JP4590046B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用後の滅菌をオートクレーブで行う挿入部が軟性な内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
体腔内等に挿入することによって体腔内深部等を観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治療処置等を行える内視鏡が医療分野において広く利用されている。
【0003】
医療分野で使用する内視鏡は、感染症等を防止するため、一度使用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが必要不可欠である。従来、この消毒滅菌処理は、エチレンオキサイド等のガスに曝したり、消毒液中に浸漬していっていた。
【0004】
周知のように滅菌ガス類は猛毒である。このため、滅菌作業の安全性を確保するため滅菌作業工程が煩雑になっていた。また、滅菌後、機器に付着したガスを取り除くためのエアレーションに時間がかかり、滅菌後機器をすぐに使用できないという問題点があった。さらに、ガスが与える環境への悪影響も問題視されていた。又、ランニングコストが高いということも問題になっていた。
【0005】
一方、消毒液の場合には消毒液の管理が煩雑であり、使用後の消毒液の廃棄処理に多大な費用がかかるという欠点があった。
【0006】
そこで、最近では、煩雑な作業を伴わず、滅菌後にすぐ使用することが可能で、しかもランニングコストが安価なオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡分野で主流になりつつある。
【0007】
このオートクレーブ滅菌は、被滅菌物を高圧下で約120℃〜135℃の高温蒸気に曝して滅菌するものである。しかし、高圧蒸気は、樹脂やゴム、樹脂接着剤等ほとんどの高分子材料中を透過してしまう。このため、内視鏡内部にオートクレーブ滅菌の際、水蒸気が浸入し、対物レンズ、固体撮像素子、基板、信号線、信号ケーブル等が配置されている撮像ユニット内にこの水蒸気が侵入するおそれがあった。
【0008】
従来の撮像ユニットの構成では、一般的に基板をエポキシ系接着剤やシリコーン系接着剤等の充填材によって封止していた。しかし、これら充填剤は、吸水性が高く、また蒸気不透過性(以下ガスバリア性と記載する)が低いため、水蒸気が侵入することによって固体撮像素子や基板上の電子部品に不具合が生じたり、接着剤が水分を含むことにより、基板の配線や信号線の芯線が錆びて導通不良発生の要因になるおそれがあった。
【0009】
このため、ハーメチックコネクタを用いて対物レンズ、固体撮像素子、基板等からなる撮像ユニット内を完全に気密密閉する内視鏡が提案されている。例えば硬性鏡では特開平10−234649号公報に、先端にカバーガラスを気密に組み付け、挿入部を構成する内筒内に、対物レンズ、固体撮像素子、基板等によって構成される撮像ユニットを挿入し、さらにハーメチックコネクタで密封することによってオートクレーブの高温高圧蒸気から固体撮像素子、基板等を保護する構成の電子内視鏡装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平10−234649号公報の電子内視鏡では、先端にカバーガラスを気密に組み付けた内筒内に、撮像ユニットを挿入し、さらに内筒の基端側にハーメチックコネクタを気密に組み付けて撮像ユニットを気密パッケージとしていた。このため、気密パッケージの大きさか必然的に大きくなる構成であった。つまり、上述した構成例では、対物光学系の気密パッケージ長を長く設定することが可能な硬性鏡においては採用可能であるが、この対物光学系の気密パッケージを湾曲部より先端側に収納しなければならない例えば湾曲部付き内視鏡では先端側の硬質部長が長くなって、挿入性が悪化するばかりでなく、患者への負担が大きくなるのでこの気密パッケージを湾曲部付き内視鏡に採用することは難しい。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像ユニットを長大化させることなく、オートクレーブ滅菌耐性を備えた内視鏡を提供することを目的にしている。
【0012】
本発明の内視鏡は、対物レンズと、この対物レンズを通過して結像する被写体像を受光する固体撮像素子と、この固体撮像素子が基端面側に位置出し固定されたカバーガラスと、このカバーガラスが気密的に接合された撮像枠と、この固体撮像素子に電気的に接続される電子部品を搭載した基板と、この基板に配線される信号線と、この信号線を束ねて形成した信号ケーブルと、前記撮像枠に一端部側が固定され、他端部側が前記信号ケーブルに固定されることによって前記固体撮像素子、前記基板、および前記信号線の先端部を被覆する熱収縮チューブと、この熱収縮チューブ内に充填される封止部材とで構成される撮像ユニットを備える、高温高圧蒸気滅菌を実施する内視鏡において、
前記熱収縮チューブ内に、
前記固体撮像素子、前記基板、前記信号線の先端部、及び前記信号ケーブルの先端部の周囲を覆って第1封止層を形成する、非吸水性絶縁封止部材である第1充填封止部材と、
前記第1封止層の周囲を覆って第2封止層を形成する、その周囲が前記熱収縮チューブによって覆われる、非吸水性絶縁封止部材に比べて吸水性の高い、第2充填封止部材と、
を充填し、
前記第1充填封止部材がフッ素ゴム系充填剤であり、前記第2充填封止部材がエポキシ系樹脂、又はシリコーン系接着剤であって、
前記第2充填封止部材は、前記固体撮像素子、前記基板、前記信号線の先端部、及び前記信号ケーブルの先端部に高温高圧水蒸気が直接的に接触することを防止する機能と、撮像ユニットの強度を確保する機能とを兼ねることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、滅菌のために内視鏡を高温高圧蒸気中に曝したとき、たとえ水密に構成した内視鏡に水蒸気が侵入して撮像ユニット内に侵入した場合でも撮像ユニット内に侵入した水蒸気は第2充填封止部材に浸透して吸収されるので、高温高圧蒸気が非吸水性絶縁封止部材である第1充填封止部材透過して、基板上の電子部品、基板上の配線及び付近の信号線及び半田による導線固定部等が直接的に高温高圧蒸気に曝されることを防止している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図4は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡の概略構成を示す説明図、図2は挿入部の先端側部の構成を説明する断面図、図3は挿入部を構成する可撓管部を説明する断面図、図4は撮像ユニットの構成を説明する断面図である。
【0015】
図1に示すように本実施形態の内視鏡1は内部に水が浸入しない水密構造の内視鏡であり、体内に挿入される軟性で細長な挿入部2と、この挿入部2の基端側に設けられた把持部を兼ねる操作部3と、この操作部3の基端側から延出する軟性コード4とによって主に構成されている。
【0016】
前記挿入部2は、先端側から順に先端部5、湾曲部6、可撓管部7を連接して構成されている。前記操作部3には前記湾曲部6を遠隔操作するアングルレバー3aが設けられている。前記軟性コード4の基端部には図示しない光源装置に着脱自在に接続される光源コネクタ8や図示しないビデオシステムに接続されるビデオコネクタ9が設けられている。
【0017】
前記光源コネクタ8の側部には、内視鏡1の内部空間に連通して、図示しないアダプタによって開閉操作可能な開閉弁8aが設けられている。なお、この開閉弁8aは、内視鏡内部空間の圧力が外部圧力より所定圧力以上高くなったとき内部と外部とが連通する逆止弁構造のものや、この開閉弁8aに図示しない逆止弁アダプタを組み付けられる構造のものであってもよい。
【0018】
上述した開閉弁8aにより、オートクレーブ滅菌前行程等でチャンバー内を真空引きした場合でも、内視鏡1の湾曲部6を構成する後述する湾曲ゴム(図2符号18)等、内視鏡1内部の柔軟な部分が破裂することを防止している。また、前記ビデオコネクタ9には電気接点部を水密保持する防水キャップ9aが着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0019】
図2に示すように挿入部2の先端部5には硬質な部材で略筒状に形成された先端構成部材11が設けられており、この先端構成部材11に形成されている貫通孔には後述する撮像ユニット20及び照明光を伝送するライトガイドファイバ12が挿通配置されており、このライトガイドファイバ12の先端には観察部位に向けて照明光を照射する照明レンズ13が配置されている。
【0020】
前記先端構成部材11の外周面には先端カバー部材14が組み付けられており、この先端カバー部材14の基端面側には湾曲部6を構成する複数の湾曲駒15,…,15がリベット16によって回動自在に組み付けられている。これら複数の湾曲駒15,…,15の外周には金属製の網状管17及び湾曲ゴム18が内面側から順に被覆されている。
【0021】
なお、前記撮像ユニット20の破線矢印で示す範囲は硬質部21であり、最先端に位置するリベット16より先端側、つまり先端カバー部材14の内部に収まるように配置されている。
【0022】
図3に示すように前記可撓管部7は、内面側から順に金属製の螺旋管71と、金属製の網状管72と、高分子材料からなる外皮樹脂73と、トップコート74とによって構成されている。なお、前記トップコート74は、蒸気に対する耐性の高いフッ素コート等を使用している。
【0023】
前記外皮樹脂73は、可撓性及び弾発性を考慮して、蒸気に対する耐性の高いシリコーンゴムやフッ素ゴムの代わりに、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等を使用している。これら樹脂部材は、加水分解性の分子結合を有する樹脂であるので、前記内視鏡1をオートクレーブ滅菌した際、蒸気によって加水分解を起こして、可撓性、弾発性の低下や表面性状の変化といった劣化が発生するおそれがある。このため、本実施形態においては前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーにダイマージオールを添加した外皮樹脂73を使用している。
【0024】
このダイマージオールは、長鎖でかつ分岐構造のアルキル基を有したジオール化合物である。ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の加水分解性の結合を有する樹脂、又はこれら樹脂ブレンドに、前記ダイマージオールを2重量%ないし10重量%添加している。これは、ダイマージオールの添加量が2重量%以下では外皮樹脂の加水分解による可撓性や弾発性の低下、表面性状の劣化等、加水分解防止効果が少なくなり、ダイマージオールの添加量が10重量%以上であると軟性部としての性能が劣化するためである。
【0025】
このことにより、挿入部2の可撓管部7を構成する部材として最適な可撓性、弾発性を引き出せるポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを使用してオートクレーブ対応の内視鏡を提供することができる。
【0026】
なお、本実施形態の構成は挿入部2の可撓管部7に限定されるものではなく、光源コネクタ8と操作部3とを結ぶ軟性コード4の構成に使用するようにしてもよい。
【0027】
また、外皮樹脂73の樹脂材料をポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしたが、比較的加水分解し難い樹脂部材である、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、又はそのブレンドによって外皮樹脂73を構成することがより好ましい。
【0028】
図4を参照して撮像ユニット20の構成を説明する。
図に示すように撮像ユニット20の先端側には前記挿入部2を構成する先端構成部材11の外表面側に露出する光学窓であるサファイヤガラス製のカバーガラス22が金属製の先端カバー枠23の先端部内周面に半田、ロウ付け、溶接、溶融ガラス等によって気密的に接合されている。
【0029】
前記先端カバー枠23の基端部内周面にはセラミックスなどの絶縁材料によって形成された絶縁枠24が半田、ロウ付け、溶接、溶融ガラス等によって気密的に接合されている。
【0030】
一方、前記カバーガラス22の後端面後方にはレンズ枠25に複数のレンズや絞り等光学系を配置して構成した対物レンズ群26を組み付けた光学ユニット27が配置されている。
【0031】
前記レンズ枠25は、前記絶縁枠24の先端部内周面にピント出し調整後接着固定されるようになっており、前記絶縁枠24の基端部内周面には絞り28が接着固定されている。
【0032】
前記絶縁枠24の基端部外周には金属製の撮像枠29が半田、ロウ付け、溶接、溶融ガラス等によって気密的に接合されている。この撮像枠29の基端部内周面には前記カバーガラス22同様、サファイアガラス製のカバーガラス30が半田、ロウ付け、溶接、溶融ガラス等によって気密的に接合されている。
【0033】
前記カバーガラス30の基端面側にはレチクル等によって位置出しされた固体撮像素子31が接着固定されている。また、前記カバーガラス30の先端面側には複数のレンズ等で構成されたレンズ群32が位置出しされた状態で接着固定されている。
【0034】
前記固体撮像素子31にはIC33やコンデンサー34等の電子部品を搭載した第1基板35が電気的に接続されており、この第1基板35には複数の信号線36を半田などによって電気的に接続した第2基板37が電気的に接続されている。なお、これら信号線36,…,36はひとまとめにされて信号ケーブル38を構成している。
【0035】
前記固体撮像素子31、第1基板35、第2基板37、信号線36及び信号ケーブル38の先端部周囲には、ガスバリア性が高く、かつ絶縁性を有する第1充填封止部材であるフッ素ゴム系充填剤として例えばフルオロシリコーン樹脂を主成分とする充填剤等の非吸水性絶縁封止部材41を充填して形成した第1封止層が設けられている。
【0036】
前記非吸水性絶縁封止部材41の周囲には第2充填封止部材として、前記非吸水性絶縁封止部材41より比較的吸水性の高いエポキシ系接着剤又はシリコーン系接着等の充填封止部材42を充填して第2封止層が形成されている。さらに、この充填封止部材42の周囲には、フッ素樹脂等、蒸気透過性の低い熱収縮チューブ43が被覆してある。
【0037】
前記充填封止部材42は、オートクレーブの高温高圧蒸気が非吸水性絶縁封止部材41及び基板35,37等に触れるのを防ぐ役割、すなわち少なくとも高温高圧蒸気に直接アタックさせない役割と、撮像ユニット20の強度を確保する役割とを有している。
【0038】
上述のように構成した内視鏡1の作用を説明する。
まず、使用後の内視鏡1を、滅菌処理のため図示しないオートクレーブ滅菌装置のチャンバー内に配置する。そして、オートクレーブの滅菌前行程でチャンバー内を真空にする。
【0039】
滅菌行程時にはチャンバー内を高温高圧蒸気によって満たす。このことにより、たとえ全体を水密に構成してある内視鏡1でも、例えば図示しないOリングや接着剤部等の高分子材料で形成されている部分から高温高圧蒸気が侵入してくる。
【0040】
そして、内視鏡内部に侵入した高温高圧蒸気は、前記撮像ユニット20を構成する熱収縮チューブ43内を多少透過する。この熱収縮チューブ43を透過した高温高圧蒸気は、前記充填封止部材42に浸透し、この充填封止部材42によってある程度吸収される。このため、非吸水性絶縁封止部材41への高温高圧蒸気の侵入が阻止される。
【0041】
このように、熱収縮チューブを透過して侵入した高温高圧蒸気は、充填封止部材によってある程度吸湿されて、非吸水性絶縁封止部材への侵入が阻止されるので、この非吸水性絶縁封止部材によって覆われている固体撮像素子、基板、信号線等に高温高圧蒸気か直接的にアタックされることを防止することができる。このことにより、オートクレーブ滅菌の際、高温高圧蒸気が熱収縮チューブ、充填封止部材、非吸水性絶縁封止部材を通過して直接、固体撮像素子、基板上の電子部品、基板の配線及び基板に接続されている信号線及び半田による信号線接続部に触れて、故障したり、錆びたりすることが確実に防止される。
【0042】
また、固体撮像素子、基板上の電子部品、基板の配線及び基板に接続される信号線及び電気的接続部である半田等を第1充填封止部材及び第2充填封止部材で覆う構成であるため、撮像ユニットが大型化することを防止することができるとともに、接着強度の弱い非吸水性絶縁封止部材の周囲を十分の強度を有するエポキシ系接着剤等の第2充填封止部材で覆って補強したことにより固体撮像素子から信号ケーブルまでの強度を十分に保持することができる。
【0043】
さらに、エポキシ系接着剤等からなる充填封止部材によって補強しているので、一般的に高価な非吸水性絶縁封止部材による第1封止層を薄く構成することによって、オートクレーブ対応の撮像ユニットを安価に製造することができる。
【0044】
又、非吸水性絶縁封止部材によって絶縁を行っているので、第2充填封止部材には高い絶縁性が要求されないので、第2充填封止部材として非絶縁性、或いは、絶縁性に関わらず安価な部材を採用することによってオートクレーブ対応の撮像ユニットをさらに安価に製造することができる。
【0045】
なお、上述した実施形態においては非吸水性絶縁封止部材としてフッ素ゴム系充填剤を使用しているが、非吸水性絶縁封止部材としてはフッ素ゴム系充填剤に限定されるものではなく、絶縁性、ガスバリア性の高い、セラミックス接着剤や、セラミックス、ガラスを非吸水性絶縁部材として採用するようにしてもよい。しかし、前記セラミックス、ガラス系の無機系素材は、厚い層を形成するのが難しいため、上述したように2層構造で形成する。このことによって、封止部材を全て非吸水性部材にて形成する必要や、仮に全て非吸水性封止部材で形成することによって撮像ユニットが高価になることが防止される。
【0046】
また、非吸水性絶縁部材としてセラミックス、ガラスを使用した場合には、充填封止部材としてエポキシ系接着剤、シリコーン接着剤、さらにはフッ素ゴム系充填剤等の各種高分子材料からなる充填剤を使用することができる。
【0047】
さらに、前記非吸水性絶縁部材として吸水性が低く、ガスバリア性の高い高分子材料を使用した場合については、充填封止部材として前記非吸水性絶縁部材よりも吸水性の高い高分子材料を使用すれば本発明の効果を得られる。
【0048】
又、本実施形態においては、オートクレーブ滅菌を行う医療用内視鏡に関して記載したが、その他の蒸気滅菌を行う内視鏡や薬液に浸漬する内視鏡或いは高湿環境下で使用される例えば工業用内視鏡等に本発明の構成を用いるようにしても効果的である。
【0049】
また、本構成を内視鏡内の電子部品が配置されている部分や、半田等によって電気配線がなされている部分、例えば図示しないスイッチ部やコネクタ内の配線部等に採用するようにしてもよい。
【0050】
図5は撮像ユニットの変形例を説明する図である。
図に示すように本実施形態の撮像ユニット20Aは、固体撮像素子51と、電子部品の搭載された基板52と、この基板52を介して前記固体撮像素子51に電気的に接続される信号ケーブル53と、前記固体撮像素子51の前方に配置された複数の光学系で構成された対物レンズ群54と、この対物レンズ群54が組み付けた金属製のレンズ枠55と、このレンズ枠55を光軸方向に位置決めして保持する金属製のレンズ枠指示枠56と、前記対物レンズ群54の前方に配置されたサファイア製のカバーガラス57と、このカバーガラス57が気密的に接合される金属製の先端カバー枠58とによって構成されている。
【0051】
そして、前記カバーガラス57と先端カバー枠58との接合及び先端カバー枠58とレンズ保持枠56との接合及び固体撮像素子51の外装とレンズ枠指示枠56との接合は、半田、ロウ付け、溶接、溶融ガラス等によって気密的に接合されている。
【0052】
また、前記基板52の露出面には、ガスバリア性が高く、かつ絶縁性を有する非吸水性絶縁封止部材41としてセラミックスコーティング、シリカコーティングを使用して第1封止層を設けている。そして、その非吸水性絶縁封止部材41のコーティングの周りに前記非吸水性絶縁封止部材41よりは比較的吸水性の高いエポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤等、フッ素ゴム系充填剤等の高分子材料からなる充填封止部材42を充填して第2封止層を設けている。前記充填封止部材42の周りにはフッ素樹脂等の蒸気透過性の低い熱収縮チューブ43が被覆されている。
【0053】
このように、セラミックスコーティングやシリカコーティングを使用して肉厚の薄い第1封止層を設けることによって撮像ユニットの細径化を図ることができる。その他の構成及び作用・効果は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0054】
なお、本実施形態においては非吸水性絶縁封止部材としてセラミックスコーティング、シリカコーティングを使用しているが、これらのコーティングと同様に絶縁性及びガスバリア性の高いポリパラキシリレン樹脂やフッ素樹脂等によるコーティングを使用するようにしてもよい。これら樹脂部材は、一般に充填剤として使用されるエポキシ系接着剤やシリコーン系接着剤、フッ素ゴム系充填剤等より明らかにガスバリア性が高く、吸水性が低い。
【0055】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0056】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0057】
(1)対物レンズと、この対物レンズを通過した結像した被写体像を受光する固体撮像素子と、この固体撮像素子に電気的に接続される基板と、この基板に配線される信号線と、この信号線を東ねて形成した信号ケーブルとによって構成される撮像ユニットを備え、
この撮像ユニットの少なくとも前記基板を含む一部を充填封止部材によって形成した封止層によって封止した内視鏡において、
前記封止層を、前記基板側に設ける第1充填封止部材によって形成される第1封止層と、この第1封止層の外側に設ける第2充填封止部材によって形成される第2封止層とで形成し、
前記第1封止層を形成する第1充填封止部材を、前記第2封止層を形成する第2充填封止部材より吸水性の低い非吸水性絶縁封止部材で形成した内視鏡。
【0058】
(2)前記非吸水性絶縁封止部材は、セラミックス若しくはガラスからなり、前記第2充填封止部材は高分子材料からなる付記1記載の内視鏡。
【0059】
(3)前記非吸水性絶縁封止部材は、セラミックスコーティング若しくはシリカコーティングである付記1又は付記2記載の内視鏡。
【0060】
(4)前記非吸水性絶縁封止部材は、セラミックス接着剤である付記1又は付記2記載の内視鏡。
【0061】
(5)前記高分子材料は、接着剤又は充填剤である付記2記載の内視鏡。
【0062】
(6)前記接着剤は、エポキシ系接着剤又はシリコーン系接着剤であり、前記充填剤はエポキシ系充填剤又はシリコーン系充填剤の少なくとも1つである付記5記載の内視鏡。
【0063】
(7)前記第2充填封止部材は高分子材料からなり、前記非吸水性絶縁封止部材は前記高分子材料より吸水性の低い高分子材料である付記1記載の内視鏡。
【0064】
(8)前記非吸水性絶縁封止部材は、ポリパラキシレン樹脂若しくはフッ素樹脂であり、前記第2充填封止部材はこの非吸水性絶縁封止部材より吸水性の高い高分子材料である付記7記載の内視鏡。
【0065】
(9)前記第2充填封止部材は、エポキシ系接着剤,エポキシ系充填剤,シリコーン系接着剤,シリコーン系充填剤,フッ素系接着剤又はフッ素系充填剤の少なくとも1つである付記8記載の内視鏡。
【0066】
(10)前記非吸水性絶縁封止部材は、フッ素系接着剤若しくはフッ素系接着剤であり、前記充填封止部材はこの非吸水性絶縁封止部材より吸水性の高い高分子材料である付記7記載の内視鏡。
【0067】
(11)前記充填封止部材は、エポキシ系接着剤,エポキシ系充填剤,シリコーン系接着剤,又はシリコーン系充填剤少なくとも1つである付記10記載の内視鏡。
【0068】
(12)挿入部に軟性部を有し、この軟性部の外皮樹脂として加水分解性の結合を有する樹脂を使用した内視鏡において、
前記外皮樹脂にダイマージオールを添加した内視鏡。
【0069】
(13)前記ダイマージオールは、長鎖でかつ分岐構造のアルキル基を有するジオール化合物である付記12記載の内視鏡。
【0070】
(14)前記軟性部の外皮樹脂に、前記ダイマージオールを2重量%ないし10重量%添加した付記12記載の内視鏡。
【0071】
(15)前記軟性部の外皮樹脂は、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、若しくはポリアミド系熱可塑性エラストマーである付記12記載の内視鏡。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、撮像ユニットを長大化させることなく、オートクレーブ滅菌耐性を備えた内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図4は本発明の一実施形態に係り、図1は
内視鏡の概略構成を示す説明図
【図2】挿入部の先端側部の構成を説明する断面図
【図3】挿入部を構成する可撓管部を説明する断面図
【図4】撮像ユニットの構成を説明する断面図
【図5】撮像ユニットの変形例を説明する図
【符号の説明】
20…撮像ユニット
22…カバーガラス
23…先端カバー枠
24…絶縁枠
27…光学ユニット
29…撮像枠
31…固体撮像素子
35…第1基板
36…信号線
37…第2基板
38…信号ケーブル
41…非吸水性絶縁封止部材
42…充填封止部材
43…熱収縮チューブ
Claims (3)
- 対物レンズと、この対物レンズを通過して結像する被写体像を受光する固体撮像素子と、この固体撮像素子が基端面側に位置出し固定されたカバーガラスと、このカバーガラスが気密的に接合された撮像枠と、この固体撮像素子に電気的に接続される電子部品を搭載した基板と、この基板に配線される信号線と、この信号線を束ねて形成した信号ケーブルと、前記撮像枠に一端部側が固定され、他端部側が前記信号ケーブルに固定されることによって前記固体撮像素子、前記基板、および前記信号線の先端部を被覆する熱収縮チューブと、この熱収縮チューブ内に充填される封止部材とで構成される撮像ユニットを備える、高温高圧蒸気滅菌を実施する内視鏡において、
前記熱収縮チューブ内に、
前記固体撮像素子、前記基板、前記信号線の先端部、及び前記信号ケーブルの先端部の周囲を覆って第1封止層を形成する、非吸水性絶縁封止部材である第1充填封止部材と、
前記第1封止層の周囲を覆って第2封止層を形成する、その周囲が前記熱収縮チューブによって覆われる、非吸水性絶縁封止部材に比べて吸水性の高い、第2充填封止部材と、
を充填し、
前記第1充填封止部材がフッ素ゴム系充填剤であり、前記第2充填封止部材がエポキシ系樹脂、又はシリコーン系接着剤であって、
前記第2充填封止部材は、前記固体撮像素子、前記基板、前記信号線の先端部、及び前記信号ケーブルの先端部に高温高圧水蒸気が直接的に接触することを防止する機能と、撮像ユニットの強度を確保する機能とを兼ねることを特徴とする内視鏡。 - 前記第1充填封止部材は、フッ素ゴム系充填剤、セラミックス接着剤、セラミックスまたはガラスであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記第1充填封止部材が、セラミックス、ガラスであるとき、前記第2充填封止部材は、エポキシ系接着剤、シリコーン接着剤、フッ素ゴム系充填剤等の高分子材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡。
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