JP4596447B2 - 伝動装置の防水構造 - Google Patents

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本発明は、エンジンの動力を伝達する伝動装置の防水構造に関し、特に、仕切り壁で仕切られた複数の空間を有する本体に対して設けられるカバーを有する伝動装置の防水構造に関する。
エンジン等の原動機に連結した駆動プーリと、負荷に連結した従動プーリとの間にVベルトを掛け渡し、駆動プーリと従動プーリとに対するVベルトの巻き掛け径を連続的に変えて、変速比を制御するVベルト式無段変速機が知られる。この無段変速機は、本体ケースである有底の伝動ケースと該伝動ケースを覆う伝動ケースカバーとを有し、これらで囲まれた空間に前記駆動プーリや従動プーリからなるベルト装置が収容される。そして、伝動ケースと伝動ケースカバーとの間には防塵や防水のためのシールが設けられる。特開平8−277937号公報には、伝動ケースカバーの端面が嵌合可能なように断面形状を設定したゴム製のシールを使用した伝動ケースの防水構造が開示されている。
特開平8−277937号公報
上記防水構造は、伝動ケースと伝動ケースカバーとの対向面つまりシール面が、いわゆる面一であって段差がない場合に有効に封止機能を発揮する。しかし、シール面が第1の面と、この第1の面に交差する第2の面とからなる場合には封止機能を向上させる必要がある。
図14は、この複雑なシール面を有する変速装置の一例を示すモデル図である。同図において、互いに交差する二つの面D1,D2と、面D2にさらに交差する面D3を有する伝動ケースCにおいて、カバーC1で面D3を覆うと共に、面D1,D2を第2のカバーC2で覆う構造を想定する。この場合、シールS1で面D3とカバーC1との間を封止し、シールS2で面D1,D2と第2のカバーC2との間を封止する。ここで、シールS2を第2のカバーC2と伝動ケースCとの間に配置し、第2のカバーC2を伝動ケースCに組み付ける際、シール部材S2の端部S2aを第2のカバーC2の上に引っ掛けるために矢印Tの方向に張力をかけることがある。そうすると、特に、面D1と第2のカバーC2との間でシールS2は伸ばされて、シールが変位する場合がある。
また、カバーC1から分離された第2のカバーC2を使用するのは、第2のカバーC2で、カバーC1とは異なった機能を持たせる場合であり、例えば、第2のカバーによってエンジン冷却水を循環させるウォータポンプのケーシング(外壁)を構成するようなことが想定される。圧力が高められた水を循環させるウォータポンプのケーシング(外壁)を第2のカバーC2で構成するような場合、第2のカバーC2と伝動ケースCの面D1,D2との間には充分に高い封水機能が要求される。
本発明は、上記要求に鑑み、複数の面に亘るシールにより該複数の面の各面に対してそれぞれ確実な封止機能を発揮できる封止構造を備えた伝動装置の防水構造を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも加圧流体を収容する第1の開放区画を含む複数の開放区画に仕切られたケース本体と、前記第1の開放区画および他の少なくとも一つの開放区画の開放部を覆う単一のカバーと、前記第1の開放区画および前記他の開放区画の開放部端面と前記カバーとの間を連続的に封止する弾性体からなるシール部材とを具備し、前記シール部材には、該シール部材が前記開放区画の開放部端面の長手方向に変位しないように前記カバーに係合する変位規制部が設けられている点に第1の特徴がある。
また、本発明は、前記ケース本体が、前記第1の開放区画の開放部端面を含む第1合わせ面と、該第1合わせ面に交差する第2合わせ面とからなり、前記シール部材が前記第1合わせ面および第2合わせ面と前記カバーとの間に配置されているとともに、前記変位規制部が、前記第1の解放区画の開放部端面に関して前記第2合わせ面寄りの第1合わせ面上に配置されるように設定されている点に第2の特徴がある。
また、本発明は、前記開放区画が前記第1の開放区画および第2の開放区画からなり、第1の開放区画がウォータポンプのスクロール室であり、第2の開放区画がエンジンに連結される変速用ベルト装置の収容室である点に第3の特徴がある。
さらに、本発明は、前記ケース本体が前記第2合わせ面に交差する第3合わせ面を備えているとともに、該第3合わせ面を覆う前記カバーとは別体の第2カバーをさらに備え、前記シール部材の端部が前記第2合わせ面と第3合わせ面との交差部で終端して前記カバーの端面に巻き込まれ、かつ該端面が前記シール部材の終端部を挟んで前記第2カバーで押さえられている点に第4の特徴がある。
上記特徴を有する本発明によれば、ケース本体と加圧流体の収容部を含む複数の区画を覆うカバーとの間を単一の弾性体シールで封止することができるので、部品点数が削減されるとともに、シールの端部を引っ張って組み付けるような工程を経ても、シールの変位が規制されるので、シール部材は所定の位置に保持される。
また、第2の特徴によれば、立体的なシール合わせ面を有するケースにおいて、特に加圧流体を収容する区画付近でシール部材のずれが生じることが無く、加圧流体に対して充分な封止性能を確保できる。
第3の特徴によれば、高圧がかかるウォータポンプのスクロール室や防塵や比較的低レベルの封止ができればよいベルト装置の収容室のように、必要な封止性能が異なる二つの区画を単一のシール部材で封止することができる。
第4の特徴によれば、立体的な合わせ面を形成しているので、複数の区画つまりウォータポンプのスクロール室とベルト装置の収容室とを個別の面内でレイアウトできる。すなわち、比較的容量の小さいウォータポンプを比較的容量が大きいベルト装置収容室に合わせて大きくすることがないので、伝動装置全体の大きさを小型化できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る防水構造を有する無段変速機を含むスクータ型自動二輪車の外観側面図である。同図において、スクータ型自動二輪車1の車体前部2と車体後部3とは低いフロア部4を介して連結されており、車体の骨格は、ダウンチューブ6およびダウンチューブ6から後上方に延びるメインチューブ7によって構成されている。メインチューブ7の上方にはシート8が配置される。シート8とメインチューブ7との間にはヘルメットなどの収納ボックスと燃料タンクが設けられる(いずれも図示せず)。シート8は収納ボックスの蓋を兼ねる。
前記ダウンチューブ6の前端は車体前部2に設けられるヘッドパイプ5に接合される。ヘッドパイプ5には、フロントフォーク12が回動自在に軸支される。フロントフォーク12の上方延長部分にはハンドル11が取り付けられ、フロントフォーク12の下端には前輪13が軸支される。ハンドル11の上部は計器板を兼ねたハンドルカバー33で覆われる。
メインチューブ7の立ち上がり部下端にはブラケット15が設けられ、ブラケット15には、リンク部材16を介してハンガブラケット18が連結され、スイングユニット17が揺動自在に支持されている。スイングユニット17の後部とメインチューブ7の後部とは緩衝部材を有するリヤサスペンション22で連結される。スイングユニット17の前部には、単気筒4サイクルエンジン200が搭載される。エンジン200の後方には、Vベルト式無段変速機35および減速機38が設けられる。減速機38の出力軸(後述)には後輪21が結合される。すなわち、エンジン200の出力は無段変速機35および減速機38を介して後輪21に伝達される。
スイングユニット17の前部には、エンジン200のシリンダヘッド32から延出した吸気管23が接続される。吸気管23には気化器24および気化器24に連結されたエアクリーナ25が配設される。スイングユニット17のクランクケース31に設けられたハンガブラケット18には、駐車用のメインスタンド26が支持される。変速機35の外部カバー36から突出したキック軸27にはキックアーム28が固定され、キックアーム28の先端にはキックペダル29が設けられる。
図1は、無段変速機の前部断面図、図2は同後部断面図である。図1および図2において、無段変速機は、エンジン200のクランクケース31の一部である伝動ケースつまりケース本体40を備える。伝動ケース40は一方の面が大きく開放されていて、この開放側を車両の左側面から覆う伝動ケースカバー401と、伝動ケースカバー401をさらに覆う外部カバー36と、伝動ケースカバー401の前部(車両の走行方向前部)に組み付けられて変速機駆動用のアクチュエータとしてのモータ57および歯車装置60を覆うアクチュエータカバー58とがさらに設けられる。伝動ケース40と伝動ケースカバー401との間、並びに伝動ケース40とアクチュエータカバー58との間は、後述するシールによって封止されている。特に、伝動ケース40とアクチュエータカバー58との間は、加圧された水を封止できるように液密が確保される構造を有する。
図1において、エンジン200のクランク軸41は、伝動ケース40に設けられた軸受42および図示しないもう一つの軸受によって支持される。伝動ケース40から外側に突出したクランク軸41の部分43は駆動プーリ45の支持軸であり無段変速機の駆動軸である。
駆動軸43の外周にはガイドパイプ44が装着される。駆動プーリ45は、駆動軸43の軸端に設けられた固定プーリ部分451と、駆動軸43の軸方向に移動自在な可動プーリ部分452とからなる。駆動プーリ45には、後述する従動プーリに架け渡されるVベルト100が掛けられている。固定プーリ部分451は駆動軸43の軸端に設けられたねじ部に螺着されたナット46で駆動軸43に固定される。可動プーリ部分452のハブ453は、可動プーリ部分452が駆動軸方向で移動できるようにするため、ガイドパイプ44の外周に摺動自在に嵌合される。
可動プーリ部分452のハブ453には、駆動軸43の軸方向に長い長孔つまりガイド孔47が形成されている。ガイドパイプ44の外周にはガイドピン48が立設され、このガイドピン47の頭部481がガイド孔47内に突出している。ガイドピン48の頭部には、少なくともガイド孔47の内面に対向する部分を覆うように表面の摩擦係数が小さいフッ素樹脂などのカラー49が設けられる。好ましくは、図示のようにガイドパイプ44の外周に対向する部分も覆うようにするのがよい。これにより、ハブ453が固定された可動プーリ部分452は、ガイドピン48によってガイドパイプ44つまり駆動軸43に対する回転方向の変位が規制され、駆動軸43に対して軸方向にのみ移動可能である。ガイドピン48はカラー49を介してハブ453のガイド孔47と摺動するので、可動プーリ部分452の動きは滑らかで、摺動音の発生も抑制される。
可動プーリ部分452のハブ453の外周には軸受保持リング50が嵌合され、この保持リング50の外周には軸受51の内輪が嵌合される。軸受51の外輪にはスライダ保持リング52が嵌合され、さらにこの保持リング52にはスライダ53が嵌合される。スライダ53は円筒状であり、外側には歯車531が形成され、内側には内周に雌ねじ(スクリューねじ)が形成された送りリング54が嵌挿されている。送りリング54の雌ねじは、筒体55の外周に形成された雄ねじ(スクリューねじ)と螺合する。筒体55はその外周に溶接されたフランジ部を介してボルト56で伝動ケース40に固定される。
次に、前記スライダ53の歯車531に動力を伝達する駆動部を説明する。スライダ53の歯車531を駆動する駆動部は歯車装置60とモータ57とを有する。モータ57は、ベースプレート571とハウジング572とを備え、ベースプレート571は伝動ケース40のアクチュエータカバー58に嵌挿されて固定される。モータ軸59の先端には、出力歯車591が形成される。
歯車装置60は、共通する軸61に固定された第1段歯車62,63と、他の共通する軸64に固定された第2段歯車65,66とを備える。歯車装置60の各歯車は動作音を低減するために樹脂製にするのがよい。第1段歯車の軸61は伝動ケース40に設けられた軸受67とアクチュエータカバー58に設けられた軸受68とで支持される。一方、第2段歯車の軸64は伝動ケース40に設けられた軸受69とアクチュエータカバー58に設けられた軸受70とで支持される。第1段歯車のうち大歯車62は出力歯車591に噛み合い、小歯車63は、第2段歯車のうち大歯車65に噛み合う。そして、第2歯車のうち小歯車66は前記スライダ53の歯車531に噛み合う。
第2段歯車の軸64の、軸受70を貫通した延長部には歯車641が形成される。歯車641はウォーム歯車であり、このウォーム歯車641は、回転センサとしての回転型可変抵抗器もしくは回転型ポテンショメータに連結されるウォームホイール(回転センサとウォームホイールは後述する)に噛み合う。こうして、軸64は、回転センサに歯車装置60の回転量を伝達するセンサ出力軸としての機能を備える。
伝動ケース40には、前記スライダ53に形成された歯車531の外周を囲うようにリブ402が形成され、リブ402の端部には、ボルト71によって規制プレート72が取り付けられる。規制プレート72によって、スライダ53の、駆動プーリ45側への移動限界が規定される。通常は、スライダ53の歯車531は、規制プレート72に当接しない範囲で移動する。
上記構成により、モータ57の回転は出力歯車591、第1段歯車62,63、並びに第2段歯車65,66を順に経てスライダ53の歯車531に伝わり、スライダ53を回転する。スライダ53が回転されると、送りリング54が筒体55の周りで回転し、その結果、スライダ53は相対的にクランク軸41の軸方向にねじ送りされる。ねじの作用によるスライダ53の変位方向は送りリング54および筒体55の雌ねじおよび雄ねじの方向による。
スライダ53が駆動軸43に沿って変位すると、その動きは軸受51を介して可動プーリ部分452に伝わり、可動プーリ部分452と固定プーリ部分451との間隔が変化する。固定プーリ部分451と可動プーリ部分452との間隔が広くなると、後述の従動プーリの動きと相まってVベルト100は駆動プーリ45に対する巻き掛け径が小さくなるように動作する。一方、固定プーリ部分451および可動プーリ部分452両者の間隔が狭まる方向の力は、Vベルト100を駆動プーリ45の外周方向に押し広げる分力を作用させ、後述する従動プーリの動きと相まってVベルト100の巻き掛け径を大きくする。
スライダ53の位置はこの変速機の変速比を代表する。したがって、前記ウォーム歯車641の回転位置を検出する回転センサで、スライダ53の位置を検出し、その検出結果を変速比の制御にフィードバックすることができる。
次に、無段変速機の後部構成を説明する。図2において、従動プーリ73は、固定プーリ部分731と可動プーリ部分732とからなる。従動プーリ73を支持する従動軸(従動プーリの支持軸)74は軸受75,76で支持される。従動軸74の一方側つまり図2上で軸受75より左側部分の端部には、軸受77が嵌挿され、さらに軸受77より先端側にはカラー78が被せられる。カラー78には、椀状のクラッチ板79が溶接されている。従動軸74のこの端部にはねじが形成されていて、そのねじにナット80が螺着され、カラー78およびクラッチ板79は軸受77の内輪を介して従動軸74に固定される。従動軸74の中間部外周には、軸受81が設けられ、この軸受81および前記軸受77によって固定プーリ部分731のハブ82が従動軸74に関してその外周に装着される。
さらに、固定プーリ部分731のハブ82の外周には可動プーリ部分732のハブ83が設けられる。可動プーリ部分732は固定プーリ部分731に対して、従動軸74の長手方向に摺動自在である。ハブ82にはガイドピン84が立設される。ハブ83に設けられたガイド孔831はガイドピン84の頭部に係合し、これによってハブ83に対する可動プーリ部分732の回転が規制される。
固定プーリ部分731のハブ82の端部には、クラッチシューの支持プレート85がナット86で固定される。支持プレート85には、クラッチシュー87が設けられる。クラッチシュー87は、支持プレート85に立設された枢軸88で軸支されるボス89を有するアーム90に固着される。アーム90はクラッシュー87がクラッチ板79の内面から離れる方向にばね91で付勢されている。さらに、可動プーリ部分732と支持プレート85との間には、可動プーリ部分732を固定プーリ部分731側に付勢するコイルばね92が介挿されている。
無段変速機の後部には、減速機38が設けられる。減速機38は、従動軸74の他端つまり図2上で軸受75と76との間に設けられた入力歯車94と中間歯車95,96、および最終段歯車97を有する。入力歯車94は中間歯車の大歯車95に噛み合い、中間歯車の小歯車96は最終段歯車97と噛み合う。中間歯車95,96の軸は軸受98,99で支持され、最終段歯車97の軸つまり出力軸101は軸受102,103で支持される。軸受76,98,103は、前記リブ402に続く後部ケーシング403に嵌挿されていて、軸受75,99,102は、ケーシング403に固定される減速機カバー104に嵌挿されている。
固定プーリ部分731のハブ82の側面には、センサプレート105が設けられ、このセンサプレート105の外周に対向して磁気センサ106が設けられる。センサプレート105は鉄であり、この鉄製のセンサプレート105は、外周に突出もしくは凹んだ部分を一ないしは複数有する。したがって、この形状変化部分で磁気センサ106の出力が変化し、この変化の状態、例えば、出力変化の間隔によって、従動プーリ73の回転数を検出することができる。磁気センサ106は、減速機カバー104に固定される。
上記構成において、前記駆動プーリ45側でVベルトの巻き掛け径が拡張すると、Vベルト100の張力は増し、その張力の増大により、従動プーリ73の可動プーリ部分732と固定プーリ部分731との間を押し広げる力が作用する。その結果、従動側ではVベルト100の巻き掛け径が小さくなる。つまり減速比が小さくなる。一方、前記駆動プーリ45側でVベルトの巻き掛け径が縮小すると、Vベルト100の張力は低減し、その張力の低減により、コイルばね92の付勢力がVベルト100にかかる張力の分力を上回ると、従動プーリ73の可動プーリ部分732と固定プーリ部分731との間を縮小する力が生じる。その結果、従動側ではVベルト100の巻き掛け径が大きくなる。つまり減速比が大きくなる。
従動プーリ73の回転が所定の値になると、遠心力の増大によりクラッチシュー87がクラッチ板79に当接する。そうすると、クラッチ板79が結合されている従動軸74が回転し、入力歯車94、中間歯車95,96、および最終段歯車97を介して出力軸101が回転する。出力軸101の回転は後輪21に伝達される。
図4は、伝動ケース40とアクチュエータカバー58とを車体左側面から見た図である。同図において、伝動ケース40とアクチュエータカバー58とは、会合部IFにおいて会合する。会合部IFには、この会合部IFを封止するシール(後述する)が設けられる。会合部IFは後で詳述するように、この図の紙面に平行な面と垂直な面で形成される。伝動ケース40とアクチュエータカバー58とのそれぞれの部分F,F1は共面に形成され、この部分つまり共通面上に伝動ケースカバー401が取り付けられる。
図5は、アクチュエータカバー58の正面図であり、図6は図5のA−A断面図である。アクチュエータカバー58は、上述のようにモータ57から軸64までの減速系統の構成部品を覆う。また、アクチュエータカバー58は、伝動ケース40と組み合わされてエンジン冷却水を循環させるウォータポンプのハウジングを形成する。図5において、アクチュエータカバー58に嵌挿された軸受70で支持されるウォーム歯車641と噛み合うウォームホイール110およびその軸111を収容し、軸111を支持するための筒状突出部581が形成される。軸111には、ウォームホイール110の回転位置を検出する回転センサ112が結合される。回転センサ112の検出出力は、図示しない制御装置に供給され、この検出出力に基づき、ウォームホイール110と連動する各歯車641、65,66,531を介して可動プーリ部分452の位置が検出される。
また、アクチュエータカバー58は、前記モータ57のベースプレート571を保持するためのボス582,583と、モータ571のベースプレート571をのハブを受け入れるボス孔584に隣接して設けられた座585,586とを有する。
さらに、アクチュエータカバー58は、図6から良く理解できるように、伝動ケース40の一部と組み合わさってウォータポンプ113の外壁を形成する。この外壁で囲まれた空間には、インペラ114と軸115とが収容される。この空間つまりウォータポンプのスクロール室を形成するため、アクチュエータカバー58側および伝動ケース40には、一端が開放された凹部つまり開放部区画が形成されている。軸115は、図示しない伝動装置によってエンジンと連結され、エンジンの回転によって回転駆動される。口金116は、サーモスタットを介してラジエータから循環される冷却水の入口であり、口金117は、ラジエータを介さないで循環される冷却水の入口である。エンジン始動時ないしは冷却水温が低い時は、口金117から水を導入され、冷却水温が所定値以上となれば、口金116からラジエータを介して、温度低下された水が導入される。
図7は、伝動ケース40とアクチュエータカバー58との間に配置されるシールの平面図、図8はシールの要部側面図、図9はシールの端部拡大図である。シール120はウォータポンプ113を液密に封止するための環状部121と環状部121から一方に延びる長尺部122と他方に延びる長尺部123とを有する。このシール120は、伝動ケース40とアクチュエータカバー58とが会合する二次元面を液密に維持するため、図の紙面とほぼ直交する方向に屈曲できるように形成されている。つまり、位置規制部としての係止用突起124,125から端部側に延びている部分127,128と両突起124,125間の部分122とは形状が異なる。つまり、部分122は、後述の溝に嵌合されるように断面形状が円形であるのに対して、係止用突起124,125から端部側の部分127,128は、アクチュエータカバー58の端面を包み込むことができるような立体的形状を有している(図8,図9参照)。
つまり、シール120の端部はアクチュエータカバー58の端部を覆うように一面が開放された箱状部128と、この箱上部128と突起124とを結合する部分129とを備える。箱状部128の先端には、アクチュエータカバー58の端面に巻き込まれるフック部128aを備える。
図10は、アクチュエータカバーの背面図つまり伝動ケース側から見た図、図11は図10のB−B断面図、図12は伝動ケースの要部正面図である。図10において、アクチュエータカバー58のほぼ外部輪郭に沿ってシール120を嵌め込むためのシール溝130が形成されている。シール溝130はシール120の環状部121を嵌め込む環状溝131と環状溝131から延びる長尺溝132とを有する。環状溝131の一部から外側にシール120を延長するための引出部133と、長尺溝132から外側にシール120を延長するための引出部134とが形成される。各引出部133,134に隣接してシール固定用の円形凹部135,136がそれぞれ設けられる。
図10および図11において、伝動ケース40とアクチュエータカバー58との会合部は、傾斜部つまり車体の前後方向に平行な面(前記面F,F1に平行な面)F3と面F3から車幅方向に立ち上がる傾斜面F4,F5からなる。
図12において、伝動ケース40の部分404は、ウォータポンプ113のスクロール室を形成し、アクチュエータカバー58の面F3と対向する面F3aを有する部分405につながる。また、伝動ケース40の部分404および405の端部に形成された面F5aおよびF4aは、それぞれアクチュエータカバー58の面F5およびF4に対向する傾斜面である。
図11には仮想線でシール120の配置を示す。また、図13は、シールを配置した変速装置の要部を示すモデル図である。図1〜図12において、シール120は、面F3および面F4,F5に沿って配置され、中間部の前記突起124,125が凹部135,136にそれぞれ嵌って係止されると共に、端部のフック部128aは、アクチュエータカバー58の端面溝58aに引っ掛けられる。この状態で、シール120が固定されたアクチュエータカバー58は、伝動ケース40の面F3a,F4aおよびF5aに組み付けられると、アクチュエータカバー58と伝動ケース40との間はシール120で封止される。次いで、フック部128aは、アクチュエータカバー58とは別体の伝動ケースカバー401によって押さえられて固定される。伝動ケース40と伝動ケースカバー401との間は、シール120とは別の図示しないシール部材で封止される。
このように、本実施形態の変速装置では、伝動ケース40と伝動ケースカバー401との間を主に防塵目的で封止するために設けられるシール部材とは別に、アクチュエータカバー58と伝動ケース40との間に個別にシール120を設けた。したがって、それだけでも高い封止効果は得られるが、さらにシール120に突起を設けて、これをアクチュエータカバー58の凹部に係合させたので、シール120は長手方向に張力がかかっても所定位置からずれを生じない。その結果、所定の締め代を確保でき、高い封止性能を確保できるので、アクチュエータカバー58と伝動ケース40との間を、ウォータポンプのハウジングつまりスクロール室として好適な封止状態にすることができる。
なお、本実施形態では、シールが立体的に形成された面に配された例を示した。しかし、本発明は、これに限定されず、単一面上に合わせ面を有するケース本体とカバーとの間にシールを設ける場合にも適用できる。要は、複数の区画を形成する壁面の端部を封止する単一のシールで複数の区画に壁面端部が弾性体のシールで封止され、かつシールが壁面端部上で該壁面の延長方向にずれを生じないようにしてあればよい。また、区画は少なくともウォータポンプのような加圧流体を収容する区画およびその他の区画を備える場合に適用でき、区画数は限定されない。
本発明の一実施形態に係るベルト式無段変速装置の前部断面図である。 本発明の一実施形態に係るベルト式無段変速装置の後部断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 伝動ケースとアクチュエータカバーの正面図である。 無段変速装置の前部に設けられるギヤユニットカバーの正面図である。 アクチュエータカバーと伝動ケースで形成されるウォータポンプの壁部を示す断面図である。 シールの平面図である。 シールの要部側面図である。 シールの端部拡大図である。 アクチュエータカバーの背面図である。 図10のB−B断面図である。 伝動ケースの要部正面図である。 本発明の実施形態に係るシールが配置された変速装置の要部を示すモデル図である シールが配置された変速装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
40…伝動ケース、 41…クランク軸、 45…駆動プーリ、 53…スライダ、 57…モータ、 58…アクチュエータカバー、 60…歯車装置、 73…従動プーリ、 100…Vベルト、 112…回転センサ、 113…ウォータポンプ、 120…シール、 451…駆動プーリ部分、 452…可動プーリ部分

Claims (5)

  1. 第1合わせ面と、該第1合わせ面と連続的に形成されると共に第1合わせ面と非平行に指向する第2合わせ面とを有する伝動ケースと、
    前記第1合わせ面と第2合わせ面とを同時に覆う単一のカバーと、
    前記伝動ケースとカバーとの間で、第1合わせ面および第2合わせ面にまたがって配設されるシールとを具備し、
    前記シールが、第1合わせ面側で前記カバーとの間のシール機能を果たす第1シール部分と、該第1シール部分の端部に形成される係止用突起と、該係止用突起から延出して前記第2合わせ面側で前記カバーとの間のシール機能を果たす第2シール部分とからなる一体成型部品とされ、
    前記係止用突起を収納する凹部が、前記伝動ケースの第1合わせ面と第2合わせ面との境界寄りで、前記第1合わせ面側の前記カバーに形成されて前記シールの第1シール部分がはめこまれるシール溝の端部に形成されていることを特徴とする伝動装置の防水構造。
  2. 前記第1シール部分と第2シール部分とが互いに異なる形状のシール構造を有することを特徴とする請求項1に記載の伝動装置の防水構造。
  3. 前記カバーによって前記第1合わせ面を覆うことで、ウォータポンプのスクロール室が形成され、
    前記カバーによって前記第2合わせ面を覆うことで、エンジンに連結される変速用ベルト装置の収容室が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動装置の防水構造。
  4. 前記第1合わせ面が平面状とされると共に、前記第2合わせ面が板状部材の側端面からなり、
    前記第2シール部分の端部に、前記第2合わせ面に対向する前記カバーの長手方向の端部を覆うように一面が開放された箱状部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の伝動装置の防水構造。
  5. 前記伝動ケースには、第1合わせ面と平行に指向する第3の合わせ面が形成されており、
    前記第3合わせ面を覆う第2カバーを備え、
    前記第3合わせ面を前記第2カバーで覆った際に、前記箱状部の一端面が前記第2カバーに接触するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の伝動装置の防水構造。
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