JP4592984B2 - 画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラムに関し、特に、帳票をイメージ読取装置で読み取り、予め払込機関に登録された複数の種類の帳票との照合を行う画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラムに関する。
従来、市町村税等の税金の振込や、ガス、水道、電気料金等の公共料金の振込等に帳票と呼ばれる3連の振込用紙が使用されている。3連の帳票はミシン目によって分離可能である。このような3連の帳票は、例えば、左側の部分が銀行や郵便局の窓口でお金を支払った人の領収書として使用され、真ん中の部分が取りまとめ店(銀行や郵便局)の保管用として使用され、右側の部分が料金が払い込まれる機関に送られるようになっている。
【0002】
銀行等の払込窓口に差し出された帳票は、イメージ読取装置によって読み取られて帳票の種類が判別される。このため、銀行等の払込機関には帳票の照合を行うためのデータベースがあり、予め各市町村や公共機関が発行する帳票の種々の形式が登録されている。帳票の種類がイメージ読取装置によって判別されると、例えば、帳票がA市が発行した税金の振込用のものであると判別されると、A市の文字認識の定義情報がデータベースから読み取られ、帳票の金額の部分が認識されて表示器に表示され、それを窓口の係員が確認するようになっている。
【0003】
一方、このような帳票の認識システムにおいて銀行等の払込窓口で帳票を読み取るイメージ読取装置は、帳票の読取専用に設置されているわけではなく、色々な用途に使用できるようになっている。そして、イメージ読取装置はA4縦サイズのものが主流となっている。
ところが、帳票の中にはA4縦サイズのイメージ読取装置では読み取れない大きな帳票も存在するので、このような帳票はわざわざA3サイズのイメージ読取装置まで持っていって読み取らねばならず、その改善が望まれていた。
【0004】
【従来の技術】
図1(a) は従来のA3サイズイメージリーダ3で帳票1を読み取る状態を説明する図である。A3サイズイメージリーダ3のイメージ読取用のガラス面3Aには、イメージを読み取らせる書類の隅部を突き当てることによって位置を定めるためのガイド5が設けられている。帳票1はその左上の隅がこのガイド5に突き当てられた状態でガラス面3Aに置かれ、カバー3Bが閉じられた後にこのA3サイズイメージリーダ3がオンされてA3サイズイメージリーダ3に帳票1が読み取られる。
【0005】
図1(b) は(a) のイメージリーダ3で読み取られた読取イメージ10を示すものである。A3サイズイメージリーダ3はガラス面3Aが広いので、大きなサイズの帳票1でもその全体(3連の帳票A、帳票B、及び帳票C)を読み取ることができる。読み取られたイメージ10は、帳票イメージ11とその周囲の黒背景9とから構成される。なお、この例ではイメージリーダ3で読み取られた帳票イメージ11は正立状態になっているが、帳票1が上下逆の向きで読み取られた場合には、帳票イメージ11は倒立状態となる。
【0006】
一方、図2(a) は、図1(a) に示した大きさの帳票1を従来のA4サイズイメージリーダ4で読み取る場合を示している。A4サイズイメージリーダ4のガラス面4Aの上にもガイド5が設けられている。A4サイズイメージリーダ4でサイズの大きな帳票1を読み取る場合には、当然ながら帳票1の一部がA4サイズイメージリーダ4からはみ出す。
【0007】
図2(b) は(a) のA4サイズイメージリーダ4で読み取られた正立状態の帳票1の読取イメージ10Aを示すものである。読取イメージ10Aは、正立状態の帳票1のイメージ11Sと黒背景9とから構成されている。また、図2(c) は(a) のA4サイズイメージリーダ4で読み取られた倒立状態の帳票1の読取イメージ10Bを示すものである。読取イメージ10Bは、倒立状態の帳票1のイメージ11Tと黒背景9とから構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のようにA4サイズイメージリーダ4からはみ出すサイズの帳票1をA4サイズイメージリーダ4で読み取ると、帳票全体が読み取れずに、帳票1を読み取る方向によって帳票1の左右端のどちらかが帳票イメージから切れてしまう。このような場合、帳票を照合する機関のデータベースに帳票の一部のイメージが照合用として登録されていれば、一部の特徴のマッチングによって帳票同士の照合が可能である。ところが、帳票全体のイメージが照合用として登録されていた場合は、帳票全体の特徴によるマッチングができず、帳票の照合が行えないという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、帳票全体のイメージが照合用として登録されているような画像照合装置において、帳票の一部しか読み取れないイメージリーダで帳票を読み取った場合でも、また逆に、帳票の一部のイメージが照合用として登録されているような画像照合装置において、帳票全体のイメージを読み取れるイメージリーダで帳票を読み取った場合でも、帳票の照合を確実に行うことができる画像照合装置および画像照合方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の画像照合装置は、画像読取装置で読み取られた帳票のイメージを、予めデータベースに登録されている複数の帳票のイメージと順次照合し、イメージの一致を検出して帳票の種類を判定する画像照合装置であって、画像入力部に接続された読取りサイズの異なる複数の画像読取装置と、データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出す登録イメージ読出手段と、画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定する帳票サイズ判定処理手段と、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも小さい場合に、読み出した登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも大きい場合に、読み取った帳票イメージのサイズを登録イメージのサイズに合わせて切り出して、読み取った帳票イメージのサイズと登録イメージのサイズとを合わせるイメージ切出手段と、イメージ切出手段によって登録イメージとサイズが合わされた帳票イメージから帳票に印刷された情報の特徴を抽出する特徴抽出処理手段と、抽出した帳票の特徴を、イメージ切出手段によって帳票イメージとサイズが合わされた登録イメージの特徴と順次マッチングさせる特徴照合処理手段と、帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定する帳票判定手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
なお、この場合、データベースから読み出した全ての登録イメージに対して、特徴照合処理手段により帳票の特徴の一致が得られなかった場合には、登録イメージを90度の倍数だけ回転させてからイメージ切出手段に送る、イメージ回転手段を更に設けることができる。
また、前記目的を達成する本発明の画像照合方法は、画像読取装置で読み取られた帳票のイメージを、予めデータベースに登録されている複数の帳票のイメージと順次照合し、イメージの一致を検出して帳票の種類を判定する画像照合装置において、その画像入力部に読取りサイズの異なる複数の画像読取装置が接続された場合の画像照合方法であって、帳票の種類判定時に、データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出し、画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定し、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも小さい場合には、読み出した登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも大きい場合には、読み取った帳票イメージのサイズを登録イメージのサイズに合わせて切り出し、帳票イメージから帳票に印刷された情報の特徴を抽出しておき、抽出した帳票の特徴と登録イメージの特徴と順次マッチングさせ、帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定することを特徴としている。
【0012】
更に、前記目的を達成する本発明の画像照合プログラムは、コンピュータに、帳票の種類判定時に、データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出す登録イメージ読出手順と、画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定する帳票サイズ判定手順と、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも小さい場合には、読み出した登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、画像読取装置の読取りサイズが登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが登録イメージのサイズよりも大きい場合には、読み取った帳票イメージのサイズを登録イメージのサイズに合わせて切り出すイメージ切出手順と、帳票イメージから帳票に印刷去れた情報の特徴を抽出する特徴抽出手順と、抽出した帳票の特徴と登録イメージの特徴と順次マッチングさせる特徴照合手順、及び、帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定する帳票判定手順とを実行させるためのプログラムである。
本発明の画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラムによれば、帳票の照合を行う場合に、所定のイメージサイズの帳票をデータベースに事前登録しておくだけで、帳票を読み取るイメージリーダの大きさに左右されることなく、帳票の一部、または全部をイメージリーダで読み取って、帳票の特徴と登録イメージの特徴とを比較するだけで帳票の種類を判定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の画像照合装置、画像照合方法、及び画像照合プログラムは色々な書類の内容をデータベースに登録されたイメージと照合して書類を特定するのに使用されるが、説明を簡単にするために、以後の実施形態では、書類が帳票である実施例を説明する。
【0014】
図3は本発明の画像照合装置2の一実施例の構成を示すものである。本発明が対象とする画像照合装置2には、そのイメージ入力部に読み取りサイズの異なる複数種類のイメージリーダ、例えばこの実施例のように、A3サイズイメージリーダ3と、A4サイズイメージリーダ4とが接続されているものとする。また、この実施例の画像照合装置2には、キーボード6、データベース7、および表示器8が接続されている。
【0015】
画像照合装置2には、入出力インタファース20、CPU(中央処理装置)21、RAM(読み書きメモリ)22、制御プログラム等が記憶されたROM(読出専用メモリ)23があり、バス25によって相互に接続されている。前述のA3サイズイメージリーダ3、A4サイズイメージリーダ4、キーボード6、及びデータベース7は入出力インタフェース20に接続されている。また、表示器8は、画像照合装置2内に設けられた表示制御部24を介して入出力インタフェース20に接続されている。更に、データベース7には、予め照合しようとする帳票、例えば、近隣の市町村の電気の払込用の帳票のフォーム、ガス・水道・電気等の公共料金の払込用の帳票のフォームがA3サイズイメージリーダ3またはA4サイズイメージリーダ4、或いは、キーボードを通じて入力され、事前登録イメージ17として登録されている。
【0016】
まず、最初の実施例として、データベース7に登録された事前登録イメージ17が帳票全体のイメージである場合について説明する。
図4は図3の画像照合装置2の機能をブロックで示すものである。帳票サイズの判定処理部30には複数のイメージリーダによって読み取られたイメージデータが入力されるようになっており、帳票サイズの判定処理部30は入力された読取イメージデータに基づいて帳票のサイズを判定する。帳票サイズの判定処理部30からは、判定された帳票のサイズがイメージの切出処理部31に送られ、入力されたイメージデータが帳票の特徴抽出処理部32に送られる。イメージ切出処理部31はデータベース7にアクセスしてデータベース7に登録されている帳票の登録イメージを少なくとも1つ読み出す。
【0017】
イメージ切出処理部31は帳票サイズの判定処理部30から入力される帳票のサイズに応じて読み出した登録イメージを切出し処理する。登録イメージには帳票の特徴部分のデータも含まれており、この特徴部分のデータは特徴照合処理部33に送られる。一方、帳票の特徴抽出処理部32は、帳票サイズの判定処理部30からの読取イメージから帳票の特徴部分を抽出して特徴照合処理部33に送る。特徴照合処理部33は、帳票の特徴抽出処理部32から入力された帳票の特徴部分を、イメージ切出処理部31から入力された帳票の特徴部分と照合し、一致した場合は登録イメージと読取イメージとを帳票処理部34に送り、一致しない場合は次の帳票の登録イメージに対して同様の処理を行う。帳票処理部34は登録イメージに含まれるデータに基づいて読取イメージから払込金額等のデータを読み取り、必要な処理を行う。
【0018】
帳票の特徴抽出処理部32から入力された帳票の特徴部分が、イメージ切出処理部31から入力された全ての帳票の特徴部分と一致しなかった場合は、帳票の特徴照合処理部33にある切出帳票イメージの回転指示部35が、イメージ切出処理部31に回転指示を出力し、イメージ切出処理部31が再び最初から順次読み出した帳票全体の登録イメージを、例えば、180度回転させてから切出し処理を行うようにする。そして、180度回転させた切出登録イメージと読取イメージとの比較が順次行われる。
【0019】
帳票全体の登録イメージを180度回転させた後に切出処理を行って得られた切出登録イメージの全てが読取イメージと一致しなかった場合は、切出帳票イメージの回転指示部35が、イメージ切出処理部31に再度回転指示を出力し、イメージ切出処理部31が読み出した帳票全体の登録イメージを、例えば、90度回転させてから切出し処理を行うようにし、前述と同様の照合処理を行う。更に、これでも切出登録イメージの全てが読取イメージと一致しなかった場合は、切出帳票イメージの回転指示部35が、イメージ切出処理部31に再度回転指示を出力し、イメージ切出処理部31が読み出した帳票全体の登録イメージを270度回転させてから切出し処理を行うようにし、前述と同様の照合処理を行う。この処理でも一致がない場合は、読み取った帳票がこの画像照合装置では処理できないものの時である。
【0020】
以上のような画像照合装置2の帳票の照合動作を、より具体的な例に基づいて以下に説明する。
(1)帳票サイズの抽出処理
A3サイズイメージリーダ3により帳票1を読み取った時のイメージ10は図1(b) で説明した通りであり、帳票イメージ11からは、3枚の帳票(A,B,C)の全体が読み取れる。一方、この帳票1を図2(a) で説明したようなA4サイズイメージリーダ4で読み取ると、帳票1の全体を読み取ることができない。そして、帳票Aの左上端をガイド5の突き当て位置に合わせて読み取った時のイメージ10Aは図2(b) で説明した通りであり、イメージ10Aは黒背景9と帳票イメージ11Sとを含んでいる。また、帳票1を上下逆の向きにして、帳票Cの右下端をガイド5の突き当て位置に合わせて読み取った時のイメージ10Bは図2(c) で説明した通りであり、イメージ10Bは黒背景9と帳票イメージ11Tとを含んでいる。
【0021】
帳票1の種類によっては、帳票Aが重要であったり、帳票Cが重要であったりするが、前述の2通りの読取り方法により、重要部分がどちら側であっても必要な部分の読取りが可能となる。
なお、図2(a) のA4サイズイメージリーダ4で帳票1の帳票Cを読み取る場合、帳票Aをガイド5の左側にはみ出させて帳票Cを読み取る方法もある。しかしながら、このようにすると帳票1の位置がガイド5によって規定されず、帳票1が斜行する可能性が大きい。帳票1の斜行は、帳票1の読取り方向における帳票1の左上端をガイド5に突き当てて合わせることで防止することができ、精度の高い画像照合を実現することができる。従って、帳票Aをガイドの左側にはみ出させて帳票Cを読み取る方法は照合精度が悪くなるので良い方法ではない。
【0022】
そして、図2(b) に示すようにA4サイズイメージリーダ4で読み取った読取イメージ10Aに対して、この実施例では帳票サイズを抽出するために以下の処理を行う。
(A) 図5に示すように4方向から内側へ読取イメージ10Aを走査する。
(B) 走査の結果、黒画素から白画素への変化する走査線が最も多いポイントを帳票端座標と決定する。
【0023】
・上から内側への走査の結果、帳票端座標は(a)となる。
・左から内側への走査の結果、帳票端座標は(b)となる。
・下から内側への走査の結果、帳票端座標は(c)となる。
・右から内側への走査の結果、帳票端座標は(d)となる。
なお、この場合のように右端が帳票Bが読取イメージ10Aからはみ出ている場合はイメージ端がそのまま帳票端となる。また、A3サイズイメージリーダ3で帳票1を読み取った時は、その読取イメージ10(図1(b) 参照)には帳票イメージ11の4方に黒背景9があるため、4方からの走査で帳票端座標を抽出することになる。
【0024】
(C) この結果、得られた帳票端座標からA4サイズイメージリーダ4で読み取られた帳票サイズを以下のように決定することができる。これを図6に示す。
・縦サイズ:H1=(c)−(a)
・横サイズ:W1=(d)−(b)
(2)切出しイメージの作成
事前登録したイメージは図7に示すように縦サイズがH2、横サイズがW2のA3サイズであることが分かっており、読み取ったイメージは図5で説明した帳票サイズの抽出処理により、縦サイズがH1、横サイズがW1のA4サイズであることが分かる。A4サイズの読取イメージを図6に示す。この両者がマッチング対象イメージであり、両者のサイズを比較した結果は以下のようになる。
【0025】
・高さ比較:H1=H2
・幅比較 :W1<W2
この結果から、図7のA3サイズイメージを、図8(a) に示すように太線帳票位置で分割し、図8(b) に示すようにA4サイズ分のイメージ分だけ切出す。よって、図6に示したA4サイズの読取イメージは、図8(b) に示した切出登録イメージと照合することにより、帳票の種類を判別することができる。
(3)帳票特徴の抽出
図6に示したA4サイズの読取イメージを図8(b) に示した切出登録イメージと照合する際は、帳票の特徴を抽出し、この帳票の特徴同士を照合することが行われる。帳票の特徴としては、罫線情報と、文字情報とがあり、これらを抽出して照合が行われる。
【0026】
(3-1) 罫線情報の抽出
罫線は、読取イメージの縦、横方向に所定閾値以上の長さをもち、均一幅で連続する黒画素を罫線と判定する。その罫線の開始、終了座標(X,Y)を帳票の特徴とする。図9(a) は罫線情報抽出を説明するものである。罫線情報抽出の結果、3本の縦罫線と5本の横罫線が抽出された場合を例にとって説明する。
【0027】
この場合は、抽出された各罫線について罫線の開始座標と罫線の終了座標を抽出する。縦罫線の開始座標は罫線の上端座標であり、縦罫線の終了座標は罫線の下端座標である。また、横罫線の開始座標は罫線の左端座標であり、横罫線の終了座標は罫線の右端座標である。
このようにして縦、横の罫線の開始座標と終了座標を抽出した後は、縦罫線、および横罫線の座標情報を互いに比較し、罫線の交点を抽出してこれを帳票の特徴に加える。交点は図9(b) に示すように抽出した縦、横罫線について9種類ある。縦罫線と横罫線の関係をこの9種類に当てはめて交点を求めると図9(c) に示す●印のようになる。この交点数、および交点座標を読み取ったイメージにおける帳票の特徴として抽出する。
【0028】
(3-2) 文字情報の抽出
所定閾値のサイズをもつ黒画素の集まりを、文字を構成するラベル情報として抽出し、これを帳票の特徴とする。特徴とする文字情報は、抽出した文字配置、および文字数(全文字数、または連続する文字数)である。
図10(a) 〜図10(c) は文字情報の抽出を説明する図である。図10(a) に示すような帳票の読取イメージの中から、所定閾値サイズに該当する、文字を構成する黒画素の集まり(ラベル情報)を抽出すると、図10(b) のようになる。ここでは、罫線を構成する黒画素の集まりは、文字を示す所定閾値サイズより大きくなるため削除される。
【0029】
次に、図10(b) の状態から更に、特徴を抽出するため特徴文字ラベル抽出を大きい文字に限定する。所定閾値サイズが所定値より小さい小さいサイズの文字を除くと、文字情報は図10(c) のようになる。この結果から、特徴文字情報として、文字数が13文字であることと、各文字毎の開始/終了座標(X,Y)が抽出される。
(4)帳票特徴のマッチング
以上のようにして読み取ったイメージと、事前登録したイメージについて、抽出した特徴情報同士を比較する。
【0030】
それぞれの特徴毎に、総特徴数、例えば、罫線情報の場合は、縦罫線数と横罫線数の和、に対して、一致する特徴数の比率を算出する。各比率の総和が所定の閾値を超える場合、2つのイメージは一致すると判断する。
このようにして、読み取ったイメージと事前登録したイメージとの照合が行われる。
(5)帳票イメージの回転処理
(5-1) 180度の回転処理
ところが、以上のような照合を行っても、読み取ったイメージをデータベースに事前に登録したイメージと個々に比較した時に全く一致しないことがある。このような場合は、読み取りを行った帳票のイメージがデータベースに事前に入力されていなかった場合も原因として考えられるが、大抵の場合は、A4イメージリーダに対して、帳票を正規の向きで読み取らせていないことが原因である。
【0031】
そこで、本発明では、特徴のマッチングの結果、不一致となった場合には、帳票が図11(a) に示すように、倒立状態でイメージリーダに読み取られたと判断し、切出しイメージ作成処理に戻る。帳票が倒立状態で読み取られた場合は、帳票が180度回転させられた状態であるので、この場合は、図7で説明したA3サイズの事前登録イメージを図11(b) に示すように、180度回転させる。そして、(2)の切出しイメージの作成処理において図11(c) に示すような切出しイメージを作り、(3)と(4)の処理を再度実行して特徴のマッチングを行う。
【0032】
この事前登録イメージの180度の回転処理により、殆どの場合、読み取ったイメージとデータベースに事前に登録したイメージとが一致する。
(5-2) その他の角度の回転処理
ところが、事前登録イメージの180度の回転処理を行っても、読み取ったイメージをデータベースに事前に登録したイメージと個々に比較した時に全く一致しないことがある。このような場合は、A4イメージリーダに対して、帳票を正規の向きに対して90度、或いは270度回転させた状態で読み取らせている可能性がある。
【0033】
そこで、本発明では、帳票の正立状態と倒立状態を考慮した特徴のマッチングの結果、不一致となった場合には、帳票が図12(a) に示すように正立状態から90度回転させられた状態でイメージリーダに読み取られた状態、或いは、帳票が図12(d) に示すように正立状態から270度回転させられた状態でイメージリーダに読み取られた状態の2つの場合について、切出しイメージ作成処理を実行する。
【0034】
即ち、最初に帳票が正立状態から90度回転させられて読み取られた場合と判断して、図7で説明したA3サイズの事前登録イメージを図12(b) に示すように、90度回転させる。そして、(2)の切出しイメージの作成処理において図12(c) に示すような切出しイメージを作り、(3)と(4)の処理を再度実行して特徴のマッチングを行う。
【0035】
特徴のマッチングの結果、これでも不一致となった場合には、最初に帳票が正立状態から270度回転させられて読み取られた場合と判断して、図7で説明したA3サイズの事前登録イメージを図12(e) に示すように、270度回転させる。そして、(2)の切出しイメージの作成処理において図12(f) に示すような切出しイメージを作り、(3)と(4)の処理を再度実行して特徴のマッチングを行う。
【0036】
この事前登録イメージの180度の回転処理、その後の90度と270度の回転処理によっても読み取ったイメージとデータベースに事前に登録したイメージとが一致しない場合には、読み取ったイメージがデータベースに事前に登録したイメージに含まれていない場合か、機械の故障の場合であるので、本発明の対象外である。
【0037】
ここで、以上のような動作を行う本発明の画像照合装置2の照合方法の実施例の手順をフローチャートを用いて説明する。
図13は、事前登録イメージがA3サイズの場合の画像照合装置2の照合方法の手順を示すものである。帳票がイメージリーダの上に載置され、イメージリーダの読取スタートボタンが押されると、この手順がスタートする。
【0038】
ステップ301ではイメージリーダによる帳票の読取処理が行われ、データベースに登録されている登録イメージの読出番号Nが初期値である1に設定されると共に、登録イメージの回転を行うか否かの回転フラグRが初期値である0(回転を実行しない)に設定される。続くステップ302では、帳票の読み込みを行ったイメージリーダがA3タイプ(図にはA3型と表示)イメージリーダか否かが判定される。
【0039】
帳票の読み込みを行ったイメージリーダがA3タイプのイメージリーダである場合はステップ303に進み、A3サイズの登録イメージを順次読み出してイメージリーダから読み取られた帳票のイメージとの照合が行われる。この場合は、イメージリーダから読み取った帳票イメージのサイズが、データベースに登録されている登録イメージのサイズと一致するので、単にイメージリーダから読み取った帳票イメージを、データベースから読み出した登録イメージと順次1対1で照合すれば良い。また、イメージリーダから読み取った帳票イメージがデータベースから順次読み出した登録イメージと一致しない場合には、データベースから読み出した登録イメージを180度回転させて同じ動作を行えば、帳票がデータベースに登録されていない場合を除き、帳票イメージが何れかの登録イメージと一致する。(A3サイズイメージリーダの場合は帳票の90度回転や270度回転はしないと考えられる。)一致した場合は、帳票イメージに一致する登録イメージの情報に従って、通常の帳票処理が行われてこのルーチンを終了する。よって、この場合の照合についてはこれ以上の説明を省略する。
【0040】
一方、帳票の読み込みを行ったイメージリーダがA3タイプのイメージリーダでない場合、即ち、図6で説明したA4タイプのイメージリーダである場合はステップ304に進む。ステップ304ではN番目の登録イメージがデータベースから読み出される。最初にこのステップ304に進んできた時には、1番目の登録イメージがデータベースから読み出される。データベースから読み出された登録イメージは図7で説明したようなA3サイズである。
【0041】
続くステップ305では回転フラグRの値が0か否かが判定される。回転フラグRはステップ301で0にされているので、ステップ305の判定はYESとなる。この結果、データベースから読み出された登録イメージはそのままの状態でステップ306に進む。ステップ306では読み出されたA3サイズの登録イメージが、図8(a) ,(b) で説明したように、読み取られたA4サイズの帳票の読取イメージの大きさに合わせて切り出し処理される。この結果、読み取られた帳票のA4サイズの読取イメージと登録イメージのサイズが同じになる。
【0042】
次のステップ307では、図9(a) 〜(c) および図10(a) 〜(c) で説明したように、読み取られた帳票イメージとA4サイズに切り出された登録イメージの、帳票の特徴が抽出される。そして、続くステップ308において両者の帳票の特徴が一致したか否かが判定される。両者の帳票の特徴が一致した場合はステップ317に進み、読み取られた帳票イメージに一致する登録イメージの情報に従って、通常の帳票処理が行われてこのルーチンを終了する。
【0043】
一方、ステップ308で読み取られた帳票のA4サイズの読取イメージと登録イメージのサイズが一致しない場合はステップ309に進み、データベースに登録されている登録イメージの読出番号Nが1だけインクリメントされる。次のステップ310では、インクリメントされた登録イメージの読出番号Nが、データベースに登録された登録番号の最大値Nmax であるか否かが判定される。登録イメージの読出番号Nが最大値Nmax でない場合はステップ304に戻り、読出番号Nが次の番号の登録イメージに対して以上説明したステップ304からステップ308までの照合手順が繰り返される。ステップ309において登録イメージの読出番号Nを1だけインクリメントして行われる照合手順は、ステップ308において、読み取られた帳票イメージが登録イメージに一致するまで、或いは、ステップ310の判定がYESになるまで続けられる。
【0044】
また、ステップ309においてインクリメントされた登録イメージの読出番号Nが、ステップ310でデータベースに登録された登録番号の最大値Nmax に一致した場合はステップ311に進む。ステップ311では、読み取られた帳票のA4サイズの読取イメージと、正立状態の登録イメージとの間に一致するものは無かったと判断し、回転フラグRの値に1が加えられると共に、データベースから読み出す登録イメージの読出番号Nが初期値の1に戻されてステップ304に戻る。ここではR=1は登録イメージを180度回転させる処理を示すものとする。
【0045】
このようにして、ステップ311を通過した後は、ステップ304における登録イメージの読出処理の後のステップ305の判定がNOとなる。この時はステップ312に進み、回転フラグRの値が1か否かが判定される。回転フラグRの値が1の場合はステップ313に進み、ステップ304で読み出した登録イメージを180度回転してステップ306に戻る。この処理は図11(a) で説明したように、イメージリーダに帳票が倒立状態で置かれて読み取りが行われたことを想定したものである。180度回転させられた登録イメージは図11(b) で説明した状態となる。
【0046】
ステップ306に戻った後は前述の手順と同様に、ステップ306で登録イメージの切出し処理、ステップ307で読み取った帳票イメージと切り出された登録イメージの帳票の特徴の抽出処理が行われた後にステップ308で照合判定が行われ、両者が一致しなかった場合はステップ309とステップ310を経て304に戻る。そして、以後、ステップ304からステップ310の手順にステップ312とステップ313の手順が加えられた手順が、ステップ308の判定がYESになるまで、あるいは、ステップ310の判定がYESになるまで続けられる。
【0047】
以上の判定手順により、殆どの場合、イメージリーダで読み取られたイメージが登録イメージに一致する。しかしながら、この手順においてもステップ310で登録イメージの読出番号Nがデータベースに登録された登録番号の最大値Nmax に一致した場合は再度ステップ311に進み、回転フラグRの値に1が加えられると共に、データベースから読み出す登録イメージの読出番号Nが初期値の1に戻されてステップ304に戻る。この場合は、イメージリーダで読み取られた帳票の読取イメージが正立状態でも倒立状態でもなく、図12(a) で説明した90度回転されられた状態、あるいは、図12(d) で説明した270度回転されられた状態と考えられる。ここではR=2が登録イメージの90度回転、R=3が270度回転を示すものとする。
【0048】
そこで、この実施例では、回転フラグRの値が0の時も1の時もイメージリーダで読み取られた帳票の読取イメージが登録イメージを切り出したものと一致しない時には、回転フラグRの値を更にインクリメントしてR=2として同様の処理を行う。更に、回転フラグRの値が0〜2の何れの時もイメージリーダで読み取られた帳票の読取イメージが読出イメージを切り出したものと一致しない時には、回転フラグRの値を更にインクリメントしてR=3として同様の処理を行う。そして、回転フラグRの値が0〜3の何れの場合でもイメージリーダで読み取られた帳票の読取イメージが登録イメージを切り出したものと一致しない時には、イメージリーダで読み取られた帳票の読取イメージがデータベースに登録された登録イメージの中に存在しないと判定する。
【0049】
ステップ311において回転フラグRの値が2にインクリメントされた時は、以後のステップ305の判定がNOとなり、次のステップ312の判定もNOとなってステップ314に進み、ステップ314でYESとなってステップ315に進む。そして、ステップ315においてステップ304で読み出した登録イメージを、図12(b) で説明したように、90度回転してステップ306に戻る。ステップ306に戻った後は前述の手順と同様に、ステップ306からステップ308の処理が行われ、ステップ308の照合判定で帳票の読取イメージが登録イメージと一致しなかった場合はステップ309とステップ310を経て304に戻る。そして、以後、ステップ304からステップ310の手順にステップ312、ステップ314、およびステップ315の手順が加えられた手順が、ステップ308の判定がYESになるまで、あるいは、ステップ310の判定がYESになるまで続けられる。
【0050】
ステップ311において回転フラグRの値が3にインクリメントされた時は、以後のステップ305の判定がNOとなり、次のステップ312の判定もNOとなってステップ314に進み、ステップ314でもNOとなってステップ316に進む。そして、ステップ316においてステップ304で読み出した登録イメージを、図12(e) で説明したように、270度回転してステップ306に戻る。ステップ306に戻った後は前述の手順と同様に、ステップ306からステップ308の処理が行われ、ステップ308の照合判定で帳票の読取イメージが登録イメージと一致しなかった場合はステップ309とステップ310を経て304に戻る。そして、以後、ステップ304からステップ310の手順にステップ312、ステップ314、およびステップ316の手順が加えられた手順が、ステップ308の判定がYESになるまで、あるいは、ステップ310の判定がYESになるまで続けられる。
【0051】
このように、この実施例では、A4サイズのイメージリーダに帳票がどの向きに置かれた場合でも、A4サイズのイメージリーダによって読み取られた読取データと、データベースに事前登録されたA3サイズの登録データとの照合を行うことができる。
図14は、事前登録イメージがA4サイズの場合の、本発明の画像照合装置の動作の手順の一実施例を示すフローチャートである。この実施例でも、帳票がイメージリーダの上に載置され、イメージリーダの読取スタートボタンが押されると、この手順がスタートする。なお、事前登録イメージがA4サイズの場合の、画像照合装置の動作手順は、事前登録イメージがA3サイズの場合の画像照合装置の動作手順と共通の手順が多いので、同じ手順には同じステップ番号を付してその説明を簡略化する。
【0052】
事前登録イメージがA4サイズの時も、ステップ301でイメージリーダによる帳票の読取処理が行われ、登録イメージの読出番号Nが初期値の1に設定されると共に、登録イメージの回転フラグRが初期値の0に設定される。続くステップ302では、帳票の読み込みを行ったイメージリーダがA3タイプ(図にはA3型と表示)イメージリーダか否かが判定される。
【0053】
ステップ302において、帳票の読み取りを行ったイメージリーダがA3タイプのイメージリーダであると判定された場合は、読取イメージのサイズの方が登録イメージのサイズよりも大きいので、読取イメージのサイズを登録イメージのサイズに合わせる必要がある。よってこの場合はステップ401に進み、A3サイズの読出イメージの切出しが行われてからステップ304に進む。A3サイズの読出イメージの切出しは決められた1方向から行われる。この切出し処理により、A3サイズイメージリーダで読み取った読出イメージのサイズが、A4サイズイメージリーダで読み取った読出イメージのサイズと同じになる。また、ステップ302で帳票の読み取りを行ったイメージリーダがA4タイプのイメージリーダであると判定された場合は、読取イメージのサイズが登録イメージのサイズに一致している。よってこの場合はそのままステップ304に進む。
【0054】
ステップ304におけるデータベースからのN番目の登録イメージの読み出しと、続くステップ305における回転フラグRの値が0か否かの判定は前述の実施例と同じである。また、ステップ305で回転フラグRの値が0でない時に実行されるステップ312〜ステップ316の処理、即ち、読み出した登録イメージの回転処理も前述の実施例と同じである。よって、ここでは、回転フラグRの値が0の時だけについて処理を説明する。
【0055】
ステップ305で回転フラグRの値が0と判定された時はステップ402に進む。ステップ402では、イメージリーダがA4サイズの場合の読取イメージまたはイメージリーダがA3サイズの場合の切り出された読取イメージの帳票の特徴が抽出されると共に、登録イメージの特徴が抽出される。そして、続くステップ308において両者の帳票の特徴が一致したか否かが判定される。両者の帳票の特徴が一致した場合はステップ317に進み、読み取られた帳票イメージに一致する登録イメージの情報に従って、通常の帳票処理が行われてこのルーチンを終了する。
【0056】
一方、ステップ308で読み取られた帳票のA4サイズの読取イメージと登録イメージの帳票の特徴が一致しない場合はステップ309に進み、データベースに登録されている登録イメージの読出番号Nが1だけインクリメントされる。次のステップ310では、インクリメントされた登録イメージの読出番号Nが、データベースに登録された登録番号の最大値Nmax であるか否かが判定される。登録イメージの読出番号Nが最大値Nmax でない場合はステップ304に戻って読出番号Nが次の番号の登録イメージに対して同様の照合手順が繰り返される。また、ステップ310で登録イメージの読出番号Nが登録番号の最大値Nmax に一致した場合はステップ311に進む。ステップ311では、回転フラグRの値に1が加えられると共に、データベースから読み出す登録イメージの読出番号Nが初期値の1に戻されてステップ304に戻る。
【0057】
このようにして、ステップ311を1度でも通過した後は、ステップ304における登録イメージの読出処理の後のステップ305の判定がNOとなり、以後ステップ312からステップ316の登録イメージの回転処理が行われた後に同様の照合判定が行われる。
このように、この実施例では、A4サイズまたはA3サイズのイメージリーダに帳票がどの向きに置かれた場合でも、イメージリーダによって読み取られた読取データと、データベースに事前登録されたA4サイズの登録データとの照合を行うことができる。
【0058】
以上説明した画像照合手順は、コンピュータに画像照合プログラムとして記憶させることができる。
なお、以上の実施例では、帳票を対象にして説明したが、本発明は特に帳票の照合に限定されるものではなく、他の書類についても本発明を有効に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、従来の方式では、同じ書類でも読取イメージと事前登録イメージのイメージサイズが異なるものをマッチングする場合は、両方のイメージについて事前登録する必要があったが、本発明により、一方のイメージサイズのみを事前登録しておけば、イメージリーダがA4サイズであっても、A3サイズであっても、帳票全体、一部のどちらもマッチングすることが可能となるという効果がある。
【0060】
また、イメージリーダに帳票がどのような向きで置かれても、事前登録イメージとの照合が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は従来のA3サイズイメージリーダと帳票を示す図、(b) は(a) のイメージリーダで読み取られた帳票のイメージを示す図である。
【図2】(a) は従来のA4サイズイメージリーダの平面図、(b) は(a) のイメージリーダで読み取られた正立状態の帳票のイメージを示す図、(c) は(a) のイメージリーダで読み取られた倒立状態の帳票のイメージを示す図である。
【図3】本発明の画像照合装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の画像照合装置の機能をブロックで示す機能ブロック図である。
【図5】A4サイズイメージリーダで帳票を読み取ったイメージの走査を説明する説明図である。
【図6】A4サイズイメージリーダで読み取った帳票の読取イメージを示す説明図である。
【図7】本発明の画像照合装置のデータベースに登録されるA3サイズの事前登録イメージを示す説明図である。
【図8】(a) は事前登録イメージの分割前のイメージを示す図であり、(b) は分割後の切出しイメージを示す図である。
【図9】(a) は読み取った帳票の罫線情報を説明する図、(b) は交点の種類を示すパターン図、(c) は(a) の罫線から抽出された交点を示す図である。
【図10】(a) は読み取った帳票のイメージから文字情報と罫線を抽出した状態を示す図、(b) は(a) の帳票イメージから形成情報を削除して文字サイズラベルを抽出した状態を示す図、(c) は(b) の文字サイズラベルから特徴文字ラベルのみを抽出した状態を示す図である。
【図11】(a) はA4サイズイメージリーダに帳票が倒立状態で置かれた時の読取イメージを示す図、(b) は(a) に示す帳票の向きに対して事前登録イメージを180度回転させた状態を示す図、(c) は帳票の向きに合わせて事前登録イメージから切り出されたイメージを示す図である。
【図12】(a) はA4サイズイメージリーダに帳票が正立状態から90度回転させられて置かれた時の読取イメージを示す図、(b) は(a) に示す帳票の向きに対して事前登録イメージを90度回転させた状態を示す図、(c) は帳票の向きに合わせて事前登録イメージから切り出されたイメージを示す図、(d) はA4サイズイメージリーダに帳票が正立状態から270度回転させられて置かれた時の読取イメージを示す図、(e) は(d) に示す帳票の向きに対して事前登録イメージを270度回転させた状態を示す図、(f) は帳票の向きに合わせて事前登録イメージから切り出されたイメージを示す図である。
【図13】事前登録イメージがA3サイズの場合の、本発明の画像照合装置の動作の手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図14】事前登録イメージがA4サイズの場合の、本発明の画像照合装置の動作の手順の一実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…帳票
2…画像照合装置
3…A3サイズイメージリーダ
4…A4サイズイメージリーダ
5…ガイド
7…データベース
10…読取イメージ
11…帳票イメージ
17…事前登録イメージ
Claims (5)
- 画像読取装置で読み取られた帳票のイメージを、予めデータベースに登録されている複数の帳票のイメージと順次照合し、イメージの一致を検出して前記帳票の種類を判定する画像照合装置であって、
画像入力部に接続された読取りサイズの異なる複数の画像読取装置と、
前記データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出す登録イメージ読出手段と、
前記画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定する帳票サイズ判定処理手段と、
前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さい場合に、読み出した前記登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きい場合に、読み取った前記帳票イメージのサイズを前記登録イメージのサイズに合わせて切り出して、読み取った帳票イメージのサイズと登録イメージのサイズとを合わせるイメージ切出手段と、
前記イメージ切出手段によって前記登録イメージとサイズが合わされた帳票イメージから帳票に印刷された情報の特徴を抽出する特徴抽出処理手段と、
抽出した前記帳票の特徴を、前記イメージ切出手段によって前記帳票イメージとサイズが合わされた登録イメージの特徴と順次マッチングさせる特徴照合処理手段と、
前記帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定する帳票判定手段と、
を備えることを特徴とする画像照合装置。 - 請求項1に記載の画像照合装置であって、
前記データベースから読み出した全ての登録イメージに対して、前記特徴照合処理手段により帳票と登録イメージとの特徴の一致が得られなかった場合に、前記登録イメージ読取手段によって読み出された登録イメージを、90度の倍数だけ回転させてから前記イメージ切出手段に送る、登録イメージ回転手段を更に備えることを特徴とする画像照合装置。 - 画像読取装置で読み取られた帳票のイメージを、予めデータベースに登録されている複数の帳票のイメージと順次照合し、イメージの一致を検出して前記帳票の種類を判定する画像照合装置において、その画像入力部に読取りサイズの異なる複数の画像読取装置が接続された場合の画像照合方法であって、
帳票の種類判定時に、前記データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出す登録イメージ読出ステップと、
前記画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定する帳票サイズ判定ステップと、
前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さい場合には、読み出した前記登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きい場合には、読み取った前記帳票イメージのサイズを前記登録イメージのサイズに合わせて切り出すイメージ切出ステップと、
前記帳票イメージから帳票に印刷された情報の特徴を抽出する特徴抽出ステップと、
抽出した前記帳票の特徴と前記登録イメージの特徴と順次マッチングさせる特徴照合ステップと、
前記帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定する帳票判定ステップと、
を備えることを特徴とする画像照合方法。 - 請求項3に記載の画像照合方法であって、
前記データベースから読み出した全ての登録イメージに対して、前記特徴照合ステップにおいて帳票と登録イメージとの特徴の一致が得られなかった場合に、前記登録イメージ又は読取イメージを、90度の倍数だけ回転させてから前記イメージ切出ステップを実行させる、イメージ回転ステップを更に備えることを特徴とする画像照合方法。 - コンピュータに、
帳票の種類判定時に、前記データベースに登録された帳票の登録イメージを順次読み出す登録イメージ読出手順と、
前記画像読取装置から入力された帳票イメージから帳票端座標を検出し、縦方向の座標端間距離と横方向の座標端間距離から縦サイズと横サイズを求めて、帳票サイズを判定する帳票サイズ判定手順と、
前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも小さい場合には、読み出した前記登録イメージのサイズを読み取った帳票イメージのサイズに合わせて切り出し、前記画像読取装置の読取りサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きく、読み取った帳票イメージのサイズが前記登録イメージのサイズよりも大きい場合には、読み取った前記帳票イメージのサイズを前記登録イメージのサイズに合わせて切り出すイメージ切出手順と、
前記帳票イメージから帳票に印刷された情報の特徴を抽出する特徴抽出手順と、
抽出した前記帳票の特徴と前記登録イメージの特徴と順次マッチングさせる特徴照合手順、及び、
前記帳票の特徴が登録イメージの特徴と一致した場合に、その登録イメージから帳票の種類を判定する帳票判定手順と、
を実行させるためのプログラム。
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