JP4589716B2 - 光書込装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光書込装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
近年、レーザプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置においては、画像の高品質化、画像形成速度の高速化、装置の小型化、省エネ化等が要求されており、光書込装置内に設けられて感光体に向けて光ビームを照射する光学部材も高性能なものが用いられるようになっている。
電子写真方式の画像形成装置では、トナー等の現像剤を使用するのが一般的であり、画像形成装置内でのトナー飛散は完全にはなくせないので、トナーや紙粉等の塵埃が画像形成装置内の各所に付着する。光書込装置で使用される光学部材は、その性格上、塵埃の付着をとても嫌うので、防塵性を備えたハウジング内に収容されている場合が多い。防塵性を備えたハウジングには、光ビームを感光体に向けて通過させる開口部が形成され、この開口部はガラスなどの光ビームの透過を許容する透光性防塵部材で閉止されている。しかし、光書込装置のハウジングの外部は画像形成装置内に浮遊する塵埃にさらされており、それらの塵埃が開口部を覆う透光性防塵部材の外周面に付着する。開口部を閉止している透光性防塵部材の外周面に塵埃が付着すると、透光性防塵部材を透過する光ビームの透過性が低下し、それにより画像形成される画像の品質が低下することになる。
このため、透光性防塵部材の外周面に対して塵埃を付着しにくくし、及び、付着した場合には速やかに清掃することが望ましい。そこで、開口部を覆っている透光性防塵部材の外周面に付着した塵埃の清掃を行う清掃機構が設けられた光書込装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この清掃機構の一例を図12、13に示す。清掃機構101は、清掃具102とこの清掃具102を透光性防塵部材103に沿ってスライド自在に保持する保持部104とから構成されている。清掃具102は、直線状の棒状部材105の一端側に清掃部材106が設けられ他端側に図示しない把持部が設けられて構成されている。清掃具102の清掃部材106が設けられた側とは反対側の背面側102aは、水平に形成されている。保持部104は、透光性防塵部材103に沿って直列配置され清掃具102を挿脱自在である複数のガイド部107から構成されている。ガイド部107は、左右一対のガイド材108から構成されている。ガイド部107の内側の高さは、清掃具102の清掃部材106の下面から清掃具102の背面102aまでの高さよりも低い。これにより、保持部104は、清掃具102の背面102aを押して清掃部材106を透光性防塵部材103に所定の圧力で押し当てた状態で清掃具102を透光性防塵部材103に沿ってスライド自在に保持する。この構造では、把持部を持って清掃具102を保持部104から引き出す方向にスライドさせることにより、清掃部材106が透光性防塵部材103に摺動移動し、これにより透光性防塵部材103が清掃される。
特開2002−267983公報
しかしながら、この清掃機構101では、清掃具102を保持部104から引き出す方向にスライドさせる過程で、清掃具102の清掃部材106側の端部が、ある保持部104を通過してその保持部104から外れたときに、清掃具102の清掃部材106側の端部に対する保持部104の押さえが解除され、これにより、清掃具102の清掃部材106側の端部が跳ね上がり、透光性防塵部材103に引き出し方向に直交する方向の筋状の塵埃が残ってしまうという問題がある。この問題は、保持部104材を複数に分割することなく、一体に形成すれば解決できるが、保持部104材を含むハウジング109が樹脂製である場合には、そのような形状は、型成形上大変難しい。
本発明の目的は、防塵性を備えたハウジングの内部に光学部材を収納した光書込装置において、ハウジングに形成されて光ビームが通過する開口部を閉止する透光性防塵部材に対する清掃具による清掃性の向上を図ることである。
請求項1記載の発明は、光ビームを像担持体に照射する光書込装置において、光ビームを前記像担持体に向けて照射する光学部材を収容し、前記像担持体に向けて照射する光ビームが通過する開口部が形成されたハウジングと、前記開口部を閉止する位置で前記ハウジングに取り付けられ、光ビームの透過を許容する透光性防塵部材と、棒状部材と弾性を有し前記棒状部材の一端部において一側方に突出して設けられ前記透光性防塵部材の外面を清掃する清掃部材とを有する清掃具と、前記透光性防塵部材に沿って配置され前記清掃具を挿脱自在である複数のガイド部によって、前記清掃具の前記一側とは反対側である背面側を押さえて前記清掃部材を前記透光性防塵部材に押し当てた状態で前記清掃具を前記透光性防塵部材に沿ってスライド自在に保持する保持部と、前記清掃具の背面を構成する凸形状と、を備え、前記清掃具の前記清掃部材とは反対側の端部を先頭として前記清掃具が前記透光性防塵部材に沿ってスライド移動するのに伴い前記清掃具における前記清掃部材側の端部が上流側の前記ガイド部を通過するときには、前記凸形状と下流側の前記ガイド部との当接により、前記清掃具の背面と前記上流側の前記ガイド部との間にクリアランスを発生させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光書込装置において、前記凸形状は、前記棒状部材が屈曲されていることにより実現されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光書込装置において、前記棒状部材は、弾性を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の光書込装置において、前記凸形状は、前記棒状部材の背面に設けられた板バネによって実現されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の光書込装置において、前記凸形状は、前記棒状部材の背面に一体に形成された凸部によって実現されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の光書込装置において、前記凸形状は、円弧状であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の光書込装置において、清掃部材は、板状に形成されており、エッジ部を前記透光性防塵部材の外面に押し当てるように設けられていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の光書込装置において、前記清掃部材は、ポリウレタンゴムであることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の光書込装置において、前記清掃部材は、スポンジ状の発泡部材であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一記載の光書込装置において、前記清掃具は、前記保持部に対して着脱自在に設けられており、前記開口部とこの開口部に対応する前記透光性防塵部材及び前記保持部とは、複数設けられ、前記清掃具の個数は、前記開口部の個数よりも少ない個数であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一記載の光書込装置において、前記棒状部材は、樹脂製であることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか一記載の光書込装置において、前記清掃具の前記清掃部材側の端部が2つの前記ガイド部の間に位置するときには、前記凸形状が前記ガイド部に当接するように前記ガイド部の間隔と前記凸形状の長さとが設定されていることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れか一記載の光書込装置において、前記清掃具の前記清掃部材とは反対側の端部を先頭として前記清掃具が前記透光性防塵部材に沿ってスライド移動するのに伴い前記清掃具における前記清掃部材側の端部が上流側の前記ガイド部を通過するときには、前記凸形状の頂点が下流側の前記ガイド部に当接することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、光書込装置によって像担持体に光ビームを書き込んで形成した静電潜像をトナーで現像したトナー画像を記録媒体に転写する画像形成装置において、前記光書込装置は請求項1ないし13の何れか一記載の光書込装置であることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置において、光ビームの射出方向が水平もしくはそれよりも上方向となる位置に前記光書込装置が配置されていることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載の画像形成装置において、前記トナーは、形状係数SF1が100〜150かつ形状係数SF2が100〜140であることを特徴とする。
本発明によれば、防塵性を備えたハウジングの内部に光学部材を収納した光書込装置において、ハウジングに形成されて光ビームが通過する開口部を閉止する透光性防塵部材に対する清掃具による清掃性の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態を図1ないし図11に基づいて説明する。
図1は画像形成装置であるカラープリンタ1を概略的に示す縦断正面図である。図1に示すように、カラープリンタ1の本体ケース2の内部の略中央部には、4つのプリンタエンジン3(3Y、3C、3M、3K)、光ビームを出射する光書込装置4、中間転写ベルト5等が配置されている。各プリンタエンジン3は、それぞれトナー画像を形成する部分であり、同じ構造に形成されている。そして、各プリンタエンジン3では異なる色のトナーが使用されることにより、異なる色のトナー画像が形成される。これらのプリンタエンジン3及びそのプリンタエンジン3の構成部品等に関する本明細書及び図面の記載において、Y、C、M、Kの添え字は、各々イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を示しており、これらの添え字は必要に応じて割愛する。
4つのプリンタエンジン3Y、3C、3M、3Kの機械的構造は同じであり、各プリンタエンジン3は、矢印方向へ回転駆動される像担持体である感光体6、感光体6の周囲に配置された帯電部7、現像部8、クリーニング部9等により構成されている。
感光体6は、円筒状に形成されて駆動源(図示せず)により回転駆動され、外周面には感光層が設けられている。光書込装置4から出射された光ビームが感光体6の外周面に照射されることにより、感光体6の外周面には画像データに応じた静電潜像が書き込まれる。
帯電部7は、ローラ状に形成された導電性ローラ部材であり、この帯電部7に帯電バイアス電圧が電源装置(図示せず)から供給されることにより感光体6の外周面が一様に帯電される。
現像部8は、感光体6へのトナー供給を行う。供給されたトナーが感光体6の外周面に書き込まれた静電潜像に付着することにより、感光体6上の静電潜像がトナー画像として顕像化される。この現像部8は、形状係数SF−1が120〜180に設定され、形状係数SF−2が120〜190に設定されたトナーを保持しており、このトナーを感光体6の表面に供給する。
ここで、トナー粒子の形状係数SF−1、SF−2について図2及び図3を参照して説明する。図2は形状係数SF−1について説明するための説明図、図3は形状係数SF−2について説明するための説明図である。形状係数SF−1とは、図2に示すように、球形物質の形状の丸さの割合を示す値である。形状係数SF−1は、球形物質を2次元平面上に投影して出来る楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じたときの値で表される。すなわち、形状係数SF−1は、以下に示す(1)式によって定義される。
SF−1
={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)…(1)
このSF−1の値が100の場合には、物質の形状が真球状となる。また、SF−1の値が大きくなるほど、物質の形状は不定形となる。
形状係数SF−2とは、図3に示すように、物質の形状の凹凸の割合を示す数値である。形状係数SF−2は、物質を2次元平面上に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで割って、100/4πを乗じたときの値で表される。すなわち、形状係数SF−2は、以下に示す(2)式によって定義される。
SF−2
={(PERI)/AREA}×(100/4π)…(2)
このSF−2の値が100の場合には、物質の表面に凹凸が存在しないことになる。また、SF−2の値が大きくなるほど、物質の表面の凹凸は顕著となる。
クリーニング部9は、感光体6上に形成されたトナー画像が中間転写ベルト5に転写された後、感光体6の外周面に付着している残留トナーをクリーニングする。
中間転写ベルト5は、樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトであり、感光体6上に形成されたトナー画像が転写される。この中間転写ベルト5は、ローラ10、11、12により支持されて矢印方向へ回転駆動される。中間転写ベルト5の内周面側(ループの内側)には、各感光体6上のトナー画像を中間転写ベルト5上に転写させる4個の転写ローラ13が配置されている。各感光体6上に形成されたトナー画像が中間転写ベルト5上に順次転写されることにより、中間転写ベルト5上にはカラーのトナー画像が担持される。中間転写ベルト5の外周面側(ループの外側)には、中間転写ベルト5の外周面に付着した残留トナーや紙粉等をクリーニングするクリーニング部14が配置されている。
本体ケース2の内部における4個のプリンタエンジン3及び光書込装置4の下方には、記録媒体Pが積層保持される給紙カセット15が配置されている。給紙カセット15内に積層保持されている記録媒体Pは、給紙ローラ16により最上位のものから順に分離給紙される。
本体ケース2の内部には、給紙カセット15から分離給紙された記録媒体Pが搬送される搬送経路17が形成されている。この搬送経路17上には、レジストローラ18、転写ローラ19、定着部20、排紙ローラ21等が配置されている。
レジストローラ18は、所定のタイミングで間欠的に回転駆動されるローラである。レジストローラ18が間欠的に回転駆動されることにより、レジストローラ18の位置まで搬送されて停止していた記録媒体Pが、中間転写ベルト5と転写ローラ19とにより挟まれる転写位置へ送り込まれ、記録媒体Pがこの転写位置を通過する過程において中間転写ベルト5上のトナー画像が記録媒体Pに転写される。
定着部20は、トナー画像が転写された記録媒体Pに対して熱と圧力とを加えてトナーを溶融し、トナー画像を記録媒体Pに定着させる部分である。定着部20を通過することによりトナー画像を定着処理された記録媒体Pは、排紙ローラ21により本体ケース2の上面部に形成されている排紙トレイ22上に排紙される。
このような構成において、光書込装置4により各感光体6上に形成された静電潜像は、各現像部8のY,M,C,Kのトナーで現像されて各色のトナー像として顕像化され、各感光体6上のトナー像は中間転写ベルト5上に順次転写され、中間転写ベルト5上のカラートナー像は、転写ローラ19と中間転写ベルト5とに挟まれた位置を記録媒体が通過するときにその記録媒体に転写され、トナー像が転写された記録媒体は定着部20で定着処理された後に排紙トレイ22上に排紙される。
次に、光書込装置4について詳しく説明する。図4は光書込装置4の内部構造を示す平面図、図5は光書込装置4を示す縦断正面図、図6は光書込装置4の上部を示す縦断側面図、図7は光書込装置4の上部の一部を拡大して示す背面図である。
光書込装置4は、下部ケース23aに上部カバー23bを固定したハウジング23を有し、ハウジング23の内部に、光ビームを上方に位置する感光体6に向けて照射する各種の光学部材が収容されている。ハウジング23の内部に収容されている光学部材としては、それぞれ異なる色(Y、C、M、K)の画像データに応じた光ビーム(レーザー光)を出射する光源ユニット24(24Y、24C、24M、24K)、アパーチャ25、シリンダレンズ26、ミラー27、ポリゴンミラー28、結像レンズ29、ミラー30a、30b、30c、30d、同期検知用ミラー31、結像レンズ32、回路基板33上に取り付けられた光電素子34等が含まれる。光源ユニット24は、発散光を射出する半導体レーザ、半導体レーザから射出された発散光を略平行化するコリメートレンズ、半導体レーザ駆動回路基板等により構成されている。ポリゴンミラー28はポリゴンモータ35に固定されて高速回転する。ポリゴンミラー28の回転数は様々であるが、例えば、30000rpmを超えるものもある。
このカラープリンタ1では、図示しない原稿読取装置(スキャナー)あるいは画像データ出力装置(パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリの受信部等)から入力された画像データが色分解され、色分解された各色の画像データが各光源ユニット24を駆動する信号に変換され、その信号に従い各光源ユニット24から光ビームが出射される。各光源ユニット24から出射された光ビームは、アパーチャ25、シリンダレンズ26、ミラー27(但し、光源ユニット24Y、24Kから出射された光ビームに関してのみ)を介してポリゴンミラー28に至り、ポリゴンミラー28で2ビームずつ対称な2方向に偏向走査される。
ポリゴンミラー28で2ビームずつ対称な2方向に偏向走査された光ビームは、結像レンズ29をそれぞれ通過し、2枚のミラー30a、30b(又は、30c、30d)で折り返され、各プリンタエンジン3の感光体6に向けて進行する。そして、感光体6に向けて進行した光ビームが感光体6の外周面に照射されることにより、感光体6の外周面に静電潜像の書込が行われる。
また、結像レンズ29の両端部を通過した光ビームは同期検知用ミラー31で折り返され、結像レンズ32を通過して光電素子34で受光される。この光電素子34での受光により光電素子34から走査開始の同期信号が出力される。ここで、同期検知の本来の意味は、走査のタイミングを取ることであるので、走査に先立って光ビームを受光する位置に光電素子34が設置されていれば良いが、更に、1走査の速度(あるいは時間)の変動を検知するために、走査の後端側にも光電素子34を設置しても良い。本実施の形態では、光電素子34を結像レンズ29の両端側に配置し、走査の前後で同期を取る構成を示している。
このような光書込装置4のハウジング23回りを詳しく説明する。図5及び図6に示すように、光書込装置4のハウジング23の上部カバー23bには、各プリンタエンジン3の感光体6に対向する位置に位置付けられ、感光体6の中心線方向に沿って細長く延出した形状の開口部36が形成されている。開口部36が、このような形状に形成されているのは、光ビームが感光体6の中心線方向に沿って走査するためである。そして、これらの開口部36は、感光体6に向けて照射される光ビームが通過する。
さらに、上部カバー23bには、開口部36を閉止して開口部36からハウジング23の内部への塵埃の侵入を防止し、かつ、光ビームの透過を許容する透光性防塵部材37が取り付けられている。光ビームは、開口部36に沿って細長く形成されたこの透光性防塵部材37の長手方向を走査方向としている。透光性防塵部材37としては、例えば、平板ガラスが用いられている。この透光性防塵部材37の外面37aは、図6に示すように、透光性防塵部材37が取り付けられている周囲のハウジング23の外面に対して面一もしくは突出している。ここで、光書込装置4は、透光性防塵部材37の長手方向がカラープリンタ1の正面から背面へ向かう方向に平行となるように配置されている。
図6及び図7に示すように、光書込装置4には、透光性防塵部材37の外面37aを清掃する清掃機構39が設けられている。清掃機構39は、4個の開口部36に対して1個設けられている。清掃機構39は、清掃具40と、ハウジング23の上面に設けられ清掃具40をスライド自在に保持する保持部43とから構成されている。
清掃具40は、棒状部材42を有し、この棒状部材42の一端部において清掃部材であるクリーニングブレード41が棒状部材42の一側方に突出して設けられ、棒状部材42の他端部に図示しなし把持部が形成されて構成されている。
棒状部材42は、平板状に形成されて弾性を有している。棒状部材42の材料としては、樹脂を例示することができる。この棒状部材42は、クリーニングブレード41とは反対側となる背面側が凸となるように屈曲されており、これにより、清掃具40の背面40aが凸形状48となっている。
クリーニングブレード41は、弾性を有して板状に形成されている。クリーニングブレード41の材料としては、例えばポリウレタンゴムを例示することができる。
保持部43は、ハウジング23の上部カバー23bの上側において、各透光性防塵部材37毎に設けられている。保持部43は、透光性防塵部材37の長手方向、つまり、透光性防塵部材37における光ビームの走査方向及びその逆方向に清掃具40をスライド自在に保持する。保持部43は、透光性防塵部材37の長手方向に直列配置された複数のガイド部45によって構成されている。ガイド部45は、左右一対のガイド材46から構成されている。ガイド材46の断面形状は、L字型に形成されており、左右一対のガイド材46は、左右対称となるように配置されている。この構造のガイド部45は、棒状部材42を挿脱自在であって、棒状部材42が挿入された状態においてガイド材46によって棒状部材42の背面42a及び側面をガイドする。
そして、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部が、保持部43における清掃具40の引き抜き方向(図中の矢印で示す方向)上流側のガイド部45と下流側のガイド部45との間に位置するときには、凸形状48が下流側のガイド部45に当接するようにガイド部45の間隔と凸形状48の長さとが設定されている。ここで、ガイド部45を、保持部43における清掃具40の引き抜き方向の上流側から下流側に向かう順に、第1のガイド部45a、第2のガイド部45b、第3のガイド部45c、・・・と呼ぶこととする。
また、保持部43は、清掃具40を挿脱自在に保持しており、その挿脱は、カラープリンタ1の正面側から可能とされている。
この保持部43にクリーニングブレード41側の端部から清掃具40が挿入され保持されることにより、クリーニングブレード41のエッジ部41aが透光性防塵部材37の外面37aに押し当てられる。ここで、クリーニングブレード41は、エッジ部41aがカラープリンタ1の正面側に位置し、固定端がカラープリンタ1の奥側に位置するように斜めに取り付けられている。よって、クリーニングブレード41におけるエッジ部41aから固定端に向かう立ち上がり部は、清掃具40の保持部43に対する挿入方向側に傾斜している。
この清掃具40は、清掃具40のクリーニングブレード41とは反対側の端部、つまり、把持部側を先頭として保持部43から引く抜かれる方向にスライド移動することにより、エッジ部41aによって透光性防塵部材37の外面37aを清掃する。また、清掃具40は、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部を先頭として保持部43へ挿入される方向にスライド移動することにより、保持部43から引く抜かれる方向にスライド移動する場合よりは清掃性は低いが、透光性防塵部材37の外面37aを清掃する。
ここで、清掃具40の背面40aに設けたれた凸形状48について詳しく説明する。凸形状48は、次に説明する作用を奏する。その作用は、清掃具40の把持部側の端部を先頭として清掃具40が透光性防塵部材37に沿ってスライド移動するのに伴い、つまり、引き抜き方向にスライド方向するのに伴い、清掃具40におけるクリーニングブレード41側の端部が上流側のガイド部45を通過するときには、凸形状48と下流側のガイド部45との当接により、清掃具40の背面40aと上流側のガイド部45との間にクリアランスaを発生させる作用である。
このような構成において、画像形成動作に伴い、透光性防塵部材37上にトナーなどが付着した場合には、使用者は、清掃具40の把持部を把持して清掃具40を、ある保持部43へ挿入して、奥までスライド移動させ、その後、清掃具40を保持部43から引き抜く。この作業を全ての透光性防塵部材37に対して行う。これにより、各透光性防塵部材37の外面37aに付着したトナーなどの塵埃が除去される。
このとき、凸形状48の作用による清掃具40の動作を図6,図8及び図9を参照して説明する。ここでは、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部が第2のガイド部45bを通過する際の動作を説明する。ここで、図8は、清掃具40が図6の状態よりも引き抜かれた状態の光書込装置4の上部を示す縦断側面図、図9は清掃具40が図8の状態よりも引き抜かれた状態の光書込装置4の上部を示す縦断側面図である。
図6に示す清掃具40は、クリーニングブレード41側の端部が第1のガイド部45aよりも引き抜き方向上流側に位置し、凸形状48の頂点が第1のガイド部45aと第2のガイド部45bとの間に位置している。このとき、清掃具40の背面40aは、凸形状48において頂点よりも引き抜き方向下流側の部位が第2のガイド部45bに当接しており、それ以外の背面40aはガイド部45には当接していない。
この状態から清掃具40が引き抜き方向に引き抜かれてスライド移動すると、第2のガイド部45bに凸形状48がガイドされながら清掃具40が移動して、図8に示すように、凸形状48においてその頂点よりも引き抜き方向上流側の部位が第2のガイド部45bに当接した状態で、頂点よりも引き抜き方向下流側の部位が第3のガイド部45cに当接する。
この状態から、さらに清掃具40が引き抜かれると、図9に示すように、第2のガイド部45bによる清掃具40の当接が解除され、清掃具40の背面40aに対して当接するガイド部は、第3のガイド部45cのみとなり、第2のガイド部45bと清掃具40の背面40aとの間にクリアランスaが発生する。ここで、凸形状48の凸量は、清掃具40の背面40aとの間に発生する最大のクリアランスaよりも大きく設定されている。そして、このようなクリアランスaが発生した状態で、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部が第2のガイド部45bを通過する。即ち、本実施の形態では、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部が第2のガイド部45bを通過しきるときに、清掃具40には、背面40a側への跳ね上げ力が蓄積されておらず、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部が跳ね上がることがなく、クリーニングブレード41が常に透光性防塵部材37に密着する。よって、従来のように透光性防塵部材103の外面に筋状の塵埃が残留することがない。従って、本実施の形態の光書込装置4は、従来の光書込装置に比べて、透光性防塵部材37に対する清掃具40による清掃性の向上を図ることができる。これにより、従来よりも透光性防塵部材37に対する光ビームの透過性が高くなり、透光性防塵部材37の外面37aへの塵埃の付着が原因となって発生する画像形成された画像の品質低下を防止することができ、高品質の画像形成を行うことができる。
ここで、清掃具40が引き抜かれる際に、清掃具40におけるクリーニングブレード41側の端部が上流側のガイド部45(例えば第2のガイド部45b)を通過するときに、凸形状48の頂点が下流側のガイド部45(例えば第3のガイド部45c)に当接するように凸形状48とガイド部45とが形成されていることが望ましい。
また、従来よりガイド部107が間隔をあけて配列されている場合には、ガイド部107間を清掃具102の清掃部材106側の端部が通過する際には、透光性防塵部材103に対する清掃部材106の押し当て力が低くなり、それらの密着性が損なわれるやすいという問題がある。そこで、本実施の形態では、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部がガイド部45の間(例えば第1のガイド部45aと第2のガイド部45bとの間、図8参照)に位置するときには、凸形状48が何れかのガイド部45(例えば、第2のガイド部45b)に当接するようにガイド部45の間隔と凸形状48の長さとが設定されていることにより、清掃具40のクリーニングブレード41側の端部がガイド部45間に位置している場合、ガイド部45と清掃具45との当接によるガイド部45のクリーニングブレード41側の端部での透光性防塵部材への押し当て力を従来のものに比べて大きくすることができる。よって、清掃性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、凸形状48は、棒状部材42が屈曲されていることにより実現されていることにより、容易に凸形状48を実現することができる。
また、本実施の形態では、棒状部材42が弾性を有していることにより、清掃具40の凸形状48がガイド部45に押さえられた状態において棒状部材42が直線に近づくように変形するので、清掃具40の移動がスムーズになる。
また、本実施の形態においては、清掃部材(クリーニングブレード41)は、板状に形成されており、エッジ部41aを透光性防塵部材37の外面37aに押し当てるように設けられていることにより、清掃具40の引き抜き移動のときに、クリーニングブレード41のエッジ部41aが移動方向下流側となり固定端が移動方向上流側となり、クリーニングブレード41はいわゆるリーディング方向となって透光性防塵部材37の外面37aに当接するので、エッジ部41aが透光性防塵部材37に食い込むように作用する。従って、清掃部材の一面を透光性防塵部材37に当接させる場合に比べて、クリーニングブレード41と透光性防塵部材37との密着性が高まり、透光性防塵部材37の外面37a上のトナーなどを掻き取ることにより除去するので、清掃性の向上が図られている。
以上のように、本実施の形態の光書込装置4は、透光性防塵部材37の外面37aに対する清掃性が高いので、光ビームの射出方向を水平もしくはそれよりも上方向となる位置に光書込装置4を設置しても、透光性防塵部材37の外面37a上に付着したトナーを確実に清掃できる。
また、本実施の形態においては、清掃具40は、保持部43に対して挿脱自在に設けられていることにより、清掃時以外は、清掃具40を保持部43から取り外して所定の場所に収納できるので、光書込装置4及びカラープリンタ1の小型化を図ることができる。また、一つの清掃具40を各透光性防塵部材37に対して共用することができる。そして、本実施の形態においては、開口部36とこの開口部36に対応する透光性防塵部材37及び保持部43とは、複数設けられ、清掃具40の個数は、開口部36の個数よりも少ない個数(具体的には、一個)であることにより、光書込装置4及びカラープリンタ1のコスト低減及び装置の小型化が図られている。
また、本実施の形態においては、透光性防塵部材37の外面37aは、当該透光性防塵部材37が取り付けられている周囲のハウジング23の外面に対して面一もしくは突出していることにより、例えば透光性防塵部材37の全てが当該透光性防塵部材37が取り付けられている周囲のハウジング23に埋まっている構成である場合には、透光性防塵部材37の外面37a側にトナーが積もってしまうことが懸念されるが、本実施の形態では、そのようなことが生じることが防止されている。
また、本実施の形態においては、クリーニングブレード41の材料は、ポリウレタンゴムであることにより、材料の入手性がよいので、容易にクリーニングブレード41を製造することができる。
また、本実施の形態では、棒状部材42は、樹脂製であることにより、棒状部材42に容易に弾性を持たせることができる。
また、本実施の形態においては、トナーは、形状係数SF1が100〜150かつ形状係数SF2が100〜140であることにより、良好な画質を得ることができる。
また、本実施の形態においては、清掃具40の保持部43への挿入方向がカラープリンタ1の正面側から背面側へ向かう方向となる位置に光書込装置4が設けられていることにより、清掃具40の操作性や操作位置の視認性を確保することができる。
なお、清掃具40に凸形状48を形成するのは、上述したものに限るものではない。以下に別の実施の形態の清掃具を説明する。
別の実施の形態の清掃具を図10に基づいて説明する。本実施の形態の清掃具50の棒状部材51は、直線状に形成されている。この棒状部材51の背面51aには、折り曲げ形状の板バネ52がその曲げの内周側を棒状部材51に向けて設けられている。この板バネ52により、凸形状53が清掃具50の背面50aに形成されている。凸形状53は、円弧状に形成されている。
このように、凸形状53を円弧状に形成することにより、清掃具50のスライド移動をスムーズにすることができる。
次に、さらに別の実施の形態の清掃具40を図11に基づいて説明する。本実施の形態の清掃具60の棒状部材61は、直線状に形成されるとともに、背面61aに凸部62が一体に形成されている。この凸部62により、凸形状63が清掃具60の背面60aに形成されている。凸形状63は、円弧状に形成されている。また、清掃部材64は、スポンジ状の発泡部材により形成されており、透光性防塵部材37に面接触するように設けられている。以上説明したように、各種の手段によって凸形状を実現することができる。
本発明の一実施の形態の画像形成装置であるカラープリンタを概略的に示す縦断正面図である。 形状係数SF−1について説明するための説明図である。 形状係数SF−2について説明するための説明図である。 光書込装置の内部構造を示す平面図である。 光書込装置を示す縦断正面図である。 光書込装置の上部を示す縦断側面図である。 光書込装置の上部の一部を拡大して示す背面図である。 清掃具が図6の状態よりも引き抜かれた状態の光書込装置の上部を示す縦断側面図である。 清掃具が図8の状態よりも引き抜かれた状態の光書込装置の上部を示す縦断側面図である。 別の実施の形態の清掃具を示す側面図である。 さらに別の実施の形態の清掃具を示す側面図である。 従来の清掃機構を示す縦断側面図である。 その背面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
4 光書込装置
6 像担持体
23 ハウジング
24 光学部材
25 光学部材
26 光学部材
27 光学部材
28 光学部材
29 光学部材
30a、30b、30c、30d 光学部材
31 光学部材
32 光学部材
34 光学部材
36 開口部
37 透光性防塵部材
37a 外面
40 清掃具
40a 背面
41 清掃部材
41a エッジ部
42 棒状部材
43 保持部
45 ガイド部
48 凸形状
50 清掃具
50a 背面
51 棒状部材
52 板バネ
53 凸形状
60 清掃具
60a 背面
61 棒状部材
62 凸部
63 凸形状
64 清掃部材

Claims (16)

  1. 光ビームを像担持体に照射する光書込装置において、
    光ビームを前記像担持体に向けて照射する光学部材を収容し、前記像担持体に向けて照射する光ビームが通過する開口部が形成されたハウジングと、
    前記開口部を閉止する位置で前記ハウジングに取り付けられ、光ビームの透過を許容する透光性防塵部材と、
    棒状部材と弾性を有し前記棒状部材の一端部において一側方に突出して設けられ前記透光性防塵部材の外面を清掃する清掃部材とを有する清掃具と、
    前記透光性防塵部材に沿って配置され前記清掃具を挿脱自在である複数のガイド部によって、前記清掃具の前記一側とは反対側である背面側を押さえて前記清掃部材を前記透光性防塵部材に押し当てた状態で前記清掃具を前記透光性防塵部材に沿ってスライド自在に保持する保持部と、
    前記清掃具の背面を構成する凸形状と、
    を備え、
    前記清掃具の前記清掃部材とは反対側の端部を先頭として前記清掃具が前記透光性防塵部材に沿ってスライド移動するのに伴い前記清掃具における前記清掃部材側の端部が上流側の前記ガイド部を通過するときには、前記凸形状と下流側の前記ガイド部との当接により、前記清掃具の背面と前記上流側の前記ガイド部との間にクリアランスを発生させることを特徴とする光書込装置。
  2. 前記凸形状は、前記棒状部材が屈曲されていることにより実現されていることを特徴とする請求項1記載の光書込装置。
  3. 前記棒状部材は、弾性を有することを特徴とする請求項2記載の光書込装置。
  4. 前記凸形状は、前記棒状部材の背面に設けられた板バネによって実現されていることを特徴とする請求項1記載の光書込装置。
  5. 前記凸形状は、前記棒状部材の背面に一体に形成された凸部によって実現されていることを特徴とする請求項1記載の光書込装置。
  6. 前記凸形状は、円弧状であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の光書込装置。
  7. 前記清掃部材は、板状に形成されており、エッジ部を前記透光性防塵部材の外面に押し当てるように設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の光書込装置。
  8. 前記清掃部材は、ポリウレタンゴムであることを特徴とする請求項7記載の光書込装置。
  9. 前記清掃部材は、スポンジ状の発泡部材であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の光書込装置。
  10. 前記清掃具は、前記保持部に対して着脱自在に設けられており、
    前記開口部とこの開口部に対応する前記透光性防塵部材及び前記保持部とは、複数設けられ、
    前記清掃具の個数は、前記開口部の個数よりも少ない個数であることを特徴とする請求項1ないし9の何れか一記載の光書込装置。
  11. 前記棒状部材は、樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし10の何れか一記載の光書込装置。
  12. 前記清掃具の前記清掃部材側の端部が2つの前記ガイド部の間に位置するときには、前記凸形状が前記ガイド部に当接するように前記ガイド部の間隔と前記凸形状の長さとが設定されていることを特徴とする請求項1ないし11の何れか一記載の光書込装置。
  13. 前記清掃具の前記清掃部材とは反対側の端部を先頭として前記清掃具が前記透光性防塵部材に沿ってスライド移動するのに伴い前記清掃具における前記清掃部材側の端部が上流側の前記ガイド部を通過するときには、前記凸形状の頂点が下流側の前記ガイド部に当接することを特徴とする請求項1ないし12の何れか一記載の光書込装置。
  14. 光書込装置によって像担持体に光ビームを書き込んで形成した静電潜像をトナーで現像したトナー画像を記録媒体に転写する画像形成装置において、
    前記光書込装置は請求項1ないし13の何れか一記載の光書込装置であることを特徴とする画像形成装置。
  15. 光ビームの射出方向が水平もしくはそれよりも上方向となる位置に前記光書込装置が配置されていることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
  16. 前記トナーは、形状係数SF1が100〜150かつ形状係数SF2が100〜140であることを特徴とする請求項14又は15記載の画像形成装置。
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