JP4587261B2 - 電子的にコミュテーション可能なモータ - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、界磁巻線が半導体出力段を介してコミュテーション周波数を有する制御信号を用いて順次制御されかつ給電直流電圧に接続されかつ該給電直流電圧から遮断される、電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法であって、順次連続する制御信号はオーバラップしておりかつ該オーバラップ領域において前記制御信号の少なくとも1つがパルス幅変調されてタイミングをとられて、界磁巻線を流れる電流が上昇側縁において増加しかつ下降側縁において低下しかつ前記制御信号はモータの回転数または出力の前以て決めることができる目標値に依存して変化されるという形式の方法にに関する。
【0002】
この形式のモータの制御方法はDE3940569C2およびUS−A5712539号から公知である。その際連続的に上昇するないし下降する、前以て決められている経過の特性曲線を有する相電流のコミュニケーション側縁が少ない損失で実現される。更にこの形式の界磁巻線の制御法には、オーバラップ領域において制御信号のタイミングをとることによりスイッチング損失が僅かであってその上さらに、騒音低減が実現されるという利点がある。しかし本来のコミュテーションフェーズにおいてフェーズを持続的に制御することで(上昇および下降側縁を除いて)、比較的大きな回転数または出力領域に対してモータの利用効率という点で著しい難点が生じる。
【0003】
DE19500900A1号に示されているように、コミュテーション時点において、コミュテーション方向において後続する巻線ストランドに通電するために付加的に、コミュテーション方向において先行する巻線ストランドの電流強度が低下するように制御しながら引き続いて通電することも公知である。これにより、巻線ストランドの総電流の急激な低下がコミュテーション時点におけるトルクの急激な低下ともなることを回避しようというものである。しかしコミュテーション方向において先行する巻線ストランドは低減するパルス幅比でパルス幅変調されて通電される。後続する巻線ストランドの通電および先行する巻線ストランドの通電の低下の形式および手法を別の作動量に依存して行うことについては何も記載されていない。
【0004】
US5869946号に記載の電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法では、コミュテーション時点の間、付加的にPWM信号が生成されかつしかもそれはすべての相において行われる。これにより、相電流の台形の形状、ひいては一定の総出力が実現される。
【0005】
DE3107623A1号、US5767641号およびUS5780986号から、ブラシレス直流モータの巻線を流れる電流を上昇および下降側縁においてモータの存在している負荷に依存して変化させることが公知である。
【0006】
EP0831580A2号には、巻線に対する制御信号がパルス幅変調される信号として実現され、その際パルス幅比は正弦波状経過に従っているという、電子的にコミュテーション可能なモータが示されている。その際騒音の発生が低減されるようにしている。しかしこの場合にはモータの出力が低減されてしまうことになる。
【0007】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法を、簡単なパルス変調される制御信号によってコミュテーション領域全体および回転数または出力領域全体にわたって騒音発生が阻止されるかまたは少なくとも著しく低減されるように実現することである。
【0008】
この課題は本発明によれば、制御信号として、前以て決められた目標値に依存している作動値を有するパルス幅変調される信号を使用し、制御信号の上昇側縁において、パルス幅比を目標値または実際値に依存している数mの段において低い初期値から前記作動値に増加するように実現しかつ制御信号の下降側縁において、パルス幅比制御を前記作動値から出発してn段において、パルス幅比が値零に戻される前に低減するように行い、ここで該段数nも前記目標値または実際値に依存して形成されるようにしたことによって解決される。
【0009】
制御信号の上昇側縁および下降側縁において制御信号をモータの回転数または出力の前以て決められている目標値または存在している実際値に付加的に整合することによって、モータの全体の回転数または出力領域にわたって、制御コストを過度に高めることなしに、騒音の著しい低減が実現される。
【0010】
上昇および/または下降側縁におけるパルス幅比は一定に保持されずに、回転数または出力の目標値および/または実際値に依存して変化されるので、電流のスムーズなスイッチオンおよびスイッチオフがモータの全体の動作領域において実現される。スタータの極および界磁巻線に対する強い力作用はもはや発生しないので、騒音レベルは常に著しく低い。パルス幅比の変化はモータの回転数または出力の実際値にも依存しているので、このことはモータの回転数領域全体に対して当てはまりかつ騒音低減は通電のスイッチオンに対してスイッチオフに対しても実現される。
【0011】
実施形態によれば、制御信号の上昇側縁および/または下降側縁におけるmおよびn段のパルス幅比は少なくとも、PWM信号のクロック周波数の周期にわたって維持されるようになっている。制御信号の上昇および/または下降側縁は、PWM信号の、その都度比較的大きな数の周期にわたって延在している、mおよびn段の変化するパルス幅比を有しているようにすることもできる。
【0012】
前以て決められたまたは前以て決めることができる、モータの回転数または出力領域に種々異なっている数mおよびn段のパルス幅比が割り当てられておりかつモータの回転数または出力の実際値に相応して、割り当てられた数mおよびn段のパルス幅比が制御信号の上昇側縁および/または下降側縁で作用するようになっている実施形態であれば、モータの回転数または出力の検出された実際値によって直ちに、制御信号の上昇および/または下降側縁におけるこの段数mおよびnを割り当てることができる。
【0013】
その際種々異なった段数mおよびnを4,8,16など、基数2で整数のべき数1,2,3などによって表して、モータの制御ユニットにおけるコストが小さく抑えられるようにすると有利である。
【0014】
パルス幅比の変化はある実施の形態によれば次のようにして行うことができる:制御信号の上昇側縁においてパルス幅比は初期値によって始まり、該初期値は上昇側縁におけるパルス幅比の段数mによって除算される、目標値に割り当てられている作動値によって決められている、並びに制御信号の下降側縁においてパルス幅比は、パルス幅比が値零をとる前に、遮断終値によって終了し、該終値は下降側縁におけるパルス幅比の段数nによって除算される、目標値に割り当てられている作動値によって決められている。
【0015】
パルス幅比の段階的な変化に対して、制御信号の上昇側縁のm個の段においてパルス幅比が段毎に初期値だけ増加し、並びに制御信号の下降側縁のn個の段においてパルス幅比が段毎に遮断終値だけ低下するように設定することができる。
【0016】
これとは異なって、パルス幅比の開始値および/または遮断終値が零であるようにすることもできる。
【0017】
パルス幅変調された制御信号が半導体出力段を完全に導通制御するように設定されているのであれば、半導体出力段における損失電力は小さく抑えられる。
【0018】
半導体出力段に対する制御信号の下降側縁が次の半導体出力段の制御信号の上昇側縁と少なくとも部分的にオーバラップしかつ制御信号のオーバラップ領域においても半導体出力段に対する制御信号は個別でありかつ独立している。
【0019】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。その際:
図1は、電気的にコミュテーション可能なモータとその機能ユニットとのブロック線図を示し、
図2は、界磁巻線における電流の特性を時間について示し、
図3は、制御信号のスイッチオン時点およびスイッチオフ時点を表しているコミュテーション信号の特性を時間について示し、
図4は、下降側縁の間の半導体出力段の制御信号の特性を電圧−時間ダイヤグラムとして示している。
【0020】
図1には概略的なブロック線図において2つの界磁巻線L1およびL2を有する電子的にコミュテーション可能なモータの構成が示されている。これら巻線は相とも表される。半導体出力段T1およびT2は完全に導通制御されると界磁巻線を給電直流電圧Ubattに接続する。半導体出力段T1およびT2が制御されないと、界磁巻線L1およびL2は給電直流電圧Ubattから遮断されている。というのは、半導体出力段T1およびT2は高抵抗であり、すなわち導通していないからである。半導体出力段T1およびT2は電子的な制御ユニットSTEによって制御される。これはマイクロ計算機によって実現されておりかつ複数の出力側1,2を有している。その数は半導体出力段T1およびT2の数に相応している。界磁巻線L1およびL2において発生する電流l1およびl2の基本形状は図2から分かるとおりである。l1およびl2を流れる電流の上昇側縁Teおよび下降側縁Taは扁平化されておりかつ有限な時間区間にわたって延在している。
【0021】
その際コミュテーション周波数を有する制御信号SK1およびSK2が半導体出力段T1およびT2の繰り返される制御のために順次使用される、
半導体出力段の数および制御ユニットSTEの制御出力側の数はモータの構造形式に依存しておりかつ2つより大きくても構わない。
【0022】
制御ユニットSTEにはコミュテーション装置KEおよびPWM発生器PWM−Gが配属されている。これらは図1には別個の機能ユニットとして図示されているが、制御ユニットSTEと一緒に電子的なモータ制御部にまとめられている。モータ制御部の機能の仕方をよりよく説明するためにこのように図示したものである。
【0023】
PWM発生器PWM−Gに図示されているように、モータの回転数または出力に対する目標値Nsollを前以て決めておくまたは前以て決めることができかつクロック予設定装置TVを介して、回転数または出力の実際値Nistに依存して界磁巻線L1およびL2に流れる電流l1およびl2の上昇および下降側縁TeおよびTaに対する複数の段が前以て決められる。その際有利には、回転数領域が定められ、これら回転数領域に所定数の段が割り当てられる。上昇側縁Teはm段に分割されておりかつ下降側縁Taはn段に分割されている。この数mおよびnは異なって選択することもできるし、同じに選択されていてもよいが、それはクロック予設定装置TVの信号に依存して変化する。勿論クロック予設定装置TVの信号は実際値Nistおよびクロック予設定装置TVにおいてこれに配属されている回転数または出力領域に依存している。
【0024】
コミュテーション装置KEは図3に示されているコミュテーション信号SKEを送出する。これらは制御パルスskaおよびskeとともに電流l1およびl2の始めおよび制御信号の遮断過程の開始をマーキングするものである。
【0025】
拡大して示されている図4に基づいて、下降側縁Taの期間の半導体出力段の制御信号について説明する。
【0026】
更にPWM発生器PWM−Gに対する目標値Nsollは次のように作用するものであることを述べておかなければならない:PWM信号が相応に割り当てられるパルス幅比PWVsollを有するようにし、この比が電流l1およびl2の一定の経過期間中に生じておりかつこれら電流をPWM発生器PWM−Gのクロック周波数のリズムでタイミング制御する。
【0027】
遮断過程の開始時にパルス幅比PWVsollが例えば図4に示されているように0.8でありかつクロック予設定装置TVが実際値Nistにおいてn=4の段数を割り当てたのならば、下降側縁Taの4つの段においてパルス幅比(デューティサイクル)は存在している値PWVsoll=0.8から出発して、数n=4によって除算されたPWVsollによって決められている段(ステップ)数において低減される。その際パルス幅比のこの低減は、図4の半導体出力段T1に対する電圧Uの制御パルスU1a,U2a,U3a,U4aが示しているように、続くステップが0.6.0.4および0.2のパルス幅比を有するように行われる。その際PWVe=0.2を有する最後の段で終わることができる。パルス幅比PWVe=0.2は下降側縁Taの最後の段を特徴付けており、それはPWVe=0によって終了するようにしてもよい。それから下降側縁Taの後パルス幅比PWVeはどんな場合にも「0」である。パルス幅比PWVの段数nおよび各段におけるパルス幅比は制御ユニットSTEが、図1のコミュテーション装置KEの信号、図3のコミュテーション信号SKEの信号およびクロック予設定装置TVによる予設定と組み合わせて決定するのである。
【0028】
同じ手法において制御信号の上昇側縁Teをタイミング制御することができ、その際前以て決められている目標値Nsollが、上昇側縁Teの終了時に実現されるべきである、PWM発生器PWM−Gに対する実現すべき作動値PWVsollを前以て決める。この作動値に相応して、クロック予設定装置TVは上昇側縁Teにおけるパルス幅比PWVに対する段数mを定める。制御パルスは上昇側縁Teにおいて減らされず、図4とは逆の順序で相応に増加し、ついには制御パルスU1aが作動値PWVsollに相応するまでになる。上昇側縁Teにおいても段数mは目標値Nsollおよび実際値Nistに依存して変わるようにすることができる。数mおよびnは有利には、種々異なっている2のべき数、例えば2,2および2によって選択される。というのはこうすればクロック予設定装置TVおよび制御ユニットSTEにおけるコストは最小ですむからである。
【0029】
もう一度指摘しておくが、タイミング制御される制御信号がその制御パルスによって半導体出力段T1およびT2を常時完全に導通制御して、その損失電力ができるだけ小さく保持されるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気的にコミュテーション可能なモータとその機能ユニットとのブロック線図である。
【図2】 界磁巻線における電流の特性の時間ダイヤグラムである。
【図3】 制御信号のスイッチオン時点およびスイッチオフ時点を表しているコミュテーション信号の特性の時間ダイヤグラムである。
【図4】 下降側縁の間の半導体出力段の制御信号の特性の電圧−時間ダイヤグラムである。

Claims (6)

  1. 界磁巻線(L1,L2)が半導体出力段(T1,T2)を介してコミュテーション周波数を有する制御信号(SK1,SK2)を用いて順次制御されかつ給電直流電圧(U batt に接続されかつ該給電直流電圧(U batt から遮断される、電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法であって、
    順次連続する制御信号(SK1,SK2)はオーバラップしておりかつ該オーバラップ領域において前記制御信号(SK1,SK2)の少なくとも1つがパルス幅変調されてタイミングをとられて、界磁巻線(L1,L2)を流れる電流(I1,I2)が上昇側縁(Te)において増加しかつ下降側縁(Ta)において低下しかつ前記制御信号(SK1,SK2)はモータの回転数または出力の前以て決めることができる目標値(N soll に依存して変化され
    前記制御信号(SK1,SK2)として、前以て決められた目標値(N soll )に依存している作動値(PWV soll )を有するパルス幅変調される信号を使用し、
    制御信号(SK1,SK2)の上昇側縁(Te)において、パルス幅比(PWV)を目標値(N soll )または実際値(N ist )に依存している段数mで低い初期値(PWV )から前記作動値(PWV soll )に増加するように形成しかつ
    制御信号(SK1,SK2)の下降側縁(Ta)において、パルス幅比(PWV)制御を前記作動値(PWV soll )から出発して段数nで、パルス幅比(PWV)が値零に戻される前に遮断終値(PWV )まで低減するように行い、ここで該段数nも前記目標値(N soll )または実際値(N ist )に依存して形成される
    電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法において、
    初期値(PWV )は上昇側縁(Te)におけるパルス幅比の段数mによって除算される、目標値(N soll )に割り当てられている作動値(PWV soll )によって前以て決められ、
    遮断終値(PWV )は下降側縁(Ta)におけるパルス幅比(PWV)の段数nによって除算される、目標値(N soll )に割り当てられている作動値(PWV soll )によって前以て決められる
    ことを特徴とする電子的にコミュテーション可能なモータの制御方法。
  2. 上昇側縁(Te)および下降側縁(Ta)における段数mおよびnを等しく選択する
    請求項1記載の方法。
  3. 制御信号(SK1,SK2)の上昇側縁(Te)および/または下降側縁(Ta)におけるパルス幅比(PWV)のmおよびn個の段を少なくともPWM信号のクロック周波数(ft)の周期にわたって維持する
    請求項1または2記載の方法。
  4. モータの前以て決められたまたは前以て決めることができる回転数または出力領域に、種々異なった数mおよびn(m=n=4ないし8ないし16)の段のパルス幅比(PWV)を割り当てかつ
    モータの回転数または出力の実際値(N ist )に相応して、割り当てられている数mおよびnの段(4または8または16)のパルス幅比(PWV)が制御信号の上昇側縁(Te)および/または下降側縁(Ta)において作用するようにする
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 制御信号(SK1,SK2)の上昇側縁(Te)のm段においてパルス幅比(PWV)を段毎に初期値(PWV )づつ増加するように選択する
    請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 制御信号(SK1,SK2)の下降側縁(Ta)の段においてパルス幅比(PWV)を段毎に遮断終値(PWV )づつ低下するように選択する
    請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
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