JP4594579B2 - カラーフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にカラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイは、消費電力、省スペース等の利点や、低価格化等により、従来より電子ディスプレイの代表であったCRT(ブラウン管)に置き換わりつつあるが、CRTと比べて問題となっているのが、色再現能力である。
【0003】
カラー液晶ディスプレイにおいて、赤、緑、青の3原色の色純度は、カラーフィルタの膜厚、色素の濃度の値を高めるほど向上するが、カラーフィルタの透過率は逆に低下して表示画像が暗くなる。このため、ノート型パーソナルコンピュータ用の液晶ディスプレイでは、バッテリー駆動時間をより長くするために、少ない消費電力の光源でより明るい表示が得られるよう、色純度よりも透過率に重点が置かれていた。また、従来のカラー液晶ディスプレイの用途は、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ等のOA機器用が主であり、文字、図形、グラフ、表等をカラーで表示するものであったため、色純度、すなわち色再現域は重要視されていなかった。
【0004】
しかしながら、技術進歩による液晶ディスプレイの多色表示の可能化に伴い、写真画像や動画映像の表示デバイスとして利用されるようになり、赤、緑、青の色純度が高く、肌色のような中間調表示を含む高い色再現が要求されている。そこで、例えば、カラー液晶ディスプレイの光源として、狭い帯域の分光特性を有する光源を使用し、この光源のピーク波長とカラーフィルタの各色要素の透過波長領域のピーク波長とをほぼ一致させることにより、カラー液晶ディスプレイの色純度を高め、優れた色再現性を得ることが行なわれている(特開平7−253577号、特開平7−261167号等)。
【0005】
また、CRTを用いたカラーTVにおけるカラー表示として、従来からNTSC(National Television System Committee)方式によるカラー表示が標準となっており、このような背景のもとで、カラー液晶ディスプレイによるTV画像もNTSC方式が標準方式となっているが、NTSC規格の色特性を有するようなカラー液晶ディスプレイは実現されていない。
【0006】
液晶ディスプレイにおいては、例えば、図2示す色度座標の、NTSC規格(破線で示す三角形)の緑(G)と比較して、主波長が長波長側にあった。これは、現在一般的に液晶用ディスプレイとして用いられている三波長冷陰極管の波長特性によるものであり、カラーフィルタが三波長冷陰極管に合わせた透過率分布となっていた。
【0007】
そこで、近年LEDをバックライトとして用いる手法が注目されている(Proc.SID2001,pp702)。LEDバックライトの特徴として、▲1▼高い色純度、▲2▼水銀フリー、▲3▼長寿命、▲4▼ホワイトバランス調整が容易、▲5▼インバーターが不要、▲6▼小型化が容易等の利点が挙げられる。このLEDバックライトとしては、赤、緑、青のLEDをサイドライト、直下式等適宜配置することにより、白色を実現し、バックライトとして用いるものである。携帯電話等に青色LEDと黄色の蛍光体を組み合わせたタイプの白色LEDも用いられているが、色純度においては、赤、緑、青の3種類のLEDを用いたものの方が優れている。しかしながら、図11に示すように、LEDのピーク波長は、三波長冷陰極管のピーク波長のスペクトルと比較してブロードなものとなっている。
【0008】
またバックライトとして用いられる青色LEDは、輝度の面からピーク波長が470nm程度のものが好ましく、さらに、緑色LEDのピーク波長は図2に示すNTSC色再現域の観点から530nm程度のものであることが好ましい。これにより、青色LEDと緑色LEDのピーク波長が近接しており、色分離が困難であるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、優れた再現領域を有し、LEDをバックライトとして用いた際の青色および緑色の色分離が可能なカラーフィルタの提供が望まれている。
【0010】
本発明は、赤色(R)画素部緑色顔料および黄色顔料を含有する緑色(G)画素部、および、青色顔料および紫色顔料を含有する青色(B)画素部を有するカラーフィルタであって、上記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長より短波長側における透過率と、上記青色(B)画素部の透過率のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長における透過率が10%以下であり、かつ上記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長が60%以上、および上記青色(B)画素部の透過率のピーク波長が50%以上であるカラーフィルタと、LEDバックライトとを有することを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、上記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長と青色(B)画素部の透過率のピーク波長との間に位置する、緑色(G)画素部の透過率と青色(B)画素部の透過率の一致する波長における透過率が上記値以下であることにより、上記カラーフィルタによる、緑色(G)および青色(B)の色分離が可能となり、色純度が高いカラーフィルタとすることが可能となるのである。
【0012】
また、緑色(G)画素部および青色(B)画素部のピーク波長における透過率を上記の値とすることにより、色純度が高いだけでなく、明度の高いカラーフィルタとすることが可能となる。
【0013】
また、本発明においては、上記緑色(G)画素部に、620nm〜650nmにおける透過率が10%以下となり、ピーク波長の透過率が90%以上であり、かつ520nm〜540nmにおける透過率が、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に0.8以上である緑色顔料と、440nm〜480nmにおける透過率が5%以下となり、400nm〜510nmにおける透過率が20%以下であり、かつ透過率が20%以上となる波長から700nmまでの領域における透過率が20%以上である黄色顔料とを有し、上記緑色顔料と上記黄色顔料との重量配合比がr:1−rであり、rは0.5から0.7までの範囲内である緑色着色層用組成物が用いられていることが好ましい
【0014】
本発明によれば、上記緑色顔料が、赤色(R)LEDのピーク波長領域での透過率が低いものであり、また上記黄色顔料が、青色(B)LEDのピーク波長領域での透過率が低いものであることから、この緑色顔料および黄色顔料を上記の比率で配合することにより、緑色(G)LEDのピーク波長領域のみの透過率が高い緑色着色層用組成物とすることが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、上記青色(B)画素部に、ピーク波長における透過率が80%〜90%となり、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に440nm〜480nmにおける透過率が0.85以上であり、かつ上記ピーク波長における透過率を1とした場合に600nm〜700nmでの透過率が0.05以下である青色顔料と、530nm〜560nmにおける透過率が3%以下となり、ピーク波長における透過率が50%以上であり、かつ440nm〜480nmにおける透過率が、400nm〜700nmの範囲内における最大透過率を1とした場合に0.4以上である紫色顔料とを有し、上記青色顔料と上記紫色顔料との重量配合比がr:1−rであり、rは0.7から0.9の範囲内である青色着色層用組成物が用いられていることが好ましい
【0016】
本発明によれば、上記青色顔料が、赤色(R)LEDのピーク波長領域での透過率が低いものであり、また上記紫色顔料が、緑色(G)LEDの透過領域での透過率が低いものであることから、これらの青色顔料および紫色顔料を上記の比率で配合することにより、青色(B)LEDのピーク波長領域のみの透過率が高い青色着色層用組成物とすることが可能となるのである。
【0017】
本発明においては、上記緑色(G)画素部が上述した緑色着色層用組成物により形成されたものであり、上記青色(B)画素部が、上述した青色着色層用組成物により形成されたものであることが好ましい。これにより、緑色(G)画素部および青色(B)画素部の色純度が高く、また緑色および青色の色分離が容易なカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0019】
本発明によれば、青色と緑色の色分離が可能なことから色純度が高く、明度が高いカラーフィルタをカラー液晶表示装置とすることにより、高いNTSC比、すなわち広い色再現域を実現できるカラー液晶表示装置とすることが可能となるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、カラーフィルタ、着色層用組成物、およびカラー液晶表示装置に関するものである。以下、それぞれについて説明する。
【0021】
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の画素部を有するカラーフィルタであって、上記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長より短波長側における透過率と、上記青色(B)画素部の透過率のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長における透過率が10%以下であり、かつ上記緑色(G)画素部のピーク波長が60%以上、および上記青色(B)画素部の透過率のピーク波長が50%以上であることを特徴とするものである。
【0022】
本発明のカラーフィルタは、主としてカラー液晶表示装置に用いられるものであり、カラー液晶表示装置の中でも、バックライトがLEDであるものに好適に用いられる。バックライトがLEDである場合に、上述したように、緑色(G)LEDおよび青色(B)LEDのピーク波長領域が近接していることから、この緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタによる色分離が重要となる。
【0023】
そこで、本発明のカラーフィルタは、例えば図1に示すように、緑色(G)画素部の透過率曲線(鎖線)のピーク波長より短波長側における透過率と、青色(B)画素部の透過率曲線(一点鎖線)のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長(緑色(G)画素部の透過率曲線および青色(B)画素部の透過率曲線が交差する波長)の透過率が、10%以下であり、かつ緑色(G)画素部の透過率のピーク波長が60%以上、および青色(B)画素部の透過率のピーク波長が50%以上とする。
【0024】
これにより、本発明のカラーフィルタを用いた際に、青色(B)LEDのピーク波長領域における緑色(G)画素部の透過率を低くすることができ、また緑色(G)LEDのピーク波長領域における青色(B)画素部の透過率を低くすることが可能となることから、それぞれの色分離が可能となり、カラー液晶表示装置とした際に、色純度が高く、色再現域を広くすることが可能となるのである。
【0025】
また、緑色(G)画素部のピーク波長の透過率および青色(B)画素部のピーク波長の透過率が上記値以上であることにより、カラー液晶表示装置とした際に、明度を高くすることが可能となるのである。
【0026】
以下、上記のカラーフィルタの各構成について説明する。
【0027】
(緑色(G)画素部)
まず、本発明のカラーフィルタの緑色(G)画素部について説明する。本発明の緑色(G)画素部は、緑色(G)画素部の透過率曲線のピーク波長より短波長側における透過率と、青色(B)画素部の透過率曲線のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長の透過率が10%以下であり、かつ緑色(G)画素部の透過率曲線のピーク波長が所定の値以上である画素部であれば、特に限定されるものではないが、中でも530nm近傍にピーク波長を有する緑色(G)LEDのピーク波長領域に対応した画素部であることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタを、上記LEDをバックライトとして用いてカラー液晶表示装置として用いた場合に、530nm近傍の緑色の再現領域を広くすることが可能となり、NTSC比を高くすることが可能となるからである。
【0028】
ここで、NTSC比とは、NTSC規格の色再現領域に対する、実測したカラー液晶表示装置の色再現領域の割合である。
【0029】
本発明においては、上記の緑色(G)画素部の透過率曲線のピーク波長より短波長側における透過率と、青色(B)画素部の透過率曲線のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長の透過率が10%以下、中でも8%以下であることが好ましい。これにより、カラーフィルタによる緑色と青色の色分離が容易となるからである。
【0030】
また、上記緑色(G)画素部が、赤色(R)LEDのピーク波長xが610nm以上であり、青色(B)LEDのピーク波長zが480nm以下である場合に、x±5nmにおける透過率および、z±5nmにおける透過率が所定の値以下であることが好ましい。具体的には、x±5nmにおける透過率が0.3%以下であり、中でも0.2%以下であることが好ましい。
【0031】
また、z±5nmにおける透過率が3.5%以下であり、中でも3.0%以下であることが好ましい。これにより、赤色(R)および青色(B)LEDのピーク波長領域における緑色(G)画素部の透過率を抑え、色純度を高めることが可能となるからである。
【0032】
また、上記のピーク波長の透過率が、60%以上、中でも65%以上であることが好ましい。これにより、カラー液晶表示装置とした際に、明度の高いカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0033】
上記の緑色(G)画素部は、一般的にカラーフィルタで画素部として用いられるものであれば、材料等は特に限定されるものではなく、一般的な画素部の材料として、顔料とバインダとその添加剤等により構成されるが、中でも後述する「B.着色層用組成物」で説明する緑色着色層用組成物であることが好ましい。
【0034】
ここで、本発明の緑色(G)画素部に用いられる顔料の種類としては、一般的にカラーフィルタの画素に用いられる顔料であれば特に限定されないが、本発明においては、特に上述した透過率を満たすために、緑色顔料および黄色顔料を用いることが好ましく、中でも後述する緑色着色層用組成物中の顔料組成物を用いることが好ましい。
【0035】
ここで、上記透過率の値は、オリンパス光学工業(株)製分光測色計OSP−SP200により測定した分光透過率値である。
【0036】
(青色(B)画素部)
次に、本発明のカラーフィルタの青色(B)画素部について説明する。本発明の青色(B)画素部は、緑色(G)画素部の透過率曲線のピーク波長より長波長側における透過率と、青色(B)画素部の透過率曲線のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長の透過率が10%以下であり、かつ青色(B)画素部の透過率曲線のピーク波長が所定の値以上である画素部であれば、特に限定されるものではないが、中でも480nm以下にピーク波長を有する青色(B)LEDのピーク波長領域に対応した画素部であることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタを、LEDをバックライトとしてカラー液晶表示装置として用いた場合に、青色の再現領域を広くすることが可能となり、NTSC比を高くすることが可能となるからである。
【0037】
本発明においては、上記の緑色(G)画素部の透過率曲線のピーク波長より短波長側における透過率と、青色(B)画素部の透過率曲線のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長の透過率が、上述した青色(B)画素部において述べた範囲内の値であるとされる。これにより、緑色(G)画素部および青色(B)画素部による緑色と青色の色分離が容易となるからである。
【0038】
また、本発明においては、赤色(R)LEDのピーク波長xが610nm以上、緑色(G)LEDのピーク波長yが530±10nmである場合に、x±5nmにおける透過率および、y±5nmにおける透過率が所定の値以下であることが好ましい。具体的には、x±5nmにおける透過率が0.2%以下であり、中でも0.1%以下であることが好ましい。
【0039】
また、y±5nmにおける透過率が0.2%以下であり、中でも0.1%以下であることが好ましい。これにより、赤色(R)および緑色(G)LEDのピーク波長領域における青色(B)画素部の透過率を抑えることが可能となり、色純度を高めることが可能となるからである。ここで、上記透過率の値は、上述した方法により測定した値である。
【0040】
また、上記青色(B)画素部のピーク波長の透過率が、50%以上、中でも55%以上であることが好ましい。これにより、カラー液晶表示装置とした際に、明度の高いカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0041】
上記の青色(B)画素部についても、一般的にカラーフィルタで画素部として用いられるものであれば、材料等は特に限定されるものではないが、中でも、後述する青色着色層用組成物を用いることが好ましい。
【0042】
また、本発明の青色(B)画素部に用いられる顔料としては、特に上述した条件を満たすために、青色顔料および紫色顔料をもちいることが好ましく、中でも後述する「B.着色層用組成物」で説明する青色着色層用組成物の顔料組成物を用いることが好ましい。
【0043】
(赤色(R)画素部)
次に、本発明のカラーフィルタにおける赤色(R)画素部について説明する。本発明の赤色(R)画素部は、一般的にカラーフィルタに用いられる赤色(R)画素部であれば、特に限定されるものではないが、中でも610nm以上にピーク波長を有する赤色(R)LEDのピーク波長領域に対応した画素部であることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタを、LEDをバックライトとしてカラー液晶表示装置として用いた場合に、赤色の再現領域を広くすることが可能となり、NTSC比を高くすることが可能となるからである。
【0044】
また、本発明の赤色(R)画素部は、緑色(G)LEDのピーク波長yが530±10nm、青色(B)LEDのピーク波長zが480nm以下である場合に、y±5nmにおける透過率および、z±5nmにおける透過率が所定の値以下であることが好ましい。具体的には、y±5nmにおける透過率が0.4%以下であり、中でも0.3%以下であることが好ましい。
【0045】
また、z±5nmにおける透過率が0.2%以下であり、中でも0.1%以下であることが好ましい。これにより、青色(B)および緑色(G)LEDのピーク波長領域における赤色(R)画素部の透過率を抑えることが可能となり、色純度を高めることが可能となるからである。ここで、上記透過率の値は、上述した方法により測定した値である。
【0046】
上記赤色(R)画素部についても、一般的にカラーフィルタの赤色(R)画素部として用いられるものであれば、その材料等は特に限定されるものではない。
【0047】
(カラーフィルタ)
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述した緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の画素部を有するカラーフィルタであれば、その構造等は特に限定されるものではなく、上記画素部の他に、ブラックマトリックスや保護層、透明電極、配向層等を有するものであってもよい。また、本発明のカラーフィルタは、LEDをバックライトとして用いることが可能なカラーフィルタであることが好ましく、LEDの波長領域に対応したカラーフィルタであることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタをカラー液晶表示装置とした際に、高いNTSC比を有するカラー液晶表示装置とすることが可能となるからである。
【0048】
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、一般的にカラーフィルタを製造する顔料分散法やインクジェット法等の印刷法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。また、画素部の配置についても、特に限定されるものではなく、ストライプ状もしくは千鳥状等に配置されて構成されるものであってもよい。
【0049】
また、本発明のカラーフィルタの画素部の膜厚は、0.1μm〜4.0μmであることが好ましい。画素部の膜厚が上記範囲内であることにより、液晶の配向等に影響を及ぼす可能性が低く、また高精細であり、かつ彩度の高いカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0050】
B.着色層用組成物
次に、本発明の着色層用組成物について説明する。本発明の着色層用組成物には、緑色着色層用組成物および青色着色層用組成物の2種類あり、それぞれ上述したカラーフィルタの画素部の材料として用いることが可能なものである。以下、各着色層用組成物について説明する。
【0051】
1.緑色着色層用組成物
まず、緑色着色層用組成物について説明する。本発明の緑色着色層用組成物は、溶剤と、ポリマー成分、モノマー成分、開始剤、緑色顔料組成物、および添加剤等からなる固形分成分等から構成されるものであり、620nm〜650nmにおける透過率が10%以下となる分光特性において、ピーク波長の透過率が所定の範囲内であり、かつ520nm〜540nmにおける透過率が、所定の範囲内である緑色顔料と、440nm〜480nmにおける透過率が5%以下となる分光特性において、400nm〜510nmにおける透過率が所定の範囲内であり、かつ透過率が20%以上となる波長から700nmまでの領域における透過率が20%以上である黄色顔料とを有し、上記緑色顔料と上記黄色顔料とを所定の比率で配合したものであれば、特に限定されるものではない。
【0052】
本発明の着色層用組成物は、カラーフィルタの画素部に用いられるものであり、その中でも特にLEDをバックライトとして用いるカラーフィルタの画素部に用いられるものである。LEDをバックライトとして用いる場合、上述したように、緑色(G)LEDおよび青色(B)LEDのピーク波長領域が近接していることから、この緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタによる色分離が重要となる。
【0053】
そこで、本発明においては、緑色着色層用組成物の顔料組成物として、緑色顔料および黄色顔料を所定の比率で配合することにより、目的とする緑色(G)LEDのピーク波長領域における透過率を高くし、青色(B)LEDのピーク波長領域および赤色(R)LEDのピーク波長領域における透過率を低くすることが可能となるのである。
【0054】
なお、本発明の緑色着色層用組成物の透過率の値は、上述したカラーフィルタの項で記載した透過率の測定方法により測定した値である。
【0055】
以下、これらの各組成について説明する。
【0056】
(緑色顔料組成物)
まず、本発明の緑色顔料組成物について説明する。本発明の緑色顔料組成物は、緑色顔料と黄色顔料とを有し、所定の比率で配合したものである。以下、各顔料について説明する。
【0057】
(a)緑色顔料
まず、本発明に用いられる緑色顔料について説明する。本発明に用いられる緑色顔料は、例えば図3(a)に示すように、620nm〜650nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が10%以下となる場合の分光特性において、ピーク波長における透過率(ここでは、510nm近傍)が90%以上であり、かつ520nm〜540nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、0.8以上であるものである。
【0058】
本発明に用いられる緑色顔料の規定は、620nm〜650nmの範囲内において、透過率が10%となるように、調整した場合の分光特性に関するものである。上記620nm〜650nmの範囲とは、赤色(R)LEDのピーク波長領域であり、この範囲において緑色顔料の透過率は低いことが好ましく、ここで、10%以下とは、上記範囲内の全波長にわたる透過率が10%以下であることを示している。上記分光特性である場合に、ピーク波長における透過率が90%以上、中でも95%以上であることが好ましい。これにより、緑色着色層用組成物をカラーフィルタに用いた際に、色純度の高いカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0059】
また、本発明に用いられる緑色顔料は、上記分光特性において、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、520nm〜540nmにおける透過率が、0.8以上、中でも0.85以上であることが好ましい。これにより、カラーフィルタとした際の530nm近傍の透過率を高くすることが可能となり、緑色の再現領域が広く、高いNTSC比が再現可能なカラーフィルタとすることができるのである。
【0060】
本発明に用いられる緑色顔料は、一般的にカラーフィルタ用に用いられる顔料であり、上述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.Pigment Green 7およびC.I.PigmentGreen 36が挙げられ、中でもC.I.Pigment Green 7が好ましい。
【0061】
(b)黄色顔料
次に、本発明に用いられる黄色顔料について説明する。本発明に用いられる黄色顔料は、例えば図3(b)に示すように、440nm〜480nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が5%以下となる場合の分光特性において、510nm以下における透過率が20%以下であり、かつ透過率が20%となる波長から700nmまでの領域(図中に斜線で示した範囲)における透過率が20%以上であるものである。
【0062】
上述したように、本発明に用いられる黄色顔料の規定は、440nm〜480nmにおける透過率が5%以下となる分光特性の場合に関するものである。上記440nm〜480nmの波長の範囲とは、青色(B)LEDのピーク波長領域であり、この範囲において緑色着色層用組成物の透過率は低いことが好ましく、ここで、5%以下とは、上記範囲内の全波長にわたる透過率が5%以下であることを示している。上記分光特性である場合に、440nm〜480nmにおける透過率が5%以下、中でも3%以下であることが好ましい。これにより、青色(B)LEDのピーク波長領域に近い領域の緑色着色層用組成物の透過率を低くすることが可能となり、カラーフィルタとして用いる際に、青色(B)と緑色(G)の色分離が可能なカラーフィルタとすることが可能となるからである。
【0063】
また、本発明に用いられる黄色顔料は、上記の分光特性において、上記透過率が20%となる波長から700nmまでの領域における透過率が20%以上であることが好ましい。緑色(G)LEDのピーク波長領域である領域の透過率を上記の範囲以上とすることにより、緑色着色層用組成物とした場合に、緑色の発色を妨げないようにすることが可能となるのである。
【0064】
本発明に用いられる黄色顔料は、一般的にカラーフィルタ用に用いられる顔料であり、上述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Yellow 17が挙げられ、中でもC.I.Pigment Yellow 139およびC.I.Pigment Yellow 150が好ましい。
【0065】
(c)緑色顔料組成物
本発明の緑色顔料組成物は、上述した緑色顔料と黄色顔料とを、r:1−rの重合比率で配合したものであれば、特に限定されるものではない。ここで、rは、0.5〜0.7の範囲内であることが好ましく、中でも0.55〜0.65の範囲内であることが好ましい。
【0066】
本発明の緑色着色層用組成物を使用したカラーフィルタの透過率は、緑色(G)LEDのピーク波長領域である530nm近傍での透過率が高く、青色(B)LEDのピーク波長領域である470nm近傍における透過率が低いことが好ましい。
【0067】
このことから、本発明の緑色着色層用組成物として、上述した緑色顔料を用いることにより、530nm近傍での透過率を向上させ、また赤色(R)LEDのピーク波長領域である620nm〜650nmの範囲の透過率を低く抑えるのである。また、上記緑色顔料における510nm以下の青色波長領域側の透過率を抑えるために、530nm近傍の緑色顔料の透過率を阻害しない上記黄色顔料を用いる。これにより、目的とする緑色(G)LEDのピーク波長領域における透過率を高くし、青色(B)LEDのピーク波長領域および赤色(R)LEDのピーク波長領域における透過率を低くすることが可能となるのである。
【0068】
上記顔料組成物は、一般的には後述するポリマー成分を100重量部とした際に、3〜60重量部の範囲内、好ましくは5〜50重量部の範囲内で用いられる。
【0069】
(溶媒)
次に、本発明の緑色着色層用組成物に用いられる溶媒について説明する。本発明の緑色着色層用組成物に用いられる溶媒は、一般的にこのような着色層用組成物に用いられているものを用いることが可能であり、特に限定されるものではなく、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。
【0070】
(ポリマー成分)
次に、本発明に用いられるポリマー成分について説明する。本発明に用いられるポリマー成分は、従来より着色層用として用いられているものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
上記のポリマー成分のなかで、合わせて使用するモノマー成分との相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジルメタクリレートとの共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
【0072】
このようなポリマー成分は、着色層中、すなわち固形分成分中において30重量%〜50重量%、特に30重量%〜40重量%の範囲内で用いることが好ましい。
【0073】
(モノマー成分)
次に、本発明に用いられるモノマー成分について説明する。本発明に用いられるモノマー成分においても、従来より着色層用として用いられているものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、メタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。
【0074】
このようなモノマー成分の着色層中、すなわち固形分成分中の使用量としては、30重量%〜50重量%、特に30重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
【0075】
(開始剤)
次に、本発明に用いられる開始剤について説明する。本発明に用いられる開始剤においても、従来より着色層用として用いられているものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、N,N′テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、イルガキュアー369(チバガイギー社製)、イルガキュアー651(チバガイギー社製)、イルガキュアー907(チバガイギー社製)等の光重合開始剤が挙げられる。本発明では、これらの光重合開始剤を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
このような開始剤の着色層中、すなわち固形分成分中の使用量としては、10重量%〜30量%、特に10重量%〜20重量%の範囲内であることが好ましい。
【0077】
(添加剤)
本発明の緑色着色層用組成物は、必要に応じて、任意の添加剤を加えることが可能であり、従来より着色層用として用いられるものであれば、特に限定されるものではない。任意の添加剤成分としては、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を挙げることができる。
【0078】
2.青色着色層用組成物
次に、本発明の青色着色層用組成物について説明する。本発明の青色着色層用組成物は、溶剤と、ポリマー成分、モノマー成分、開始剤、緑色顔料組成物、および添加剤等からなる固形分成分等から構成されるものであり、ピーク波長における透過率が80%〜90%となる分光特性において、440nm〜480nmにおける透過率が所定の範囲内であり、かつ600nm〜700nmでの透過率が所定の範囲内である青色顔料と、530nm〜560nmにおける透過率が3%以下となる分光特性において、ピーク波長における透過率が所定の範囲内であり、かつ440nm〜480nmにおける透過率が、所定の範囲内である紫色顔料とを有し、上記青色顔料と上記紫色顔料とを所定の比率で配合することを特徴とするものである。
【0079】
上述したように、本発明のカラー着色層用組成物は、カラーフィルタの画素部に用いられるものであり、その中でも特にLEDをバックライトとして用いるカラーフィルタの画素部に用いられるものである。LEDをバックライトとして用いる場合、LEDのバックライトの特徴から、緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタによる色分離が重要であり、本発明の青色着色層用組成物は、この色分離を達成するために、青色顔料および紫色顔料を所定の比率で配合している。
【0080】
上記の青色顔料および紫色顔料を所定の比率で配合することにより、目的とする青色(B)LEDのピーク波長領域における透過率を高くし、緑色(G)LEDのピーク波長領域および赤色(R)LEDのピーク波長領域における透過率を低くすることが可能となるのである。
【0081】
なお、本発明の青色着色層用組成物の透過率の値は、上述したカラーフィルタの項で記載した透過率の測定方法により測定した値である。
【0082】
以下、これらの各要素について説明する。ここで、本発明の青色着色層用組成物に用いられる、溶媒、ポリマー成分、モノマー成分、開始剤、および添加剤については、上述した緑色着色層用組成物と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
(青色顔料組成物)
本発明の緑色顔料組成物は、青色顔料と紫色顔料とを有し、所定の比率で配合したものである。以下、各顔料について説明する。
【0084】
(a)青色顔料
まず、本発明に用いられる青色顔料について説明する。本発明に用いられる青色顔料は、例えば図4(a)に示すように、ピーク波長における透過率(ここでは、440nm近傍)が80〜90%となる場合の分光特性において、440〜480nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、0.85以上であり、かつ600nm〜700nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が、上記と同様に上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、0.05以上であるものである。
【0085】
顔料の透過率は、本発明に用いられる青色顔料の規定は、ピーク波長における透過率が80%〜90%となるような分光特性の場合に関するものである。本発明の青色顔料は、上記分光特性において、440nm〜480nmの全波長における透過率が、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、0.85以上となるものである。440nm〜480nmの範囲とは、青色(B)LEDのピーク波長領域であり、この範囲内での透過率が、上記範囲であることにより、青色着色層用組成物をカラーフィルタに用いた際に、青色の色純度が高いものとすることが可能となるのである。また、上記分光特性において、600nm〜700nmにおける透過率が、上記ピーク波長における透過率を1とした場合に、0.05以下となるものである。600nm〜700nmとは、赤色(R)LEDのピーク波長領域であり、この領域における透過率が、上記範囲内であることにより、青色着色層用組成物をカラーフィルタに用いた際に、青色(B)画素部の赤色(R)LEDの波長領域における透過率を低くすることが可能となり、色純度の高いカラーフィルタとすることが可能となるのである。
【0086】
本発明に用いられる青色顔料は、一般的にカラーフィルタ用に用いられる顔料であり、上述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.Pigment Blue 15:6、C.I.PigmentBlue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 19、が挙げられ、中でもC.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
【0087】
(b)紫色顔料
次に、本発明における紫色顔料について説明する。本発明に用いられる紫色顔料は、例えば図4(b)に示すように、530nm〜560nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が3%以下となる場合の分光特性において、ピーク波長(ここでは440nm近傍)における透過率が50%以上であり、かつ400nm〜480nm(図中に斜線で示した範囲)における透過率が、400nm〜700nmの範囲内における最大透過率を1とした場合に、0.4以上であるものである。
【0088】
本発明の紫色顔料の規定は、530nm〜560nmの全波長における透過率が3%以下となる分光特性の場合に関するものである。530nm〜560nmの範囲内とは、緑色(G)LEDのピーク波長領域であり、青色と緑色の色分離の観点から、この波長領域において透過率が低いことが好ましいのである。本発明の紫色顔料は、上記分光特性の場合に、ピーク波長における透過率が50%以上であるものである。また、上記分光特性の場合において、400nm〜480nmの全波長における透過率が、400nm〜700nmの範囲内における最大透過率を1とした場合に、0.4以上であるものである。これは、上記波長における透過率が、上記範囲であることにより、青色着色層用組成物とした時に、青色の発色を阻害しないことが好ましいからである。
【0089】
本発明に用いられる紫色顔料は、一般的にカラーフィルタ用に用いられる顔料であり、上述した条件を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.Pigment Violet 32、C.I.PigmentViolet 23が挙げられ、中でもC.I.Pigment Violet
23が好ましい。
【0090】
(c)青色顔料組成物
次に、青色顔料組成物について説明する。本発明の青色顔料組成物は、上述した青色顔料および緑色顔料をr:1−rの重合比率で配合したものであれば、特に限定されるものではない。ここで、rは、0.7〜0.9の範囲内であることが好ましく、中でも0.65〜0.85の範囲内であることが好ましい。本発明の青色着色層用組成物を使用したカラーフィルタの透過率は、青色(B)LEDのピーク波長領域である470nm近傍での透過率が高く、緑色(G)LEDのピーク波長領域である530nm近傍における透過率が低いことが好ましい。
【0091】
このことから、本発明の青色着色層用組成物として、上述した青色顔料を用いることにより、470nm近傍での透過率を向上させ、青色顔料における530nm近傍の緑色波長領域側の透過率を抑えるために、この波長領域で透過率の低い紫色顔料を用いる。また、この紫色顔料における赤色(R)LEDのピーク波長領域である600nm以上の高い透過率は、この領域での透過率の低い青色顔料により抑えるのである。
【0092】
これにより、目的とする青色(B)LEDのピーク波長領域における透過率を高くし、緑色(G)LEDのピーク波長領域および赤色(R)LEDのピーク波長領域における透過率を低くすることが可能となるのである。
【0093】
C.カラー液晶表示装置
次に、本発明のカラー液晶表示装置について説明する。本発明のカラー液晶表示装置は、上述したカラーフィルタを有するカラー液晶表示装置であれば、特に限定されるものではなく、通常は上述したカラーフィルタと、このカラーフィルタに対向するアレイ基板と、上記カラーフィルタと上記アレイ基板との間に封入された液晶層等から構成される。
【0094】
本発明によれば、LEDのバックライトのピーク波長領域に対応した上述のカラーフィルタを用いることにより、青色(B)と緑色(G)の色分離が優れ、また明度が高く、また高いNTSC比を有するカラー液晶表示装置とすることが可能となり、LEDバックライトとの組み合わせにより、例えば図5に示すように、NTSC比を100%以上とすることも可能となるのである。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0096】
【実施例】
以下に本発明のカラーフィルタおよびカラー液晶表示装置の実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0097】
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタの実施例および比較例についてそれぞれ説明する。
【0098】
[実施例1]
カラーフィルタとしては、以下のようにガラス基板(コーニング社製7059ガラス)上にカラーフィルタに用いられる種々の材料を用いて塗膜を形成した。
【0099】
ブラックマトリックスおよび赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各画素部の着色材料には顔料分散型フォトレジストを用いた。顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤、および溶剤を含有)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、クリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤および溶剤)とを混合したものである。その組成を下記に示す。なお、分散機としては、ペイントシェーカーを用いた。
【0100】
調製したブラックマトリックス材料を、定法にしたがって上記ガラス基板を洗浄したあと、スピンコート法で1.2μmの厚さに塗布、90℃、3分間のプリベーク、所定のパターンを露光(100mJ/cm)、0.05%のKOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、30分間ポストベークすることで、ブラックマトリックス基板を作製した。
【0101】
赤色(R)の顔料分散型フォトレジストを、上記ブラックマトリックス基板上にスピンコート法で塗布、80℃、5分間の条件でプリベーク、所定の着色パターン用フォトマスクを用いて、アライメント露光(300mJ/cm)し、0.1%のKOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、60分間ポストベークすることで、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に膜厚2.6μmの赤色(R)画素パターンを形成した。
【0102】
同様に、緑色(G)の顔料分散型フォトレジストを用いて、ブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に膜厚2.6μmの緑色(G)画素パターンを上記と同様に形成した。
【0103】
さらに、青色(B)の顔料分散型フォトレジストを用いて、ブラックマトリックスパターンに対して、所定の顔料分散型フォトレジストを用いて、同様にブラックマトリックスパターンに対して所定の位置に膜厚2.6μmの青色(B)画素パターンを形成し、カラーフィルタを作製した。
・ブラックマトリックス用フォトレジスト
黒顔料:大日精化工業(株)製 TMブラック♯9550 14.0重量部
分散剤:ビックケミー(株)製 Disperbyk111 1.2重量部
ポリマー:昭和高分子(株)製 VR60 2.8重量部
モノマー:サートマー(株)製 SR399 3.5重量部
添加剤:綜研化学(株)製 L−20 0.7重量部
開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1 1.6重量部
開始剤:4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン 0.3重量部
開始剤:2,4−ジエチルチオキサントン 0.1重量部
溶剤:エチレングリコールモノブチルエーテル 75.8重量部
・赤色(R)画素用レジスト
赤顔料:C.I.Pigment Red 254(チバスペシャリティケミカ
ルズ社製 クロモフタールDPP Red BP) 3.5重量部
黄顔料:C.I.Pigment Yellow 139(BASF社製 パリ
オトールイエローD1819) 0.6重量部
分散剤:ゼネカ(株)製 ソルスパース24000 3.0重量部
モノマー:サートマー(株)製 SR399 4.0重量部
ポリマーA: 5.0重量部
開始剤:チバガイギー社製 イルガキュア907 1.4重量部
開始剤:2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テト
ラフェニル−1,2´−ビイミダゾール 0.6重量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0重量部
・緑色(G)画素用レジスト
緑顔料:C.I.Pigment Green 7(大日精化製 セイカファス
トグリーン5316P) 3.7重量部
黄顔料:C.I.Pigment Yellow 139(BASF社製 パリ
オトールイエローD1819) 2.3重量部
分散剤:ゼネカ(株)製 ソルスパース24000 3.0重量部
モノマー:サートマー(株)製 SR399 4.0重量部
ポリマーA: 5.0重量部
開始剤:チバガイギー社製 イルガキュア907 1.4重量部
開始剤:2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テト
ラフェニル−1,2´−ビイミダゾール 0.6重量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0重量部
・青色(B)画素用レジスト
青顔料:C.I.Pigment Blue 15:6(BASF社製 ヘリオ
ゲンブルーL6700F) 4.6重量部
紫顔料:C.I.Pigment Violet 23(クラリアント社製 フ
ォスタパームRL-NF) 1.4重量部
顔料誘導体:ゼネカ(株)製 ソルスパース12000 0.6重量部
分散剤:ゼネカ(株)製 ソルスパース24000 2.4重量部
モノマー:サートマー(株)製 SR399 4.0重量部
ポリマーA: 5.0重量部
開始剤:チバガイギー社製 イルガキュア907 1.4重量部
開始剤:2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テト
ラフェニル−1,2´−ビイミダゾール 0.6重量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0重量部
ここで、ポリマーAは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
【0104】
得られたカラーフィルタの透過率曲線を図6(a)に示す。この際の青色(B)画素部の透過率曲線と緑色(G)画素部の透過率曲線の交差する波長での透過率が8%であり、青色(B)画素部のピーク波長における透過率が55%、緑色(G)画素部のピーク波長における透過率が67%であった。分光透過率の値は、オリンパス光学工業(株)製分光測色計OSP−SP200により測定した透過率値である。
【0105】
[比較例1]
(カラーフィルタ)
ブラックマトリックスおよび赤色(R)画素部の着色材料は、実施例1で示したものと同様の着色材料を用いた。緑色(G)および青色(B)の各画素部については、下記の顔料を用い、その他の材料については、実施例1で示したものと同様のものを用いた。膜厚は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)とも1.0μmとし、実施例1と同様に作製した。
・緑色(G)画素用レジスト
緑顔料:C.I.Pigment Green 36(ゼネカ(株)製 モナス
トラルグリーン9Y−C) 2.8重量部
黄顔料:C.I.Pigment Yellow 138(BASF社製 パリ
オトールイエロー1090) 3.2重量部
・青色(B)画素用レジスト
青顔料:C.I.Pigment Blue 15:6(BASF社製 ヘリオ
ゲンブルーL6700F) 6.0重量部
得られたカラーフィルタの透過率曲線を図6(b)に示す。この際の青色(B)画素部の透過率曲線と緑色(G)画素部の透過率曲線の交差する波長での透過率が77%であり、青色(B)画素部のピーク波長における透過率が81%、緑色(G)画素部のピーク波長における透過率が93%であった。分光透過率の値は、オリンパス光学工業(株)製分光測色計OSP−SP200により測定した透過率値である。
【0106】
[比較例2]
ブラックマトリックスおよび赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各画素部の着色材料は、比較例1と同様のものを用いた。膜厚は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)とも3.0μmとし、実施例1と同様に作製した。
【0107】
得られたカラーフィルタの透過率曲線を図6(c)に示す。この際の青色(B)画素部の透過率曲線と緑色(G)画素部の透過率曲線の交差する波長での透過率が46%であり、青色(B)画素部のピーク波長における透過率が53%、緑色(G)画素部のピーク波長における透過率が81%であった。分光透過率の値は、オリンパス光学工業(株)製分光測色計OSP−SP200により測定した透過率値である。
【0108】
B.カラーフィルタ液晶表示装置
本発明のカラー液晶表示装置の実施例および比較例についてそれぞれ説明する。
【0109】
(1)カラーフィルタ液晶表示装置用バックライト
カラーフィルタ液晶表示装置用バックライトとして、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー(株)製チップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー(株)製チップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー(株)製チップ型LED)を用いた。これらのLEDを通常入手可能な部材と組み合わせ、直下式のバックライトを構成した。
【0110】
各LEDの輝度比率は、上記実施例1、比較例1、および比較例2のそれぞれのカラーフィルタに合わせて、ディスプレイにおける白表示が、NTSC標準の白であるC光源のCIExy色度座標(x,y)=(0.310,0.316)にほぼ一致するように調整した。このホワイトバランスを調整したカラーフィルタ液晶表示装置用バックライトの輝度比率をそれぞれ図7(a)(b)(c)に示す。
LEDのピーク波長は、赤色(R)633nm、緑色(G)531nm、青色(B)472nmであった。この測定は大塚電子製分光測光装置MCPD−2000を用いた。
【0111】
(2)カラー液晶表示表示装置
[実施例1]
上記実施例1のカラーフィルタおよび上記カラー液晶表示装置用バックライトを用い、このカラーフィルタに対向するアレイ基板を配置し、上記カラーフィルタと上記アレイ基板との間に液晶層を封入しカラー液晶ディスプレイ装置とした。
【0112】
カラー液晶表示装置の赤、青、緑、白をそれぞれ表示させ、色度測定を行った。この色度測定は、トプコン社製色彩輝度計SR−3を用い、周囲からの入射光がない状態で色彩輝度計をディスプレイの中心に対して法線方向に配置し、観測距離は50cmとした。これにより、測定した結果を図8に示す。実施例1におけるNTSC比は105.4%であった。
【0113】
[比較例1]
上記比較例1のカラーフィルタと、上記カラー液晶表示装置用バックライトを用いて、実施例1と同様の方法により、カラー液晶ディスプレイ装置とした。
【0114】
カラー液晶表示装置の赤、青、緑、白をそれぞれ表示させ、実施例1と同様の測定方法により色度測定を行った。これにより、測定した結果を図9に示す。比較例1におけるNTSC比は40.6%であった。
【0115】
[比較例2]
上記比較例2のカラーフィルタと、上記カラー液晶表示装置用バックライトを用い、カラー液晶表示装置用バックライトを用いて、実施例1と同様の方法により、カラー液晶ディスプレイ装置とした。
【0116】
カラー液晶表示装置の赤、青、緑、白をそれぞれ表示させ、実施例1と同様の測定方法により色度測定を行った。これにより、測定した結果を図10に示す。
比較例1におけるNTSC比は40.6%であった。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、緑色(G)画素部の透過率のピーク波長と青色(B)画素部の透過率のピーク波長との間に位置する、緑色(G)画素部の透過率と青色(B)画素部の透過率の一致する波長における透過率が所定の値以下であることにより、カラーフィルタによる、緑色(G)および青色(B)の色分離が可能となり、色純度が高いカラーフィルタとすることが可能となるのである。
【0118】
また、緑色(G)画素部および青色(B)画素部の透過率のピーク波長を所定の値とすることにより、色純度が高いだけでなく、明度の高いカラーフィルタとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの透過率の一例を示した図である。
【図2】CIExy座標におけるNTSC規格を示した図である。
【図3】本発明の緑色着色層用組成物に用いられる緑色顔料および黄色顔料の透過率の一例を示した図である。
【図4】本発明の青色着色層用組成物に用いられる青色顔料および紫色顔料の透過率の一例を示した図である。
【図5】本発明のカラー液晶表示装置の色再現領域の一例を示した図である。
【図6】実施例および比較例のカラーフィルタの透過率をそれぞれ示した図である。
【図7】実施例および比較例のカラー液晶表示装置用バックライトの各色の輝度比率をそれぞれ示した図である。
【図8】実施例1のカラー液晶表示装置の色再現領域を示した図である。
【図9】比較例1のカラー液晶表示装置の色再現領域を示した図である。
【図10】比較例2のカラー液晶表示装置の色再現領域を示した図である。
【図11】一般的な三波長冷陰極管の波長と、LEDバックライトの波長の一例を示した図である。

Claims (2)

  1. 赤色(R)画素部、緑色顔料および黄色顔料を含有する緑色(G)画素部、および、青色顔料および紫色顔料を含有する青色(B)画素部を有するカラーフィルタであって、前記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長より短波長側における透過率と、前記青色(B)画素部の透過率のピーク波長より長波長側における透過率とが一致する波長における透過率が10%以下であり、かつ前記緑色(G)画素部の透過率のピーク波長が60%以上、および前記青色(B)画素部の透過率のピーク波長が50%以上であるカラーフィルタと、
    LEDバックライトとを有するカラー液晶表示装置であって、
    前記緑色(G)画素部に、620nm〜650nmにおける透過率が10%以下となり、ピーク波長の透過率が90%以上であり、かつ520nm〜540nmにおける透過率が、前記ピーク波長における透過率を1とした場合に0.8以上である緑色顔料と、440nm〜480nmにおける透過率が5%以下となり、400nm〜510nmにおける透過率が20%以下であり、かつ透過率が20%以上となる波長から700nmまでの領域における透過率が20%以上である黄色顔料とを有し、前記緑色顔料と前記黄色顔料との重量配合比がr :1−r であり、r は0.5から0.7までの範囲内である緑色着色層用組成物が用いられていることを特徴とするカラー液晶表示装置。
  2. 前記青色(B)画素部に、ピーク波長における透過率が80%〜90%となり、前記ピーク波長における透過率を1とした場合に440nm〜480nmにおける透過率が0.85以上であり、かつ前記ピーク波長における透過率を1とした場合に600nm〜700nmでの透過率が0.05以下である青色顔料と、530nm〜560nmにおける透過率が3%以下となり、ピーク波長における透過率が50%以上であり、かつ440nm〜480nmにおける透過率が、400nm〜700nmの範囲内における最大透過率を1とした場合に0.4以上である紫色顔料とを有し、前記青色顔料と前記紫色顔料との重量配合比がr:1−rであり、rは0.7から0.9の範囲内である青色着色層用組成物が用いられていることを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
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