JP4596514B2 - トランスミッション - Google Patents

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Description

本発明は、走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングを有するトランスミッションに関する。
駆動源から駆動輪へ至る走行系伝動機構を収容するハウジングに、種々の油圧機構に使用される作動油を貯留させることは、従来から公知である。
このように、ハウジングを作動油の貯留空間として兼用することにより、貯留タンクの不要化又は最小化によるコスト低廉化及びトランスミッション自体の小型化を図ることができる。
しかしながら、従来のトランスミッションは、下記点において不十分であった。
即ち、ハウジング内に貯留される油は、車輌に備えられる種々の油圧機構の作動油として利用される。従って、ハウジングを貯留タンクとして兼用する場合には、該ハウジング内に十分な量の油を貯留して、前記油圧機構に対して油切れを生じさせないようする必要がある。
その一方、前記ハウジング内に貯留される油は、該ハウジング内に収容される走行系伝動機構にとっては負荷となる。従って、ハウジング内に大量の油を貯留することは、走行系伝動機構の伝動効率の観点からは好ましくない。
このように、前記油圧機構への作動油供給の観点からは前記ハウジング内に大量の油を貯留するのが好ましく、他方、前記走行系伝動機構の駆動効率の観点からは前記ハウジング内の貯留油量を最小化するのが好ましいという相反する要望が存在する。
この点に関し、前記従来のトランスミッションは十分な考慮がなされていない。
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、走行系伝動機構を収容すると共に、作動油を貯留可能とされたハウジングを備えたトランスミッションにおいて、前記ハウジング内に十分な量の作動油を貯留しても、前記走行系伝動機構の伝動効率の悪化を有効に防止できるトランスミッションの提供を、一の目的とする。
本発明の一態様は、前記目的を達成するために、駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、前記開閉装置は、前記走行系室及び前記リザーバ室を連通するように前記隔壁に形成された開口と、前記開口を閉塞する閉塞位置と該開口を開放する開放位置とをとり得る開閉部材と、前記開閉部材を開放位置へ向けて付勢する付勢部材と、前記開閉部材を前記付勢部材の付勢力に抗して閉塞位置へ向けて押動する押動機構とを有し前記押動機構は、該トランスミッションにおける油圧回路の油圧を利用して前記開閉部材を押動するように構成されたトランスミッションを提供する。
記押動機構は、前記油圧回路の圧油によって前記開閉部材が閉塞位置へ押動されるように、該油圧回路の圧油を開閉部材へ作用させる圧油供給ラインと、前記圧油供給ラインに介挿された切換弁とを有し得る。
前記切換弁は、前記走行系伝動機構の回転及び停止時に、それぞれ、前記圧油供給ラインを連通及び遮断するように構成される。
前記トランスミッションが、前記駆動源からの駆動力を前記ハウジングの外部へ出力するPTO系伝動機構をさらに備える場合には、前記圧油供給ラインは、例えば、該PTO系伝動機構における油圧回路から圧油を分岐出力するように構成され得る。
前記目的を達成する為に、本発明の他態様は、駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し、前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、前記走行系伝動機構、車輌幅方向に沿った回転軸回りに回転するリングギヤを含むディファレンシャルギヤ装置を有、前記隔壁は、前記走行系室及びリザーバ室が車輌長手方向一方側から他方側に沿って直列配置されるように車輌幅方向に延びており、前記リングギヤの回転運動に伴う掻き上げ作用によって、前記走行系室内の貯留油の一部が前記リザーバ室へ流入するように構成されたトランスミッションを提供する。
又、前記目的を達成する為に、本発明のさらに他の態様は、駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し、前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、前記走行系伝動機構、車輌幅方向に沿った回転軸回りに回転するリングギヤを含むディファレンシャルギヤ装置を有し、前記隔壁、前記走行系室及びリザーバ室が車輌長手方向一方側から他方側に沿って直列配置されるように車輌幅方向に延びており、且つ、前記リングギヤの回転運動に伴う掻き上げ作用によって、前記走行系室内の貯留油の一部が前記リザーバ室へ流入するように構成されており、前記開閉装置は、前記走行系室及び前記リザーバ室を連通するように前記隔壁に形成された開口と、前記開口を閉塞する閉塞位置と該開口を開放する開放位置とをとり得る開閉部材と、前記開閉部材を開放位置へ向けて付勢する付勢部材とを備え前記開閉部材は、前記リングギヤの回転運動に伴う貯留油の流れによって、前記付勢部材の付勢力に抗して閉塞位置へ押動されるトランスミッションを提供する。
以上のように、本発明に係るトランスミッションによれば、ハウジング内に十分な量の油を貯留しても、該貯留油による走行系伝動機構の伝動効率の悪化を有効に防止できる。
又、走行系伝動機構が停止状態の際には、速やかにリザーバ室から走行系室へ油を戻すことができる。従って、走行系室の任意箇所から貯留油を取り出しても、油切れ現象を可及的に防止できる。
実施の形態1.
以下に、本発明に係るトランスミッションの好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るトランスミッション1Aの伝動模式図である。
図1に示すように、前記トランスミッション1Aは、駆動源2(図3参照)からの駆動力を駆動車軸100へ伝達する走行系伝動機構と、該走行系伝動機構を収容するハウジング10とを備えている。
前記走行系伝動機構は、前後進切換油圧機構110と、HI/LO等の変速油圧機構120と、機械式の主変速機構130と、機械式の副変速機構140と、ディファレンシャルギヤ機構150とを備えている。
本実施の形態においては、前記走行系伝動機構は、さらに、4輪駆動力取出油圧機構160を備えている。
該4輪駆動力取出油圧機構160は、常時駆動される駆動輪100(図示の形態では後輪)に加えて、他の車輪(図示せず)を駆動する際に用いられるものであり、好ましくは、前記ハウジング10に選択的に付設可能とされる。
前記ハウジング10は、内部空間の少なくとも一部に油を貯留可能とされている。
本実施の形態においては、該ハウジング10は、車輌長手方向に沿って直列に連結されたフロントハウジング20、ミドルハウジング30及びリアハウジング40を備えている。
前記フロントハウジング20、ミドルハウジング30及びリアハウジング40は、互いに油流通自在に連結されている。即ち、これらの各ハウジングは、互いの対向端部に開口が設けられており、該開口を介して油が流通自在となっている。
より詳しくは、前記フロントハウジング20は、駆動源2に作動的に連結されたフライホイール250を収容する乾室21と、該乾室21の伝動方向下流側に位置し、前記前後進切換油圧機構110及び変速油圧機構120を収容する第1油室22とを有している。
前記ミドルハウジング30は、前記主変速機構を収容する第2油室31と、前記副変速機構を収容する第3油室32とを有している。
なお、前記4輪駆動力取出油圧機構160は、該ミドルハウジング30に着脱可能に付設される。
前記リアハウジング40は、前記ディファレンシャルギヤ機構150を収容する第4油室41と、後述するPTO系伝動機構のPTO伝動ユニット330を収容するPTO系室42とを備えている。
詳しくは、該リアハウジング40は隔壁43を有しており、該隔壁43によって前記第4油室41と前記PTO系室42とが液密に分離されている。
本実施の形態においては、前記ハウジング10の内部空間のうち,前記第1油室22、第2油室31、第3油室32、第4油室41及びPTO系室42によって形成される空間が、作動油を貯留可能な貯留空間とされている。
本実施の形態に係るトランスミッション1Aは、前記走行系伝動機構に加えて、駆動源2からの駆動力を外部へ出力するPTO系伝動機構を備えている。
該PTO系伝動機構は、駆動源2に作動的に連結されたPTO伝動軸310と、外部に動力を出力するPTO出力軸320と、前記PTO伝動軸310及びPTO出力軸320の間に配設されたPTO伝動ユニット330とを備えている。
前記PTO伝動軸310は、一端部が前記フロントハウジング20内において前記駆動源2に作動的に連結され、且つ、他端部が前記フロントハウジング20及び前記ミドルハウジング30を貫通して、前記リアハウジング40の前記PTO系室42に達している。
なお、本実施の形態においては、前記走行系伝動機構における伝動軸の一部を中空軸とし、前記PTO伝動軸310を該中空軸に挿通してトランスミッション自体の小型化を図っている。
前記PTO出力軸320は、一端部が前記PTO系室42内に延び、且つ、他端部が前記ハウジング10から外方へ延びるように、該ハウジング10に支持されている。
なお、本実施の形態においては、前記ハウジング10は、前記リアハウジング40の後方開口を閉塞する蓋部材50をさらに備えており、前記PTO出力軸320は該蓋部材50と前記隔壁43とに支持されている。
前記PTO伝動ユニット330は、前記PTO系室42内において、前記PTO伝動軸310と前記PTO出力軸320とを作動的に連結している。
好ましくは、該PTO伝動ユニット330は、前記PTO伝動軸310から前記PTO出力軸320への動力伝達をON/OFFする油圧PTOクラッチ335を備え得る。
さらに好ましくは、該PTO伝動ユニット330は、前記油圧PTOクラッチ335のOFF動作に連動して前記PTO出力軸320へ作動的に制動力を付加する油圧PTOブレーキ(図示せず)を備え得る。
このように、本実施の形態に係るトランスミッション1Aにおいては、前記第1油室22、第2油室31、第3油室32、第4油室41及びPTO系室42によって形成される前記貯留空間のうち,前記隔壁43を挟んで一方側及び他方側にそれぞれ走行系伝動機構及びPTO伝動ユニット330が収容されている。
即ち、前記隔壁43は、油を貯留可能な前記貯留空間を、走行系伝動機構が収容される走行系室11と、前記PTO伝動ユニットを収容すると共に、該走行系室11とは液密に分離されたリザーバ室12として作用するPTO系室42とに分離している。
本実施の形態に係るトランスミッション1Aは斯かる構成に加えて、さらに、前記走行系伝動機構における回転体の回転運動によって、前記走行系室11に貯留されている油の一部が前記リザーバ室12(本実施の形態においてはPTO系室42)へ移送されるように構成されている。
図2に、図1におけるII部の拡大模式図を示す。
図2に示すように、前記隔壁43は、前記ディファレンシャルギヤ機構150のリングギヤ151に近接配置されており、且つ、該リングギヤ151の回転によって掻き上げられた貯留油の一部が前記PTO系室42へ入り込むような高さとされている。
即ち、前記隔壁43は、前記リングギヤ151の回転(矢印D参照)によって掻き上げられる油(破線矢印F参照)が、該隔壁43を越えて走行系室11からPTO系室42へ移送されるように、該リングギヤ151との相対位置が設定されている。
さらに、前記隔壁43には、開閉装置60が設けられている。
該開閉装置60は、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室11及び前記リザーバ室12の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室11及び前記リザーバ室12を連通するように構成されている。
詳しくは、前記開閉装置60は、前記走行系室11及び前記リザーバ室12を連通するように前記隔壁43に形成された開口61と、前記開口61を閉塞する閉塞位置(図2(a)参照)と該開口61を開放する開放位置(図2(b)参照)とをとり得る開閉部材62と、前記開閉部材62を開放位置へ向けて付勢する付勢部材63と、前記開閉部材62を前記付勢部材63の付勢力に抗して閉塞位置へ向けて押動する押動機構70とを備えている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記開閉部材62は、前記開口61に軸線方向移動移動可能に挿通された棒状部材とされており、軸線方向第1位置(図2(a)参照)においては前記開口61を閉塞し、且つ、軸線方向第2位置(図2(b)参照)においては前記開口61を開放するように構成されている。
例えば、前記棒状部材は、前記走行系室側の第1端部62aが外周面にスプライン溝を有する溝付き部とされ、且つ、該第1端部62aを挟んで前記走行系室11とは反対側に隣接する部位62bが前記開口61と同一径又は該開口61より大径とされる。
そして、例えば、コイルスプリング等の形態をなす前記付勢部材63は、軸線方向第2位置(図2(b)参照)へ向けて前記開閉部材62を付勢するように配置される。
なお、当然ながら、前記溝付き部に代えて、前記第1端部62aを前記開口61より小径の小径部としたり、又は、該第1端部62aに、一端部が走行系室11に連通し且つ他端部がPTO系室12に連通する軸線孔を形成することも可能である。
前記押動機構70は、通常状態においては前記付勢部材63によって閉塞位置に位置されている前記開閉部材62を、強制的に開放位置に位置させるように構成されている。
図3に、本実施の形態に係るトランスミッションの油圧回路図を示す。
図3に示すように、該トランスミッション1Aは、前記前後進切換油圧機構110用の油圧回路110Aと、前記変速油圧機構120用の油圧回路120Aと、前記4輪駆動力取出油圧機構160用の油圧回路160Aと、前記油圧PTOクラッチ装置355用の油圧回路355Aとを備えている。
なお、図3中の符号310A,320Aは、それぞれ、パワーステアリング用油圧回路及び作業機リフト用油圧回路である。又、符号150Aは、デフロック用油圧回路である。
詳しくは、前記押動機構70は、駆動源2によって作動的に駆動される油圧ポンプ3A〜3Cからの圧油の油圧を利用して、前記開閉部材62を開放位置へ向けて押動するように構成されている。
本実施の形態においては、図3に示すように、前記押動機構70は、前記油圧PTOクラッチ装置用油圧回路355Aの圧油によって前記開閉部材62が閉塞位置へ押動されるように、該油圧回路355A及び該開閉部材62を連通する圧油供給ライン71と、該圧油供給ライン71に介挿された切換弁72とを有している。
詳しくは、前記圧油供給ライン71の一端部は、前記油圧回路355Aに連通されている。
そして、該圧油供給ライン71の他端部は、該圧油供給ライン71を流れる圧油によって前記開閉部材62が前記付勢部材63の付勢力に抗して閉塞位置へ押動されるように、油圧室65に連通されている。
前記切換弁72は、前記走行系伝動機構の回転時及び停止時に、それぞれ、前記圧油供給ライン71を連通及び遮断するように構成されている。
即ち、前記走行系伝動機構が回転運動を行う際には、前記切換弁72は前記圧油供給ライン71を連通状態とする。この状態においては、前記圧油供給ライン71を介して圧油が前記開閉部材62に作用し、これにより、該開閉部材62は前記付勢部材63の付勢力に抗して閉塞位置へ押動される。従って、前記走行系室11と前記PTO系室12とは液密に分離される。
他方、前記走行系伝動機構が停止する際には、前記切換弁72は前記圧油供給ライン71を遮断状態とする。この状態においては、前記開閉部材62は前記付勢部材63の付勢力によって開放位置に保持されたままである。従って、前記走行系室11と前記PTO系室12とは連通状態とされる。
斯かる構成のトランスミッション1Aにおいては以下の効果を得ることができる。
即ち、該トランスミッション1Aにおいては、前述の通り、走行系伝動機構における回転体の回転運動によって、該走行系伝動機構が収容される走行系室11から、リザーバ室12として作用するPTO系室42へ貯留油の一部が移送されるようになっている。
従って、前記ハウジング10内に十分な量の油を貯留しても、これによって、走行系伝動機構の伝動効率が悪化することを有効に防止できる。
さらに、前記走行系伝動機構の停止時には、前述の通り、前記開閉機構60によって、前記リザーバ室12と前記走行系室11とが連通するようになっており、これにより、走行系伝動機構の運転開始時における油切れ現象を有効に防止し得るようになっている。
つまり、前記走行系伝動機構の回転中には、走行系室11における貯留油の一部が前記リザーバ室12へ移送されている為、走行系室11の油面O.L.(1)はリザーバ室12の油面O.L.(2)よりも低くなっている。
通常、貯留油の取り出しは、フィルター収容スペース等の観点から、走行系室11の所定部位から行われるから、走行系室11の油面O.L.(1)が下がっていると、貯留油の取り出しの際に空気が混入する恐れがある。
これに対し、本実施の形態に係るトランスミッション1Aにおいては、前述の通り、前記走行系伝動機構の停止時には、前記リザーバ室12が前記走行系室11に連通し、両室の油面が迅速に均一になるように構成されている。
従って、走行系伝動機構の運転開始時における油切れ現象を有効の防止できる。
なお、本実施の形態においては、前記圧油供給ライン71をPTOクラッチ用油圧回路355Aに連通するように構成したが、当然ながら、他の油路から前記開閉部材押動用の圧油を取り出すように構成することも可能である。
又、本実施の形態においては、前記圧油供給ライン71に前記切換弁72を介挿したが、該切換弁72を省略することも可能である。
即ち、前記トランスミッションにおける各油圧回路は、油圧ポンプ3A〜3B等の油圧源作動中には所定の設定圧をとり、且つ、油圧源停止中には該設定圧よりも低圧の常圧をとる。
従って、前記付勢部材63の付勢力を、前記設定圧による押動力よりも弱く、且つ、前記常圧による押動力よりも強くしておくことにより、切換弁72を備えずとも、前記効果を得ることができる。
実施の形態2.
以下、本発明に係るトランスミッションの他の実施の形態について、図4を参照しつつ説明する。
なお、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には、同一符号又は同一符号にダッシュを付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施の形態1においては、前記油圧回路の油圧を利用して前記開閉部材62を閉塞位置へ向けて押動するように構成したが、本実施の形態においては、貯留油の流れによって開閉部材262を閉塞位置へ向けて押動するように構成されている。
具体的には、該トランスミッション1Bは、前記開閉装置60に代えて、開閉装置260を備えている。
該開閉装置260は、前記隔壁43に形成された開口61と、該開口61を閉塞する閉塞位置(図4(a)参照)と該開口61を開放する開放位置(図4(b)参照)とをとり得る開閉部材262と、前記開閉部材262を開放位置へ向けて付勢する付勢部材(図示せず)とを備えている。
図4に示すように、前記開閉部材262は、前記リングギヤ151と前記隔壁43との間に位置するように、前記走行系室11内に配設されている。
詳しくは、該開閉部材262は、前記リングギヤ151の回転軸と平行な枢支軸261回り揺動自在とされた本体部262aと、該本体部262aから前記隔壁43の方へ突出されたシール部262bとを有している。
前記本体部262aは、前記付勢部材の付勢力によって、前記シール部262bが前記隔壁43から離間する方向(図4においては時計回り方向)へ付勢されている。
なお、本実施の形態においては、前記付勢部材は、前記枢支軸261に巻き回された巻きバネとされている。
前記本体部262aは、前記リングギヤ151の回転に伴う貯留油の流れ(図4の矢印A)を受けて、前記シール部262bが前記隔壁43に近接する方向(図4においては反時計回り方向)へ揺動されるように構成されている。
即ち、該本体部262aは、前記リングギヤ151が停止している際には、前記付勢部材の付勢力によって開放位置に位置し、且つ、前記リングギヤ151が回転している際には、該リングギヤ151の回転に伴う貯留油の流れによって閉塞位置に位置するようになっている。
前記シール部262bは、前記本体部262aが閉塞位置に位置する際に、前記開口61を閉塞するような形状寸法とされている。
なお、図4中の符号262cは、前記本体部262aに備えられたストッパであり、前記付勢部材の付勢力による前記本体部262aの揺動範囲を画している。
斯かる本実施の形態においても、前記実施の形態1におけると同様、ハウジング10内に十分な量の油を貯留しても、走行系伝動機構の伝動効率が悪化することを防止しつつ、さらに、走行系室から貯留油を取り出す際の油切れ現象を有効に防止できる。
なお、前記各実施の形態においては、PTO系室42をリザーバ室12として用い、走行系室11の貯留油の一部をPTO系室42へ移送するように構成したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。即ち、走行系室11から移送される貯留油を保留し得る限り、種々の空間をリザーバ室として用いることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るトランスミッションの伝動模式図である。 図2(a)は、図1におけるII部の拡大模式図であり、開閉装置が閉塞状態にある場合を示している。 図2(b)は、図1におけるII部の拡大模式図であり、開閉装置が開放状態にある場合を示している。 図3は、図1に示すトランスミッションの油圧回路図である。 図4(a)は、本発明の他の実施の形態に係るトランスミッションの部分縦断模式図であり、開閉装置が閉塞状態にある場合を示している。 図4(b)は、本発明の他の実施の形態に係るトランスミッションの部分縦断模式図であり、開閉装置が開放状態にある場合を示している。
1A,1B トランスミッション
2 駆動源
10 ハウジング
11 走行系室
12 リザーバ室
42 PTO系室
43 隔壁
60 開閉装置
61 開口
62 開閉部材
63 付勢部材
70 押動機構
71 圧油供給ライン
72 切換弁
150 ディファレンシャルギヤ装置
151 リングギヤ

Claims (4)

  1. 駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、
    前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し、
    前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、
    前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、
    前記開閉装置は、前記走行系室及び前記リザーバ室を連通するように前記隔壁に形成された開口と、
    前記開口を閉塞する閉塞位置と該開口を開放する開放位置とをとり得る開閉部材と、
    前記開閉部材を開放位置へ向けて付勢する付勢部材と、
    前記開閉部材を前記付勢部材の付勢力に抗して閉塞位置へ向けて押動する押動機構とを有しており、
    前記押動機構は、該トランスミッションにおける油圧回路の油圧を利用して前記開閉部材を押動するように構成されていることを特徴とするトランスミッション。
  2. 前記押動機構は、前記油圧回路の圧油によって前記開閉部材が閉塞位置へ押動されるように、該油圧回路の圧油を開閉部材へ作用させる圧油供給ラインと、
    前記圧油供給ラインに介挿された切換弁とを有し、
    前記切換弁は、前記走行系伝動機構の回転及び停止時に、それぞれ、前記圧油供給ラインを連通及び遮断するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のトランスミッション。
  3. 駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、
    前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し、
    前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、
    前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、
    前記走行系伝動機構は、車輌幅方向に沿った回転軸回りに回転するリングギヤを含むディファレンシャルギヤ装置を有し、
    前記隔壁は、前記走行系室及びリザーバ室が車輌長手方向一方側から他方側に沿って直列配置されるように車輌幅方向に延びており、
    前記リングギヤの回転運動に伴う掻き上げ作用によって、前記走行系室内の貯留油の一部が前記リザーバ室へ流入するように構成されていることを特徴とするトランスミッション。
  4. 駆動源からの駆動力を駆動車軸へ伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、油を貯留可能とされたハウジングとを備えたトランスミッションであって、
    前記ハウジングは、前記走行系伝動機構を収容する走行系室と、隔壁によって前記走行系室に対して液密に分離されたリザーバ室とを有し、
    前記リザーバ室は、前記走行系伝動機構の回転運動によって前記走行系室から貯留油の一部が移送されるように構成されており、
    前記隔壁には、前記走行系伝動機構が回転中には前記走行系室及び前記リザーバ室の分離状態を維持し、且つ、前記走行系伝動機構が停止中には前記走行系室及び前記リザーバ室を連通する開閉装置が設けられており、
    前記走行系伝動機構は、車輌幅方向に沿った回転軸回りに回転するリングギヤを含むディファレンシャルギヤ装置を有し、
    前記隔壁は、前記走行系室及びリザーバ室が車輌長手方向一方側から他方側に沿って直列配置されるように車輌幅方向に延びており、
    前記リングギヤの回転運動に伴う掻き上げ作用によって、前記走行系室内の貯留油の一部が前記リザーバ室へ流入するように構成されており、
    前記開閉装置は、前記走行系室及び前記リザーバ室を連通するように前記隔壁に形成された開口と、
    前記開口を閉塞する閉塞位置と該開口を開放する開放位置とをとり得る開閉部材と、
    前記開閉部材を開放位置へ向けて付勢する付勢部材とを有しており、
    前記開閉部材は、前記リングギヤの回転運動に伴う貯留油の流れによって、前記付勢部材の付勢力に抗して閉塞位置へ押動されることを特徴とするトランスミッション。
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