JP4594613B2 - 非水電解質二次電池用の電極用導電材料、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用の電極用導電材料、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、電極用導電材料と、この導電材料を含む負極と、この導電材料を含む負極を備えた非水電解質二次電池に関する。
近年、電子技術の進歩により電子機器の小型化、高性能化、ポータブル化が進んでおり、これらの携帯用電子機器の電源として使用される電池に対する高エネルギー密度化の要求が強まっている。このため、正極活物質として、酸化還元電位の高いリチウム含有複合酸化物が用いられている。かかる正極活物質は、高エネルギー密度を有するため、電池電圧を高くすることができ、優れた電池特性を有する非水電解質二次電池を実現できる。この非水電解質二次電池の負極活物質としては、メソフェーズピッチ系炭素繊維等のリチウムを吸蔵・放出する炭素質物が知られている。
非水電解質二次電池では、負極活物質間の導電性を高めるために、活物質よりも導電性が高い炭素材料を導電材料として使用している。この導電材料としては、例えば、黒鉛(グラファイト)のようなリチウムを吸蔵・放出するものや、カーボンブラックのようなリチウムを吸蔵しないものが挙げられる。しかしながら、炭素材料は、撥水性を有するため、親水性を有する非水電解質に濡れ難いという欠点を有する。このため、電池の高容量化を目指して負極の活物質含有層を厚くすると、非水電解質が負極活物質を均等に濡らすことが難しくなり、非水電解質二次電池における充放電において、不均一な反応が生じてしまうため、高い充放電効率を得られないという問題点がある。特に、負極活物質としてリチウムを吸蔵・放出する炭素質物を用いた場合、この炭素質物も撥水性であることから、負極の非水電解質に対する濡れ性がより一層低下した。
ところで、特許文献1では、充放電の際に非水溶媒が電極活物質表面で酸化もしくは還元されるのを防ぎ、長期保存特性を向上させるために、正極活物質であるリチウム含有複合酸化物の粉体もしくは負極活物質である炭素材料の粉体の表面を、非水電解液の非水溶媒及びバインダー樹脂溶解用溶媒の双方に溶解しない樹脂からなる保護膜で被覆する非水電解質二次電池を開示している。
一方、特許文献2では、ゲスト物質であるLiイオンの活物質への出入りが阻害されるのを抑制して放電容量の低下を低減するために、正極及び負極活物質のうちの少なくとも一方の活物質表面の結着材の膜厚を15nm以下とした二次電池を開示している。
また、特許文献3では、充電時に発生するリチウムや亜鉛などのデンドライト成長を抑えてエネルギー密度が高く、サイクル寿命の長い二次電池を提供するために、金属材料からなる負極導電体の突起部分が少なくとも絶縁体または半導体で被覆される二次電池を開示している。
上記特許文献1〜3は、いずれも活物質表面を被膜で保護することにより電池特性の改善を図ったものであるが、活物質表面を被膜で覆うとリチウムの吸蔵・放出が阻害される恐れがある。
一方、特許文献4では、負極層中の空隙を大きくして液状非水電解質(非水電解液)を負極に速やかに浸透させて二次電池の高電圧且つ大電流充電条件下での電池容量と充放電効率を向上するために、複数の負極活物質粒子と前記複数の負極活物質粒子を一体化するための樹脂を含有する複合粒子及び負極活物質粒子を含む負極層と、前記負極層が担持される集電体とを具備する負極を開示している。
しかしながら、このような負極においては、非水電解質が負極層内に浸透しても保持されにくいため、結果的に負極層内で非水電解質量が少ない部位が生じ、十分な充放電効率を得られなかった。
特開平9−219188号公開公報 特開平11−86866号公開公報 特開平8−88022号公開公報 特開2002−175802号公開公報
本発明の目的は、放電容量が高く、かつ充放電効率に優れた非水電解質二次電池と、このような二次電池を実現することができる非水電解質二次電池用の電極用導電材料及び非水電解質二次電池用負極を提供することにある。
本発明に係る非水電解質二次電池用の電極用導電材料は、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用の第1の負極は、負極活物質と、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含む導電材料とを含むことを特徴とするものである。
本発明に係る第1の非水電解質二次電池は、負極活物質と、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含む導電材料とを含む負極と、
正極と、
非水電解質と
を備えることを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用の第2の負極は、負極活物質と導電材料とを含む負極であって、
前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の非水電解質二次電池は、負極活物質及び導電材料を含む負極と、正極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の負極及び第2の非水電解質二次電池における前記水溶性高分子の分布とは、炭素材料粒子表面における水溶性高分子の分布を示すものではなく、負極内での水溶性高分子の分布を示すものである。
本発明に従えば、放電容量が高く、かつ充放電効率に優れた非水電解質二次電池と、このような二次電池を実現することができる非水電解質二次電池用の電極用導電材料及び非水電解質二次電池用負極を提供することができる。
まず、本発明に係る電極用導電材料について説明する。
この電極用導電材料は、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含むものである。
前記炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト等を挙げることができる。中でも、グラファイト材料は、結晶性が高いためにリチウム吸蔵能に優れ、かつ真密度が高い。
前記炭素材料粒子の形状は、例えば、球状、繊維状、鱗片状、板状にすることができる。また、特定形状を持たない不定形粒子を使用しても良い。前記炭素材料粒子の平均粒径は、例えばグラファイトの場合には、2〜30μm(マイクロメータ)とすることが望ましく、5〜15μm(マイクロメータ)とすることがより好ましい。また、前記炭素材料粒子として、例えばカーボンブラックを用いる場合には、一次粒子の平均粒径を20〜50nm(ナノメータ)とすることが望ましく、25〜40nm(ナノメータ)とすることがより好ましい。一方、水溶性高分子の大きさは、前記炭素材料粒子よりも大きくしてもよいし、小さくしてもよい。また、水溶性高分子と炭素材料粒子を等しい大きさとしてもよい。
前記水溶性高分子としては、その分子構造内に、オキシエチレン鎖、グリコール鎖、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、カルボキシル基、カルボニル基及び水酸基からなる群より選択される少なくともいずれか1つを含有するものを挙げることができる。このような水溶性高分子は、非水電解質を保持することができ、非水電解質を保持すると膨潤することがある。また、前記水溶性高分子は、非水電解質に対する溶解性が低いため、炭素材料粒子表面が水溶性高分子膜で覆われるのを回避することができる。用いる水溶性高分子は1種類としてもよいし、2種類以上の水溶性高分子を炭素材料粒子に付着させてもよい。特に、負極においては、負極活物質として炭素質物を使用する場合、高い親水性が望まれるため、オキシエチレン鎖、グリコール鎖、カルボキシル基、カルボニル基及び水酸基からなる群より選択される少なくともいずれか1つをその分子構造内に有する水溶性高分子を使用すると良い。一方、正極用の導電材料として使用する際には酸化雰囲気に曝されるため、オキシエチレン鎖、グリコール鎖、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうちの少なくともいずれか1つを有する耐酸化性の高い水溶性高分子を用いることが好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量は、負極の場合には10万〜200万の範囲にすることが望ましく、正極の場合には30万〜200万の範囲にすることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。負極の場合に重量平均分子量を10万未満とすると、水溶性高分子が負極スラリー調製用の溶媒あるいは非水電解質の非水溶媒に溶解しやすくなるため、炭素材料粒子表面が水溶性高分子の膜で被覆される恐れがある。また、電気化学反応により水溶性高分子が分解する可能性もある。水溶性高分子の膜で被覆されたり、水溶性高分子の分解が生じると、導電材料の非水電解質保持性が向上されないばかりか、導電材料の本来の機能(導電性)が損なわれる。正極の場合には、重量平均分子量を30万未満にすると、上述したような問題を生じる恐れがある。一方、重量平均分子量が200万を超える水溶性高分子は粘度が高いために乾式混合により炭素材料粒子表面に均一に付着させることが困難であるだけでなく、イオン透過性に乏しいことから炭素材料粒子の導電性が損なわれる恐れがある。水溶性高分子の重量平均分子量のさらに好ましい範囲は、負極の場合には30万〜100万で、正極の場合には50万〜100万である。
前記水溶性高分子の含有量は、炭素材料粒子100重量部に対して、0.1〜30重量部とすることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。水溶性高分子の含有量を0.1重量部未満とすると、炭素材料粒子に対する水溶性高分子量が少ないため、導電材料の非水電解質保持性を十分に向上することができず、高い充放電効率を実現できない恐れがある。一方、水溶性高分子の含有量が30重量部を超えるものでは、炭素材料粒子の表面に密に粒状水溶性高分子が付着しているため、導電材料の導電性が低下して高い放電容量を得られない恐れがある。水溶性高分子の含有量のさらに好ましい範囲は、炭素材料粒子100重量部に対して、0.2〜20重量部である。
前記水溶性高分子を炭素材料粒子の表面に付着させる際には、例えば、乾式混合法を用いることができる。
具体的には、炭素材料粒子と水溶性高分子粉末とを、ボールミルやビーズミルによって機械的な破砕エネルギーを加えながら乾式混合して水溶性高分子粒子を細かく砕き、得られた粒状の水溶性高分子を乾式混合によるメカノケミカル効果を利用して炭素材料粒子表面に付着させることにより導電材料を得ることができる。
以上説明した本発明に係る電極用導電材料では、炭素材料粒子の表面に粒状の水溶性高分子が付着していることから、導電材料の本来の機能(導電性)を損なうことなく、炭素材料粒子の非水電解質に対する濡れ性を向上することができる。このような導電材料を含む電極では、高容量化のために活物質含有層を厚くした際にも十分な量の非水電解質を保持することができると共に活物質及び導電材料を非水電解質で均等に濡らすことができるため、充放電における不均一反応を抑制することができ、高容量で、かつ充放電効率に優れる二次電池を実現することができる。
次いで、上述した導電材料を含む負極について説明する。
すなわち、本発明に係る負極(以下、第1の負極と称する)は、負極活物質と、前記導電材料とを含むものである。この負極の一実施形態として、前記負極活物質及び前記導電材料を含む活物質含有層と、前記活物質含有層が担持される集電体とを有するものが挙げられる。
前記負極活物質には、リチウムをドープかつ脱ドープ可能な炭素質物が使用される。リチウムをドープかつ脱ドープ可能な炭素質物としては、例えば、熱分解炭素、コークス類、人造黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維(例えば、メソフェーズピッチ系炭素繊維)、活性炭等を挙げることができる。
炭素質物粒子の形状は、例えば、球状、繊維状、鱗片状、板状等にすることができる。前記炭素質物粒子の形状は、1種類に揃えても、あるいは鱗片状と繊維状というように2種類以上にすることも可能である。
負極活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維を用いる場合には、粉末X線回折により求められる(002)面の面間隔d002が0.337nm以下であることが望ましく、さらに好ましい範囲は0.3365nm以下である。また、メソフェーズピッチ系炭素繊維の平均繊維長は、10〜30μmの範囲内にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は16〜20μmである。
炭素質物粒子の表面に、粒状の水溶性高分子が付着していても良い。粒状の水溶性高分子としては、前述した電極用導電材料で説明したのと同様なものを挙げることができる。
ここで、導電材料の炭素材料には、通常負極活物質よりも導電性が高いものが使用される。ただし、負極活物質として人造黒鉛類などの黒鉛材料を使用すると、負極活物質の導電性と導電材料の炭素材料の導電性が同じになる場合があるが、このときにはリチウムの脱挿入効率(充放電効率)が悪い方を導電材料とする。
導電材料の含有量は、前記負極活物質100重量部に対して、10〜40重量部とすることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。この導電材料の含有量を10重量部未満とすると、負極に十分な導電性を付与することができないばかりか、負極の非水電解質保持性も不十分になるため、高い充放電効率を得られない恐れがある。一方、この導電材料の含有量が40重量部を超えると、負極の活物質充填量が不足するため、十分な放電容量が得られなくなる恐れがある。導電材料の含有量のさらに好ましい範囲は、負極活物質100重量部に対して、15〜30重量部である。導電材料に含まれる炭素材料粒子としてリチウムをドープかつ脱ドープ可能なものを用いれば、高い導電性を確保しつつ、リチウム吸蔵・放出量を多くすることができる。
前記集電体としては、多孔質な導電性基板、または無孔の導電性基板を使用することができる。前記集電体は、例えば、銅、ニッケル等から形成することができる。
活物質含有層には、バインダー樹脂を含有させることができる。前記バインダー樹脂には、前記水溶性高分子とは異なる種類のもので、非水電解質に溶解せず、結着性に優れた水溶性あるいは非水溶性高分子を使用することが望ましい。非水溶性のバインダー樹脂としては、例えば、フッ素系バインダー樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ六フッ化プロピレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリ五フッ化プロピレン、あるいはこれらの共重合体等)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等を挙げることができる。フッ素系バインダー樹脂の中では、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が好ましいが、SBRを水に懸濁させたエマルションをバインダー樹脂として使用することも望ましい態様として挙げられる。また、水溶性のバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)等を挙げることができる。
この負極は、例えば、前記負極活物質、導電材料及びバインダー樹脂を溶媒中で混合することにより負極合剤スラリーを調製し、前記スラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより作製されるか、あるいは前記負極合剤スラリーを平型バットなどに注ぎ込み、熱風乾燥により粉末化し、得られた粉末をペレット状にプレス成型することによって作製される。ペレット状の負極は、コイン型非水電解質二次電池の負極として使用することができる。
スラリー調製の際に使用する溶媒としては、バインダー樹脂としてフッ素系バインダー樹脂を使用する場合には、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、テトラハイドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を使用することができる。特に、バインダー樹脂としてPVdFを使用する場合には、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。また、上記フッ素系バインダー樹脂以外のバインダー樹脂で、水溶性の樹脂やエマルションとして水に懸濁可能なものは、スラリー調製の際に使用する溶媒として水を使用することができる。
次いで、本発明に係る第2の負極について説明する。
この負極は、負極活物質と導電材料とを含む負極であって、
前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とするものである。
前記負極において、水溶性高分子は粒状であってもよいし、粒状でなくてもよい。負極活物質、水溶性高分子及び炭素材料粒子としては、前述した第1の負極で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、前記負極は、例えば、前述した第1の負極で説明したのと同様な方法で作製される。負極活物質には、表面に粒状の水溶性高分子が付着しているものを用いてもよいし、付着していないものを用いてもよい。表面に粒状の水溶性高分子が付着している負極活物質を使用する場合には、水溶性高分子の付着量が炭素材料粒子に比べて少ないものを使用することが望ましい。
以上説明した本発明に係る第1,第2の負極によれば、炭素材料粒子において導電性を損なうことなく非水電解質保持性を高くすることができるため、高容量化のために活物質含有層を厚くした際にも十分な量の非水電解質を保持することができると共に活物質及び導電材料を非水電解質で均等に濡らすことができる。その結果、この負極を備えた二次電池は、高容量化のために負極を高密度化した際にも充放電における不均一反応を抑制することができるため、放電容量及び充放電効率の双方を向上することができる。また、本発明に係る第2の負極では、活物質表面に存在する水溶性高分子が少ないか、もしくは全く存在していないため、水溶性高分子の添加により活物質のリチウム吸蔵・放出が阻害されるのを抑えることができる。
次いで、本発明に係る非水電解質二次電池について説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池は、本発明に係る第1または第2の負極と、正極と、非水電解質とを備えるものである。
以下、正極および非水電解質について説明する。
1)正極
この正極は、正極活物質、導電材料及びバインダー樹脂を含む活物質含有層と、前記活物質含有層が担持される集電体とを備えることができる。
この正極は、例えば、正極活物質、導電材料、バインダー樹脂及び溶媒を混合することにより正極合剤スラリーを調製し、前記スラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより作製されるか、あるいは前記正極合剤スラリーを平型バットなどに注ぎ込み、熱風乾燥により粉末化し、得られた粉末をペレット状にプレス成型することによって作製される。ペレット状の正極は、コイン型非水電解質二次電池の正極として使用することができる。
前記正極活物質としては、例えば、リチウム含有複合酸化物粒子を使用することができる。特に、リチウム含有複合酸化物としては、組成がLixMO2(但し、前記Mは遷移金属であり、モル比xは0.05≦x≦1.1を示す)で表わされるものが好ましい。前記組成式で表わされるリチウム含有複合酸化物の中でも、前記MとしてCo、Ni及びMnよりなる群から選択される1種以上を使用するものが好ましい。また、前記MがMnであるリチウム含有複合酸化物には、LixMn24及びLixMnO2が包含される。
前記バインダー樹脂には、フッ素系バインダー樹脂のような非水溶性高分子を用いることが望ましい。かかるフッ素系バインダー樹脂としては、例えば、前述した負極で説明したのと同様なものを挙げることができる。中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が好ましい。
前記集電体としては、多孔質な導電性基板、または無孔の導電性基板を使用することができる。前記集電体は、例えば、アルミニウム、ニッケル等から形成することができる。
前記導電材料には、例えば、カーボンブラック、グラファイト等の水溶性高分子無添加の炭素材料を用いても良い。前述した本発明に係る電極用導電材料を用いることも可能である。
前記導電材料として前述した本発明に係る電極用導電材料を用いると、正極における非水電解質保持性を高くすることができるため、非水電解質二次電池の充放電効率あるいはサイクル寿命を向上することができる。この場合、正極中の前記導電材料の含有量は、正極の活物質充填量を十分確保しつつ、優れた導電性を正極に付与するために、前記正極活物質100重量部に対して、2〜20重量部とすることが好ましい。前記導電材料の含有量のさらに好ましい範囲は、前記正極活物質100重量部に対して、3〜10重量部である。
前記正極と前記負極は、その間にセパレータを配置した状態で容器内に収納することができる。
前記セパレータは、多孔質シートから形成することができる。前記多孔質シートとしては、例えば、多孔質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなることが好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるため、好ましい。
前記容器は、例えば、樹脂層を含むシート(例えば、ラミネートフィルム)、樹脂フィルムまたは金属板等から形成することができる。
前記シートに含まれる樹脂層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から形成することができる。前記シートは、さらに金属層を含有することが必要である。前記金属層は、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等から形成することができる。
前記樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンから形成することができる。
前記金属板は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することができる。
2)非水電解質
この非水電解質は、電解質と、前記電解質が溶解された非水溶媒とを含む。非水電解質には、少なくとも電極群への注入時に液状であるものが使用される。注入時に液状であればゲル化剤(例えば、ポリマー、モノマー)を含んでいても良い。
前記非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン等の高誘電率溶媒である環状炭酸エステルや、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラハイドロフラン、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチルのような低粘度溶媒等を挙げることができる。中でも、炭酸エチレンと炭酸メチルエチルとの混合溶媒を好ましく使用することができる。また、容器を、樹脂層を含むシートから形成する場合には、高温貯蔵時の容器の膨れを抑制することができるため、γ−ブチロラクトンを含有する非水溶媒が好ましい。
前記電解質としては、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCl4、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Liなどを挙げることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池は、薄型、コイン型、角形、円筒形などの様々な形態のものに適用することができる。薄型非水電解質二次電池の例を図1及び図2に、角形非水電解質二次電池の例を図3に、円筒形非水電解質二次電池の例を図4に示す。
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型非水電解質二次電池を示す断面図、図2は、図1のA部を示す拡大断面図である。
図1に示すように、例えばラミネートフィルムからなる容器1内には、電極群2が収納されている。前記電極群2は、正極、セパレータ及び負極からなる積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。前記積層物は、図2に示すように、(図の下側から)セパレータ3、正極活物質含有層4と正極集電体5と正極活物質含有層4とを備えた正極6、セパレータ3、負極活物質含有層7と負極集電体8と負極活物質含有層7とを備えた負極9、セパレータ3、正極活物質含有層4と正極集電体5と正極活物質含有層4とを備えた正極6、セパレータ3、負極活物質含有層7と負極集電体8とを備えた負極9がこの順番に積層されたものからなる。前記電極群2は、最外層に前記負極集電体8が位置している。帯状の正極リード10は、一端が前記電極群2の前記正極集電体5に接続され、かつ他端が前記容器1から延出されている。一方、帯状の負極リード11は、一端が前記電極群2の前記負極集電体8に接続され、かつ他端が前記容器1から延出されている。
図3は、本発明に係る非水電解質二次電池の一例である角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図である。
図3に示すように、金属、例えばアルミニウムからなる有底矩形筒状の外装缶(容器)21は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁体22が配置されている。前記外装缶21内には、電極群23が収納されている。前記電極群23は、負極24と、セパレータ25と、正極26とを前記正極26が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。前記正極26の集電体には、正極リード(図示せず)が接続され、かつこの正極リードの他端は前記外装缶21に接続されている。
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ27は、前記外装缶21内の前記電極群23上に配置されている。金属製の蓋体28は、前記外装缶21の上端開口部に、例えばレーザ溶接により気密に接合されている。前記蓋体28の中心付近には、負極端子の取出穴29が開口されている。前記蓋体28には、前記外装缶21内の内圧が極端に上昇したような場合に破れて内圧を開放する安全弁機構(図示せず)が設けられている。負極端子30は、前記蓋体28の取出穴29にガラス製または樹脂製の絶縁材31を介してハーメティックシールされている。前記負極端子30の下端面には、負極リード32が接続され、かつこの負極リード32の他端は前記電極群23の負極24の集電体に接続されている。絶縁封口板33は、蓋体28の上面に配置されている。絶縁性の外装チューブ34は、外装缶21の側面並びに底面周縁と、絶縁封口板33の周縁を被覆している。
前述した図1及び図3においては、正極とセパレータと負極とが偏平状に捲回された電極群を用いる例を説明したが、この代わりに、正極とセパレータと負極との積層物からなる電極群、正極とセパレータと負極との積層物が1回以上折り曲げられた構造の電極群を用いることができる。
図4は、本発明に係る非水電解質二次電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図である。
例えばステンレスからなる有底円筒状の金属製容器41の底部には、絶縁体42が配置されている。電極群43は、前記容器41内に収納されている。前記電極群43は、正極44、セパレータ45及び負極46をこの順序で積層した帯状物を渦巻き状に巻回した構造になっている。
前記容器41内には、非水電解液(液状非水電解質)が収容されている。中央部に孔が開口されたPTC素子47、前記PTC素子47上に配置された安全弁48及び前記安全弁48上に配置された帽子形状の正極端子49は、前記容器41の上部開口部に絶縁ガスケット50を介してかしめ固定されている。なお、前記安全弁48は、電池内圧が所定の値に達すると破断し、内圧を開放する構造を有し、前記正極端子49には、ガス抜き孔(図示しない)となる安全機構が組み込まれている。正極リード51の一端は、前記正極44に、他端は前記PTC素子47にそれぞれ接続されている。前記負極46は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器41に接続されている。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
<負極の作製>
負極活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維を用意し、粒状の水溶性高分子として重量平均分子量が100万で、平均粒径が4μmのポリエチレングリコールを用意し、炭素材料粒子として平均粒径が15μmの鱗片状グラファイトを用意した。
鱗片状グラファイト100重量部にポリエチレングリコールを0.2重量部添加して、ボールミルにて24時間乾式混合を行うことによりポリエチレングリコールを細かく砕くと共に、得られた粒状のポリエチレングリコールを鱗片状グラファイト表面に付着させ、導電材料を得た。
負極活物質80重量部に対し、導電材料を20重量部添加した。さらに、負極活物質100重量部に対して、PVdFが12重量%溶解されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液をPVdF固形分で5重量部になるよう添加した。ついで固形分比率が50重量%になるようNMPを添加し、混合することにより負極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを、コーターを用いて厚さ10μmの銅箔の両面に、乾燥後で1m2あたり78g程度になるよう塗布した。乾燥後、ロールプレス機で密度が1.45g/cm3になるよう圧縮し、帯状の負極を得た。
<負極の観察>
このようにして得られた負極について、NMP溶液を用いてPVdFを溶媒抽出した。得られた観察試料に対して走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、水溶性高分子が負極活物質含有層内の炭素材料粒子の表面に偏在し、粒状のまま炭素材料粒子の表面上にほぼ均一に点在していた。
<正極の作製>
正極活物質として一次粒径が3μmのLiCoO2粒子を用意し、導電材料として鱗片状グラファイトとアセチレンブラックを用意した。正極活物質100重量部に対し、鱗片状グラファイト3重量部とアセチレンブラック2.5重量部を添加した。さらに、正極活物質100重量部に対し、PVdFが12重量%溶解されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液をPVdF固形分で4重量部になるよう添加した。ついで固形分比率が68重量%になるようNMPを添加し、混合することにより正極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを、コーターを用いて厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、乾燥後で1m2あたり207g程度になるよう塗布した。乾燥後、ロールプレス機で密度が3.35g/m3になるよう圧縮し、帯状の正極を得た。
<電極群の作製>
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間にポリエチレンからなるセパレータを介して渦巻き状に捲回し、電極群を作製した。この電極群を加熱しながらプレス機で加圧することにより、偏平状に成形した。このとき、温度80℃、圧力1.4MPaで成形し、成形後のセパレータの透気度を400秒/100cm3程度とした。透気度は、JIS(日本工業規格)P8117に規定する方法により測定した。
アルミニウム箔の両面をポリエチレンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを、プレス機により矩形のカップ状に成形し、得られた容器内に前記電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びラミネートフィルムに含まれる水分を除去した。
<非水電解液(液状非水電解質)の調製>
炭酸エチレン(EC)とγ−ブチロラクトン(GBL)を、重量比率(EC:GBL)が40:60になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)を、その濃度が1.5モル/Lになるよう溶解させて、非水電解液を調製した。
<二次電池の組立て>
容器内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が3.8gとなるように注入し、ヒートシールにより封止することにより、前述した図1及び図2に示す構造を有し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mmで、公称容量が0.75Ahの薄型非水電解質二次電池を組立てた。
この非水電解質二次電池に対し、初充放電工程として以下の処置を施した。まず、室温で0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を8時間行い、初充電容量を測定した。その後、20℃で7日間放置した。その後、0.2Cで3.0Vまで放電し、放電容量を測定した。また、測定した充電容量に対する放電容量の比率を算出し、その結果を100分率で計算した。
ここで、1Cとは公称容量(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値である。よって、0.2Cは、公称容量(Ah)を5時間で放電するために必要な電流値である。
(実施例2〜7)
水溶性高分子の種類及び重量平均分子量を下記表1に示すものに変更した以外、実施例1と同様にして負極の観察を行った後、非水電解質二次電池を組立てた。観察の結果、水溶性高分子が負極活物質含有層内の炭素材料粒子の表面に偏在し、粒状のまま炭素材料粒子の表面上に点在していた。炭素材料粒子表面における水溶性高分子の分布は、実施例2〜6では、ほぼ均一であったが、実施例7については実施例2〜6に比較して付着量が少なく、付き方も偏っていた。
(実施例8)
以下に説明するように作製した正極を用いた以外、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を組立てた。
正極活物質として一次粒径が3μmのLiCoO2粒子を用意し、粒状の水溶性高分子として重量平均分子量が100万で、平均粒径が7μmのポリエチレングリコールを用意し、炭素材料粒子として平均粒径が15μmの鱗片状グラファイトと一次粒子の平均粒径が35nm(ナノメータ)のアセチレンブラックを用意した。
鱗片状グラファイト100重量部にポリエチレングリコールを0.2重量部添加して、ボールミルにて24時間乾式混合を行うことによりポリエチレングリコールを細かく砕くと共に、得られた粒状のポリエチレングリコールを鱗片状グラファイト表面に付着させ、第1の導電材料を得た。
一方、アセチレンブラック100重量部にポリエチレングリコールを0.2重量部添加して、ボールミルにて24時間乾式混合を行うことによりポリエチレングリコールを細かく砕くと共に、得られた粒状のポリエチレングリコールをアセチレンブラック粒子表面に付着させ、第2の導電材料を得た。
正極活物質100重量部に対し、第1の導電材料を3重量部と、第2の導電材料を2.5重量部添加した。さらに、正極活物質100重量部に対して、PVdFが12重量%溶解されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液をPVdF固形分で4重量部になるよう添加した。ついで固形分比率が68重量%になるようNMPを添加し、混合することにより正極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを、コーターを用いて厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、乾燥後で1m2あたり207g程度になるよう塗布した。乾燥後、ロールプレス機で密度が3.35g/m3になるよう圧縮し、帯状の正極を得た。
(比較例1)
炭素材料粒子に水溶性高分子を付着させること無く負極を作製した以外、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を組立てた。
(比較例2)
水溶性高分子の代わりに下記表1に示す種類及び重量平均分子量の非水溶性高分子を使用した以外、実施例1と同様にして負極の観察を行った後、非水電解質二次電池を組立てた。観察の結果、負極活物質含有層内の炭素材料粒子の表面に粒状の非水溶性高分子が偏在していた。
(比較例3)
以下に説明するように作製した負極を用いた以外、実施例1と同様にして負極の観察を行うと共に非水電解質二次電池を組立てた。
負極活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維を用意し、水溶性高分子として分子量200万のポリエチレングリコールを用意し、炭素材料粒子として鱗片状グラファイトを用意した。
鱗片状グラファイト100重量部にポリエチレングリコールを0.2重量部添加して、さらに純水を固形分比率で25重量%になるように加え、ボールミルにて24時間湿式混合を行うことにより、鱗片状グラファイトの表面をポリエチレングリコール膜で被覆した。
負極活物質80重量部に対し、上記湿式混合により処理された鱗片状グラファイトを20重量部添加した。さらに、負極活物質100重量部に対して、PVdFが12重量%溶解されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液をPVdF固形分で5重量部になるよう添加した。ついで固形分比率が50重量%になるようNMPを添加し、混合することにより負極合剤スラリーを調製した。得られたスラリーを、コーターを用いて厚さ10μmの銅箔の両面に、乾燥後で1m2あたり78g程度になるよう塗布した。乾燥後、ロールプレス機で密度が1.45g/cm3になるよう圧縮し、帯状の負極を得た。
得られた実施例1〜8及び比較例1〜3の非水電解質二次電池の各10個ずつについて、測定した初充電容量と、放電容量と、充電容量に対する放電容量の比率(充放電効率)の平均値を下記表1に示す。また、実施例1〜8及び比較例2〜3の二次電池の負極の観察により確認された添加高分子の状態も下記表1に併記する。
Figure 0004594613
表1から明らかなように、実施例1〜8の二次電池は、放電容量及び充放電効率の双方に優れていることが理解できる。特に、水溶性高分子の重量平均分子量が10万〜200万の範囲である実施例1〜6,8の二次電池は、重量平均分子量が前記範囲を外れる実施例7の二次電池に比較して放電容量及び充放電効率を高くできた。また、実施例8の二次電池は、実施例1〜6の二次電池に比較して放電容量及び充放電効率を高くすることができた。さらに、実施例8の二次電池では、実施例1の二次電池に比較して充電容量が低かったにも拘わらず高い放電容量が得られ、優れた充放電効率とすることができた。これは、実施例8の二次電池では、負極だけでなく正極にも水溶性高分子付着炭素材料粒子を含むことから、正極の導電材料として水溶性高分子が付着していない炭素材料粒子を用いた実施例1の二次電池よりも負極、正極共に、均一に非水電解液を染み渡らせることができるためである。
これに対して、比較例1〜3の二次電池はいずれも、放電容量及び充放電効率が実施例1〜8の二次電池に比較して低かった。これは、比較例1の二次電池では、水溶性高分子が付着していない炭素材料粒子を用いたためである。
また、比較例2の二次電池では、非水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を用いたため、非水溶性高分子が負極への非水電解液の浸透を阻害し、放電容量及び充放電効率が、実施例1〜8の二次電池だけでなく、高分子未使用の比較例1の二次電池よりも劣化した。
比較例3の二次電池については、表面が水溶性高分子膜で被覆された炭素材料粒子を用いたため、炭素材料粒子の導電性が低下したことに起因して、放電容量及び充放電効率が実施例1〜8の二次電池だけでなく、高分子未使用の比較例1の二次電池よりも劣化した。
本発明に係る非水電解質二次電池の一例である薄型非水電解質二次電池を示す断面図。 図1のA部を示す拡大断面図。 本発明に係る非水電解質二次電池の一例である角形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。 本発明に係る非水電解質二次電池の一例である円筒形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。
符号の説明
1,41…容器、2,23,43…電極群、3,25,45…セパレータ、4…正極活物質含有層、5…正極集電体、6,26,44…正極、7…負極活物質含有層、8…負極集電体、9,24,46…負極、10,49…正極端子、11,30…負極端子、21…外装缶、22,42…絶縁体、27…スペーサ、28…蓋体、29…取出穴、31…絶縁材、32…負極リード、33…絶縁封口板、34…外装チューブ、47…PTC素子、48…安全弁、50…絶縁ガスケット、51…正極リード。

Claims (8)

  1. 粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用の電極用導電材料。
  2. 前記粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子は、粒状の水溶性高分子と炭素材料粒子との乾式混合により得られることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用の電極用導電材料。
  3. 負極活物質と、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含む導電材料とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  4. 負極活物質と、粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含む導電材料とを含む負極と、
    正極と、
    非水電解質と
    を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 前記正極が、正極活物質及び前記粒状の水溶性高分子が表面に付着している炭素材料粒子を含む導電材料を含むことを特徴とする、請求項4に記載の非水電解質二次電池。
  6. 負極活物質と導電材料とを含む非水電解質二次電池用負極であって、
    前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
    前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  7. 負極活物質及び導電材料を含む負極と、正極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
    前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
    前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とする非水電解質二次電池。
  8. 前記正極が、正極活物質及び導電材料を含み、
    前記導電材料は、表面に部分的に水溶性高分子が付着した炭素材料粒子を含み、
    前記水溶性高分子の分布は、前記炭素材料粒子表面に偏在していることを特徴とする、請求項7に記載の非水電解質二次電池。
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