JP4840630B2 - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、センサにより検出した信号と現実世界との違いを考慮した画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現実世界における事象をセンサで検出し、画像センサが出力するサンプリングデータを処理する技術が広く利用されている。
【0003】
例えば、静止している所定の背景の前で移動する物体をビデオカメラで撮像して得られる画像には、物体の移動速度が比較的速い場合、動きボケが生じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
静止している背景の前で物体が移動するとき、移動する物体の画像自身の混ざり合いによる動きボケのみならず、背景の画像と移動する物体の画像との混ざり合いが生じる。従来は、背景の画像と移動する物体の画像との混ざり合いの状態に対応する処理は、考えられていなかった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、背景の画像の領域、移動する物体の画像の領域、および混ざり合いが生じている画像の領域を特定することができるようにすることを目的とする。
【0006】
本発明の画像処理装置は、画像データの注目フレームと、注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の混合画素データの各々に対応する周辺フレームの画素を、背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、背景画素データ、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、混合画素データに含まれる前景の成分の和から混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成手段と、M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出手段と、混合比検出手段により検出された推定混合比を基本式に代入して予測演算し、その結果得られる注目画素データの予測値の、注目画素データの実値に対する差分を、予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算手段と、予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、注目画素の属する領域が、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定手段と、注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、注目画素の属する領域が、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定手段とを備え、前記関係式生成手段は、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、前記混合比検出手段は、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、前記予測誤差演算手段は、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定手段は、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定することを特徴とする。
【0007】
混合比検出手段は、M個の関係式に対して最小自乗法を適用することで、注目画素について、推定混合比と共に、前景の成分の和をさらに検出し、予測誤差演算手段は、混合比検出手段により検出された推定混合比に加えてさらに前景の成分の和を基本式に代入することにより、注目画素データの予測値を演算し、その予測値に対する予測誤差を演算するようにすることができる。
【0008】
関係式生成手段は、M個の混合画素の混合画素データとして、注目画素データ、及び、注目フレーム内の注目画素の近傍に位置する、近傍画素の近傍画素データを抽出し、注目画素データ及び近傍画素データに含まれる前景成分が等しいとする第1の近似、及び、混合比の変化が混合領域の画素の位置に対して直線的であるとする第2の近似を用いて、基本式から変換された予測演算式であって、混合比から特定される複数の混合比関係情報及び背景画素データから混合画素データを予測演算する予測演算式が予め定義されており、予測誤差演算式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成し、予測演算手段は、混合比検出手段により検出された推定混合比に対応する、複数の混合比関係情報を予測演算式に代入して予測演算することで、予測誤差を演算するようにすることができる。
【0012】
関係式生成手段は、M個の関係式として、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式を生成する場合、注目フレームののフレームから背景画素データを抽出し、M個の関係式として、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式を生成する場合、注目フレームののフレームから背景画素データ抽出するようにすることができる。
【0013】
関係式生成手段は、注目画素に対応して、前景オブジェクトの動きを基に、注目フレームおよび周辺フレームから、M個の混合画素データを抽出すると共に、M個の混合画素データの個々に対応して、背景オブジェクトの動きを基に、混合画素データが抽出されたフレームとは異なるフレームから、M個の背景画素データを抽出し、M個の関係式を生成するようにすることができる。
【0014】
関係式生成手段は、M個の混合画素データのそれぞれに対応する混合比及び前景の成分の和が同一であるとする近似に基づいて、M個の関係式を生成するようにすることができる。
【0017】
本発明の画像処理方法は、画像データの注目フレームと、注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の混合画素データの各々に対応する周辺フレームの画素を、背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、背景画素データ、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、混合画素データに含まれる前景の成分の和から混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、混合比検出ステップの処理により検出された推定混合比を基本式に代入して予測演算し、その結果得られる注目画素データの予測値の、注目画素データの実値に対する差分を、予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、注目画素の属する領域が、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、注目画素の属する領域が、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップとを含み、前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定することを特徴とする。
【0018】
本発明の記録媒体のプログラムは、画像データの注目フレームと、注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の混合画素データの各々に対応する周辺フレームの画素を、背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、背景画素データ、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、混合画素データに含まれる前景の成分の和から混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、混合比検出ステップの処理により検出された推定混合比を基本式に代入して予測演算し、その結果得られる注目画素データの予測値の、注目画素データの実値に対する差分を、予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、注目画素の属する領域が、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、注目画素の属する領域が、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップとを含み、前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定することを特徴とする。
【0019】
本発明のプログラムは、コンピュータに、画像データの注目フレームと、注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の混合画素データの各々に対応する周辺フレームの画素を、背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、背景画素データ、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、混合画素データに含まれる前景の成分の和から混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、混合比検出ステップの処理により検出された推定混合比を基本式に代入して予測演算し、その結果得られる注目画素データの予測値の、注目画素データの実値に対する差分を、予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、注目画素の属する領域が、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、注目画素の属する領域が、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップを実行させるプログラムであって、前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定するプログラムであることを特徴とする。
【0020】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、画像データの注目フレームと、注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データが、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出され、かつ、M個の混合画素データの各々に対応する周辺フレームの画素が、背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出され、背景画素データ、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、混合画素データに含まれる前景の成分の和から混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した混合画素データ及びそれに対応する背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式が生成され、M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、注目画素についての推定混合比が検出され、検出された推定混合比を基本式に代入して予測演算し、その結果得られる注目画素データの予測値の、注目画素データの実値に対する差分が、予測値の予測誤差として演算され、予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、注目画素の属する領域が、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかが特定され、注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定され、連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、注目画素の属する領域が、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定される。前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とが生成され、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とが検出され、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とが演算され、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定され、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示す図である。CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22、または記憶部28に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU21、ROM22、およびRAM23は、バス24により相互に接続されている。
【0022】
CPU21にはまた、バス24を介して入出力インタフェース25が接続されている。入出力インタフェース25には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部26、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部27が接続されている。CPU21は、入力部26から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU21は、処理の結果得られた画像や音声等を出力部27に出力する。
【0023】
入出力インタフェース25に接続されている記憶部28は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU21が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部29は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部29はセンサの出力を取り込む取得部として働く。
【0024】
また、通信部29を介してプログラムを取得し、記憶部28に記憶してもよい。
【0025】
入出力インタフェース25に接続されているドライブ30は、磁気ディスク51、光ディスク52、光磁気ディスク53、或いは半導体メモリ54などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部28に転送され、記憶される。
【0026】
図2は、画像処理装置を示すブロック図である。
【0027】
なお、画像処理装置の各機能をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェアのブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロック図と考えても良い。
【0028】
この明細書では、撮像の対象となる、現実世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブジェクトと称する。
【0029】
画像処理装置に供給された入力画像は、オブジェクト抽出部101、混合比算出部103、領域特定部104、および前景背景分離部105に供給される。
【0030】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0031】
オブジェクト抽出部101は、入力画像に含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0032】
また、例えば、オブジェクト抽出部101は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するようにしてもよい。
【0033】
動き検出部102は、例えば、ブロックマッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェクトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情報)を混合比算出部103および動きボケ調整部106に供給する。
【0034】
動き検出部102が出力する動きベクトルには、動き量vに対応する情報が含まれるている。
【0035】
また、例えば、動き検出部102は、画像オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画像オブジェクト毎の動きベクトルを動きボケ調整部106に出力するようにしてもよい。
【0036】
動き量vは、動いているオブジェクトに対応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分離れた位置に表示されるように移動しているとき、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、4とされる。
【0037】
なお、オブジェクト抽出部101および動き検出部102は、動いているオブジェクトに対応した動きボケ量の調整を行う場合に必要となる。
【0038】
混合比算出部103は、入力画像、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、画素が混合領域の1つであるカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したとき、推定される混合比(以下、混合比αと称する)である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成すると共に、画素が混合領域の他の1つであるアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したとき、推定される混合比である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成し、生成した2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を領域特定部104に供給する。
【0039】
混合比αは、後述する式(3)に示されるように、画素値における、背景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、背景の成分とも称する)の割合を示す値である。
【0040】
カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域の詳細については、後述する。
【0041】
領域特定部104は、入力画像、並びに混合比算出部103から供給された2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を基に、入力された画像の画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、領域情報と称する)を前景背景分離部105および動きボケ調整部106に供給する。
【0042】
領域特定部104は、生成した領域情報、並びに混合比算出部103から供給された2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を基に、混合比αを生成し、生成した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0043】
前景背景分離部105は、領域特定部104から供給された領域情報および混合比αを基に、前景のオブジェクトに対応する画像の成分(以下、前景の成分とも称する)のみから成る前景成分画像と、背景の成分のみから成る背景成分画像とに入力画像を分離して、前景成分画像を動きボケ調整部106および選択部107に供給する。なお、分離された前景成分画像を最終的な出力とすることも考えられる。従来の混合領域を考慮しないで前景と背景だけを特定し、分離していた方式に比べ正確な前景と背景を得ることが出来る。
【0044】
動きボケ調整部106は、動きベクトルからわかる動き量vおよび領域情報を基に、前景成分画像に含まれる1以上の画素を示す処理単位を決定する。処理単位は、動きボケの量の調整の処理の対象となる1群の画素を指定するデータである。
【0045】
動きボケ調整部106は、画像処理装置に入力された動きボケ調整量、前景背景分離部105から供給された前景成分画像、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並びに処理単位を基に、前景成分画像に含まれる動きボケを除去する、動きボケの量を減少させる、または動きボケの量を増加させるなど前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部107に出力する。動きベクトルとその位置情報は使わないこともある。
【0046】
ここで、動きボケとは、撮像の対象となる、現実世界におけるオブジェクトの動きと、センサの撮像の特性とにより生じる、動いているオブジェクトに対応する画像に含まれている歪みをいう。
【0047】
選択部107は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、前景背景分離部105から供給された前景成分画像、および動きボケ調整部106から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0048】
次に、図3乃至図18を参照して、画像処理装置に供給される入力画像について説明する。
【0049】
図3は、センサによる撮像を説明する図である。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(Charge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデオカメラなどで構成される。現実世界における、前景に対応するオブジェクトは、現実世界における、背景に対応するオブジェクトと、センサとの間を、例えば、図中の左側から右側に水平に移動する。
【0050】
センサは、前景に対応するオブジェクトを、背景に対応するオブジェクトと共に撮像する。センサは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例えば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることができる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時間とも称する。
【0051】
図4は、画素の配置を説明する図である。図4中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配置されている。センサが画像を撮像するとき、1つの検出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0052】
図5に示すように、例えば、CCDである検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の量は、入力された光の強さと、光が入力されている時間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する期間において、入力された光から変換された電荷を、既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言える。
【0053】
検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデータなどの画素値に変換されて出力される。従って、センサから出力される個々の画素値は、前景または背景に対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次元の空間に射影された値を有する。
【0054】
画像処理装置は、このようなセンサの蓄積の動作により、出力信号に埋もれてしまった有意な情報、例えば、混合比αを抽出する。画像処理装置は、前景の画像オブジェクト自身が混ざり合うことによる生ずる歪みの量、例えば、動きボケの量などを調整する。また、画像処理装置は、前景の画像オブジェクトと背景の画像オブジェクトとが混ざり合うことにより生ずる歪みの量を調整する。
【0055】
図6は、動いている前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を説明する図である。図6(A)は、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を示している。図6(A)に示す例において、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に左から右に動いている。
【0056】
図6(B)は、図6(A)に示す画像の1つのラインに対応する画素値を時間方向に展開したモデル図である。図6(B)の横方向は、図6(A)の空間方向Xに対応している。
【0057】
背景領域の画素は、背景の成分、すなわち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0058】
混合領域の画素は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域に分類される。
【0059】
カバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0060】
これに対して、アンカバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0061】
このように、前景領域、背景領域、またはカバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部104、混合比算出部103、および前景背景分離部105に入力画像として入力される。
【0062】
図7は、以上のような、背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。図6に示す画像に対応する場合、背景領域は、静止部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域のカバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変化する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラウンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0063】
図8は、静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。例えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0064】
図8に示すF01乃至F04の画素値は、静止している前景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。図8に示すB01乃至B04の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0065】
図8における縦方向は、時間に対応し、図中の上から下に向かって時間が経過する。図8中の矩形の上辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を開始する時刻に対応し、図8中の矩形の下辺の位置は、センサが入力された光の電荷への変換を終了する時刻に対応する。すなわち、図8中の矩形の上辺から下辺までの距離は、シャッタ時間に対応する。
【0066】
以下において、シャッタ時間とフレーム間隔とが同一である場合を例に説明する。
【0067】
図8における横方向は、図6で説明した空間方向Xに対応する。より具体的には、図8に示す例において、図8中の”F01”と記載された矩形の左辺から”B04”と記載された矩形の右辺までの距離は、画素のピッチの8倍、すなわち、連続している8つの画素の間隔に対応する。
【0068】
前景のオブジェクトおよび背景のオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される光は変化しない。
【0069】
ここで、シャッタ時間に対応する期間を2つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割数を4とすると、図8に示すモデル図は、図9に示すモデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景に対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量vなどに対応して設定される。例えば、4である動き量vに対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に対応する期間は4つに分割される。
【0070】
図中の最も上の行は、シャッタが開いて最初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開いて3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された期間に対応する。
【0071】
以下、動き量vに対応して分割されたシャッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0072】
前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、前景の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止しているとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0073】
背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、センサに入力される光は変化しないので、背景の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止しているとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0074】
すなわち、前景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係を有する。
【0075】
背景に対応するオブジェクトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値となる。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0076】
次に、前景に対応するオブジェクトが移動し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合について説明する。
【0077】
図10は、前景に対応するオブジェクトが図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図10において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図10において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動する。
【0078】
図10において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、前景領域に属する。図10において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。図10において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0079】
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移動しているので、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に替わる。
【0080】
例えば、図10中に太線枠を付した画素値Mは、式(1)で表される。
【0081】
M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (1)
【0082】
例えば、左から5番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、3/4である。
【0083】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F07/vは、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0084】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F06/vは、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0085】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vのに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F05/vは、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0086】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように等速で移動すると仮定できるので、例えば、図10中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図10中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F04/vは、図10中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図10中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0087】
動いているオブジェクトに対応する前景の領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも言える。
【0088】
図11は、前景が図中の右側に向かって移動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図11において、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定することができる。図11において、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0089】
図11において、最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属する。図11において、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバードバックグラウンドである混合領域に属する。図11において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0090】
背景に対応するオブジェクトを覆っていた前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分に替わる。
【0091】
例えば、図11中に太線枠を付した画素値M'は、式(2)で表される。
【0092】
M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (2)
【0093】
例えば、左から5番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2である。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合比αは、1/4である。
【0094】
式(1)および式(2)をより一般化すると、画素値Mは、式(3)で表される。
【0095】
【数1】
Figure 0004840630
【0096】
ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であり、Fi/vは、前景の成分である。
【0097】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/vは、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、F01/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分と、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分とに、それぞれ等しい。
【0098】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であるので、例えば、図11中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F02/vは、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0099】
前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4であるので、例えば、図11中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/vは、図11中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0100】
図9乃至図11の説明において、仮想分割数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動き量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応するオブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数は、6とされる。
【0101】
図12および図13に、以上で説明した、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分および背景の成分との関係を示す。
【0102】
図12は、静止している背景の前を移動しているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す。図12に示す例において、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0103】
フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレームである。
【0104】
フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかから抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の画素値を時間方向に展開したモデルを図13に示す。
【0105】
前景領域の画素値は、前景に対応するオブジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応する、4つの異なる前景の成分から構成される。例えば、図13に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含んでいる。
【0106】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、シャッタ時間に対応する期間において、センサに入力される背景に対応する光は変化しない。この場合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0107】
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから構成される。
【0108】
次に、オブジェクトに対応する画像が動いているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明する。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対して水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選択することができる。
【0109】
図14は、静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであり、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームである。他のフレームも同様に称する。
【0110】
図14に示すB01乃至B12の画素値は、静止している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。背景に対応するオブジェクトが静止しているので、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1におけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フレーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0111】
図15は、静止している背景に対応するオブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応するオブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図15に示すモデルは、カバードバックグラウンド領域を含む。
【0112】
図15において、前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮想分割数は、4である。
【0113】
例えば、図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0114】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0115】
図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0116】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B01/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図15中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B03/vとなる。
【0117】
図15中のフレーム#n-1において、最も左側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0118】
図15中のフレーム#n-1の左から5番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0119】
図15中のフレーム#nの左から1番目の画素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0120】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0121】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0122】
図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0123】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B05/vとなる。図15中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図15中のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B07/vとなる。
【0124】
図15中のフレーム#nにおいて、左側から6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0125】
図15中のフレーム#nの左から9番目の画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B08乃至B11となる。
【0126】
図15中のフレーム#n+1の左から1番目の画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0127】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F12/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図15中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとなる。
【0128】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期間の前景の成分は、F11/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図15中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0129】
図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F10/vとなり、図15中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0130】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図15中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成分は、B09/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図15中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B11/vとなる。
【0131】
図15中のフレーム#n+1において、左側から10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合領域に対応する。
【0132】
図16は、図15に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0133】
図17は、静止している背景と共に図中の右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。図17において、アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0134】
図17において、前景に対応するオブジェクトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定できる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動しているので、動き量vは、4である。
【0135】
例えば、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0136】
図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0137】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B25/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/vとなる。図17中のフレーム#n-1の左から3番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B27/vとなる。
【0138】
図17中のフレーム#n-1において、最も左側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0139】
図17中のフレーム#n-1の左から4番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレームの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0140】
図17中のフレーム#nの最も左側の画素乃至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B28となる。
【0141】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から6番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0142】
図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から7番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から8番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0143】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B29/vとなる。図17中のフレーム#nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vとなる。図17中のフレーム#nの左から7番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B31/vとなる。
【0144】
図17中のフレーム#nにおいて、左から5番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0145】
図17中のフレーム#nの左から8番目の画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応する値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0146】
図17中のフレーム#n+1の最も左側の画素乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0147】
前景に対応するオブジェクトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示されるように移動するので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなり、図17中の左から10番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F13/vとなる。図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、および図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとなる。
【0148】
図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F14/vとなり、図17中の左から11番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、F14/vとなる。図17中の左から12番目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、F15/vとなる。
【0149】
背景に対応するオブジェクトが静止しているので、図17中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B34/vとなる。図17中のフレーム#n+1の左から11番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B35/vとなる。
【0150】
図17中のフレーム#n+1において、左から9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域である混合領域に属する。
【0151】
図17中のフレーム#n+1の左から12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F16/vのいずれかである。
【0152】
図18は、図17に示す画素値から前景の成分を抽出した画像のモデル図である。
【0153】
図2に戻り、混合比算出部103は、入力画像、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したときの、推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成すると共に、画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したときの、推定される混合比である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成する。混合比算出部103は、生成した2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を領域特定部104に供給する。
【0154】
領域特定部104は、入力画像、並びに混合比算出部103から供給された2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を基に、入力された画像の画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、または混合領域のいずれかに属するかを示す領域情報を前景背景分離部105、および動きボケ調整部106に供給する。
【0155】
前景背景分離部105は、複数のフレームの画素値、領域情報、および混合比αを基に、前景の成分のみからなる前景成分画像を抽出して、動きボケ調整部106に供給する。
【0156】
動きボケ調整部106は、前景背景分離部105から供給された前景成分画像、動き検出部102から供給された動きベクトル、および領域特定部104から供給された領域情報を基に、前景成分画像に含まれる動きボケの量を調整して、動きボケの量を調整した前景成分画像を出力する。
【0157】
図19のフローチャートを参照して、画像処理装置による動きボケの量の調整の処理を説明する。ステップS11において、混合比算出部103は、入力画像、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したとき、推定される混合比である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を算出すると共に、画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したとき、推定される混合比である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を算出する。混合比算出部103は、算出した2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を領域特定部104に供給する。混合比算出の処理の詳細は、後述する。
【0158】
ステップS12において、領域特定部104は、入力画像、並びに混合比算出部103から供給された2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を基に、入力画像の画素毎に、画素が、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するかを示す領域情報を生成する領域特定の処理を実行する。領域特定の処理の詳細は、後述する。領域特定部104は、生成した領域情報、並びに混合比算出部103から供給された2つの推定混合比およびこれらに対応する混合比関係情報を基に、混合比αを生成し、生成した混合比αを前景背景分離部105に供給する。
【0159】
ステップS13において、前景背景分離部105は、領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分を抽出して、前景成分画像として動きボケ調整部106に供給する。
【0160】
ステップS14において、動きボケ調整部106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動き方向に並ぶ連続した画素であって、アンカバードバックグラウンド領域、前景領域、およびカバードバックグラウンド領域のいずれかに属するものの画像上の位置を示す処理単位を生成し、処理単位に対応する前景成分に含まれる動きボケの量を調整する。動きボケの量の調整の処理の詳細については、後述する。
【0161】
ステップS15において、画像処理装置は、画面全体について処理を終了したか否かを判定し、画面全体について処理を終了していないと判定された場合、ステップS14に進み、処理単位に対応する前景の成分を対象とした動きボケの量の調整の処理を繰り返す。
【0162】
ステップS15において、画面全体について処理を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0163】
このように、画像処理装置は、前景と背景を分離して、前景に含まれる動きボケの量を調整することができる。すなわち、画像処理装置は、前景の画素の画素値であるサンプルデータに含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0164】
以下、混合比算出部103、領域特定部104、前景背景分離部105、および動きボケ調整部106のそれぞれの構成について説明する。
【0165】
図20は、混合比算出部103の構成を示すブロック図である。推定混合比処理部201は、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並びに入力画像を基に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部201が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和などからなる。
【0166】
推定混合比処理部202は、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並びに入力画像を基に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部202が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和などからなる。
【0167】
前景に対応するオブジェクトがシャッタ時間内に等速で動いていると仮定できるので、混合領域に属する画素の混合比αは、以下の性質を有する。すなわち、混合比αは、画素の位置の変化に対応して、直線的に変化する。画素の位置の変化を1次元とすれば、混合比αの変化は、直線で表現することができ、画素の位置の変化を2次元とすれば、混合比αの変化は、平面で表現することができる。
【0168】
なお、1フレームの期間は短いので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動していると仮定が成り立つ。
【0169】
この場合、混合比αの傾きは、前景のシャッタ時間内での動き量vの逆比となる。
【0170】
理想的な混合比αの例を図21に示す。理想的な混合比αの混合領域における傾きlは、動き量vの逆数として表すことができる。
【0171】
図21に示すように、理想的な混合比αは、背景領域において、1の値を有し、前景領域において、0の値を有し、混合領域において、0を越え1未満の値を有する。
【0172】
図22の例において、フレーム#nの左から7番目の画素の画素値C06は、フレーム#n-1の左から7番目の画素の画素値P06を用いて、式(4)で表すことができる。
【0173】
【数2】
Figure 0004840630
【0174】
式(4)において、画素値C06を混合領域の画素の画素値Mと、画素値P06を背景領域の画素の画素値Bと表現する。すなわち、混合領域の画素の画素値Mおよび背景領域の画素の画素値Bは、それぞれ、式(5)および式(6)のように表現することができる。
【0175】
M=C06 (5)
B=P06 (6)
【0176】
式(4)中の2/vは、混合比αに対応する。動き量vが4なので、フレーム#nの左から7番目の画素の混合比αは、0.5となる。
【0177】
以上のように、注目しているフレーム#nの画素値Cを混合領域の画素値と見なし、フレーム#nの前のフレーム#n-1の画素値Pを背景領域の画素値と見なすことで、混合比αを示す式(3)は、式(7)のように書き換えられる。
【0178】
C=α・P+f (7)
式(7)のfは、注目している画素に含まれる前景の成分の和ΣiFi/vである。式(7)に含まれる変数は、混合比αおよび前景の成分の和fの2つである。
【0179】
同様に、アンカバードバックグラウンド領域における、動き量vが4であり、時間方向の仮想分割数が4である、画素値を時間方向に展開したモデルを図23に示す。
【0180】
アンカバードバックグラウンド領域において、上述したカバードバックグラウンド領域における表現と同様に、注目しているフレーム#nの画素値Cを混合領域の画素値と見なし、フレーム#nの後のフレーム#n+1の画素値Nを背景領域の画素値と見なすことで、混合比αを示す式(3)は、式(8)のように表現することができる。
【0181】
C=α・N+f (8)
【0182】
なお、背景のオブジェクトが静止しているとして説明したが、背景のオブジェクトが動いている場合においても、背景の動き量vに対応させた位置の画素の画素値を利用することにより、式(4)乃至式(8)を適用することができる。例えば、図22において、背景に対応するオブジェクトの動き量vが2であり、仮想分割数が2であるとき、背景に対応するオブジェクトが図中の右側に動いているとき、式(6)における背景領域の画素の画素値Bは、画素値P04とされる。
【0183】
式(7)および式(8)は、それぞれ2つの変数を含むので、そのままでは混合比αを求めることができない。
【0184】
そこで、前景のオブジェクトの動き量vに合わせて、混合領域に属する画素と、対応する背景領域に属する画素との組について式を立て、混合比αを求める。
【0185】
動き量vとして、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報が利用される。
【0186】
推定混合比処理部201による、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基にした、動き量vを使用した推定混合比の算出について説明する。
【0187】
カバードバックグラウンド領域に対応する図22に示す例において、フレーム#n-1のP02について、式(9)が成立し、フレーム#nのC06について、式(10)が成立する。
【0188】
【数3】
Figure 0004840630
【0189】
【数4】
Figure 0004840630
【0190】
式(9)および式(10)において、混合比αに対応する値は、2/vであり、同一である。式(9)および式(10)において、前景の成分の和に対応する値は、
【数5】
Figure 0004840630
であり、同一である。
【0191】
すなわち、フレーム#n-1のP02およびフレーム#nのC06の混合比αおよび前景の成分の和は、同一であり、フレーム#nのC06は、前景のオブジェクトの動きにより、フレーム#n-1のP02に対応していると言える。
【0192】
複数フレームにわたって、前景に対応するオブジェクトが等速で動くという仮定と、前景の成分が一定であるという仮定を持ち込むことで、このように、前景のオブジェクトの動き量vに対応して、混合比αおよび前景の成分の和が同一である混合領域に属する画素と、対応する背景領域に属する画素との複数の組を選択することができる。例えば、混合領域に属する画素と、対応する背景領域に属する画素との複数の組を5つの組とすることができる。
【0193】
例えば、図24に示すように、前景のオブジェクトの動き量vに対応して、フレーム#n-3乃至フレーム#n+2から、混合領域に属する画素Mt1乃至Mt5と、対応する背景領域に属する画素Bt1乃至Bt5とを選択することができる。
【0194】
画素Mt1乃至Mt5、および画素Bt1乃至Bt5について、式(11)乃至式(15)が成立する。
【0195】
Mt1=α・Bt1+f (11)
Mt2=α・Bt2+f (12)
Mt3=α・Bt3+f (13)
Mt4=α・Bt4+f (14)
Mt5=α・Bt5+f (15)
式(11)乃至式(15)のfは、前景の成分の和ΣiFi/vである。
【0196】
式(11)乃至式(15)の5つの式は、共通する変数である混合比αおよび前景の成分の和fを含むので、式(11)乃至式(15)に最小自乗法を適用して、混合比αおよび前景の成分の和fを求めることができる。
【0197】
例えば、推定混合比処理部201は、混合比αおよび前景の成分の和fを算出するための正規方程式を予め記憶し、記憶している正規方程式に混合領域に属する画素値、および対応する背景領域に属する画素値を設定して、行列解法により混合比αおよび前景の成分の和fを算出する。
【0198】
なお、背景が動いているとき、図25に例を示すように、推定混合比処理部201は、背景の動き量v'に対応させて、正規方程式に混合領域に属する画素値、および対応する背景領域に属する画素値を設定して、行列解法により混合比αおよび前景の成分の和fを算出する。
【0199】
このように推定混合比処理部201は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、動き量vを使用して推定混合比を算出する。
【0200】
推定混合比処理部202は、同様に、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、動き量vを使用して推定混合比を算出する。アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルにおいて、対応する背景領域に属する画素は、注目している画素のフレームの後のフレームから選択される。
【0201】
図26は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、動き量vを使用して推定混合比を算出する推定混合比処理部201の構成を示すブロック図である。
【0202】
正規方程式加算部221は、動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、予め記憶している正規方程式に、入力画像のM個のフレームの画像に含まれる、混合領域に属する画素値、および対応する背景領域に属する画素値を設定する。正規方程式加算部221は、混合領域に属する画素値、および対応する背景領域に属する画素値が設定された正規方程式を、演算部222に供給する。
【0203】
演算部222は、正規方程式加算部221から供給された、画素値が設定された正規方程式を、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などの行列解法を適用して解き、推定混合比を算出し、算出した推定混合比を出力する。演算部222は、推定混合比の算出に伴い、求められた前景の成分の和を混合比関係情報として出力する。
【0204】
このように、推定混合比処理部201は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、動き量vを使用して推定混合比を算出する。推定混合比処理部201は、混合比関係情報として前景の成分の和を出力する。
【0205】
推定混合比処理部202は、推定混合比処理部201と同様の構成を有するので、その説明は省略する。
【0206】
このように、混合比算出部103は、入力画像、および動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報を基に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したときの、推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成すると共に、画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定したときの、推定される混合比である推定混合比およびこれに対応する混合比関係情報を生成することができる。
【0207】
図27のフローチャートを参照して、混合比算出部103の推定混合比の算出の処理を説明する。ステップS201において、推定混合比処理部201は、入力画像、並びに動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報を基に、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理を実行する。混合比推定の処理の詳細は、図28のフローチャートを参照して、後述する。
【0208】
ステップS202において、推定混合比処理部202は、入力画像、並びに動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報を基に、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理を実行する。
【0209】
ステップS203において、混合比算出部103は、フレーム全体について、混合比を推定したか否かを判定し、フレーム全体について、混合比を推定していないと判定された場合、ステップS201に戻り、次の画素について混合比を推定する処理を実行する。
【0210】
ステップS203において、フレーム全体について、混合比を推定したと判定された場合、処理は終了する。
【0211】
このように、混合比算出部103は、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並びに入力画像を基に、各画素に対応する推定混合比を算出することができる。
【0212】
次に、図27のステップS201に対応する、推定混合比処理部201が実行する、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の算出の処理を図28のフローチャートを参照して説明する。
【0213】
ステップS221において、正規方程式加算部221は、動き検出部102から供給された動きベクトルおよびその位置情報を読み込み、動き量vを取得する。
【0214】
ステップS222において、正規方程式加算部221は、動き量vを基に、入力されたM個のフレームの画像から画素を選択して、予め記憶している正規方程式に選択した画素の画素値を設定する。
【0215】
ステップS223において、正規方程式加算部221は、対象となる画素について画素値の設定を終了したか否かを判定し、対象となる画素について画素値の設定を終了していないと判定された場合、ステップS222に戻り、画素値の設定の処理を繰り返す。
【0216】
ステップS223において、対象となる画素について画素値の設定を終了したと判定された場合、ステップS224に進み、正規方程式加算部221は、画素値を設定した正規方程式を演算部222に供給し、演算部222は、画素値が設定された正規方程式に掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用して正規方程式を解き、推定混合比を算出して、処理は終了する。演算部222は、推定混合比の算出に伴い、求められた各画素に対応する前景の成分の和を混合比関係情報として出力する。
【0217】
このように、推定混合比処理部201は、推定混合比を算出することができる。
【0218】
図27のステップS202における、推定混合比処理部202が実行する、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方程式を利用した、図28のフローチャートに示す処理と同様なので、その説明は省略する。
【0219】
図29は、混合比算出部103の他の構成を示すブロック図である。図29に構成を示す混合比算出部103は、動きベクトルを使用しない。
【0220】
推定混合比処理部241は、入力画像を基に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部241が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和、および混合比の傾きなどからなる。
【0221】
推定混合比処理部242は、入力画像を基に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部242が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和、および混合比の傾きなどからなる。
【0222】
図30乃至図32を参照して、推定混合比処理部241および推定混合比処理部242による、混合比の推定の処理を説明する。
【0223】
図22および図23を参照して説明したように、式(7)および式(8)は、それぞれ2つの変数を含むので、そのままでは混合比αを求めることができない。
【0224】
そこで、推定混合比処理部241または推定混合比処理部242は、シャッタ時間内において、前景に対応するオブジェクトが等速で動くことにより、画素の位置の変化に対応して、混合比αが直線的に変化する性質を利用して、空間方向に、混合比αと前景の成分の和fとを近似した式を立てる。混合領域に属する画素の画素値および背景領域に属する画素の画素値の組の複数を利用して、混合比αと前景の成分の和fとを近似した式を解く。
【0225】
混合比αの変化を、直線として近似すると、混合比αは、式(16)で表される。
【0226】
α=il+p (16)
式(16)において、iは、注目している画素の位置を0とした空間方向のインデックスである。lは、混合比αの直線の傾きである。pは、混合比αの直線の切片である共に、注目している画素の混合比αである。式(16)において、インデックスiは、既知であるが、傾きlおよび切片pは、未知である。
【0227】
インデックスi、傾きl、および切片pの関係を図30に示す。
【0228】
混合比αを式(16)のように近似することにより、複数の画素に対して複数の異なる混合比αは、2つの変数で表現される。図30に示す例において、5つの画素に対する5つの混合比は、2つの変数である傾きlおよび切片pにより表現される。
【0229】
図31に示す平面で混合比αを近似すると、画像の水平方向および垂直方向の2つの方向に対応する動きvを考慮したとき、式(16)を平面に拡張して、混合比αは、式(17)で表される。
【0230】
α=jm+kq+p (17)
式(17)において、jは、注目している画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方向のインデックスである。mは、混合比αの面の水平方向の傾きであり、qは、混合比αの面の垂直方向の傾きである。pは、混合比αの面の切片である。
【0231】
例えば、図22に示すフレーム#nにおいて、C05乃至C07について、それぞれ、式(18)乃至式(20)が成立する。
【0232】
C05=α05・B05/v+f05 (18)
C06=α06・B06/v+f06 (19)
C07=α07・B07/v+f07 (20)
【0233】
前景の成分が近傍で一致する、すなわち、F01乃至F03が等しいとして、F01乃至F03をFcに置き換えると式(21)が成立する。
【0234】
f(x)=(1-α(x))・Fc (21)
式(21)において、xは、空間方向の位置を表す。
【0235】
α(x)を式(17)で置き換えると、式(21)は、式(22)として表すことができる。
【0236】
Figure 0004840630
【0237】
式(22)において、(-m・Fc)、(-q・Fc)、および(1-p)・Fcは、式(23)乃至式(25)に示すように置き換えられている。
【0238】
s=-m・Fc (23)
t=-q・Fc (24)
u=(1-p)・Fc (25)
【0239】
式(22)において、jは、注目している画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方向のインデックスである。
【0240】
このように、前景に対応するオブジェクトがシャッタ時間内において等速に移動し、前景に対応する成分が近傍において一定であるという仮定が成立するので、前景の成分の和は、式(22)で近似される。
【0241】
なお、混合比αを直線で近似する場合、前景の成分の和は、式(26)で表すことができる。
【0242】
f(x)=is+u (26)
【0243】
式(16)の混合比αおよび前景成分の和を、式(17)および式(22)を利用して置き換えると、画素値Mは、式(27)で表される。
【0244】
Figure 0004840630
【0245】
式(27)において、未知の変数は、混合比αの面の水平方向の傾きm、混合比αの面の垂直方向の傾きq、混合比αの面の切片p、s、t、およびuの6つである。
【0246】
注目している画素の近傍の画素に対応させて、式(27)に、画素値Mおよび画素値Bを設定し、画素値Mおよび画素値Bが設定された複数の式に対して最小自乗法で解くことにより、混合比αを算出する。
【0247】
例えば、注目している画素の水平方向のインデックスjを0とし、垂直方向のインデックスkを0とし、注目している画素の近傍の3×3の画素について、式(27)に対応する正規方程式に画素値Mまたは画素値Bを設定すると、式(28)乃至式(36)を得る。
【0248】
Figure 0004840630
【0249】
注目している画素の水平方向のインデックスjが0であり、垂直方向のインデックスkが0であるので、注目している画素の混合比αは、式(17)より、j=0およびk=0のときの値、すなわち、切片pに等しい。
【0250】
従って、式(28)乃至式(36)の9つの式を基に、最小自乗法により、水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuのそれぞれの値を算出し、切片pを混合比αとして出力すればよい。
【0251】
次に、最小自乗法を適用して混合比αを算出するより具体的な手順を説明する。
【0252】
インデックスiおよびインデックスkを1つのインデックスxで表現すると、インデックスi、インデックスk、およびインデックスxの関係は、式(37)で表される。
【0253】
x=(j+1)・3+(k+1) (37)
【0254】
水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuをそれぞれ変数w0,w1,w2,w3,w4、およびw5と表現し、jB,kB,B,j,k、および1をそれぞれa0,a1,a2,a3,a4、およびa5と表現する。誤差exを考慮すると、式(28)乃至式(36)は、式(38)に書き換えることができる。
【0255】
【数6】
Figure 0004840630
【0256】
式(38)において、xは、0乃至8の整数のいずれかの値である。
【0257】
式(38)から、式(39)を導くことができる。
【0258】
【数7】
Figure 0004840630
【0259】
ここで、最小自乗法を適用するため、誤差の自乗和Eを式(40)に示すようにに定義する。
【0260】
【数8】
Figure 0004840630
【0261】
誤差が最小になるためには、誤差の自乗和Eに対する、変数Wvの偏微分が0になればよい。ここで、vは、0乃至5の整数のいずれかの値である。従って、式(41)を満たすようにwyを求める。
【0262】
【数9】
Figure 0004840630
【0263】
式(41)に式(39)を代入すると、式(42)を得る。
【0264】
【数10】
Figure 0004840630
【0265】
式(42)のvに0乃至5の整数のいずれか1つを代入して得られる6つの式からなる正規方程式に、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用して、wyを算出する。上述したように、w0は水平方向の傾きmであり、w1は垂直方向の傾きqであり、w2は切片pであり、w3はsであり、w4はtであり、w5はuである。
【0266】
以上のように、画素値Mおよび画素値Bを設定した式に、最小自乗法を適用することにより、水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuを求めることができる。
【0267】
ここで、切片pが、インデックスi,kが0の点、すなわち中心位置における混合比αとなっているので、これを出力する。
【0268】
式(28)乃至式(36)に対応する説明において、混合領域に含まれる画素の画素値をMとし、背景領域に含まれる画素の画素値をBとして説明したが、注目している画素が、カバードバックグラウンド領域に含まれる場合、またはアンカバードバックグラウンド領域に含まれる場合のそれぞれに対して、正規方程式を立てる必要がある。
【0269】
例えば、図22に示す、フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを求める場合、フレーム#nの画素のC04乃至C08、およびフレーム#n-1の画素の画素値P04乃至P08が、正規方程式に設定される。
【0270】
図23に示す、フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを求める場合、フレーム#nの画素のC28乃至C32、およびフレーム#n+1の画素の画素値N28乃至N32が、正規方程式に設定される。
【0271】
また、例えば、図32に示す、カバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、以下の式(43)乃至式(51)が立てられる。混合比αを算出する画素の画素値は、Mc5である。
【0272】
Mc1=(-1)・Bc1・m+(-1)・Bc1・q+Bc1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (43)
Mc2=(0)・Bc2・m+(-1)・Bc2・q+Bc2・p+(0)・s+(-1)・t+u (44)
Mc3=(+1)・Bc3・m+(-1)・Bc3・q+Bc3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (45)
Mc4=(-1)・Bc4・m+(0)・Bc4・q+Bc4・p+(-1)・s+(0)・t+u (46)
Mc5=(0)・Bc5・m+(0)・Bc5・q+Bc5・p+(0)・s+(0)・t+u (47)
Mc6=(+1)・Bc6・m+(0)・Bc6・q+Bc6・p+(+1)・s+(0)・t+u (48)
Mc7=(-1)・Bc7・m+(+1)・Bc7・q+Bc7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (49)
Mc8=(0)・Bc8・m+(+1)・Bc8・q+Bc8・p+(0)・s+(+1)・t+u (50)
Mc9=(+1)・Bc9・m+(+1)・Bc9・q+Bc9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (51)
【0273】
フレーム#nのカバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式(43)乃至式(51)において、フレーム#nの画素に対応する、フレーム#n-1の画素の背景領域の画素の画素値Bc1乃至Bc9が使用される。
【0274】
図32に示す、アンカバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、以下の式(52)乃至式(60)が立てられる。混合比αを算出する画素の画素値は、Mu5である。
【0275】
Mu1=(-1)・Bu1・m+(-1)・Bu1・q+Bu1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (52)
Mu2=(0)・Bu2・m+(-1)・Bu2・q+Bu2・p+(0)・s+(-1)・t+u (53)
Mu3=(+1)・Bu3・m+(-1)・Bu3・q+Bu3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (54)
Mu4=(-1)・Bu4・m+(0)・Bu4・q+Bu4・p+(-1)・s+(0)・t+u (55)
Mu5=(0)・Bu5・m+(0)・Bu5・q+Bu5・p+(0)・s+(0)・t+u (56)
Mu6=(+1)・Bu6・m+(0)・Bu6・q+Bu6・p+(+1)・s+(0)・t+u (57)
Mu7=(-1)・Bu7・m+(+1)・Bu7・q+Bu7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (58)
Mu8=(0)・Bu8・m+(+1)・Bu8・q+Bu8・p+(0)・s+(+1)・t+u (59)
Mu9=(+1)・Bu9・m+(+1)・Bu9・q+Bu9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (60)
【0276】
フレーム#nのアンカバードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式(52)乃至式(60)において、フレーム#nの画素に対応する、フレーム#n+1の画素の背景領域の画素の画素値Bu1乃至Bu9が使用される。
【0277】
混合比推定処理部241および混合比推定処理部242は、混合比処理部201と同様の構成を有するので、その説明は省略する。
【0278】
図29に構成を示す混合比算出部103による推定混合比の算出の処理は、図27のフローチャートを参照して説明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0279】
次に、推定混合比処理部241が実行する、図27のステップS202に対応する、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理を図33のフローチャートを参照して説明する。
【0280】
ステップS241において、推定混合比処理部241は、入力された画像に含まれる画素値を、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方程式に設定する。
【0281】
ステップS242において、推定混合比処理部241は、対象となる画素についての設定が終了したか否かを判定し、対象となる画素についての設定が終了していないと判定された場合、ステップS241に戻り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0282】
ステップS242において、対象となる画素についての画素値の設定が終了したと判定された場合、ステップS243に進み、推定混合比処理部241は、画素値が設定された正規方程式を解くことにより、推定混合比を演算して、求められた推定混合比を出力する。推定混合比処理部241は、推定混合比の算出に伴い、求められた前景の成分の和および推定混合比の傾きを混合比関係情報として出力する。
【0283】
このように、推定混合比処理部241は、入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。推定混合比処理部241は、混合比関係情報として前景の成分の和および推定混合比の傾きを出力する。
【0284】
推定混合比処理部242による、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方程式を利用した、図33のフローチャートに示す処理と同様なので、その説明は省略する。
【0285】
図34は、コンポーネント信号として入力される入力画像から混合比を推定する、混合比算出部103のさらに他の構成を示すブロック図である。
【0286】
この明細書において、コンポーネントとは、コンポーネント信号における、輝度信号および色差信号、またはRGB(Red-green-blue)信号などの個別の信号をいう。
【0287】
以下の説明において、コンポーネント1は、輝度値Yとし、コンポーネント2は、色差Uとし、コンポーネント3は、色差Vとした例を基に説明する。
【0288】
推定混合比処理部241−1は、入力画像のコンポーネント1を基に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部241−1が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和、および混合比の傾きなどからなる。
【0289】
推定混合比処理部242−1は、入力画像のコンポーネント1を基に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。推定混合比処理部242−1が出力する混合比関係情報は、例えば、前景の成分の和、および混合比の傾きなどからなる。
【0290】
推定混合比処理部241−2は、入力画像のコンポーネント2を基に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。
【0291】
推定混合比処理部242−2は、入力画像のコンポーネント2を基に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。
【0292】
推定混合比処理部241−3は、入力画像のコンポーネント3を基に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。
【0293】
推定混合比処理部242−3は、入力画像のコンポーネント3を基に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、推定混合比の算出に伴い算出される混合比関係情報と共に、推定混合比を出力する。
【0294】
このように、図34に構成を示す混合比算出部103は、コンポーネント信号として入力される入力画像を基に、各コンポーネント毎に、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比を演算することができる。混合比算出部103は、各コンポーネント毎の、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する、前景の成分の和および推定混合比の傾きからなる混合比関係情報を出力する。
【0295】
なお、混合比算出部103は、コンポーネント信号として入力される入力画像から混合比を推定するとき、推定混合比処理部201および推定混合比処理部202で説明した処理により、各コンポーネント毎に、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比を演算し、推定混合比と共に、対応する混合比関係情報を出力するようにしてもよい。
【0296】
また、背景に対応するオブジェクトが静止しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が動きを含んでいても上述した混合比を求める処理を適用することができる。例えば、背景領域に対応する画像が一様に動いているとき、混合比算出部103は、この動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んでいるとき、混合比算出部103は、混合領域に属する画素に対応する画素として、動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行する。
【0297】
次に、領域特定部104について説明する。
【0298】
図35は、領域特定部104の構成を示すブロック図である。予測誤差演算部301は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値(推定混合比に対応する予測誤差)を算出し、算出した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303に供給する。
【0299】
例えば、混合比算出部103が、式(11)乃至式(15)に最小自乗法を適用して混合比を推定するとき、予測誤差演算部301は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する前景の成分の和である混合比関係情報を基に、式(61)に対応する演算により、誤差値Sである最小自乗誤差和を算出する。
【0300】
【数11】
Figure 0004840630
【0301】
式(61)において、αは、推定混合比を示し、tは、混合比の算出に用いられたフレームの数を示す。
【0302】
【数12】
Figure 0004840630
は、混合比関係情報である前景の成分の和を示す。
【0303】
予測誤差演算部302は、アンカバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304に供給する。
【0304】
なお、予測誤差演算部301および予測誤差演算部302は、例えば、5画素×5画素からなるブロックなど複数の画素からなるブロック毎に、各画素に対応する誤差値を算出するようにしてもよい。
【0305】
また、予測誤差演算部301および予測誤差演算部302は、tを予め定めておいても良く、または、tを混合比関係情報として、混合比算出部103から取得するようにしてもよい。
【0306】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に、予測誤差演算部301から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0307】
カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に、予測誤差演算部302から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素にカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0308】
前景背景領域判定部305は、入力画像を基に、前景領域および背景領域を判定する。
【0309】
例えば、前景背景領域判定部305は、注目しているフレーム#nの注目している注目画素の画素値と、フレーム#n-1の注目画素に対応する画素の画素との差分を基に、注目画素について動き判定する。前景背景領域判定部305は、注目しているフレーム#nの注目している注目画素の画素値と、フレーム#n+1の注目画素に対応する画素の画素との差分を基に、注目画素について動き判定する。
【0310】
前景背景領域判定部305は、注目画素が、フレーム#n-1からフレーム#nについて動きと判定され、フレーム#nからフレーム#n+1について動きと判定されたとき、注目画素を前景領域に属すると判定する。
【0311】
例えば、前景背景領域判定部305は、注目画素が、フレーム#n-1からフレーム#nについて静止と判定され、フレーム#nからフレーム#n+1について静止と判定されたとき、注目画素を背景領域に属すると判定する。
【0312】
前景背景領域判定部305は、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0313】
合成部306は、アンカバードバックグラウンド領域判定部303から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、カバードバックグラウンド領域判定部304から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、並びに前景背景領域判定部305から供給された前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域のいずれかを示す領域情報を合成する。合成部306は、合成した領域情報を混合比決定部307に供給すると共に、領域情報を出力する。
【0314】
混合比決定部307は、合成部306から供給された領域情報を基に、混合比αを決定する。より具体的には、混合比決定部307は、対象となる画素が前景領域に属する場合、0を混合比αに設定し、対象となる画素が背景領域に属する場合、1を混合比αに設定する。混合比決定部307は、対象となる画素がカバードバックグラウンド領域に属する場合、カバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比を混合比αに設定し、対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属する場合、アンカバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比を混合比αに設定する。混合比決定部307は、領域情報を基に決定した混合比αを出力する。
【0315】
図36および図37を参照して、アンカバードバックグラウンド領域判定部303の判定の処理を説明する。
【0316】
図36に示すように、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、注目しているフレーム#nの背景領域に属する注目画素の画素値は、フレーム#nの次のフレーム#n+1の注目画素に対応する画素の画素値と等しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止しているので、注目画素を元に動きベクトルで示される、フレーム#n+1の画素の画素値は、フレーム#n+2の対応する画素の画素値と等しい。
【0317】
これにより、背景領域に属する画素に対応する、カバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比は、ほぼ1となり、前景の成分の和は、ほぼ0となる。
【0318】
従って、式(61)に対応する演算により、算出される誤差値Sは、ほぼ0となる。
【0319】
前景領域に属する注目画素において、動き補償しているので、注目しているフレーム#nの注目画素の画素値は、注目画素を元に動きベクトルで示される、フレーム#n+1の画素の画素値と等しい。また、前景のオブジェクトについて、空間方向の相関が強いので、前景の成分の値は、ほぼ等しい。
【0320】
これにより、厳密な意味では、物理的なモデルとの対応は成り立っていないが、前景領域に属する注目画素において、最小自乗法により算出された推定混合比および前景の成分の和の最小自乗誤差和は、比較的小さな値となる。
【0321】
カバードバックグラウンド領域について、最小自乗法により算出された推定混合比および前景の成分の和の最小自乗誤差和は、当然に、ほぼ0となる。
【0322】
これに対して、図37に示すように、アンカバードバックグラウンド領域に属する、注目しているフレーム#nの注目画素の画素値に含まれる前景の成分は、フレーム#nの次のフレーム#n+1の注目画素に対応する画素の画素値に含まれる前景の成分と異なる。同様に、注目画素を元に動きベクトルで示される、フレーム#n+1の画素の画素値に含まれる前景の成分は、フレーム#n+2の対応する画素の画素値に含まれる前景の成分と異なる。
【0323】
最小自乗法により、推定混合比および前景の成分の和を未知の変数として、解を算出したとき、式に設定された画素値に含まれる前景の成分の和が変化しているので、前景の成分の和は算出できない。
【0324】
従って、カバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、最小自乗法により算出された推定混合比および前景の成分の和の最小自乗誤差和は、注目画素がアンカバードバックグラウンド領域に属するとき、大きな値となる。
【0325】
このように、アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、カバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、最小自乗法により算出された推定混合比および前景の成分の和についての誤差値Sが閾値Th以上であるか否かの判定により、対応する画素がアンカバードバックグラウンド領域に属するか否かを判定することができる。
【0326】
同様に、カバードバックグラウンド領域判定部304は、アンカバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルを基に、最小自乗法により算出された推定混合比および前景の成分の和についての誤差値Sが閾値Th以上であるか否かの判定により、対応する画素がカバードバックグラウンド領域に属するか否かを判定することができる。
【0327】
図38乃至図43は、入力画像、および入力画像に対応する領域特定部104による領域の判定の結果の例を示す図である。
【0328】
図38は、入力画像を示す図である。図38の入力画像において、前景のオブジェクトは、図中の左側から右側に移動している。
【0329】
図39に示す画像は、図38に示す入力画像について、混合比算出部103により、7フレームを用いて算出された推定混合比および前景の成分の和を基に、領域特定部104が、1つの画素毎に、閾値Thを70として判定した結果を示す図である。
【0330】
図40に示す画像は、図38に示す入力画像について、混合比算出部103により、3フレームを用いて算出された推定混合比および前景の成分の和を基に、領域特定部104が、5画素×5画素からなるブロック毎に、ブロックについて混合比を一定と仮定して、ブロックについての誤差値Sの和の閾値Thを750とし、ブロック内の1つの画素の誤差値Sの閾値Thを10として判定した結果を示す図である。
【0331】
図41は、入力画像を示す図である。図41の入力画像において、前景のオブジェクトは、図中の左側から右側に移動している。
【0332】
図42に示す画像は、図41に示す入力画像について、混合比算出部103により、7フレームを用いて算出された推定混合比および前景の成分の和を基に、領域特定部104が、1つの画素毎に、閾値Thを70として判定した結果を示す図である。
【0333】
図43に示す画像は、図41に示す入力画像について、混合比算出部103により、3フレームを用いて算出された推定混合比および前景の成分の和を基に、領域特定部104が、5画素×5画素からなるブロック毎に、ブロックについて混合比を一定と仮定して、ブロックについての誤差値Sの和の閾値Thを750とし、ブロック内の1つの画素の誤差値Sの閾値Thを10として判定した結果を示す図である。
【0334】
図39乃至図43において、カバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に位置し、アンカバードバックグラウンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の後端部に位置する。
【0335】
図38乃至図43に示すように、領域特定部104は、ほぼ正確に、領域を判定することができる。
【0336】
次に、混合比算出部103が、式(28)乃至式(36)に最小自乗法を適用して混合比を推定し、推定混合比と共に、推定混合比の傾きを示すデータを混合比関係情報として出力するときの、領域特定部104の処理について説明する。
【0337】
注目画素の画素値Mは、式(27)より、式(62)で表される。
【0338】
M=(jm+kq+p)・B+j・s+k・t+u (62)
式(62)において、jは、注目している画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方向のインデックスである。mは、混合比αの面の水平方向の傾きであり、qは、混合比αの面の垂直方向の傾きである。pは、混合比αの面の切片である。s,t、およびuは、式(23)乃至式(25)に示すように、m,q、およびpと前景の成分との関係を示す変数である。
【0339】
予測誤差演算部301は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する、j,k,m,q,p,s,t、およびuを含む混合比関係情報を基に、式(63)に対応する演算により、誤差値Sである最小自乗誤差和を算出することができる。
【0340】
【数13】
Figure 0004840630
【0341】
予測誤差演算部302は、アンカバードカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、式(63)に対応する演算により、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304に供給する。
【0342】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に、予測誤差演算部301から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0343】
カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に、予測誤差演算部302から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素にカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0344】
前景背景領域判定部305は、入力画像を基に、前景領域および背景領域を判定し、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0345】
合成部306は、アンカバードバックグラウンド領域判定部303から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、カバードバックグラウンド領域判定部304から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、並びに前景背景領域判定部305から供給された前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域のいずれか1つを示す領域情報を合成する。合成部306は、合成した領域情報を混合比決定部307に供給すると共に、領域情報を出力する。
【0346】
混合比決定部307は、合成部306から供給された領域情報を基に、混合比αを決定する。
【0347】
このように、領域特定部104は、混合比算出部103の混合比の推定の方法に対応して、推定混合比および混合比関係情報を基に、領域情報を生成することができる。
【0348】
図44は、コンポーネント信号毎に推定された混合比およびこれらに対応する混合比関係情報、並びにコンポーネント信号として入力される入力画像を基に、領域を特定する領域特定部104の構成を示すブロック図である。図35に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0349】
予測誤差演算部301−1は、入力画像のコンポーネント1から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部321に供給する。
【0350】
予測誤差演算部301−2は、入力画像のコンポーネント2から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部321に供給する。
【0351】
予測誤差演算部301−3は、入力画像のコンポーネント3から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部321に供給する。
【0352】
予測誤差演算部302−1は、入力画像のコンポーネント1から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部322に供給する。
【0353】
予測誤差演算部302−2は、入力画像のコンポーネント2から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部322に供給する。
【0354】
予測誤差演算部302−3は、入力画像のコンポーネント3から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値を加算部322に供給する。
【0355】
加算部321は、予測誤差演算部301−1から供給された誤差値、予測誤差演算部301−2から供給された誤差値、および予測誤差演算部301−3から供給された誤差値を加算し、加算した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303に供給する。
【0356】
加算部322は、予測誤差演算部302−1から供給された誤差値、予測誤差演算部302−2から供給された誤差値、および予測誤差演算部302−3から供給された誤差値を加算し、加算した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304に供給する。
【0357】
加算部323は、入力画像のコンポーネント1、入力画像のコンポーネント2、および入力画像のコンポーネント3を加算し、加算したコンポーネント1、コンポーネント2、およびコンポーネント3を前景背景領域判定部305に供給する。
【0358】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に、加算部321から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0359】
カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に、加算部322から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素にカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0360】
前景背景領域判定部305は、加算されたコンポーネント1、コンポーネント2、およびコンポーネント3を基に、前景領域および背景領域を判定し、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0361】
合成部306は、アンカバードバックグラウンド領域判定部303から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、カバードバックグラウンド領域判定部304から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、並びに前景背景領域判定部305から供給された前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域のいずれかを示す領域情報を合成する。合成部306は、合成した領域情報を混合比決定部307に供給すると共に、領域情報を出力する。
【0362】
このように、図44に示す領域特定部104は、コンポーネント信号毎に推定された混合比およびこれらに対応する混合比関係情報、並びにコンポーネント信号として入力される入力画像を基に、領域を特定することができる。図44に構成を示す領域特定部104は、図35に構成を示す領域特定部104に比較して、より正確に、領域を特定することができる。
【0363】
図45は、コンポーネント信号毎に推定された混合比およびこれらに対応する混合比関係情報、並びにコンポーネント信号として入力される入力画像を基に、領域を特定する領域特定部104の他の構成を示すブロック図である。
【0364】
図44に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0365】
予測誤差演算部301−1は、入力画像のコンポーネント1から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303−1に供給する。
【0366】
予測誤差演算部301−2は、入力画像のコンポーネント2から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303−2に供給する。
【0367】
予測誤差演算部301−3は、入力画像のコンポーネント3から算出された、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303−3に供給する。
【0368】
予測誤差演算部302−1は、入力画像のコンポーネント1から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304−1に供給する。
【0369】
予測誤差演算部302−2は、入力画像のコンポーネント2から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304−2に供給する。
【0370】
予測誤差演算部302−3は、入力画像のコンポーネント3から算出された、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比、およびアンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、各画素に対応する誤差値を算出し、算出した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304−3に供給する。
【0371】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1は、画素毎に、予測誤差演算部301−1から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部341に供給する。
【0372】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2は、画素毎に、予測誤差演算部301−2から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部341に供給する。
【0373】
アンカバードバックグラウンド領域判定部303−3は、画素毎に、予測誤差演算部301−3から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。アンカバードバックグラウンド領域判定部303−3は、画素毎に設定された、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部341に供給する。
【0374】
カバードバックグラウンド領域判定部304−1は、画素毎に、予測誤差演算部302−1から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304−1は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部342に供給する。
【0375】
カバードバックグラウンド領域判定部304−2は、画素毎に、予測誤差演算部302−2から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304−2は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部342に供給する。
【0376】
カバードバックグラウンド領域判定部304−3は、画素毎に、予測誤差演算部302−3から供給された誤差値が、予め記憶している閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、注目している画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定し、注目している画素に対応させてカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定する。カバードバックグラウンド領域判定部304−3は、画素毎に設定された、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを論理和演算部342に供給する。
【0377】
前景背景領域判定部305−1は、コンポーネント1を基に、前景領域および背景領域を判定し、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを論理和演算部343に供給する。
【0378】
前景背景領域判定部305−2は、コンポーネント2を基に、前景領域および背景領域を判定し、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを論理和演算部343に供給する。
【0379】
前景背景領域判定部305−3は、コンポーネント3を基に、前景領域および背景領域を判定し、画素毎に設定された、前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを論理和演算部343に供給する。
【0380】
論理和演算部341は、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、およびアンカバードバックグラウンド領域判定部303−3から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを基に、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域判定部303−3から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域の論理和を演算して、論理和により演算されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを生成する。論理和演算部341は、生成したアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0381】
論理和演算部342は、カバードバックグラウンド領域判定部304−1から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、カバードバックグラウンド領域判定部304−2から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定部304−3から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグを基に、カバードバックグラウンド領域判定部304−1から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域判定部304−2から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域、およびカバードバックグラウンド領域判定部304−3から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域の論理和を演算して、論理和により演算されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグを生成する。論理和演算部342は、生成したカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0382】
論理和演算部343は、前景背景領域判定部305−1から供給された前景領域を示すフラグ、前景背景領域判定部305−2から供給された前景領域を示すフラグ、および前景背景領域判定部305−3から供給された前景領域を示すフラグを基に、前景背景領域判定部305−1から供給されたフラグが示す前景領域、前景背景領域判定部305−2から供給されたフラグが示す前景領域、および前景背景領域判定部305−3から供給されたフラグが示す前景領域の論理和を演算して、論理和により演算された前景領域を示すフラグを生成する。論理和演算部343は、生成した前景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0383】
論理和演算部343は、前景背景領域判定部305−1から供給された背景領域を示すフラグ、前景背景領域判定部305−2から供給された背景領域を示すフラグ、および前景背景領域判定部305−3から供給された背景領域を示すフラグを基に、前景背景領域判定部305−1から供給されたフラグが示す背景領域、前景背景領域判定部305−2から供給されたフラグが示す背景領域、および前景背景領域判定部305−3から供給されたフラグが示す背景領域の論理和を演算して、論理和により演算された背景領域を示すフラグを生成する。論理和演算部343は、生成した背景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0384】
合成部306は、論理和演算部341から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、論理和演算部342から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、並びに論理和演算部343から供給された前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域のいずれかを示す領域情報を合成する。合成部306は、合成した領域情報を出力する。
【0385】
図45に構成を示す領域特定部104は、前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域の各領域を漏らさず特定した領域情報を出力することができる。
【0386】
図46は、コンポーネント信号毎に推定された混合比およびこれらに対応する混合比関係情報、並びにコンポーネント信号として入力される入力画像を基に、領域を特定する領域特定部104のさらに他の構成を示すブロック図である。
【0387】
図45に示す場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0388】
論理積演算部361は、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、およびアンカバードバックグラウンド領域判定部303−3から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを基に、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−1から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域、アンカバードバックグラウンド領域判定部303−2から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域判定部303−3から供給されたフラグが示すアンカバードバックグラウンド領域の論理積を演算して、論理積により演算されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを生成する。論理積演算部361は、生成したアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0389】
論理積演算部362は、カバードバックグラウンド領域判定部304−1から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、カバードバックグラウンド領域判定部304−2から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、およびカバードバックグラウンド領域判定部304−3から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグを基に、カバードバックグラウンド領域判定部304−1から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域判定部304−2から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域、およびカバードバックグラウンド領域判定部304−3から供給されたフラグが示すカバードバックグラウンド領域の論理積を演算して、論理積により演算されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグを生成する。論理積演算部362は、生成したカバードバックグラウンド領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0390】
論理積演算部363は、前景背景領域判定部305−1から供給された前景領域を示すフラグ、前景背景領域判定部305−2から供給された前景領域を示すフラグ、および前景背景領域判定部305−3から供給された前景領域を示すフラグを基に、前景背景領域判定部305−1から供給されたフラグが示す前景領域、前景背景領域判定部305−2から供給されたフラグが示す前景領域、および前景背景領域判定部305−3から供給されたフラグが示す前景領域の論理積を演算して、論理積により演算された前景領域を示すフラグを生成する。論理積演算部363は、生成した前景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0391】
論理積演算部363は、前景背景領域判定部305−1から供給された背景領域を示すフラグ、前景背景領域判定部305−2から供給された背景領域を示すフラグ、および前景背景領域判定部305−3から供給された背景領域を示すフラグを基に、前景背景領域判定部305−1から供給されたフラグが示す背景領域、前景背景領域判定部305−2から供給されたフラグが示す背景領域、および前景背景領域判定部305−3から供給されたフラグが示す背景領域の論理積を演算して、論理積により演算された背景領域を示すフラグを生成する。論理積演算部363は、生成した背景領域を示すフラグを合成部306に供給する。
【0392】
合成部306は、論理積演算部361から供給されたアンカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、論理積演算部362から供給されたカバードバックグラウンド領域を示すフラグ、並びに論理積演算部363から供給された前景領域を示すフラグ、および背景領域を示すフラグを基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウンド領域、前景領域、および背景領域のいずれかを示す領域情報を合成する。合成部306は、合成した領域情報を出力する。
【0393】
図46に構成を示す領域特定部104は、エラーのより少ない領域情報を出力することができる。
【0394】
図47のフローチャートを参照して、領域特定部104による、領域特定の処理を説明する。ステップS301において、領域特定部104は、誤差値を基に、画素毎に、カバードバックグラウンド領域の特定の処理を実行する。カバードバックグラウンド領域の特定の処理の詳細は、後述する。
【0395】
ステップS302において、領域特定部104は、誤差値を基に、画素毎に、アンカバードバックグラウンド領域の特定の処理を実行する。アンカバードバックグラウンド領域の特定の処理の詳細は、後述する。
【0396】
ステップS303において、前景背景領域判定部305は、入力画像を基に、画素毎に、前景領域および背景領域を特定し、処理は、終了する。
【0397】
図48のフローチャートを参照して、ステップS301に対応する、カバードバックグラウンド領域の特定の処理を説明する。
【0398】
ステップS321において、予測誤差演算部302は、アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる誤差値を計算する。予測誤差演算部302は、計算した誤差値をカバードバックグラウンド領域判定部304に供給する。
【0399】
ステップS322において、カバードバックグラウンド領域判定部304は、予測誤差演算部302から供給された誤差値が、閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、ステップS323に進み、誤差値に対応する画素に、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定し、手続きは、ステップS324に進む。
【0400】
ステップS322において、誤差値が閾値Th以上でないと判定された場合、カバードバックグラウンド領域ではないので、ステップS323の処理は、スキップされ、手続きは、ステップS324に進む。
【0401】
ステップS324において、領域特定部104は、画面全体について処理をしたか否かを判定し、画面全体について処理をしていないと判定された場合、ステップS321に戻り、カバードバックグラウンド領域の判定の処理を繰り返す。
【0402】
ステップS324において、画面全体について処理をしたと判定された場合、ステップS325に進み、カバードバックグラウンド領域判定部304は、カバードバックグラウンド領域を示すフラグを出力して、処理は終了する。
【0403】
図49のフローチャートを参照して、ステップS302に対応する、アンカバードバックグラウンド領域の特定の処理を説明する。
【0404】
ステップS341において、予測誤差演算部301は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる誤差値を計算する。予測誤差演算部301は、計算した誤差値をアンカバードバックグラウンド領域判定部303に供給する。
【0405】
ステップS342において、アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、予測誤差演算部301から供給された誤差値が、閾値Th以上であるか否かを判定し、誤差値が閾値Th以上であると判定された場合、ステップS343に進み、誤差値に対応する画素に、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを設定し、手続きは、ステップS344に進む。
【0406】
ステップS342において、誤差値が閾値Th以上でないと判定された場合、アンカバードバックグラウンド領域ではないので、ステップS343の処理は、スキップされ、手続きは、ステップS344に進む。
【0407】
ステップS344において、領域特定部104は、画面全体について処理をしたか否かを判定し、画面全体について処理をしていないと判定された場合、ステップS341に戻り、アンカバードバックグラウンド領域の判定の処理を繰り返す。
【0408】
ステップS344において、画面全体について処理をしたと判定された場合、ステップS345に進み、アンカバードバックグラウンド領域判定部303は、アンカバードバックグラウンド領域を示すフラグを出力して、処理は終了する。
【0409】
以上のように、領域特定部104は、推定混合比および推定混合比に対応する混合比関係情報を基に、誤差値を演算し、演算された誤差値を基に、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域を特定することができる。
【0410】
領域特定部104は、生成した領域情報を基に、混合比αを決定して、決定した混合比αを出力することができる。
【0411】
混合比αを利用することにより、動いているオブジェクトに対応する画像に含まれる動きボケの情報を残したままで、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを分離することが可能になる。
【0412】
図44に構成を示す領域特定部104は、加算された誤差値を基に、カバードバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラウンド領域を特定する点を除き、図47乃至図49のフローチャートを参照して説明した処理と同様の処理により、領域を特定するので、その処理の詳細な説明は省略する。
【0413】
図45に構成を示す領域特定部104は、各コンポーネント毎に、領域を特定し、特定された領域の論理和により最終的な領域を求める点を除き、図47乃至図49のフローチャートを参照して説明した処理と同様の処理により、領域を特定するので、その処理の詳細な説明は省略する。
【0414】
図46に構成を示す領域特定部104は、各コンポーネント毎に、領域を特定し、特定された領域の論理積により最終的な領域を求める点を除き、図47乃至図49のフローチャートを参照して説明した処理と同様の処理により、領域を特定するので、その処理の詳細な説明は省略する。
【0415】
次に、前景背景分離部105について説明する。図50は、前景背景分離部105の構成の一例を示すブロック図である。前景背景分離部105に供給された入力画像は、分離部601、スイッチ602、およびスイッチ604に供給される。カバードバックグラウンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウンド領域を示す、領域特定部104から供給された領域情報は、分離部601に供給される。前景領域を示す領域情報は、スイッチ602に供給される。背景領域を示す領域情報は、スイッチ604に供給される。
【0416】
混合比算出部103から供給された混合比αは、分離部601に供給される。
【0417】
分離部601は、カバードバックグラウンド領域を示す領域情報、アンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、および混合比αを基に、入力画像から前景の成分を分離して、分離した前景の成分を合成部603に供給するとともに、入力画像から背景の成分を分離して、分離した背景の成分を合成部605に供給する。
【0418】
スイッチ602は、前景領域を示す領域情報を基に、前景に対応する画素が入力されたとき、閉じられ、入力画像に含まれる前景に対応する画素のみを合成部603に供給する。
【0419】
スイッチ604は、背景領域を示す領域情報を基に、背景に対応する画素が入力されたとき、閉じられ、入力画像に含まれる背景に対応する画素のみを合成部605に供給する。
【0420】
合成部603は、分離部601から供給された前景に対応する成分、スイッチ602から供給された前景に対応する画素を基に、前景成分画像を合成し、合成した前景成分画像を出力する。前景領域と混合領域とは重複しないので、合成部603は、例えば、前景に対応する成分と、前景に対応する画素とに論理積の演算を適用して、前景成分画像を合成する。
【0421】
合成部603は、前景成分画像の合成の処理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵しているフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格納し、前景成分画像の合成の処理において、前景成分画像を格納(上書き)する。従って、合成部603が出力する前景成分画像の内、背景領域に対応する画素には、画素値として0が格納されている。
【0422】
合成部605は、分離部601から供給された背景に対応する成分、スイッチ604から供給された背景に対応する画素を基に、背景成分画像を合成して、合成した背景成分画像を出力する。背景領域と混合領域とは重複しないので、合成部605は、例えば、背景に対応する成分と、背景に対応する画素とに論理積の演算を適用して、背景成分画像を合成する。
【0423】
合成部605は、背景成分画像の合成の処理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵しているフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格納し、背景成分画像の合成の処理において、背景成分画像を格納(上書き)する。従って、合成部605が出力する背景成分画像の内、前景領域に対応する画素には、画素値として0が格納されている。
【0424】
図51は、前景背景分離部105に入力される入力画像、並びに前景背景分離部105から出力される前景成分画像および背景成分画像を示す図である。
【0425】
図51(A)は、表示される画像の模式図であり、図51(B)は、図51(A)に対応する前景領域に属する画素、背景領域に属する画素、および混合領域に属する画素を含む1ラインの画素を時間方向に展開したモデル図を示す。
【0426】
図51(A)および図51(B)に示すように、前景背景分離部105から出力される背景成分画像は、背景領域に属する画素、および混合領域の画素に含まれる背景の成分から構成される。
【0427】
図51(A)および図51(B)に示すように、前景背景分離部105から出力される前景成分画像は、前景領域に属する画素、および混合領域の画素に含まれる前景の成分から構成される。
【0428】
混合領域の画素の画素値は、前景背景分離部105により、背景の成分と、前景の成分とに分離される。分離された背景の成分は、背景領域に属する画素と共に、背景成分画像を構成する。分離された前景の成分は、前景領域に属する画素と共に、前景成分画像を構成する。
【0429】
このように、前景成分画像は、背景領域に対応する画素の画素値が0とされ、前景領域に対応する画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が設定される。同様に、背景成分画像は、前景領域に対応する画素の画素値が0とされ、背景領域に対応する画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が設定される。
【0430】
次に、分離部601が実行する、混合領域に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離する処理について説明する。
【0431】
図52は、図中の左から右に移動するオブジェクトに対応する前景を含む、2つのフレームの前景の成分および背景の成分を示す画像のモデルである。図52に示す画像のモデルにおいて、前景の動き量vは4であり、仮想分割数は、4とされている。
【0432】
フレーム#nにおいて、最も左の画素、および左から14番目乃至18番目の画素は、背景の成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#nにおいて、左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにおいて、左から11番目乃至13番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにおいて、左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0433】
フレーム#n+1において、左から1番目乃至5番目の画素、および左から18番目の画素は、背景の成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#n+1において、左から6番目乃至8番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#n+1において、左から15番目乃至17番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレーム#n+1において、左から9番目乃至14番目の画素は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0434】
図53は、カバードバックグラウンド領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する図である。図53において、α1乃至α18は、フレーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。図53において、左から15番目乃至17番目の画素は、カバードバックグラウンド領域に属する。
【0435】
フレーム#nの左から15番目の画素の画素値C15は、式(64)で表される。
【0436】
Figure 0004840630
ここで、α15は、フレーム#nの左から15番目の画素の混合比である。P15は、フレーム#n-1の左から15番目の画素の画素値である。
【0437】
式(64)を基に、フレーム#nの左から15番目の画素の前景の成分の和f15は、式(65)で表される。
【0438】
Figure 0004840630
【0439】
同様に、フレーム#nの左から16番目の画素の前景の成分の和f16は、式(66)で表され、フレーム#nの左から17番目の画素の前景の成分の和f17は、式(67)で表される。
【0440】
f16=C16-α16・P16 (66)
f17=C17-α17・P17 (67)
【0441】
このように、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fcは、式(68)で計算される。
【0442】
fc=C-α・P (68)
Pは、1つ前のフレームの、対応する画素の画素値である。
【0443】
図54は、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する図である。図54において、α1乃至α18は、フレーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。図54において、左から2番目乃至4番目の画素は、アンカバードバックグラウンド領域に属する。
【0444】
フレーム#nの左から2番目の画素の画素値C02は、式(69)で表される。
【0445】
Figure 0004840630
ここで、α2は、フレーム#nの左から2番目の画素の混合比である。N02は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値である。
【0446】
式(69)を基に、フレーム#nの左から2番目の画素の前景の成分の和f02は、式(70)で表される。
【0447】
Figure 0004840630
【0448】
同様に、フレーム#nの左から3番目の画素の前景の成分の和f03は、式(71)で表され、フレーム#nの左から4番目の画素の前景の成分の和f04は、式(72)で表される。
【0449】
f03=C03-α3・N03 (71)
f04=C04-α4・N04 (72)
【0450】
このように、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fuは、式(73)で計算される。
【0451】
fu=C-α・N (73)
Nは、1つ後のフレームの、対応する画素の画素値である。
【0452】
このように、分離部601は、領域情報に含まれる、カバードバックグラウンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウンド領域を示す情報、並びに画素毎の混合比αを基に、混合領域に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離することができる。
【0453】
図55は、以上で説明した処理を実行する分離部601の構成の一例を示すブロック図である。分離部601に入力された画像は、フレームメモリ621に供給され、混合比算出部103から供給されたカバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αは、分離処理ブロック622に入力される。
【0454】
フレームメモリ621は、入力された画像をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ621は、処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1を記憶する。
【0455】
フレームメモリ621は、フレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素を分離処理ブロック622に供給する。
【0456】
分離処理ブロック622は、カバードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αを基に、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素の画素値に図53および図54を参照して説明した演算を適用して、フレーム#nの混合領域に属する画素から前景の成分および背景の成分を分離して、フレームメモリ623に供給する。
【0457】
分離処理ブロック622は、アンカバード領域処理部631、カバード領域処理部632、合成部633、および合成部634で構成されている。
【0458】
アンカバード領域処理部631の乗算器641は、混合比αを、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n+1の画素の画素値に乗じて、スイッチ642に出力する。スイッチ642は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n+1の画素に対応する)がアンカバードバックグラウンド領域であるとき、閉じられ、乗算器641から供給された混合比αを乗じた画素値を演算器643および合成部634に供給する。スイッチ642から出力されるフレーム#n+1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0459】
演算器643は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ642から供給された背景の成分を減じて、前景の成分を求める。演算器643は、アンカバードバックグラウンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部633に供給する。
【0460】
カバード領域処理部632の乗算器651は、混合比αを、フレームメモリ621から供給されたフレーム#n-1の画素の画素値に乗じて、スイッチ652に出力する。スイッチ652は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n-1の画素に対応する)がカバードバックグラウンド領域であるとき、閉じられ、乗算器651から供給された混合比αを乗じた画素値を演算器653および合成部634に供給する。スイッチ652から出力されるフレーム#n-1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0461】
演算器653は、フレームメモリ621から供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ652から供給された背景の成分を減じて、前景の成分を求める。演算器653は、カバードバックグラウンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部633に供給する。
【0462】
合成部633は、フレーム#nの、演算器643から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分、および演算器653から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分を合成して、フレームメモリ623に供給する。
【0463】
合成部634は、フレーム#nの、スイッチ642から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分、およびスイッチ652から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分を合成して、フレームメモリ623に供給する。
【0464】
フレームメモリ623は、分離処理ブロック622から供給された、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、背景の成分とをそれぞれに記憶する。
【0465】
フレームメモリ623は、記憶しているフレーム#nの混合領域の画素の前景の成分、および記憶しているフレーム#nの混合領域の画素の背景の成分を出力する。
【0466】
特徴量である混合比αを利用することにより、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを完全に分離することが可能になる。
【0467】
合成部603は、分離部601から出力された、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、前景領域に属する画素とを合成して前景成分画像を生成する。合成部605は、分離部601から出力された、フレーム#nの混合領域の画素の背景の成分と、背景領域に属する画素とを合成して背景成分画像を生成する。
【0468】
図56は、図52のフレーム#nに対応する、前景成分画像の例と、背景成分画像の例を示す図である。
【0469】
図56(A)は、図52のフレーム#nに対応する、前景成分画像の例を示す。最も左の画素、および左から14番目の画素は、前景と背景が分離される前において、背景の成分のみから成っていたので、画素値が0とされる。
【0470】
左から2番目乃至4番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、アンカバードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カバードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成分がそのまま残されている。左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成るので、そのまま残される。
【0471】
図56(B)は、図52のフレーム#nに対応する、背景成分画像の例を示す。最も左の画素、および左から14番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、背景の成分のみから成っていたので、そのまま残される。
【0472】
左から2番目乃至4番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、アンカバードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カバードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成分がそのまま残されている。左から5番目乃至10番目の画素は、前景と背景とが分離される前において、前景の成分のみから成っていたので、画素値が0とされる。
【0473】
次に、図57に示すフローチャートを参照して、前景背景分離部105による前景と背景との分離の処理を説明する。ステップS601において、分離部601のフレームメモリ621は、入力画像を取得し、前景と背景との分離の対象となるフレーム#nを、その前のフレーム#n-1およびその後のフレーム#n+1と共に記憶する。
【0474】
ステップS602において、分離部601の分離処理ブロック622は、混合比算出部103から供給された領域情報を取得する。ステップS603において、分離部601の分離処理ブロック622は、混合比算出部103から供給された混合比αを取得する。
【0475】
ステップS604において、アンカバード領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽出する。
【0476】
ステップS605において、アンカバード領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽出する。
【0477】
ステップS606において、カバード領域処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽出する。
【0478】
ステップS607において、カバード領域処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレームメモリ621から供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽出する。
【0479】
ステップS608において、合成部633は、ステップS605の処理で抽出されたアンカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分と、ステップS607の処理で抽出されたカバードバックグラウンド領域に属する画素の前景の成分とを合成する。合成された前景の成分は、合成部603に供給される。更に、合成部603は、スイッチ602を介して供給された前景領域に属する画素と、分離部601から供給された前景の成分とを合成して、前景成分画像を生成する。
【0480】
ステップS609において、合成部634は、ステップS604の処理で抽出されたアンカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分と、ステップS606の処理で抽出されたカバードバックグラウンド領域に属する画素の背景の成分とを合成する。合成された背景の成分は、合成部605に供給される。更に、合成部605は、スイッチ604を介して供給された背景領域に属する画素と、分離部601から供給された背景の成分とを合成して、背景成分画像を生成する。
【0481】
ステップS610において、合成部603は、前景成分画像を出力する。ステップS611において、合成部605は、背景成分画像を出力し、処理は終了する。
【0482】
このように、前景背景分離部105は、領域情報および混合比αを基に、入力画像から前景の成分と、背景の成分とを分離し、前景の成分のみから成る前景成分画像、および背景の成分のみから成る背景成分画像を出力することができる。
【0483】
次に、前景成分画像の動きボケの量の調整について説明する。
【0484】
図58は、動きボケ調整部106の構成の一例を示すブロック図である。動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報は、処理単位決定部801、モデル化部802、および演算部805に供給される。領域特定部104から供給された領域情報は、処理単位決定部801に供給される。前景背景分離部105から供給された前景成分画像は、足し込み部804に供給される。
【0485】
処理単位決定部801は、動きベクトルとその位置情報、および領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単位をモデル化部802および足し込み部804に供給する。
【0486】
処理単位決定部801が生成する処理単位は、図59に例を示すように、前景成分画像のカバードバックグラウンド領域に対応する画素から始まり、アンカバードバックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素、またはアンカバードバックグラウンド領域に対応する画素から始まり、カバードバックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向に並ぶ連続する画素を示す。処理単位は、例えば、左上点(処理単位で指定される画素であって、画像上で最も左または最も上に位置する画素の位置)および右下点の2つのデータから成る。
【0487】
モデル化部802は、動きベクトルおよび入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。より具体的には、例えば、モデル化部802は、処理単位に含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割数、および画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモデルを予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時間方向の仮想分割数を基に、図60に示すような、画素値と前景の成分との対応を指定するモデルを選択する。
【0488】
例えば、処理単位に対応する画素の数が12でありシャッタ時間内の動き量vが5であるときにおいては、モデル化部802は、仮想分割数を5とし、最も左に位置する画素が1つの前景の成分を含み、左から2番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から3番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から4番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から5番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から6番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から7番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から8番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から9番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から10番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から11番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から12番目の画素が1つの前景の成分を含み、全体として8つの前景の成分から成るモデルを選択する。
【0489】
なお、モデル化部802は、予め記憶してあるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、および処理単位が供給されたとき、動きベクトル、および処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよい。
【0490】
モデル化部802は、選択したモデルを方程式生成部803に供給する。
【0491】
方程式生成部803は、モデル化部802から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。図60に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景の成分の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が12であり、動き量vが5であり、仮想分割数が5であるときの、方程式生成部803が生成する方程式について説明する。
【0492】
前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、式(74)乃至式(85)で表される。
【0493】
C01=F01/v (74)
C02=F02/v+F01/v (75)
C03=F03/v+F02/v+F01/v (76)
C04=F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (77)
C05=F05/v+F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (78)
C06=F06/v+F05/v+F04/v+F03/v+F02/v (79)
C07=F07/v+F06/v+F05/v+F04/v+F03/v (80)
C08=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v+F04/v (81)
C09=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v (82)
C10=F08/v+F07/v+F06/v (83)
C11=F08/v+F07/v (84)
C12=F08/v (85)
【0494】
方程式生成部803は、生成した方程式を変形して方程式を生成する。方程式生成部803が生成する方程式を、式(86)乃至式(97)に示す。
【0495】
Figure 0004840630
【0496】
式(86)乃至式(97)は、式(98)として表すこともできる。
【0497】
【数14】
Figure 0004840630
【0498】
式(98)において、jは、画素の位置を示す。この例において、jは、1乃至12のいずれか1つの値を有する。また、iは、前景値の位置を示す。この例において、iは、1乃至8のいずれか1つの値を有する。aijは、iおよびjの値に対応して、0または1の値を有する。
【0499】
誤差を考慮して表現すると、式(98)は、式(99)のように表すことができる。
【0500】
【数15】
Figure 0004840630
【0501】
式(99)において、ejは、注目画素Cjに含まれる誤差である。
【0502】
式(99)は、式(100)に書き換えることができる。
【0503】
【数16】
Figure 0004840630
【0504】
ここで、最小自乗法を適用するため、誤差の自乗和Eを式(101)に示すように定義する。
【0505】
【数17】
Figure 0004840630
【0506】
誤差が最小になるためには、誤差の自乗和Eに対する、変数Fkによる偏微分の値が0になればよい。式(102)を満たすようにFkを求める。
【0507】
【数18】
Figure 0004840630
【0508】
式(102)において、動き量vは固定値であるから、式(103)を導くことができる。
【0509】
【数19】
Figure 0004840630
【0510】
式(103)を展開して、移項すると、式(104)を得る。
【0511】
【数20】
Figure 0004840630
【0512】
式(104)のkに1乃至8の整数のいずれか1つを代入して得られる8つの式に展開する。得られた8つの式を、行列により1つの式により表すことができる。この式を正規方程式と呼ぶ。
【0513】
このような最小自乗法に基づく、方程式生成部803が生成する正規方程式の例を式(105)に示す。
【0514】
【数21】
Figure 0004840630
【0515】
式(105)をA・F=v・Cと表すと、C,A,vが既知であり、Fは未知である。また、A,vは、モデル化の時点で既知だが、Cは、足し込み動作において画素値を入力することで既知となる。
【0516】
最小自乗法に基づく正規方程式により前景成分を算出することにより、画素Cに含まれている誤差を分散させることができる。
【0517】
方程式生成部803は、このように生成された正規方程式を足し込み部804に供給する。
【0518】
足し込み部804は、処理単位決定部801から供給された処理単位を基に、前景成分画像に含まれる画素値Cを、方程式生成部803から供給された行列の式に設定する。足し込み部804は、画素値Cを設定した行列を演算部805に供給する。
【0519】
演算部805は、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などの解法に基づく処理により、動きボケが除去された前景成分Fi/vを算出して、動きボケが除去された前景の画素値である、0乃至8の整数のいずれかのiに対応するFiを算出して、図61に例を示す、動きボケが除去された画素値であるFiから成る、動きボケが除去された前景成分画像を動きボケ付加部806および選択部807に出力する。
【0520】
なお、図61に示す動きボケが除去された前景成分画像において、C03乃至C10のそれぞれにF01乃至F08のそれぞれが設定されているのは、画面に対する前景成分画像の位置を変化させないためであり、任意の位置に対応させることができる。
【0521】
動きボケ付加部806は、動き量vとは異なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の値の動きボケ調整量v'や、動き量vと無関係の値の動きボケ調整量v'を与えることで、動きボケの量を調整することができる。例えば、図62に示すように、動きボケ付加部806は、動きボケが除去された前景の画素値Fiを動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケの量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ調整量v'が3のとき、画素値C02は、(F01)/v'とされ、画素値C03は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F03+F04)/v'とされる。
【0522】
動きボケ付加部806は、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部807に供給する。
【0523】
選択部807は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、演算部805から供給された動きボケが除去された前景成分画像、および動きボケ付加部806から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0524】
このように、動きボケ調整部106は、選択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を調整することができる。
【0525】
また、例えば、図63に示すように、処理単位に対応する画素の数が8であり、動き量vが4であるとき、動きボケ調整部106は、式(106)に示す行列の式を生成する。
【0526】
【数22】
Figure 0004840630
【0527】
動きボケ調整部106は、このように処理単位の長さに対応した数の式を立てて、動きボケの量が調整された画素値であるFiを算出する。同様に、例えば、処理単位に含まれる画素の数が100あるとき、100個の画素に対応する式を生成して、Fiを算出する。
【0528】
図64は、動きボケ調整部106の他の構成を示す図である。図58に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0529】
選択部821は、選択信号を基に、入力された動きベクトルとその位置信号をそのまま処理単位決定部801およびモデル化部802に供給するか、または動きベクトルの大きさを動きボケ調整量v'に置き換えて、その大きさが動きボケ調整量v'に置き換えられた動きベクトルとその位置信号を処理単位決定部801およびモデル化部802に供給する。
【0530】
このようにすることで、図64の動きボケ調整部106の処理単位決定部801乃至演算部805は、動き量vと動きボケ調整量v'との値に対応して、動きボケの量を調整することができる。例えば、動き量vが5であり、動きボケ調整量v'が3であるとき、図64の動きボケ調整部106の処理単位決定部801乃至演算部805は、図60に示す動き量vが5である前景成分画像に対して、3である動きボケ調整量v'対応する図62に示すようなモデルに従って、演算を実行し、(動き量v)/(動きボケ調整量v')=5/3、すなわちほぼ1.7の動き量vに応じた動きボケを含む画像を算出する。なお、この場合、算出される画像は、3である動き量vに対応した動きボケを含むのではないので、動きボケ付加部806の結果とは動き量vと動きボケ調整量v'の関係の意味合いが異なる点に注意が必要である。
【0531】
以上のように、動きボケ調整部106は、動き量vおよび処理単位に対応して、式を生成し、生成した式に前景成分画像の画素値を設定して、動きボケの量が調整された前景成分画像を算出する。
【0532】
次に、図65のフローチャートを参照して、動きボケ調整部106による前景成分画像に含まれる動きボケの量の調整の処理を説明する。
【0533】
ステップS801において、動きボケ調整部106の処理単位決定部801は、動きベクトルおよび領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単位をモデル化部802に供給する。
【0534】
ステップS802において、動きボケ調整部106のモデル化部802は、動き量vおよび処理単位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS803において、方程式生成部803は、選択されたモデルを基に、正規方程式を作成する。
【0535】
ステップS804において、足し込み部804は、作成された正規方程式に前景成分画像の画素値を設定する。ステップS805において、足し込み部804は、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定を行ったか否かを判定し、処理単位に対応する全ての画素の画素値の設定を行っていないと判定された場合、ステップS804に戻り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0536】
ステップS805において、処理単位の全ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、ステップS806に進み、演算部805は、足し込み部804から供給された画素値が設定された正規方程式を基に、動きボケの量を調整した前景の画素値を算出して、処理は終了する。
【0537】
このように、動きボケ調整部106は、動きベクトルおよび領域情報を基に、動きボケを含む前景画像から動きボケの量を調整することができる。
【0538】
すなわち、サンプルデータである画素値に含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0539】
図66は、動きボケ調整部106の構成の他の一例を示すブロック図である。動き検出部102から供給された動きベクトルとその位置情報は、処理単位決定部901および補正部905に供給され、領域特定部104から供給された領域情報は、処理単位決定部901に供給される。前景背景分離部105から供給された前景成分画像は、演算部904に供給される。
【0540】
処理単位決定部901は、動きベクトルとその位置情報、および領域情報を基に、処理単位を生成し、動きベクトルと共に、生成した処理単位をモデル化部902に供給する。
【0541】
モデル化部902は、動きベクトルおよび入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。より具体的には、例えば、モデル化部902は、処理単位に含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割数、および画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモデルを予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時間方向の仮想分割数を基に、図67に示すような、画素値と前景の成分との対応を指定するモデルを選択する。
【0542】
例えば、処理単位に対応する画素の数が12であり動き量vが5であるときにおいては、モデル化部902は、仮想分割数を5とし、最も左に位置する画素が1つの前景の成分を含み、左から2番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から3番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から4番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から5番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から6番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から7番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から8番目の画素が5つの前景の成分を含み、左から9番目の画素が4つの前景の成分を含み、左から10番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から11番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から12番目の画素が1つの前景の成分を含み、全体として8つの前景の成分から成るモデルを選択する。
【0543】
なお、モデル化部902は、予め記憶してあるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、および処理単位が供給されたとき、動きベクトル、および処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよい。
【0544】
方程式生成部903は、モデル化部902から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。
【0545】
図67乃至図69に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景の成分の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が12であり、動き量vが5であるときの、方程式生成部903が生成する方程式の例について説明する。
【0546】
前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、上述したように、式(74)乃至式(85)で表される。
【0547】
画素値C12およびC11に注目すると、画素値C12は、式(107)に示すように、前景の成分F08/vのみを含み、画素値C11は、前景の成分F08/vおよび前景の成分F07/vの積和から成る。従って、前景の成分F07/vは、式(108)で求めることができる。
【0548】
F08/v=C12 (107)
F07/v=C11-C12 (108)
【0549】
同様に、画素値C10乃至C01に含まれる前景の成分を考慮すると、前景の成分F06/v乃至F01/vは、式(109)乃至式(114)により求めることができる。
【0550】
F06/v=C10-C11 (109)
F05/v=C09-C10 (110)
F04/v=C08-C09 (111)
F03/v=C07-C08+C12 (112)
F02/v=C06-C07+C11-C12 (113)
F01/v=C05-C06+C10-C11 (114)
【0551】
方程式生成部903は、式(107)乃至式(114)に例を示す、画素値の差により前景の成分を算出するための方程式を生成する。方程式生成部903は、生成した方程式を演算部904に供給する。
【0552】
演算部904は、方程式生成部903から供給された方程式に前景成分画像の画素値を設定して、画素値を設定した方程式を基に、前景の成分を算出する。演算部904は、例えば、式(107)乃至式(114)が方程式生成部903から供給されたとき、式(107)乃至式(114)に画素値C05乃至C12を設定する。
【0553】
演算部904は、画素値が設定された式に基づき、前景の成分を算出する。例えば、演算部904は、画素値C05乃至C12が設定された式(107)乃至式(114)に基づく演算により、図68に示すように、前景の成分F01/v乃至F08/vを算出する。演算部904は、前景の成分F01/v乃至F08/vを補正部905に供給する。
【0554】
補正部905は、演算部904から供給された前景の成分に、処理単位決定部901から供給された動きベクトルに含まれる動き量vを乗じて、動きボケを除去した前景の画素値を算出する。例えば、補正部905は、演算部904から供給された前景の成分F01/v乃至F08/vが供給されたとき、前景の成分F01/v乃至F08/vのそれぞれに、5である動き量vを乗じることにより、図69に示すように、動きボケを除去した前景の画素値F01乃至F08を算出する。
【0555】
補正部905は、以上のように算出された、動きボケを除去した前景の画素値から成る前景成分画像を動きボケ付加部906および選択部907に供給する。
【0556】
動きボケ付加部906は、動き量vとは異なる値の動きボケ調整量v'、例えば、動き量vの半分の値の動きボケ調整量v'、動き量vと無関係の値の動きボケ調整量v'で、動きボケの量を調整することができる。例えば、図62に示すように、動きボケ付加部906は、動きボケが除去された前景の画素値Fiを動きボケ調整量v'で除すことにより、前景成分Fi/v'を算出して、前景成分Fi/v'の和を算出して、動きボケの量が調整された画素値を生成する。例えば、動きボケ調整量v'が3のとき、画素値C02は、(F01)/v'とされ、画素値C03は、(F01+F02)/v'とされ、画素値C04は、(F01+F02+F03)/v'とされ、画素値C05は、(F02+F03+F04)/v'とされる。
【0557】
動きボケ付加部906は、動きボケの量を調整した前景成分画像を選択部907に供給する。
【0558】
選択部907は、例えば使用者の選択に対応した選択信号を基に、補正部905から供給された動きボケが除去された前景成分画像、および動きボケ付加部906から供給された動きボケの量が調整された前景成分画像のいずれか一方を選択して、選択した前景成分画像を出力する。
【0559】
このように、動きボケ調整部106は、選択信号および動きボケ調整量v'を基に、動きボケの量を調整することができる。
【0560】
次に、図66に構成を示す動きボケ調整部106による前景の動きボケの量の調整の処理を図70のフローチャートを参照して説明する。
【0561】
ステップS901において、動きボケ調整部106の処理単位決定部901は、動きベクトルおよび領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した処理単位をモデル化部902および補正部905に供給する。
【0562】
ステップS902において、動きボケ調整部106のモデル化部902は、動き量vおよび処理単位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステップS903において、方程式生成部903は、選択または生成されたモデルを基に、前景成分画像の画素値の差により前景の成分を算出するための方程式を生成する。
【0563】
ステップS904において、演算部904は、作成された方程式に前景成分画像の画素値を設定し、画素値が設定された方程式を基に、画素値の差分から前景の成分を抽出する。ステップS905において、演算部904は、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出したか否かを判定し、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出していないと判定された場合、ステップS904に戻り、前景の成分を抽出の処理を繰り返す。
【0564】
ステップS905において、処理単位に対応する全ての前景の成分を抽出したと判定された場合、ステップS906に進み、補正部905は、動き量vを基に、演算部904から供給された前景の成分F01/v乃至F08/vのそれぞれを補正して、動きボケを除去した前景の画素値F01乃至F08を算出する。
【0565】
ステップS907において、動きボケ付加部906は、動きボケの量を調整した前景の画素値を算出して、選択部907は、動きボケが除去された画像または動きボケの量が調整された画像のいずれかを選択して、選択した画像を出力して、処理は終了する。
【0566】
このように、図66に構成を示す動きボケ調整部106は、より簡単な演算で、より迅速に、動きボケを含む前景画像から動きボケを調整することができる。
【0567】
ウィナー・フィルタなど従来の動きボケを部分的に除去する手法が、理想状態では効果が認められるが、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像に対して十分な効果が得られないのに対し、図66に構成を示す動きボケ調整部106においても、量子化され、ノイズを含んだ実際の画像に対しても十分な効果が認められ、精度の良い動きボケの除去が可能となる。
【0568】
以上のように、図2に構成を示す画像処理装置は、入力画像に含まれる動きボケの量を調整することができる。
【0569】
なお、混合比αは、画素値に含まれる背景の成分の割合として説明したが、画素値に含まれる前景の成分の割合としてもよい。
【0570】
また、前景となるオブジェクトの動きの方向は左から右として説明したが、その方向に限定されないことは勿論である。
【0571】
以上においては、3次元空間と時間軸情報を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第2の情報に射影した場合に、その射影によって発生する歪みを補正したり、有意情報を抽出したり、またはより自然に画像を合成する場合に適応することが可能である。
【0572】
なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像素子である、例えば、BBD(Bucket Brigade Device)、CID(Charge Injection Device)、CPD(Charge Priming Device)、またはCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)センサでもよく、また、検出素子がマトリックス状に配置されているセンサに限らず、検出素子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0573】
本発明の信号処理を行うプログラムを記録した記録媒体は、図1に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク51(フロッピ(登録商標)ディスクを含む)、光ディスク52(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク53(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ54などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM22や、記憶部28に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0574】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0575】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムによれば、画像データの注目フレームの注目画素に対応する、注目フレームの周辺の周辺フレームの画素データを、画像データの複数のオブジェクトのうちの背景となる背景オブジェクトに相当する背景画素データとして抽出すると共に、注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを抽出し、注目画素について、注目画素データおよび背景画素データの関係を示す、複数の関係式が生成され、関係式に基づいて、注目画素に対応して、現実世界において複数であるオブジェクトの混合状態を示す混合比が検出され、検出された混合比を関係式に代入することにより予測誤差が演算され、予測誤差を基に、注目画素の属する領域が、複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域であって、複数のオブジェクトのうちの前景となる前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、混合領域であって、前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかが特定され、注目画素の属する領域が、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であるか、または、背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であるかが特定されるようにしたので、背景の画像の領域、移動する物体の画像の領域、および混ざり合いが生じている画像の領域を特定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】センサによる撮像を説明する図である。
【図4】画素の配置を説明する図である。
【図5】検出素子の動作を説明する図である。
【図6】動いている前景に対応するオブジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して得られる画像を説明する図である。
【図7】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域を説明する図である。
【図8】静止している前景に対応するオブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
【図9】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図10】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図11】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図12】前景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例を示す図である。
【図13】画素と画素値を時間方向に展開したモデルとの対応を示す図である。
【図14】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図15】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図16】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図17】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図18】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図19】動きボケの量の調整の処理を説明するフローチャートである。
【図20】混合比算出部103の構成を示すブロック図である。
【図21】理想的な混合比αの例を示す図である。
【図22】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】画素の選択を説明する図である。
【図25】画素の選択を説明する図である。
【図26】推定混合比処理部201の構成を示すブロック図である。
【図27】推定混合比の算出の処理を説明するフローチャートである。
【図28】カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の算出の処理を説明するフローチャートである。
【図29】混合比算出部103の他の構成を示すブロック図である。
【図30】混合比αを近似する直線を説明する図である。
【図31】混合比αを近似する平面を説明する図である。
【図32】混合比αを算出するときの複数のフレームの画素の対応を説明する図である。
【図33】カバードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混合比推定の処理を説明するフローチャートである。
【図34】混合比算出部103のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図35】領域特定部104の構成を示すブロック図である。
【図36】アンカバードバックグラウンド領域判定部303の判定の処理を説明する図である。
【図37】アンカバードバックグラウンド領域判定部303の判定の処理を説明する図である。
【図38】入力画像の例を示す図である。
【図39】領域判定の結果の例を示す図である。
【図40】領域判定の結果の例を示す図である。
【図41】入力画像の例を示す図である。
【図42】領域判定の結果の例を示す図である。
【図43】領域判定の結果の例を示す図である。
【図44】領域特定部104の他の構成を示すブロック図である。
【図45】領域特定部104のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図46】領域特定部104のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図47】領域特定の処理を説明するフローチャートである。
【図48】カバードバックグラウンド領域の特定の処理を説明するフローチャートである。
【図49】アンカバードバックグラウンド領域の特定の処理を説明するフローチャートである。
【図50】前景背景分離部105の構成の一例を示すブロック図である。
【図51】入力画像、前景成分画像、および背景成分画像を示す図である。
【図52】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図53】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図54】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図55】分離部601の構成の一例を示すブロック図である。
【図56】分離された前景成分画像、および背景成分画像の例を示す図である。
【図57】前景と背景との分離の処理を説明するフローチャートである。
【図58】動きボケ調整部106の構成の一例を示すブロック図である。
【図59】処理単位を説明する図である。
【図60】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図61】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図62】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図63】前景成分画像の画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図である。
【図64】動きボケ調整部106の他の構成を示す図である。
【図65】動きボケ調整部106による前景成分画像に含まれる動きボケの量の調整の処理を説明するフローチャートである。
【図66】動きボケ調整部106の構成の他の一例を示すブロック図である。
【図67】画素値と前景の成分のとの対応を指定するモデルの例を示す図である。
【図68】前景の成分の算出を説明する図である。
【図69】前景の成分の算出を説明する図である。
【図70】前景の動きボケの除去の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 26 入力部, 27 出力部,28 記憶部, 29 通信部, 51 磁気ディスク, 52 光ディスク, 53 光磁気ディスク, 54 半導体メモリ, 101 オブジェクト抽出部, 102 動き検出部, 103 混合比算出部, 104 領域特定部, 105 前景背景分離部, 106 動きボケ調整部, 107 選択部,201 推定混合比処理部, 202 推定混合比処理部, 221 正規方程式加算部, 222 演算部, 241および241−1乃至241−3 推定混合比処理部, 242および242−1乃至242−3 推定混合比処理部, 301および301−1乃至301−3 予測誤差演算部, 302および302−1乃至302−3 予測誤差演算部, 303および303−1乃至303−3 アンカバードバックグラウンド領域判定部, 304および304−1乃至304−3 カバードバックグラウンド領域判定部, 305および305−1乃至305−3 前景背景領域判定部, 306 合成部, 307 混合比決定部, 321 加算部, 322 加算部, 323 加算部, 341 論理和演算部, 342 論理和演算部, 343 論理和演算部, 361 論理積演算部, 362 論理積演算部, 363 論理積演算部, 601 分離部, 602 スイッチ, 603 合成部, 604 スイッチ, 605 合成部, 621 フレームメモリ, 622 分離処理ブロック, 623 フレームメモリ, 631 アンカバード領域処理部, 632 カバード領域処理部, 633 合成部, 634 合成部, 801 処理単位決定部, 802 モデル化部, 803 方程式生成部, 804 足し込み部, 805 演算部, 806 動きボケ付加部, 807 選択部, 821選択部, 901 処理単位決定部, 902 モデル化部, 903 方程式生成部, 904 演算部, 905 補正部, 906 動きボケ付加部,907 選択部

Claims (9)

  1. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって取得された所定数の画素データからなる画像データであって、背景となる背景オブジェクトと、移動する前景となる前景オブジェクトとを含む複数のオブジェクトが存在する画像データを処理する画像処理装置において、
    前記画像データの注目フレームと、前記注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、前記注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、前記複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の前記混合画素データの各々に対応する前記周辺フレームの画素を、前記背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、前記背景画素データ、現実世界において複数である前記オブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、前記混合画素データに含まれる前景の成分の和から前記混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した前記混合画素データ及びそれに対応する前記背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成手段と、
    前記M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、前記注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出手段と、
    前記混合比検出手段により検出された前記推定混合比を前記基本式に代入して予測演算し、その結果得られる前記注目画素データの予測値の、前記注目画素データの実値に対する差分を、前記予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算手段と、
    前記予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、前記注目画素の属する領域が、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定手段と、
    前記注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、前記連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定手段と
    備え、
    前記関係式生成手段は、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、
    前記混合比検出手段は、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、
    前記予測誤差演算手段は、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、
    前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定手段は、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記混合比検出手段は、前記M個の関係式に対して前記最小自乗法を適用することで、前記注目画素について、前記推定混合比と共に、前記前景の成分の和をさらに検出し、
    前記予測誤差演算手段は、前記混合比検出手段により検出された前記推定混合比に加えてさらに前記前景の成分の和を前記基本式に代入することにより、前記注目画素データの予測値を演算し、その予測値に対する前記予測誤差を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記関係式生成手段は、
    M個の前記混合画素の混合画素データとして、前記注目画素データ、及び、前記注目フレーム内の前記注目画素の近傍に位置する、近傍画素の近傍画素データを抽出し、
    前記注目画素データ及び前記近傍画素データに含まれる前記前景成分が等しいとする第1の近似、及び、前記混合比の変化が前記混合領域の画素の位置に対して直線的であるとする第2の近似を用いて、前記基本式から変換された予測演算式であって、前記混合比から特定される複数の混合比関係情報及び前記背景画素データから前記混合画素データを予測演算する予測演算式が予め定義されており、
    前記予測演算式に対して、抽出した前記混合画素データ及びそれに対応する前記背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、前記M個の関係式を生成し、
    前記予測誤差演算手段は、前記混合比検出手段により検出された前記推定混合比に対応する、前記複数の混合比関係情報を前記予測演算式に代入して予測演算することで、前記予測誤差を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記関係式生成手段は、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づく前記M個の第1関係式を生成する場合、前記注目フレームの次のフレームから前記背景画素データを抽出し、前記M個の関係式として、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づく前記M個の第2関係式を生成する場合、前記注目フレームの前のフレームから前記背景画素データを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記関係式生成手段は、前記注目画素に対応して、前記前景オブジェクトの動きを基に、前記注目フレームおよび前記周辺フレームから、M個の前記混合画素データを抽出すると共に、前記M個の混合画素データの個々に対応して、前記背景オブジェクトの動きを基に、前記混合画素データが抽出されたフレームとは異なるフレームから、前記M個の背景画素データを抽出し、前記M個の関係式を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記関係式生成手段は、前記M個の混合画素データのそれぞれに対応する前記混合比及び前記前景の成分の和が同一であるとする近似に基づいて、前記M個の関係式を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって取得された所定数の画素データからなる画像データであって、背景となる背景オブジェクトと、移動する前景となる前景オブジェクトとを含む複数のオブジェクトが存在する画像データを処理する画像処理方法において、
    前記画像データの注目フレームと、前記注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、前記注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、前記複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の前記混合画素データの各々に対応する前記周辺フレームの画素を、前記背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、前記背景画素データ、現実世界において複数である前記オブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、前記混合画素データに含まれる前景の成分の和から前記混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した前記混合画素データ及びそれに対応する前記背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、
    前記M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、前記注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、
    前記混合比検出ステップの処理により検出された前記推定混合比を前記基本式に代入して予測演算し、その結果得られる前記注目画素データの予測値の、前記注目画素データの実値に対する差分を、前記予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、
    前記予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、前記注目画素の属する領域が、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、
    前記注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、前記連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップと
    を含み、
    前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、
    前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、
    前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、
    前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  8. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって取得された所定数の画素データからなる画像データを処理する画像処理用のプログラムであって、
    前記画像データの注目フレームと、前記注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、前記注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、前記複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の前記混合画素データの各々に対応する前記周辺フレームの画素を、前記背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、前記背景画素データ、現実世界において複数である前記オブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、前記混合画素データに含まれる前景の成分の和から前記混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した前記混合画素データ及びそれに対応する前記背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、
    前記M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、前記注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、
    前記混合比検出ステップの処理により検出された前記推定混合比を前記基本式に代入して予測演算し、その結果得られる前記注目画素データの予測値の、前記注目画素データの実値に対する差分を、前記予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、
    前記予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、前記注目画素の属する領域が、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、
    前記注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、前記連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップと
    を含み、
    前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、
    前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、
    前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、
    前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定する
    ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  9. 時間積分効果を有する所定数の画素を有する撮像素子によって取得された所定数の画素データからなる画像データを処理するコンピュータに、
    前記画像データの注目フレームと、前記注目フレームの周辺の周辺フレームを含む複数のフレーム内の各画素データの中から、前記注目フレームに存在する注目画素の注目画素データを含むM個の画素データを、前記複数のオブジェクトが混合されてなる混合領域の混合画素の混合画素データとしてそれぞれ抽出し、かつ、M個の前記混合画素データの各々に対応する前記周辺フレームの画素を、前記背景オブジェクトに相当する背景画素の背景画素データとしてそれぞれ抽出し、前記背景画素データ、現実世界において複数である前記オブジェクトの混合状態を示す混合比、及び、前記混合画素データに含まれる前景の成分の和から前記混合画素データを予測演算するために予め定義されている基本式に対して、抽出した前記混合画素データ及びそれに対応する前記背景画素データのM個の組をそれぞれ代入することによって、M個の関係式を生成する関係式生成ステップと、
    前記M個の関係式に対して最小自乗法を適用して、前記注目画素についての推定混合比を検出する混合比検出ステップと、
    前記混合比検出ステップの処理により検出された前記推定混合比を前記基本式に代入して予測演算し、その結果得られる前記注目画素データの予測値の、前記注目画素データの実値に対する差分を、前記予測値の予測誤差として演算する予測誤差演算ステップと、
    前記予測誤差と所定の閾値とを比較することにより、前記注目画素の属する領域が、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の先端側に形成されるカバードバックグラウンド領域であるか、または、前記混合領域であって、前記前景オブジェクトの動き方向の後端側に形成されるアンカバードバックグラウンド領域であるかを特定するカバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップと、
    前記注目画素について動き判定をし、連続する複数のフレームの間でいずれも動きがあると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト成分のみからなる前景領域であると特定し、前記連続する複数のフレームの間でいずれも静止していると判定された場合、前記注目画素の属する領域が、前記背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分のみからなる背景領域であると特定する前景領域背景領域特定ステップと
    を実行させるプログラムであって、
    前記関係式生成ステップは、前記M個の関係式として、前記アンカバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第1関係式と、前記カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに基づくM個の第2関係式とを生成し、
    前記混合比検出ステップは、前記推定混合比として、前記M個の第1関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第1混合比と、前記M個の第2関係式に対して前記最小自乗法を適用して得られる第2混合比とを検出し、
    前記予測誤差演算ステップは、前記予測誤差として、前記第1混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第1予測誤差と、前記第2混合比を用いて前記基本式により予測演算された結果得られる前記注目画素データの予測値についての第2予測誤差とを演算し、
    前記カバードバックグラウンド領域アンカバードバックグラウンド領域特定ステップは、前記第1予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記カバードバックグラウンド領域であると特定し、前記第2予測誤差が前記所定の閾値以上であれば、前記注目画素の属する領域は前記アンカバードバックグラウンド領域であると特定する
    プログラム。
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