラン基は、水により加水分解されてシラノールとなった後、該シラノール同士が部分的に縮合してオリゴマー様の状態となるとともに、前記無機物の水酸基(−OH)に対して水素結合的に吸着する。続いて、前記無機物に吸着されたシラノールは、所定温度に加熱されることにより脱水縮合し、図3に示されるように強固な共有結合を形成する。また、前記加熱により前記オリゴマー様の状態となったシラノール同士も脱水縮合し、隣接するシラノール間、即ち隣接する前駆体23a間の間隔が光の波長以下で一定となるように共有結合する。この結合基22は、構造性発色体23の末端に位置しており、例えば図3に示すように前記ポリペプチドの末端とシラン基との間をアルキル基が繋ぐような構造を形成する。
前記構造性発色体23(結合基22を有するポリペプチド)は、構成アミノ酸として少なくとも塩基性アミノ酸を含んでおり、構成アミノ酸の全てが塩基性アミノ酸であるものが好ましい。塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン又はヒスチジンが挙げられるが、いずれも所定の条件下で正電荷を持つようになっており、負電荷を持つ上記核酸リガンド13との静電的な結合に関与する。即ち、この構造性発色体23を構成するポリペプチドは、塩基性アミノ酸以外のアミノ酸が含有されている場合でも全体として正電荷を持っている必要があることから、塩基性アミノ酸の数が酸性アミノ酸の数を上回っている必要がある。これらの塩基性アミノ酸としては、前記核酸リガンド13が高次構造を形成しやすいpH6〜8付近で確実に正電荷を持つことから、リジン又はアルギニンが好適に用いられる。また、これら塩基性アミノ酸は、L型又はD型のいずれであっても構わない。
前記保護基24は、構造性発色体23には存在せず前駆体23aのみに存在する。この保護基24は、前駆体23aを作製する際に、モノマーとして反応液中に溶解されている塩基性アミノ酸の側鎖(正電荷)が化学的な重合反応に関与しないようにするために保護する役割を果たす。このとき、前記化学的な重合反応により合成される前駆体23aがペプチド結合のみにより直線状に重合され、適切なα−へリックス構造を形成しやすくなる。
この保護基24としては、リジン、アルギニン又はヒスチジンの側鎖のε−アミノ基、グアニジル基又はイミダゾール基に対して選択的に反応するとともに、同アミノ酸のα位の炭素原子と直接結合しているアミノ基とは反応しないものが用いられる。また、この保護基24としては、前記重合反応の低下を効果的に抑えるために、上記核酸リガンド13以下の比較的小さな分子量のものが好適に用いられる。なお、前記化学的な重合反応には、ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミノ酸との反応性が低い溶媒が好適に用いられる。
この保護基24は、前駆体23aに対して臭化水素(HBr)/酢酸(AcOH)のような加水分解試薬を用いた加水分解処理を行うことにより取り除かれるようになっている。即ち、前記前駆体23aは、前記加水分解処理を行うことによって保護基24が除去されて構造性発色体23(この場合の構造性発色体23は結合基22を含まない)を生成させる。なお、前記前駆体23aのアスペクト比は1以下であっても構わないが、構造性発色体23のアスペクト比は上述のように1を越えている必要がある。即ち、構造性発色体23(この場合の構造性発色体23は結合基22を含まない)は、前駆体23aから保護基24が除去されることによって初めてアスペクト比が1を超える棒状に形成されるものであっても構わない。
また、構造性発色基板12を所望の発色にするために、支持基板21の表面上で前記前駆体23aを単層状或いは複数の層が積み重なるように積層し、積層した前記前駆体23aから保護基24を除去して前記構造性発色体23を厚くしてもよい。また、支持基板21を酸素雰囲気下で焼成すると酸化層が形成されるが、その酸化層はそれ自体で構造性発色を示し得るため、支持基板21上で積層されるべき構造性発色体23の厚みを少なくして発色を変化させることもできる。
さて、この検査用チップ11は、支持基板21の表面に前駆体23aを結合基22で結合させて単分子膜25を形成する膜形成工程と、前記単分子膜25(結合基22で前駆体23aを固定)から保護基24を除去して該単分子膜25を正帯電させる帯電工程と、前記正帯電した単分子膜25に核酸リガンド13を結合させる結合工程とからなる。
前記膜形成工程では、前駆体23aを水、又は水を溶媒とする緩衝液のような水溶液に加え、その水面全体を覆うように前駆体23aを浮かせた状態で、それら前駆体23aをほぼそのままの状態を維持しながら支持基板21の表面上に移し取って転移させた後、その転移された前駆体23aを支持基板21の表面に固定化させる。その結果、図1(a)に示されるような保護基結合型基板12aが作製される。なお、前記水面上に浮かせた状態の前駆体23aを支持基板21の表面上に転移させる方法は、例えば上記特許文献1や特許文献2に記載の方法のようなラングミュア−ブロジェット法(LB法)に従って行われればよい。
この膜形成工程では、各前駆体23aに結合している結合基22の末端に位置するシラン基が水で加水分解されてシラノールとなった後、前記水面上で隣接するシラノール同士が部分的に水素結合的に縮合してオリゴマー様の状態となって浮いている。続いて、これら水面上に浮いた状態の前駆体23aを支持基板21の表面に転移させることにより、各前駆体23aに結合している結合基22の末端に位置するシラノールが支持基板21の表面を構成する無機物の水酸基に対して水素結合的に吸着する。その結果、支持基板21の表面上には、多数の前駆体23aが光の波長以下の密度で縦横に隣接しながら配列された薄膜状の単分子膜25が形成される。次に、前記単分子膜25が吸着された支持基板21を乾燥させるとともに所定温度に加熱することにより、それら単分子膜25が支持基板21上に共有結合にて固定された保護基結合型基板12aとなる。
前記帯電工程は、前記保護基結合型基板12aの表面に対し、HBr/AcOHのような加水分解試薬を作用させて加水分解処理を行うことにより実施され、保護基結合型基板12aの表面上に結合している各前駆体23aから保護基24を分離させる。その結果、保護基結合型基板12a表面の単分子膜25が正電荷を持ち、構造性発色基板12となる。
前記結合工程は、前記正電荷を持つ構造性発色基板12の単分子膜25側の表面に、負電荷を持つ核酸リガンド13を静電的に結合させることにより実施される。この結合工程では、前記核酸リガンド13の高次構造がそのまま維持される結合条件で実施されるのが最も好ましい。前記結合条件としては、核酸リガンド13にターゲット14が特異的に結合する条件であるのが好ましく、上記被験混合物が置かれていた環境条件又は上記生理的な条件であるのが特に好ましい。さらに、前記結合条件としては、前記環境条件又は生理的な条件よりもpH、塩濃度及び温度から選ばれる少なくとも1種がマイルドな条件であってもよい。前記マイルドな条件とは、前記核酸リガンド13の分子内ハイブリッド形成に影響を与えにくい条件を指す。このような結合条件としては、例えば、pHが6〜8の範囲内であることや、塩濃度が生理食塩水の塩濃度以下の所定濃度であることなどが挙げられる。また、温度については、0℃を超えかつ50℃以下であるのが好ましく、10〜40℃であるのがより好ましく、20〜37℃であるのが特に好ましい。
次に、上記検査用チップ11を用いた被験混合物の検査方法について説明する。
この検査用チップ11を用いて被験混合物中に含まれるターゲット14を検査する際には、まず、検査用チップ11の表面に前記サンプル液を添加して所定時間反応させる。このとき、前記サンプル液中にターゲット14が含まれている場合には、該ターゲット14が検査用チップ11表面の核酸リガンド13と特異的に結合する。次に、前記サンプル液と反応させた後の検査用チップ11の表面を洗浄することによって、ターゲット14以外の成分を検査用チップ11表面から取り除く。このとき、前記検査用チップ11の表面には、ターゲット14のみが特異的な結合を維持した状態となっている。
そして、反応前後における検査用チップ11表面の構造性発色の変化を目視又は検査装置により検出することにより、サンプル液中に含まれるターゲット14の有無を検出することができる。前記検査装置としては分光光度計が用いられる。この分光光度計は、検査用チップ11表面における光の反射率を、連続する所定範囲の波長(例えば図4に示されるように300〜700nm)について測定することにより、可視光、赤外線又は紫外線の反射スペクトルを解析するようになっている。
なお、分光光度計以外の検査装置としては、例えば原子間力顕微鏡(AFMトポグラフィーイメージ)が用いられ、図2(d)に示されるようにターゲット14が特異的に結合した箇所は、表面の高低差が劇的に変化していることが見て取れる。このため、この検査方法では、サンプル液中にターゲット14が存在しているか否かについて検出することができるうえ、図2(d)に示されるようにターゲット14の個数を正確にカウントすることも可能となっていることから、より詳細に検査ができ定量性にも優れている。但し、短時間で簡易な検査を行う場合には、分光光度計により測定するのがよい。
ちなみに、前記分光光度計にて光の反射率を測定する場合には、検査用チップ11とターゲット14との結合により反射率のシフト(変化)が明確に確認されている少なくとも1つの特定波長の反射率(例えば353nmの反射率)、又は連続する狭い範囲の波長(例えば350〜400nm)の反射スペクトルを測定すればよい。この場合、連続する広い範囲の波長を調べる必要がなくなって作業が容易かつ迅速に実施されるとともに、前記ターゲット14の結合に特異的な反射率の変化を検出することから、当該ターゲット14以外に起因する非特異的な結合、即ちノイズを検出するおそれが容易に低減される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の検査用チップ11は、構造性発色基板12と、該構造性発色基板12に結合した核酸リガンド13とから構成されている。さらに、前記核酸リガンド13は高次構造をなす核酸により構成されている。即ち、この検査用チップ11は、高次構造をなす核酸リガンド13と、3次元立体構造をなすターゲット14との間の特異的な結合に基づいてターゲット14の有無を検査することから、検査精度及び信頼性は極めて高い。さらに、この検査用チップ11は、構造性発色基板12自体が自動的に構造性発色を示すように構成されており、その構造性発色をターゲット14が部分的に遮ることによって該ターゲット14の存在を検出するようになっていることから、検査にかかる手間や時間はほとんど必要なく、著しく簡便かつ迅速な検査を行うことができる。
一方、SELEX法で得られる核酸リガンド13は、ELISA法のような免疫学的手法に用いられる抗体、特に検査精度を高めるためのモノクローナル抗体の作製と比較して手間と時間が極端に少ないという利点がある。さらに、ELISA法では、発色に関与する酵素と結合した2次抗体を抗原に結合させ、さらに発色のための反応及びその検出といった多くのステップと時間が必要であるが、本実施形態の検査方法では2次抗体などは必要なく、著しく簡便かつ迅速に検査をすることができる。また、この核酸リガンド13は、抗体と比較するとその創製に動物などを使用する必要がない点で操作が簡便かつ安価であるうえ、動物に毒性を示すものや血流中で簡単に分解してしまうものなど、抗体作製が困難なものであっても製造することができるという利点がある。
一方、PCR法のような遺伝子工学的手法は微生物検出(同定)や組換え遺伝子の検出を行う場合によく用いられるが、PCR反応に必要なDNAを抽出するために手間と時間がかかるうえ、PCR反応を行うための高価な機器が必要である。これに対し、本実施形態の検査方法では前述のようなDNA抽出や高価な機器は必要としない。特に、本実施形態の検査方法において、ターゲット14として微生物を検査する際には、該微生物を増殖させるための前培養の時間が容易に短縮できることから利点が大きい。従って、この検査用チップ11を用いた検査方法によれば、商品出荷までの判定期間を短縮できたり、キット化により単純化でき人手を多くかけることなくターゲット14の有無を目視で確認することが可能であるなどの利点があることは特筆すべきである。特に、この検査方法では、サンプル液を採取・調製した場所で可視光などを利用して検査を行うことができる点はELISA法やPCR法よりも優れている。
・ 本実施形態の検査用チップ11の製造方法は、支持基板21の表面に結合基22を介して前駆体23aの単分子膜25を形成する膜形成工程と、形成された単分子膜25から保護基24を除去して単分子膜25を正帯電させる帯電工程と、正帯電した単分子膜25に核酸リガンド13を結合させる結合工程とからなる。このため、被験混合物中に含まれるターゲット14を簡便、迅速かつ高精度に検査することができる検査用チップ11を極めて容易に製造することができる。特に、この製造方法では、単分子膜25を正帯電させ、核酸リガンド13の負電荷と結合させることから、結合工程において核酸リガンド13の立体構造にほとんど影響を与えることがない。従って、検査精度を容易に高めることが可能である。
また、シリコン製の支持基板21を備えた保護基結合型基板12aを熱処理する場合には、その処理条件によってSiO2層(酸化層)の厚みを制御することが可能であることから、簡単に所望する色の構造性発色基板12を作製することができるようになっている。このとき、構造性発色を検出に都合のよい色に調整することができて大変便利である。なお、この検査用チップ11の製造途中に作製される構造性発色基板12は、核酸リガンド13を結合させる以外にも、負電荷を持つタンパク質や多糖類などを結合させるなどの別の用途にも応用が可能である。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態では上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5(b)に模式的に示すように、第2実施形態の検査用チップ31は、図5(a)に模式的に示される構造性発色基板32と、該構造性発色基板32上に結合した核酸リガンド33とを備えている。この検査用チップ31は、上記第1実施形態と同様に、被験混合物を含むサンプル液中に含まれるターゲット14を簡便、迅速かつ高精度に検査することができる。
第2実施形態の構造性発色基板32は、それ自体で構造性発色を示す支持基板41を備えており、構造性発色体(第1実施形態の構造性発色体23)が不要である点が上記第1実施形態とは異なる。図6に模式的に示すように、支持基板41は、その表面に酸化層41aが形成されている。支持基板41は、表面が平坦な平板状に形成されたシリコンウエハーなどを原料にしている。酸化層41aは、公知の方法によって形成可能であるが、例えば前記支持基板41の表面を空気中にて1090℃程度の温度で3時間程度焼成することによって容易に形成される。なお、シリコンウエハーなどのシリコン製の支持基板41を焼成すると、酸化層41aとしてのSiO2層が形成される。このSiO2層の厚みは、焼成の条件によって制御可能であり、支持基板41が示す構造性発色に影響を与える。即ち、酸化層41aは、構造性発色基板32が構造性発色を示す上で極めて重要な役割を担っている。
この構造性発色基板32はさらに、核酸リガンド33を結合させるための結合部42(図8参照)を備えている。図6〜8に模式的に示すように、結合部42は、支持基板41側から順に、第1結合部43(図6,7ではamino silaneからなる)、第2結合部44(図7ではsulfo-NHS-LC-Biotinからなる)、アビジン45(図7ではAvidin from Egg whiteからなる)及び第3結合部46を備えている。
第1結合部43は、支持基板41の表面に共有結合するための第1結合基(図6ではシラン基からなる)と、電荷を有する有機基(図6ではアルキル基及びアミノ基からなる)とを有している。第1結合基は、図6に示されるように支持基板41の表面に存在する水酸基(−OH)と共有結合する。有機基は正電荷及び負電荷のいずれを有していても構わない。即ち、この第1結合部43は、電荷を有するカップリング剤から構成されている。
第2結合部44は、前記第1結合部43の電荷を有する有機基と静電的に結合するための第2結合基44a(図7ではスルホン酸基からなる)と、第1のビオチン44bとを有している。第2結合基44aは、前記有機基の電荷と逆の電荷を有している必要がある。第1のビオチン44bは、前記アビジン45と生物学的に結合させるために設けられている。また、第3結合部46は、前記アビジン45と生物学的に結合するための第2のビオチン46aと、第1の結合用配列46bとを有している。即ち、この第3結合部46は、アビジン45を介して前記第2結合部44と結合している。
第1の結合用配列46bは、核酸リガンド33とハイブリッド形成により結合するために設けられており、1本鎖のポリヌクレオチドによって構成されている。この第1の結合用配列46bとしては、安定性及びハイブリッド形成の特異性が高いことから30塩基程度の1本鎖DNAによって構成されているのが好ましい。また、第1の結合用配列46bとしては、あらゆる組合せの塩基配列が採用され得るが、核酸リガンド33に対する非特異的な結合を抑えるために、単一の塩基の並びからなるポリヌクレオチドから構成されているのが特に好ましい。このような結合用配列46bとしては、ポリアデニン(ポリA)やポリチミン(ポリT)などが挙げられる。
核酸リガンド33は、ターゲット14に特異的に結合する領域と、第2の結合用配列47(図8参照)とを備えている。ターゲット14に特異的に結合する領域は、上記第1実施形態の核酸リガンド13と同様に構成される。第2の結合用配列47は、核酸リガンド33の末端、好ましくは3’末端に配置され、核酸リガンド33を前記第1の結合用配列46bと特異的に結合させるために設けられている。この第2の結合用配列47は、第1の結合用配列46bと相補的な配列が採用され、例えばポリAやポリTなどが好適に用いられる。
図5(b)に示されるように、この第2実施形態の検査用チップ31は、核酸リガンド33の末端部が構造性発色基板32の表面に固定されている点が上記第1実施形態と大きく異なる。このため、この第2実施形態の検査用チップ31では、前記ターゲット14に特異的に結合する領域が構造性発色基板32の表面とほぼ直行方向に延びるように配向されているため、ターゲット14との結合に関与可能な部分が増大し、そのターゲット14に対する結合の自由度が高められている。
この第2実施形態の検査用チップ31は、支持基板41の表面に第1の結合用配列46bを結合させる第1の結合工程と、その第1の結合用配列46bに核酸リガンド33の第2の結合用配列47を結合させる第2の結合工程とを行うことにより製造される。なお、前記第1の結合工程では、第1の結合用配列46bが支持基板41の最表面に位置するように配置される。本実施形態の第1の結合工程では、酸化層41aが形成された支持基板41の表面に第1結合部43、第2結合部44、アビジン45及び第3結合部46を順に結合させることにより、支持基板41の表面に第1の結合用配列46bを結合させる。また、第2の結合工程では、前記第1の結合用配列46bに核酸リガンド33末端の第2の結合用配列47をハイブリッド形成させることにより、第1の結合用配列46bに第2の結合用配列47を結合させる。この第2実施形態の検査用チップ31は、上記第1実施形態の検査用チップ11と同様に被験混合物の検査を行うことができる。
従って、第2実施形態の検査用チップ31によれば、第1実施形態の検査用チップ11と同様の作用効果を発揮することができる。さらに、この検査用チップ31は、第1実施形態の検査用チップ11と比べて、構造性発色基板32の表面上で核酸リガンド33が自由に配向可能となっているうえ、その多くの部分が構造性発色基板32の表面から浮き上がった位置に配置されることから、ターゲット14との結合がより一層促進されやすくなる。その結果、検出感度がより一層容易に高められる。特に、第2の結合用配列47が核酸リガンド33の末端に位置していることから、前記ターゲット14と結合する領域の自由度が顕著に増大し、検出感度の向上に大きく寄与し得る。
また、支持基板41及び結合部42からなる構造性発色基板32は、異なる種類の核酸リガンド33を結合させることができるとともに、核酸リガンド33とのハイブリッド形成を解除することによって再利用可能であるという利点がある。このため、前記構造性発色基板32は、1種類の構造性発色基板32が複数種類の核酸リガンド33を結合させることが可能となっていて汎用性が大きい。即ち、前記構造性発色基板32は、様々な種類のターゲット14に結合する検査用チップ31を作製するために利用可能であるという利点を有している。
<検査用チップ11の作製と微生物検査>
(検査用チップ11としてのアプタマーチップの作製)
ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジン(ε-benzyloxycarbonyl-L-lysine;BCL)を3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)の存在下でジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中で25℃、24時間重合反応を行った。その結果、図3の左側に示される構造を有する結合基22を備えた前駆体23aを作製した。この結合基22を備えた前駆体23aは、末端にシラン基を備えたポリε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジン(silane-terminated poly (ε-benzyloxycarbonyl-L-lysine);以下、シラン末端PBCLと記載する)である。
なお、前記重合反応の進行はフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)で確認し、重合度の測定は1H−NMRにより行った。また、二次構造をなすα−ヘリックスの形成確認及び含有量の測定は、Circular Dichorismスペクトロスコープにより行った。即ち、FTIRの結果より、アミドI及びアミドIIの吸収ピークはそれぞれ1652cm-1及び1543cm-1であったことから、シラン末端PBCLにはα−ヘリックス構造が形成されていることが確認された。また、1H−NMR測定の結果、トリフルオロエタノール(trifluoroethanol)中に溶解したシラン末端PBCLのα−ヘリックス含有量は60%であることが確認された。
一方、シリコンウエハーを高温で焼成することにより、シリカ(SiO2)の支持基板21を作製した。また、前記シラン末端PBCLをDMF:ベンゼン=3:7の混合溶媒中に溶解させた後、該シラン末端PBCL溶液を25℃の純水表面に単層状に拡がるように浮かべた。この単層状に拡げられたシラン末端PBCL溶液を、表面圧力がほぼ5mN/mの定圧となるようにLB法を用いて前記支持基板21上に転移させることにより、該支持基板21の表面にシラン末端PBCLの単分子膜25を薄膜状に堆積させた。続いて、このシラン末端PBCLの単分子膜25が堆積した支持基板21を110℃で20分間加熱することにより、シラン末端PBCLが支持基板21の表面上に共有結合で固定された保護基結合型基板12aを作製した。なお、前記保護基結合型基板12aの表面では、シラン末端PBCLのα−ヘリックスが単層状に自己集合している様子が図2(a)のAFMトポグラフィーイメージにより容易に推定される。
次に、前記保護基結合型基板12aの表面を、HBr/AcOHで加水分解処理することにより、該シラン末端PBCLから保護基24としてのε−ベンジルオキシカルボニル基(ε-benzyloxycarbonyl group)を除去した。その結果、図1(b)に模式的に示されるように、前記保護基結合型基板12aの表面に正電荷を有するポリL−リジン(poly (L-lysine);PLL)の単分子膜25が薄膜状に固定化した構造性発色基板12が作製された。なお、前記保護基24が除去されたとき、シラン末端PBCLのα−ヘリックスがPLLのランダムコイルになった様子が図2(b)のAFMトポグラフィーイメージにより容易に推定される。また、構造性発色体23の単分子膜25の厚みや濡れ具合の変化も同イメージにより見て取れる。ちなみに、この単分子膜25が薄膜状に固定されてなる構造性発色基板12の表面は、単分子膜25が固定化される前のものと比べても発色に差が見られなかった(目視にて確認)。
最後に、配列番号1で表される塩基配列(図3の右側下部にも示されている核酸リガンド13)からなるRNAアプタマーを前記PLLの正電荷に対して静電的に結合させることにより、検査用チップ11としてのアプタマーチップを作製した。このアプタマーチップのAFMトポグラフィーイメージを図2(c)に示す。なお、前記RNAアプタマーは、SELEX法によりSphingobium yanoikuyaeの細胞膜表面に特異的に結合するものとして選抜されたものであり、高次構造としてのステム−ループ構造が形成された状態で構造性発色基板12に固定化されている。
なお、この構造性発色基板12の作製において、前記PLLが単層状に自己集合する際の条件を様々に検討した。その結果、データは示さないが、上記LB法にてシラン末端PBCLを支持基板21上に転移する際の表面圧力が5mN/mの定圧であることがよいことが分かった。さらに、前記シラン末端PBCLを支持基板21の表面上に単層状に層形成させる際には、典型的な表面圧−面積(π−A)等温線が形成されやすいことから、水を用いた気相−水相界面で層形成が行われるのが好ましいことも分かった。
(微生物検査)
得られたアプタマーチップの表面に、Sphingobium yanoikuyaeの懸濁液(1.0×104cfu/ml)を約100μl滴下し、クリーンブース内で室温にて30分静置後、DEPC処理超純水でリンスした後、25℃で該アプタマーチップを乾燥させた。得られた乾燥アプタマーチップについて、分光光度計(本体;日本分光工業社製の紫外可視分光光度計V−550型、反射ユニット;日本分光工業社製の絶対反射率測定装置ARV−474型)による反射スペクトル解析により構造性発色に基づく波長変化及び反射率変化の分析を行った。結果を図4のa:検査用チップ(検査後)に示す。また、前記Sphingobium yanoikuyaeの懸濁液を滴下する前のアプタマーチップの表面を同様に反射スペクトル解析した結果を図4のb:検査用チップ(検査前)に示すとともに、上記アプタマーを結合させる前の構造性発色基板12の表面を同様に反射スペクトル解析した結果を図4のc:構造性発色基板に示した。
その結果、構造性発色基板12(図4のc)の表面にRNAアプタマーを結合させただけのアプタマーチップ(図4のb)では、反射スペクトルの波長のピーク(353nm)は全く変化していない。しかしながら、検査後のアプタマーチップ(図4のa)では、前記波長のピークが388nmにシフトしていることが確認された。即ち、このアプタマーチップは、Sphingobium yanoikuyae菌との接触により、構造性発色に基づく波長が明確にシフトしたことが確認された。また、反射率の極大値が約83%(図4のb:353nm)から約68%(図4のa:388nm)まで低下していることが確認された。即ち、このアプタマーチップは、Sphingobium yanoikuyae菌との接触により、構造性発色が一部遮断されていることが確認された。さらに、図2(d)のAFMトポグラフィーイメージにおいて、Sphingobium yanoikuyae菌が結合した箇所が白く見えていることからSphingobium yanoikuyae菌との接触が確認された。以上のことから、RNAアプタマーと構造性発色基板12との組合せによる検査用チップ11を用いることにより、検体中のターゲット14の存在を簡便・迅速に検査できることが確認できた。
なお、この微生物検査では、300〜700nmの波長についての反射スペクトルを調べているが、例えば353nmや388nmにおける反射率のシフト量のみを調べることによって、アプタマーチップに対するターゲット14の結合が検出可能であることが分かる。また同様に、例えば350〜400nmの連続する範囲における反射スペクトルのシフト量のみを調べることによっても、アプタマーチップに対するターゲット14の結合が検出可能であることも分かる。
<検査用チップの作製と微生物検査2>
(検査用チップとしてのアプタマーチップの作製2)
図6に示すように、シリコンウエハーを空気中で1090℃、3時間焼成(sintering)することにより、そのウエハーの表面に酸化層41aが形成された支持基板41(構造性発色プレート)を作製した。なお、この構造性発色プレートの一側面は、それ自体で構造性発色を示していた。次に、前記支持基板41の表面に第1結合部43を結合させるために、当該構造性発色プレートを3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製のKBM903)を含むトルエン(Toluene)溶液中に浸漬させ、酸化層41aの表面に存在する水酸基(−OH)と3−アミノプロピルトリメトキシシランとを共有結合させた。その後、その構造性発色プレートを空気中で120℃、30分間固定した。
続いて、図7に示すように、前記第1結合部43に第2結合部44を結合させるために、テクノケミカル社製のEZ-LinkTM Sulfo-NHS-LC-Biotin(biotinamidohexanoic acid 3-sulfo-N-hydrosuccinimide ester sodium salt)を含む10mMリン酸緩衝液を酸化層41aの表面に塗布して室温で2時間反応させた。次に、前記第2結合部44にアビジン45を結合させるために、前記支持基板41を0.68mg/mlの卵白由来アビジンを含むリン酸緩衝液中に浸漬させた。この支持基板41(アビジンプレート)は、4℃のリン酸緩衝液中で長期間保存可能である。
続いて、図8に示すように、前記アビジンプレートに第3結合部46を結合させるために、前記アビジンプレートを30量体のチミンが結合されてなるビオチン(Biotin-dT30)を含むリン酸緩衝液(pH7.4)中に室温で浸漬させた。その結果、構造性発色基板32が作製された。次に、この構造性発色基板32を、核酸リガンド33を含むリン酸緩衝液中に浸漬した。前記核酸リガンド33は、配列番号1で表される塩基配列の1〜75番目までの塩基配列と、その配列の直後に30量体のアデニンからなるポリA配列を含む1本鎖RNAからなり、Sphingobium yanoikuyaeの細胞膜表面に特異的に結合するものである。その結果、前記第3結合部46のポリTと核酸リガンド33のポリAとがハイブリッド形成され、検査用チップ31としてのアプタマーチップが作製された。なお、このアプタマーチップを作製する際には、上記実施例1と同様に各工程毎にチップ表面をAFMトポグラフィーイメージにて確認し、上記実施例1と同様に凹凸が少なく、かつ構造性発色を示す表面が形成されていることを確認した。
(微生物検査2)
得られたアプタマーチップについて、ターゲット14としてSphingobium yanoikuyaeの懸濁液を用い、上記実施例1と同様に微生物検査を行った。結果を図9(a)、(b)及び図10に示す。なお、図9(a)はターゲット14がアプタマーチップの表面に特異的な結合をした様子を示すAFMトポグラフィーイメージであり、図9(b)は図9(a)のAFMトポグラフィーイメージを立体的に示している。また、図10のaはSphingobium yanoikuyaeの懸濁液を滴下する前のアプタマーチップ表面における反射スペクトルの解析結果(検査前)を示し、図10のbは滴下した後のアプタマーチップ表面における反射スペクトルの解析結果(検査後)を示す。
その結果、図9より、ターゲット14が特異的に結合した箇所は、表面の高低差が劇的に変化していることが見て取れる。また、図10より、検査後のアプタマーチップ(図10のb)では、検査前のアプタマーチップ(図10のa)と比べて反射スペクトルが全体に低下する傾向にシフトしていることが確認され、特に300nm付近の波長のピーク及び570nm付近の波長のピークのシフト量が大きいことが確認された。即ち、このアプタマーチップは、Sphingobium yanoikuyae菌との接触により、構造性発色に基づく反射光の波長が明確にシフトしたことが確認された。以上のことから、RNAアプタマーと構造性発色基板32との組合せによる検査用チップ31を用いることにより、検体中のターゲット14の存在を簡便・迅速に検査できることが確認できた。また、この微生物検査2では、200〜800nmの波長についての反射スペクトルを調べているが、例えば300nm付近や570nm付近の波長の反射スペクトルのシフト量のみを調べることによって、アプタマーチップに対するターゲット14の結合が検出可能であることも分かる。
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ シランカップリング剤の代わりに、チタンカップリング剤のようなカップリング剤を用いてもよい。
・ ターゲット分子は、DNAやRNAのような核酸であってもよい。なおこのとき、前記核酸は、核酸リガンド13に対して、一次構造に依存したハイブリッド形成により結合せず、高次構造に依存した結合を行うようになっている必要がある。
・ 上記実施形態では第1及び第2の結合用配列46b,47はポリヌクレオチドによって構成されていたが、核酸リガンド33との特異的なハイブリッド形成が達成されるのであれば、第1及び第2の結合用配列46b,47から選ばれる少なくとも一方をオリゴヌクレオチドによって構成しても構わない。
・ 支持基板41は、その表面に直接的又は間接的に核酸リガンド33を固定化できる材質であれば特に限定されないが、シリコンウエハー以外の無機物、又はプラスチックのような有機物により構成されていても構わない。なおこのとき、支持基板41の表面には、構造性発色を示すための微細な凹凸や酸化層などが形成されている必要がある。
・ 第2実施形態の結合部42は、支持基板41と結合するとともに端部に第1の結合用配列46bを備えるものであれば、いかなる構造を有していても構わない。
・ 1枚の検査用チップ11,31の表面に、複数種類の核酸リガンド13,33を結合させてもよい。例えば、1枚の検査用チップ11,31の表面のうち、半面に第1の核酸リガンドを結合させ、残り半面に第2の核酸リガンドを結合させること。なお、前記第1及び第2の核酸リガンドは、それぞれ異なる種類のターゲット14と特異的に結合するようになっている。
・ 第1実施形態の単分子膜25の表面に、第2実施形態の第2結合部44、アビジン45、第3結合部46及び核酸リガンド33を結合させることにより検査用チップを作製してもよい。また、第2実施形態の酸化層41aを備えた支持基板41の表面に、第1実施形態の単分子膜25及び核酸リガンド13を結合させることにより検査用チップを作製してもよい。これらのように構成した場合でも、上記各実施形態と同様に被験混合物の検査を行うことが可能である。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 支持基板と、該支持基板の表面に薄膜状に固定された構造性発色体とを備えた構造性発色基板であって、前記構造性発色体は塩基性アミノ酸を含むポリペプチドにより構成され、前記ポリペプチドが結合基を介して前記支持基板の表面と結合するとともに、前記塩基性アミノ酸が正帯電していることを特徴とする構造性発色基板。このように構成した場合、負電荷を持つ分子を構造性発色基板の表面に容易に結合させることができる。
(2) 前記(1)に記載の構造性発色基板を製造する製造方法であって、前記支持基板の表面に保護基を備えた構造性発色体の単分子膜を形成する膜形成工程と、形成された単分子膜から保護基を除去して該単分子膜を帯電させる帯電工程とを備えていることを特徴とする構造性発色基板の製造方法。このように構成した場合、負電荷を持つ分子を構造性発色基板の表面に容易に結合させることができる構造性発色基板を容易に製造することができる。
(3) 前記構造性発色基板は、支持基板と、該支持基板の表面に薄膜状に固定された構造性発色体とを備え、前記構造性発色体は塩基性アミノ酸を含むポリペプチドにより構成され、前記ポリペプチドが結合基を介して前記支持基板の表面と結合するとともに、前記核酸リガンドが塩基性アミノ酸と静電的に結合していることを特徴とする検査用チップ。
(4) 前記(3)に記載の検査用チップを製造する製造方法であって、前記支持基板の表面に保護基を備えた構造性発色体の単分子膜を形成させる膜形成工程と、形成された単分子膜から保護基を除去して該単分子膜を帯電させる帯電工程と、帯電した単分子膜に核酸リガンドを結合させる結合工程とを備えていることを特徴とする検査用チップの製造方法。このようにした場合、被験混合物中に含まれるターゲットを簡便、迅速かつ高精度に検査することができる検査用チップを容易に製造することができる。
(a)〜(d)はいずれも第1実施形態の検査用チップの作製手順及び検査方法を示す模式図。 (a)〜(d)はそれぞれ、図1(a)〜(d)の状態と対応する実施例1の検査用チップ表面のAFMトポグラフィーイメージを示す。 実施例1のアプタマーチップ作製時の反応を模式的に示す。 実施例1の検査結果を示すグラフ。 (a)は第2実施形態の構造性発色基板を示す模式図、(b)は第2実施形態の検査用チップを示す模式図。 実施例2のアプタマーチップ作製時の反応の一部を模式的に示す。 実施例2のアプタマーチップ作製時の反応の一部を模式的に示す。 実施例2のアプタマーチップ作製時の反応の一部を模式的に示す。 (a)は実施例2のアプタマーチップ表面に微生物が結合したときのAFMトポグラフィーイメージを示し、(b)は図9(a)のAFMトポグラフィーイメージを立体的に示す。 実施例2の検査結果を示すグラフ。
符号の説明
11、31…検査用チップ、12、32…構造性発色基板、13、33…核酸リガンド、14…ターゲット、21、41…支持基板、22…結合基、23…構造性発色体、24…保護基、25…単分子膜、41a…酸化層、46b…第1の結合用配列、47…第2の結合用配列。

Claims (2)

  1. ターゲットに対して特異的に結合するRNAアプタマーを、ステム−ループ構造を有する3次元立体構造を形成した状態で構造性発色基板の表面に固定化させた検査用チップであって、前記構造性発色基板は、支持基板と、該支持基板の表面に薄膜状に固定された構造性発色体とを備え、前記構造性発色体はポリペプチドにより構成され、前記ポリペプチドが結合基を介して前記支持基板の表面と結合し、前記構造性発色基板の表面は塩基性アミノ酸を含むポリペプチドを備えた構造性発色体が結合されていることで正に帯電し、前記RNAアプタマーは前記構造性発色基板の表面に静電的に結合している検査用チップの製造方法において、
    前記支持基板の表面に保護基を備えた構造性発色体の単分子膜を形成させる膜形成工程と、形成された単分子膜から保護基を除去して該単分子膜を帯電させる帯電工程と、帯電した単分子膜に前記RNAアプタマーを結合させる結合工程とを備えていることを特徴とする検査用チップの製造方法。
  2. ターゲットに対して特異的に結合するRNAアプタマーを、ステム−ループ構造を有する3次元立体構造を形成した状態で構造性発色基板の表面に固定化させた検査用チップであって、前記構造性発色基板は、表面に構造性発色を示す酸化層が形成された支持基板を備えるとともに、該支持基板の表面に第1の結合用配列を備えたポリヌクレオチドの端部が結合することにより構成され、前記RNAアプタマーの末端は前記第1の結合用配列と相補的な第2の結合用配列を備え、当該RNAアプタマーは前記第2の結合用配列を介して前記第1の結合用配列を備えた前記構造性発色基板の表面に結合している検査用チップを製造する製造方法において、
    前記支持基板の表面に前記第1の結合用配列を結合させる第1の結合工程と、その第1の結合用配列に前記第2の結合用配列を結合させる第2の結合工程とを備え、
    前記第1の結合工程では前記第1の結合用配列が前記支持基板の最表面に位置するように配置されることを特徴とする検査用チップの製造方法。
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