JP4591707B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
ただし、当該DPFのPM捕集量には限界があるため、一般には当該DPFより排気上流側に酸化触媒を設け、当該酸化触媒へ未燃の燃料(HC)等の添加剤を供給し酸化反応を生じさせ、この酸化反応熱により排気温度を上昇させることでDPFに捕集されたPMを焼却除去する、所謂強制再生が定期的に実行される。
ただし、当該NOx吸蔵触媒のNOx吸蔵量についても限界があり、このようなエンジンでは、当該NOx吸蔵触媒へ未燃の燃料(HC)や尿素水(NH3)等の添加剤を供給することで吸蔵されたNOxを放出還元する、所謂NOxパージが定期的に実行される。
排気温度や触媒温度が十分に高い場合には、触媒表面に付着した液滴状の添加剤も気化されていくが、排気温度や触媒温度が低い場合には、添加剤の付着速度が添加剤の気化速度を上回り、付着量が増大していってしまう。
また、一般的に触媒層が2層に構成されている触媒では、表層触媒層に触媒金属が多く担持されており、このような構成であると液滴状の添加剤付着による影響が大きくなるという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、コストの増加を招くことなく、触媒に添加剤が付着することによる触媒機能の低下を防止し、耐失活性を向上させることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
当該構成により、当該触媒に添加剤が添加された際に、表層触媒層によって触媒の表面に付着した液滴状の添加剤の気化を行い、内層触媒層によって気化した添加剤の酸化を積極的に行う。
つまり、前段に酸化触媒、後段にパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置であって、前記添加剤供給手段により所定時期に酸化触媒へ添加剤を供給することでパティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートマターの強制再生を行う。
請求項4の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の排気通路に設けられ、排ガス中のNOxを吸蔵するとともに、該吸蔵したNOxを還元雰囲気中で放出還元するNOx吸蔵触媒と、所定の時期に前記NOx吸蔵触媒に添加剤を供給することで還元雰囲気とする添加剤供給手段とを備え、前記触媒は、担体上に内層触媒層及び表層触媒層の2層の触媒層が設けられ、該内層触媒層及び該表層触媒層のそれぞれが同一種の触媒金属により構成された上で、該内層触媒層の触媒金属担持密度は前記表層触媒層の触媒金属担持密度よりも高いことを特徴としている。
請求項5の内燃機関の排気浄化装置では、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記内燃機関はディーゼルエンジンであり、前記添加剤は軽油であることを特徴としている。
一方、液滴状の添加剤付着による影響を受けにくい内層触媒層の触媒金属担持密度は比較的高いため酸化反応性は高く維持され、当該内層触媒層において積極的に酸化反応を生じさせることで表層触媒層も加熱し、表層触媒層の触媒機能を活性化させるとともに付着した液滴状の添加剤の気化を促進させることができる。
また、内層触媒及び表層触媒層に担持されている触媒金属は同一種であるため、製造が容易であり、コストの増加を防止することができる。
請求項2の内燃機関の排気浄化装置によれば、前段に酸化触媒、後段にパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置において、添加剤供給による強制再生において、液滴状の添加剤が酸化触媒に付着することで生じる触媒機能の低下を防止し、耐失活性を向上させることができる。
請求項4の内燃機関の排気浄化装置によれば、NOx吸蔵触媒を備えた排気浄化装置において、添加剤供給によるNOxパージにおいて、液滴状の添加剤がNOx触媒に付着することで生じる触媒機能の低下を防止し、耐失活性を向上させることができる。
まず、第1実施例について説明する。
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図が示されており、図2を参照すると本発明の第1実施例に係る内燃機関の排気浄化装置における酸化触媒の部分拡大断面図が示されており、以下同図に基づき説明する。
当該コモンレール4は、車両に搭載された燃料タンク6と接続されており、当該燃料タンク6内に貯留されている燃料としての軽油(HC)が加圧されて供給されている。
また、コモンレール4は、各気筒2に設けられたインジェクタ8と接続されており、当該インジェクタ8はコモンレール4より供給される高圧燃料を気筒2内に噴射する機能を有している。
当該排気管16には、上記燃料タンク6と接続され排気管16内において軽油(添加剤)を噴射可能な軽油添加インジェクタ20が設けられている。
さらに、排気管16には、酸化触媒30より排気下流側に、排気中のパティキュレートマター(以下、PMという)を捕集する機能を有するディーゼルパティキュレートフィルタ40(以下、DPFという)が設けられている。
以下、当該第1実施例に係る排気浄化装置の酸化触媒30の構造について詳しく説明する。
図2に示すように、当該酸化触媒30はハニカム型のコージライト担体32上に触媒層34が設けられている。
当該2層の触媒層36、38にはそれぞれウォッシュコートに白金(Pt)、パラジウム(Pd)の貴金属類(以下PGMという)が担持されている。
さらに詳しくは、内層触媒層36にはウォッシュコート量100g/Lに対してPGM量が3g/L、即ちPGM密度0.03含まれて構成されており、表層触媒層38にはウォッシュコート量100g/Lに対してPGM量が1g/L、即ちPGM密度0.01含まれて構成されている。
以下、このように構成された第1実施例に係る内燃機関の排気浄化装置の作用を説明する。
エンジン1の運転時、エンジン1の各気筒より排出される排気は排気マニホールド14を介して排気管16へと流入し、排気浄化装置42内に流入する。
ただし、当該DPF40のPM捕集量には限界があるため、当該PM捕集量が所定の量に達する所定時期には軽油添加インジェクタ20より軽油が噴射され、DPF40の排気上流側にある酸化触媒30に当該軽油が供給される。
このように当該エンジン1では所定時期に軽油添加インジェクタ20より軽油を噴射することで所謂強制再生を行う。
しかし、排気の温度が比較的低温である場合には、軽油添加インジェクタ20より噴射される軽油の一部は十分に気化されず、図2に示すように液滴状の軽油50が酸化触媒30の表面に付着する。
ここで当該第1実施例における内層触媒層36は担持されているPGM密度が表層触媒層38よりも高いため、当該内層触媒層36での酸化反応は比較的促進される。
こうして、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、液滴状の軽油50の付着速度よりも当該軽油50の気化速度の方を速くすることができ、これにより触媒表面に液滴状の軽油50が付着することによる触媒機能の低下を防止し、耐失活性を向上させることができる。
図3を参照すると、本発明の第1参考例に係る内燃機関の排気浄化装置における酸化触媒の部分拡大断面図が示されており、以下同図に基づき説明する。なお、当該第1参考例の構成は、酸化触媒60以外は上記第1実施例と同一であるため、ここでは、第1実施例と異なる酸化触媒60の構成についてのみ説明する。
当該2層の触媒層66、68にはそれぞれウォッシュコートに白金(Pt)、パラジウム(Pd)のPGMが担持されている。
つまり、当該第1参考例における酸化触媒60は、上記第1実施例における酸化触媒30と全体としては同じウォッシュコート量及びPGM量であるが、第1参考例の方が表層触媒層68に対して内層触媒層66に担持されているPGM量、即ちPGM密度の割合が大きい。
一方、内層触媒層66のPGM密度は上記第1実施例よりも増加しているので、内層触媒層66での酸化反応はより促進される。これにより表層触媒層68の加熱もより促進され、一層良好に耐失活性の向上を図ることができる。
図4を参照すると、本発明の第2実施例に係る内燃機関の排気浄化装置における酸化触媒の部分拡大断面図が示されており、以下同図に基づき説明する。なお、当該第2実施例についても上記第1参考例同様、酸化触媒70以外は上記第1実施例と同一であるため、第2実施例における酸化触媒70の構成についてのみ説明する。
当該2層の触媒層76、78にはそれぞれウォッシュコートに白金(Pt)、パラジウム(Pd)のPGMが担持されている。
さらに詳しくは、内層触媒層76にはウォッシュコート量100g/Lに対してPGM量が3g/L、即ちPGM密度0.03含まれて構成されており、表層触媒層78にはウォッシュコート量140g/Lに対してPGM量が1g/L、即ちPGM密度0.007含まれて構成されている。
このように構成された第2実施例の酸化触媒70では、上記第1実施例と同様の効果を奏する上、表層触媒層78のウォッシュコート量を増加させたことで、当該表層触媒層78の保温性が向上し、表層触媒層78に付着した液滴状の軽油50の気化速度をより速めることができ、より一層耐失活性を向上させることができる。
図5を参照すると、本発明の第2参考例に係る内燃機関の排気浄化装置における酸化触媒の部分拡大断面図が示されており、以下同図に基づき説明する。なお、当該第2参考例についても、酸化触媒80以外は上記第1実施例と同一であるため、第2参考例における酸化触媒80の構成についてのみ説明する。
当該2層の触媒層86、88にはそれぞれウォッシュコートに白金(Pt)、パラジウム(Pd)のPGMが担持されている。
さらに詳しくは、内層触媒層86にはウォッシュコート量140g/Lに対してPGM量が4g/L、即ちPGM密度0.0028含まれて構成されており、表層触媒層88にはPGMは含まれておらず、100g/Lのウォッシュコートのみで構成されている。
また、上記第1参考例と同様に表層触媒層88内にはPGMが担持されていないので当該液滴状の軽油50による触媒機能の低下はほとんどない。
以上で本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
また、上記実施形態では、排気浄化装置は酸化触媒とDPFより構成されているが、これに限られるものではない。
または、軽油添加インジェクタの排気下流側に上記実施形態の酸化触媒と同様に2層の触媒層からなり、内層触媒層の触媒金属担持密度が表層触媒層の触媒金属担持密度よりも高く構成されたNOx吸蔵触媒を設けても構わない。なお、このようにNOx吸蔵触媒を設ける場合には軽油添加インジェクタの代わりに、ガソリンや尿素水等の添加剤を噴射するインジェクタを設けても構わない。
16 排気管
20 軽油添加インジェクタ(添加剤供給手段)
30、60、70、80 酸化触媒(触媒)
32、62、72、82 担体
34、64、74、84 触媒層
36、66、76、86 内層触媒層
38、68、78、88 表層触媒層
40 DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)
50 軽油(添加剤)
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、少なくとも酸化機能を有する触媒と、
該触媒へ、該触媒により酸化される添加剤を供給する添加剤供給手段とを備え、
前記触媒は、担体上に内層触媒層及び表層触媒層の2層の触媒層が設けられ、
該内層触媒層及び該表層触媒層のそれぞれが同一種の触媒金属により構成された上で、該内層触媒層の触媒金属担持密度は前記表層触媒層の触媒金属担持密度よりも高いことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記触媒は酸化触媒であり、
前記排気管の該酸化触媒の排気下流側には、排気中のパティキュレートマターを捕集するパティキュレートフィルタを有し、
前記添加剤供給手段は所定時期に前記酸化触媒に添加剤を供給することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記触媒は、排気中のパティキュレートマターを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを担体とし、該担体上に前記内層触媒層及び表層触媒層からなる2層の触媒層が設けられたパティキュレートフィルタと一体の酸化触媒であり、
前記添加剤供給手段は所定の時期に前記酸化触媒に添加剤を供給することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 内燃機関の排気通路に設けられ、排ガス中のNOxを吸蔵するとともに、該吸蔵したNOxを還元雰囲気中で放出還元するNOx吸蔵触媒と、
所定の時期に前記NOx吸蔵触媒に添加剤を供給することで還元雰囲気とする添加剤供給手段とを備え、
前記触媒は、担体上に内層触媒層及び表層触媒層の2層の触媒層が設けられ、
該内層触媒層及び該表層触媒層のそれぞれが同一種の触媒金属により構成された上で、該内層触媒層の触媒金属担持密度は前記表層触媒層の触媒金属担持密度よりも高いことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記内燃機関はディーゼルエンジンであり、
前記添加剤は軽油であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の内燃機関の排気浄化装置。
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