JP4587876B2 - 硝酸塩の含有量の低減した葉菜類の生産方法 - Google Patents
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Description
一方、植物の生育促進を目的として植物が吸収利用しやすい無機態窒素を多く含む化成肥料を施肥すると、生育は向上するが、作物中の硝酸塩の含有量が高くなる傾向がある。
このように、野菜類における硝酸塩の含有量の低減と、野菜類の生育促進とは、従来、互いに相反する関係にあり、両立が困難であった。
かかる点から、硝酸塩の含有量の低減した野菜類を、生育障害などを生ずることなく、健全に且つ高収量で生産し得る方法の開発が求められている。
さらに、本発明の課題は、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を、複雑で手間のかかる作業を要することなく、簡単に且つ安全に、しかも経済的に生産する方法を提供することである。
さらに、本発明者らは、前記した方法で葉菜類を生産するに当たっては、栽培用土壌の調製のために土壌に小麦フスマおよび/または末粉を混合した時点から、200日以内に葉菜類を収穫することが硝酸塩の含有量の低減した葉菜類の生産により有効であることを見出した。
更に、本発明者らは、上記方法で硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を生産するに当たっては、葉菜類の栽培用土壌の調製を、土壌の水分含量を所定の量に調節して行い、それによって得られた栽培用土壌を用いて葉菜類を収穫まで栽培するのが望ましいことなどを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
(1) 土壌に小麦フスマおよび/または末粉を混合して土壌中で20〜150日間分解させて葉菜類の栽培用土壌を調製し、その栽培用土壌で、葉菜類を収穫まで20日間以上栽培することを特徴とする硝酸塩の含有量の低減した葉菜類の生産方法である。
(2) 葉菜類の栽培用土壌の調製のために小麦フスマおよび/または末粉を土壌に混合した時点から200日以内に葉菜類を収穫する前記(1)の葉菜類の生産方法である。
(3) 小麦フスマおよび/または末粉を土壌に混合する前、混合するのと同時、並びに小麦フスマおよび/または末粉を土壌中で20〜150日間分解した後の少なくとも1つの段階で、土壌に施肥する上記(1)または(2)の葉菜類の生産方法である。
(4) 土壌への小麦フスマおよび/または末粉の混合量が、栽培面積1m2当たり0.2〜5kgである前記(1)〜(3)のいずれかの葉菜類の生産方法;および、
(5) 土壌の水分含量を30質量%以上にして土壌中で小麦フスマおよび/または末粉の分解を分解させて葉菜類の栽培用土壌を調製する、前記(1)〜(4)のいずれかの葉菜類の生産方法;
である。
さらに、本発明による場合は、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を、複雑で手間のかかる作業を要することなく、簡単に且つ安全に、しかも経済的に生産することができる。
本発明では、まず、土壌に小麦フスマおよび末粉のいずれか一方または両方を混合して土壌中で分解させて、葉菜類を収穫時まで生育させるための葉菜類の栽培用土壌を調製する。
この栽培用土壌の調製に当たっては、葉菜類の生長促進、生産量の増加などの点から、小麦フスマおよび/または末粉と共に肥料を施してもよい。
本発明の生産方法を適用できる葉菜類の例としては、キャベツ、チンゲンサイ、ハクサイ、コマツナ、ホウレンソウ、レタス、リーフレタス、シュンギク、セルリー、ブロッコリー、ハナヤサイ(カリフラワー)、ニラ、サントウサイ、ミズナ、ノザワナ、サラダナ、モロヘイヤ、ツルムラサキ、セリ、クレソン、葉ジソなどを挙げることができる。
また、土壌中には、バーミキュライト、パーライト、ゼオライト、ケイソウ土などの鉱物などが含まれていてもよい。
本発明では、小麦フスマおよび末粉のいずれか一方のみを使用してもまたは両者を含有していてもよい。そのうちでも、小麦フスマを使用することが、入手の容易性、コストなどの点から好ましい。
また、本発明で用いる小麦フスマおよび/または末粉の形態は、土壌への混合が容易である限りは特に制限されず、例えば粉末状、顆粒状、ペレット状、その他の粒状などのいずれでもよい。
栽培用土壌を調製する際の土壌中での小麦フスマおよび/または末粉の分解期間が20日未満であると、そのような栽培用土壌を用いて葉菜類を収穫まで栽培したときに、生育障害が生じやすい。一方、栽培用土壌を調製する際の土壌中での小麦フスマおよび/または末粉の分解期間が150日よりも長いと、作付けのための待機時間が長くなって、葉菜類の栽培計画が立てにくくなり、また栽培用土壌の調製に長い期間をかけたわりには、葉菜類における硝酸塩の含有量の低減効果の向上がそれほど顕著でない。
小麦フスマおよび/または末粉を、葉菜類を収穫まで栽培するための畑地などにそのまま直接混合する(施す)場合は、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を高収量で生産し得る点から、土壌への小麦フスマおよび/または末粉の混合量(小麦フスマと末粉の両方を用いる場合は両者の合計量)は、栽培面積1m2当たり、一般に0.2〜5kgであることが好ましく、0.5〜2kgであることがより好ましく、0.75〜1.5kgであることが更に好ましい。
小麦フスマおよび/または末粉を、葉菜類を収穫まで栽培するための畑地にそのまま直接混合する(施す)場合は、小麦フスマおよび/または末粉を、葉菜類を生育させるための畑地などの表面に散布などによって施してから、耕うん機などによって小麦フスマおよび/または末粉を土壌中に混合する(鋤き混む)ようにするのがよい。
例えば、栽培用土壌が、葉菜類を収穫まで栽培するための畑地自体であって、その畑地(栽培用土壌)にそのまま化成肥料を直接混合する場合は、一般的には、栽培面積1m2に対して化成肥料を10〜20g程度の割合で施すことが好ましい。
土壌の水分含量を前記した値に調節しながら土壌中で小麦フスマおよび/または末粉を20〜150日間分解させることによって、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を高収量で生産することのできる栽培用土壌を調製することができる。土壌の水分含量が少なすぎると、硝酸塩の低減した葉菜類を高収量で生産できる栽培用土壌が得られにくくなる。
なお、本明細書でいう、栽培用土壌の調製時の「土壌の水分含量」とは、土壌の質量(栽培用土壌の調製時の土壌の質量)をW1、前記土壌を105℃で5時間乾燥したときの質量をW0としたときに、下記の数式(i)から求めた値をいう。
土壌の水分含量(質量%)={(W1−W0)/W1}×100 (i)
また、小麦フスマおよび/または末粉を混合する土壌の水分含量が30%未満である場合は、例えば、一時的にまたは継続的に給水して土壌の水分含量を30%以上に維持して土壌中で小麦フスマおよび/または末粉を分解させて葉菜類の栽培用土壌を調製するのが好ましい。
ここで、本明細書における「栽培用土壌で、葉菜類を収穫まで20日間以上栽培する」とは、上記で調製した栽培用土壌を用いて、葉菜類を、収穫に至る最後の20日間以上にわたって少なくとも栽培することを意味する(以下、本発明で用いる上記で調製した葉菜類の栽培用土壌を「栽培用土壌A」ということがある)。栽培用土壌Aでの栽培期間が20日にならないうちに収穫した場合は、収穫された葉菜類における硝酸塩の含有量の低減効果が十分ではなく、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を生産するという本発明の目的の達成が困難になる。
栽培用土壌Aの調製するために土壌に小麦フスマおよび/または末粉を最初に混合した時点と、栽培用土壌Aを用いて栽培した葉菜類の収穫時点との間隔が200日を超えると、葉菜類を栽培している栽培用土壌Aでの硝酸塩の含有量が増加する傾向があり、それに伴って一旦低減した葉菜類での硝酸塩の含有量が増え、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を生産するという目的を果たせなくなることがある。
何ら限定されるものではないが、栽培用土壌Aを用いての栽培方法としては、例えば、
(i)所定の大きさに育てた葉菜類の苗を、露地に調製した栽培用土壌Aに移植(定植)して、収穫まで20日間以上露地栽培する方法;
(ii)所定の大きさに育てた葉菜類の苗を、ハウス内に調製した栽培用土壌Aに移植(定植)して、収穫まで20日間以上ハウス栽培する方法;
(iii)露地に調製した栽培用土壌Aに葉菜類の種を播き、そのまま収穫まで20日間以上露地栽培する方法;
(iv)ハウス内に調製した栽培用土壌Aに葉菜類の種を播き、そのまま収穫まで20日間以上ハウス栽培する方法;
などを挙げることができる。
以下の例において、葉菜類(チンゲンサイ)の生産量(収穫量)、生産された葉菜(チンゲンサイ)中の硝酸塩の含有量は次のようにして測定した。
以下の実施例および比較例のそれぞれで収穫した6株のチンゲンサイの地上部(根の部分を除いた葉株部分)の質量をそれぞれ測定して、1株当たりの平均値を求めて、チンゲンサイの収穫量とした。
非特許文献3の記載に準じて、以下の方法で、収穫した葉菜(チンゲンサイ)に含まれる硝酸塩の含有量を測定した。
(i) 以下の実施例および比較例のそれぞれで収穫したチンゲンサイ6株の地上部(根を除いたもの)をみじん切りにした後に良く混ぜ合わせて、その5gをポリプロピレン製造ビンに入れた。そこに、イオン交換水50mlを加えて、ミキサーで破砕した後、約80℃のイオン交換水でディスパーサーを洗いながら、100mlに定容した。
(ii) 上記(i)で得られた液を80℃で60分間振とうして、チンゲンサイ中の水溶性成分を抽出した。
(iii) 上記(ii)の液を、濾紙(JIS 5種A)で濾過して得られた濾液を、ミクロフィルター(孔径0.45μm)を通して濾過して、試験溶液を得た。
(a)試薬:
・硝酸イオン標準溶液:市販のイオンクロマトグラフ用硝酸標準溶液をイオン交換水で適宜希釈し、1〜5μg/mlの標準溶液を調製する。
・イオンクロマトグラフ用溶離液:1.7mM/Lの炭酸水素ナトリウム+1.8mM/Lの炭酸ナトリウム
(b)装置および操作:
・装置 :TOSOH 「ION CHROMATOGRAPH IC−2001」
・カラム:TOSOH 「TSK GEL SUPER IC−AP」
・流量 :0.8ml/hr
・溶離液:上記
(c)測定:
上記(iii)で得られた試験溶液25μlをイオンクロマトグラフィーに供して測定し、予め作成しておいた検量線から試料溶液中の硝酸イオン濃度を求めた。
(1) 通常の畑の土壌(黒ボク土)を3個の容器(縦×横×深さ=15cm×32cm×12cm、地表面積=0.048m2)のそれぞれに充填した。該容器内の土壌に、小麦フスマ48gを添加してよく混合した(土壌の地表面積1m2当たりの小麦フスマの混合量=1kg)。
(2) 小麦フスマを混合した上記(1)の土壌に加水して、土壌の水分含量を40質量%に調整した後、ビニールシートで覆い、それを恒温槽(ヤマト科学株式会社製「 Constant Temperature Oven DN810 」)に入れ、50℃で66日間静置して土壌中の小麦フスマを分解させて栽培用土壌を調製した。
(3) 上記(2)で調製した栽培用土壌を、栽培容器(縦×横×深さ=12cm×24cm×10cm、地表面積=0.0288m2)3個に均等に分けて充填した後、各栽培容器に化成肥料(尿素、過燐酸石灰、硫酸加里)を窒素成分、リン成分、カリ成分の施肥量がそれぞれ地表面積1m2当たり10gとなるように添加した。
(4) 次いで、各栽培容器にチンゲンサイの苗(播種後1週間)を2株ずつ移植し、室温(約10℃〜30℃)下に常法に従って33日間栽培した後に合計6株のチンゲンサイを収穫した。
(5) 上記(4)で収穫したチンゲンサイ6株の地上部の合計質量を測定し、その測定値を6で除して、1株当たりの質量(平均収穫量/株)を求めたところ、下記の表1に示すように41.1gであった。
次いで、収穫したチンゲンサイ6株の地上部中の硝酸塩の含有量を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すように1880ppmであった。
(1) 実施例1の(1)で用いたのと同じ畑の土壌を実施例1の(1)で用いたのと同じ3個の容器のそれぞれに充填した後、加水して土壌の水分含量を40質量%に調整し、次いでビニールシートで覆って実施例1の(2)で使用したのと同じ恒温槽に入れ、50℃で66日間静置した。
(2) 上記(1)で得られた土壌(小麦フスマを混合しない土壌)を、実施例1の(3)で使用したのと同じ栽培容器3個に均等に分けて充填した後、各栽培容器に化成肥料(尿素、過燐酸石灰、硫酸加里)を窒素成分、リン成分、カリ成分の施肥量がそれぞれ地表面積1m2当たり10gとなるように添加した。
(3) 次いで、各栽培容器にチンゲンサイの苗(播種後1週間)を2株ずつ移植し、室温(約10℃〜30℃)下に常法に従って33日間栽培した後に合計6株のチンゲンサイを収穫した。
(4) 上記(3)で収穫したチンゲンサイ6株の地上部の合計質量を測定し、その測定値を6で除して、1株当たりの質量(平均収穫量/株)を求めたところ、下記の表1に示すように36.2gであった。
次いで、収穫したチンゲンサイ6株の地上部中の硝酸塩の含有量を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すように2448ppmであった。
(1) 小麦フスマ48gの代わりに、ナタネ油粕19g(小麦フスマ48gと窒素分含有量がほぼ同じ)を土壌に混合した以外は、実施例1の(1)および(2)と同じ操作を行って栽培用土壌を調製した。
(2) 上記(1)で調製した栽培用土壌に加水して水分含量を40質量%に調整し、その土壌を実施例1の(3)で使用したのと同じ栽培容器3個に均等に分けて充填した後、各栽培容器に化成肥料(尿素、過燐酸石灰、硫酸加里)を窒素成分、リン成分、カリ成分の施肥量がそれぞれ地表面積1m2当たり10gとなるように添加した。
(3) 次いで、各栽培容器にチンゲンサイの苗(播種後1週間)を2株ずつ移植し、室温(約10℃〜30℃)下に常法に従って33日間栽培した後に合計6株のチンゲンサイを収穫した。
(4) 上記(3)で収穫したチンゲンサイ6株の地上部の合計質量を測定し、その測定値を6で除して、1株当たりの質量(平均収穫量/株)を求めたところ、下記の表1に示すように41.6gであった。
次いで、収穫したチンゲンサイ6株の地上部中の硝酸塩の含有量を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すように3431ppmであった。
一方、小麦フスマの代わりに油かすを混合し分解させて調製した栽培用土壌を用いて比較例2では、チンゲンサイの収穫量は増加したものの、葉菜類(チンゲンサイ)中の硝酸塩の濃度が非常に高くなった。
上記の結果から、土壌に小麦フスマを混合して20〜150日間の範囲内の期間で分解させて調製した栽培用土壌を用いて葉菜類を収穫まで20日以上栽培する本発明の方法を採用すると、硝酸塩の含有量の低減した葉菜類を高収穫量で生産できることが分かる。
(1) 通常の畑の土壌(黒ボク土)を3個の容器(縦×横×深さ=15cm×32cm×12cm、地表面積=0.048m2)のそれぞれに充填した。該容器内の土壌に、小麦フスマ48gを添加してよく混合した(土壌の地表面積1m2当たりの小麦フスマの混合量=1kg)。
(2) 小麦フスマを混合した上記(1)の土壌に加水して、土壌の水分含量を35質量%に調整した後、ビニールシートで覆い、それを実施例1の(1)で使用したのと同じ恒温槽に入れ、50℃で30日間静置して土壌中の小麦フスマを分解させて栽培用土壌を調製した。
(3) 上記(2)で調製した栽培用土壌を、栽培容器(縦×横×深さ=12cm×24cm×10cm、地表面積=0.0288m2)3個に均等に分けて充填した後、各栽培容器に化成肥料(尿素、過燐酸石灰、硫酸加里)を窒素成分、リン成分、カリ成分の施肥量がそれぞれ地表面積1m2当たり10gとなるように添加した。
(4) 次いで、各栽培容器にチンゲンサイの苗(播種後1週間)を2株ずつ移植し、室温(約10℃〜30℃)下に常法に従って50日間栽培した後に合計6株のチンゲンサイを収穫した。
(5) 上記(4)で収穫したチンゲンサイ6株の地上部の合計質量を測定し、その測定値を6で除して、1株当たりの質量(平均収穫量/株)を求めたところ、下記の表2に示すように36.0gであった。
次いで、収穫したチンゲンサイ6株の地上部中の硝酸塩の含有量を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すように1130ppmであった。
(1) 実施例2の(1)で用いたのと同じ畑の土壌を実施例1の(1)で用いたのと同じ容器に充填した後、加水して土壌の水分含量を35質量%に調整し、次いでビニールシートで覆って実施例1の(2)で使用したのと同じ恒温槽に入れ、50℃で30日間静置した。
(2) 上記(1)で得られた土壌(小麦フスマを混合しない土壌)を、実施例2の(3)で使用したのと同じ栽培容器3個に均等に分けて充填した後、各栽培容器に化成肥料(尿素、過燐酸石灰、硫酸加里)を窒素成分、リン成分、カリ成分の施肥量がそれぞれ地表面積1m2当たり10gとなるように添加した。
(3) 次いで、各栽培容器にチンゲンサイの苗(播種後1週間)を2株ずつ移植し、室温(約10℃〜30℃)下に常法に従って50日間栽培した後に合計6株のチンゲンサイを収穫した。
(4) 上記(3)で収穫したチンゲンサイ6株の地上部の合計質量を測定し、その測定値を6で除して、1株当たりの質量(平均収穫量/株)を求めたところ、下記の表2に湿すように31.6であった。
次いで、収穫したチンゲンサイ6株の地上部中の硝酸塩の含有量を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すように1736ppmであった。
(1) 実施例1の(2)において、栽培用土壌を調製するための50℃の恒温槽での静置期間(小麦フスマの分解期間)をそれぞれ90日間(実施例3)または150日間(実施例4)に変えた以外は、実施例1の(1)〜(4)と同じ方法および条件を採用してチンゲンサイを栽培して収穫した。
(2) また、小麦フスマを土壌に混合しなかった以外は、前記した実施例3または実施例4と同じ方法および条件を採用してチンゲンサイを栽培して収穫した(コントロール)。
(3) 前記(1)の実施例3および実施例4で得られたチンゲンサイの収穫量(平均質量/1株)および硝酸塩の濃度を、前記(2)の各コントロールで得られたチンゲンサイ(小麦フスマを混合しない土壌を用いて実施例3または実施例4のそれぞれと同じ期間にわたって栽培用土壌の調製およびチンゲンサイの生育を行って生産したチンゲンサイ)の収穫量および硝酸塩の濃度と対比した。
その結果、実施例3および実施例4のいずれにおいても、チンゲンサイの収穫量はコントロールに比べて5%以上増加し、その一方でチンゲンサイ中の硝酸塩の濃度はコントロールに比べて20%以上低減していた。
Claims (5)
- 土壌に小麦フスマおよび/または末粉を混合して土壌中で20〜150日間分解させて葉菜類の栽培用土壌を調製し、その栽培用土壌で、葉菜類を収穫まで20日間以上栽培することを特徴とする硝酸塩の含有量の低減した葉菜類の生産方法。
- 葉菜類の栽培用土壌の調製のために小麦フスマおよび/または末粉を土壌に混合した時点から200日以内に葉菜類を収穫する請求項1に記載の葉菜類の生産方法。
- 小麦フスマおよび/または末粉を土壌に混合する前、混合するのと同時、並びに小麦フスマおよび/または末粉を土壌中で20〜150日間分解した後の少なくとも1つの段階で、土壌に施肥する請求項1または2に記載の葉菜類の生産方法。
- 土壌への小麦フスマおよび/または末粉の混合量が、栽培面積1m2当たり0.2〜5kgである請求項1〜3のいずれか1項に記載の葉菜類の生産方法。
- 土壌の水分含量を30質量%以上にして土壌中で小麦フスマおよび/または末粉の分解を分解させて葉菜類の栽培用土壌を調製する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の葉菜類の生産方法。
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