JP4596837B2 - 非接触データキャリア読み取りシステム - Google Patents
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Description
RFIDシステムは、質問器であるデータキャリア読み取り装置1と、応答器であるデータキャリア11を有して構成されている。
データキャリア11は、質問電磁波を受信すると共に応答電磁波を送信するデータキャリア側送受信アンテナ12と、送受信回路部13aとデータを書き換え可能なメモリ13部bとを有するICチップ13とを、軽薄短小で携帯可能に形成された合成樹脂製外装体(図示省略)に内蔵して構成されている。
データキャリア側送受信アンテナ12は、例えば、巻き線コイルやループ状のもの、又はプリント基板に形成されたものなどで指向性を有するように構成されている。
送受信回路部13aは、送信回路13a−1と、受信回路13a−2と、データキャリア側送受信アンテナ12を介して送信及び受信するための回路(図示省略)や送信信号および受信信号を処理するための回路(図示省略)を備えている。
データキャリア読み取り側送受信アンテナ2は、例えば巻き線コイルやループ状のもの、又はプリント基板に形成されたものなどで指向性を有するように構成されている。
送受信回路部3aは、送信回路3a−1と、受信回路3a−2と、データキャリア読み取り側送受信アンテナ2を介して送信及び受信するための回路(図示省略)や送信信号および受信信号を処理するための回路(図示省略)を備えている。
そして、データキャリア読み取り装置1は、ホストコンピュータ等の上位の関連設備4と接続され、識別情報を取得するための端末装置として固定した状態で設けられている。
データキャリア11は、データキャリア読み取り側送受信アンテナ2からの質問電磁波をデータキャリア側送受信アンテナ12で受信し、受信回路13a−2を介して質問信号を抽出しメモリ13bから質問信号の内容に応答するデータを読み出し、送信回路13a−1を介して応答信号をデータキャリア側送受信アンテナ12に出力し、データキャリア側送受信アンテナ12が応答信号を電磁波として送信する。
データキャリア読み取り装置1は、データキャリア11のデータキャリア側送受信アンテナ12から送信された応答電磁波をデータキャリア読み取り側送受信アンテナ2で受信し、受信回路3a−2を介して応答信号をコントローラ3bに送信する。
コントローラ3bは応答信号から所定の識別情報及びその他の関連情報を抽出し、上位の関連設備4からの入出力命令に応じて情報を送信する。
このため、RFIDシステムに適用可能なアンテナの1本あたりの大きさは、1m×50〜60cm程度である。RFIDシステムにおいてそれを上回る大きさのアンテナを用いることは難しい。
従って、データキャリア読み取り側送受信アンテナを1本設けて構成したデータキャリア読み取り装置では、広範囲な交信領域を得ることができない。
しかるに、読み取り駆動制御部及びデータキャリア読み取り側送受信アンテナを複数組設けたデータキャリア読み取り装置が、例えば、次の特許文献1の図6に開示されている。
このため、特許文献1の図6に開示されたデータキャリア読み取り装置では、コスト面で不利である。
しかし、アンテナ分配器を用いた場合、各アンテナから放射される電力は、分配した本数分の一に低減される。このため、分配器を介して分配するデータキャリア読み取り側送受信アンテナの本数を所定数以上増やすと、交信距離が大幅に縮減されてしまい、データキャリアとの交信が可能となるデータキャリア読み取り側送受信アンテナの利得を得ることができなくなる。
このため、データキャリア読み取り側送受信アンテナを複数本設け、アンテナ分配器で質問信号を複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナに分配する構成では、データキャリアとの交信領域の拡大には限界がある。
しかるに、例えば、上記した特許文献1の図1には、1つの読み取り駆動制御部に対し、データキャリア読み取り側送受信アンテナを複数本設けると共にデータキャリア読み取り側送受信アンテナを時間制御で切り替える切替器を設け、時間制御で切り替えたデータキャリア読み取り側送受信アンテナに対し、最大電力の質問電磁波を出力するデータキャリア読み取り装置が提案されている。
また、特許文献1の図1に開示のデータキャリア読み取り装置のように、複数のアンテナを時間分割で切り替え制御するのでは構成が複雑化してしまう。
アンテナを用いた送受信において、アンテナの交信領域の近傍に金属部材が存在すると、アンテナから発する磁界により電流が誘起され、磁界が乱れて交信が阻害され易くなってしまう。
例えば、複数のアンテナを並べて配置すると、各アンテナからの電磁波が干渉しあうことで、データキャリアの読み取りが制限されることがある。このため、従来のRFIDシステムにおいては、アンテナ同士を個々にシールドし、あるいは各アンテナ間の距離を離してアンテナによる干渉を避けるようにしていた。
なお、電磁波の干渉の度合いは、マイクロコンピュータを用いて制御したり、個別の部品で調整して干渉の度合いを最適化することで、データキャリアとの交信状態を最適化することが可能である。
理論上は, Q=ωL/R で表わされる。このため、R(抵抗)を変化させるとある範囲でQが制御出来る。
また、アンテナは、特定の周波数を最適に送受信するように設計されていて、共振周波数fは、
で表される。
このことから誘導アンテナのL(インダクタ)やC(コンデンサ)を変化させると共振周波数は変化する。
具体的には、Rを切り替えたりCを可変させると共振周波数やQは変化する。
マイクロコンピュータ等を使用して制御する場合は、Cを可変容量(バリキャップ)として共振周波数を可変にできる。また、手動制御の場合は、Cは可変トリマーとし、Rはボリュームを使用する。
さらには、誘導アンテナの位相を制御する場合は、アンテナに流れる高周波電流の位相を制御する。
また、データキャリア読み取り装置の内部の構成は、図示の構成に限定されるものではなく、既知のデータキャリア読み取り装置のいずれの構成も適用できる。
なお、本発明の非接触データキャリア読み取りシステムにおいては、誘導アンテナは、隣り合う夫々のデータキャリア読み取り側送受信アンテナと相互誘導可能な位置であれば、データキャリア読み取り側送受信アンテナの間に限定されず、どのような位置に配置してもよい。また、誘導アンテナの配置は2次元配置に限定されず3次元配置でもよいが、反射波を少なくするような配置が望ましい。
実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムは、読み取り駆動制御部3と、アンテナ分配器5と、複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2nと、誘導アンテナ71〜7nを有して構成されている。
なお、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2nの本数は、アンテナ分配器5を介して分配される個々のデータキャリア読み取り側送受信アンテナへの電力の出力レベルが、データキャリア11と交信可能な利得を維持可能な範囲内で設定されている。
誘導アンテナ71〜7nは、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2nと相互誘導可能な位置に配置されている。また、誘導アンテナ71〜7nは、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2nで生じた磁界により電界が誘起され、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2nと同じ周波数で共振するようになっている。
関連設備4は、パーソナルコンピュータ等、CPUを搭載した装置からなり、読み取り駆動制御部3に接続し、図1において省略した送信回路による質問信号の生成駆動を制御するとともに、図1において省略した受信回路からの応答信号から識別情報を含む所望の情報を抽出する機能を備えている。
このため、データキャリア11に対しては、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2n及び誘導アンテナ71〜7nから質問電磁波を送信する。
他方、実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムでは、誘導アンテナ71〜7nは、読み取り駆動制御部3と接続しておらず、送信回路からのアンテナ駆動のための電力が出力されない。このため、電界強度は電波法で規定されている値を超えることはない。
また、実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムによれば、読み取り駆動制御部をデータキャリア読み取り側送受信アンテナ及び誘導アンテナの本数に合わせて設ける必要がなく、複数本のデータキャリア読み取り側送受信アンテナを時間分割制御で切り替えるための手段を設ける必要もない。このため、交信領域を拡大するための構成が簡単でコストも抑えることができる。
実施例2の非接触データキャリア読み取りシステムでは、誘導アンテナ71〜7nが関連設備4と接続されている。
関連設備4は、送信回路による質問信号の生成駆動の制御、受信回路からの応答信号から識別情報を含む所望の情報の抽出をするCPU搭載装置に加えて、誘導アンテナ71〜7nのQ、共振周波数、偏波面、又は位相等の制御をする装置を備えている。なお、誘導アンテナ71〜7nのQ、共振周波数、偏波面、又は位相等の制御をする装置は、CPU搭載装置内に一体に備えても、あるいはCPU搭載装置とは別体に備えてもよい。その他の構成は実施例1のデータキャリア読み取り装置とほぼ同じである。
その他の作用効果は、実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムとほぼ同じである。
実施例3の非接触データキャリア読み取りシステムでは、複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナが、アンテナ分配器5を介して読み取り制御駆動部3内に設けられた送信回路3a−1に接続されたアンテナ21〜2nと、第2のアンテナ分配器5’またはアンテナ切替器6を介して読み取り駆動制御部3内に設けられた受信回路3−2に接続されたアンテナ2n+1〜2n+nとで構成されている。
また、誘導アンテナ71〜7n,7n+1〜7n+nが、これらのデータキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2n,2n+1〜2n+nと相互誘導可能な位置に設けられている。誘導アンテナ71〜7n,7n+1〜7n+nは、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2n,2n+1,2n+nで生じた磁界により電界が誘起され、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2n,2n+1,2n+nと同じ周波数で共振するようになっている。
その他の構成は、実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムとほぼ同じである。
このため、データキャリア11に対しては、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜2n,2n+1〜2n+n及び誘導アンテナ71〜7n,7n+1〜7n+nから質問電磁波を送信する。
他方、実施例3の非接触データキャリア読み取りシステムでは、誘導アンテナ71〜7nに加えて、データキャリア読み取り側送受信アンテナ2n+1〜2n+n、誘導アンテナ7n+1〜7n+nは、読み取り駆動制御部3内の送信回路3a−1と接続しておらず、送信回路3a−1からのアンテナ駆動のための電力が出力されない。このため、電界強度は電波法で規定されている値を超えることはない。
このため、実施例3の非接触データキャリア読み取りシステムによれば、読み取り駆動制御部からのデータキャリア読み取り側送受信アンテナへの出力を増大させることなく、データキャリアとの交信可能な領域を実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムに比べてより一層増大させることができる。
その他の作用効果は、実施例1の非接触データキャリア読み取りシステムとほぼ同じである。
実施例4の非接触データキャリア読み取りシステムでは、テーブル面8の周辺部に沿って、実施例1〜3のいずれかの非接触データキャリア読み取りシステムにおける4本のデータキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜24と4本の誘導アンテナ71〜74が、交互に配設されている。
なお、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21〜24は、夫々が読み取り駆動制御部3内の送信回路と受信回路のいずれにも接続した構成、あるいは、実施例3のように読み取り駆動制御部3内の送信回路と受信回路のいずれか一方に接続した構成のいずれであってもよい。
また、図示省略した関連設備は、テーブル面8上でも、テーブル面8とは離れた位置のいずれに配置してもよい。
なお、図4に示す構成例では、複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナ及び誘導アンテナを矩形状のテーブルに沿って矩形状に配設したが、円形状のテーブルに沿って円形状に配設して構成してもよい。
また、図4に示す構成例では、複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナ及び誘導アンテナをテーブル面上に2次元方向に配設したが、立体的な壁面に3次元方向に配設して構成してもよい。
実施例5の非接触データキャリア読み取りシステムは、データキャリア読み取り側送受信アンテナ及び誘導アンテナを立体的な壁面に3次元方向に配設して構成した例であり、このような構成の非接触データキャリア読み取りシステムは、例えば、ファイル類保管管理システムに好適である。
実施例5の非接触データキャリア読み取りシステムでは、図5に示すように、データキャリア読み取り側送受信アンテナ21,22と誘導アンテナ71〜75が、例えば高さが約30cm、奥行きが約25〜30cm、幅が約90cm程度の箱又は棚などの立体形状部材9に水平方向及び垂直方向にデータキャリアの読み取りを最適に行なうことのできる距離をおいて3次元に配置されている。
あるいは、送受信の感度を高くするには、誘導アンテナ73の代わりにデータキャリア読み取り側送受信アンテナを設けて構成するとよい。
また、図5では立体形状部材9の幅が約90cmの場合についてアンテナの配置構成を示したが、箱状部材の幅が約60cm程度の場合には、立体形状部材9の上下に誘導アンテナをそれぞれ1枚ずつ設けて構成してもよい。
また、図5の構成は、3次元配置の一例を示したものに過ぎず、複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナと相互誘導可能な位置にデータキャリア読み取り側送受信アンテナと同一の周波数で共振する誘導アンテナを配置した構成であればその他の配置であっても勿論よい。
そこで、上記各実施例の非接触データキャリア読み取りシステムにおいて、データキャリア読み取り側送受信アンテナの間に誘導アンテナを極く近接させ、あるいはオーバーラップさせた状態に配置すれば、誘導アンテナを介して各データキャリア読み取り側送受信アンテナ間に連続した状態で磁界を誘導することができ、データキャリアの読み取り率をより向上させることができるのでより一層好ましい。
2 データキャリア読み取り側送受信アンテナ
3 読み取り駆動制御部
3a 送受信回路部
3a−1 送信回路
3a−2 受信回路
3b コントローラ
4 関連設備
5、5’ アンテナ分配器
6 アンテナ切替器
7 誘導アンテナ
8 テーブル面
9 立体形状部材
11 データキャリア
12 データキャリア側送受信アンテナ
13 ICチップ
13a 送受信回路部
13b メモリ部
Claims (4)
- 質問情報を生成するとともに応答電磁波から所定の識別情報を認識する読み取り駆動制御部と、前記読み取り駆動制御部で生成された質問情報を電磁波としてデータキャリアに設けられているデータキャリア側送受信アンテナに送信するとともに該データキャリアに設けられているデータキャリア側送受信アンテナからの応答電磁波を受信して前記読み取り駆動制御部に送信するデータキャリア読み取り側送受信アンテナを有する非接触データキャリア読み取りシステムにおいて、
前記データキャリア読み取り側送受信アンテナを複数備えるとともに、
前記読み取り駆動制御部で生成された質問情報を分配して前記複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナに送信する分配器を有し、さらに、
前記複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナにおける、隣り合う夫々のデータキャリア読み取り側送受信アンテナと相互誘導可能な位置に該データキャリア読み取り側送受信アンテナと同一の周波数で共振する誘導アンテナを備えたことを特徴とする非接触データキャリア読み取りシステム。 - 前記誘導アンテナによる電磁波の誘起レベルを制御する誘導アンテナ制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の非接触データキャリア読み取りシステム。
- 前記読み取り駆動制御部が、送信回路と受信回路を有し、
前記複数のデータキャリア読み取り側送受信アンテナが、前記送信回路に接続するアンテナと、前記受信回路に接続するアンテナとで構成され、
前記誘導アンテナが、前記送信回路に接続するアンテナ及び前記受信回路に接続するアンテナと相互誘導可能な位置に一本以上設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触データキャリア読み取りシステム。 - 前記誘導アンテナ制御手段が、前記誘導アンテナのQ、共振周波数、偏波面、又は位相を制御する機能を備えることを特徴とする請求項2に記載の非接触データキャリア読み取りシステム。
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