JP3811335B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ユニットを支持する光学ユニット支持枠の一端に気密光学カバー部材を接合して、オートクレーブ滅菌の際の水蒸気の侵入を防止した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔内等に挿入することによって体腔内の深部等を観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治療処置等を行なうことのできる内視鏡が医療分野において広く用いられるようになった。
【0003】
医療用内視鏡の場合、使用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが感染症等を防止するために必要不可欠になる。
【0004】
従来では、この消毒滅菌処理はエチレンオキサイド等のガスや消毒液に頼っていたが、周知のように滅菌ガス類は猛毒であるため、滅菌作業は、安全確保の為に細心の注意が必要となり、作業効率が悪い。
【0005】
また、滅菌後に機器に付着したガスを取り除く為のエアレーションに時間がかかる為、滅菌後すぐに使用できないという問題点がある。また、ガスが与える環境への悪影響が問題視されている。さらに、ランニングコストが高いという問題点がある。
【0006】
また、消毒液の場合は消毒液の管理が煩雑であり、消毒液の廃棄処理に多大な費用が必要となる欠点がある。
【0007】
そこで、最近では、煩雑な作業を伴わず、滅菌後にすぐに使用でき、しかもランニングコストの安いオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡機器では主流になりつつある。オートクレーブ滅菌は0.2MPa程度の高圧下で高温(約115℃〜135℃)の水蒸気を被滅菌物に浸透させて、滅菌するものである。
【0008】
しかしながら、高圧水蒸気はほとんどの高分子材料(樹脂やゴム、樹脂接着剤)を透過してしまう。
【0009】
このため、内視鏡内部にオートクレーブ滅菌による水蒸気が侵入し、さらにレンズ系の接着剤を透過した水蒸気がレンズ系内部に侵入して、レンズ面に水滴が残ったり、レンズやレンズ接合用の接着剤が劣化して視野を妨げてしまうおそれがある。
【0010】
従来、一般に用いられる接着剤であるエポキシ樹脂は高温の水蒸気によって劣化するため、接着剤が剥離してしまうことにより、レンズ系内部に水蒸気が侵入しやすくなることが懸念される。
【0011】
また、オートクレーブ滅菌は高温になる為、各材質の熱膨張率の違いにより部品間に応力がかかる為、接着剤が剥離することによるレンズ系内部への水蒸気の侵入も懸念される。
【0012】
そこで従来、接着剤による接合の代わりにレンズ系内部を半田付けにより気密にした技術が用いられている。
【0013】
例えば硬性鏡では、特開平10−234649号公報に示されているように、先端にカバーガラスを気密に組み付けた挿入部内の内筒内に、対物光学系を挿入して組付けることでレンズのくもりやレンズの劣化、接着剤の劣化を防いでいる。
【0014】
この場合、対物レンズ群は固体撮像素子に対してピント出しされた状態で対物レンズ群を保持する枠体に固定され、このピント出しされた対物光学系全体(対物レンズ群、対物レンズ群保持枠、固体撮像素子)が内筒内に挿入される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−234649号公報では、先端にカバーガラスを気密に組み付けた内筒内に、ピント出しした対物光学系を挿入し、さらに内筒の基端側にハーメチックコネクタを気密に組み付けて、対物レンズ群、固体撮像素子を含む対物光学系全てを気密にパッケージしている為、気密のパッケージの大きさが必然的に大きくなってしまう。
【0016】
このような構成は、対物光学系の気密パッケージを長くすることができる硬性鏡であれば採用可能だが、対物光学系の気密パッケージ部を湾曲部より先端に収納する必要がある湾曲付きスコープには採用し難い。つまり、この硬性を湾曲付き内視鏡に採用すると、湾曲部より先端の先端硬質長が長くなり、患者への負担が大きくなってしまう、という問題がある。
【0017】
従って、本発明の目的は、組立時にピント合わせが必要な光学ユニットの少なくとも一端を密閉する構成を取ることにより、オートクレーブ滅菌を行っても光学部材に曇りや劣化が発生せず、且つ光学ユニット配置部(例えば湾曲付き内視鏡の先端部)を小さく形成することができる組立性の良い内視鏡を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1の内視鏡は、挿入部を有する内視鏡において、少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットを光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠を備える枠体群と、前記光学ユニットの一端を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合されて、前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、を具備することを特徴とする。
【0019】
また、本発明による第2の内視鏡は、挿入部を有する内視鏡において、少なくとも一つの光学部材を保持するレンズ枠と、前記レンズ枠を光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、前記レンズ枠の一端を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合されて、前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、を具備することを特徴とする。
【0020】
また、本発明による第3の内視鏡は、挿入部を有する内視鏡において、少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットを光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、前記光学ユニットと前記光学ユニット支持枠と当該光学ユニット支持枠に対して気密に接合された後端気密カバー部材とで形成される内部空間と外部とを連通する開口部から前記光学ユニットの一端部が突出するように前記光学ユニット前記内部空間に保持する前記光学ユニットと前記光学ユニット支持枠と後端気密カバー部材とで形成される枠体と、前記開口部から突出した前記光学ユニットの一端部を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合され、前記枠体に保持された前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、を有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態について説明する。
<第1実施の形態>
(構成)
図1〜図10に本発明による第1実施の形態を示す。図1には内視鏡の全体概略図が示されている。
【0022】
図1に示すように、内視鏡本体1の先端部には、体内に挿入する軟性の挿入部2を有し、挿入部2には先端部3と湾曲部4とが備えられている。また、挿入部2の基端部には操作部5が設けられており、操作部5には湾曲部4を遠隔操作するアングルレバー6が備えられている。
【0023】
また、内視鏡本体1には、図示しない光源装置に接続するコネクター7やビデオシステムセンターに接続するコネクター8を有し、コネクター7,8と操作部5とが軟性コード9を介して接続されている。
【0024】
コネクター7には、内視鏡本体1の内部空間と連通し、図示しないアダプターによる開閉操作可能な開閉弁10が設けられている。この場合、開閉弁10は内視鏡本体1の内部空間が外部の圧力より、所定圧力以上高くなると連通する逆止弁構造を有していても良く、また、開閉弁10に、図示しない逆止弁アダプターが組み付けられるようになっていても良い。
【0025】
これら開閉弁10の構成により、オートクレーブ滅菌前行程等でチャンバー内が真空に引かれても、内視鏡の湾曲部4の湾曲ゴム35(図2参照)等、内視鏡の隔壁の中で柔軟な部分が破裂するのが防止される。
【0026】
尚、コネクター8には電気接点部を水密にすることの出来る防水キャップ11を組み付けることが出来る。
内視鏡本体1は、水が内視鏡本体1の内部に侵入しない水密構造を有している。
【0027】
又、図2に挿入部2の先端部3付近の断面図を示す。
先端部3の先端構成部材29には撮像ユニット12及び、ライトガイドファイバ30が組み付けられており、ライトガイドファイバ30の先端には照明レンズ37が配置されている。
【0028】
先端構成部材の外周には先端カバー部材31が組み付けられており、その後方には湾曲部4を構成する複数の湾曲駒32がリベット33によって接続されて組み付けられている。さらに、複数の湾曲駒32の外周には、金属製の網状管34及び湾曲ゴム35が被覆されている。
【0029】
尚、前記撮像ユニット12の硬質部36は、先端側から一つ目のリベット33より先端側、つまり先端硬質長の内部に配置されている。
【0030】
また、図3に撮像ユニット12の断面を示す。
撮像ユニット12の先端には、挿入部2の外表面に露出する光学窓であるサファイヤを用いたカバーガラス13が設けられており、金属製の先端カバー枠14に気密状態で接合されている。尚、先端カバー枠14とカバーガラス13とで先端気密光学カバー部材38が構成されている(図5(a)参照)。
【0031】
先端カバー枠14の表面には下の層にニッケル、最外層に金の電気めっき処理を施している。カバーガラス13の後部には、レンズ枠16に対物レンズ群15が組み付けられた光学ユニットが配置されている。
【0032】
レンズ枠16は、このレンズ枠16を光軸方向に位置決めして保持するセラミックスなどによる絶縁材料を用いた、光学ユニット支持枠としての絶縁枠17に接着固定されている。絶縁枠17のセラミックスは、窒化アルミ、サイアロン、ブラックアルミナなどが使用されている。また、絶縁枠16には絞り22が接着固定されている。
【0033】
撮像手段である固体撮像素子18は、サファイヤを用いたカバーガラス19にレチクル等によって位置出しされて接着固定されている。また、カバーガラス19の他の面にはレンズ群21が位置出しされて接着固定されている。カバーガラス19は金属によって設けられた枠20に嵌合し、気密に接合されている。尚、このカバーガラス19と枠20とで、後端気密光学カバー部材39が構成されている(図5(b)参照)。
【0034】
また、枠20の他端は絶縁枠17に嵌合し、気密状態で接合されている。枠20の表面には下の層にニッケル、最外層に金の電気めっき処理を施している。
【0035】
固体撮像素子18は基板23を介してケーブル24に半田等によって電気的に接続されている。基板23にはICやコンデンサーなどが組付けられており、絶縁性を有する接着剤によって封止されている。
【0036】
固体撮像素子18の外側にはシールド枠25が枠20に接着若しくは溶接によって組付けられている。シールド枠25と固体撮像素子18との間は、水蒸気透過性の低いシール剤若しくはポッティング剤(例えばフッ素ゴム系のシール剤或いはポッティング剤)によって充填されている。
【0037】
(作用)
次に図4〜図10を用いて内視鏡の組み立て手順について説明する。
図4(a)にカバーガラス13単体の外観図を、同図(b)にカバーガラス19単体の外観図を示す。
【0038】
カバーガラス13,19の外周面26にはともに表面処理(メタルコート)が施されている。カバーガラス13,19はここではサファイヤを用いているが、耐熱性、耐水蒸気性が高い材質であればガラスであっても良い。
【0039】
メタルコートは、メタライズ層として最下層に設けたクロム層と、中間層である2層目として設けたニッケル層と、最上層を形成する金属とによって構成されている。各層は、真空中でも蒸着やスパッタリング、或いはめっきによって施されている。
【0040】
次に、図5を参照しながら先端気密光学カバー部材38の組み立て手順について説明する。
先端カバー枠14にカバーガラス13を落とし込み、カバーガラス13が嵌合している先端カバー枠14の外周面に(矢印A方向より)レーザーを照射する。レーザー装置は低出力での微調整が可能なYAGレーザーが好ましい。
【0041】
レーザーによってカバーガラス13の外周面26の金と先端カバー枠14の内面の最外層の金とをそれぞれ溶融させた後、冷却させることで結合させる。
【0042】
このレーザー照射を先端カバー枠14の全周に行う。パルス波のレーザーで照射する場合は、隣のパルスとの重ね合わせを80%以上取ることで、確実な気密性を確保することが出来る。このようにして、先端気密光学カバー部材38を組み立てる。
【0043】
同様に枠20とカバーガラス19を矢印Bの位置で気密に接合し、後端気密光学カバー部材39を組み立てる。
【0044】
次に、図6に示すように、カバーガラス19の背面と、基板23やケーブル24が組付く固体撮像素子18とを透光性の接着剤によって空気層のないように貼り合わせて位置出して接着する。その後、図8に示すように、カバーガラス19の前面にレンズ群21を位置出して接着し、さらに、その後、絶縁枠17と枠20を気密接合する。
【0045】
上記透光性の接着剤は、オートクレーブ滅菌を行った際、少なくとも剥離等、大きな劣化の発生しない接着剤である。また、この接着部分は、内視鏡内部であるため水蒸気のアタックが少なく、かつカバーガラス19と固体撮像素子18の撮像面に配置された光学部材との貼り合わせ、つまり光学部材同士の貼り合わせであるため、貼り合わせ面を構成する部材同士の熱膨張率の差が小さいので、例えばカバーガラス13と金属製の先端カバー枠14とを接着固定した場合に比べて接着剤が剥離する可能性は低い。
【0046】
図7に絶縁枠17の半断面図を示す。絶縁枠17の、先端カバー枠14と嵌合する外周面27、及び枠20と勘合する外周面28には、表面処理(メタルコート)が施されており、また、外周面27と外周面28との間は、導電性を有する材質での表面処理は施されていない。内周面も同様である。よって、外周面27に嵌合、組付け後の先端カバー枠14と、外周面28に嵌合組付け後の枠20は電気的に絶縁されている。
【0047】
外周面27,28の表面処理は、下層のニッケル層と上層の金属とによって構成されている。
【0048】
図8に示すように、上記絶縁枠17を枠20に嵌合した後、組付けし、枠20の外周面に(矢印C方向より)レーザーを照射する。レーザー装置は低出力での微調整が可能なYAGレーザーが好ましい。レーザーによって絶縁枠17の外周面28の金と枠20の最外層の金がそれぞれ溶融した後、冷却することで結合する。このレーザー照射を枠20の全周に行う。パルス波のレーザーで照射する場合は、隣のパルスとの重ね合わせを80%以上取ることで、確実な気密性を確保することが出来る。
【0049】
この接合において、接合部は高温(1000℃以上)になるが、局部的、且つ瞬時である為、絶縁枠内に接着固定された絞り22や、この接着部分への影響は無い。
【0050】
次に、図9に示すように、絶縁枠17の先端開口部に対物レンズ群15が組み付けられたレンズ枠16を嵌合挿入し、レンズ枠16を光軸方向に位置調整してピント出しを行った後、絶縁枠17とレンズ枠16とを接着固定する。ここでは、レンズ枠16と対物レンズ群15によって光学ユニットを構成している。
【0051】
その後、対物レンズ群15を覆う様にしてカバーガラス13と先端カバー枠14とによって構成された先端気密光学カバー部材38を、図10に示すように絶縁枠17に嵌合した後、組付けして、気密接合を行う。
【0052】
先端カバー枠14の外周面に(矢印D方向より)レーザーを照射する。レーザー装置は低出力での微調整が可能なYAGレーザーが好ましい。レーザーによって絶縁枠17の外周面27の金と先端カバー枠14の最外層の金がそれぞれ溶融した後、冷却することで結合する。このレーザー照射を先端カバー枠14の全周に行う。パルス波のレーザーで照射する場合は、隣のパルスとの重ね合わせを80%以上取ることで、確実な気密性を確保することが出来る。
【0053】
この接合において、接合部は高温(1000℃以上)になるが、局部的、且つ瞬時である為、レンズ枠16との接着部分や対物レンズ群15への影響は無い。
【0054】
以上の構成により、後端気密光学カバー部材39と先端気密光学カバー部材38とを絶縁枠17を介して気密接合し、その内部に対物レンズ群15を内蔵した気密対物レンズユニット100が形成される。
【0055】
尚、本組立作業を窒素ガス等のドライ不活性ガス雰囲気中で行うことにより、又はレンズユニット内部をドライ不活性ガスに置換することにより、より確実にレンズの曇りを防止することが可能となる。
【0056】
このようにして、所定に組み上げられた内視鏡は医療用として使用され、使用後、滅菌の為オートクレーブ滅菌装置のチャンバー内に配置される。
【0057】
オートクレーブの滅菌前行程では、チャンバー内を真空にする。滅菌行程時には、チャンバー内は高温高圧水蒸気によって満たされ、内視鏡内部にも高温高圧水蒸気が侵入して湿度が高くなる。例え全体を水密に構成している内視鏡であっても、例えば接着剤等の高分子材料により構成されている部分から蒸気が侵入する。乾燥行程時には、チャンバー内は真空となり、多少は内視鏡内部も乾燥されるが完全ではない。
【0058】
しかし、気密対物レンズユニット100は、各接合部分が気密接合されているため、オートクレーブ滅菌を繰り返し行っても、気密対物レンズユニット100内に水蒸気が侵入することがない。
【0059】
(効果)
このように本実施の形態によれば、先端気密光学カバー部材38を設けることにより、内視鏡外表面に露出している、オートクレーブの水蒸気のアタックが激しい撮像ユニット12の先端側をカバーすることができ、対物レンズ群15が高温水蒸気によって劣化することが無く、且つ水蒸気の侵入により生じる結露によって曇ることが無く、繰り返しオートクレーブ滅菌を行うことができる。
【0060】
また、組立時にピント合わせが必要な対物レンズの先端側を、先端気密光学カバー部材38によって密閉することにより、コンパクトな構成で対物レンズ群15への蒸気の侵入を防ぐことができ、湾曲付き内視鏡であっても先端部を小さく、先端硬質長も短く形成することができる。
【0061】
さらに、後端気密光学カバー部材39を設けることにより、オートクレーブによって内視鏡内部に侵入した水蒸気が対物レンズ群15まで侵入することも無くなる。
【0062】
この場合、気密対物レンズユニット100の内部にはほとんど水蒸気が存在しない(ドライ不活性ガスに置換されている)為、急冷を行ってもくもりが発生しない。
【0063】
また、本実施形態であれば、ピント合わせ時は接着を用いることができるため、容易にピント調整位置でレンズ枠16を固定することができる。その後、気密光学カバー部材38,39を被せて気密に密閉する最終工程ではフラックスの必要のないレーザーを用いるため、最終工程にて気密対物レンズユニット100内にフラックスが入る等の問題が発生することがない。つまり、本実施形態であれば組み立て性の良い気密対物レンズユニット100を提供することができる。
【0064】
(変形例)
本実施の形態では、レーザー加熱による金の溶融によって気密接合を行っているが、その他の金属溶接や、溶融ガラス等によって気密接合を行っても良い。金属溶接の種類としては、レーザー溶接、電子ビーム溶接等に代表される融接、抵抗溶接に代表される圧接、ろう付け、半田付け等のろう接などがあり、これらの接合手段であれば気密接合が可能である。
【0065】
先端カバー枠14とカバーガラス13との接合は、上述したような気密接合が好ましいが、接着であっても、レンズ枠16と絶縁枠17の接合、レンズ枠16と対物レンズ群15の最先端レンズの接合よりも、先端カバー枠14とカバーガラス13の接合の方がより気密性の高い接合がなされていれば、先端気密光学カバー部材38による気密性を確保する効果が得られる。
【0066】
また、本実施の形態では、対物レンズ群15より基端側に位置するカバーガラス19と枠20、及び、枠20と絶縁枠17とが、各々気密接合されているが、これらの接合部分は内視鏡内部に位置しており、オートクレーブの水蒸気のアタックが少ない為、接着等であっても、先端気密光学カバー部材38の効果により、ほとんど対物レンズ群15まで蒸気が侵入することはなく、視野不良は発生しない。
【0067】
尚、本実施の形態では、オートクレーブ滅菌を行う医療用内視鏡に関して説明したが、本実施形態による内視鏡は、その他蒸気滅菌を行う内視鏡、薬液に浸漬する内視鏡、高湿環境下で使用される例えば工業用内視鏡等に採用することも可能である。
【0068】
また、本実施の形態は、対物レンズ部以外に、内視鏡装置の各種レンズ系、例えばファイバースコープの接眼レンズ、接眼部に取りつけるカメラヘッドの光学系等にも採用可能であり、本構成を採用したレンズユニットは蒸気の侵入を阻止し、且つコンパクトに構成することができる。もちろん、撮像手段としてリレーレンズを利用した硬性鏡にも採用可能である。
【0069】
<第2実施の形態>
(構成)
図11、図12に本発明による第2実施の形態を示す。図11に撮像ユニット40の断面図を示す。この撮像ユニット40は、第1実施の形態で示した撮像ユニット12の変形例であり、絶縁枠を有さない撮像ユニットの構成である。
【0070】
撮像ユニット40は、固体撮像素子41と、電子部品の配置された基板42と、基板42を介して固体撮像素子41と電気的に接続されているケーブル43と、固体撮像素子41の前方に配置された対物レンズ群44と、対物レンズ群44が組み付けられたレンズ枠45と、このレンズ枠45を光軸方向に位置決めして保持する金属製の光学ユニット支持枠としてのレンズ枠支持枠46と、対物レンズ群44前方に配置されたサファイア製のカバーガラス47と、カバーガラス47に気密に接合された金属製の先端カバー枠48とによって構成されている。
【0071】
尚、カバーガラス47と金属性の先端カバー枠48とは、ろう付け、半田付けによって気密に接合されて、先端気密光学カバー部材49を構成している(図12参照)。ろう付け、半田付け時にフラックスを用いた場合は、先端気密光学カバー部材49の状態でフラックスを充分洗浄除去する。
【0072】
カバーガラス47外周には最外層を金属化する為の第1実施の形態に示したような表面処理(メタルコート)が施されている。
【0073】
また、先端カバー枠48は、ろう付け半田付けを行い易くする為に、金メッキ又はニッケルメッキ又は錫メッキ等のメッキ処理が施されている。
【0074】
又、カバーガラス47と金属性の先端カバー枠48との気密接合方法は、ろう付け、半田付け以外に、第1実施の形態と同様のレーザーによる接合方法や、溶融ガラスによる接合でも良い。
【0075】
尚、本実施の形態においては固体撮像素子41の外装とレンズ枠支持枠46も、半田、ろう付け、溶接、溶融ガラス等によって気密に接合されている。その際、固体撮像素子41の外装が非金属である場合、カバーガラス47の外周と同様、表面処理(メタルコート)を行っても良い。
【0076】
さらに、固体撮像素子41、基板42の周りは水蒸気透過性の低い充填剤54によって充填されており、さらにその周りにはフッ素樹脂等の水蒸気透過性の低い熱収縮チューブ55が被覆されている。この構成により、固体撮像素子41、基板42がオートクレーブの水蒸気によって破壊されるのを防止することができる。
【0077】
(作用)
次に本実施の形態による内視鏡の組立手順について説明する。
先ず、固体撮像素子41の外装とレンズ枠支持枠46とを気密に接合する。その後、対物レンズ群44が予め組み付けられているレンズ枠45を、レンズ枠支持枠46内で光軸方向に位置調整してピント調整を行い、ピントが合った所でレンズ枠45とレンズ枠支持枠46とを接着により固定する。
【0078】
その後、カバーガラス47と先端カバー枠48とにより構成される先端気密光学カバー部材49を対物レンズ群44の先端側を覆うように被せ、先端カバー枠48の開口側をレンズ枠支持枠46に気密に接合する。
【0079】
尚、先端カバー枠48とレンズ枠支持枠46とは両部材とも金属である為、気密接合方法としてはレーザー溶接が最適である。レーザー溶接であれば局所的な加熱である為、既に組み付けられている固体撮像素子41等が破壊されることもない。
【0080】
また、気密に密閉する最終工程でフラックスを用いずに気密接合することができるというメリットがある。
【0081】
また、レーザー溶接を行う場合、矢印Eの方向から全周レーザー照射を行う。
【0082】
このようにして、対物レンズ群44を気密に密閉した気密パッケージ101が形成される。
【0083】
本実施の形態によれば、第1実施の形態と同様、撮像ユニット40を使用した内視鏡を、オートクレーブ滅菌に繰り返しかけても、対物レンズ群44を収納した気密パッケージ101内に水蒸気が侵入することがない。
【0084】
(効果)
第1実施の形態よりも更に小型の、対物レンズ群44を収納した気密パッケージ101を形成することができる。
【0085】
(変形例)
本実施の形態では、対物レンズ群44より基端側に位置する固体撮像素子41とレンズ枠支持枠46とが気密接合されているが、この接合部分は内視鏡内部に位置しており、オートクレーブの水蒸気のアタックが少ない為、接着等によってある程度のレベルでシールされていれば、先端気密光学カバー部材49の効果により、ほとんどの対物レンズ群44まで蒸気が侵入することはなく、視野不良は発生しない。
【0086】
なお、本実施形態では先端カバー枠48とレンズ枠支持枠46とは、レーザー溶接によって気密接合されているが、この接合部は内視鏡内部であり、かつ先端カバー枠48とレンズ枠支持枠46とが金属部品同士、好ましくは同材質同士で熱膨張率の差がほとんどないため、さらにこの接合部はカバーガラス47と先端カバー枠48との嵌合部よりも嵌合長も長く取ることができるため、接着剤等によってある程度のレベルにシールされていれば接着剤が剥離することもなく、先端気密カバー部材49の効果によってほとんど対物レンズ群まで蒸気が侵入することはない。それに対し、先端気密光学カバー部材49を形成しているカバーガラス47と先端カバー枠48との接合部は、オートクレーブ滅菌の蒸気の影響を直接受け、かつ光学部材と金属との接合部であるため、ろう付け、半田付け等によって確実に気密接合されていることが好ましい。
【0087】
<第3実施の形態>
(構成)
図13に本発明による第3実施の形態を示す。
本実施の形態は、第2実施の形態の変形例であり、固体撮像素子41はレンズ枠支持枠46に気密接合されておらず、レンズ枠支持枠46内に挿入されて固定されている。
【0088】
また、レンズ枠支持枠46は基端側に延出しており、固体撮像素子41、基板42の外周をカバーしている。さらに、レンズ枠支持枠46の基端部にはハーメチックコネクタ50が気密に接合されている。
【0089】
ハーメチックコネクタ50は、金属性のハーメチックコネクタ本体51と、ハーメチックコネクタ先端側と基端側を電気的接続する為の接点ピン52と、接点ピン52をハーメチックコネクタ本体51から絶縁して、且つ気密に保持する為の絶縁封止部53とからなり、ハーメチックコネクタ50の先端側と基端側を気密に仕切りつつ、固体撮像素子41、基板42と、ケーブル43とを電気的に接続している。尚、絶縁封止部53は、ガラス等によって構成されている。
その他、先端側の構造は第2実施の形態と同じである。
【0090】
以上の結果、先端気密光学カバー部材49と、レンズ枠支持枠46と、ハーメチックコネクタ50とによって、対物レンズ群44のみならず、固体撮像素子41、電子部品の配置された基板42をも気密に密閉し、気密パッケージ102が形成される。
【0091】
(作用)
上記構成によれば、第2実施の形態よりもさらに高いレベルで固体撮像素子41、基板42上の電子部品を、オートクレーブの水蒸気から保護することができ、これらの素子、部品の長寿命化が図れる。また、基板42上の配線が錆によって劣化することもない。
【0092】
その結果、第1実施の形態と同様に、本実施の形態の撮像ユニットを使用した内視鏡を、オートクレーブ滅菌に繰り返しかけても、対物レンズ群44及び固体撮像素子41、基板42を収納した気密パッケージ102内に水蒸気が侵入することがない。
【0093】
(効果)
本実施の形態によれば、第1、第2実施の形態の効果に加えて、第1、第2実施の形態よりもさらに高いレベルで固体撮像素子41、基板42上の電子部品をオートクレーブの水蒸気から保護することができ、これらの素子、部品の長寿命化を実現することができる。さらに、基板42上の配線が錆によって劣化することもなく、高い信頼性を得ることができる。
【0094】
(変形例)
レンズ枠支持枠46は、組み立て性を考慮して、例えば固体撮像素子41の固定部付近等で、2体以上に分割した構成としても良い。その場合、複数に分割したレンズ枠支持枠46の各接合部はレーザー溶接、半田等により気密接合を行う。
【0095】
<第4実施の形態>
(構成)
図14に本発明による第4実施の形態における撮像ユニット56を示す。本実施の形態では、撮像ユニット56の撮像手段、つまり画像入力手段及び画像伝送手段として、固体撮像素子及びケーブルではなく、イメージガイドファイバー57を使用している。
【0096】
イメージガイドファイバー57の先端には、第1の対物レンズ58が透光性の接着剤により貼付されており、さらにイメージガイドファイバー57の外周には、光学ユニット支持枠としてのファイバー枠59が溶融ガラス等によって気密状態で接合されている。
【0097】
ファイバー枠59の先端側には、レンズ枠61が嵌合挿入されており、このレンズ枠61に第2の対物レンズ60が組み付けられている。尚、レンズ枠61はファイバ枠59に対して、光軸方向に位置調整し、ピントが合ったところで接着固定されている。
【0098】
さらにファイバー枠59の先端部付近には、カバーガラス62と、このカバーガラス62に対して気密状態で接合された先端カバー枠63とによって構成される先端気密光学カバー部材64が、第2の対物レンズ60の前方を覆うように気密状態で接合されている。
【0099】
気密接合方法としては、第1実施の形態〜第3実施の形態において説明した各種接合方法を採用することができる。
【0100】
尚、ファイバー枠59の後端には蒸気透過性の低い、例えばフッ素系樹脂等からなる外装チューブ65が被覆されている。
【0101】
(作用)
本実施の形態では、第1実施の形態と同様に、本実施の形態の撮像ユニットを使用した内視鏡を、オートクレーブ滅菌に繰り返しかけても、第1、第2の対物レンズ58,60にまで水蒸気が侵入することがない。
【0102】
(効果)
イメージガイドファイバー57を使用したファイバースコープであっても、第1、第2実施の形態と同様、オートクレーブ滅菌を繰り返し行っても、水蒸気の侵入が無く、対物レンズ58,60が曇らず、劣化しないという効果が得られる。尚、イメージガイドファイバー57の外周とファイバー枠59の接合部は内視鏡内部に位置している為、接着であってもほとんど対物レンズ58,60まで蒸気が侵入することはなく、視野不良は発生しない。
【0103】
<第5実施の形態>
(構成)
図15に本発明による第5実施の形態を示す。本実施の形態は、第4実施の形態の変形例であり、ファイバー口金67内に挿入されたイメージガイドファイバー57の先端に第1の対物レンズ58が透光性の接着剤によって空気層が無く貼付されており、第1の対物レンズ58の外周に、光学ユニット支持枠としてのレンズ枠66が気密状態で接合されている。
【0104】
さらに、レンズ枠66の先端側には、光学ユニットを構成する第2の対物レンズ60が直接嵌合した状態で挿入されている。第2の対物レンズ60は、レンズ枠66に対して、光軸方向に位置調整し、ピントが合ったところでレンズ枠66に接着固定されている。
【0105】
先端気密光学カバー部材64の先端カバー枠63はレンズ枠66の突起部と突き当たり、この部分でレーザーによって気密接合されている。このとき、カバーガラス62と第2の対物レンズ60とは、所定間隙を有して対峙された、非接触状態にある。
【0106】
(作用)
本実施の形態では、第1実施の形態と同様に、撮像ユニットを使用した内視鏡を、オートクレーブ滅菌に繰り返しかけても、第2の対物レンズ60及び第1の対物レンズ58先端面にまで水蒸気が侵入することが無い。
【0107】
また、イメージガイドファイバー57の先端に第1の対物レンズ58の後端面が透光性の接着剤により空気層が無く貼り付けられている為、この面が蒸気で曇ることも無い。
【0108】
(効果)
本実施の形態によれば、第4実施の形態の効果に加え、さらに第4実施の形態のレンズ枠61が不要となる。また、イメージガイドファイバー57の外周とレンズ枠66とを気密状態で接合する必要が無い。
【0109】
<第6実施の形態>
(構成)
図16に本発明による第6実施の形態を示す。本実施の形態は、第4実施の形態の変形例であり、レンズ枠68内の先端部付近に第2の対物レンズ60が固定され、レンズ枠68内の後端部側には、先端に第1の対物レンズ58を透光性の接着剤によって貼付したイメージガイドファイバー57が挿入されている。
【0110】
イメージガイドファイバー57及びまたは第1の対物レンズ58は、レンズ枠68に対し、第1の対物レンズ58のピントが合わせられた位置で接着剤等により接合固定されている。
【0111】
イメージガイドファイバー57の先端部付近は硬質に形成されており、その一部の外周にはファイバー枠69が気密状態で固定されている。ファイバー枠69の先端部付近には、カバーガラス62と先端カバー枠63とよりなる先端気密光学カバー部材64が気密状態で接合されている。
【0112】
従って、本実施の形態におけるファイバー枠69は、第2の対物レンズ60及びレンズ枠68とに対して光軸方向に相対位置調整可能な状態にある。
【0113】
この場合、本実施の形態では、第2の対物レンズ60とレンズ枠68とにより光学ユニットを構成し、この光学ユニットに対してファイバー枠69がイメージガイドファイバー57の硬質部を介して光学ユニット支持枠としての機能を果たす。
その結果、本実施の形態は、第4実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0114】
<第7実施の形態>
(構成)
図17ないし図19に示す本実施形態は前記第2実施形態の変形例である。本実施形態においては図17に示すように先端気密光学カバー部材70の光学窓が、サファイア若しくは高耐熱性かつ高耐水蒸気性の光学部材からなる凹レンズ71である。その他の構成は前記第2実施形態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0115】
(作用)
本実施形態による内視鏡の組立方法は、図18に示すように光学窓である凹レンズ71を除く対物レンズ群72が組付けられているレンズ枠73を、レンズ枠支持枠46内で光学方向の位置調整をしてピント調整を行い、ピントが合った所でレンズ枠73とレンズ枠支持枠46とを接着固定する。対物レンズ群72は、凹レンズ71がなくとも固体撮像素子41に像を結像できる光学系であり、上記ピント調整作業が可能である。
【0116】
ピント調整後に、図19に示す凹レンズ71と先端カバー枠48とにより構成される先端気密光学カバー部材70を、前記図17に示すように対物レンズ群72の先端側を覆うように被せ、先端カバー枠48の開口部をレンズ枠支持枠46に気密に接合する。これにより、ピント調整時の凹レンズ71が除かれていた対物レンズ群72の光学系よりも広角の光学系になる。もちろん、凹レンズ71と対物レンズ群72とを組み合わせた光学系も固体撮像素子41に像を結像できる光学系である。
【0117】
(効果)
本実施の形態によれば、前記第2実施形態よりも視野角の広い撮像ユニット74を提供することができる。さらに、この撮像ユニットは前記第2実施形態と同様小型であり、かつ組立て性も良い。
【0118】
(変形例)
図20は組立て方法の変形例である。
本実施形態においては図に示すように仮の凹レンズ75を組付けた状態でピント調整を行い、その後、仮の凹レンズ75を外し、図17に示すように改めて先端気密光学カバー部材70を組付ける組立て方法である。この組立て方法では、凹レンズ71を除いた対物レンズ群72では像を完全に結像できない光学系の場合に有効である。
【0119】
[付記]以上詳述したように、本発明によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
(1)少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットと、
この光学ユニットを、光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、
上記光学ユニット支持枠に、上記光学ユニットの一端を覆う状態で接合された光学窓を有する気密光学カバー部材とを具備する内視鏡。
【0120】
(2)上記(1)において、上記気密光学カバー部材は、光学窓と、該光学窓と気密接合されたカバー枠とからなる。
【0121】
(3)上記(1)において、上記光学ユニットは、少なくとも一つの光学部材と、該光学部材が組み付けられたレンズ枠とからなる。
【0122】
(4)上記(1)において、上記光学ユニットと上記光学ユニット支持枠は、互いに嵌合して組み立てられている。
【0123】
(5)上記(1)において、上記光学ユニット支持枠に、光学窓を有する気密光学カバー部材の開口部を接合した。
【0124】
(6)上記(1)において、上記光学ユニット支持枠と気密光学カバー部材とは、気密接合されている。
【0125】
(7)少なくとも一つの光学部材と、この光学部材が組み付けられた光学枠とによって構成された光学ユニットと、この光学ユニットと嵌合組み付け可能な光学ユニット支持枠とを有した内視鏡において、
上記光学ユニット支持枠に、光学窓と、上記光学窓と気密に接合されたカバー枠とにより構成された気密光学カバー部材の開口部を気密に接合し、上記気密光学カバー部材で上記光学ユニットの一端を覆うことを特徴とする内視鏡。
【0126】
(8)少なくとも一つの光学部材と、この光学部材が組み付けられた光学枠とによって構成された光学ユニットと、この光学ユニットと光軸方向の相対位置を調整可能嵌合される組み付け可能な光学ユニット支持枠と、を有した内視鏡において、
上記光学ユニット支持枠に、光学窓と、上記光学窓と気密に接合されたカバー枠とにより構成された気密光学カバー部材の開口部を気密に接合し、上記気密光学カバー部材で上記光学ユニットの一端を覆うことを特徴とする内視鏡。
【0127】
(9)上記(2),(7),(8)において、上記気密光学カバー部材の光学窓とカバー枠は、半田付け若しくはろう付け等の気密接合手段によって接合されている。
【0128】
(10)上記(1),(7),(8)において、上記気密光学カバー部材は、上記光学ユニット支持枠に、半田付け若しくはろう付け若しくは溶接等の気密接合手段によって接合されている。
【0129】
(11)上記(1),(7),(8)において、上記光学ユニット支持枠から、光学ユニットより基端側に設けられた光学部材若しくは撮像素子までの接合部が、全て気密接合されている。
【0130】
(12)上記(1),(7),(8)において、上記光学ユニット支持枠と気密光学カバー部材との接合部及び、上記光学ユニット支持枠から光学ユニットより基端側に設けられた光学部材若しくは撮像素子までの接合部が、全て気密接合されている。
【0131】
(13)上記(12)において、気密接合された気密空間に、ドライ不活性ガスを充填した。
【0132】
(14)上記(2),(6),(9),(10),(11),(12),(13)において、上記気密接合された部分は、融接,ろう接,圧接等の金属溶接、若しくは溶融ガラスによる接合である。
【0133】
(15)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学窓はサファイア又は高耐熱性・高耐水蒸気性を有する光学部材よりなる。
【0134】
(16)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学窓はカバーガラスである。
【0135】
(17)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学窓はレンズである。
【0136】
(18)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学窓は凹レンズである。
【0137】
(19)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学ユニット支持枠の基端側に、固体撮像素子若しくイメージガイドファイバ等の撮像手段を固定的に配置している。
【0138】
(20)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学窓はレンズであり、この光学窓を含む本内視鏡の対物光学系及びこの光学窓を含まない本内視鏡の対物光学系は、どちらも前記撮像手段に結像する光学系である。
【0139】
(21)上記(1)、(7)、(8)において、上記光学光学ユニット支持枠と、カバー枠とはレーザー溶接可能な部材で構成され、気密に密閉する最終工程にて上記光学ユニット支持枠とカバー枠とをレーザー溶接によって気密に接合している。
【0140】
(22)少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットと、
この光学ユニットを、光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、
上記光学ユニット位置固定後、上記光学ユニット支持枠に、光学ユニットの一端を覆う状態で接合される気密光学カバー部材と、
を具備する内視鏡。
【0141】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、気密光学カバー部材を設けることにより、内視鏡外表面に露出しているオートクレーブの水蒸気のアタックが激しい光学ユニットを保護することができ、光学ユニットが高温水蒸気によって劣化することが無く、且つ水蒸気の侵入により生じる結露によって曇ることが無く、繰返しオートクレーブ滅菌を行うことができる。
また、組立時にピント合わせが必要な光学ユニットを、先端気密光学カバー部材によって密閉することにより、コンパクトな構成で光学ユニットへの蒸気の侵入を防ぐことができ、湾曲付き内視鏡であっても先端部を小さく、先端硬質長も短く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による内視鏡の全体概略図
【図2】同、内視鏡挿入部の先端部付近の断面図
【図3】同、撮像ユニットの断面図
【図4】同、カバーガラス単体の外観図
【図5】同、先端気密光学カバー部材と後端気密光学カバー部材との断面図
【図6】同、後端気密光学カバー部材の背面に固体撮像素子を固定した状態の断面図
【図7】同、絶縁枠の半断面図
【図8】同、後端気密光学カバー部材の前面に絶縁枠を固着した状態の断面図
【図9】同、先端気密光学カバー部材の組付け状態を示す断面図
【図10】同、気密対物レンズユニットの断面図
【図11】第2実施の形態による撮像ユニットの断面図
【図12】同、先端気密光学カバー部材の断面図
【図13】第3実施の形態による気密パッケージの断面図
【図14】第4実施の形態による撮像ユニットの断面図
【図15】第5実施の形態による撮像ユニットの断面図
【図16】第6実施の形態による撮像ユニットの断面図
【図17】第7実施の形態による撮像ユニットの断面図
【図18】同、先端気密光学カバー部材を除いた撮像ユニットの断面図
【図19】同、撮像ユニットを構成する先端気密光学カバー部材の断面図
【図20】仮凹レンズを配置して撮像ユニットを組み立てる方法を説明する図
【符号の説明】
1 内視鏡本体
15,44,58,60 光学部材
17,46,59,66 光学ユニット支持枠
38,39,49,64 気密光学カバー部材
Claims (3)
- 挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットを光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠を備える枠体群と、
前記光学ユニットの一端を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合されて、前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、
前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡。 - 挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも一つの光学部材を保持するレンズ枠と、
前記レンズ枠を光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、
前記レンズ枠の一端を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合されて、前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、
前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡。 - 挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも一つの光学部材を有する光学ユニットを光軸方向に位置調整可能に支持する光学ユニット支持枠と、
前記光学ユニットと前記光学ユニット支持枠と当該光学ユニット支持枠に対して気密に接合された後端気密カバー部材とで形成される内部空間と外部とを連通する開口部から前記光学ユニットの一端部が突出するように前記光学ユニット前記内部空間に保持する前記光学ユニットと前記光学ユニット支持枠と後端気密カバー部材とで形成される枠体と、
前記開口部から突出した前記光学ユニットの一端部を覆うために前記光学ユニット支持枠と嵌合して気密に接合され、前記枠体に保持された前記光学部材に光が導光されるように設けられた光学窓を有する先端カバー枠と、
前記挿入部の先端部を構成し、観察物からの光を導光可能な位置に前記光学窓が配置されるように前記先端カバー枠を保持する先端構成部材と、
を有することを特徴とする内視鏡。
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