JP4596806B2 - 駆動制御装置及び駆動制御方法 - Google Patents
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Description
図9に示すように、ステップS1において、X軸モータ8aとY軸モータ8bが動作し、搭載ヘッドが部品供給部側へ移動するようになっている。
次いで、ステップS2において、Z軸モータ8cが動作し、搭載ヘッドの吸着ノズルが上下動され、電子部品を吸着保持するようになっている。
次いで、ステップS3において、X軸モータ8aとY軸モータ8bが動作し、搭載ヘッドが基板側へ移動するようになっている。なお、ステップS4として、搭載ヘッドが基板へ移動する間に、θ軸モータ8dが動作して吸着ノズルを回転させるように、吸着ノズルに吸着保持される電子部品の実装角度を補正するようになっている。
次いで、ステップS5において、Z軸モータ8cが動作し、搭載ヘッドの吸着ノズルが上下動され、電子部品を基板に実装するようになっている。
このような動作を繰り返し行うことにより、電子部品実装装置は基板に様々な電子部品を実装するようになっている。
一般的に、このような電子部品実装装置を設置する工場などでは、平均的な消費電力を目安に電力設備を行っているので、平均消費電力と瞬時消費電力との差が大きい場合に、電源の電圧低下や安全ブレーカーの作動を引き起こすなどのトラブルが生じてしまうという問題があった。
ここで、モータが加速運動する第1ステップや、モータが減速運動する第3ステップは、そのモータにおいてより多くの消費電力がかかるタイミングであるので、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重なってしまうと、その重なったタイミングにおける瞬時的な消費電力がピークとなってしまう。
つまり、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士は、重ならないタイミングであることが、消費電力の観点からは好ましい。
つまり、第1の比較判断手段は、モータが加速運動してから等速運動し、減速運動を行い停止するまでの、第1ステップから第2ステップを経て第3ステップまでのスパンを比較し、そのスパンの大小を判断することにより、第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断されたモータ同士のスパンの大小を比較する。
なお、ここでいうスパンとは、モータが動作する時間的な幅、長さや、モータが動作することにより駆動部などが移動される場合の移動距離に関する範囲、長さを意味している。
つまり、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンの範囲に収まるか否かを、第2の比較判断手段は比較し判断している。
つまり、主タイミング変更手段が、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように、その一方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、一方のモータの第1ステップと第3ステップが、他方のモータの第2ステップの範囲に収まり、一方のモータの第1ステップと第3ステップは、他方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
従って、駆動制御装置が動作するタクトタイムなどが増やすことなく、瞬時的な消費電力を低減することができる。
つまり、副タイミング変更手段が、一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが、一方のモータの第2ステップの範囲に収まり、他方のモータの第1ステップや第3ステップは、一方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
ただし、この場合、より小さいスパンを有する一方のモータの第2ステップのタイミングに、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップのタイミングを納めるようにその他方のモータが運動するタイミングを変更しているので、モータの運動タイミングの変更後には、全体的なスパンが増えてしまうことになる。
従って、このような駆動制御装置は、駆動制御装置が動作するタクトタイムなどを増やしてでも、瞬時的な消費電力を低減することを最優先に、その動作を制御することができるといえる。
つまり、副タイミング変更手段を実施するか否かを切り替えることにより、瞬時的な消費電力を低減することを最優先にすることと、瞬時的な消費電力を低減するとともに駆動制御装置が動作するタクトタイムなどをより少なくすることとを、切り替えることができる。
ここで、モータが加速運動する第1ステップや、モータが減速運動する第3ステップは、そのモータにおいてより多くの消費電力がかかるタイミングであるので、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重なってしまうと、その重なったタイミングにおける瞬時的な消費電力がピークとなってしまう。
つまり、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士は、重ならないタイミングであることが、消費電力の観点からは好ましい。
つまり、第1の比較判断工程において、モータが加速運動してから等速運動し、減速運動を行い停止するまでの、第1ステップから第2ステップを経て第3ステップまでのスパンを比較し、そのスパンの大小を判断することにより、第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断されたモータ同士のスパンの大小を比較する。
なお、ここでいうスパンとは、モータが動作する時間的な幅、長さや、モータが動作することにより駆動部などが移動される場合の移動距離に関する範囲、長さを意味している。
つまり、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンの範囲に収まるか否かを、第2の比較判断工程において比較し判断している。
つまり、主タイミング変更工程において、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように、その一方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、一方のモータの第1ステップと第3ステップが、他方のモータの第2ステップの範囲に収まり、一方のモータの第1ステップと第3ステップは、他方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
従って、駆動部が動作するタクトタイムなどが増やすことなく、瞬時的な消費電力を低減することができる。
つまり、副タイミング変更工程において、一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが、一方のモータの第2ステップの範囲に収まり、他方のモータの第1ステップや第3ステップは、一方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
ただし、この場合、より小さいスパンを有する一方のモータの第2ステップのタイミングに、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップのタイミングを納めるようにその他方のモータが運動するタイミングを変更しているので、モータの運動タイミングの変更後には、全体的なスパンが増えてしまうことになる。
従って、このような駆動制御方法は、駆動部が動作するタクトタイムなどを増やしてでも、瞬時的な消費電力を低減することを最優先に、その動作を制御することができるといえる。
つまり、副タイミング変更工程を実施するか否かを切り替えることにより、瞬時的な消費電力を低減することを最優先にすることと、瞬時的な消費電力を低減するとともに駆動部が動作するタクトタイムなどをより少なくすることとを、切り替えることができる。
そして、判断手段により、第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断されたモータ同士の第1ステップから第3ステップまでのスパンを、第1の比較判断手段が比較するとともにその大小を判断する。また、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンと、その他方のモータの第2ステップのスパンとを、第2の比較判断手段が比較するとともにその大小を判断する。
そして、第2の比較判断手段により、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより小さいと判断された場合に、主タイミング変更手段が、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように、その一方のモータが運動するタイミングを変更することができる。
よって、このような駆動制御装置は、各モータの運動するタイミングと、運動するスパンの大小に基づき、モータの運動タイミングを変更することによって、瞬時的な消費電力を低減するように、その駆動状態を制御することができる。
従って、駆動制御装置が動作するタクトタイムなどが増やすことなく、瞬時的な消費電力を低減することができる。
つまり、副タイミング変更手段が、一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが、一方のモータの第2ステップの範囲に収まり、他方のモータの第1ステップや第3ステップは、一方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
よって、このような駆動制御装置は、各モータの運動するタイミングと、運動するスパンの大小に基づき、モータの運動タイミングを変更することによって、瞬時的な消費電力を低減するように、その駆動状態を制御することができる。
つまり、副タイミング変更手段を実施するか否かを切り替えることにより、瞬時的な消費電力を低減することを最優先にすることと、瞬時的な消費電力を低減するとともに駆動制御装置が動作するタクトタイムなどをより少なくすることとを、切り替えることができる。
そして、判断工程において、第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断されたモータ同士の第1ステップから第3ステップまでのスパンを比較するとともにその大小を判断することが、第1の比較判断工程において行われる。また、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンと、その他方のモータの第2ステップのスパンとを比較するとともにその大小を判断することが、第2の比較判断工程において行われる。
そして、第2の比較判断工程において、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより小さいと判断された場合に、主タイミング変更工程において、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように、その一方のモータが運動するタイミングを変更することが行われる。
よって、このような駆動制御方法は、各モータの運動するタイミングと、運動するスパンの大小に基づき、モータの運動タイミングを変更することによって、瞬時的な消費電力を低減するように、その駆動状態を制御することができる。
従って、駆動部が動作するタクトタイムなどが増やすことなく、瞬時的な消費電力を低減することができる。
つまり、副タイミング変更工程において、一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のモータが運動するタイミングを変更することにより、一方のモータと他方のモータとにおいて重なっていた第1ステップ又は第3ステップのタイミングをずらすことができる。具体的には、他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが、一方のモータの第2ステップの範囲に収まり、他方のモータの第1ステップや第3ステップは、一方のモータの第2ステップと重なるようになる。そして、各モータの第1ステップ同士や第3ステップ同士が重ならないようにすることにより、瞬時的な消費電力がピークとなることを抑えることができる。
よって、このような駆動制御方法は、各モータの運動するタイミングと、運動するスパンの大小に基づき、モータの運動タイミングを変更することによって、瞬時的な消費電力を低減するように、その駆動状態を制御することができる。
つまり、副タイミング変更工程を実施するか否かを切り替えることにより、瞬時的な消費電力を低減することを最優先にすることと、瞬時的な消費電力を低減するとともに駆動部が動作するタクトタイムなどをより少なくすることとを、切り替えることができる。
電子部品実装装置は、部品供給部(電子部品フィーダ)により供給される電子部品を、基板の所定の位置に搭載し実装する装置である。
電子部品実装装置において、基板Pが前工程から後工程に搬送される方向をX軸方向とし、これと直交する一の方向をY軸方向とし、X軸方向とY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向と定義する。
図1、図2に示すように、電子部品実装装置1は、各構成部材がその上面に載置される基台2と、基板PをX軸方向に沿って前工程から後工程に搬送する基板搬送手段3と、電子部品を供給する部品供給部4と、部品供給部4により供給される電子部品を基板Pに搭載する搭載ヘッド6と、搭載ヘッド6をX軸、Y軸の各方向に移動するヘッド移動手段7と、上記各部の動作制御を行う制御部10等を有している。
また、基板搬送手段3は、搭載ヘッド6により電子部品を基板Pへ実装するため、所定の部品実装位置において基板Pの搬送を停止し、基板Pを支持することも行う。
このZ軸モータ8cは、図2に示すように、モータドライバ9c、モータコントローラ30を介して制御部10に接続されている。
このθ軸モータ8dは、図2に示すように、モータドライバ9d、モータコントローラ30を介して制御部10に接続されている。
このX軸モータ8aは、図2に示すように、モータドライバ9a、モータコントローラ30を介して制御部10に接続されている。
このY軸モータ8bは、図2に示すように、モータドライバ9b、モータコントローラ30を介して制御部10に接続されている。
入力部20は、実装部品情報入力手段20aを備えており、基板Pに対し実装する電子部品の種類、数量や、その基板Pに対し電子部品を実装する位置等の情報データの入力が行われるようになっている。
また、入力部20は、部品供給部情報入力手段20bを備えており、基板Pに対し実装する電子部品を供給する部品供給部4の位置、各部品供給部4が供給する電子部品の種類や数量等の情報データの入力が行われるようになっている。
また、入力部20により、サーボモータが加速運動、等速運動、減速運動する、それぞれの場合における消費電力データの入力が行われるようになっている。
なお、実装部品情報入力手段20aや部品供給部情報入力手段20bの機能、構成、動作等は、従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
特に、制御部10は、各駆動部を駆動させるサーボモータ(X軸モータ8a、Y軸モータ8b、Z軸モータ8c、θ軸モータ8d)の動作、運動を制御することにより、各駆動部を駆動させて、電子部品実装装置1に所定の動作を行わせるようになっている。
特に、実装順序最適化手段10aは設定手段として、電子部品実装装置1が所定の動作(基板Pに対する電子部品の実装動作)を行う際に、最も効率的に短時間でその動作を行うように、各サーボモータが運動するタイミングを設定する制御を行う。
なお、実装順序最適化手段10aの機能、処理動作等は、従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
具体的には、消費電力最適化手段10bは、判断手段と、第1比較判断手段と、第2比較判断手段と、主タイミング変更手段と、副タイミング変更手段とからなる。
第1の比較判断手段は、その判断手段により、第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングで運動すると判断されたサーボモータ同士の、第1ステップから第3ステップまでのスパンを比較しそのスパンの大小を判断する制御を行う。なお、ここでいうスパンとは、サーボモータが動作する時間的な幅、長さや、サーボモータが動作することにより搭載ヘッド6が移動される移動距離に関する範囲、長さを意味している。
第2の比較判断手段は、第1の比較判断手段により、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンと、その他方のサーボモータの第2ステップのスパンとを比較しそのスパンの大小を判断する制御を行う。
主タイミング変更手段は、第2の比較判断手段により、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のサーボモータの第2ステップのスパンより小さいと判断された場合に、その他方のサーボモータの第2ステップの範囲に、その一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップが収まるように、その一方のサーボモータが運動するタイミングを変更する制御を行う。
副タイミング変更手段は、第2の比較判断手段により、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のサーボモータの第2ステップのスパンより大きいと判断された場合に、その一方のサーボモータの第2ステップの範囲に、その他方のサーボモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のサーボモータが運動するタイミングを変更する制御を行う。
なお、この切替手段10cにおいて、副タイミング変更手段を実施するか否かという切り替えの指示は、入力部20により入力されるようになっている。
クーロン摩擦等の負荷トルクをTl(N・m)、加速時間ta(sec)、モータ最高速度Nm(rpm)、モータイナーシャJm(kg・m2)、負荷イナーシャJl(kg・m2)とすると、加速時に必要なモータトルクTp(N・m)は、以下の式(1)で表すことができる。
Tp(N・m)=((2π・Nm・(Jm+Jl))/60・ta)+Tl・・・(1)
モータのトルク定数をKtとすると、加速時に流れるモータ電流Imp(A)は、以下の式(2)で表すことができる。
Imp(A)=Tp/Kt・・・(2)
この式(2)で表されるモータ電流Impは、単相モータ推定式である。サーボモータは一般的に3相モータであるので、式(2)を単相/3相変換することにより、消費電力(W)を、以下の式(3)のように推定することができる。
消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)×効率(%)・・・(3)
同様に、各サーボモータの等速運転時や減速運転時の消費電力を、上記のパラメータによって推定し求めることができる。
なお、電子部品実装装置が電子部品の実装動作中において、これらパラメータが変化してしまうような場合(例えば、搭載ヘッドの位置によって、負荷トルクが異なるような場合等)には、その動作状況に応じてパラメータを変化させる必要があるが、その消費電力を推定する要求精度に応じてパラメータを固定することで、演算の簡略化が可能である。また、実際の電子部品実装装置の消費電力は、サーボモータの駆動電力のみではないが、これも予めサーボモータ以外の消費電力を計測しておくことにより、その演算に反映させることが可能になる。
つまり、サーボモータの動作指令は、移動量X、加速時間ta、等速時間tb、減速時間tc、モータ最高速度Nmの各パラメータによる台形速度指令とすることができる。この場合、等速時間tbと、全移動時間tdは、以下の式(4)、(5)によりそれぞれ表すことができる。
tb=(X−(Nm・(ta+tb)/2)/Nm・・・(4)
td=ta+tb+tc=(X+(Nm・(ta+tb)/2)/Nm・・・(5)
また、入力部20を介して、各サーボモータが加速運動、等速運動、減速運動する、それぞれの場合における消費電力に関するデータの入力が行われる(ステップS102)。そして入力された消費電力に関するデータは、制御部10に出力される。
また、入力部20を介して、制御部10の切替手段10cが、副タイミング変更手段を実施するか否かという切り替えに関する指示の入力が行われる(ステップS103)。そして入力された切替手段10cに関するデータは、制御部10に出力される。
次いで、制御部10の消費電力最適化手段10bが、実装順序最適化手段10a(設定手段)である制御部10が設定した電子部品の実装順序により、各サーボモータを運動させる場合に生じる消費電力量を推定する(ステップS105)。
具体的には、判断手段としての制御部10が、設定された各サーボモータが運動するタイミングにおいて、各サーボモータが加速運動する第1ステップ同士または各サーボモータが減速運動する第3ステップ同士が、重なるタイミングになるモータがあるか否かを判断する(ステップS106:判断工程)。
制御部10が、第1ステップ同士または第3ステップ同士が重なるタイミングになるモータがあると判断すると(ステップS106;Yes)、ステップS107へ進む。
一方、制御部10が、第1ステップ同士または第3ステップ同士が重なるタイミングになるモータがないと判断すると(ステップS106;No)、ステップS111へ進む。そして、設定された各サーボモータが運動するタイミングや、そのタイミングで各サーボモータを運動させた際の電子部品実装装置1の消費電力量等を図示しない表示部に表示し(ステップS111)、サーボモータを動作させるタイミングを設定する処理を終了する。
制御部10が、第2の比較判断手段により、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、他方のサーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)より小さいと判断すると(ステップS107;Yes)、ステップS108へ進む。
一方、制御部10が、第2の比較判断手段により、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、他方のサーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)より大きいと判断すると(ステップS107;No)、ステップS109へ進む。
ステップS103において、副タイミング変更手段を実施するとの指示が入力されていると(ステップS109;Yes)、ステップS110へ進む。
一方、ステップS103において、副タイミング変更手段を実施しないとの指示が入力されていると(ステップS109;No)、ステップS111へ進む。そして、設定された各サーボモータが運動するタイミングや、そのタイミングで各サーボモータを運動させた際の電子部品実装装置1の消費電力量等を図示しない表示部に表示し(ステップS111)、サーボモータを動作させるタイミングを設定する処理を終了する。
それにより、第1の比較判断手段、第2の比較判断手段としての制御部10が、運動のタイミングが重なったサーボモータにおける、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)と、その他方のサーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)とを比較し、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、他方のサーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)より小さい(短い)と判断した場合に、主タイミング変更手段としての制御部10が、第1ステップから第3ステップまでのタクトタイムが、第2ステップのタクトタイムより小さい(短い)と判断された一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップが、他方のサーボモータの第2ステップの範囲に収まるように、その一方のサーボモータが運動するタイミングを変更するようになる。
このモータ駆動タイミングT501において、X軸モータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)は、Y軸モータの第2ステップ(tb)より短い。
また、モータ駆動タイミングT502において、Y軸モータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)は、X軸モータの第2ステップ(tb)より長い。
そして、主タイミング変更手段としての制御部10が、モータ駆動タイミングT501におけるX軸モータ(一方のサーボモータ)の第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、Y軸モータ(他方のサーボモータ)の第2ステップ(tb)の範囲に収まるように、X軸モータの運動タイミングを変更し、消費電力最適化処理を実行する。
そして、モータ駆動タイミングT501における電子部品の実装タクトは、Y軸モータのタクトに律速されているので、そのタクトタイムは変わらないままである。(図5に示すように、最適化前のモータ駆動タイミングT501におけるタクトタイムtd1と、最適化後のモータ駆動タイミングT501におけるタクトタイムtd2とは、同じ長さである。)
このような消費電力最適化処理によっては、電子部品実装装置1において、電子部品の実装タクトを最優先するとともに、瞬時の消費電力を低減することができる。
それにより、主タイミング変更手段としての制御部10が、第1ステップから第3ステップまでのタクトタイムが、第2ステップのタクトタイムより小さい(短い)と判断した一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップが、他方のサーボモータの第2ステップの範囲に収まるように、その一方のサーボモータが運動するタイミングを変更するようになる。
また、第1の比較判断手段、第2の比較判断手段としての制御部10が、運動のタイミングが重なったサーボモータにおける、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)と、他方サーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)とを比較し、一方のサーボモータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、他方のサーボモータの第2ステップのタクトタイム(tb)より大きい(長い)と判断した場合に、副タイミング変更手段としての制御部10が、第1ステップから第3ステップまでのタクトタイムが、第2ステップのタクトタイムより大きい(長い)と判断された一方のサーボモータの第2ステップの範囲に、他方のサーボモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように、その他方のサーボモータが運動するタイミングを変更するようになる。
このモータ駆動タイミングT601において、X軸モータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)は、Y軸モータの第2ステップ(tb)より短い。
また、モータ駆動タイミングT602において、Y軸モータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)は、X軸モータの第2ステップ(tb)より長い。
そして、主タイミング変更手段としての制御部10が、モータ駆動タイミングT601におけるX軸モータの第1ステップから第3ステップまでのタクトタイム(td)が、Y軸モータの第2ステップ(tb)の範囲に収まるように、X軸モータの運動タイミングを変更し、消費電力最適化処理を実行する。
また、副タイミング変更手段としての制御部10が、モータ駆動タイミングT602におけるX軸モータ(他方のサーボモータ)の第1ステップが、Y軸モータ(一方のサーボモータ)の第2ステップ(tb)の範囲に収まるように、X軸モータの運動タイミングを変更し、消費電力最適化処理を実行する。
また、モータ駆動タイミングT602におけるX軸モータ(他方のサーボモータ)の第1ステップが、Y軸モータ(一方のサーボモータ)の第2ステップ(tb)の範囲に収まるように、X軸モータ(他方のサーボモータ)の運動タイミングを変更したことにより、X軸モータの第1ステップと、Y軸モータの第1ステップとのタイミングがずれるので、消費電力最適化処理により、モータ駆動タイミングT602における瞬時電力ピークが低減していることがわかる(図6における最適化後、参照)。ただし、モータ駆動タイミングT602において、X軸モータの運動タイミングを変更し、ずらした分のタクトタイムが長くなっている。(図6に示すように、最適化前のモータ駆動タイミングT602におけるタクトタイムtd3と、最適化後のモータ駆動タイミングT602におけるタクトタイムtd4とは、td4の方が長くなっている。)
このような消費電力最適化処理によっては、電子部品実装装置1において、電子部品の実装タクトが長くなる場合があるが、瞬時の消費電力を低減することができる。
この場合、図7に示すように、モータ駆動タイミングT702におけるY軸モータの第1ステップを図中右側に変更して、ずらすと、X軸モータの第3ステップとY軸モータの第3ステップとが重なってしまうので、X軸モータの第3ステップが終了するまで、Y軸モータの第2ステップを伸ばし、X軸モータの第3ステップの終了後にY軸モータの第3ステップが行われるようにする。(図7に示すように、最適化前のモータ駆動タイミングT702におけるタクトタイムtd5と、最適化後のモータ駆動タイミングT702におけるタクトタイムtd6とは、td6の方が長くなっている。)
このような消費電力最適化処理によっても、電子部品実装装置1において、電子部品の実装タクトが長くなる場合があるが、瞬時の消費電力を低減することができる。
また、瞬時消費電力を低減する場合に、電子部品の実装タクトを最優先することと、電子部品の実装タクトは長くなるものの、より瞬時消費電力の低減を図ることとの、切り替えを行うことができる。
3 基板搬送手段
4 部品供給部
6 搭載ヘッド
6a 吸着ノズル
7 ヘッド移動手段
7a X軸移動手段
7b Y軸移動手段
71 ガイド部材
72 梁部材
8a X軸モータ
8b Y軸モータ
8c Z軸モータ
8d θ軸モータ
10 制御部
10a 実装順序最適化手段(設定手段)
10b 消費電力最適化手段(判断手段、第1比較判断手段、第2比較判断手段、主タイミング変更手段、副タイミング変更手段)
10c 切替手段(切替工程)
20 入力部
P 基板
Claims (4)
- 停止状態から加速運動する第1ステップと、加速運動した後に等速運動する第2ステップと、等速運動した後に減速運動して停止する第3ステップと、を繰り返す複数のモータがそれぞれ所定の駆動部を駆動させるように、それらモータの運動を制御することにより、所定の動作を行うように構成される駆動制御装置であって、
前記駆動制御装置が所定の動作を行うために、各モータが運動するタイミングを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたタイミングにおいて前記各モータが加速運動する第1ステップ同士または前記各モータが減速運動する第3ステップ同士が、重なるタイミングになるモータがあるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断された前記モータ同士の、第1ステップから第3ステップまでのスパンを比較しそのスパンの大小を判断する第1の比較判断手段と、
前記第1の比較判断手段により、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンと、その他方のモータの第2ステップのスパンとを比較しそのスパンの大小を判断する第2の比較判断手段と、
前記第2の比較判断手段により、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより小さいと判断された場合に、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように前記一方のモータが運動するタイミングを変更する主タイミング変更手段と、
前記第2の比較判断手段により、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより大きいと判断された場合に、その一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように前記他方のモータが運動するタイミングを変更する副タイミング変更手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。 - 前記副タイミング変更手段を実施するか否かを切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
- 停止状態から加速運動する第1ステップと、加速運動した後に等速運動する第2ステップと、等速運動した後に減速運動して停止する第3ステップと、を繰り返す複数のモータがそれぞれ所定の駆動部を駆動させるように、それらモータの動作を制御する駆動制御方法であって、
前記駆動部が所定の駆動を行うように設定された、前記各モータが動作するタイミングにおいて前記各モータが加速運動する第1ステップ同士または前記各モータが減速運動する第3ステップ同士が、重なるタイミングになるモータがあるか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により第1ステップ又は第3ステップが重なるタイミングになると判断された前記モータ同士の、第1ステップから第3ステップまでのスパンを比較しそのスパンの大小を判断する第1の比較判断工程と、
前記第1の比較判断工程により、第1ステップから第3ステップまでのスパンが小さいと判断された一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンと、その他方のモータの第2ステップのスパンとを比較しそのスパンの大小を判断する第2の比較判断工程と、
前記第2の比較判断工程により、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより小さいと判断された場合に、その他方のモータの第2ステップの範囲に、その一方のモータの第1ステップから第3ステップが収まるように前記一方のモータが運動するタイミングを変更する主タイミング変更工程と、
前記第2の比較判断工程により、一方のモータの第1ステップから第3ステップまでのスパンが、他方のモータの第2ステップのスパンより大きいと判断された場合に、その一方のモータの第2ステップの範囲に、その他方のモータの第1ステップ又は第3ステップが収まるように前記他方のモータが運動するタイミングを変更する副タイミング変更工程と、
を備えることを特徴とする駆動制御方法。 - 前記副タイミング変更工程を実施するか否かを切り替える切替工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の駆動制御方法。
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