JP4596224B2 - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、センサにより検出した信号と現実世界との違いを考慮した画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現実世界における事象をセンサで検出し、画像センサが出力するサンプリングデータを処理する技術が広く利用されている。
【0003】
例えば、静止している所定の背景の前で移動する物体をビデオカメラで撮像して得られる画像には、物体の移動速度が比較的速い場合、動きボケが生じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
静止している背景の前で物体が移動するとき、移動する物体の画像自身の混ざり合いによる動きボケのみならず、背景の画像と移動する物体の画像との混ざり合いが生じる。従来は、背景の画像と移動する物体の画像との混ざり合いの状態に対応する処理は、考えられていなかった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、画像における混ざり合いの状態を知ることができるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定手段と、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定する混合比推定手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
画像処理装置は、前景オブジェクトの動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段をさらに設け、混合比推定手段は、注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、動きベクトルの動き方向に沿った混合領域の幅と、動きベクトルの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、動きベクトルの動き方向に沿った混合領域の幅と、動きベクトルの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定するようにすることができる。
【0008】
画像処理装置は、前景オブジェクトの動き方向を検出する動き方向検出手段をさらに設け、混合比推定手段は、注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定するようにすることができる。
【0009】
動き方向検出手段は、領域情報を基に、注目している注目フレームにおける混合領域の位置、および注目フレームの近傍の近傍フレームにおける混合領域の位置を基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段を含み、生成した動きベクトルを基に、動き方向を検出するようにすることができる。
【0010】
本発明の画像処理方法は、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定する混合比推定ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体のプログラムは、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定する混合比推定ステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、コンピュータに、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比を推定する混合比推定ステップとを実行させることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかが特定され、その特定結果を示す領域情報が生成され、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比が推定され、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比が推定される
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示す図である。CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22、または記憶部28に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU21、ROM22、およびRAM23は、バス24により相互に接続されている。
【0015】
CPU21にはまた、バス24を介して入出力インタフェース25が接続されている。入出力インタフェース25には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部26、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部27が接続されている。CPU21は、入力部26から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU21は、処理の結果得られた画像や音声等を出力部27に出力する。
【0016】
入出力インタフェース25に接続されている記憶部28は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU21が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部29は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部29はセンサの出力を取り込む取得部として働く。
【0017】
また、通信部29を介してプログラムを取得し、記憶部28に記憶してもよい。
【0018】
入出力インタフェース25に接続されているドライブ30は、磁気ディスク51、光ディスク52、光磁気ディスク53、或いは半導体メモリ54などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部28に転送され、記憶される。
【0019】
図2は、画像処理装置を示すブロック図である。
【0020】
なお、画像処理装置の各機能をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェアのブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロック図と考えても良い。
【0021】
この明細書では、撮像の対象となる、現実世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブジェクトと称する。
【0022】
画像処理装置に供給された入力画像は、オブジェクト抽出部101、領域特定部103、および前景背景分離部105に供給される。
【0023】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0024】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0025】
また、例えば、オブジェクト抽出部101は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するようにしてもよい。
【0026】
動き検出部102は、例えば、ブロックマッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情報)を領域特定部103および混合比算出部104に供給する。
【0027】
動き検出部102が出力する動きベクトルには、動き量vに対応する情報が含まれている。
【0028】
また、例えば、動き検出部102は、画像オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画像オブジェクト毎の動きベクトルを領域特定部103および混合比算出部104に出力するようにしてもよい。
【0029】
動き量vは、動いているオブジェクトに対応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分離れた位置に表示されるように移動しているとき、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、4とされる。
【0030】
領域特定部103は、入力された画像の画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、領域情報と称する)を混合比算出部104および前景背景分離部105に供給する。
【0031】
混合比算出部104は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合領域に含まれる画素に対応する混合比(以下、混合比αと称する)を算出して、算出した混合比を前景背景分離部105に供給する。
【0032】
混合比αは、後述する式(3)に示されるように、画素値における、背景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、背景の成分とも称する)の割合を示す値である。
【0033】
前景背景分離部105は、領域特定部103から供給された領域情報、および混合比算出部104から供給された混合比αを基に、前景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、前景の成分とも称する)のみから成る前景成分画像と、背景の成分のみから成る背景成分画像とに入力画像を分離して、前景成分画像および背景成分画像を出力する。
【0034】
従来の混合領域を考慮しないで前景と背景だけを特定し、分離していた方式に比べ正確な前景と背景を得ることが出来る。
【0035】
次に、図3乃至図18を参照して、画像処理装置に供給される入力画像について説明する。
【0036】
図3は、センサによる撮像を説明する図である。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(Charge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデオカメラなどで構成される。現実世界における、前景に対応するオブジェクトは、現実世界における、背景に対応するオブジェクトと、センサとの間を、例えば、図中の左側から右側に水平に移動する。
【0037】
センサは、前景に対応するオブジェクトを、背景に対応するオブジェクトと共に撮像する。センサは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例えば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることができる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時間とも称する。
【0038】
図4は、画素の配置を説明する図である。図4中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配置されている。センサが画像を撮像するとき、1つの検出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0039】
図5に示すように、例えば、CCDである検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の量は、入力された光の強さと、光が入力されている時間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する期間において、入力された光から変換された電荷を、既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言える。
【0040】
検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデータなどの画素値に変換されて出力される。従って、センサから出力される個々の画素値は、前景または背景に対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次元の空間に射影された値を有する。
【0041】
画像処理装置は、このようなセンサの蓄積の動作により、出力信号に埋もれてしまった有意な情報、例えば、混合比αを抽出する。画像処理装置は、前景の画像オブジェクト自身が混ざり合うことによる生ずる歪みの量、例えば、動きボケの量などを調整する。また、画像処理装置は、前景の画像オブジェクトと背景の画像オブジェクトとが混ざり合うことにより生ずる歪みの量を調整する。
【0042】
図6は、動いている前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を説明する図である。図6(A)は、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を示している。図6(A)に示す例において、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に左から右に動いている。
【0043】
図6(B)は、図6(A)に示す画像の1つのラインに対応する画素値を時間方向に展開したモデル図である。図6(B)の横方向は、図6(A)の空間方向Xに対応している。
【0044】
背景領域の画素は、背景の成分、すなわち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0045】
混合領域の画素は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域に分類される。
【0046】
カバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0047】
これに対して、アンカバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0048】
このように、前景領域、背景領域、またはカバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部103、混合比算出部104、および前景背景分離部105に入力画像として入力される。
【0049】
図7は、以上のような、背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。図6に示す画像に対応する場合、背景領域は、静止部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域のカバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変化する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラウンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0050】
図8は、静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。例えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0051】
図8に示すF01乃至F04の画素値は、静止している前景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。図8に示すB01乃至B04の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0052】
図8における縦方向は、時間に対応し、図中の上から下に向かって時間が経過する。図8中の矩形の上辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を開始する時刻に対応し、図8中の矩形の下辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を終了する時刻に対応する。すなわち、図8中の矩形の上辺から下辺までの距離は、シャッタ時間に対応する。
【0053】
以下において、シャッタ時間とフレーム間隔とが同一である場合を例に説明する。
【0054】
図8における横方向は、図6で説明した空間方向Xに対応する。より具体的には、図8に示す例において、図8中の”F01”と記載された矩形の左辺から”B04”と記載された矩形の右辺までの距離は、画素のピッチの8倍、すなわち、連続している8つの画素の間隔に対応する。
【0055】
前景のオブジェクトおよび背景のオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される光は変化しない。
【0056】
ここで、シャッタ時間に対応する期間を2つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割数を4とすると、図8に示すモデル図は、図9に示すモデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景に対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量vなどに対応して設定される。例えば、4である動き量vに対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に対応する期間は4つに分割される。
【0057】
図中の最も上の行は、シャッタが開いて最初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開いて3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された期間に対応する。
【0058】
以下、動き量vに対応して分割されたシャッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0059】
前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、前景の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0060】
背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、背景の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0061】
すなわち、前景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係を有する。
【0062】
背景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値となる。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0063】
次に、前景に対応するオブジェクトが移動し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合について説明する。
【0064】
図10は、前景に対応するオブジェクトが図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図10において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図10において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動する。
【0065】
図10において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、前景領域に属する。図10において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。図10において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0066】
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移動しているので、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に替わる。
【0067】
例えば、図10中に太線枠を付した画素値Mは、式(1)で表される。
【0068】
M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (1)
【0069】
例えば、左から5番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、3/4である。
【0070】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F07/vは、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0071】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F06/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0072】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vのに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F05/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0073】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F04/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0074】
動いているオブジェクトに対応する前景の領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも言える。
【0075】
図11は、前景が図中の右側に向かって移動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図11において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図11において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0076】
図11において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属する。図11において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバードバックグラウンドである混合領域に属する。図11において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0077】
背景に対応するオブジェクトを覆っていた前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分に替わる。
【0078】
例えば、図11中に太線枠を付した画素値M'は、式(2)で表される。
【0079】
M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (2)
【0080】
例えば、左から5番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、1/4である。
【0081】
式(1)および式(2)をより一般化すると、画素値Mは、式(3)で表される。
【0082】
【数1】
Figure 0004596224
ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であり、Fi/vは、前景の成分である。
【0083】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/vは、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、F01/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0084】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であるので、例えば、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F02/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0085】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0086】
図9乃至図11の説明において、仮想分割数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動き量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応するオブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数は、6とされる。
【0087】
図12および図13に、以上で説明した、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分および背景の成分との関係を示す。
【0088】
図12は、静止している背景の前を移動しているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す。図12に示す例において、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0089】
フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレームである。
【0090】
フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかから抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の画素値を時間方向に展開したモデルを図13に示す。
【0091】
前景領域の画素値は、前景に対応するオブジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応する、4つの異なる前景の成分から構成される。例えば、図13に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含んでいる。
【0092】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景に対応する光は変化しない。この場合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0093】
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから構成される。
【0094】
次に、オブジェクトに対応する画像が動いているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明する。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対して水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0095】
図14は、静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであり、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームである。他のフレームも同様に称する。
【0096】
図14に示すB01乃至B12の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1におけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フレーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0097】
図15は、静止している背景に対応するオブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図15に示すモデルは、カバードバックグラウンド領域を含む。
【0098】
図15において、前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮想分割数は、4である。
【0099】
例えば、図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0100】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0101】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0102】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B01/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B03/vとなる。
【0103】
図15中のフレーム#n-1において、最も左側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0104】
図15中のフレーム#n-1の左から5番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0105】
図15中のフレーム#nの左から1番目の画素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0106】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0107】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0108】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0109】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B05/vとなる。図15中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図15中のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B07/vとなる。
【0110】
図15中のフレーム#nにおいて、左側から6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0111】
図15中のフレーム#nの左から9番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B08乃至B11となる。
【0112】
図15中のフレーム#n+1の左から1番目の画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0113】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0114】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期間の前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0115】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0116】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B09/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B11/vとなる。
【0117】
図15中のフレーム#n+1において、左側から10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に対応する。
【0118】
図16は、図15に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0119】
図17は、静止している背景と共に図中の右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図17において、アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0120】
図17において、前景に対応するオブジェクトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定できる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているので、動き量vは、4である。
【0121】
例えば、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0122】
図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0123】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B25/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B27/vとなる。
【0124】
図17中のフレーム#n-1において、最も左側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0125】
図17中のフレーム#n-1の左から4番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレームの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0126】
図17中のフレーム#nの最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B28となる。
【0127】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0128】
図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0129】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B29/vとなる。図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vとなる。図17中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B31/vとなる。
【0130】
図17中のフレーム#nにおいて、左から5番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0131】
図17中のフレーム#nの左から8番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応する値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0132】
図17中のフレーム#n+1の最も左側の画素乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0133】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0134】
図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0135】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B34/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B35/vとなる。
【0136】
図17中のフレーム#n+1において、左から9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0137】
図17中のフレーム#n+1の左から12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F16/vのいずれかである。
【0138】
図18は、図17に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0139】
図2に戻り、領域特定部103は、複数のフレームの画素値を用いて、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域に属することを示すフラグを画素毎に対応付けて、領域情報として、混合比算出部104に供給する。
【0140】
混合比算出部104は、複数のフレームの画素値、および領域情報を基に、混合領域に含まれる画素について画素毎に混合比αを算出し、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0141】
前景背景分離部105は、複数のフレームの画素値、領域情報、および混合比αを基に、前景の成分のみからなる前景成分画像、および背景の成分のみからなる背景成分画像を抽出して、前景成分画像および背景成分画像を出力する。
【0142】
図19のフローチャートを参照して、画像処理装置による前景背景の分離の処理を説明する。ステップS11において、動き検出部102は、例えば、ブロックマッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシブ法などの手法により、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置情報を領域特定部103および混合比算出部104に供給する。
【0143】
ステップS12において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定の処理の詳細は、後述する。領域特定部103は、生成した領域情報を混合比算出部104に供給する。
【0144】
なお、ステップS12において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域(カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域の区別をしない)のいずれかに属するかを示す領域情報を生成するようにしてもよい。この場合において、前景背景分離部105は、動きベクトルの方向を基に、混合領域がカバードバックグラウンド領域であるか、またはアンカバードバックグラウンド領域であるかを判定する。例えば、動きベクトルの方向に対応して、前景領域、混合領域、および背景領域と順に並んでいるとき、その混合領域は、カバードバックグラウンド領域と判定され、動きベクトルの方向に対応して、背景領域、混合領域、および前景領域と順に並んでいるとき、その混合領域は、アンカバードバックグラウンド領域と判定される。
【0145】
ステップS13において、混合比算出部104は、動きベクトル、および領域情報を基に、混合領域に含まれる画素毎に、混合比αを算出する。混合比算出の処理の詳細は、後述する。混合比算出部104は、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0146】
ステップS14において、前景背景分離部105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分および背景の成分を抽出して、抽出した前景の成分を基に、前景成分画像を合成し、抽出した背景の成分を基に、背景成分画像を合成する。前景背景分離部105は、前景成分画像および背景成分画像を出力し、処理は終了する。前景背景の分離の処理の詳細については、後述する。
【0147】
このように、画像処理装置は、混合比αを算出して、算出した混合比αを基に、前景と背景とを分離することができる。
【0148】
以下、領域特定部103、混合比算出部104、および前景背景分離部105のそれぞれの構成について説明する。
【0149】
図20は、領域特定部103の構成の一例を示すブロック図である。図20に構成を示す領域特定部103は、動きベクトルを利用しない。フレームメモリ201は、入力された画像をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ201は、処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの2つ前のフレームであるフレーム#n-2、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、フレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1、およびフレーム#nの2つ後のフレームであるフレーム#n+2を記憶する。
【0150】
静動判定部202−1は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、読み出した画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−1は、フレーム#n+2の画素値とフレーム#n+1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、差の絶対値が閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−1に供給する。フレーム#n+2の画素の画素値とフレーム#n+1の画素の画素値との差の絶対値が閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−1は、静止を示す静動判定を領域判定部203−1に供給する。
【0151】
静動判定部202−2は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素の画素値、およびフレーム#nの対象となる画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−2は、フレーム#n+1の画素値とフレーム#nの画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−1および領域判定部203−2に供給する。フレーム#n+1の画素の画素値とフレーム#nの画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−2は、静止を示す静動判定を領域判定部203−1および領域判定部203−2に供給する。
【0152】
静動判定部202−3は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−3は、フレーム#nの画素値とフレーム#n-1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部203−3に供給する。フレーム#nの画素の画素値とフレーム#n-1の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−3は、静止を示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部203−3に供給する。
【0153】
静動判定部202−4は、フレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素の画素値、およびフレーム#nの領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-2の画素の画素値をフレームメモリ201から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部202−4は、フレーム#n-1の画素値とフレーム#n-2の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域判定部203−3に供給する。フレーム#n-1の画素の画素値とフレーム#n-2の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動判定部202−4は、静止を示す静動判定を領域判定部203−3に供給する。
【0154】
領域判定部203−1は、静動判定部202−1から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。
【0155】
領域判定部203−1は、静動判定部202−1から供給された静動判定が動きを示すか、または、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0156】
領域判定部203−1は、このように”1”または”0”が設定されたアンカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0157】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が静止領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定する。
【0158】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示すか、または、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が静止領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0159】
領域判定部203−2は、このように”1”または”0”が設定された静止領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0160】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が動き領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定する。
【0161】
領域判定部203−2は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静止を示すか、または、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素が動き領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0162】
領域判定部203−2は、このように”1”または”0”が設定された動き領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0163】
領域判定部203−3は、静動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静動判定部202−4から供給された静動判定が静止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。
【0164】
領域判定部203−3は、静動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示すか、または、静動判定部202−4から供給された静動判定が動きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象である画素がカバードバックグラウンド領域に属しないと判定し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0165】
領域判定部203−3は、このように”1”または”0”が設定されたカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0166】
判定フラグ格納フレームメモリ204は、領域判定部203−1から供給されたアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、領域判定部203−2から供給された静止領域判定フラグ、領域判定部203−2から供給された動き領域判定フラグ、および領域判定部203−3から供給されたカバードバックグラウンド領域判定フラグをそれぞれ記憶する。
【0167】
判定フラグ格納フレームメモリ204は、記憶しているアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを合成部205に供給する。合成部205は、判定フラグ格納フレームメモリ204から供給された、アンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを基に、各画素が、アンカバードバックグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情報を生成し、判定フラグ格納フレームメモリ206に供給する。
【0168】
判定フラグ格納フレームメモリ206は、合成部205から供給された領域情報を記憶すると共に、記憶している領域情報を出力する。
【0169】
次に、領域特定部103の処理の例を図21乃至図25を参照して説明する。
【0170】
前景に対応するオブジェクトが移動しているとき、オブジェクトに対応する画像の画面上の位置は、フレーム毎に変化する。図21に示すように、フレーム#nにおいて、Yn(x,y)で示される位置に位置するオブジェクトに対応する画像は、次のフレームであるフレーム#n+1において、Yn+1(x,y)に位置する。
【0171】
前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展開したモデル図を図22に示す。例えば、前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平であるとき、図22におけるモデル図は、1つのライン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを示す。
【0172】
図22において、フレーム#nにおけるラインは、フレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0173】
フレーム#nにおいて、左から2番目の画素乃至13番目の画素に含まれているオブジェクトに対応する前景の成分は、フレーム#n+1において、左から6番目乃至17番目の画素に含まれる。
【0174】
フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から6番目乃至8番目の画素である。
【0175】
図22に示す例において、フレーム#nに含まれる前景の成分が、フレーム#n+1において4画素移動しているので、動き量vは、4である。仮想分割数は、動き量vに対応し、4である。
【0176】
次に、注目しているフレームの前後における混合領域に属する画素の画素値の変化について説明する。
【0177】
図23に示す、背景が静止し、前景の動き量vが4であるフレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ前のフレーム#n-1において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。また、更に1つ前のフレーム#n-2において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。
【0178】
ここで、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n-1の左から15番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から15番目の画素の画素値から変化しない。同様に、フレーム#n-1の左から16番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から16番目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n-1の左から17番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から17番目の画素の画素値から変化しない。
【0179】
すなわち、フレーム#nにおけるカバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム#n-2の画素は、背景の成分のみから成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム#n-2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−4により、静止と判定される。
【0180】
フレーム#nにおけるカバードバックグラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレーム#n-1における背景の成分のみから成る場合と、画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素、および対応するフレーム#n-1の画素に対する静動判定は、静動判定部202−3により、動きと判定される。
【0181】
このように、領域判定部203−3は、静動判定部202−3から動きを示す静動判定の結果が供給され、静動判定部202−4から静止を示す静動判定の結果が供給されたとき、対応する画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0182】
図24に示す、背景が静止し、前景の動き量vが4であるフレーム#nにおいて、アンカバードバックグラウンド領域に含まれる画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ後のフレーム#n+1において、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。また、更に1つ後のフレーム#n+2において、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。
【0183】
ここで、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n+2の左から2番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値から変化しない。同様に、フレーム#n+2の左から3番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から3番目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n+2の左から4番目の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から4番目の画素の画素値から変化しない。
【0184】
すなわち、フレーム#nにおけるアンカバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフレーム#n+2の画素は、背景の成分のみから成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフレーム#n+2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−1により、静止と判定される。
【0185】
フレーム#nにおけるアンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレーム#n+1における背景の成分のみから成る場合と、画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属する画素、および対応するフレーム#n+1の画素に対する静動判定は、静動判定部202−2により、動きと判定される。
【0186】
このように、領域判定部203−1は、静動判定部202−2から動きを示す静動判定の結果が供給され、静動判定部202−1から静止を示す静動判定の結果が供給されたとき、対応する画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0187】
図25は、フレーム#nにおける領域特定部103の判定条件を示す図である。フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-2の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素とが静止と判定され、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが動きと判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0188】
フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが静止と判定され、フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素が静止領域に属すると判定する。
【0189】
フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フレーム#nの画素とが動きと判定され、フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素が動き領域に属すると判定する。
【0190】
フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定され、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0191】
図26は、領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。図26(A)において、カバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。図26(B)において、アンカバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
【0192】
図26(C)において、動き領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。図26(D)において、静止領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
【0193】
図27は、判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する領域情報の内、混合領域を示す領域情報を画像として示す図である。図27において、カバードバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定された画素、すなわち混合領域に属すると判定された画素は、白で表示されている。判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する混合領域を示す領域情報は、混合領域、および前景領域内のテクスチャの無い部分に囲まれたテクスチャの有る部分を示す。
【0194】
次に、図28のフローチャートを参照して、領域特定部103の領域特定の処理を説明する。ステップS201において、フレームメモリ201は、判定の対象となるフレーム#nを含むフレーム#n-2乃至フレーム#n+2の画像を取得する。
【0195】
ステップS202において、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された場合、ステップS203に進み、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止か否かを判定する。
【0196】
ステップS203において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、ステップS204に進み、領域判定部203−2は、領域の判定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−2は、静止領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS205に進む。
【0197】
ステップS202において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定された場合、または、ステップS203において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、フレーム#nの画素が静止領域には属さないので、ステップS204の処理はスキップされ、手続きは、ステップS205に進む。
【0198】
ステップS205において、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された場合、ステップS206に進み、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きか否かを判定する。
【0199】
ステップS206において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、ステップS207に進み、領域判定部203−2は、領域の判定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−2は、動き領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS208に進む。
【0200】
ステップS205において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定された場合、または、ステップS206において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、フレーム#nの画素が動き領域には属さないので、ステップS207の処理はスキップされ、手続きは、ステップS208に進む。
【0201】
ステップS208において、静動判定部202−4は、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された場合、ステップS209に進み、静動判定部202−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きか否かを判定する。
【0202】
ステップS209において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定された場合、ステップS210に進み、領域判定部203−3は、領域の判定される画素に対応するカバードバックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−3は、カバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS211に進む。
【0203】
ステップS208において、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、または、ステップS209において、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定された場合、フレーム#nの画素がカバードバックグラウンド領域には属さないので、ステップS210の処理はスキップされ、手続きは、ステップS211に進む。
【0204】
ステップS211において、静動判定部202−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された場合、ステップS212に進み、静動判定部202−1は、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止か否かを判定する。
【0205】
ステップS212において、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、ステップS213に進み、領域判定部203−1は、領域の判定される画素に対応するアンカバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域判定部203−1は、アンカバードバックグラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続きは、ステップS214に進む。
【0206】
ステップS211において、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定された場合、または、ステップS212において、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、動きと判定された場合、フレーム#nの画素がアンカバードバックグラウンド領域には属さないので、ステップS213の処理はスキップされ、手続きは、ステップS214に進む。
【0207】
ステップS214において、領域特定部103は、フレーム#nの全ての画素について領域を特定したか否かを判定し、フレーム#nの全ての画素について領域を特定していないと判定された場合、手続きは、ステップS202に戻り、他の画素について、領域特定の処理を繰り返す。
【0208】
ステップS214において、フレーム#nの全ての画素について領域を特定したと判定された場合、ステップS215に進み、合成部205は、判定フラグ格納フレームメモリ204に記憶されているアンカバードバックグラウンド領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定フラグを基に、混合領域を示す領域情報を生成し、更に、各画素が、アンカバードバックグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情報を生成し、生成した領域情報を判定フラグ格納フレームメモリ206に設定し、処理は終了する。
【0209】
このように、領域特定部103は、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、またはカバードバックグラウンド領域に属することを示す領域情報を生成することができる。
【0210】
なお、領域特定部103は、アンカバードバックグラウンド領域およびカバードバックグラウンド領域に対応する領域情報に論理和を適用することにより、混合領域に対応する領域情報を生成して、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、または混合領域に属することを示すフラグから成る領域情報を生成するようにしてもよい。
【0211】
前景に対応するオブジェクトがテクスチャを有す場合、領域特定部103は、より正確に動き領域を特定することができる。
【0212】
領域特定部103は、動き領域を示す領域情報を前景領域を示す領域情報として、また、静止領域を示す領域情報を背景領域を示す領域情報として出力することができる。
【0213】
なお、背景に対応するオブジェクトが静止しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が動きを含んでいても上述した領域を特定する処理を適用することができる。例えば、背景領域に対応する画像が一様に動いているとき、領域特定部103は、この動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んでいるとき、領域特定部103は、動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行する。
【0214】
図29は、領域特定部103の構成の他の一例を示すブロック図である。図29に示す領域特定部103は、動きベクトルを使用しない。背景画像生成部301は、入力画像に対応する背景画像を生成し、生成した背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給する。背景画像生成部301は、例えば、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを抽出して、背景画像を生成する。
【0215】
前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展開したモデル図の例を図30に示す。例えば、前景のオブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平であるとき、図30におけるモデル図は、1つのライン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを示す。
【0216】
図30において、フレーム#nにおけるラインは、フレーム#n-1およびフレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0217】
フレーム#nにおいて、左から6番目の画素乃至17番目の画素に含まれているオブジェクトに対応する前景の成分は、フレーム#n-1において、左から2番目乃至13番目の画素に含まれ、フレーム#n+1において、左から10番目乃至21番目の画素に含まれる。
【0218】
フレーム#n-1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から6番目乃至8番目の画素である。フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から19番目乃至21番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から10番目乃至12番目の画素である。
【0219】
フレーム#n-1において、背景領域に属する画素は、左から1番目の画素、および左から14番目乃至21番目の画素である。フレーム#nにおいて、背景領域に属する画素は、左から1番目乃至5番目の画素、および左から18番目乃至21番目の画素である。フレーム#n+1において、背景領域に属する画素は、左から1番目乃至9番目の画素である。
【0220】
背景画像生成部301が生成する、図30の例に対応する背景画像の例を図31に示す。背景画像は、背景のオブジェクトに対応する画素から構成され、前景のオブジェクトに対応する画像の成分を含まない。
【0221】
2値オブジェクト画像抽出部302は、背景画像および入力画像の相関を基に、2値オブジェクト画像を生成し、生成した2値オブジェクト画像を時間変化検出部303に供給する。
【0222】
図32は、2値オブジェクト画像抽出部302の構成を示すブロック図である。相関値演算部321は、背景画像生成部301から供給された背景画像および入力画像の相関を演算し、相関値を生成して、生成した相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0223】
相関値演算部321は、例えば、図33(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背景画像の中のブロックと、図33(B)に示すように、背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3の入力画像の中のブロックに、式(4)を適用して、Y4に対応する相関値を算出する。
【0224】
【数2】
Figure 0004596224
【数3】
Figure 0004596224
【数4】
Figure 0004596224
【0225】
相関値演算部321は、このように各画素に対応して算出された相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0226】
また、相関値演算部321は、例えば、図34(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背景画像の中のブロックと、図34(B)に示すように、背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3の入力画像の中のブロックに、式(7)を適用して、Y4に対応する差分絶対値を算出するようにしてもよい。
【0227】
【数5】
Figure 0004596224
【0228】
相関値演算部321は、このように算出された差分絶対値を相関値として、しきい値処理部322に供給する。
【0229】
しきい値処理部322は、相関画像の画素値としきい値th0とを比較して、相関値がしきい値th0以下である場合、2値オブジェクト画像の画素値に1を設定し、相関値がしきい値th0より大きい場合、2値オブジェクト画像の画素値に0を設定して、0または1が画素値に設定された2値オブジェクト画像を出力する。しきい値処理部322は、しきい値th0を予め記憶するようにしてもよく、または、外部から入力されたしきい値th0を使用するようにしてもよい。
【0230】
図35は、図30に示す入力画像のモデルに対応する2値オブジェクト画像の例を示す図である。2値オブジェクト画像において、背景画像と相関の高い画素には、画素値に0が設定される。
【0231】
図36は、時間変化検出部303の構成を示すブロック図である。フレームメモリ341は、フレーム#nの画素について領域を判定するとき、2値オブジェクト画像抽出部302から供給された、フレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を記憶する。
【0232】
領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を基に、フレーム#nの各画素について領域を判定して、領域情報を生成し、生成した領域情報を出力する。
【0233】
図37は、領域判定部342の判定を説明する図である。フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が背景領域に属すると判定する。
【0234】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェクト画像の対応する画素が1であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が前景領域に属すると判定する。
【0235】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0236】
フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目している画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェクト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部342は、フレーム#nの注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0237】
図38は、図30に示す入力画像のモデルに対応する2値オブジェクト画像について、時間変化検出部303の判定した例を示す図である。時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、フレーム#nの左から1番目乃至5番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0238】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素が0なので、左から6番目乃至9番目の画素をアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0239】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素が1なので、左から10番目乃至13番目の画素を前景領域に属すると判定する。
【0240】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の対応する画素が0なので、左から14番目乃至17番目の画素をカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0241】
時間変化検出部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、左から18番目乃至21番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0242】
次に、図39のフローチャートを参照して、領域判定部103の領域特定の処理を説明する。ステップS301において、領域判定部103の背景画像生成部301は、入力画像を基に、例えば、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを抽出して背景画像を生成し、生成した背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給する。
【0243】
ステップS302において、2値オブジェクト画像抽出部302は、例えば、図33を参照して説明した演算により、入力画像と背景画像生成部301から供給された背景画像との相関値を演算する。ステップS303において、2値オブジェクト画像抽出部302は、例えば、相関値としきい値th0とを比較することにより、相関値およびしきい値th0から2値オブジェクト画像を演算する。
【0244】
ステップS304において、時間変化検出部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了する。
【0245】
図40のフローチャートを参照して、ステップS304に対応する領域判定の処理の詳細を説明する。ステップS321において、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であると判定された場合、ステップS322に進み、フレーム#nの注目する画素が背景領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0246】
ステップS321において、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であると判定された場合、ステップS323に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0であると判定された場合、ステップS324に進み、フレーム#nの注目する画素がカバードバックグラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0247】
ステップS323において、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#n-1において、対応する画素が1であると判定された場合、ステップS325に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶されているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0であるか否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0であると判定された場合、ステップS326に進み、フレーム#nの注目する画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0248】
ステップS325において、フレーム#nにおいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#n+1において、対応する画素が1であると判定された場合、ステップS327に進み、時間変化検出部303の領域判定部342は、フレーム#nの注目する画素を前景領域と設定して、処理は終了する。
【0249】
このように、領域特定部103は、入力された画像と対応する背景画像との相関値を基に、入力画像の画素が前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを特定して、特定した結果に対応する領域情報を生成することができる。
【0250】
図41は、領域特定部103の他の構成を示すブロック図である。図41に示す領域特定部103は、動き検出部102から供給される動きベクトルとその位置情報を使用する。図29に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0251】
ロバスト化部361は、2値オブジェクト画像抽出部302から供給された、N個のフレームの2値オブジェクト画像を基に、ロバスト化された2値オブジェクト画像を生成して、時間変化検出部303に出力する。
【0252】
図42は、ロバスト化部361の構成を説明するブロック図である。動き補償部381は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、N個のフレームの2値オブジェクト画像の動きを補償して、動きが補償された2値オブジェクト画像をスイッチ382に出力する。
【0253】
図43および図44の例を参照して、動き補償部381の動き補償について説明する。例えば、フレーム#nの領域を判定するとき、図43に例を示すフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像が入力された場合、動き補償部381は、動き検出部102から供給された動きベクトルを基に、図44に例を示すように、フレーム#n-1の2値オブジェクト画像、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像を動き補償して、動き補償された2値オブジェクト画像をスイッチ382に供給する。
【0254】
スイッチ382は、1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−1に出力し、2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−2に出力する。同様に、スイッチ382は、3番目乃至N−1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像のそれぞれをフレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のいずれかに出力し、N番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−Nに出力する。
【0255】
フレームメモリ383−1は、1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−1に出力する。フレームメモリ383−2は、2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−2に出力する。
【0256】
同様に、フレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のそれぞれは、3番目のフレーム乃至N−1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像のいずれかを記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−3乃至重み付け部384−(N−1)のいずれかに出力する。フレームメモリ383−Nは、N番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部384−Nに出力する。
【0257】
重み付け部384−1は、フレームメモリ383−1から供給された1番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw1を乗じて、積算部385に供給する。重み付け部384−2は、フレームメモリ383−2から供給された2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw2を乗じて、積算部385に供給する。
【0258】
同様に、重み付け部384−3乃至重み付け部384−(N−1)のそれぞれは、フレームメモリ383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のいずれかから供給された3番目乃至N−1番目のいずれかのフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みw3乃至重みw(N-1)のいずれかを乗じて、積算部385に供給する。重み付け部384−Nは、フレームメモリ383−Nから供給されたN番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重みwNを乗じて、積算部385に供給する。
【0259】
積算部385は、1乃至N番目のフレームの動き補償され、それぞれ重みw1乃至wNのいずれかが乗じられた、2値オブジェクト画像の対応する画素値を積算して、積算された画素値を予め定めたしきい値th0と比較することにより2値オブジェクト画像を生成する。
【0260】
このように、ロバスト化部361は、N個の2値オブジェクト画像からロバスト化された2値オブジェト画像を生成して、時間変化検出部303に供給するので、図41に構成を示す領域特定部103は、入力画像にノイズが含まれていても、図29に示す場合に比較して、より正確に領域を特定することができる。
【0261】
次に、図41に構成を示す領域特定部103の領域特定の処理について、図45のフローチャートを参照して説明する。ステップS341乃至ステップS343の処理は、図39のフローチャートで説明したステップS301乃至ステップS303とそれぞれ同様なのでその説明は省略する。
【0262】
ステップS344において、ロバスト化部361は、ロバスト化の処理を実行する。
【0263】
ステップS345において、時間変化検出部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了する。ステップS345の処理の詳細は、図40のフローチャートを参照して説明した処理と同様なのでその説明は省略する。
【0264】
次に、図46のフローチャートを参照して、図45のステップS344の処理に対応する、ロバスト化の処理の詳細について説明する。ステップS361において、動き補償部381は、動き検出部102から供給される動きベクトルとその位置情報を基に、入力された2値オブジェクト画像の動き補償の処理を実行する。ステップS362において、フレームメモリ383−1乃至383−Nのいずれかは、スイッチ382を介して供給された動き補償された2値オブジェクト画像を記憶する。
【0265】
ステップS363において、ロバスト化部361は、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたか否かを判定し、N個の2値オブジェクト画像が記憶されていないと判定された場合、ステップS361に戻り、2値オブジェクト画像の動き補償の処理および2値オブジェクト画像の記憶の処理を繰り返す。
【0266】
ステップS363において、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたと判定された場合、ステップS364に進み、重み付け部384−1乃至384−Nのそれぞれは、N個の2値オブジェクト画像のそれぞれにw1乃至wNのいずれかの重みを乗じて、重み付けする。
【0267】
ステップS365において、積算部385は、重み付けされたN個の2値オブジェクト画像を積算する。
【0268】
ステップS366において、積算部385は、例えば、予め定められたしきい値th1との比較などにより、積算された画像から2値オブジェクト画像を生成して、処理は終了する。
【0269】
このように、図41に構成を示す領域特定部103は、ロバスト化された2値オブジェクト画像を基に、領域情報を生成することができる。
【0270】
以上のように、領域特定部103は、フレームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、またはカバードバックグラウンド領域に属することを示す領域情報を生成することができる。
【0271】
図47は、混合比算出部104の構成を示すブロック図である。混合領域幅検出部401は、領域特定部103から供給された領域情報、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、画素間隔を単位として、注目している画素が属する混合領域の幅を検出する。混合領域幅検出部401は、検出した幅を混合領域幅情報として、直線当てはめ部402に供給する。
【0272】
直線当てはめ部402は、混合領域幅検出部401から供給された混合領域幅情報、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、混合領域の幅と、注目している画素から混合領域の端部に位置する画素までの距離との比を算出する。直線当てはめ部402は、混合領域の幅と、注目している画素から混合領域の端部に位置する画素までの距離との比を基に、注目している画素の混合比αを算出する。
【0273】
前景に対応するオブジェクトがシャッタ時間内に等速で動いていると仮定できるので、混合領域に属する画素の混合比αは、以下の性質を有する。すなわち、混合比αは、画素の位置の変化に対応して、直線的に変化する。画素の位置の変化を1次元とすれば、混合比αの変化は、直線で表現することができ、画素の位置の変化を2次元とすれば、混合比αの変化は、平面で表現することができる。
【0274】
なお、1フレームの期間は短いので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定が成り立つ。
【0275】
この場合、混合比αの傾きは、前景のシャッタ時間内での動き量vの逆比となる。
【0276】
理想的な混合比αの例を図48に示す。理想的な混合比αの混合領域における傾きlは、動き量vの逆数として表すことができる。
【0277】
図48に示すように、理想的な混合比αは、背景領域において、1の値を有し、前景領域において、0の値を有し、混合領域において、0を越え1未満の値を有する。
【0278】
図49乃至図53を参照して、混合比算出部104の処理を説明する。
【0279】
図49は、動き量vが4である、カバードバックグラウンド領域を含む画像に対応する、画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【0280】
フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属する注目している画素の画素値Mx、対応する位置のフレーム#nより前のフレーム#n-1の背景領域に属する画素の画素値Bx、および注目している画素の混合比αxとの関係は、式(8)で表すことができる。
【0281】
Mx=αx・Bx+fx (8)
xは、動き方向に沿った座標軸xにおける位置を示す。fxは、注目している画素の画素値に含まれる前景の成分の和を示す。
【0282】
図50は、動き量vが4である、アンカバードバックグラウンド領域を含む画像に対応する、画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【0283】
同様に、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属する注目している画素の画素値Mx、対応する位置のフレーム#nより後のフレーム#n+1の背景領域に属する画素の画素値Bx、および注目している画素の混合比αxとの関係は、式(8)で表すことができる。
【0284】
図49および図50に示すように、動き量をvとしたとき、前景のオブジェクトの動きの方向に沿った混合領域の幅は、動き量vから1を減算して、求めることができる。
【0285】
例えば、図49において、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から6番目の画素乃至8番目の画素であり、カバードバックグラウンド領域の幅は、画素間隔を単位として、3である。図49において、動き量vは4であり、カバードバックグラウンド領域の幅は、動き量vから1を減算した結果に等しい。
【0286】
図50において、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左から5番目の画素乃至7番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域の幅は、画素間隔を単位として、3である。図50において、動き量vは4であり、アンカバードバックグラウンド領域の幅は、動き量vから1を減算した結果に等しい。
【0287】
動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素(動きベクトルの先側の画素)の混合比αは、式(9)で求められる。
【0288】
α=(v-1)/v (9)
【0289】
例えば、図51に示す、フレーム#nの左から4番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、3/4である。
【0290】
動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素から2番目の画素の混合比αは、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素の混合比αから1/vを減算することにより求めることができる。
【0291】
例えば、図51に示す、フレーム#nの左から3番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、1/2であり、フレーム#nの左から4番目の画素の混合比αから1/4を減算した値に等しい。
【0292】
同様に、動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素から3番目の画素の混合比αは、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素の混合比αから2/vを減算することにより求めることができる。
【0293】
例えば、図51に示す、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、1/4であり、フレーム#nの左から4番目の画素の混合比αから1/2を減算した値に等しい。
【0294】
従って、背景領域に属する画素と隣接する画素からの距離がxである、カバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する混合比αxは、式(10)に示すように、距離xを基に、算出できる。
【0295】
αx=(v-1)/v-x・(1/v) (10)
【0296】
同様に、動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素(動きベクトルの元側の画素)の混合比αは、式(11)で求められる。
【0297】
α=(v-1)/v (11)
【0298】
例えば、図52に示す、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、3/4である。
【0299】
動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素から2番目の画素の混合比αは、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素の混合比αから1/vを減算することにより求めることができる。
【0300】
例えば、図52に示す、フレーム#nの左から3番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、1/2であり、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比αから1/4を減算した値に等しい。
【0301】
同様に、動き量をvとしたとき、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素から3番目の画素の混合比αは、動きベクトルの方向に沿った直線上の画素であって、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に属し、背景領域に属する画素と隣接する画素の混合比αから2/vを減算することにより求めることができる。
【0302】
例えば、図52に示す、フレーム#nの左から4番目の画素の混合比αは、動き量vが4であるとき、1/4であり、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比αから1/2を減算した値に等しい。
【0303】
従って、背景領域に属する画素と隣接する画素からの距離がxである、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素に対応する混合比αxは、式(12)に示すように、距離xを基に、算出できる。
【0304】
αx=(v-1)/v-x・(1/v) (12)
【0305】
一般に、シャッタ時間は、十分に短いので、シャッタ時間内に前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができるので、動き方向に沿った直線上で、混合領域における混合比が直線的に変化するという仮定が成立する。
【0306】
従って、以上で説明した混合比αの算出方法により、十分精度の高い混合比を算出することができる。
【0307】
図53は、画像における、混合比αの算出の処理を説明する図である。
【0308】
動き量がvであって、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属する画素であるとき、動き方向に沿った直線上の、動き方向の元の画素の混合比αは、1/vとされ、動き方向に沿った直線上の、動き方向の先の画素の混合比αは、(v-1)/vとされる。動き方向に沿った直線上の、動き方向の先の画素および動き方向の元の画素の間の画素の混合比αは、1/vを傾きとして、線形式により算出される(比例計算による算出される)。
【0309】
例えば、動き量vが6であって、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属する画素であるとき、動き方向に沿った直線上の、動き方向の先の画素の混合比α5は、5/6とされ、動き方向に沿った直線上の、動き方向の元の画素の混合比α1は、1/6とされる。
【0310】
動き方向の先の画素および動き方向の元の画素の間の画素の混合比α2、α3、およびα4は、1/vを傾きとし、画素位置に対応して線形に算出され、それぞれ、2/6、3/6、4/6とされる。
【0311】
一方、動き量がvであって、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する画素であるとき、動き方向に沿った直線上の、動き方向の先の画素の混合比αは、1/vとされ、動き方向に沿った直線上の、動き方向の元の画素の混合比αは、(v-1)/vとされ、動き方向に沿った直線上の、動き方向の先の画素および動き方向の元の画素の間の画素の混合比αは、線形式により算出される(比例計算による算出される)。
【0312】
次に、混合比算出部104による、混合比αの算出の処理を図54のフローチャートを参照して説明する。
【0313】
ステップS401において、混合比幅検出部401は、領域特定部103から供給された領域情報を取得する。ステップS402において、混合比幅検出部401および直線当てはめ部402は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を取得する。
【0314】
ステップS403において、直線当てはめ部402は、注目画素を選択する。ステップS404において、直線当てはめ部402は、領域情報を基に、注目画素が前景領域に属するか否かを判定し、注目画素が前景領域に属すると判定された場合、ステップS405に進み、混合比αに0を設定し、ステップS409に進む。
【0315】
ステップS404において、注目画素が前景領域に属しないと判定された場合、ステップS406に進み、直線当てはめ部402は、領域情報を基に、注目画素が背景領域に属するか否かを判定し、注目画素が背景領域に属すると判定された場合、ステップS407に進み、混合比αに1を設定し、ステップS409に進む。
【0316】
ステップS406において、注目画素が背景領域に属しないと判定された場合、ステップS408に進み、直線当てはめ部402は、混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を実行し、処理は、ステップS409に進む。混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理の詳細は、後述する。
【0317】
ステップS409において、直線当てはめ部402は、注目画素に対応させて、算出された混合比αを記憶する。
【0318】
ステップS410において、直線当てはめ部402は、フレーム全体について混合比αを算出したか否かを判定し、フレーム全体について混合比αを算出していないと判定された場合、ステップS403に戻り、他の注目画素を選択し、混合比αの算出の処理を繰り返す。
【0319】
ステップS410において、フレーム全体について混合比αを算出したと判定された場合、ステップS411に進み、直線当てはめ部402は、混合比αを出力して、処理は終了する。
【0320】
図55のフローチャートを参照して、混合領域幅検出部401および直線当てはめ部402が実行する、ステップS408の処理に対応する、混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を説明する。
【0321】
ステップS421において、混合領域幅検出部401は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、動きベクトルの動きの方向に沿って、混合領域の幅を求める。混合領域幅検出部401は、混合領域の幅を混合領域幅情報として、直線当てはめ部402に供給する。混合領域幅検出部401は、動きベクトルの大きさを基に、混合領域の幅を算出するようにしてもよい。
【0322】
ステップS422において、直線当てはめ部402は、動きベクトルの動き方向に沿って、注目画素から、混合領域の端までの距離を求める。
【0323】
ステップS423において、直線当てはめ部402は、動きベクトルの動き方向とは反対の方向に沿って、注目画素から、混合領域の端までの距離を求める。
【0324】
ステップS424において、直線当てはめ部402は、領域情報、および混合領域の幅と、注目画素から、混合領域の端までの距離との比を基に、混合比αを算出して、処理は終了する。
【0325】
例えば、直線当てはめ部402は、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属するとき、混合領域の幅と、動きベクトルの動きの方向に沿った、混合領域の端までの距離との比を基に、式(10)に示す演算により、混合比αを算出する。
【0326】
例えば、直線当てはめ部402は、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属するとき、混合領域の幅と、動きベクトルの動き方向とは反対の方向に沿った、混合領域の端までの距離との比を基に、式(12)に示す演算により、混合比αを算出する。
【0327】
このように、混合比算出部102は、領域特定部103から供給された領域情報、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出することができる。
【0328】
混合比αを利用することにより、動いているオブジェクトに対応する画像に含まれる動きボケの情報を残したままで、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを分離することが可能になる。
【0329】
また、混合比αに基づいて画像を合成すれば、実世界を実際に撮影し直したような動いているオブジェクトのスピードに合わせた正しい動きボケを含む画像を作ることが可能になる。
【0330】
次に、前景背景分離部105について説明する。図56は、前景背景分離部105の構成の一例を示すブロック図である。前景背景分離部105に供給された入力画像は、分離部601、スイッチ602、およびスイッチ604に供給される。カバードバックグラウンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウンド領域を示す、領域特定部103から供給された領域情報は、分離部601に供給される。前景領域を示す領域情報は、スイッチ602に供給される。背景領域を示す領域情報は、スイッチ604に供給される。
【0331】
混合比算出部104から供給された混合比αは、分離部601に供給される。
【0332】
分離部601は、カバードバックグラウンド領域を示す領域情報、アンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分を分離して、分離した前景の成分を合成部603に供給するとともに、入力画像から背景の成分を分離して、分離した背景の成分を合成部605に供給する。
【0333】
スイッチ602は、前景領域を示す領域情報を基に、前景に対応する画素が入力されたとき、閉じられ、入力画像に含まれる前景に対応する画素のみを合成部603に供給する。
【0334】
スイッチ604は、背景領域を示す領域情報を基に、背景に対応する画素が入力されたとき、閉じられ、入力画像に含まれる背景に対応する画素のみを合成部605に供給する。
【0335】
合成部603は、分離部601から供給された前景に対応する成分、スイッチ602から供給された前景に対応する画素を基に、前景成分画像を合成し、合成した前景成分画像を出力する。前景領域と混合領域とは重複しないので、合成部603は、例えば、前景に対応する成分と、前景に対応する画素とに論理和の演算を適用して、前景成分画像を合成する。
【0336】
合成部603は、前景成分画像の合成の処理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵しているフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格納し、前景成分画像の合成の処理において、前景成分画像を格納(上書き)する。従って、合成部603が出力する前景成分画像の内、背景領域に対応する画素には、画素値として0が格納されている。
【0337】
合成部605は、分離部601から供給された背景に対応する成分、スイッチ604から供給された背景に対応する画素を基に、背景成分画像を合成して、合成した背景成分画像を出力する。背景領域と混合領域とは重複しないので、合成部605は、例えば、背景に対応する成分と、背景に対応する画素とに論理和の演算を適用して、背景成分画像を合成する。
【0338】
合成部605は、背景成分画像の合成の処理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵しているフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格納し、背景成分画像の合成の処理において、背景成分画像を格納(上書き)する。従って、合成部605が出力する背景成分画像の内、前景領域に対応する画素には、画素値として0が格納されている。
【0339】
図57は、前景背景分離部105に入力される入力画像、並びに前景背景分離部105から出力される前景成分画像および背景成分画像を示す図である。
【0340】
図57(A)は、表示される画像の模式図であり、図57(B)は、図57(A)に対応する前景領域に属する画素、背景領域に属する画素、および混合領域に属する画素を含む1ラインの画素を時間方向に展開したモデル図を示す。
【0341】
図57(A)および図57(B)に示すように、前景背景分離部105から出力される背景成分画像は、背景領域に属する画素、および混合領域の画素に含まれる背景の成分から構成される。
【0342】
図57(A)および図57(B)に示すように、前景背景分離部105から出力される前景成分画像は、前景領域に属する画素、および混合領域の画素に含まれる前景の成分から構成される。
【0343】
混合領域の画素の画素値は、前景背景分離部105により、背景の成分と、前景の成分とに分離される。分離された背景の成分は、背景領域に属する画素と共に、背景成分画像を構成する。分離された前景の成分は、前景領域に属する画素と共に、前景成分画像を構成する。
【0344】
このように、前景成分画像は、背景領域に対応する画素の画素値が0とされ、前景領域に対応する画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が設定される。同様に、背景成分画像は、前景領域に対応する画素の画素値が0とされ、背景領域に対応する画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が設定される。
【0345】
次に、分離部601が実行する、混合領域に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離する処理について説明する。
【0346】
図58は、図中の左から右に移動するオブジェクトに対応する前景を含む、2つのフレームの前景の成分および背景の成分を示す画像のモデルである。図58に示す画像のモデルにおいて、前景の動き量vは4であり、仮想分割数は、4とされている。
【0347】
フレーム#nにおいて、最も左の画素、および左から14番目乃至18番目の画素は、背景の成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#nにおいて、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにおいて、左から11番目乃至13番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにおいて、左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0348】
フレーム#n+1において、左から1番目乃至5番目の画素、および左から18番目の画素は、背景の成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#n+1において、左から6番目乃至8番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#n+1において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#n+1において、左から9番目乃至14番目の画素は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0349】
図59は、カバードバックグラウンド領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する図である。図59において、α1乃至α18は、フレーム#nにおける画素のそれぞれに対応する混合比である。図59において、左から15番目乃至17番目の画素は、カバードバックグラウンド領域に属する。
【0350】
フレーム#nの左から15番目の画素の画素値C15は、式(13)で表される。
【0351】
Figure 0004596224
ここで、α15は、フレーム#nの左から15番目の画素の混合比である。P15は、フレーム#n-1の左から15番目の画素の画素値である。
【0352】
式(13)を基に、フレーム#nの左から15番目の画素の前景の成分の和f15は、式(14)で表される。
【0353】
Figure 0004596224
【0354】
同様に、フレーム#nの左から16番目の画素の前景の成分の和f16は、式(15)で表され、フレーム#nの左から17番目の画素の前景の成分の和f17は、式(16)で表される。
【0355】
f16=C16-α16・P16 (15)
f17=C17-α17・P17 (16)
【0356】
このように、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fcは、式(17)で計算される。
【0357】
fc=C-α・P (17)
Pは、1つ前のフレームの、対応する画素の画素値である。
【0358】
図60は、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する図である。図60において、α1乃至α18は、フレーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。図60において、左から2番目乃至4番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域に属する。
【0359】
フレーム#nの左から2番目の画素の画素値C02は、式(18)で表される。
【0360】
Figure 0004596224
ここで、α2は、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比である。N02は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値である。
【0361】
式(18)を基に、フレーム#nの左から2番目の画素の前景の成分の和f02は、式(19)で表される。
【0362】
Figure 0004596224
【0363】
同様に、フレーム#nの左から3番目の画素の前景の成分の和f03は、式(20)で表され、フレーム#nの左から4番目の画素の前景の成分の和f04は、式(21)で表される。
【0364】
f03=C03-α3・N03 (20)
f04=C04-α4・N04 (21)
【0365】
このように、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fuは、式(22)で計算される。
【0366】
fu=C-α・N (22)
Nは、1つ後のフレームの、対応する画素の画素値である。
【0367】
このように、分離部601は、領域情報に含まれる、カバードバックグラウンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウンド領域を示す情報、並びに画素毎の混合比αを基に、混合領域に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離することができる。
【0368】
図61は、以上で説明した処理を実行する分離部601の構成の一例を示すブロック図である。分離部601に入力された画像は、フレームメモリ621に供給され、混合比算出部104から供給されたカバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αは、分離処理ブロック622に入力される。
【0369】
フレームメモリ621は、入力された画像をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ621は、処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1を記憶する。
【0370】
フレームメモリ621は、フレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素を分離処理ブロック622に供給する。
【0371】
分離処理ブロック622は、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αを基に、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素の画素値に図59および図60を参照して説明した演算を適用して、フレーム#nの混合領域に属する画素から前景の成分および背景の成分を分離して、フレームメモリ623に供給する。
【0372】
分離処理ブロック622は、アンカバード領域処理部631、カバード領域処理部632、合成部633、および合成部634で構成されている。
【0373】
アンカバード領域処理部631の乗算器641は、混合比αを、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n+1の画素の画素値に乗じて、スイッチ642に出力する。スイッチ642は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n+1の画素に対応する)がアンカバードバックグラウンド領域であるとき、閉じられ、乗算器641から供給された混合比αを乗じた画素値を演算器643および合成部634に供給する。スイッチ642から出力されるフレーム#n+1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0374】
演算器643は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ642から供給された背景の成分を減じて、前景の成分を求める。演算器643は、アンカバードバックグラウンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部633に供給する。
【0375】
カバード領域処理部632の乗算器651は、混合比αを、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n-1の画素の画素値に乗じて、スイッチ652に出力する。スイッチ652は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n-1の画素に対応する)がカバードバックグラウンド領域であるとき、閉じられ、乗算器651から供給された混合比αを乗じた画素値を演算器653および合成部634に供給する。スイッチ652から出力されるフレーム#n-1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0376】
演算器653は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ652から供給された背景の成分を減じて、前景の成分を求める。演算器653は、カバードバックグラウンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部633に供給する。
【0377】
合成部633は、フレーム#nの、演算器643から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分、および演算器653から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分を合成して、フレームメモリ623に供給する。
【0378】
合成部634は、フレーム#nの、スイッチ642から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分、およびスイッチ652から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分を合成して、フレームメモリ623に供給する。
【0379】
フレームメモリ623は、分離処理ブロック622から供給された、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、背景の成分とをそれぞれに記憶する。
【0380】
フレームメモリ623は、記憶しているフレーム#nの混合領域の画素の前景の成分、および記憶しているフレーム#nの混合領域の画素の背景の成分を出力する。
【0381】
特徴量である混合比αを利用することにより、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを完全に分離することが可能になる。
【0382】
合成部603は、分離部601から出力された、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、前景領域に属する画素とを合成して前景成分画像を生成する。合成部605は、分離部601から出力された、フレーム#nの混合領域の画素の背景の成分と、背景領域に属する画素とを合成して背景成分画像を生成する。
【0383】
図62は、図58のフレーム#nに対応する、前景成分画像の例と、背景成分画像の例を示す図である。
【0384】
図62(A)は、図58のフレーム#nに対応する、前景成分画像の例を示す。最も左の画素、および左から14番目の画素は、前景と背景が分離される前において、背景の成分のみから成っていたので、画素値が0とされる。
【0385】
左から2番目乃至4番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、アンカバードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カバードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成分がそのまま残されている。左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成るので、そのまま残される。
【0386】
図62(B)は、図58のフレーム#nに対応する、背景成分画像の例を示す。最も左の画素、および左から14番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、背景の成分のみから成っていたので、そのまま残される。
【0387】
左から2番目乃至4番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、アンカバードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カバードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成分がそのまま残されている。左から5番目乃至10番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、前景の成分のみから成っていたので、画素値が0とされる。
【0388】
次に、図63に示すフローチャートを参照して、前景背景分離部105による前景と背景との分離の処理を説明する。ステップS601において、分離部601のフレームメモリ621は、入力画像を取得し、前景と背景との分離の対象となるフレーム#nを、その前のフレーム#n-1およびその後のフレーム#n+1と共に記憶する。
【0389】
ステップS602において、分離部601の分離処理ブロック622は、混合比算出部104から供給された領域情報を取得する。ステップS603において、分離部601の分離処理ブロック622は、混合比算出部104から供給された混合比αを取得する。
【0390】
ステップS604において、アンカバード領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽出する。
【0391】
ステップS605において、アンカバード領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽出する。
【0392】
ステップS606において、カバード領域処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽出する。
【0393】
ステップS607において、カバード領域処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽出する。
【0394】
ステップS608において、合成部633は、ステップS605の処理で抽出されたアンカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分と、ステップS607の処理で抽出されたカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分とを合成する。合成された前景の成分は、合成部603に供給される。更に、合成部603は、スイッチ602を介して供給された前景領域に属する画素と、分離部601から供給された前景の成分とを合成して、前景成分画像を生成する。
【0395】
ステップS609において、合成部634は、ステップS604の処理で抽出されたアンカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分と、ステップS606の処理で抽出されたカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分とを合成する。合成された背景の成分は、合成部605に供給される。更に、合成部605は、スイッチ604を介して供給された背景領域に属する画素と、分離部601から供給された背景の成分とを合成して、背景成分画像を生成する。
【0396】
ステップS610において、合成部603は、前景成分画像を出力する。ステップS611において、合成部605は、背景成分画像を出力し、処理は終了する。
【0397】
このように、前景背景分離部105は、領域情報および混合比αを基に、入力画像から前景の成分と、背景の成分とを分離し、前景の成分のみから成る前景成分画像、および背景の成分のみから成る背景成分画像を出力することができる。
【0398】
図64は、本発明に係る画像処理装置の他の構成を示す図である。図2に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0399】
動き方向推定部701は、領域特定部103から供給された領域情報、および入力画像を基に、前景のオブジェクトに対応する動きベクトルを生成するとともに、動きベクトルから動き方向を抽出して、抽出した動き方向を混合比算出部702に供給する。動き方向推定部701は、生成した動きベクトルを出力することができる。
【0400】
混合比算出部702は、領域特定部103から供給された領域情報、および動き方向推定部701から供給された動き方向を基に、画素毎に混合比αを算出して、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0401】
図65は、動き方向推定部701の構成を示すブロック図である。動きベクトル検出部721は、領域特定部103から供給された領域情報および入力画像を基に、動きベクトルを生成する。
【0402】
より詳細に説明すると、動きベクトル検出部721は、フレーム#nの注目画素がカバードバックグラウンド領域に属するとき、領域特定部103から供給された、フレーム#nおよびフレーム#n+1の領域情報を基に、フレーム#nから注目画素に対応する評価ブロックを抽出する。
【0403】
例えば、図66に示すように、カバードバックグラウンド領域に属する注目画素が中心に配置され、背景領域および前景領域を含む評価ブロックが抽出される。
【0404】
動きベクトル検出部721は、抽出した評価ブロックに含まれるカバードバックグラウンド領域の形状と、形状が一致するフレーム#n+1のカバードバックグラウンド領域を検出する。
【0405】
例えば、図66に示すように、動きベクトル検出部721は、フレーム#nの評価ブロックに対応する、フレーム#n+1のサーチエリアを検索して、抽出した評価ブロックに含まれるカバードバックグラウンド領域の形状と、形状が一致するフレーム#n+1のカバードバックグラウンド領域を検出する。
【0406】
動きベクトル検出部721は、フレーム#nの評価ブロックの画面上の位置と、検出されたフレーム#n+1のカバードバックグラウンド領域の画面上の位置を基に、注目画素に対応する動きベクトルを算出する。動きベクトル検出部721は、算出した動きベクトルを出力すると共に、動き方向選択部722に供給する。
【0407】
図67に示すように、動きベクトル検出部721は、評価ブロックの1辺の長さを、動き量v(混合領域の幅)の2倍の長さとする。
【0408】
例えば、図67(A)に示すように、注目画素が混合領域の端側に位置するとき、評価ブロックの1辺の長さを、動き量vの2倍の長さとすれば、評価ブロックには、背景領域および混合領域が含まれることとなり、検出すべき混合領域の輪郭が明らかになる。
【0409】
また、同様に、図67(B)に示すように、注目画素が混合領域の中心に位置するとき、評価ブロックの1辺の長さを、動き量vの2倍の長さとすれば、評価ブロックには、背景領域および混合領域が含まれることとなり、検出すべき混合領域の輪郭が明らかになる。
【0410】
これに対して、図67(C)に示すように、注目画素が混合領域の端側に位置するとき、評価ブロックの1辺の長さを、動き量vと同じ長さとすれば、評価ブロックには、背景領域または混合領域のいずれかが含まれず、検出すべき混合領域の輪郭が不明確になる。同様に、図67(D)に示すように、注目画素が混合領域の中心に位置するとき、評価ブロックの1辺の長さを、動き量vと同じ長さとすれば、評価ブロックには、背景領域または混合領域のいずれかが含まれず、検出すべき混合領域の輪郭が不明確になる。
【0411】
このように、動きベクトル検出部721は、評価ブロックの1辺の長さを、動き量vの2倍の長さとすることにより、確実に、評価ブロックと形状が一致するフレーム#n+1のカバードバックグラウンド領域を検出することができる。
【0412】
動きベクトル検出部721は、フレーム#nの注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属するとき、領域特定部103から供給された、フレーム#nおよびフレーム#n+1の領域情報を基に、フレーム#nから注目画素に対応する評価ブロックを抽出する。
【0413】
動きベクトル検出部721は、抽出した評価ブロックに含まれるアンカバードバックグラウンド領域の形状と、形状が一致するフレーム#n+1のアンカバードバックグラウンド領域を検出する。
【0414】
動きベクトル検出部721は、フレーム#nの評価ブロックの画面上の位置と、検出されたフレーム#n+1のアンカバードバックグラウンド領域の画面上の位置を基に、注目画素に対応する動きベクトルを算出する。動きベクトル検出部721は、算出した動きベクトルを出力すると共に、動き方向選択部722に供給する。
【0415】
動きベクトル検出部721は、フレーム#nの注目画素が前景領域に属するとき、フレーム#nの入力画像から注目画素に対応する評価ブロックを抽出する。動きベクトル検出部721は、フレーム#nの入力画像の評価ブロックと、フレーム#n+1の入力画像とのマッチングをとり、フレーム#nの入力画像の評価ブロックの位置、およびフレーム#n+1のマッチングされた画像の位置を基に、動きベクトルを生成する。
【0416】
なお、動きベクトル検出部721は、前景領域または背景領域の領域情報を基に、動きベクトルを検出するようにしてもよい。この場合、動きベクトル検出部721は、入力画像を必要としない。
【0417】
また、動きベクトル検出部721は、カバードバックグラウンド領域、アンカバードバックグラウンド領域、前景領域、または背景領域について、全画面マッチングにより、動きベクトルを検出するようにしてもよい。この場合、動きベクトル検出部721は、入力画像を必要としない。
【0418】
図65に戻り、動き方向選択部722は、動きベクトル検出部721から供給された動きベクトルの動き方向を抽出して、抽出した動き方向を出力する。
【0419】
例えば、動き方向選択部722は、動きベクトルから水平ベクトル成分および垂直ベクトル成分を抽出し、水平ベクトル成分の絶対値および垂直ベクトル成分の絶対値を算出する。動き方向選択部722は、水平ベクトル成分および垂直ベクトル成分のうち、絶対値の大きいベクトル成分を選択する。動き方向選択部722は、選択したベクトル成分に対応する向きを動き方向として出力する。
【0420】
動き方向は、例えば、左を示す0、右を示す1、上を示す2、または下を示す3の何れかの値をとる。
【0421】
このように、動き方向推定部701は、動きベクトルを検出すると共に、動き方向を出力することができる。
【0422】
図68は、混合比算出部702の構成を示すブロック図である。混合領域幅検出部741は、領域特定部103から供給された領域情報、および動き方向推定部701から供給された動き方向を基に、画素間隔を単位として、注目している画素が属する混合領域の幅を検出し、検出した幅を混合領域幅情報として、直線当てはめ部742に供給する。
【0423】
直線当てはめ部742は、混合領域幅検出部741から供給された混合領域幅情報、およびおよび動き方向推定部701から供給された動き方向を基に、混合領域の幅と、注目している画素から混合領域に隣接する背景領域の画素までの距離との比を算出する。直線当てはめ部742は、混合領域の幅と、注目している画素から混合領域に隣接する背景領域の画素までの距離との比を基に、注目している画素の混合比を算出する。
【0424】
図69のフローチャートを参照して、図64に構成を示す画像処理装置による、前景背景分離の処理を説明する。
【0425】
ステップS701において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定部103は、生成した領域情報を混合比算出部702に供給する。ステップS701の処理の詳細は、ステップS12の処理の詳細と同様なので、その説明は省略する。
【0426】
ステップS702において、動き方向推定部701は、領域特定部103から供給された領域情報を基に、動き方向を検出する。動き方向の検出の処理の詳細は、後述する。動き方向推定部701は、動き方向を混合比算出部702に供給する。
【0427】
ステップS703において、混合比算出部702は、動き方向推定部701から供給された動き方向、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合領域に含まれる画素毎に、混合比αを算出する。混合比算出の処理の詳細は、後述する。混合比算出部104は、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。ステップS703の処理の詳細は、ステップS13の処理の詳細と同様なので、その説明は省略する。
【0428】
ステップS704において、前景背景分離部105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分および背景の成分を抽出して、抽出した前景の成分を基に、前景成分画像を合成し、抽出した背景の成分を基に、背景成分画像を合成する。前景背景分離部105は、前景成分画像および背景成分画像を出力し、処理は終了する。ステップS704の処理の詳細は、ステップS14の処理の詳細と同様なので、その説明は省略する。
【0429】
このように、図64に構成を示す画像処理装置は、前景と背景を分離することができる。
【0430】
図70のフローチャートを参照して、動き方向推定部701による、動き方向取得の処理を説明する。
【0431】
ステップS721において、動きベクトル検出部721は、注目フレームおよび注目フレームの次のフレームの入力画像を取得する。
【0432】
ステップS722において、動きベクトル検出部721は、注目フレームおよび注目フレームの次のフレームの領域情報を取得する。
【0433】
ステップS723において、動きベクトル検出部721は、注目画素を選択する。ステップS724において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの領域情報を基に、注目画素が静止領域に属するか否かを判定し、注目画素が静止領域に属すると判定された場合、ステップS725に進み、動きベクトルを0に設定し、手続きは、ステップS737に進む。
【0434】
ステップS724において、注目画素が静止領域に属しないと判定された場合、ステップS726に進み、動きベクトル検出部721は、注目フレームの領域情報を基に、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属するか否かを判定する。ステップS726において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定された場合、ステップS727に進み、動きベクトル検出部721は、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域を含む評価ブロックを生成する。ステップS728において、動きベクトル検出部721は、評価ブロックと、注目フレームの次のフレームのカバードバックグラウンド領域を示す領域情報とマッチングをとる。
【0435】
例えば、動きベクトル検出部721は、注目フレームの次のフレームの領域情報のサーチエリア内の、評価ブロックと同じ大きさの領域について、評価ブロックとの誤差の自乗和を算出し、誤差の自乗和が最小となるサーチエリア内の領域を選択する。
【0436】
ステップS729において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの評価ブロックの位置、および注目フレームの次のフレームのマッチングされたカバードバックグラウンド領域の位置を基に、動きベクトルを生成し、手続きは、ステップS737に進む。
【0437】
ステップS726において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属しないと判定された場合、ステップS730に進み、動きベクトル検出部721は、注目フレームの領域情報を基に、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属するか否かを判定する。
【0438】
ステップS730において、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定された場合、ステップS731に進み、動きベクトル検出部721は、アンカバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域を含む評価ブロックを生成する。ステップS732において、動きベクトル検出部721は、評価ブロックと、注目フレームの次のフレームのアンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報とマッチングをとる。
【0439】
例えば、動きベクトル検出部721は、注目フレームの次のフレームの領域情報のサーチエリア内の、評価ブロックと同じ大きさの領域について、評価ブロックとの誤差の自乗和を算出し、誤差の自乗和が最小となるサーチエリア内の領域を選択する。
【0440】
ステップS733において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの評価ブロックの位置、および注目フレームの次のフレームのマッチングされたアンカバードバックグラウンド領域の位置を基に、動きベクトルを生成し、手続きは、ステップS737に進む。
【0441】
ステップS730において、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属しないと判定された場合、注目画素が前景領域に属するので、ステップS734に進み、動きベクトル検出部721は、入力画像の注目フレームに、評価ブロックを生成する。ステップS735において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの評価ブロックと、注目フレームの次のフレームの入力画像とのマッチングをとる。
【0442】
例えば、動きベクトル検出部721は、注目フレームの次のフレームの入力画像のサーチエリア内の、評価ブロックと同じ大きさの画像について、評価ブロックとの誤差の自乗和を算出し、誤差の自乗和が最小となるサーチエリア内の画像を選択する。
【0443】
ステップS736において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの評価ブロックの位置と、注目フレームの次のフレームとのマッチングされた画像の位置とを基に、動きベクトルを生成し、ステップS737に進む。
【0444】
ステップS737において、動きベクトル検出部721は、注目フレームの全ての画素について動きベクトルを生成したか否かを判定し、注目フレームの全ての画素について動きベクトルを生成していないと判定された場合、ステップS723に戻り、次の注目画素を選択して、動きベクトルの生成の処理を繰り返す。
【0445】
ステップS737において、注目フレームの全ての画素について動きベクトルを生成したと判定された場合、ステップS738に進み、動きベクトル検出部721は、動きベクトルを動き方向選択部722に供給すると共に、動きベクトルを出力する。
【0446】
ステップS739において、動き方向選択部722は、動きベクトル検出部721から供給された動きベクトルを基に、動き方向を生成する。ステップS740において、動き方向選択部722は、生成した動き方向を出力して、処理は終了する。
【0447】
このように、動き方向推定部701は、入力画像および領域情報を基に、動きベクトルおよび動き方向を生成することができる。
【0448】
なお、動き方向推定部701は、注目フレームと注目フレームの次のフレームの画像および領域情報を使用して、動きベクトルおよび動き方向を生成すると説明したが、注目フレームと注目フレームの前のフレームの画像および領域情報を使用して、動きベクトルおよび動き方向を生成するようにしてもよい。
【0449】
次に、混合比算出部702による、混合比の算出の処理を図71のフローチャートを参照して説明する。
【0450】
ステップS761において、混合比幅検出部741は、領域特定部103から供給された領域情報を取得する。ステップS762において、混合比幅検出部741および直線当てはめ部742は、動き方向推定部701から供給された動き方向を取得する。
【0451】
ステップS763において、直線当てはめ部742は、注目画素を選択する。ステップS764において、直線当てはめ部742は、領域情報を基に、注目画素が前景領域に属するか否かを判定し、注目画素が前景領域に属すると判定された場合、ステップS765に進み、混合比αに0を設定し、ステップS769に進む。
【0452】
ステップS764において、注目画素が前景領域に属しないと判定された場合、ステップS766に進み、直線当てはめ部742は、領域情報を基に、注目画素が背景領域に属するか否かを判定し、注目画素が背景領域に属すると判定された場合、ステップS767に進み、混合比αに1を設定し、ステップS769に進む。
【0453】
ステップS766において、注目画素が背景領域に属しないと判定された場合、ステップS768に進み、直線当てはめ部742は、混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を実行し、処理は、ステップS769に進む。混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理の詳細は、後述する。
【0454】
ステップS769において、直線当てはめ部742は、注目画素に対応させて、算出された混合比αを記憶する。
【0455】
ステップS770において、直線当てはめ部742は、フレーム全体について混合比αを算出したか否かを判定し、フレーム全体について混合比αを算出していないと判定された場合、ステップS763に戻り、他の注目画素を選択し、混合比αの算出の処理を繰り返す。
【0456】
ステップS770において、フレーム全体について混合比αを算出したと判定された場合、ステップS771に進み、直線当てはめ部742は、混合比αを出力して、処理は終了する。
【0457】
図72のフローチャートを参照して、混合領域幅検出部741および直線当てはめ部742が実行する、ステップS768の処理に対応する、混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を説明する。
【0458】
ステップS781において、混合領域幅検出部741は、動き方向推定部701から供給された動き方向、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、動きベクトルの動きの方向に沿って、混合領域の幅を求める。混合領域幅検出部741は、混合領域の幅を混合領域幅情報として、直線当てはめ部742に供給する。
【0459】
ステップS782において、直線当てはめ部742は、動き方向に沿って、注目画素から、混合領域の端までの距離を求める。
【0460】
ステップS783において、直線当てはめ部742は、動き方向とは反対の方向に沿って、注目画素から、混合領域の端までの距離を求める。
【0461】
ステップS784において、直線当てはめ部742は、領域情報、および混合領域の幅と、注目画素から、混合領域の端までの距離との比を基に、混合比αを算出して、処理は終了する。
【0462】
このように、混合比算出部702は、領域特定部103から供給された領域情報、および動き方向推定部701から供給された動き方向を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出することができる。
【0463】
図73は、本発明に係る画像処理装置のさらに他の構成を示すブロック図である。図64に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0464】
図73に構成を示す画像処理装置において、動き方向は、外部から入力される。
【0465】
領域特定部103は、入力された画像の画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属するかを示す領域情報を混合比算出部702および前景背景分離部105に供給する。
【0466】
混合比算出部702は、領域特定部103から供給された領域情報、および外部から供給された動き方向を基に、画素毎に混合比αを算出して、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0467】
前景背景分離部105は、領域特定部103から供給された領域情報、および混合比算出部702から供給された混合比αを基に、前景の成分のみからなる前景成分画像と、背景の成分のみから成る背景成分画像とに入力画像を分離して、前景成分画像および背景成分画像を出力する。
【0468】
図74のフローチャートを参照して、図73に構成を示す画像処理装置による、前景背景の分離の処理を説明する。
【0469】
ステップS801において、領域特定部103は、入力画像を基に、入力画像の画素毎に前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定部103は、生成した領域情報を混合比算出部702に供給する。
【0470】
ステップS802において、混合比算出部702は、外部から入力された動き方向、および領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合領域に含まれる画素毎に、混合比αを算出する。混合比算出部104は、算出した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0471】
ステップS803において、前景背景分離部105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分および背景の成分を抽出して、抽出した前景の成分を基に、前景成分画像を合成し、抽出した背景の成分を基に、背景成分画像を合成する。前景背景分離部105は、前景成分画像および背景成分画像を出力し、処理は終了する。
【0472】
このように、図73に構成を示す画像処理装置は、前景と背景とを分離することができる。
【0473】
なお、混合比αは、画素値に含まれる背景の成分の割合として説明したが、画素値に含まれる前景の成分の割合としてもよい。
【0474】
また、前景となるオブジェクトの動きの方向は左から右として説明したが、その方向に限定されないことは勿論である。
【0475】
以上においては、3次元空間と時間軸情報を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第2の情報に射影した場合に、その射影によって発生する歪みを補正したり、有意情報を抽出したり、またはより自然に画像を合成する場合に適応することが可能である。
【0476】
なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像素子である、例えば、BBD(Bucket Brigade Device)、CID(Charge Injection Device)、CPD(Charge Priming Device)、またはCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)センサでもよく、また、検出素子がマトリックス状に配置されているセンサに限らず、検出素子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0477】
本発明の信号処理を行うプログラムを記録した記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク51(フロッピ(登録商標)ディスクを含む)、光ディスク52(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク53(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ54などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM22や、記憶部28に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0478】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0479】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムによれば、入力画像の画素ごとの、所定フレームと、所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および所定フレームと、所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかが特定され、その特定結果を示す領域情報が生成され、注目する注目画素が属する混合領域において、注目画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、注目画素の、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比が推定され、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前景オブジェクトの動き方向に沿った混合領域の幅と、前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った注目画素から混合領域の端までの距離との比率を基に、混合比が推定されるようにしたので、画像における混ざり合いの状態を知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】センサによる撮像を説明する図である。
【図4】画素の配置を説明する図である。
【図5】検出素子の動作を説明する図である。
【図6】動いている前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を説明する図である。
【図7】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。
【図8】静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
【図9】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図10】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図11】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図12】前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す図である。
【図13】画素と画素値を時間方向に展開したモデルとの対応を示す図である。
【図14】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図15】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図16】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図17】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図18】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図19】動きボケの量の調整の処理を説明するフローチャートである。
【図20】領域特定部103の構成の一例を示すブロック図である。
【図21】前景に対応するオブジェクトが移動しているときの画像を説明する図である。
【図22】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図25】領域判定の条件を説明する図である。
【図26】領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。
【図27】領域特定部103の領域の特定の結果の例を示す図である。
【図28】領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図29】領域特定部103の構成の他の一例を示すブロック図である。
【図30】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図31】背景画像の例を示す図である。
【図32】2値オブジェクト画像抽出部302の構成を示すブロック図である。
【図33】相関値の算出を説明する図である。
【図34】相関値の算出を説明する図である。
【図35】2値オブジェクト画像の例を示す図である。
【図36】時間変化検出部303の構成を示すブロック図である。
【図37】領域判定部342の判定を説明する図である。
【図38】時間変化検出部303の判定の例を示す図である。
【図39】領域判定部103の領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図40】領域判定の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図41】領域特定部103のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図42】ロバスト化部361の構成を説明するブロック図である。
【図43】動き補償部381の動き補償を説明する図である。
【図44】動き補償部381の動き補償を説明する図である。
【図45】領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図46】ロバスト化の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図47】混合比算出部104の構成を示すブロック図である。
【図48】理想的な混合比αの例を示す図である。
【図49】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図50】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図51】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図52】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図53】混合比αの算出の処理を説明する図である。
【図54】混合比αの算出の処理を説明するフローチャートである。
【図55】混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を説明するフローチャートである。
【図56】前景背景分離部105の構成の一例を示すブロック図である。
【図57】入力画像、前景成分画像、および背景成分画像を示す図である。
【図58】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図59】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図60】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図61】分離部601の構成の一例を示すブロック図である。
【図62】分離された前景成分画像、および背景成分画像の例を示す図である。
【図63】前景と背景との分離の処理を説明するフローチャートである。
【図64】本発明に係る画像処理装置の他の構成を示すブロック図である。
【図65】動き方向推定部701の構成を示すブロック図である。
【図66】動きベクトル検出部721のブロックマッチングを説明する図である。
【図67】評価ブロックを説明する図である。
【図68】混合比算出部702の構成を示すブロック図である。
【図69】前景背景分離の処理を説明するフローチャートである。
【図70】動き方向取得の処理を説明するフローチャートである。
【図71】混合比αの算出の処理を説明するフローチャートである。
【図72】混合領域に属する画素の混合比αの算出の処理を説明するフローチャートである。
【図73】本発明に係る画像処理装置のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図74】前景背景の分離の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 26 入力部, 27 出力部,28 記憶部, 29 通信部, 51 磁気ディスク, 52 光ディスク, 53 光磁気ディスク, 54 半導体メモリ, 101 オブジェクト抽出部, 102 動き検出部, 103 領域特定部, 104 混合比算出部, 105 前景背景分離部, 201 フレームメモリ, 202−1乃至202−4 静動判定部, 203−1乃至203−3 領域判定部, 204 判定フラグ格納フレームメモリ, 205 合成部, 206 判定フラグ格納フレームメモリ, 301 背景画像生成部, 302 2値オブジェクト画像抽出部, 303 時間変化検出部, 321 相関値演算部, 322 しきい値処理部, 341 フレームメモリ, 342 領域判定部, 361 ロバスト化部, 381 動き補償部, 382 スイッチ, 383−1乃至383−N フレームメモリ、 384−1乃至384−N 重み付け部, 385 積算部, 401 混合領域幅検出部, 402 直線当てはめ部, 601 分離部, 602 スイッチ, 603 合成部, 604 スイッチ, 605 合成部, 621 フレームメモリ, 622 分離処理ブロック, 623 フレームメモリ, 631 アンカバード領域処理部, 632 カバード領域処理部, 633 合成部, 634 合成部, 701 動き方向推定部, 702 混合比算出部, 721 動きベクトル検出部, 722 動き方向選択部, 741 混合領域幅検出部, 742 直線当てはめ部

Claims (7)

  1. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって撮像された、連続するフレームの入力画像を処理する画像処理装置において、
    前記入力画像の画素ごとの、所定フレームと、前記所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および前記所定フレームと、前記所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、前記画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前記前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前記前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定手段と、
    注目する注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記注目画素の、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する混合比推定手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記前景オブジェクトの動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段をさらに含み、
    前記混合比推定手段は、前記注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記動きベクトルの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記動きベクトルの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記動きベクトルの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記動きベクトルの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記前景オブジェクトの動き方向を検出する動き方向検出手段をさらに含み、
    前記混合比推定手段は、前記注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記動き方向検出手段は、領域情報を基に、前記注目している注目フレームにおける混合領域の位置、および前記注目フレームの近傍の近傍フレームにおける混合領域の位置を基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段を含み、
    生成した前記動きベクトルを基に、前記動き方向を検出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって撮像された、連続するフレームの入力画像を処理する画像処理装置の画像処理方法において、
    前記入力画像の画素ごとの、所定フレームと、前記所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および前記所定フレームと、前記所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、前記画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前記前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前記前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、
    注目する注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記注目画素の、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する混合比推定ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  6. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって撮像された、連続するフレームの入力画像を処理するコンピュータに
    前記入力画像の画素ごとの、所定フレームと、前記所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および前記所定フレームと、前記所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、前記画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前記前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前記前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、
    注目する注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記注目画素の、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する混合比推定ステップと
    を含む処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって撮像された、連続するフレームの入力画像を処理するコンピュータに、
    前記入力画像の画素ごとの、所定フレームと、前記所定フレームの1つ前のフレームとの間の動きの有無、および前記所定フレームと、前記所定フレームの1つ後のフレームとの間の動きの有無に基づいて、前記画素が、前景となるオブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域、背景となるオブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域のうちの、前記前景オブジェクトの動き方向先端部側に形成されるカバードバックグラウンド領域、または前記前景オブジェクトの動き方向後端部側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域の何れの領域に属するかを特定し、その特定結果を示す領域情報を生成する領域特定ステップと、
    注目する注目画素が属する前記混合領域において、前記注目画素が前記カバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記注目画素の、前記前景オブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分との混合の比率を示す混合比を推定し、前記注目画素が前記アンカバードバックグラウンド領域に属する場合、前記前景オブジェクトの動き方向に沿った前記混合領域の幅と、前記前景オブジェクトの動き方向とは反対の方向に沿った前記注目画素から前記混合領域の端までの距離との比率を基に、前記混合比を推定する混合比推定ステップと
    を実行させるプログラム。
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