JP4591746B2 - 難溶性抗ウイルス成分含有水溶性外用剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、常温の水に対する飽和溶解度以上のアシクロビルを含有し、皮膚や粘膜への透過性に優れ、皮膚刺激の少ない水溶性外用剤組成物に関する。
アシクロビルは、プリン骨格を有するヌクレオシド類似体で、ヘルペスウイルス1型、2型、帯状疱疹ウイルスによって発症する疱疹(水疱)等の治療に有効な薬物として使用されている。これらの疾患において、アシクロビルは、全身性の重症状には経口剤や注射剤として処方され、軽度な症状には外用剤として処方されている。しかし、アシクロビルは、強酸及び強アルカリには可溶であるが、中性付近の水に対する溶解性が悪く、基剤中に結晶として分散しているものがほとんどであり、皮膚や粘膜への吸収性において障壁となり、治療効果を減弱させることとなる。
このような難点への対策として、溶解補助剤を用いてアシクロビルの結晶析出を抑制した水溶液製剤、例えば溶解補助剤としてポリビニルピロリドンを用いて、アシクロビルの溶解性が改善している水溶液製剤(特許文献1参照)、また、溶解補助剤としてニコチン酸アミド、L−アルギニン及び塩化マグネシウムよりなる群より選ばれた1種類或いは2種類以上含有し、pH8.0に調節してアシクロビルの結晶析出を抑制している水溶液(特許文献2参照)が知られている。
特開平8−268892号公報 特開2000−212088号公報
上記の溶解補助剤により、アシクロビルの結晶析出は抑制されているが、一般的に皮膚刺激が少ないとされる中性あるいは酸性領域においてアシクロビルの溶解度を向上させた外用剤組成物は未だ知られていない。したがって、常温時の水に対する飽和溶解度以上のアシクロビルを含有し、使用感がよく、皮膚刺激の少ない外用剤を得たい場合には、依然としてアシクロビルを溶解することは困難であり、皮膚や粘膜への透過性に優れた外用剤を得ることはできない。
そこで、本発明は、上記に鑑み、中性あるいは酸性領域におけるアシクロビルの溶解度を向上させ、常温時の水に対する飽和濃度以上のアシクロビルを含有した場合でも、皮膚や粘膜への透過性に優れ、製剤化の容易な水溶性外用剤組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラカイン、ベンジルアルコール、カフェイン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ピリドキシン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸リドカイン、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸チアミン及び硝酸チアミンの少なくとも1種を含有させることで、アシクロビルの溶解度が向上すること、特に中性あるいは酸性領域においてアシクロビルの溶解度が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)(a)アシクロビル、並びに、(b)塩酸ナファゾリン、塩酸テトラカイン、ベンジルアルコール、カフェイン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ピリドキシン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸リドカイン、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸チアミン及び硝酸チアミンから選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする水溶性外用剤組成物、(2)(b)が塩酸ナファゾリン、塩酸テトラカイン及びカフェインから選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載の外用剤組成物、(3)(a)の含有量が外用剤組成物全体に対して0.13〜10質量%である上記(1)又は(2)に記載の外用剤組成物、(4)(b)の含有量が外用剤組成物全体に対して0.5〜10質量%である上記(1)〜(3)いずれか1つに記載の外用剤組成物、(5)さらにpHを中性あるいは酸性となるように調節することを特徴とする上記(1)〜(4)いずれか1つに記載の外用剤組成物、(6)アシクロビルを水溶性外用剤組成物に含有させる際に、 (b)塩酸ナファゾリン、塩酸テトラカイン、ベンジルアルコール、カフェイン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ピリドキシン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸リドカイン、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸チアミン及び硝酸チアミンから選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする、アシクロビルの溶解度を向上させる方法、(7)外用剤組成物全体に対して0.13質量%以上となる量のアシクロビルを含有する水溶性外用剤組成物を製造する際に、アシクロビルの溶解度を向上させるための(b)塩酸ナファゾリン、塩酸テトラカイン、ベンジルアルコール、カフェイン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ピリドキシン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸リドカイン、グリチルリチン酸二カリウム、塩酸チアミン及び硝酸チアミンから選ばれる少なくとも1種から選ばれる少なくとも1種の使用、を提供するものである。
本発明により、アシクロビルの溶解度が向上し、粘膜や皮膚へのアシクロビルの吸収性が改善された外用剤を提供することが可能となった。特に中性あるいは酸性領域においてアシクロビルの溶解度が向上し、塗布による皮膚刺激の少ない外用剤組成物を得ることができる。
本発明でいう「アシクロビル」には、その塩類も含まれる。塩としては、塩酸、リン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸、メタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属或いはアルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
本発明で含有されるアシクロビルは、水溶性外用剤組成物全体に対して0.13〜10質量%となるように含有させることが好ましく、特に0.3〜5.0質量%含有することが好ましい。含有量が0.13質量%未満であるとアシクロビルの水に対する飽和溶解度が、25℃で0.13質量%であることから、その溶解性に差が見られず、また、10質量%を超える場合には、製剤化が困難となる。
また、本発明の(b)成分によるアシクロビルの溶解度を向上させる効果は、製剤化に問題とならない濃度範囲においては、水溶性外用剤組成物全体に対する(b)成分の濃度に依存して増加する。したがって、製剤化に問題とならない範囲内であればどのような濃度で含有させることも可能であるが、十分な効果を得るためには、外用剤組成物全量あたり0.5質量%以上含有させることが好ましく、製剤化が困難となることから10質量%以下とするのが好ましい。
さらに、一定量の(b)成分に対するアシクロビル飽和溶解度向上効果が高いものほど、少ない含有量で高い飽和溶解度向上効果が得られるため、外用剤組成物を製造する際の成分調整が容易となる。したがって、(b)成分濃度に対するアシクロビル飽和溶解度のプロットを直線で結んだ際の傾きが高いものほどよく、0.10以上のものが好ましい。特に塩酸ナファゾリン、カフェイン、塩酸テトラカインが好ましく、中でも塩酸ナファゾリンが好ましい。
本発明において「中性あるいは酸性」とは、pHの値が人の皮膚表面に近いことを意味し、外用剤組成物を塗布後、人の皮膚のpHを上昇又は下降させ肌に対して負担をかけないようなpHであればよい。本発明においては、pH3.0〜8.0とするのが好ましく、特にpH4.5〜7.5とするのが好ましい。
本発明のアシクロビルを含有した水溶性外用剤組成物は点眼、点鼻等の液剤の他、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、ゲル剤、エアゾール剤にも使用することができ、次のようにして調製できる。液剤は、アシクロビル、溶解度改善成分を水性成分に溶解させて得ることが出来る。この液剤と適当な液化ガス(液化石油ガス、ジメチルエーテルなど)をアルミ製耐圧容器に入れてエアゾール剤を調製できる。また、この液剤に適当なゲル化剤を含有し剤形をゲル剤にすることも可能である。クリームの場合は、所定の水性成分にアシクロビル、溶解度改善成分を溶解・分散させホモミキサーに入れて脱気・加温する。ホッパーから油性成分と乳化剤を入れ、高速攪拌(ホモジナイズ)によりクリームが得られる。軟膏剤は水性軟膏が好ましく、室温で固体のポリエチレングリコールと室温で液状の多価アルコール、例えばプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン及びポリエチレングリコールをそれぞれ任意の量とり、これにアシクロビル、溶解度改善成分を加え、加温し溶解・分散させた後、室温まで冷却することで得られる。
また、本発明の水溶性外用剤組成物には他に有効成分として、ヘルペスウイルス疾患の症状(痛み、カユミ、2次感染)を改善しうる薬物を含有することができる。たとえば、抗菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、組織修復剤、鎮痒剤、保湿剤、血管収縮剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、酸素除去剤、ビタミン、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などが挙げられる。
本発明の水溶性外用剤組成物には、医薬品や医薬部外品に含有可能な種々の基剤成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。このような基剤成分としては、精製水、低級アルコールや多価アルコール等の溶解補助剤、炭化水素、グリセリン脂肪酸エステル、ワックス成分、界面活性剤、抗酸化剤、乳化安定剤、ゲル化剤、粘着剤等、各種動植物からの抽出物、pH調整剤、防腐剤、キレート剤、香料、色素、液化ガスなどが挙げられる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、pHについて特に記載のないものについては、pH5.5〜7.0の範囲に調整している。
(実施例1〜11:液剤)
Figure 0004591746
全成分を精製水に加え全量100mLとし、攪拌、溶解させた後、ろ過して調製液を得た。
(実施例12:点眼剤)
アシクロビル 0.3g
マレイン酸クロルフェニラミン 1.0g
塩酸ナファゾリン 1.0g
プロピレングリコール 5.0g
ポリソルベート80 0.5g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
精製水 全100mL
全成分を精製水に加え全量100mLとし、攪拌、溶解させた後、ろ過して調製液を得た。
(実施例13:点眼剤)
アシクロビル 0.3g
マレイン酸クロルフェニラミン 1.0g
塩酸ピリドキシン 1.0g
グリチルリチン酸ニカリウム 0.5g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
精製水 全100mL
全成分を精製水に加え全量100mLとし、攪拌、溶解させた後、ろ過して調製液を得た。
(実施例14:点眼剤)
アシクロビル 0.3g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
グリチルリチン酸ニカリウム 0.5g
塩酸ナファゾリン 0.5g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5g
パンテノール 0.1g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100mL
全成分を精製水に加え全量100mLとし、攪拌、溶解させた後、ろ過して調製液を得た。
(実施例15:ゲル剤)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 2.0g
塩酸チアミン 1.0g
塩酸ピリドキシン 1.0g
L-メントール 1.0g
グリセリン 10.0g
エタノール 20.0g
カルボキシビニルポリマー 0.5g
キサンタンガム 0.3g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
精製水にカルボキシビニルポリマーを溶解させ、グリセリンに分散させたアシクロビルおよびキサンタンガムを加え、溶解、分散させたのち、pH調整剤以外の成分を水溶液に入れ攪拌・溶解させる。その後、pH調整剤を加えpH7.0のゲル剤を得た。
(実施例16:ゲル剤)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 1.0g
塩酸ナファゾリン 1.0g
塩酸ジフェンヒドラミン 1.0g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.5g
グリチルリチン酸二カリウム 0.5g
L-メントール 1.0g
1,3-ブチレングリコール 10.0g
エタノール 50.0g
疎水化ヒドロキシプロピルセルロース 1.0g
pH調整剤 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
精製水にアシクロビルおよび疎水化ヒドロキシプロピルセルロースを分散させた1,3ブチレングリコールを添加したのち、その他の成分を溶解させた精製水を加えた。その後、pH調整剤を加えpH6.5のゲル剤を得た。
(実施例17:ゲル剤)
アシクロビル 5.0g
ベンジルアルコール 4.0g
塩酸リドカイン 2.0g
硝酸チアミン 0.5g
L-メントール 1.0g
プロピレングリコール 10.0g
エタノール 40.0g
カルボキシビニルポリマー 1.0g
疎水化ヒドロキシプロピルセルロース 0.5g
pH調整剤 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
精製水にカルボキシビニルポリマーを溶解させ、1,3-ブチレングリコールにアシクロビルおよび疎水化ヒドロキシプロピルセルロースを分散させたのち、その他の成分を溶解させた精製水を加えた。その後、pH調整剤を加えpH7.5のゲル剤を得た。
(実施例18:ゲル剤)
アシクロビル 5.0g
カフェイン 2.0g
塩酸リドカイン 2.0g
塩酸チアミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
L-メントール 1.0g
グリセリン 5.0g
エタノール 10.0g
カルボキシビニルポリマー 1.0g
キサンタンガム 0.3g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
精製水にカルボキシビニルポリマーを溶解させ、1,3-ブチレングリコールにアシクロビルおよびキサンタンガムを分散させたのち、その他の成分を溶解させた精製水を加えた。その後、pH調整剤を加えpH6.0のゲル剤を得た。
(実施例19:クリーム剤)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 2.0g
塩酸チアミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
L-メントール 0.5g
プロピレングリコール 10.0g
スクワレン 5.0g
ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0g
セトステアリルアルコール 5.0g
ポリソルベート60 3.0g
ステアリン酸モノグリセリド 1.5g
カルボキシルビニルポリマー 0.5g
シリコン 1.0g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
カルボキシビニルポリマーを精製水に溶解させ、アシクロビルおよび水性成分を添加し、卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M-03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、脱気後、掻き取りミキサーで攪拌しながら80℃に加温した。これに予め加温し融解させておいた油性成分をホッパーから添加し、50℃まで冷却した。8000rpmで3分間ホモジナイズし、均一化した。掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、その他の有効成分を溶解させた水溶液を添加した。最後にpH調整剤を添加しpHを7.0に調整し、ゲル化させクリーム剤を調製した。
(実施例20:クリーム剤)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 1.0g
塩酸ナファゾリン 1.0g
塩酸ジフェンヒドラミン 1.0g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.5g
グリチルリチン酸二カリウム 0.5g
L-メントール 1.0g
グリセリン 5.0g
1,3-ブチレングリコール 10.0g
スクワラン 10.0g
ステアリン酸 5.0g
セタノール 2.0g
ステアリン酸シュガーエステル 2.0g
キサンタンガム 0.3g
シリコン 1.0g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
キサンタンガムを精製水に溶解させ、アシクロビルおよび水性成分を添加し、卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M-03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、脱気後、掻き取りミキサーで攪拌しながら80℃に加温した。これに予め加温し融解させておいた油性成分をホッパーから添加し、50℃まで冷却した。8000rpmで3分間ホモジナイズし、均一化した。掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、その他の有効成分を溶解させた水溶液を添加した。最後にpH調整剤を添加しpHを6.5に調整し、クリーム剤を調製した。
(実施例21:クリーム剤)
アシクロビル 5.0g
ベンジルアルコール 4.0g
塩酸リドカイン 2.0g
硝酸チアミン 0.5g
L-メントール 1.0g
1,3-ブチレングリコール 10.0g
グリセリン 5.0g
流動パラフィン 5.0g
ミリスチン酸イソプロピル 10.0g
セトステアリルアルコール 4.0g
ポリソルベート60 2.0g
ポリグリセリンステアリン酸エステル 1.0g
ステアリン酸モノグリセリド 1.0g
カルボキシルビニルポリマー 1.0g
シリコン 1.0g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
カルボキシビニルポリマーを精製水に溶解させ、アシクロビルおよび水性成分を添加し、卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M-03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、脱気後、掻き取りミキサーで攪拌しながら80℃に加温した。これに予め加温し融解させておいた油性成分をホッパーから添加し、50℃まで冷却した。8000rpmで3分間ホモジナイズし、均一化した。掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、その他の有効成分を溶解させた水溶液を添加した。最後にpH調整剤を添加しpHを7.0に調整し、ゲル化させクリーム剤を調製した。
(実施例22:クリーム剤)
アシクロビル 5.0g
カフェイン 2.0g
塩酸リドカイン 2.0g
塩酸チアミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
L-メントール 1.0g
プロピレングリコール 10.0g
グリセリン 5.0g
流動パラフィン 5.0g
パナセート 10.0g
セトステアリルアルコール 4.0g
モノステアリン酸ソルビタン 1.5g
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.5g
カルボキシルビニルポリマー 1.0g
シリコン 1.0g
pH調整剤 適量
パラベン 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸ナトリウム塩 適量
精製水 全100g
カルボキシビニルポリマーを精製水に溶解させ、アシクロビルおよび水性成分を添加し、卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M-03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、脱気後、掻き取りミキサーで攪拌しながら80℃に加温した。これに予め加温し融解させておいた油性成分をホッパーから添加し、50℃まで冷却した。8000rpmで3分間ホモジナイズし、均一化した。掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、その他の有効成分を溶解させた水溶液を添加した。最後にpH調整剤を添加しpHを7.0に調整し、ゲル化させクリーム剤を調製した。
(実施例23:水性軟膏)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 2.0g
塩酸チアミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
L-メントール 0.5g
1,3-ブチレングリコール 10.0g
ポリエチレングリコール4000 25.0g
エタノール 15.0g
ポリエチレングリコール300 全100g
ポリエチレングリコール4000を卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M−03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、掻き取りミキサーで攪拌しながら60℃で融解させた。これに予め各成分を分散させた1,3−ブチレングリコールとポリエチレングリコール300の混合液を添加し、脱気後、ホッパーからエタノールを添加し、8000rpmで3分間ホモジナイズした。均一化した後、掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、水性軟膏剤を調製した。
(実施例24:水性軟膏)
アシクロビル 5.0g
塩酸テトラカイン 1.0g
塩酸ナファゾリン 1.0g
塩酸ジフェンヒドラミン 1.0g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.5g
グリチルリチン酸二カリウム 0.5g
L-メントール 1.0g
グリセリン 5.0g
プロピレングリコール 10.0g
ポリエチレングリコール6000 20.0g
ポリエチレングリコール400 全100g
ポリエチレングリコール6000を卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M−03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、掻き取りミキサーで攪拌しながら60℃で融解させた。これに予め各成分を分散させておいたグリセリン、プロピレングリコールとポリエチレングリコール400の混合液を添加し、脱気後、ホッパーからエタノールを添加し、8000rpmで3分間ホモジナイズした。均一化した後、掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、水性軟膏剤を調製した。
(実施例25:水性軟膏)
アシクロビル 5.0g
ベンジルアルコール 4.0g
塩酸リドカイン 2.0g
硝酸チアミン 0.5g
L-メントール 1.0g
ポリエチレングリコール400 25.0g
ポリエチレングリコール4000 25.0g
エタノール 10.0g
1,3-ブチレングリコール 全100g
ポリエチレングリコール4000を卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M−03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、掻き取りミキサーで攪拌しながら60℃で融解させた。これに予め各成分を分散させておいた1,3−ブチレングリコールとポリエチレングリコール400の混合液を添加し、脱気後、ホッパーからエタノールを添加し、8000rpmで3分間ホモジナイズした。均一化した後、掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、水性軟膏剤を調製した。
(実施例26:水性軟膏)
アシクロビル 5.0g
カフェイン 2.0g
塩酸リドカイン 2.0g
塩酸チアミン 0.5g
塩酸ピリドキシン 0.5g
L-メントール 0.5g
ポリエチレングリコール4000 25.0g
ポリエチレングリコール400 全100g
ポリエチレングリコール4000を卓上ホモミキサー(T.K.アヂホモミクサー2M−03型、特殊機化工業社製)用容器に入れ、掻き取りミキサーで攪拌しながら60℃で融解させた。これに予め各成分を分散させておいたポリエチレングリコール400を添加し、脱気後、3分間ホモジナイズした。均一化した後、掻き取りミキサーで攪拌しながら室温まで冷却し、水性軟膏剤を調製した。
(試験例1)各成分水溶液に対するアシクロビルの飽和溶解度(25℃)
塩酸ナファゾリン、カフェイン,塩酸テトラカイン、ベンジルアルコール、塩酸チアミン、硝酸チアミン,塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ピリドキシン、塩酸リドカインおよびグリチルリチン酸二カリウムの各濃度の水溶液を調製し、十分量のアシクロビル(1質量%)を水溶液に添加する。25℃で24時間以上攪拌した後、ろ過液中のアシクロビルをHPLC法で定量した。比較例として精製水およびL-アルギニン(pH7.0に調整)についても同様に定量した。表2に各成分濃度,アシクロビルの飽和溶解度,アシクロビル飽和溶液のpHおよび各成分濃度に対するアシクロビル飽和溶解度のプロットを直線で結んだ際の傾きを示す。
Figure 0004591746
以上のように、各成分はアシクロビルの飽和溶解度を濃度依存的に改善した。各水溶液のアシクロビル飽和溶解度は、0.5質量%以上含有させることで、精製水の飽和溶解度(1.3mg/mL)と比較して向上している。このことから、製剤中のアシクロビル溶解性が増し、皮膚や粘膜への透過性の改善が期待される。これに対し、従来アシクロビルの溶解補助剤として使用されていたL-アルギニンは、中性付近において、アシクロビルの飽和溶解度を向上させる効果は示さなかった。

Claims (7)

  1. (a)アシクロビル、並びに、(b)塩酸ナファゾリン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン及びグリチルリチン酸二カリウムから選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする水溶性外用剤組成物。
  2. (b)が塩酸ナファゾリンである請求項1に記載の外用剤組成物。
  3. (a)の含有量が外用剤組成物全体に対して0.13〜10質量%である請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  4. (b)の含有量が外用剤組成物全体に対して0.5〜10質量%である請求項1〜3いずれか1項に記載の外用剤組成物。
  5. さらにpHを中性あるいは酸性となるように調節することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の外用剤組成物。
  6. アシクロビルを水溶性外用剤組成物に含有させる際に、(b)塩酸ナファゾリン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン及びグリチルリチン酸二カリウムから選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする、アシクロビルの溶解度を向上させる方法。
  7. 外用剤組成物全体に対して0.13質量%以上となる量のアシクロビルを含有する水溶性外用剤組成物を製造する際に、組成物に対するアシクロビルの溶解度を向上させるための(b)塩酸ナファゾリン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン及びグリチルリチン酸二カリウムから選ばれる少なくとも1種から選ばれる少なくとも1種の使用。
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