JP4587599B2 - 電波受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はキーレスエントリー受信機等の電波受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日の自動車は、カーオーディオのラジオ等の他にも電波受信機が搭載されるようになってきており、代表的なものとして、キーレスエントリーシステムに用いられるものがある。キーレスエントリーシステムは車両のドア開閉等の制御用のシステムで、車両側に搭載されたキーレスエントリー受信機と、運転者が所持するキー等に内蔵されたキーレスエントリー送信機とからなる。運転者の操作によって、キーレスエントリー送信機から、送信機個々に割り振られたIDコードや操作指令コードを変調信号とする送信信号を送信し、キーレスエントリー受信機は送信信号を受信すると、これを復調してIDコードが自身と対になる送信機からのものか否かを判定し、肯定判断すると、操作指令コードに対応した制御信号を車両各部の制御ECUに出力して、ドアの開閉やエンジン始動等を行う。かかるキーレスエントリーシステムとして、300MHz 帯の微弱な電波を使用するものが主流である。
【0003】
かかるキーレスエントリー受信機に用いられる車載の電波受信機は、受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力するアンテナを接続して一体化したものが一般的である。このものでは、アンテナと受信回路とを接続する給電線を配線する必要がないから、配線は、電源の供給等のためのワイヤハーネスを配線基板に接続するだけでよく、組付け等の点で望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電波受信機には、十分な受信性能、キーレスエントリー受信機であれば、キーレスエントリーシステムが車外の運転者によるキーレスエントリー送信機の操作で確実に作動するように、確実にIDコードや操作指令コードを復調し得る受信性能が要求されるところ、車載の電波受信機は金属製車体による電磁遮蔽の影響を受けやすい。また、許容される送信出力も微弱である。このため、受信環境に配慮して、車室内等、なるべく金属製車体の影響を受けない場所に設置することになる。インストゥルパネルに組み込まれたメータ装置に内蔵するなど、設置場所に工夫をしたものもある。
【0005】
しかしながら、電波受信機の受信環境を優先すると、次の問題がある。車載の電装機器は通常、ボデーをグランドとしてあり、受信回路のグランドを低インピーダンスでボデーグランドとするには、電波受信機はボデーにボルト等で固定するのが理想的である。受信環境を優先すれば、電波受信機をボデーから離れた場所に設置するよりなく、アンテナ特性が電波受信機とボデーとを結ぶワイヤハーネスのグランドワイヤの影響を受ける。また、グランドワイヤの他、ワイヤハーネスの、受信回路への他の通電用のワイヤ、例えば、電源供給用のワイヤも受信回路においてバイパスコンデンサにより高周波回路上、受信回路のグランドに接地されるから、ワイヤハーネスの影響を強く受けることになる。これにより、ワイヤハーネスのレイアウトによって指向性が変化して送信機からの電波の受信が困難になる不感領域(ディップ点)が拡大したり、アンテナのリアクタンスの増大によりアンテナ利得が減少するおそれがある。
【0006】
また、アンテナと受信回路との間にバランを介設して、ワイヤハーネスに流れる不平衡電流を回避することも考えられるが、構成が複雑化する。
【0007】
このように、電波受信機を車載とすると、微弱な電波を用いるキーレスエントリーシステム等においては十分な受信性能を発揮することができないおそれがあり、必ずしも実用的とはいえなかった。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、受信性能が十分で実用的な電波受信機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナを、信号側のエレメントが配線基板から伸出する方向が、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向と逆方向とななり、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するように配置する。
【0010】
受信電波により、信号側のエレメントとワイヤハーネスとにそれぞれ高周波電流が流れる。この高周波電流が受信回路の入力部に流れ、受信信号となる。ワイヤハーネスの電波受信機側の線端部は、受信回路において、高周波回路上、直接またはバイパスコンデンサ等により接地されており、前記受信電波によるワイヤハーネスからの高周波電流は受信回路のグランド側の入力部に流れ込む。信号側のエレメントが配線基板から伸出する方向と、ワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向とを逆方向としたので、信号側のエレメントから受信回路の信号側の入力部に流れ込む高周波電流と、ワイヤハーネスから受信回路のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流とは逆相であり、ワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。これにより、アンテナ利得が向上し、電波受信機から離れたワイヤハーネスの線路部分の影響を相対的に低減することができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナを、グランド側のエレメントが配線基板から伸出する方向が、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向と同方向となり、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するように配置する。
【0012】
受信電波により、グランド側のエレメントとワイヤハーネスとにそれぞれ高周波電流が流れる。この高周波電流が受信回路の入力部に流れ、受信信号となる。
ワイヤハーネスの電波受信機側の線端部は、受信回路において、高周波回路上、直接またはバイパスコンデンサ等により接地されており、前記受信電波によるワイヤハーネスからの高周波電流は、アンテナのグランド側のエレメントとともに受信回路のグランド側の入力部に流れ込む。グランド側のエレメントが配線基板から伸出する方向と、ワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向とを同方向としたので、グランド側のエレメントに流れる高周波電流と、ワイヤハーネスに流れる高周波電流とは同相で受信回路のグランド側の入力部に流れ込み、ワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。これにより、アンテナ利得が向上し、電波受信機から離れたワイヤハーネスの線路部分の影響を相対的に低減することができる。
【0013】
請求項3記載の発明では、受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナのエレメントの基端部を、配線基板の略全面に形成されて受信回路の接地用のグランドパターンの外周部に配置し、
前記アンテナの信号側のエレメントを、配線基板上のグランドパターンが形成された領域とは反対の方向に向けて配線基板から伸出せしめ、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するようにしている。
【0014】
高周波の電波受信機において、アンテナのエレメントの基端部と、受信信号が入力する受信回路の入力部とは近接して形成される。本発明ではアンテナのエレメントの基端部がグランドパターンの外周部に配置されるので、グランドパターンは、グランドパターンの外周部で、受信回路のグランド側の入力部と導通することになる。したがって、グランドパターンがアンテナのグランド側のエンレメントと同等に機能し、受信電波により、信号側のエレメントとともにグランドパターンに高周波電流が流れる。そして、信号側のエレメントが、グランドパターンが形成された領域とは反対方向に配線基板から伸出しているので、信号側のエレメントから基端部を経て受信回路の信号側の入力部に流れ込む高周波電流と、グランドパターンからその外周部を経て受信回路のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流とは逆相であり、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。これにより、アンテナ利得が向上し、電波受信機から離れたワイヤハーネスの線路部分の影響を相対的に低減することができる。
【0015】
請求項4記載の発明では、受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナのエレメントの基端部を、配線基板の略全面に形成されて受信回路の接地用のグランドパターンの外周部に配置し、
前記アンテナのグランド側のエレメントを、配線基板上のグランドパターンが形成された領域に向けて配線基板から伸出せしめ、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するようにしている。
【0016】
高周波の電波受信機において、アンテナのエレメントの基端部と、受信信号が入力する受信回路の入力部とは近接して形成される。本発明ではアンテナのエレメントの基端部がグランドパターンの外周部に配置されるので、グランドパターンは、グランドパターンの外周部で、受信回路のグランド側の入力部と導通することになる。したがって、グランドパターンがアンテナのグランド側のエンレメントと同等に機能し、受信電波により、グランド側のエレメントとともにグランドパターンに高周波電流が流れる。そして、グランド側のエレメントがグランドパターンが形成された領域に向けて配線基板から伸出しているので、グランドパターンの外周部を経て受信回路のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流のうち、グランド側のエレメントからの高周波電流と、グランドパターンからの高周波電流とは同相であり、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。これにより、アンテナ利得が向上し、電波受信機から離れたワイヤハーネスの線路部分の影響を相対的に低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面にしたがい、本発明の電波受信機について説明する。図1に本発明を適用した電波受信機であるキーレスエントリー受信機の構成を示し、図2に該キーレスエントリー受信機を内蔵した電波受信機内蔵型メータ装置の分解した状態を示す。電波受信機内蔵型メータ装置7は、車室のインストゥルパネル内に嵌め込まれるアッパーハウジング71、ロアハウジング72を有し、乗員と対向するアッパーハウジング71には、車両の走行情報等を表示するスピードメータやタコメータ等のメータ711が設けられる。アッパーハウジング71の背後には、メータ回路基板73および電波受信機であるキーレスエントリー受信機1が配設される。キーレスエントリー受信機1も1枚の配線基板2を中心に構成され、メータ回路基板73の隅部に固定されている。
【0018】
メータ回路基板73には、メータ711を駆動するためのメータ指示用交差コイル731等の電子部品が実装され、メータ回路基板73の上縁部には、キーレスエントリー受信機1の配線基板2と近接する位置に、車内配線用のワイヤハーネス6を配線するためのコネクタ部51が設けられている。ワイヤハーネス6により、メータ回路基板73と例えばバッテリやボデー等とが接続される。メータ回路基板73側のコネクタ部51の受け口は上方に向けられており、ワイヤハーネス6側が上側から挿し込まれるようになっている。したがって、ワイヤハーネス6はコネクタ部51から立ち上がり、コネクタ部51の上方で曲がってロアハウジング72の背後へと流れるようにレイアウトされている。ワイヤハーネス6は前記メータ指示用交差コイル731等の電子部品への電源供給用の電源供給ワイヤ61、グランドワイヤ62、その他の制御信号用のワイヤ63からなる。
【0019】
キーレスエントリー受信機1の配線基板2の上縁部には、コネクタ部51と車両前後方向に近接対向する位置に別のコネクタ部52が設けられ、キーレスエントリー受信機1の受信回路31(図1)とワイヤハーネス6とを接続する(以下、コネクタ部51をメータコネクタ51と、コネクタ部52を受信機コネクタ52という)。受信機コネクタ52も、メータコネクタ51と同様に、キーレスエントリー受信機1側の受け口が上方に向けられており、ワイヤハーネス6側が上方から挿し込まれるようになっている。
【0020】
受信機コネクタ52に到るワイヤハーネス6の線路部分は、ごく短いもので、キーレスエントリー受信機1への電源供給用の電源供給ワイヤ(以下、受信機用電源供給ワイヤという)611が電源供給ワイヤ61と接続され、キーレスエントリー受信機1のグランド用のグランドワイヤ(以下、受信機用グランドワイヤという)621がグランドワイヤ62と接続されている。
【0021】
キーレスエントリー受信機1の配線基板2にはアンテナ4が接続されて、キーレスエントリー送信機からの電波を受信するようになっており、キーレスエントリー受信機1とキーレスエントリー送信機とで電波方式のキーレスエントリシステムを構成する。図3に示すように、キーレスエントリー送信機8は、公知のキータイプのもので、キープレート82を保持する把手部81に本体回路が内蔵されたもので、把手部81の側縁に設けられた押しボタン83を運転者が押下することで、送信機個々に割り振られたIDコードや操作指令コードを変調信号とする電波Rが垂直偏波もしくは水平偏波にて送信される。
【0022】
キーレスエントリー受信機1は、配線基板2上に受信回路31が形成されてなる。受信回路31は、アンテナ4の入力部、同調回路、復調回路等で構成され、運転者の操作によって、キーレスエントリー送信機8から、前記電波を受信すると、これを復調してIDコードが自身と対になるキーレスエントリー送信機8からのものか否かを判定する。肯定判断すると、操作指令コードに対応した制御信号を車両各部の制御ECUに出力して、ドアの開閉やエンジン始動等を行う。
【0023】
受信回路31に電源を供給するための前記受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621は前記のごとく配線基板2の上縁部に設けられた受信機コネクタ52から配線基板2上の配線用のパターン32,33と導通している。受信機コネクタ52が配線基板2の上縁部に設けられるから、受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621は、配線基板2の上縁部から上方に伸出して、電源供給ワイヤ61およびグランドワイヤ62のそれぞれと1対1に対応して接続される。
【0024】
配線用のパターン32は受信回路31への電源供給用の配線パターンであり、受信機用電源供給ワイヤ611と受信回路31とを接続する。また、配線用のパターン33は受信回路31のグランドパターンであり、配線基板2の略全面に形成されている。電源供給用の配線パターン32とグランドパターン33間には、受信回路31へのノイズ混入対策用にバイパスコンデンサ34が介設され、電源供給用の配線パターン32を高周波回路上、グランドパターン33と導通せしめている。この作用は、キーレスエントリーシステムの使用周波数帯域(例えば前記300MHz帯)のように高い周波数の信号に対して特に顕著である。
【0025】
受信回路31にはアンテナ4からの受信信号が整合回路35を介して入力するようになっている。
【0026】
アンテナ4はダイポール型のもので、1対のエレメント41,42が、配線基板2の縦辺の下端部の近傍位置から上下反対方向に伸びており、信号側のエレメント41が配線基板2から下方に伸出している。すなわち、信号側のエレメント41の伸出方向と、受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621の伸出方向とは逆方向である。
【0027】
一方、信号側のエレメント41とは逆方向に伸びるグランド側のエレメント42は配線基板2から上方に伸出しており、グランド側のエレメント42の伸出方向と、受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621の伸出方向とは同方向である。
【0028】
整合回路35はインダクタ351およびコンデンサ352からなるLC回路であり、アンテナ4の両エレメント41,42の基端部411,421および受信回路31と近接して配置される。インダクタ351は両エレメント41,42の基端部411,421間に接続されており、コンデンサ352は信号側エレメント基端部411と受信回路31の信号側の入力部との間に介設されている。また、グランド側エレメント基端部421はグランドパターン33と導通し、受信回路31のグランド側の入力部に入力している。受信回路31は、この信号側の入力部とグランド側の入力部との間に発生する電圧を受信信号として前記IDコードや操作指令コードを抽出することになる。
【0029】
前記キーレスエントリー送信機8から電波が送信されると、アンテナ4の両エレメント41,42に送信電波に応じた高周波電流が流れ、整合回路35を介して受信回路31の入力部に流れ込む。
【0030】
一方、受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621にも、前記送信電波に応じた高周波電流が流れる。前記のごとく受信機用電源供給ワイヤ611はバイパスコンデンサ34を介して高周波回路上、グランドパターン33に接地し、受信機用グランドワイヤ621は直接にグランドパターン33に接地しているから、アンテナ4の実質的なグランド側のエレメントとして機能することになる。以下、受信機用電源供給ワイヤ611および受信機用グランドワイヤ621を適宜、受信機用ハーネス611,621という。
【0031】
ここで、受信機用ハーネス611,621に流れる高周波電流の向きが、図中、矢印のようなものであったとすると、両エレメント41,42にも同じ向きの高周波電流が流れる。前記のごとく、信号側のエレメント41の伸出方向と、受信機用ハーネス611,621の伸出方向とは逆方向であるから、信号側のエレメント41から受信回路31の信号側の入力部に流れ込む高周波電流と、受信機用ハーネス611,621から受信回路31のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流とは逆相である。したがって、受信機用ハーネス611,621に流れる高周波電流は、前記受信信号の増大に寄与する。
【0032】
また、受信機用ハーネス611,621に流れる高周波電流は、グランド側のエレメント42に流れる高周波電流とともに、受信回路31のグランド側の入力部に流れ込むことになるが、前記のごとく、グランド側のエレメント42の伸出方向と、受信機用ハーネス611,621の伸出方向とは同方向であるから、グランド側のエレメント42から受信回路31のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流と、受信機用ハーネス611,621から受信回路31のグランド側の入力部に流れ込む高周波電流とは同相である。したがって、受信機用ハーネス611,621に流れる高周波電流は、前記受信信号の増大に寄与する。
【0033】
図4は本キーレスエントリー受信機1と比較するためのキーレスエントリー受信機(以下、比較例という)であり、図中、実質的に同じ部分には同じ番号を付している。比較例は、アンテナ91の信号側のエレメント911の伸出方向が受信機用ハーネス611,621の伸出方向と同方向であり、グランド側のエレメント912の伸出方向が受信機用ハーネス611,621の伸出方向と逆方向である。この場合には、受信機用ハーネス611,621に流れる電流がアンテナ91の両エレメント911,912に流れる電流を相殺する方向に作用し、アンテナ利得が低下する。
【0034】
また、ワイヤハーネス6のうち、コネクタ部51から立ち上がる線路部分についても、受信機用ハーネス611,621と同様の方向を向いているから、この線路部分についても、アンテナ利得を向上せしめるのに寄与する。
【0035】
このように、本キーレスエントー受信機1では、バラン等を用いることなく、良好なアンテナ利得を得ることができ、相対的に、キーレスエントー受信機1から離れたワイヤハーネス6の線路部分がアンテナ特性に与える悪影響を低減することができる。
【0036】
なお、アンテナ4は配線基板2の縦辺の下端部側に偏した位置に配置しているが、信号側のエレメント41が配線基板2から伸出する方向が、受信機用ハーネス611,621が配線基板2から伸出する方向と逆方向で、グランド側のエレメント42が配線基板2から伸出する方向が、受信機用ハーネス611,621が配線基板2から伸出する方向と同方向となっておればよく、例えば、エレメント41,42の向きをこのままに、配線基板2の縦辺の中程や上端部側に偏した位置に配置してもよい。
【0037】
(第2実施形態)
図5に本発明の第2実施形態になるキーレスエントリー受信機を示す。図中、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0038】
キーレスエントリー受信機1Aの配線基板2Aは、やや上下方向に縦長のもので、この略全面に形成されたグランドパターン33Aも同様に上下方向に縦長となっている。
【0039】
アンテナ4は、第1実施形態と同様のものであり、配線基板2Aの縦辺の下端部位置にエレメント41,42の基端部411,421が配置され、エレメント41,42が上下方向に伸びている。グランド側のエレメント42は基端部421の直近位置、すなわちグランドパターン33Aの外周部となる配線基板2Aの下縁側に偏した位置にてグランドパターン33Aと導通している。したがって、グランドパターン33Aが、エレメント基端部411,421の近傍位置から上方に向かって伸出する、帯状の、アンテナ4のグランド側のエレメントとして機能することになる。このエレメントとしてのグランドパターン33Aの配線基板2Aからの伸出方向は、信号側のエレメント41の伸出方向とは逆方向で、グランド側のエレメント42の伸出方向とは同方向となる。
【0040】
キーレスエントリー送信機8からの受信電波により、グランドパターン33Aとともに信号側のエレメント41に高周波電流が流れる。そして、信号側のエレメント41が、エレメントとしてのグランドパターン33Aの伸出方向とは反対方向に伸出しているので、信号側のエレメント41からその基端部411を経て受信回路31の信号側入力部に流れ込む高周波電流と、グランドパターン33Aから、エレメント基端部411,421の近傍位置を経て受信回路31のグランド側入力部に流れ込む高周波電流とは逆相であり、グランドパターン33Aに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。これにより、アンテナ利得が向上する。
【0041】
また、グランド側のエレメント42が、エレメントとしてのグランドパターン33Aと同方向に伸出しているので、受信回路31のグランド側入力部に流れ込む高周波電流のうち、グランド側のエレメント42からの高周波電流と、グランドパターン33Aからの高周波電流とは同相であり、グランドパターン33Aに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用する。
【0042】
なお、アンテナのエレメントの伸出方向を図4のごとく逆方向とすると、逆に、アンテナエレメントとしてのグランドパターンが、本来のエレメントに流れる高周波電流を相殺する方向に作用してしまうことになる。
【0043】
このように、本キーレスエントリー受信機ではアンテナ利得が向上する。
【0044】
なお、このグランドパターン33Aによるアンテナ利得向上作用は第1実施形態でも同様であるが、本実施形態では、アンテナ4のエレメント41,42の伸出方向がグランドパターン33Aの長手方向と同じであり、グランドパターン33Aが、より高いアンテナエレメントとしての機能を発揮するので、望ましい。
【0045】
また、前記各実施形態では、アンテナ4のエレメント41,42の基端部411,421をグランドパターン33,33Aの所定の外周部に配置することで、グランドパターン33,33Aのアンテナ特性への影響をアンテナ利得を向上する方向に転換しているが、要求される受信性能によっては、エレメント基端部411,421の位置は任意である。この場合は、受信機用ハーネス611,621によるアンテナ特性に対する影響のみが改善される。
【0046】
また、本発明は、キーレスエントリー受信機だけではなく他の電波受信機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したキーレスエントー受信機の構成図である。
【図2】前記キーレスエントー受信機を内蔵したキーレスエントー受信機内蔵型メータ装置の分解斜視図である。
【図3】前記キーレスエントー受信機とキーレスエントリーシステムを構成するキーレスエントー送信機の正面図である。
【図4】前記キーレスエントー受信機と比較するためのキーレスエントー受信機の構成図である。
【図5】本発明を適用した別のキーレスエントー受信機の構成図である。
【符号の説明】
1,1A キーレスエントリー受信機(電波受信機)
2,2A 配線基板
31 受信回路
32 配線用パターン
33,33A グランドパターン
34 バイパスコンデンサ
35 整合回路
4 アンテナ
41 信号側エレメント
411 基端部
42 グランド側エレメント
421 基端部
51,52 コネクタ部
6 ワイヤハーネス
61 電源供給ワイヤ
62 グランドワイヤ
611 受信機用電源供給ワイヤ
621 受信機用グランドワイヤ
7 電波受信機内蔵型メータ装置
Claims (4)
- 受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナを、信号側のエレメントが配線基板から伸出する方向が、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向と逆方向となり、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するように配置したことを特徴とする電波受信機。 - 受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナを、グランド側のエレメントが配線基板から伸出する方向が、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスが配線基板から伸出する方向と同方向となり、電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するように配置したことを特徴とする電波受信機。 - 受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナのエレメントの基端部を、配線基板の略全面に形成されて受信回路の接地用のグランドパターンの外周部に配置し、
前記アンテナの信号側のエレメントを、配線基板上のグランドパターンが形成された領域とは反対の方向に向けて配線基板から伸出せしめ、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するようにしたことを特徴とする電波受信機。 - 受信回路が形成された配線基板に、電波を受けて受信信号を受信回路に出力する、信号側およびグランド側のエレメントにて構成されるダイポール型のアンテナと、受信回路への電源供給用またはグランド用のワイヤハーネスとが接続された電波受信機において、
前記アンテナのエレメントの基端部を、配線基板の略全面に形成されて受信回路の接地用のグランドパターンの外周部に配置し、
前記アンテナのグランド側のエレメントを、配線基板上のグランドパターンが形成された領域に向けて配線基板から伸出せしめ、グランドパターンに流れる高周波電流が、受信信号を増大する方向に作用するようにしたことを特徴とする電波受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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