JP4591013B2 - 印刷装置、印刷方法、プログラム、および印刷システム - Google Patents
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Description
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(B)前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
(C)前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
(D)前記搬送動作が実行される都度、その実際に実行された搬送動作の搬送量に応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラと、
(E)を備えたことを特徴とする印刷装置。
(B)前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
(C)前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
(D)前記搬送動作が実行される都度、その搬送動作の搬送量に応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラと、
(E)を備え、
(F)前記複数のノズルが所定の方向に沿って配列され、
(G)前記複数のノズルが配列された方向と、前記媒体が搬送される方向とが交差し、
(H)前記搬送動作の前記搬送量が、印刷方式または印刷する画像の解像度に応じて異なり、
(I)前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置が、前記搬送動作が実行される都度、一方向に沿って徐々にずれ、
(J)前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置のずれ幅が、実行された前記搬送動作の搬送量に応じて異なり、
(K)前記コントローラは、前記出力タイミングの変更量を算出するための演算部を備え、
(L)前記演算部は、実行された前記搬送動作の搬送量と、所定の補正情報とに基づき、前記出力タイミングの変更量を算出し、
(M)前記コントローラは、実行される前記搬送動作の前記搬送量と、前記出力タイミングの変更量とが対応付けられたテーブルを備え、
(N)前記出力タイミングの適切な変更量を調査するための調査用パターンを印刷する、
(O)ことを特徴とする印刷装置。
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に複数のノズルを移動させながら前記ノズルから前記媒体に向けて同一のタイミングにてインクを吐出する移動吐出動作とを実行する印刷方法であって、
前記搬送動作が実行される都度、実際に実行された前記搬送動作の搬送量に応じて、前記複数のノズルから前記インクが吐出されるタイミングを変更することを特徴とする印刷方法。
搬送機構により媒体を搬送する搬送動作を実行するステップと、
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に複数のノズルを移動させながら前記ノズルから前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行するステップと、
前記搬送動作が実行される都度、実際に実行された前記搬送動作の搬送量に応じて、前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を信号出力部から出力するタイミングを変更するステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
前記印刷装置は、媒体を搬送する搬送動作を2以上の異なる搬送量にて実行可能な搬送機構と、
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
前記移動吐出動作の合間の前記搬送動作が終了する毎に、その搬送動作の搬送量に応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラとを備えたことを特徴とする印刷システム。
本発明に係る印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタを例にとり説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、ブラックノズル列211Kが設けられている。
<エンコーダの構成>
図6は、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものである。リニア式エンコーダ51は、リニア式エンコーダ符号板464と、検出部466とを備えている。リニア式エンコーダ符号板464は、図2に示すように、インクジェットプリンタ1内部のフレーム側に取り付けられている。一方、検出部466は、キャリッジ41側に取り付けられている。キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動すると、検出部466がリニア式エンコーダ符号板464に沿って相対的に移動する。これによって、検出部466は、キャリッジ41の移動量を検出する。
図7は、この検出部466の構成を模式的に示したものである。この検出部466は、発光ダイオード452と、コリメータレンズ454と、検出処理部456とを備えている。検出処理部456は、複数(例えば4個)のフォトダイオード458と、信号処理回路460と、例えば2個のコンパレータ462A、462Bとを有している。
図8A及び図8Bは、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時における検出部466の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図8A及び図8Bに示すように、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ42が正転しているとき、即ち、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動しているときは、図8Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ42が逆転しているときは、図8Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔を移動する時間に等しい。
ロータリ式エンコーダの構成について説明する。
図9は、ロータリ式エンコーダ134の構成を説明した説明図である。ロータリ式エンコーダ134は、ロータリ式エンコーダ符号板402と、このロータリ式エンコーダ符号板402に隣接して設けられた検出部404とを備えている。
このロータリ式エンコーダ符号板402は、同図に示すように、円盤状に形成されている。ロータリ式エンコーダ符号板402の外周縁部には、所定の間隔置きに小さなスリット406が多数形成されている。ロータリ式エンコーダ符号板402は、媒体Sを搬送する搬送ローラ17Aの軸端部に一体的に設けられた大歯車408に隣接して一体的に設けられている。大歯車408は、小歯車410を介して紙搬送モータ15に接続されていて、紙搬送モータ15の回転駆動によって、小歯車410を介して回転する。これにより、搬送ローラ17Aが紙搬送モータ15の回転駆動によって回転し、ロータリ式エンコーダ符号板402も、大歯車408および搬送ローラ17Aと同期して回転する。
なお、このロータリ式エンコーダ134の検出部404は、リニア式エンコーダ51の検出部466の構成とほぼ同じ構成を有している。
図10は、ヘッド21の駆動回路220の一例を示したものである。また、図11は、この駆動回路220の各信号を説明したタイミングチャートである。
ラッチ回路群228またはデータセレクタ230に入力されるラッチ信号(LAT信号)およびチェンジ信号(CH信号)は、共に、PTS(Pulse Timing Signal)信号に基づき生成される。PTS信号は、これらラッチ信号(LAT信号)およびチェンジ信号(CH信号)においてパルスが発生するタイミングを規定する信号である。PTS信号のパルスは、リニア式エンコーダ51(検出部466)からの出力パルスENC−A、ENC−Bに基づき生成される。すなわち、PTS信号のパルスは、キャリッジ41の移動量に応じて発生する。なお、このPTS信号は、『複数のノズルから同一のタイミングにてインクを吐出するための基準となる信号』に相当する。
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図13は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
<インターレース方式>
図14は、インターレース方式により媒体Sにドットを形成して画像Gを印刷する方法について概略的に説明するものである。なお、ここでは、説明の便宜上、インクを吐出するノズル列211が媒体Sに対して移動しているように描かれているが、同図はノズル列211と媒体Sとの相対的な位置関係を示すものであって、実際には、媒体Sが搬送方向に沿って移動している。また、同図において、黒丸で示されたノズルは、インクを吐出するノズルであり、白丸で示されたノズルは、インクを吐出しないノズルである。図14Aは、パス1〜パス4におけるノズル列211(ヘッド21)の位置と、ドットの形成の様子を示し、図14Bは、パス1〜パス6におけるノズル列211(ヘッド21)の位置とドットの形成の様子を示している。
図16は、オーバーラップ方式により媒体Sに画像Gを印刷する方法を概略的に説明するものである。図16Aは、パス1〜パス8におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示し、図16Bは、パス1〜パス12におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示している。前述のインターレース方式では、一つのラスタラインは一つのノズルにより形成されていた。一方、オーバーラップ方式では、例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルにより形成されている。
(1)N/Mが整数である。
(2)N/Mはkと互いに素の関係にある。
(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定される。
これらインターレース方式およびオーバーラップ方式以外の他の印刷方式としては、バンド印刷方式やドラフト印刷方式などがある。
このようなインクジェットプリンタ1にあっては、ヘッド21がキャリッジ41の移動方向(「ノズルの移動方向」に相当)に対して斜めに傾いて設置されてしまう場合がある。このようにヘッド21が傾いて設置される主な原因としては、次のようなものがある。(A)製造時の誤差範囲内においてヘッド21が傾いた状態のまま固定される。(B)ヘッド21が着脱自在に設けられているときに、メンテナンス等によりヘッド21を取り外した後、再度、ヘッド21を装着した際に、ヘッド21が傾いて取り付けられる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、このようにヘッド21がキャリッジ41の移動方向に対して斜めに傾いて設置された場合であっても、ドットの配置が乱れるのを防止して、印刷される画像の画質低下を抑制することができる。以下にその方法について詳しく説明する。
各ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出タイミングを変更する際の変更量は、媒体Sの搬送量と、実際に媒体S上に形成されるドットの傾きとに基づき求める。
L=M×tanθ ……………(1)
1回目のパス(『パス1』)から、N1回目のパス(『パスN1』)における媒体Sの搬送量を『M1』とすると、N1回目のパス(『パスN1』)におけるインクの吐出タイミングの変更量L1は、次の関係式(2)から求めることができる。
L1=M1×tanθ ……………(2)
また、N1回目のパス(『パスN1』)の後のN2回目のパス(『パスN2』)におけるインクの吐出タイミングの変更量L2については、次の関係式(3)から求めることができる。
L2=M2×tanθ ……………(3)
ここで、媒体Sの搬送量『M』(M1、M2)は、パスが実行されるのに従って、つまり、印刷処理が進むに従って、順次増加することとなる。このことから、インクの吐出タイミングの変更量『L』についても、同様に、徐々に増加することになる。
なお、ここで求められるインクの吐出タイミングの変更量『L』(L1、L2)は、距離を表す。実際にインクの吐出タイミングを変更する場合には、ここで求められた変更量『L』から適切なインクの吐出タイミングを導き出して、インクの吐出を行う。
各ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出タイミングの変更は、コントローラ126からヘッド駆動部132へのPTS信号の出力タイミングを変更することにより行う。
コントローラ126は、媒体Sの搬送動作を実行する都度、その搬送動作の搬送量に応じて、当該コントローラ126からヘッド駆動部132へのPTS信号の出力タイミングを変更する。これにより、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出タイミングを変更する。ここで、コントローラ126が、PTS信号の出力タイミングの変更量を取得する手法について説明する。
まず、1つの手法として、PTS信号の出力タイミングの変更量を演算により求める手法がある。その手法の一例について説明する。コントローラ126は、PTS信号の出力タイミングの変更量を演算により求めるための演算部を備えている。コントローラ126は、媒体Sの搬送量に応じて、PTS信号の出力タイミングの変更量を求めるために必要なデータをメインメモリ127等に記憶している。コントローラ126は、PTS信号の出力タイミングの変更量を求める際に、メインメモリ127等からそのデータを読み出して、その読み出したデータと、媒体Sの搬送量とに基づき、PTS信号の出力タイミングの変更量を算出する。媒体Sの搬送量については、ロータリ式エンコーダ134から取得する。また、メインメモリ127等に記憶されるPTS信号の出力タイミングの変更量を求めるために必要なデータとしては、図22で説明した、形成されるドットの傾きの角度を示す『θ』や『tanθ』など、PTS信号の出力タイミングの変更量を求めるために必要な各種補正データ(「所定の補正情報」に相当)のことをいう。コントローラ126によるPTS信号の出力タイミングの変更量の算出については、例えば、前述した関係式(1)等を用いて算出する。
ここでは、印刷する画像の解像度や印刷方式等毎に、その1パス当たりの搬送量に応じて、1パス当たりの変更量をあらかじめメインメモリ127等にテーブルとして記憶しておく方法を説明する。
図24は、このときのコントローラ126の処理手順の一例を示したフローチャートである。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクによって媒体S上に形成されるドットが、どの程度斜めに傾いて形成されるかどうか調べる調査を実行することができる。この調査は、インクジェットプリンタ1により媒体S上に調査用パターンが形成されて実施される。
以上本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、搬送動作が実行される都度、その搬送動作の搬送量に応じて、PTS信号の出力タイミングをコントローラ126が変更するから、各ノズル列211C,211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインクによって形成されるドットの位置を調整することができる。このことから、ヘッド21がキャリッジ41の移動方向に対して斜めに傾いて設置されてしまうなどして、媒体S上に形成されるドットが斜めに傾いて形成されるような場合であっても、搬送動作が実行される都度、ドットの形成位置を調整することができるから、印刷される画像の品質が大きく損なわれるのを防ぐことができる。これにより、このような場合であっても、印刷画像の画質向上を図ることができる。
次に、本発明に係る印刷システムの一実施形態について、印刷装置としてインクジェットプリンタ1を備えた場合を例に説明する。図27は、本発明に係る印刷システムの一実施形態の外観構成を示したものである。この印刷システム300は、コンピュータ140と、表示装置304と、入力装置306とを備えている。コンピュータ140は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成される。
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
前述した実施の形態では、「搬送機構」として、紙搬送モータ15や搬送ローラ17A、排紙ローラ17Bなどを備えた構成が開示されていたが、「搬送機構」にあってはこのような機構に限らず、媒体Sを搬送可能な機構であれば、どのような機構であっても構わない。
前述した実施の形態では、ノズルが所定の方向に沿って直線状に1列に並んで配置されていたが、「ノズル」にあっては、必ずしもこのように直線状に並んで配置される必要はない。また、「ノズル」にあっては、所定の方向に沿って配列されれば、このように直線状に1列に並んで配置される必要もなく、例えば、千鳥状に配置されても良い。
前述の実施形態では、圧電素子としてピエゾ素子を用いてインクを吐出する機構が紹介されていたが、インクを吐出する機構にあっては、このような方式によりインクを吐出する機構に限られず、インクを吐出する機構であれば、例えば、熱等によりノズル内に泡を発生させることによってインクを吐出する方式や、その他各種方式、インクを吐出する機構であれば、どのような方式を採用していても構わない。
前述した実施の形態では、「移動吐出動作」として、キャリッジ41がキャリッジ移動方向に沿って1回移動したときに、媒体Sに向けてインクを吐出する動作、いわゆるパスとして説明していたが、「移動吐出動作」にあっては、必ずしもこのようにキャリッジが1回移動したときの動作に限定されない。すなわち、キャリッジ41がキャリッジ移動方向に沿って移動した後、一旦停止し、再度、移動を開始した場合や、往復移動した場合などについても、これら一連の動作を移動吐出動作という。つまり、媒体の搬送動作の合間に実行される移動吐出動作については、すべて「移動吐出動作」に含まれる。
前述した実施の形態では、信号(PTS信号等)を出力する信号出力部としてコントローラ126が例示されていたが、信号出力部にあっては、このような印刷装置全体を制御するようなコントローラ126に限られない。つまり、信号(PTS信号等)を出力するための専用の回路等を別途備えていても良く、また、ヘッド駆動部132等に信号(PTS信号等)を出力する信号出力部を備えていてもよい。
前述した実施の形態では、『複数のノズルから同一のタイミングにてインクを吐出するための基準となる信号』として、PTS信号を例にして説明したが、前記信号にあっては、このようなPTS信号に限られない。つまり、『複数のノズルから同一のタイミングにてインクを吐出するための基準となる信号』であれば、どのような形態の信号であっても構わない。
前述した実施の形態では、『印刷方式』として、インターレース方式やオーバーラップ方式が説明されていたが、『印刷方式』にあっては、これらの印刷方式に限られない。つまり、『印刷方式』にあっては、これらの印刷方式以外の方式、具体的には、バンド印刷方式やドラフト印刷方式なども含まれる。
前述した実施の形態では、『所定の補正情報』として、形成されるドットの傾きの角度を示す『θ』や『tanθ』などが説明されていたが、『所定の補正情報』にあっては、このような補正情報に限られない。つまり、『所定の補正情報』としては、特定の搬送量におけるPTS信号の出力タイミングの変更量であってもよく、また搬送量と変更量との比率であっても良い。要するに、『所定の補正情報』にあっては、PTS信号の出力タイミングの変更量を求めるために必要な、媒体Sの搬送量以外の他の情報をすべて含む。
前述した実施の形態では、調査用パターンとして、基準用パターンX1〜X7と、比較用パターンY1〜Y7とを有するパターンを例にして説明したが、調査用パターンにあっては、このようなパターンに限られない。つまり、PTS信号等の出力タイミングの適切な変更量を調査するために媒体S上に形成されるパターンであれば、どのようなパターンであっても、調査用パターンに含まれる。
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
前述した実施形態では、形成されるドットとして、略円形状のドットが形成されていたが、楕円形状をなしていたり、またその他の形状をなしていても構わない。すなわち、印刷する画像の画素を構成するものであれば、どのような形状や形態のドットであっても構わない。
前述した実施の形態では、本発明に係る印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
媒体Sについては、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、46 ガイドレール、
48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、51 リニア式エンコーダ、
53 紙検知センサ、122 バッファメモリ、124 イメージバッファ、
126 コントローラ、127 メインメモリ、128 キャリッジモータ制御部、
129 通信インターフェース、130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、140 コンピュータ、
211 ノズル列、211Y イエロノズル列、211M マゼンダノズル列、
211C シアンノズル列、211K ブラックノズル列、
224 第1シフトレジスタ、226 第2シフトレジスタ、228 ラッチ回路群、
230 データセレクタ、300 印刷システム、304 表示装置、
306 入力装置、308 キーボード、310 マウス、312 読み取り装置、
314 FDドライブ装置、316 CD−ROMドライブ装置、
318 CPU、320 メモリ、322 ハードディスクドライブ、
402 ロータリ式エンコーダ符号板、404 検出部、408 大歯車、
410 小歯車、452 発光ダイオード、454 コリメータレンズ、
456 検出処理部、458 フォトダイオード、460 信号処理回路、
462A コンパレータ、462B コンパレータ、
464 リニア式エンコーダ符号板、466 検出部、500 調査用パターン、
Claims (15)
- (A)媒体を搬送する搬送動作を2以上の異なる搬送量にて実行可能な搬送機構と、
(B)前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
(C)前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
(D)前記搬送動作が実行される都度、その実際に実行された搬送動作の搬送量と、実際に前記媒体上に形成されるドットの傾きに応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラと、
を備え、
(E)前記搬送動作を複数回行って1つの画像を印刷する
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記複数のノズルが所定の方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記複数のノズルが配列された前記所定の方向と、前記媒体が搬送される方向とが交差していることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記搬送動作の前記搬送量が印刷方式に応じて異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記搬送動作の前記搬送量が、印刷する画像の解像度に応じて異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置が、前記搬送動作が実行される都度、一方向に沿って徐々にずれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置のずれ幅が、実行された前記搬送動作の搬送量に応じて異なることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
- 前記コントローラは、前記出力タイミングの変更量を算出するための演算部を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記演算部は、実行された前記搬送動作の搬送量と、所定の補正情報とに基づき、前記出力タイミングの変更量を算出することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
- 前記コントローラは、実行される前記搬送動作の前記搬送量と、前記出力タイミングの変更量とが対応付けられたテーブルを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記出力タイミングの適切な変更量を調査するための調査用パターンを印刷することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の印刷装置。
- (A)媒体を搬送する搬送動作を2以上の異なる搬送量にて実行可能な搬送機構と、
(B)前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
(C)前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
(D)前記搬送動作が実行される都度、その搬送動作の搬送量と、実際に前記媒体上に形成されるドットの傾きに応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラと、
(E)を備え、前記搬送動作を複数回行って1つの画像を印刷し、
(F)前記複数のノズルが所定の方向に沿って配列され、
(G)前記複数のノズルが配列された方向と、前記媒体が搬送される方向とが交差し、
(H)前記搬送動作の前記搬送量が、印刷方式または印刷する画像の解像度に応じて異なり、
(I)前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置が、前記搬送動作が実行される都度、一方向に沿って徐々にずれ、
(J)前記複数のノズルから吐出されたインクによって前記媒体に形成されるドットの位置のずれ幅が、実行された前記搬送動作の搬送量に応じて異なり、
(K)前記コントローラは、前記出力タイミングの変更量を算出するための演算部を備え、
(L)前記演算部は、実行された前記搬送動作の搬送量と、所定の補正情報とに基づき、前記出力タイミングの変更量を算出し、
(M)前記コントローラは、実行される前記搬送動作の前記搬送量と、前記出力タイミングの変更量とが対応付けられたテーブルを備え、
(N)前記出力タイミングの適切な変更量を調査するための調査用パターンを印刷する、
(O)ことを特徴とする印刷装置。 - 搬送機構により媒体を搬送する搬送動作と、
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に複数のノズルを移動させながら前記ノズルから前記媒体に向けて同一のタイミングにてインクを吐出する移動吐出動作とを実行する印刷方法であって、
前記搬送動作が実行される都度、実際に実行された前記搬送動作の搬送量と、実際に前記媒体上に形成されるドットの傾きに応じて、前記複数のノズルから前記インクが吐出されるタイミングを変更し、前記搬送動作を複数回行って1つの画像を印刷することを特徴とする印刷方法。 - 印刷装置のコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
搬送機構により媒体を搬送する搬送動作を実行するステップと、
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に複数のノズルを移動させながら前記ノズルから前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行するステップと、
前記搬送動作が実行される都度、実際に実行された前記搬送動作の搬送量と、実際に前記媒体上に形成されるドットの傾きに応じて、前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を信号出力部から出力するタイミングを変更するステップと、
前記搬送動作を複数回行って1つの画像を印刷するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - コンピュータと、このコンピュータと通信可能な印刷装置とを具備した印刷システムであって、
前記印刷装置は、媒体を搬送する搬送動作を2以上の異なる搬送量にて実行可能な搬送機構と、
前記搬送動作の合間に、前記媒体に対して相対的に移動しながら前記媒体に向けてインクを吐出する移動吐出動作を実行する複数のノズルと、
前記複数のノズルから同一のタイミングにて前記インクを吐出するための基準となる信号を出力する信号出力部と、
前記移動吐出動作の合間の前記搬送動作が終了する毎に、その搬送動作の搬送量と、実際に前記媒体上に形成されるドットの傾きに応じて、前記信号出力部からの前記信号の出力タイミングを変更するコントローラと、
を備え、
前記搬送動作を複数回行って1つの画像を印刷する
ことを特徴とする印刷システム。
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